微妙な10センチ。〜最終〜
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#147 [あき]
一人ぽっち…
かつて笑い合った仲間は、半分は辞めて、半分は生き残った。
だけど、生き残った、かつての仲間とは、もう会話もしない。部署が違えど、同じ社内。もちろん、いくらでも会う訳で。
正確に言うと…
元気?最近どう?
なんて、上辺の笑顔で、当たり障りのない会話をそつなく話すだけ。
もう、昔のように、飲みに行く事もなくなった。
初めは、寂しかった。
悲しかった。
どうしてと悩んだ。
だけど、気付いた。
無理もない。
右も左もわからない下っ端ぺーぺー新人だった私が、あれよあれよ、上へ上へと登り、今では、冷暖房完備の箱でちょこんと座って、かつての仲間に、ああしろ、こおしろと、言ってるんだから。
女の世界。
みんなが、みんな、素直に受け入れる訳はない。
:09/07/27 22:33
:W65T
:LBoOeDds
#148 [あき]
正確に言うと…
元気?最近どう?
なんて、上辺の笑顔で、当たり障りのない会話をそつなく話すだけ。
もう、昔のように、飲みに行く事もなくなった。
初めは、寂しかった。
悲しかった。
どうしてと悩んだ。
だけど知った。
右も左もわからない下っ端ぺーぺー新人だった私が、あれよあれよ、上へ上へと登り、今では、冷暖房完備の箱でちょこんと座って、かつての仲間に、ああしろ、こおしろと、言ってるんだから。
女の世界。
みんなが、みんな、素直に受け入れる訳はない。
:09/07/27 22:35
:W65T
:LBoOeDds
#149 [あき]
《あきは上司に気にいられてるからね〜〃》
《うまく取り入ったよね〜〃》
《あきが言えば、上司もうんって言うんじゃない?〃》
そう言われた時に、初めて知った。
ああ。そっか…
そうゆう事か…。
私は、ただ毎日を仕事に夢中になっただけ。
促されるまま、試験を受けただけ。
似合う部署に移動を命じられ、似合う仕事を命じられただけ。
こんな立場が欲しいなら、すぐにくれてやるっ!!
私は現場に戻りたいっ!!
言われる度に、あはは、まさかと、笑いながら、血が止まるかと思った程に、拳を握り締めた。
:09/07/27 22:48
:W65T
:LBoOeDds
#150 [あき]
ただひとり、新人時代から、公私共に面倒見てくれる、先輩だけが、そんな噂や、声に、悔し涙を流す私を、優しく抱き締めて、期にしない。辞めんじゃないよ。と声をかけ続けてくれた。現場に戻りたいと泣いた夜も、彼女は、せっかくの期待を裏切るなと言った。
彼女は、いつまでも
出来損ないの可愛い教え子。
でいさせてくれた。
彼女がいるから、私は、続けられているもんな様だ。
まぁ、そんな話はさて置き、私は、寝不足に加えて、昨夜の衝撃、馴れない仕事に、その日、溜め息だらけだった。
:09/07/27 22:58
:W65T
:LBoOeDds
#151 [あき]
昨夜からの頭痛が、一向に良くなる気配はない。
『頭いたい…』
昼休み、小さなテーブルで、完全に失せた食欲。
備え付けの自動販売機で買った、野菜ジュースを飲みながら呟いた。
『大丈夫ぅ?』
昼休み、たまたま一緒になった、仲間から軽い言葉が返ってくる。
『天気悪いとねー…〃』
何もかもを投げ出して、逃げ出したら、どんなに楽なんだろうと考える。
そんな事が出来たら…
パックをくしゃりと握ると、お先にと笑顔で席を立った。
そんな時、ポケットで携帯が震える。
:09/07/27 23:13
:W65T
:LBoOeDds
#152 [あき]
画面を確認して、廊下に出た。
―ピッ♪
『はいっ?』
《うーっす。お疲れさんっ。今昼休みか?》
『そうですけどっ?どうされたんです?』
《ちゃんと飯食った?俺も昼休みで特に用事はないんだけど。》
『そうなんですか…。お昼に電話あるなんて、びっくりした。』
《んーっ。まぁなんとなく、声聞きたくなって。》
西条さんは、本当に私の食にこだわる人だ。
また聞かれた。
そして、案外、ストレート直球。そして、爆走イノシシタイプだと初めて気付いた。
:09/07/28 01:13
:W65T
:n0g0IsUg
#153 [あき]
『ちょっと〃真っ昼間から、何言ってんですかっ〃恥ずかしくないんですか?』
ズドンとボールを胸に投げつけられ、飲んだばかりの野菜ジュースを吐き出しそうになった。
《ん?別に、聞かれてもいいよ。》
『私は恥ずかしいです〃』
《そう?あっ。呼ばれてるわ。じゃまた電話するよ。》
『…はぁ…』
まだまだ、これは、彼の一部で、徐々に本性を表していく。
彼の本性…
いや。彼の愛に、私は、負けた事になるのか、ならないのか、今でも、それは、わからない。
:09/07/28 01:32
:W65T
:n0g0IsUg
#154 [あき]
答えが出ないまま、また夜になった。
携帯電話が鳴る。
今夜は出たくない。
もちろん相手が誰かはわかっている。
仕事用の携帯が、こんな時間に鳴るのは、最近では彼しかいない。
それでも、やはり、仕事用携帯が鳴るのはドキリとするので、最近では、彼だけの専用着信音に設定したのだ。一度、眺めるだけにした。しばらく鳴ると、それは切れた…と思ったらすぐ鳴った。
うん。諦めよう…
―ピッ♪
『はいっ…』
《お疲れさまっ。》
:09/07/28 01:48
:W65T
:n0g0IsUg
#155 [あき]
『お疲れ様ですっ。』
また始まる今夜の電話。
本日ニ度目の声。
何気ない会話で、必死に話をそらす。
だけど、目論見は儚く散った。いや、首を絞めただけだった。
《そろそろ敬語やめないっ?》
『これはもう癖だから無理ですよぉ〃』
《敬語使われてると、距離感じるわ。俺。》
『…そうですね…』
しまった。
この微妙な沈黙。
頼む。言わないでっ。
《で?答えは決めてくれた?》
はい撃沈。
だから出たくなかったのに…なんて思った私はかなり卑怯です。
:09/07/28 01:55
:W65T
:n0g0IsUg
#156 [あき]
『……あはは…』
《…まだ悩んでる?好きって事に。》
『…ごめんなさい…やっぱり、わかりません。』
私の答えに、西条さんは、細く溜め息を漏らす。
《どうして、そんなに考え込んでるのか、俺にはわかんねぇよ。自分の気持ちだろ?好きな奴がいるなら、俺を振ればいい話だろ?…悩む意味がわかんねぇよ。》
小さく呟いた彼の言葉に、胸が痛くなった。
:09/07/28 02:03
:W65T
:n0g0IsUg
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