微妙な10センチ。〜最終〜
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#491 [みみ]
:09/09/16 23:51
:P905i
:☆☆☆
#492 [あき]
『…わざわざ、ごめんね』
小さく呟いてみた。
わざわざ、数時間の道程を私の為だけに来てくれたスエット姿のその背中は、見ず知らずの誰かに無惨にも壊された痛々しい鍵穴。そしてその後、警察によって粉まみれになった。私の愛車…いや、かつての自分の愛車をじっと見つめ…どあほうと呟いた。
しばらくじいっと見つめて、何かを納得したのか、またぺたぺたと歩きだし、くるりと振り返ると、少し垂れ目の、なおちゃんの目が私を見つめる。
『ほらっ…お馬鹿ちゃん!帰るぞっ。!』
そして、そう言った。
:09/09/17 03:38
:W64S
:/KbGF3KQ
#493 [か
]
:09/09/22 20:06
:SH904i
:☆☆☆
#494 [我輩は匿名である]
あきサン!
また読めるなんて感激です!
あなたの打つ文章に
一喜一憂し
1からファンな匿名です(笑
あきサンのペースで
頑張ってくださいね☆
:09/09/23 13:03
:SH906iTV
:VfwOywow
#495 [あき]
かxさん。
匿名さん。
いつも、ありがとう。
:09/09/24 22:37
:W64S
:RZFU4G8o
#496 [あき]
『よくわかったね。』
月明かりの下、愛車を駐車場に入れると、壊れた鍵を見つめながら私は、力なく笑った。
アパートの前、先に着いた、なおちゃんは、私に歩み寄り、ふっと優しく笑う。
『勘??』
私は笑える力なんて残ってはいなかったけど、笑ったと思う。
『…そうっ〃』
車の前、二人並んで立ってみた。
久しぶりの、なおちゃんの横は。
心地良かった。
:09/09/24 22:47
:W64S
:RZFU4G8o
#497 [あき]
『……せっかくだから…入る?』
私は玄関を指差し言った。
『……どちらでも。』
なおちゃんは、そう言いながら、愛車を眺めた。
本当は一人になんてなりたくない。
誰か傍にいて欲しい。
このままじゃ、またなおちゃんに甘えてしまう。
だけど…私の口からはそれが言えなかった。
たった一言のそれが。
『………』
『………』
無言のまま、生ぬるい風が私達の間をすり抜ける。
相変わらず、鍵穴を見つめ、ぶつぶつと、何かを呟いているなおちゃんの背中を見つめていると、突然へなへなと力が抜けた。
駐車場に座り込み、顔を両手で隠して。
また泣けてきた。
:09/09/24 22:53
:W64S
:RZFU4G8o
#498 [あき]
『なんだよっ…。ったく。』
『だって……どうしよう……』
職場に与える損害額。
それに基づく、私の行く末。
余りにものショック。
胸中はかきむしられる位の不安で不安で。
私の小さな小さな肝っ玉は破裂する。
また泣けてきた。
『…うぜーっ!〃』
なおちゃんは、駐車場に座り込む私の背中をパチンと叩く。
:09/09/24 22:59
:W64S
:RZFU4G8o
#499 [あき]
『仕方ないから、珈琲の一杯くらい付き合ってやるよ!ほら、立てっ!』
『……うんっ…』
なおちゃんは、慣れた手つきで、ポケットから合鍵を出した。
カチャンと鍵を開けると、慣れた手つきで電気をつける。
私は、呆然と、廊下を突き進みリビングの電気をつけた。
そんな私に、何も言わず、なおちゃんは、どかどかと部屋に上がると、キッチンに立った。
私はフラフラとソファーに座り込み、ただ、なおちゃんが立てる、インスタント珈琲の匂いに包まれていた。
:09/09/24 23:04
:W64S
:RZFU4G8o
#500 [あき]
ソファーに二人並び、無言で座る。
ポロポロ流れ出す涙を抑えられない。
そんな私に、なおちゃんは、ただ無言で、隣に座っていた。
どうしようもない悲しさと、どうしようもない不安だけなのに。
何故か暖かい時間が流れた。
『いつまで泣いてんだよっ!』
『…だってぇ…』
『泣いたって何も変わらないだろっ。』
『わかってるけどぉ…』
:09/09/24 23:32
:W64S
:RZFU4G8o
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