微妙な10センチ。〜最終〜
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#621 [あき]
本当は…

会社からも、意地汚い人間からも逃げ出したかった。
辛かった。悲しかった。
だけど、強くなりたかった。

大切だから負けたくなかった。

そんな日々の葛藤が、薬に逃げる事で、自分を奮い起こし、吐く事で、自分を叩き起こしていた。


『で…結局このザマ〃相変わらず弱いし。私〃』

⏰:09/10/09 03:44 📱:W64S 🆔:tD9H2/lM


#622 [あき]
私の言葉を黙って聞いていた彼は、話を聞き終えると、呆れた口調で馬鹿だのアホだの散々言った。

『ヒドイ〃』

《当たり前だっ。
んな事、はじめからわかってただろう?
それでも、自分で、決めたんだろうが。》

『……ですよねー〃』

相変わらず、口は悪い。弱り切った私に
トドメを刺すような、めった刺しだ。
少しぐらいは、慰めてくれたっていいじゃんと思う。

⏰:09/10/09 03:54 📱:W64S 🆔:tD9H2/lM


#623 [あき]
《覚悟もしてたんだろ?ダイエットだと思って頑張らんかいっ。》


なぜ今、遠回しのデブ発言っすか。
偉そうに…
ほら、泣きたくなるじゃん。


《ただし、今は、何も考えなくていい。きちんと治せ。これ命令な。》

命令っすか。
いつの間に、師弟関係になったんっすか。


ほら…
泣けてきたじゃん。

⏰:09/10/09 04:14 📱:W64S 🆔:tD9H2/lM


#624 [あき]
《…まぁ、よく頑張ってるよ。
だから、応援はいくらでもしてやっから。

ただし、無理はするな。いいな?》




弱りきった心と体には

誰に言われる
どんな慰めよりも
どんな激励よりも
どんな言葉よりも


泣ける程に
嬉しかった―…

⏰:09/10/09 04:30 📱:W64S 🆔:tD9H2/lM


#625 [我輩は匿名である]
あげて更新されたと思われたら申し訳ないので
sageさせてもらいます

すいません(・ω・`)

西条サン怖い((゚Д゚ll))
でも
与えてくれる愛にすがってしまう気持ちわかります。

続きが更に気になります。

⏰:09/10/16 14:58 📱:SH906iTV 🆔:6zF61YGo


#626 [あき]
匿名さん、ありがとう。


更新出来なくてすみませんでした。

⏰:09/10/17 23:09 📱:W64S 🆔:e8FuzoDQ


#627 [あき]
じゃあねと電話を切って、廊下を進み与えられた消毒薬の匂いがするシーツに体を沈める。
白衣の天使が点けた枕元で淡く光る豆電球。
真っ白な天井を赤く染めていた。
まるで、私の心。

私の心はだらだらといつまでも血を流していた。

⏰:09/10/17 23:17 📱:W64S 🆔:e8FuzoDQ


#628 [あき]
――――――

《こっち来るんだよな?》

『それはいずれ、話が決まればであって、今すぐには無理だってば!』

《じゃぁ、それはいつだよ!?
早くそんな仕事辞めろって言ってるだろ?》

『そんなに簡単に出来る訳ないよ。
大変な事なんだよ?
どうしてわかってくれないの?』

《わからないのは、あきだろっ!!
もういいよっ!!好きにしろっ!!》
―――

また切られた。
一方的に。

今夜もまた。


もうウンザリ―…

⏰:09/10/17 23:29 📱:W64S 🆔:e8FuzoDQ


#629 [あき]
西条さんは

私が大切に守ってきた。大切で大好きで…

日々奮闘しながらも、誇りとプライドを持って、プロ意識で、ここまで這い上がってきた私の仕事を
【そんな仕事】
と言うようになった。

【そんな仕事】と言われる度に私の心は血を流す。
彼が何か言葉を発する度に、私の心は真っ赤な血を流した。

⏰:09/10/17 23:35 📱:W64S 🆔:e8FuzoDQ


#630 [あき]
退院してすぐ、彼は更により一層強く私を求めた。

首から名札ぶら下げて、スーツで全国各地を飛び回り、ポケットに入れた携帯電話が、ひきりなしに鳴る。
そんな私よりも。

大きな社屋で、与えられたデスクから発信される大量の書類を握りフロアを駆け抜ける。
そんな私よりも。


彼の住む街で、彼の住む家で、彼の帰りを健気に待つ【あき】でいる事を求めた。

⏰:09/10/17 23:46 📱:W64S 🆔:e8FuzoDQ


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