微妙な10センチ。〜最終〜
最新 最初 🆕
#230 [あき]
《そっか…恐らくあいつが喋ったんだな…。》

『とにかくっ…田中さんか山田さんか、アナタが誰に話たかは、知らないけどさ、困るんだよっ。これからは、何も言わないでねっ。』

《どうして困るの?恋愛は自由なんじゃない?会社がダメだなんて、そんな話聞いた事ないけど。》

『もちろん恋愛は自由だけど、うち的には、仕事に支障がでるから駄目だって事なんじゃないっ?』

《君も、公表すりゃいいじゃんっ〃隠すよりかは良いと思うけどっ。》

『……そうゆう問題じゃなくってさ…。』

駄目だ。
話にならない…
この人…おばかさん?

⏰:09/08/07 21:40 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#231 [あき]
『そもそも、私は嫌なの。
私は、狭く深くの付き合いをしてきた人間だからさ。仕事仲間。知人。友人。友達。親友。そうやって分けて、それなりの付き合いをして、生きてきたの。だからね、仕事関係者に、プライベートな事を詮索されるのは嫌なの。
それにね、私にも、それなりの立場とか、作り上げたキャラとかがあって…
そゆうの、壊したくないのね?
とにかく、本当に困るんだっ…仕事もしづらくなるし…』

理解を得ようと、今まで言わなかった思いの全てを話ていた。
なのに、さすがに
だから干されました。
とは言えなかった弱い私。悲しい性である。

⏰:09/08/07 21:53 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#232 [あき]
だけど、話は終わらなかった。ただ、秘密にしたい。
そう理解を求めようと、必死に伝えた私の思いは、彼の何かに触れた。
それは突然だったー…

《さっきから、黙って聞いてりゃ、困る困るって……じゃ、俺って一体なんなわけ?迷惑なわけ?…なんなんだよっ!》

突然、彼が聞いた事もないような、激しい怒りを露わにして電話口で叫んでいた。突然の事に、体が萎縮する。

《君は、俺の事を一体どう思ってんだっ!!いい加減にしろよ!!俺が、どんなに我慢してんのか、君は気付いてくれてるのかっ!?》

怒りが頂点に達していたのか…
彼は、その後。

私を
私という人間を。

否定し続けたー…

⏰:09/08/07 22:02 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#233 [あき]
『…ごめんなさい。』

やっと冷静さを取り戻してくれた西条さん。
無言の電話に向かって、それしか言葉が出てこない。

《…君は俺の気持ちをわかっちゃいない。》

『…ごめんなさい。』

《…ほらな、何を聞いても、何を言っても、わかりません。ごめんなさい。そればっかりだ…》

『…ごめんなさい…』

《…いつまで敬語?》

『………』

《…少しくらい、俺を見てくれよっ…》

最後に、そう言って、電話は切れた―…

⏰:09/08/08 00:03 📱:W65T 🆔:YYIFW1UU


#234 [あき]
切れた携帯電話を、テーブルに置く。ドクンドクンとこめかみが脈打つ。また、いつもの頭痛が始まった。そのままソファーに横になる。ぐったりとした体は、まるで鉛のように重く、自分の意志では自由が利かなかった。

《それはおかしい!》
《普通は…》
《違うっ!!》

《俺を見てくれよ》

何を言っても、どう言っても、否定的な答えしか言ってはくれなかった彼に。
最後に卑怯な言葉を残し、一方的に切られた話に。


この雨に。
私の頭痛は酷くなるばかりだった…

⏰:09/08/08 00:11 📱:W65T 🆔:YYIFW1UU


#235 [あき]
《昨日はごめんね。仕事で疲れててイライラしてたんだ。》

《いえ…》

《会社では何も言わないようにするねっ。》

《うん。お願いします。》

そう言って、また元通り。彼は優しい声で、暖かいなまりで、私に笑いかけた。
だけど。
突然の彼の噴火。
そして私への執着。
これはスタートに過ぎなかった。
少しづつ、私は彼に呑み込まれて行った。
気付かないうちに、じわりじわりと。

⏰:09/08/09 22:24 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#236 [あき]
相変わらず、私は職場では浮いた存在。

極端に減らされた仕事。
極端に増やされた休日。

もう誰しもが、私を好奇の目で見ているんじゃないかと、体が萎縮するばかり。上辺では、仲の良いふりをして、陰では何を言ってるのかわからない。
そんな毎日。

体力も神経もすり減らす毎日。

そんな毎日を知らない西条さんは、相変わらず、夜になると電話を寄越してきた。
昼も夜も
何事もないように、笑って話す、そんな自分に疲れていた。

⏰:09/08/09 22:31 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#237 [あき]
なおちゃん。
自然と彼からも遠退いた。
昔の私なら、一番に彼の元へと逃げて、泣いて、そして乗り越えてきた。
だけど、今回ばかりは、そうはいかないと、無意識の中でそう知っていたのだろう。恐らく。それは
自分が、彼を裏切ってしまったんじゃないかという、後ろめたさー…
彼を頼ってしまったら
私を想ってくれる西条さんを傷つけてしまうんじゃないかという。
後ろめたさ−…
結局、答えを出せない自分は、自分自身の首を絞め続けただけ。

⏰:09/08/09 22:55 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#238 [あき]
だけど、いつまでもそんな状況は続かなかった。
それは、突然に訪れた。

私の思わぬ所で、動き出したそれを、私には止める事は出来なかった。

またいつものように、夜の電話が鳴る。
いつもの…


―ピッ
『はいっ。お疲れ様ですっ〃』

《来週、そっち行くよっ!!今度は、俺が出張っ!会えるぞっ!〃》


突然の事だった。

⏰:09/08/09 23:01 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#239 [あき]
『出張っ!?西条さんも出張するんですかっ!!』

《あるさっ。〃俺だって、昔は何度もそっち行ってるよっ。》

『いつ!?』

《来週の木曜日から、日曜日までの4日間っ!!あき、嬉しいかっ!?》

『…う…うん…』



正直
困った……

⏰:09/08/09 23:12 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194