微妙な10センチ。〜最終〜
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#487 [あき]
『大丈夫なのか?』
『…だ…大丈夫な訳ないじゃんかっ……悲惨だよっ…』
その姿を見た瞬間
張りつめていた胸がパンと弾けた。
また涙が溢れる。
『まだ泣いてるのかよっ〃』
『……来てくれたんだっ…』
『仕方ないだろっ。』
憮然とした顔で、仁王立ちしたスエット姿の、なおちゃんが―…
そこにいた。
:09/09/16 23:05
:W64S
:pph25.Ww
#488 [あき]
そのまま、なおちゃんは、お巡りさんにペコリと頭を下げると、私の背中の後ろに立つ。
無意味に泣き出す私に、しっかりしろと、小さくパンチした。
その手は暖かくて、優しくて、私の全身を安堵させた。
お巡りさんの、どちら様?の質問に、私は友人ですと答えるのが、精一杯で。
お巡りさんは、ニコリと微笑み、では続きをしましょうと書類に目を移した。
なおちゃんがいる―…
私には、この耐え難い空間を、たったこれだけで。
乗り越えられた気がした。
:09/09/16 23:11
:W64S
:pph25.Ww
#489 [あき]
突然のなおちゃん登場から数十分で、全ての手続きが終了。
『では、また何かあれば連絡しますので。遅くまで引き留めましたね。』
『お世話になります…』
私は頭を下げて席を立った。
相変わらず、私の後ろで、仁王立ちをしていたなおちゃんに、視線を移すと、小さく息をして、外に出る。
振り返り、再度頭を下げて、私は彼の背中を追うように外へ出る。
空には、どんよりした厚い雲が覆っていて、無言で歩く私達の間を生ぬるい風がすり抜ける。
空の下月明かり。
目の前をぺたぺたと歩くなおちゃんの背中に…泣けてきた。
:09/09/16 23:23
:W64S
:pph25.Ww
#490 [みみ]
:09/09/16 23:29
:P905i
:☆☆☆
#491 [みみ]
:09/09/16 23:51
:P905i
:☆☆☆
#492 [あき]
『…わざわざ、ごめんね』
小さく呟いてみた。
わざわざ、数時間の道程を私の為だけに来てくれたスエット姿のその背中は、見ず知らずの誰かに無惨にも壊された痛々しい鍵穴。そしてその後、警察によって粉まみれになった。私の愛車…いや、かつての自分の愛車をじっと見つめ…どあほうと呟いた。
しばらくじいっと見つめて、何かを納得したのか、またぺたぺたと歩きだし、くるりと振り返ると、少し垂れ目の、なおちゃんの目が私を見つめる。
『ほらっ…お馬鹿ちゃん!帰るぞっ。!』
そして、そう言った。
:09/09/17 03:38
:W64S
:/KbGF3KQ
#493 [か
]
:09/09/22 20:06
:SH904i
:☆☆☆
#494 [我輩は匿名である]
あきサン!
また読めるなんて感激です!
あなたの打つ文章に
一喜一憂し
1からファンな匿名です(笑
あきサンのペースで
頑張ってくださいね☆
:09/09/23 13:03
:SH906iTV
:VfwOywow
#495 [あき]
かxさん。
匿名さん。
いつも、ありがとう。
:09/09/24 22:37
:W64S
:RZFU4G8o
#496 [あき]
『よくわかったね。』
月明かりの下、愛車を駐車場に入れると、壊れた鍵を見つめながら私は、力なく笑った。
アパートの前、先に着いた、なおちゃんは、私に歩み寄り、ふっと優しく笑う。
『勘??』
私は笑える力なんて残ってはいなかったけど、笑ったと思う。
『…そうっ〃』
車の前、二人並んで立ってみた。
久しぶりの、なおちゃんの横は。
心地良かった。
:09/09/24 22:47
:W64S
:RZFU4G8o
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