禁断って何?
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#401 [シバ]
風呂と食事を済ませ、部屋に戻る…

音楽でも聴こうかな〜っと思ってコンポの電源を入れた。

コンポの後ろにアンパンマンの小銭入れが落ちているのを発見した…

なんだかんだで、雨で濡れてびしょびしょになった小銭入れをキチンと干して乾燥させてたから、カビなどは生えてなかったみたいで…

⏰:10/05/29 21:57 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#402 [シバ]
小銭入れのアンパンマンは微笑んでいる…
そんな顔でシバを見ているような気がして、なんかイライラしてきた。


「お前フラれたのによく笑ってられるな…」

って思った。


アンパンマンを見て、またアイリの事が思い出される…
アイリの声を聞きたいがために、一生懸命10円玉を貯めた事。

⏰:10/05/29 22:01 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#403 [シバ]
余った10円玉で駄菓子を大人買いした事。

泣きながら、うま○棒をむさぼり食った事…

あぁ情けない…



しょうもない思い出に浸っていると、ふと思い出した。

アイリからの手紙とプリクラを封印した箱がある事を…
クローゼットの奥を探した。

⏰:10/05/29 22:05 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#404 [シバ]
小学校の時に使っていた絵の具セットが頭に落ちてきてイライラしながらも、箱を発見した。


「あった…」

中を見ると、あのアイリ独特の癖字で書かれた便箋が大量に出てきた。

今思うと、あの短期間でよくこんな量になったなぁと感心する。


一番最初の手紙…
アイリの自己紹介。

⏰:10/05/29 22:17 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#405 [シバ]
「アイリはこんな人間ですよ♪」

と、一生懸命伝えてくれてる気がして、何故か笑顔になれた。

2通目からは、敬語を遣わなくなっている事に気付いた。

4通目からは、次第に『好き』という言葉を遣う事が多くなっていた。
プリクラとアイリの写真が同封されるようになったのもこの時。

11通目には「結婚しようね」なんて書かれてた。
あら…

⏰:10/05/29 22:24 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#406 [シバ]
30通目かな?
31通目からかな?

「好き」って言葉が次第に減っている事に気付く。

たぶんリナに、イニシャル入りのプリクラを送ってきたのもこの辺。



そして、今に至る。



…………………。

言葉が出なかった。

⏰:10/05/29 22:27 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#407 [シバ]
そして、気付いた事がもう1つ…

シバ、アイリの事何も分かってやってないって事…


手紙もらって、電話して、『好き』って言ってもらって、シバは浮かれてたんだ。
アイリは本気だった…

今になってやっと分かった。
逃げていたのはシバの方。
なのに、アイリが悪いみたいな事を言ってしまった。

⏰:10/05/29 22:33 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#408 [シバ]
捨ててやろうと思っていた手紙達だったのに、沢山の事に気付かせてくれた。

でも、時既に遅し…

気付いた所で、もう失っているのだから…


男じゃないから?
女同士だから?
逃げていたのは自分じゃないか!
この大馬鹿野郎が…!


涙が出てきた自分の顔を思いっきり叩いた。

⏰:10/05/29 22:39 📱:F02B 🆔:twI8aYUI


#409 [シバ]
鼻水垂れ流しながら、また箱の中にしまい、クローゼットの奥に戻した。

捨てないといけないのに…
捨てれる事ができたら、どんだけ楽なんかな〜?でも、今は捨てちゃいけない気がする…

いつか捨てれる日がくることを願って、翌日を迎える。


またいつものように、「いってきます」「ただいま」の繰り返しの日々…

⏰:10/06/01 21:01 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#410 [シバ]
真夏の暑さ…
体育館の灼熱地獄…
酸欠になりそうな空気…


こんな日々が続く事を考えただけでクラクラしてしまう。
だけど、アイリに会うよりはマシかもしれない。

嫌でも会わなきゃいけない日がくる。
しかも、『その日』はもう目の前まで来ている。

⏰:10/06/01 21:06 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#411 [シバ]
別に会いたくないワケじゃない。
あからさまに避けるつもりもない。


だけど…


どう接しろと?
今更…


普通に『久しぶり〜』とかの絡みでいいなら、多少無理してでも笑顔は作れる。



…ハズ。

⏰:10/06/01 21:09 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#412 [シバ]
そして迎えた8月…


体育館で準備をしていた。
1年生がモップをかけている時だ。
外を眺めていた1人が、ふいに笑顔になった。

数人を呼び寄せて、体育館の入り口へ走っていった。


その雰囲気に気付いたシバも、ガラス張りの入り口に目をやった。

⏰:10/06/01 21:14 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#413 [シバ]
1台のバスが入ってきた。

見たことのある独特な色をしたバス…

アイリのチームのチームカラーのバス…


一瞬心臓が止まるんじゃないかと思った。
無駄にドキドキが激しくなった。

この辺では見かけない車のナンバープレート…

『懐かしい』って素直に喜べない自分が腹ただしい…

⏰:10/06/01 21:19 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#414 [シバ]
大量の荷物を抱えた連中がゾロゾロと降りてくる。

懐かしい面々…

向こうも嬉しそうな表情で…
というより、照れくさそうな表情で体育館へと入ってきた。

久しぶりの再会は、多少照れてしまう。

暑さとだるさでシンとしていた体育館が一気に賑やかになった。

⏰:10/06/01 21:23 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#415 [シバ]
ほんで、会いたくないバスなのに心と体は正直なもので、自然と目はアイリを探していた。


ゾロゾロ続いた行列が終わった。


アイリがいない…


アイリと仲の良いメンバーはみんな入ってきたのに、あいつだけがいない…


なんでショック受けてんだ?自分…

⏰:10/06/01 21:27 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#416 [シバ]
また授業中にケータイいじったり、校則破ったり、部の規則破ったりして連れてきてもらえなかったのだろうか…?


あのクソガキならやりかねない…

心が焦ってる事に気づく。
意味が分からない…





「アイリ!急げって!」

⏰:10/06/01 21:31 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#417 [シバ]
そんな声が聞こえた。
先輩から激を飛ばされていた。


…え?
アイリ?


入り口をガン見した。
最後に入ってきたのは、紛れもなくアイリ…


うわぁ…

胸の高鳴りが異常だった。
ダルそう〜にして、荷物引きずって入ってきた。

⏰:10/06/01 21:35 📱:F02B 🆔:FeOF/AwI


#418 [シバ]
時が止まったかと思った!とか、周りの声が聞こえなくなった!とか、こういう事を言うのだろうか…

不思議だ。


アイリだ…
あのアイリだ…

だけど、あの頃とは何かが違う。
髪型がショートカットになっている。
あの時は長袖を着ていたけど、今は夏真っ最中。だから、移動着の半袖ポロシャツを着ている。

⏰:10/06/03 22:21 📱:F02B 🆔:tQMAtrqk


#419 [シバ]
あの頃と違うのは、お互いの気持ちだけじゃないんだ。

服装だって容姿だって、周りを取りまく環境だって変わるんだ。


だから、あの頃と同じアイリを求めてはいけない。

それは分かってる。
分かってるつもりなんだけど…
この胸の高鳴りは一体何なんだろう…

⏰:10/06/03 22:26 📱:F02B 🆔:tQMAtrqk


#420 [シバ]
リナが走ってきた。

「シバさん!アイリがいますよ♪後で絡みに行きましょうよ!」


無理無理…



「あ〜、時間があればね。たぶん時間ないから無理だよ(笑)」

「な〜に言ってるんですか(笑)昼休みとか帰りとか、時間はいくらでもありますよ!」

⏰:10/06/03 22:30 📱:F02B 🆔:tQMAtrqk


#421 [シバ]
「あ〜、そうね。そうしようかね」

アイリ達は更衣室へと入っていった。

キャプテンの指示を出す声とか、急げ!とかの声が忙しく飛び交っているようで、着替えたメンバーは素早く出てきてバッシュの紐を結んでいた。


アイリが出てきた。
めんどくさそうにしてたけど、ちゃっかり素早く行動していたみたいで…

⏰:10/06/03 22:34 📱:F02B 🆔:tQMAtrqk


#422 [シバ]
相変わらず練習着がダボダボだ…
サイズのチョイスミスなのか?

それとも、単に細いだけ?


アイリを見て、いろんな事を考えていた。
アイリの事ばっかり考えてる。
そんな自分に腹が立つ。




忘れる!って決めたのに、未練タラタラじゃないか…

⏰:10/06/03 22:37 📱:F02B 🆔:tQMAtrqk


#423 [我輩は匿名である]
あげま

⏰:10/06/14 15:08 📱:F02A 🆔:dmztYGo2


#424 [真沙也]
頑張ってください

⏰:10/06/25 12:56 📱:930CA 🆔:VyUqrzvg


#425 [我輩は匿名である]
>>0-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:10/06/26 14:35 📱:auKC3X 🆔:uzu8Eojo


#426 [我輩は匿名である]
>>000-100

ミスった

⏰:10/06/26 14:36 📱:auKC3X 🆔:uzu8Eojo


#427 [シバ]
皆さんありがとうございます!

しばらく更新できずすみません(>_<)
今日からまた更新していきます♪

⏰:10/06/26 15:00 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#428 [シバ]
>>422


アイリのチーム全員がコートの端に立って、コートに向かって挨拶をした。

「よろしくお願いします!」

(部活をしていた人は分かると思います)


シバのチームも並んでアイリのチームと向かい合った。

「こんにちは!よろしくお願いします!」

⏰:10/06/26 18:56 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#429 [シバ]
久しぶりの再会で、両チームともニヤニヤがハンパなかった。

久しぶりだね〜♪みたいな笑みを浮かべながら、チームごとに円陣を組んだ。


一瞬、アイリと目が合った。
ドキッとした。


…だけど、シバは反射的に目をそらしてしまった。
意気地なしにも程がある。

⏰:10/06/26 19:00 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#430 [シバ]
今、アイリが微かに笑った気がした。
気のせいかな?


…気のせいですな。
あはははは。


リナはアイリと少しだけじゃれて円陣に入ってきた。

まぁ、いいや。
気持ち切り替えよう。

⏰:10/06/26 19:03 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#431 [シバ]
練習が始まる…


「ファイトー!」
「1本1本!」
「声出してー!」


いろんな声が飛び交う灼熱地獄の体育館。
何十人といる中、やっぱりアイリの声だけはすぐに分かる。
そんな自分の微妙な賢さと、訳の分からないアイリへの感情に何とも言えない気持ちでいた。


練習に集中しないといけないって事は分かってる。

⏰:10/06/26 21:22 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#432 [シバ]
だけど…
目は自然とアイリを追っている。
だから、ちょっとしたアイリの変化にすぐに気付く。

「アイリ、ドリブル上手くなったなー」

とか、

「キツくてもちゃんと走るようになったなー」

とか。


そんなシバは、アイリの目にはどう映っているのだろうか…

⏰:10/06/26 21:26 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#433 [シバ]
そんなこんなで昼休み。

みんな暑い暑い言いながら、弁当を食べ始めた。暑いから食欲ないなんて言おうもんなら、マネージャーが黙っちゃいない。
だから嫌でも食べないと!


アイリのチームの3年生がシバ達の所へやってきた。


「シバ久しぶり!」
「みんな元気だった?」
「マキータ相変わらず可愛いな♪」

⏰:10/06/26 21:32 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#434 [シバ]
マキータとは、真希のニックネーム。
人懐っこい真希はアイリのチームから人気があった。

そこからはダラダラしながら思い出話に耽った。
こういう瞬間があるから、シバは他校との合同合宿が好きだった。


アイリの事がなければ…アイリともこうやって笑いながら話ができていたハズだ。
複雑だ…

⏰:10/06/26 21:36 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#435 [シバ]
「そりゃあそうと、シバ!うちのアイリと話したかぁ?(笑)久々の再会でしょ?」

ドキッ!なんてもんじゃない。
もう心臓が引きちぎられるんじゃないかと言わんばかりの勢いでドッコンバッコンした。

え?
みんなシバとアイリの事知ってんの?
ってか、アイリがバラした?

「アイリさぁ、シバの事大好きだったじゃん(笑)毎日毎日シバシバだったからさ♪」

⏰:10/06/26 21:40 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#436 [シバ]
「え?あ、あ〜!まだ話してないよ(笑)」

あたふたしながらの返答しかできない。


「でもさ、最近はあんまり言ってなくない?」

「ちょっと前までは毎日うるさかったけどね」

「大人になったんだって。アイリも(笑)」


向こうの3年生で話が盛り上がっている中、シバは笑顔を作っている事がやっとだった。

⏰:10/06/26 21:43 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#437 [シバ]
「アイリも彼氏ができたもんね♪」

その一言で心はグサッと撃ち抜かれたように痛んだ…


「あの子あの子!ほら〜、あの、サッカー部の」

「秀ちゃん♪」

「そうそう秀一君♪超カワイイ系の♪」

「カワイイ系っていうよりイケメンだよ、あれは」

⏰:10/06/26 21:48 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#438 [シバ]
「ヤバいよね〜!秀一君が笑った顔見たら惚れそうになっちゃった(笑)」

「2、3年からも人気あるもんね♪あたしもあんな彼氏欲しい〜」



その秀一とかいう奴の顔すら知らないシバ…

「え〜?イケメン?いいなぁ、見たい見たい♪」

便乗して話に乗るシバのチームの3年生。
笑ってるシバだけど、心ん中はイライラと悲しみだらけ…

⏰:10/06/26 21:54 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#439 [シバ]
イライラしながらも、秀一とかいう奴の顔を想像していた。

市○隼人系?
山下○久系?

勝手に架空の『秀一』を作り出してはイライラ。

もう、そんな話聞きたくねぇよ!


乙女チックな恋バナをしてる連中の目を盗んで、こっそりその場を離れた。
トイレ行こう…

⏰:10/06/26 22:00 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#440 [シバ]
トイレも灼熱地獄…
灼熱トイレとか終わってる。
ただでさえ暑いのに、ゆっくりケツすら休ませられないじゃないか!

全部のトイレが使用中だった。

「あはー♪ここのトイレ流れが悪い(笑)」

なんて声が聞こえてきたから、

「う○こでもしてたんか!早く出ろや!」

って言ってやろうかと思い、また地味にイライラ…

⏰:10/06/26 22:06 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#441 [シバ]
遅っ!
なんで女ってこんなにトイレが長いんだ?

まぁ、シバも女だけどさ!
トイレくらいパパっと終わらせろや!




ガチャン…
誰かがトイレに入ってきた。
誰だろうと関係ない。
近くの鏡をチラっと見た。



ドッカーン!

⏰:10/06/26 22:10 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#442 [シバ]
ア、ア、アアアアアアアアアイリ…

アイリ?

アイリ〜!!


そこに立っていたのはアイリ。
体が凍りついてしまった…
こんな偶然が起こっていいものなのか?
神様ってホントに意地悪だな…
意地悪すぎる…


これは偶然なのか?運命?
シバにどうしろと?

⏰:10/06/26 22:13 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#443 [シバ]
アイリはシバに気付いている…ハズ。

なのに、シバの姿を見ても何も言ってこない。

って事は、もう他人になってしまったんだ。
友達でも何でもない。

赤の他人なんだ…


こんなに近くにいるのに、こんなに悲しい事があっていいのだろうか?


だって、その距離はたったの1・2歩しかないんだぞ?

⏰:10/06/26 22:18 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#444 [シバ]
もう、電話とか手紙とかのそんな距離じゃなくて、リアルにアイリがすぐそこにいるんだぞ?

手ぇ伸ばせば届くんだよ?

何度自分に問いかけた事か…



悲しさのあまり、俯いてしまったシバ。
この意気地なし!


「気付いてんのかと思った」

⏰:10/06/26 22:22 📱:F02B 🆔:prxZMi5Q


#445 [シバ]
…は?


後ろから声がした。

だけど、振り向けない。そのままジッとしていた。


「気付いてんのかと思った!ってば。ねぇ…」

誰に言ってんの?
シバに?


「相変わらずだね(笑)」

⏰:10/06/27 22:52 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#446 [シバ]
顔を上げると、鏡越しにアイリと目が合った。

シバはどんな表情をしていたのだろう…
アイリは真っ直ぐにシバの目を見ている。


「…気付いてるよ」


ボソボソと話してみた。んで、また俯いた。


「あっそ」

そっけないアイリの言葉。

⏰:10/06/27 22:56 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#447 [シバ]
お前に「相変わらずだね♪」なんて言われる覚えはねーよ…

とか、とにかく緊張とイライラがマッチして妙な気持ちでいた。


トイレが1つ開いた。
ナイスタイミングだ!


そのままトイレに直行しようと、ズカズカと歩き出してみた。


「ちょっ…!」

⏰:10/06/27 23:02 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#448 [シバ]
アイリは一瞬何かを言いかけた。

思わず振り向いてしまいそうだったけど、こらえた。
そんなシバを見たアイリは何を思ったのか、シバの左腕を強引に引っ張った。


「?!」


そのままトイレを出ようとするアイリ。

「いってぇ!何…おい、ちょっと!」

⏰:10/06/27 23:05 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#449 [シバ]
アイリに引っ張られながら、外に出た。

「いてぇよ!何してんの?!」

腕を取っ払ってやった。アイリは不満そうな表情で、シバの顔をジッと見ている。

「あそこ行こう」

アイリが指差したのは、校舎内の教室。

「は?校舎内は立ち入り禁止だから」

「そんなん関係ないし」

⏰:10/06/27 23:10 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#450 [シバ]
いや、お前他校の生徒だから人様の学校に入れないだろ!

「ダメだろ、普通に考えて」

「別にいいじゃん。荒らしにきたワケじゃないし。ってか、マジメな性格は相変わらずなんだね」

「悪かったね」

「別に」


あー嫌だ。こんな空気…

⏰:10/06/27 23:14 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#451 [シバ]
「何するつもり?今更」

皮肉っぽく言ってみた。

「別に何もないけど」

「じゃあ戻るわ。昼休みがもったいない。あ、トイレ行かなきゃ」


「…久しぶりに話がしたい!」


アイリは真剣な表情で訴えてきた。

⏰:10/06/27 23:18 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#452 [シバ]
「だから…今更何を話すのさ?」
「とりあえず話がしたい」

「何話すの?」
「分かんない」

「ふざけてんの?」
「ふざけてない」


「馬鹿にしてんの?」
「馬鹿にしてない」


そんなひょうひょうと答えるなよ…
余計イライラする。

⏰:10/06/27 23:21 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#453 [シバ]
いい加減にしろ!


次の言葉はそれだったけど、出せなかった。
なぜなら…

あの最後の電話の時…
アイリと秀一を応援するよ♪
みたいな事を話したのは、シバの方だったから。

例えそれが嘘だったとしても…

だからアイリに冷たく当たっても、それこそ『今更』だった。

⏰:10/06/27 23:26 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#454 [シバ]
「…………」

黙り込んでしまった。


「…行こうよ」

アイリに手を引かれながら、2階の教室目指して、階段をのぼった。



…教室は静かだった。
人がいないんだから当たり前か…

教室の一番後ろの席の影になっている所へ行き、床に座った。

⏰:10/06/27 23:31 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#455 [シバ]
沈黙を破るかのように、アイリはケータイを開いた。


アイリのケータイ操作の音だけが聞こえていた。メールを打っているらしい。

しばらくすると、アイリはケータイを閉じた。


「…秀一君?」

何気なく聞いてみる。

「そうだよ」

⏰:10/06/27 23:34 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#456 [シバ]
「順調そうだね」

「今あっちも合宿中なんだって」

シバの問いかけを無視したような答えが返ってきた。


「順調そうじゃん」

だからこんな返事を返した。


「別に…普通だよ」

「そっか」

⏰:10/06/27 23:37 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#457 [シバ]
外からはセミの鳴き声と、陸上部の元気なかけ声が聞こえる。

シーンとした場所にいると、そういう音や声に敏感に気付くようになる。


横をチラッと見ると、そこにはアイリがいる。
もう二度と会う事はないと思っていたアイリが一緒に肩を並べて…

尚更悲しくなる…

その時のアイリの横顔はキレイだったのを覚えてる。

⏰:10/06/27 23:43 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#458 [シバ]
「合宿きつい?」

話題を変えてみる。

「そうですね。移動時間も長かったし…って、まだ初日始まったばかりだけどね(笑)」


お互い向き合わずに会話を進める。

「アイリ、髪切ったんだね」

「ああ、気付いてくれたんだ(笑)」

「そりゃ気付くわ(笑)あの時は肩より長めだったからね」

⏰:10/06/27 23:48 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#459 [シバ]
「さっきさ、何でシカトしたの?アイリの事」
「何が?」

「トイレでさ」
「シカトってか…うん(笑)だって、話す事ないじゃん」


「冷たいんですね」
「いきなり敬語使うのやめれ」

「冷てーなぁ」
「それもやめれ」

「多少ショックだよ」
「しゃーないじゃん」

⏰:10/06/27 23:53 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#460 [シバ]
「何がしゃーないの?」
「…しゃーないモンはしゃーない」

「変なの」
「だろうね」

「ねぇ…何で無視したの?本気で答えてよ」
「…………」


「ねぇ…」
「フラれたから」

「え…?」
「そんだけ!以上」

アイリはしばらく体育座りのまま動かなくなった。

⏰:10/06/28 00:00 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#461 [シバ]
「シバさん…フラれたの?」

まさかの言葉だった。


「あのさ、ホントに馬鹿にしてんの?」

「え?だって…意味が分かんない」

「はぁ?」

「なんでシバさんがフラれたからって、アイリがシカトされなきゃいけないんですか?」

「お前…マジ…ありえねぇ」

⏰:10/06/28 00:04 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#462 [シバ]
イライラを通り越して力が抜けた…

「そんな事言ったって…」

「もうお前には秀一がいるでしょ?はい、解決!終了!」

「あの、シバさん…もしかして、そのフラれたってヤツ…アイリの事?」

「それ以外に何がある?」

「シバさん…何か勘違いしてません?」

「してないよ」

⏰:10/06/28 00:09 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#463 [シバ]
「いや、勘違いしてる(笑)」

アイリは意味深な表情で微かに笑った。

「アイリ…シバさんの事嫌いって言ってないですよ(笑)」



「………は?」


「だからフラれてないじゃん(笑)」

「は?意味分からん…」

⏰:10/06/28 00:13 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#464 [シバ]
「言葉のまんまっすよ!だってアイリ、シバさんの事フッた覚えないし(笑)」
「嘘つくな」

「ホントだって(笑)」
「…意味が分かんない」


アイリは可笑しそうに笑っている。
ムカつくけど、アイリから目が離せなかった。

「シバさんは、アイリの事好きだったんですか?」
「……………」

「お〜い(笑)」

⏰:10/06/28 20:11 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#465 [シバ]
「あー、そうだよ」

「そうなんだ!…いつからそんなに素直になったんですか?シバっち(笑)」

「お前、調子良すぎだろ…何なワケ?」

「だから前も言ったけど、アイリはシバさんの事好きですよ!シバさんはアイリの事、どういう『好き』で見てるの?」

「どういうって言われても…」

「単に『好き』なのか、ちょっと特別な感情の『愛』なのか…」

⏰:10/06/28 20:16 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#466 [シバ]
「言わなくても分かるだろうが」
「分かんない。だってシバさんって何考えてるのか分かんないもん(笑)」

「…愛…だと思う」
「素直だね」


「まぁ、今更だから隠しても意味ないしね(笑)」

無理やり笑ってみた。
アイリは真顔のまま、目線を落として何かを考えているようだった。

⏰:10/06/28 20:20 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#467 [シバ]
「好きだよ…シバさん」

ふいにアイリは口走った。
シバはビックリしたっていうか、は?みたいな怒りというか、その言葉を聴きたかったんだよ〜…っていう喜びみたいな感情が襲ってきた。

「いや、何…え?」

「アイリもシバさん好きだよ。忘れてないよ」

…泣きそうになった。
体が震えた。
全身がジワッと熱くなった。

⏰:10/06/29 22:47 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#468 [シバ]
アイリの方に顔を向ける。

アイリは身を乗り出して、シバの顔を両手で包み込んだ。
アイリの目を見続ける…

微かに潤んでいた。
そのままの体勢で、2人ともしばらく無言でいた。

セミの鳴き声も、外からの陸上部の声も聞こえなくなった。

「シバさん触るの久しぶりだなぁ(笑)」

⏰:10/06/29 22:51 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#469 [シバ]
「…うん」
「あの時みたいに嫌がらないの?嫌じゃないの?」

「…嫌じゃないよ」
「素直すぎて不気味なんだけど(笑)あの時は野良猫みたいに警戒しまくってたのに(笑)」

「誰が野良猫だよ(笑)」
「ごめんなさい(笑)」

「…もう会う事ないって思ってた」
「アイリも。ウケるね(笑)」

「ウケるのか?」
「ウケる(笑)」

⏰:10/06/29 22:56 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#470 [シバ]
「いや、ウケない」
「ウケるし。ま、どっちでもいいよ(笑)」

アイリの無邪気な笑顔を見るのは久しぶりだった。
それを見て、内心ホッとしている自分がいる。


「秀一…かぁ」
「?」

「もしシバが男だったら、アイリはシバと付き合ってた?」
「シバさんが男だったら出会ってないと思いますよ(笑)」

⏰:10/06/29 23:43 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#471 [シバ]
「そうかなぁ…」
「そうだよ。だって、お互い『女子バスケ部』だから、一緒に合宿できたんじゃん(笑)」

最もだ!
シバが男だったら、今頃何をしているかも分からないし、出会うハズもなかったアイリと、こうして出会えたのもバスケットを通してこそなのだから。


「ってか、アイリはね。シバさんが男でも女でもどっちでもいいんだよ。シバさんっていう人間が好きなんだから」

⏰:10/06/29 23:50 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#472 [シバ]
「……………」

黙ってアイリの話を聞いていた。
何より嬉しい言葉だった。

「ぶっちゃけて言うと、最初は一目惚れだったんだ…だから仲良くなりたくて絡みまくったし、どんな人なのか知りたくて仕方なかったし」

「女に一目惚れ?」
「うん。女の人に惚れたのとか初めてだったから戸惑いまくったけどね(笑)でも好きならしょうがない…みたいなね(笑)」

⏰:10/06/29 23:54 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#473 [シバ]
「そっか…」

「そっかって…(笑)嬉しくないの?」
「もうちょっと早く聞きたかったよ…その言葉」

「それはこっちのセリフ…シバさんからアイリの事『好き』って聞いて相当ビックリしたし」

「なんで?」

「いや、だってずっと後輩として見られてると思ってたから」

「ああ、そうね…」

⏰:10/06/29 23:59 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#474 [シバ]
「シバさんの馬鹿…これからシバカって呼ぶから!(笑)」

アイリは笑った。

「…じゃあ、秀一と別れろって言ったら別れられる?」

何てカッコ悪い事言ってしまったのだろう…
アイリの笑顔が消え、一気に真顔になった。

「…う〜ん。難しいね(笑)」
「なんで?」

⏰:10/06/30 00:03 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#475 [シバ]
気がつくと、アイリの両手はシバから離れ、また体育座りの位置へと移動していた。

「秀…今は好きだもん」

アイリは秀一の事を『秀(シュウ)』と呼んでいるようだ。

「『今は』って…?」

「秀はね、入学してからずっとアイリの事好きだったみたいでさ。アイリとはクラスは違うけど、よく話すし、いい奴だったし…」

⏰:10/06/30 00:08 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#476 [シバ]
「…そんなに好きなんだ」

「いや…うん。どうだろ」

「好きじゃなきゃ付き合わないよね…そっかそっか…」
「だからシバさんに『遅い』って言ったじゃん!シバさんからさっきの言葉もうちょっと早く言ってもらってたら秀とは仲良い友達で終わってたよ」

「嘘つけ(笑)」
「ホントだよ」

⏰:10/06/30 00:13 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#477 [シバ]
「じゃあ、別れられるでしょ」
「今は無理だって(笑)」


「『今は』ってどういう意味さ?」
「アイリの事好きでいてくれてるのに、アイリから秀を振る権利はないって事!」


「アイリは秀一の事ホントに好きなの?」
「好きだよ。だから今付き合ってんじゃん(笑)嫌いだったら付き合うワケないし(笑)」

⏰:10/07/02 18:38 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#478 [シバ]
頭の中がこんがらがってしまった。
じゃあ、一言で答えてほしいから…

「秀一とシバ、どっちが好き?」

漠然とした事を聞いてしまったけど、シバが一番聞きたかった事だと思ったから聞いた。
もちろん、胸の高鳴りはハンパなかった。

アイリは微笑んで、


「シバさん」


そう答えた。
心の中のシバは『よっしゃ〜!』だった。

⏰:10/07/02 18:42 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#479 [シバ]
じゃあさ、だったら…

『秀一と別れてよ』


そう言いたかった。
だけど、なぜかアイリの微笑みを見るとそうとは言えなかった。


それだったら…

「シバ…アイリの事待っていいのかな?」

アイリは一瞬ビックリした表情を見せた。
そして…

「シバさんが辛くないなら待っててほしい…かな?」

⏰:10/07/02 18:46 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#480 [シバ]
アイリは俯いて、

「アイリ最悪だね(笑)秀がいるのに待ってて…とか(笑)うん…でも、アイリどうしていいか分かんないや」

笑ってるけど、困ってるようにも見える。
いや…むしろ困ってる。

「アイリごめんね」
「なんでそっちが謝るのさ(笑)」

「困らせちゃって」
「困ってないし(笑)」

⏰:10/07/02 18:52 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#481 [シバ]
ダボダボの練習着…
スラッと長い手足…
綺麗な横顔…

アイリに出会って、まだほんの数ヶ月…
離れてからの期間もほんの数ヶ月…

だけど、その期間はあの頃のシバにとって、それはそれは長くて…
長すぎて…


久しぶりのアイリを目の前にして、胸を締め付けられる感覚で…

人を好きになるってこんな気持ちになるんだって、自身の心に深く刻み込まれた。

⏰:10/07/02 18:57 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#482 [シバ]
今すぐ抱きしめたい。
許されるならキスしたい。
アイリに触れていたい。


目の前にいる、シバが想っている相手はシバと同じ『女の子』。
同じ性別の人間…


だけど、こんなに人を想う感覚を味わったのは初めてで…
戸惑いどころか、アイリという人間に向けるシバの気持ちは一直線で。

⏰:10/07/02 19:02 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#483 [シバ]
アイリはケータイを開いた。
んで、すぐに閉じた。

「シバさん、アイリそろそろ行かないと…」

「なんで?まだ休憩30分もあるよ?」

アタフタしてしまった。

「アイリ1年生だから、昼からの練習の準備があるんだ。もっと一緒にいたかったんだけど…」

アイリは立ち上がった。

⏰:10/07/02 19:06 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#484 [シバ]
教室を出ようとするアイリの腕を掴んで抱き寄せて…



っていうドラマみたいな事が出来れば、自分格好いいじゃん♪ってなるけど、小心者のシバにはそんな格好いい事出来るハズもなく…

ってか、こんな場面でそんな妄想が働くなんて、シバって一体…



「…そっか。じゃ、また時間がある時に話そ!」
結局いつもこうなる…

⏰:10/07/02 19:10 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#485 [シバ]
「うん♪」

そう言って教室のドアを開けるアイリ。

シバは時間差で教室を出ようと思い、まだ床に座ったまま、アイリの背中を見届けた。

アイリは立ち止まった。

「ね、シバさん」
「?」

「…大好きだからね♪」

満面の笑みだった。
恥ずかしそうに走っていくアイリ…

⏰:10/07/02 19:15 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#486 [シバ]
もう、クラクラした。
あいつ可愛すぎる…

…と同時に悲しくなった。
アイリはシバのものじゃない…
どんなに大好きと言われても、アイリには『彼氏』という名のパートナーがいる。
そう考えると、素直に喜べない。

別れてほしい別れてほしい別れてほしい…

頭ん中はそればっかり。

⏰:10/07/02 19:18 📱:F02B 🆔:ebsFfWeg


#487 [我輩は匿名である]
>>300-500

⏰:10/07/03 07:40 📱:SH906i 🆔:☆☆☆


#488 [シバ]
>>487さん
安価ありがとうございます!


>>486
シバも体育館へと向かった。
先ほど3年集団が話していたアイリの彼氏トーク…秀一の事が頭によぎりながら…


だけど、なんだかスッキリした気分だ。
あの場で聞いている時はイライラと悲しみがハンパなかったのに、アイリの話を聞いてから、心は落ち着きを取り戻したみたい。

⏰:10/07/04 13:02 📱:F02B 🆔:B.NoKtlU


#489 [シバ]
ただ、『別れてほしい』っていう気持ちは渦巻いたままだったけど…


体育館に入る。
アイリは準備を終え、ストレッチを行っているようだった。
前屈をしていた所を見た。

『アイリ…体固いな』

アイリは体を倒しては起き、倒しては起きを繰り返して、痛そうな表情を浮かべながらも一生懸命ストレッチをしていた。

⏰:10/07/04 13:09 📱:F02B 🆔:B.NoKtlU


#490 [シバ]
いざ練習が始まる。

頭ん中がアイリでいっぱいになってる気がしたけど、きちんと練習モードに切り替えられていたみたいで、集中していた。

…けど、やっぱりアイリが近くに来ると意識はしてしまう。
目が合うと、お互いニヤッてしてまたすぐ走り出したり、チョンッと後ろから突っつかれたり。

話はしない。
それでいい。
それだけで、幸せを感じられるのだから。

⏰:10/07/13 20:27 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#491 [シバ]
コート上では敵同士だ。

シバがボールを持つと、これまた真剣な顔してディフェンスするアイリがいて、負けず嫌いな一面を見せてくる。
シバも真剣な顔になっていたと思う。

シバがアイリからシュート決めたら、『くそムカつく!』といわんばかりにやり返してくる。

アイリのplayはシバのチームの監督から定評があった。

⏰:10/07/13 20:32 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#492 [シバ]
「あの1年(アイリ)、3年になった時が楽しみだな。能力が高い」


ってシバの前で言うもんだから、シバは自分の事のように嬉しくて、ニヤニヤしちゃうワケで…



数ヶ月前までは、
「アイリに会いたくない」
「来なくていい」

なんて言ってたけど、実際にアイリを目の前にすると、こんなにも胸が高鳴る。
いつも以上に頑張れる。

⏰:10/07/13 20:35 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#493 [シバ]
こんな自分、調子良すぎるかもしれない…
だけど、仕方ない。

シバはやっぱりアイリの事が好きなんだ。
大切なんだ。
失っちゃいけないんだ。


やっと気付いた。
もっと早く気付く事ができていたら、どんなに良かったのだろう…

けど、まぁいい。
時の流れに身を任せた結果が今のシバなんだ。
今日までの時間は、無駄でもなんでもなく、必要だったんだ。

⏰:10/07/13 20:39 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#494 [シバ]
外はゆっくりと薄暗くなっている。
昼間の体育館は、まさに灼熱。
夜になるに連れて、この灼熱地獄の体育館にも酸素というものがあったんだな…っていう事に気付く。
微かに涼しさを感じる。
体育館の小窓から見える、昼間のジリジリしたアスファルトからも熱のモヤは見えない。
当たり前の事だけど、チラッと見えたその光景に夏の涼を感じた。

そして、合宿1日目を終える…

⏰:10/07/13 20:46 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#495 [シバ]
「お疲れ様でした!」

その挨拶の後、アイリのチームはサッと帰り支度を済ませ、すぐにバスへと乗り込んだ。
一番行動の遅いアイリは、やっぱり最後の最後にバスに乗る。


シバのチームは、グッタリしながら着替えに行ったり、片付けしたりでバタバタしていた。

3年生は「暑い」だの、「疲れた」だの、グダグダ言いながら座って無言の空間を満喫していた。

⏰:10/07/13 20:52 📱:F02B 🆔:ppuZUcHU


#496 [シバ]
シバが着替えたTシャツを片付けていると、隣に真希が座った。

「今日の練習、走り過ぎでしょ〜…ってか、アイリちゃん、また上手くなってたね。もうバリバリのエースじゃん」

真希は笑いながら言う。

「そうかな?まだまだ頑張ってもらわにゃ!」

「シバ相変わらず素直じゃないね(笑)認めなよ。ってか、アイリちゃんと話したん?」

シバはタオルで顔を拭いた。

⏰:10/07/16 12:32 📱:F02B 🆔:r2DDek4c


#497 [シバ]
「話したよ」

真希は少しだけビックリした表情を見せた。

「あ、そうなの?普通だった?」
「別に普通だった…はず」

「何その意味深な答え」
「まぁ、ちょっとね」

「何笑ってんの。後で話聞こうか(笑)」
「うぃ〜」


ってな感じで、このあとはシバの家で真希に話をする事になる。

⏰:10/07/16 12:37 📱:F02B 🆔:r2DDek4c


#498 [シバ]
「流れは完璧にこっちじゃん!シバ、秀一君から取っちゃいな」

一通り話を聞いた真希は、目を輝かせていた。

「うん〜…でも、今は秀一と別れられないって事はさ、やっぱりあっちの事が好きなんだよね。しかもアイリ、秀一の事『シュウ』って呼んでた」

「そりゃ付き合ってる身だからね。でも、アイリちゃんは秀一君よりシバの事が好きって言ったんでしょ?」

「うん」

⏰:10/07/16 12:41 📱:F02B 🆔:r2DDek4c


#499 [シバ]
「今日の昼休みに話したって事でしょ?今日途中でいなくなったじゃん」

「そう。だって、秀一の話で盛り上がってる中にシバがいたら完璧awayじゃん…イケメンだの可愛いだの…これってヤキモチってやつだね。シバの方が年上なのに…カッコ悪」


「ま、いいじゃん♪合宿はまだまだ続くんだしさ。様子見てみな」

「うん」

しばらくそんな話をして、また明日…と真希は帰っていった。

⏰:10/07/16 12:46 📱:F02B 🆔:r2DDek4c


#500 [シバ]
翌日昼休み…

弁当を食べていると、アイリに小突かれた。

「シバさん。食べ終わったらソッコー昨日の教室ね。アイリ、今日も準備があるから早めに話したい」

「分かったよ」

アイリは微笑んで、ゆっくりと歩いて行った。
それからは、大好物の唐揚げやフライをゆっくり食べる主義のシバだけど、アイリに会いたいが為に無理くそかき込んで食べた。

⏰:10/07/16 12:53 📱:F02B 🆔:r2DDek4c


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