夏祭り、恋花火
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#405 [七瀬]
 
だって


あまりにも、遊希が赤い顔してたから。

『遊…希?』


「だから、悲しい顔せんといて。」

そんな顔しないでは、
こっちが言いたいよ。

そんな恥ずかしそうに言わんといて。

私も赤くなってしまう。

⏰:09/04/01 23:38 📱:N703iD 🆔:VvI5HsyM


#406 [七瀬]
 
 
「ってか、まつり…」


『えっ、なに!?』


遊希の手がスッと伸びてくる。

そして私の頬に優しく触れた。


「髪、食ってる。」

そう言って、私の口に入っていた横髪を払った。

⏰:09/04/01 23:42 📱:N703iD 🆔:VvI5HsyM


#407 [七瀬]
 
 
手を伸ばす時の遊希の真っすぐな瞳と、
髪を払い終えた後の笑った顔が
より私の頬を赤く染めた。


『…ありがとう。』

やばい意識しすぎだ、私。


「おう。」

そうやって
目線を再び、私の頬から目へと戻した遊希。

⏰:09/04/01 23:47 📱:N703iD 🆔:VvI5HsyM


#408 [七瀬]
 
また目が合う。


ドクンドクン
ドクンドクン…

心臓は破裂寸前。



「…んな顔すんな。」

遊希が目を逸らした。


『じゃあ…どんな顔すればいいんよ。』

私も顔を横に逸らした。

⏰:09/04/02 01:35 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#409 [七瀬]
 
 
「そうやな…
泣きもせず、悲しい顔もせず、
そんな、こっちが恥ずかしくなるような顔もせず…」


“こっちが恥ずかしくなるような顔”
は遊希が先にしたんやろ。

そう思ったけれども、黙って遊希の言葉を聞く。



「笑っといて。」
 

⏰:09/04/02 01:40 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#410 [七瀬]
 
フイと後ろを向く。

遊希と私の背中が向かい合う状態になった。


「ただ、笑っといてくれたらええ。
いつものお前みたいに、
キャーキャーうるさく騒いでて。」

“キャーキャー”って…

大きなお世話。


だけど、うれしかった。
 

⏰:09/04/02 01:47 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#411 [七瀬]
 
 
私が遊希に背を向けたのは

泣いてるのを隠すため。


だって

“泣かんといて”って
ゆわれたばっかやもん…



でもね、遊希。

私、悲しくて泣いてるんとちゃうよ?
 

⏰:09/04/02 01:52 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#412 [七瀬]
 
 
これは、うれし涙。

幸せで泣いてるの。

なんて、やっぱり変かな。


それでもいい。

矛盾してても
人に笑われても…

今だけはいいと思えるの。
 
 
それはやっぱり、

君のおかげ。

⏰:09/04/02 01:58 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#413 [七瀬]
 
 
小刻みに肩が震え、
消え入りそうな嗚咽が漏れはじめる。


君は、私の考えてること分かってたみたい。


「そんな、涙やったら
たまにはええかもな。」

そう笑った。

後ろを向いてるから、見たわけじゃないけれど、

確かに笑った。

⏰:09/04/02 02:03 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#414 []
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>>200-300
>>300-400
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⏰:09/04/02 07:44 📱:P905i 🆔:Mef.VGG.


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