― 短編箱 ―
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#129 [栢]
そしてまた雨の日のこと
その日はちゃんと傘は持っていた
だけど俺の手が傘を開こうとしない
根拠もないままに
あの日と同じように
ぼーっとしながら彼女を想う
やっぱり雨好きだ
また彼女がやってきた
:09/10/15 00:51 :D905i :HzfhWb16
#130 [栢]
「こんにちは」
にこりとあの笑顔。
鼓動がじわじわと熱くなる
「あ‥飴なめる?」
とにかく話したくて
カバンの中をあさり
飴の袋を取り出した。
もちろん林檎味
彼女のために買った
俺には似合わない林檎の飴
:09/10/15 00:55 :D905i :HzfhWb16
#131 [栢]
彼女は少し驚き
そしてすぐにくすっと笑って
「ありがとう」
欲しかった笑顔を見せてくれた
「林檎‥好きなの?」
飴の袋を指差して
純粋な眼差しで見つめられる
:09/10/15 00:58 :D905i :HzfhWb16
#132 [栢]
君と話したくて‥
笑顔が見たくて‥なんて
言えたもんじゃない。
残念ながら
奥手具合は治らない(笑)
俺は一呼吸置いて
「うん、好き」
君のことがね、
:09/10/15 01:01 :D905i :HzfhWb16
#133 [栢]
雨がだんだん弱くなる
傘を広げて彼女はまた去っていく
「あの‥!」
雨が止んでうっすらと虹がかかる
滴がきらりと眩しい
もう雨には頼らない
:09/10/15 01:07 :D905i :HzfhWb16
#134 [栢]
>>106-134
まとまりがないです(´・ω・`)
全然展開を考えずに
書き始めてしまったので
わけわからんことになってしまいました
結局
名前とかいろいろと謎のままだし←
ほとんどがハッピーエンドなので
今回はもどかしい過程を書いてみました
このあとはご想像におまかせです ^^*
:09/10/15 01:10 :D905i :HzfhWb16
#135 [栢]
:09/10/15 01:18 :D905i :HzfhWb16
#136 [栢]
金木犀
_
:09/10/20 19:38 :D905i :vOnJO0u6
#137 [栢]
たくさんの金木犀の花束を
両手で抱えてくる
小さな亜季子を
橙色の花が覆う
まるで花束が歩いてるみたいだ
「ー‥虎太郎さん
具合はいかがですか?」
彼女はいつも
きっかりと5時にやってくる
花屋の看板娘であった
:09/10/20 19:46 :D905i :vOnJO0u6
#138 [栢]
三年前に彼女の店で知り合った
2人とも金木犀が好きで
仲を深め交際を初め‥
早2年と半月が過ぎる
柔らかい香りが包む
「虎太郎さん、
お元気ないですね‥」
小さな花を
細く白い指で愛でながら
ぽつりと呟く
:09/10/20 19:57 :D905i :vOnJO0u6
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