記憶を売る本屋 2
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#505 [我輩は匿名である]
振り向くと、偉そうに腕を組んで、巧がこっちを睨んでいる。
「何してたの?家に入るの嫌になった?
だよねー。出来損ないは相手にされないもんね」
巧はバカにするような顔で笑う。
飛鳥はムッとして巧に言い返す。
「あんた、バカにするのもいい加減にしなさいよ」
「はっ、何?なんか自慢出来るような事でも出来た?
良かったねー。僕なんか今日テストで1位とったけどね」
巧は含み笑いのまま言った。
:10/11/05 15:45
:N08A3
:IxG8QTDI
#506 [我輩は匿名である]
『1位』という言葉を聞いて、飛鳥は茫然とする。
「はははっ、何?もしかして、成績で僕に勝ったとか思った?
無理に決まってんじゃん、僕に勝とうだなんて。
わかったらさっさとそこどいてくれる?」
巧はため息を吐いて、無理矢理飛鳥をどかせて家に入っていった。
飛鳥は黙ってそこに立ち尽くす。
:10/11/05 15:45
:N08A3
:IxG8QTDI
#507 [我輩は匿名である]
やっと、認めてもらえると思っていた。
この家は学力しか見ていない。
母親も、父親も、弟も。
なら良い成績を取らなきゃいけない。その一心でここまできたのに。
あれだけ頑張って、あの成績を取ったのに、また弟に劣るのか。
飛鳥は拳を握りしめ、しばらく下を向いていた。
:10/11/05 15:49
:N08A3
:IxG8QTDI
#508 [ゆず]
一気に読んでめっちゃ

はまりました

気になる

毎回チェックします

がんばっちくりん

:10/11/06 23:23
:P03A
:DOyPQ5PU
#509 [☆]
:10/11/07 15:14
:SH05B
:☆☆☆
#510 [我輩は匿名である]
>>ゆずサン
>>☆サン
はじめまして

感想ありがとうございます

嬉しいのですが、感想が入ると見辛いというご意見がありましたため、よろしけば小説総合板にある感想板にお願いします


アンカーして下さるのは助かります

:10/11/09 21:55
:N08A3
:elepWMVo
#511 [我輩は匿名である]
次の日。
直人はじーっと、何かを考え込む薫をじっと見つめる。
「……何考えてんだ?」
「来週クリスマスだろ?響子に何やろうかと思って」
薫は腕を組んだまま答える。
そういえばあったな、そんなイベント。
直人もそう思いながら「あー」と声を漏らす。
:10/11/09 21:56
:N08A3
:elepWMVo
#512 [我輩は匿名である]
「………俺も何かやろうかな」
「……神崎にか?」
「んー。テスト頑張ってたしな。何がいいかなー?」
直人も一緒に考え始める。
「(なぁ、お前何かいい考えない?)」
「俺?…うーん…あの子が何好きなのか知らないしなぁ…」
要も困ったように返事する。
「…お前は?香月に何やんの?」
直人は参考程度に、薫にも話を聞いてみる。
:10/11/09 21:56
:N08A3
:elepWMVo
#513 [我輩は匿名である]
「……そうだなぁ…」
薫も直人と同じように、ボーッとしながら考える。
そしてしばらく黙り込んだ後、ふと「あ」と顔を上げた。
「マフラーかな」
「マフラー?何で?」
「この間欲しいって言ってたから」
「あぁ…そりゃ確実に喜ぶだろうな」
直人ははぁっとため息をつく。
:10/11/09 21:56
:N08A3
:elepWMVo
#514 [我輩は匿名である]
「(神崎も欲しいもの言ってくれればいいのにな)」
「お前が何かくれるなんて思ってないと思うよ」
うなだれる直人に、要が冷静に答える。
直人は「そうだよなー」と言いつつ、飛鳥に目をやる。
「何か知らねぇけど、元気無いな、あいつ」
薫もちらっと飛鳥を見る。
「やっぱりそうだよな?昨日はテストの順位見て照れてたのに」
飛鳥は机の上に、だるそうに突っ伏している。
:10/11/09 21:57
:N08A3
:elepWMVo
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