*- エロチュウ -*
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#191 [亜夢]
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「…マナブ?…」
告白できなかったのか?
俺はそっと白い布をとる。
「―――!!!!!」
思わず絶句してしまった。
顔が確認できる状態ではなかった。
「おばさん、マナブじゃないよ…うん、やっぱ違うんだよ…」
「たっちゃん…」
おばさんの赤くなった目をみればみるほど俺はその場から逃げたかった。
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:10/06/07 06:16
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#192 [亜夢]
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まさか。
そんなはずはない。
日があけて…学校にいかなくてはならない時間になった。
「まさかな…?」
俺は普通に登校して席についた。
バタバタと華と百合恵が俺の元にやってくる。
「嘘でしょ?…」
「ねえ、龍紀…マナブが死んだなんて嘘だよね!!!!」
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:10/06/07 06:18
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#193 [亜夢]
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「き…昨日会った…」
病院で、白い布をかぶってた、息をしてない…あれがマナブ?
「わかんないよ…俺マナブがいなくなった実感なんてこれっぽちもないんだよ!!!」
なんであいつの席が空っぽなんだ?
なんで朝会であいつの名前が何度もでてくるんだ?
なんであいつが俺の隣にいないんだ?
なんで?
「お〜いマナブ…」
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:10/06/07 06:21
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#194 [亜夢]
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もう返事がかえってこなくなって1か月が過ぎた。
学校に行く意味もなくなった。
百合恵は酷く精神的に落ち込んでしまった。
華は俺と百合恵を交互に心配しては連絡をくれたり家まできたこともあった。
まさかいえない―…
あの日マナブは華に告白しに行こうとしてたってことは、とてもじゃないけど口に出せなかった。
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:10/06/07 06:23
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#195 [亜夢]
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華が俺の家にほぼ毎日来るようになった。
俺たたは言葉を交わすこともない結ばれた。 マナブの命日もふたりで手をあわせにいった。
あとから知ったことは…
百合恵がひどくマナブのことを好きだったということ。
それから華はずっと俺のことを好きだったということ。
秘密は
マナブの最後の想い…
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:10/06/07 06:26
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#196 [亜夢]
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***
華は好きだ。
俺らにとってあの時間は大事だった。
いまだに覚えてる。
あの日の笑顔や俺に絡みつく愛しい体。
忘れられない場所や言葉。
忘れてしまいたい痛い過去。
華は好きだったんだ。
でも華はまだ俺の夢をずうっとみているんだ。
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:10/06/07 06:28
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#197 [亜夢]
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気づいたら2031号室の前にいた。
坂本華―…
あのときはそうだったのに17のときに笠屋になったんだな。
マスターの名字が坂本だ、それですべてのつじつまがあう。
「―…」
コンコン。
もちろん誰も返事をしない。
「華―…」
真っ白い病室にはちょこんと痩せた華がいた。
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:10/06/07 06:31
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#198 [亜夢]
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起きたら、奇跡がおきたら俺はどうしたらいいんだろう―…
じっと見つめる華の寝顔。
看護婦のお姉さんがはいって俺に挨拶をした。
「あら…お見かけしたことがないですが…」
俺は軽く会釈をする。
「事故当時に付き合ってた本庄です…華がお世話になってます…」
まあ、と看護婦さん。 過去形にしたほうがいいのか現在進行形がいいのかなんてわからなかった。
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:10/06/07 06:35
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#199 [亜夢]
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もう数時間経っただろう。
動かない華のまつげをじいっとみてた。
俺は時計をみて席をたつ。
(もう行かないと遅刻するよな―…)
俺は荷物をもって去ろうとした。
いや、もしかしたら…
俺は華の唇のちかくに可愛いキスを残した。
華は俺の初恋の相手。
もしかしたらおとぎ話みたいなことがおきるんじゃって少し期待はしてた。
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:10/06/07 06:38
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#200 [亜夢]
:10/06/07 06:40
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