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#401 [亜夢]
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安価です

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最新はこのへん

>>360-400

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⏰:10/07/20 02:28 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#402 [亜夢]
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なんで運命はこうもふたりを引き寄せるんだろう?

「亜夢だろっ…?」

あたしの右手をぎゅっと握りしめて言う。

そんな切なそうな声であたしの名前を呼ばないで…あたしは汚れた蝶になった。 人をだます夜の世界にとけ込んだ蝶になった。

「………」

「…あのときはごめん…」

龍紀が深々と頭をさげていった。

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⏰:10/07/20 04:34 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#403 [亜夢]
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「…もう大丈夫。 綺麗さっぱり忘れちゃってたから。 …元気そうでよかった。 じゃあね。」

あたしは右手をふりほどいてエレベーターのボタンを押した。

「だめ…帰らせない。」

「営業で色かけるならほかでやってほしいんですけど。 あたし、家で待ってる彼氏いるから、じゃあ…っ」

開かれるエレベーターのドアが閉めかけたくらいに手に名刺。

はじめてあった時のような感覚…

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⏰:10/07/20 04:37 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#404 [亜夢]
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あたしが受け取らずに1階におりると、階段で降りてきたのか息を切らした龍紀がそこにいた。

「…ほかに男いてもいい。 からっ…」

あたしに男なんていなかった。 あれからデートはいっても、一緒になる男なんていなかった。 龍紀よりいい、と思える男に3年間あえなかった。

「あのときあたしを捨てといて―…都合いいね。」

あたしは背中をむけて右手をあげるとタクシーを拾った。

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⏰:10/07/20 04:40 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#405 [亜夢]
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「俺にもうチャンスはない…?」

亡くなったマナブくんのため、天涯孤独でいると断言した龍紀が、なんでこんなに必死にあたしを呼び止めるの?

「―…あのさ、本気ならいつでもオトしにきてよ。 …はい。」

あたしは逆に自分の名刺を龍紀にあげた。

「…お前、キャバクラで働いてるのか?」

「…龍紀の商売がどんなものか気になって…正直、天職だとおもってるよ。 じゃ。」

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⏰:10/07/20 04:43 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#406 [亜夢]
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高いピンヒールを脱ぎ捨ててまず手を洗ってうがいをする。

たくさん付けたアクセサリーを全部はずすと、髪の毛についてるピンを一本一本丁寧にぬいては、いつものケースにちゃんと保管する。

化粧を落としてちゃんとお肌の保湿をしてあげてから、あたしは鞄の整理をした。

朝の5時だ。

「はあ……」

すると外ポケットにはいってあったのは【響皐月】の名刺。

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⏰:10/07/20 04:46 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#407 [亜夢]
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【club LAURA 代表取締役 響皐月】と堂々とかかれた名刺。

あたしはパソコンを開いて検索をするとどんどん出てくる彼についての情報。

最近龍紀は独立してホストクラブをオープンしたようだ。 まだスタッフも数がしれているが、代表取締役がなんせ売り上げも組数も半端ないため、なかなか商売繁盛しているらしい。

「…掲示板?」

あたしは《★club LAURA響皐月★》とかかれた掲示板を発見する。 いろいろかかれているなか、気になる記事を発見する。

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⏰:10/07/20 04:51 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#408 [亜夢]
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掲示板には様々なことがかかれてた。

〔皐月って絶対枕してくんない!!!! 誰かされたことある?〕

〔してくれないから逆に燃える笑 てかあたしは昔の彼女が…て話を聞いたけど。〕

〔前の店のときの彼女?〕

〔あの長髪でモデル体型のひと?〕

〔店に呼んでない本彼いるって聞いた。〕

〔車一緒に降りるとこみた!!!〕

〔でもそれ数年前じゃない???〕

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⏰:10/07/20 05:20 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#409 [亜夢]
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〔最近女と帰るとこみない。〕

〔あたし帰ったよ

〔↑潰し乙〕

〔てかどんだけ通っても寝てくれないで有名だね、このひと。〕

〔彼女いるのかな?〕

〔今引っ越して小さな部屋と犬1匹でくらしてるらしい写メみた

〔あむちゃん★といぷーだよねっ〕

〔元カノなにしてるひとなの?〕

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⏰:10/07/20 05:23 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#410 [亜夢]
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〔皐月が一回長期間休んだときなにかあったのかな?〕

〔てか地元の友達が皐月の元カノ知ってるかもって!!!〕

〔知りたい

〔あたしも知りたい

〔枕してくれないかな…〕

〔長期間休んだときは実家でいろいろあったらしいよ。 噂だとそのときに彼女と分かれたらしい。〕

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⏰:10/07/20 05:26 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#411 [亜夢]
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恐ろしいくらい詳しくかかれた掲示板の内容に鳥肌がたった。

でもあたしの名前…犬につけてたなんて、うれしすぎて泣きそうだった。

今すぐ彼の胸の内に飛び込めるなら、すぐにでもそうしたかった。

あたしは枕に顔をうずめて眠りにつく。

「あ〜…やっば!!!!」

あたしは化粧道具と着替えを簡単にまとめると元職場であるセットサロンへ向かう。

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⏰:10/07/20 05:28 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#412 [亜夢]
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「亜夢ちゃんお早う!!!」

おはようございます、とあたしがアシストしてた担当に声をかける。

髪型はいつもおまかせする。 ただ、今日のドレスがどんなものかだけ伝えて、あとは担当の好きなようにやってもらう。

「…あ〜…遅刻するとこだったあ…」

あたしは辞めてからも毎日ここにセットしに来る。

「今日同伴ないの?」

「はい、明日になっちゃって…」

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⏰:10/07/20 05:31 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#413 [亜夢]
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PPP…

知らない番号から鳴る。 あたしは思わず営業の声でもしもし、と出る。

「亜夢、いまどこ?同伴するから待ち合わせしよ。」

なぜか声が近くに聞こえる。

「今セットしてる…」

「あれ…」

ぱっと鏡越しにうつったのは龍紀だった。

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⏰:10/07/20 05:33 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#414 [亜夢]
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担当もびっくりして

「あれっ…ふたりってつきあってたんじゃなかったっけ…?」

と困惑しながらもコソコソとあたしに耳打ちする。

「同伴しよ。」

「やだ。 出勤ふつうにする。 外で会いたくないもん。」

「亜夢…店以外じゃないと真面目な話できないだろ。 俺1回もおまえ店によんでないじゃん。」

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⏰:10/07/20 05:35 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#415 [亜夢]
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じゃあもういい、と目を反らすあたしをみて龍紀は笑って言った。

「強がりやめよーよ。 おまえ興味ない人間とはしゃべらないだろ。 …俺のこと試してるだろ?な?」

龍紀はハアとため息をついていった。

「今日はとりあえず同伴するから時間頂戴。」

龍紀は隣のセット面に座ると自分もセットしてもらいはじめた。

あたしは支配人に電話して同伴の報告をすると残りの化粧に集中した。

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⏰:10/07/20 05:39 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#416 [亜夢]
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ふたり同時にセットが終わると龍紀はすぐに支払いをあたしと自分のぶんをして外に出た。

たばこを吸ってるんだろう。

「より戻したら報告してね★」

楽しそうにほほえむ担当。 …でも確かにあたしは強がりで、ただ相手にしてもらいたいけど素直に言えないだけだ。

水商売をしてから見栄を張るようになった。 そのせいかなあ?

あたしは化粧を終えると龍紀の待つ外へ出る。

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⏰:10/07/20 05:41 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#417 [亜夢]
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…わかってる。

あたしは龍紀とすぐにでもよりを戻したいことくらい分かってる。

なにが真実で嘘で偽善なのかなんて本人以外分からない。

作ってるなら真相を知らないほうが幸せ。

だまされてるなら夢見てたほうが幸せ。

でもあたしは期待してしまう。

やっぱり龍紀はあたしのもので、あたしは龍紀のものなのかもって…何があろうと思ってしまう。

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⏰:10/07/24 06:27 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#418 [亜夢]
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「亜夢っ…」

うれしそうに微笑むと龍紀はあたしの腕を引っ張った。

「グラサンでもすれば?お客さんにバレたらやばいでしょ。 だって…代表取締役なんだし…」

あたしは振り解こうとしても後ろ姿の龍紀は振り返りもしなかった。

近くに停めてあった車をピピッと遠隔操作であけると懐かしい車…

「のって?」

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⏰:10/07/24 06:29 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#419 [亜夢]
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しばらくするとあのマンションの前にいた。 龍紀と一緒に過ごしてたあのマンション。

「…何のつもり?」

あたしは背中を向けようとする。

「見せたいものがあるんだ!!!!」

子供みたいに無邪気に笑う龍紀が誘惑してるようには思えなかった。

そうだった。

このひとはあたしの前では【響皐月】なんかじゃないんだ。

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⏰:10/07/24 06:31 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#420 [亜夢]
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カチャ―…

玄関が彼の背中越しにみえる。 またあのマットでスリッパ置いてある。

壁にあった写真もデコレーションもそのまま。

「あむ〜〜〜」

甘えたような声で言う龍紀にびっくりして彼の手元をみると…トイプードル!!!!

「か〜わあい〜♪」

大の犬好きのあたしのそのまま家にあがってずっとあむと遊んでた。

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⏰:10/07/24 06:34 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#421 [亜夢]
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「俺ってきもい?」

という龍紀の声にあたしはやっとあむから目を離した。 は?と言う顔を作ると

「亜夢の名前からとって……未練たらたらだろ?」

と言った。

普通は気持ち悪いとか気色悪いらしいけどあたしにとってはとても愛らしいことに思えた。

首を横に振る。

ちがう、うれしいよって。

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⏰:10/07/24 06:36 📱:F02B 🆔:6a11yNQE


#422 [亜夢]
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…て言いたかったのに、言えない。

「亜夢がいなくなってから……ひとりになると寂しくてさ。 犬が彼女みたいな。 笑えるだろ。」

苦笑いして肩を落とす龍紀。

「…俺って勝手だよな…、おまえを切り離したのにまた戻りたいなんて都合いいこと…」

ハアとため息をつく。

「〜…また一緒にいたい…」

目をあわせずに龍紀は言った。

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⏰:10/07/26 20:47 📱:F02B 🆔:7L5GNZDA


#423 [亜夢]
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あたしは考えた。

…どうすれば幸せになれる?

あたし達は一度別れた。 あたしは幼なじみによりかかって彼らの策略になんて気づきもしなかった。

真相がわかった後に手をとったのは長年いっしょにいた裕也じゃなく龍紀だった。

やり直せると思った矢先に掘り返された過去の誰かの想い。

責任がとれない…意味のわからない状況から龍紀はやっぱりあたしが必要といってくれてる。

3度目の正直なのかな。

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⏰:10/08/02 07:21 📱:F02B 🆔:UJTKjLQY


#424 [亜夢]
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トイプードルのあむがあたしをきらきらした目でみてくる。

そうだった。

最初から龍紀はホストの響皐月でも、過去に縛られた龍紀でもなかった。

あたしの龍紀だった。

「――うん、やり直そう…龍紀。」

あたしはあむの頭をなでながら言った。 久しぶりにふれあう唇。

そのまま一緒に同伴で店にきたけど、あたしはいろんなことを想像した。 また龍紀との生活が始まるんだ、と想って…

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⏰:10/08/02 07:25 📱:F02B 🆔:UJTKjLQY


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