その日が来る前に、
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#601 [愛華]
「へ……あ…」
「…なんですか?隣に来いって
誨さんが言ったんですよ?」
「あ、そーでしたね……はい…」
ザクザク…………
「………誨さん」
「んー?なに?」
:10/09/02 23:39
:840SH
:DaCdVZQA
#602 [愛華]
あたしは自分が誨さんを呼んだ
ことに驚いた。
知らないうちに…呼んでた。
「……タカの中学時代
知ってます?」
「え……知らねぇけど」
「………ひどかったんですよ」
「ひどい……?」
:10/09/02 23:42
:840SH
:DaCdVZQA
#603 [愛華]
「毎晩血だらけで帰ってきて。
お父さんとお母さん亡くした
ショックからなのかな?
わかってたのに……
あたしはなんもできなかった。
なにひとつ」
「んなこと……」
誨さんも言葉が見つからない
みたいだった。
「毎晩ケンカに狂って。
髪も染めて。…どんどん離れて…
それが怖くてなにもできなくて。
そのままアメリカに留学」
:10/09/03 01:45
:840SH
:0qduYiP6
#604 [愛華]
「あたし逃げたんです、タカから
なにもできない自分がいやで
でも、帰ってきたらもしかしたら
前のタカに戻ってるかも…って」
何が言いたいんだろ、あたし。
でも……とまんない。
吐き出さなきゃ、潰れちゃうよ。
「………ダメでしたけどね」
:10/09/03 01:48
:840SH
:0qduYiP6
#605 [愛華]
「……梓ちゃん」
「……あたしは何もできなかった
のに……今は那佑のことを話す
だけでタカを止められる。
タカの心を動かせるのは
これからも那佑だけなんです」
そう。わかってた。
そして納得もしてた。
だから笑ってられた。
だから、よかったねって言えた。
でも………でもね。
:10/09/03 01:52
:840SH
:0qduYiP6
#606 [愛華]
「たまに思っちゃうんです。
自分のほうが……って。
そんな自分が………たまらなく
嫌になるんです……」
ずっとずっと溜めてた想い。
今さらなのに、こんなの。
「幸せだとか嘘ばっかついて…
自業自得でしょーそんなの。
自分で自分傷つけてんじゃん」
「うるさいですねっ!!
言っただけですよ!!
吐き出すために!全部!」
:10/09/03 01:56
:840SH
:0qduYiP6
#607 [愛華]
「俺には無理だねー
そんなボロボロの恋愛」
「……ボロボロで悪いですか」
「…………」
だまんないでよ!
なんか言えよばーか!!
「………悪くないんじゃん?」
「え…?」
:10/09/03 01:59
:840SH
:0qduYiP6
#608 [愛華]
「傷ついてばっかも悪くないよ。
うん。今そー思った」
「……なんですか、それ」
「さぁ?どーゆー意味でしょ?」
……意味わかんない。
でもさ、いいんだよね、まだ。
ボロボロでも、傷だらけでも
大切な人の幸せをひたすら願う
そんな形の恋愛があっても。
:10/09/03 02:03
:840SH
:0qduYiP6
#609 [愛華]
そのおまけとして、
………私も幸せになりたい。
「なんかお腹すいたなー」
「そだなーなんか食いに行くか。
おにーさんがおごっちゃるよ」
「いいですね〜……ってか
なんで誨さん、あたしの家の前に
いたんですか?」
「細かいことはいーの!!」
いつか、私も誰かと。
:10/09/03 02:07
:840SH
:0qduYiP6
#610 [理沙]
失礼します
<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000
:10/09/03 20:54
:N01B
:kH1/GW5I
#611 [理沙]
:10/09/03 21:04
:N01B
:kH1/GW5I
#612 [愛華]
理沙様
アンカーありがとうございます

:10/09/04 00:54
:840SH
:O1wN.WdE
#613 [愛華]
>>609俺は走った。ひたすらに。
那佑が待ってる。急がなきゃ。
頭の傷が痛む。
血の味がする。
でも今はどうでもいいんだ。
:10/09/04 00:59
:840SH
:O1wN.WdE
#614 [愛華]
約束の時間から1時間半
たっていた。
もう那佑はいないかもしれない。
それでもいかなくちゃいけない。
那佑。俺は弱いんだ。
弱いから自分を抑えるすべを
知らなくて。
自分を守るために自分に支配され
そして人をまた傷つけてしまった
:10/09/04 02:38
:840SH
:O1wN.WdE
#615 [愛華]
お前は許してくれるだろうか。
こんな弱い俺を。でもダメなんだ。
俺は……那佑がいなきゃ
ダメなんだ。
みちゆく人が俺を見る。
額に流れていた血は固まって
カサブタのようになっていた。
ぱっと見、なにかの映画の
撮影みたいに見えなくもない。
:10/09/04 02:43
:840SH
:O1wN.WdE
#616 [愛華]
足がもつれても構わず走った。
明日は筋肉痛だ。
とか思いながらも走る。
汗が傷にしみて痛い。
「はぁはぁはぁ……」
待ち合わせ場所に着いて、
那佑を探す。
「…………那佑っっ!!」
:10/09/04 13:40
:840SH
:O1wN.WdE
#617 [愛華]
′
那佑はいた。
寒そうに身を縮めていて
耳、頬は真っ赤になっていた。
那佑は俺の方を見た。
ボロボロの俺を見て
一瞬驚いた顔をしたけど
すぐに真顔に戻った。
:10/09/04 13:55
:840SH
:O1wN.WdE
#618 [愛華]
那佑のもとに走る。
「…………ごめんっっ!!
その……ちょっと色々あって。
説明するから、とりあえず……」
「…………血。」
「………え?」
「血、出てる。」
那佑が俺の頭を指差す。
「あ、これは……だから説明する
から、どっか入ろう?」
:10/09/04 14:46
:840SH
:O1wN.WdE
#619 [愛華]
「服にも………ついてる」
那佑に言われて、見てみると
上着に血が点々とついていた。
「あ……これは俺じゃないんだ」
「………そうなんだ」
沈黙が流れる。
「………ごめんな?
寒かったよな?……ごめん」
:10/09/04 14:51
:840SH
:O1wN.WdE
#620 [愛華]
「……………」
那佑は黙ったまま俯いてる。
やっぱり怒ってるのか?
いや、当たり前だろ……
でも、どうすればいい?
謝るだけじゃダメなのか?
「隆則……?」
「あ、え……何?」
「ちょっとこっちむいて?」
「え?あ、うん……」
俺は那佑のほうに向き直った。
次の瞬間。
バシンッッ
:10/09/04 14:58
:840SH
:O1wN.WdE
#621 [愛華]
………え?
ビンタ?俺、ビンタされた。
「………ばか。ばか隆則」
頬が赤くなりジンジン痛む。
それよりももっともっと
心がジンジン痛くなった。
那佑が泣いていたから。
:10/09/05 01:36
:840SH
:1433GB1M
#622 [愛華]
俺のせいで涙を流す那佑を
何回みてきただろう。
泣き顔なんて見たくないのに。
ほんとに人生うまくいかない。
「那佑………ごめん。ごめんな」
「ばかぁ……どんだけ心配したと
思ってんのー…?ばかばか!!」
ポカポカ俺の頭を殴る那佑。
その目から涙が次々あふれる。
:10/09/05 01:40
:840SH
:1433GB1M
#623 [愛華]
「うん………ごめん」
「クリスマスになぁ!!
ケンカなんかすんなぁ!!」
「うん………ごめん」
「マリア様とイエス様も
いい迷惑だっつの!!」
「うん………ごめん」
「あ……あと長谷さんもか」
「うん………あとで謝るよ」
「…………ばか」
:10/09/05 01:46
:840SH
:1433GB1M
#624 [愛華]
那佑はそう言うと、ぽすっと
俺の胸に頭をくっつけた。
いつのまにか、人はいなくなって
いて、俺と那佑だけになった。
さっきまであんなに人が
いたのに?
という疑問はもはやなかった。
今日はイヴ。
きっと不思議なことが起こるんだ
:10/09/05 01:50
:840SH
:1433GB1M
#625 [愛華]
「隆則。約束覚えてる?」
頭をつけ下を向いたまま
那佑が言う。
「……覚えてるよ」
那佑と心が通じたあの日。
病院で那佑と交わした『約束』。
それは那佑がいなくなる時
ぜったいに泣かないこと。
:10/09/05 02:19
:840SH
:1433GB1M
#626 [愛華]
『私がいなくなっちゃう時は…
絶対泣かないで。その時だけは…
絶対に。』
お前はそう言ったな。
俺はそれがいつになるのかなんて
わからないけれど。
それが
那佑が25になるまえに訪れる
なんて認めるつもりはない。
:10/09/05 02:25
:840SH
:1433GB1M
#627 [愛華]
「約束ね、もう一個」
「……うん?」
「もう一個、ふやしてもいい?」
そう行って那佑は顔をあげた。
潤んでいる瞳は赤かった。
「………なに?」
:10/09/05 12:10
:840SH
:1433GB1M
#628 [愛華]
那佑はもう一度、頭を俺の胸に
つけた。震えていた。
「……ケンカしたっていい。
血だらけになったって
足が折れたって、別にいい」
別にいいのかよ……
「…ボロボロになってもいい。
でも……ぜったいに帰ってきて。
最後は私のとこに帰ってきてね」
:10/09/05 17:47
:840SH
:1433GB1M
#629 [愛華]
「…………」
「置いてかれるのはもう嫌。
置いてかないで。一人はやだ。
だから帰ってきてね」
泣きながら言う那佑。
俺の目の前で
『置いてかないで』
といった17歳の女の子は
とても幼く見えて。
とても愛しく見えた。
:10/09/05 17:52
:840SH
:1433GB1M
#630 [愛華]
その言葉を聞いただけで
今までの彼女の孤独とか
悲しみとか痛みとか。
彼女の心についた無数の
傷をつけたものの正体が
すべてわかった気がして。
目の前の彼女が
ひどく小さく見えて。
:10/09/05 17:59
:840SH
:1433GB1M
#631 [愛華]
心の傷は治せないから。
だから。
君の前で、今誓う。
「あたりまえじゃん。
那佑のとこに帰るから。
帰ってくるから」
「………うん。うん……」
一生懸命うなずく那佑。
俺の帰る場所は………ここ。
:10/09/05 18:03
:840SH
:1433GB1M
#632 [愛華]
「………那佑。手、だして」
「……なんかくれるの?」
「まぁそんなとこ。目つぶって」
静かな時間。
やさしくて、あったかい。
「………なんかしてる?
指、冷たい感じするんだけど…」
「………目、あけていーよ」
:10/09/05 18:14
:840SH
:1433GB1M
#633 [愛華]
「わ…………」
那佑の指には小さな小さな
指輪がはめられていた。
ハートのモチーフの
キラキラ輝く指輪。
「…………」
「なんか………言えよ」
わ、俺ぜってぇ顔赤い。
はずっっ……
頼むからなんか言ってくれ……
:10/09/05 18:17
:840SH
:1433GB1M
#634 [愛華]
「すごい………かわいい。
すごいすごい………かわいい」
「あ、えと………よかった」
「隆則………ありがとう。
大好き。大好きだからね」
「あ、うん」
「嘘じゃないよ。嘘じゃない」
「なんで2回ずつ言うんだよ」
俺はふっと笑った。
:10/09/05 18:25
:840SH
:1433GB1M
#635 [愛華]
「うー……」
「わっっなんで泣くの!」
「や、嬉しすぎて…とまんない」
「ばかじゃねーの……」
そういって那佑を抱きしめる。
「寒いから……帰ろっか」
「…帰んの?クリスマスだよ?」
:10/09/05 18:30
:840SH
:1433GB1M
#636 [愛華]
「だって隆則、血だらけだし。
あたしもう満足だし」
「え〜いいのかよ……」
そう言って、手をつなぎ
那佑と歩きだす。
…………まぁいっか。
:10/09/05 18:32
:840SH
:1433GB1M
#637 [愛華]
嬉しい時も涙って出るのか。
流したことないからわかんないな
でも、よろこんでくれるなら…
そんな涙もいいかもしれない。
素直にそう思った。
「……さっきさ、人めっちゃ
いたのに、急にいなくなったよね
なんでかなぁ?」
「ほら、イヴだからさ
不思議なことが起こるんだよ。
:10/09/05 18:41
:840SH
:1433GB1M
#638 [愛華]
「そっかぁ。そーかもね」
はぁーっと息をはく那佑。
……寒そうだ。
「………なんでケンカしたの」
うっ…いきなりキター…
「や、あの……絡まれてさ」
「誰に」
「いや…わる〜い人にさ」
:10/09/05 18:48
:840SH
:1433GB1M
#639 [愛華]
「…今の隆則は絡まれたぐらいで
ケンカなんかしないよ。なんで」
………全部おみとおしかよ。
「………あの時のヤローがさ。
逆恨みしてやりかえしにきた。
こーゆーやつは本気で痛い目に
あわせないとわかんないから
しょーがないからやっただけ」
「……ほんとは怖かったくせに」
:10/09/05 18:55
:840SH
:1433GB1M
#640 [愛華]
那佑には……全部ばれてしまう。
「………うん。超こわかった」
「………ほらね」
「でも……俺がにげて
また那佑のとこに行くかもって
思ったら……そっちのほうが
何倍もこわかったから」
那佑は俺の手を少しだけ
強く握りなおした。
:10/09/05 18:59
:840SH
:1433GB1M
#641 [愛華]
「……指輪くれたから許す」
「うん。ありがと」
てゆか俺、頭割られてて本当は
こんなことしてらんないけどな…
とか思うけど……
でも今日は。今だけは。
ちょっとだけこのままで……
:10/09/05 22:51
:840SH
:1433GB1M
#642 [愛華]
-那佑side-
:10/09/06 15:45
:840SH
:MHBXlxoo
#643 [愛華]
心がひきちぎれそうな。
そんな長い時間だった。
もしかしたら来ないかもしれない
事故にでもあったのかもしれない
不安と恐怖。
心が闇に押し潰されそうで。
:10/09/06 15:53
:840SH
:MHBXlxoo
#644 [愛華]
こんな気持ち、前にもあった。
お父さんとお母さんに
置いていかれた、あの春。
辛くて、苦しくて。
そこから抜けだせなくて。
隆則。はやくきて。
わたしはここにいるよ。
ひとりはやなんだよ。
待つことしかできなかったの。
:10/09/06 15:57
:840SH
:MHBXlxoo
#645 [愛華]
嫌な不安がつのって……
それは当たってしまって。
やっと来た隆則は血だらけだった
すぐにケンカだってわかった。
ほっとしたのと同時に湧いた…
ひとつの不安。
隆則はあたしを一人にしない?
:10/09/06 16:00
:840SH
:MHBXlxoo
#646 [愛華]
今日みたいに
突然に
あたしを置いていかない?
………もう置いてかれたくない。
あたしは隆則と『約束』をした。
あたしたちだけの、約束。
わがままかもしれないけど…
でも……約束だからね?
:10/09/06 16:04
:840SH
:MHBXlxoo
#647 [愛華]
あたしは隆則のところに帰る。
ぜったいに帰ってくるから。
だから隆則も………
あたしのところに帰ってきてね。
約束だよ、隆則。
:10/09/06 16:11
:840SH
:MHBXlxoo
#648 [愛華]
人はひとりじゃ生きていけない。
いつも孤独と隣り合わせなんだ。
だから、その不安から
抜け出すために、形を。
つながりを求める。
それは『結婚』とか『束縛』とか。
……『約束』とか。
:10/09/06 20:52
:840SH
:MHBXlxoo
#649 [愛華]
形は人それぞれだけど
自分がひとりじゃないという
ひとつの証明の形なんだよ。
神様。
どうかあたしのつながりを
たったひとつのつながりを
………奪わないでください。
あたしが消えるその日まで
………強く、生きられるように。
:10/09/06 21:00
:840SH
:MHBXlxoo
#650 [愛華]
-隆則side-
:10/09/06 21:04
:840SH
:MHBXlxoo
#651 [愛華]
冷たい空気が身にしみる。
でもそんな寒さも気にならない。
「たっだいまぁー」
「おー隆則ーおはへひー」
ソファの上でフライドチキンを
食べながら、目も向けずに
誨が言った。
相変わらずムカつく……
:10/09/06 21:08
:840SH
:MHBXlxoo
#652 [愛華]
「………てかお前はやくね?
まだ4時だぞ?
那佑ちゃんはどうし……」
誨が振り向き、俺の頭に巻かれた
包帯を見て固まった。
「……あ、えとな、いろいろ
あってな。三針縫いました、頭」
「………はぁぁぁ?
お前イヴにケンカしたのか?
ばかじゃねーの?
なんでよりによって今日!!」
:10/09/06 21:17
:840SH
:MHBXlxoo
#653 [愛華]
どうして那佑もこいつも
俺のケガ=ケンカになるんだ?
いや、間違ってないけどさ。
間違ってねぇけど……
俺+ケガ=どーせまたケンカだろ
みたいな公式、勝手に
たてないでほしいよな………
「そいで?こんなはやくに?」
「あ、うん。病院行けって。
でもプレゼントは渡せた♪」
「渡せた♪ じゃねーよばか。
馬鹿なことして心配かけんなよ」
:10/09/06 21:26
:840SH
:MHBXlxoo
#654 [愛華]
ほんとに容赦ない誨の言葉。
グサグサくるぜ……くそぅ。
「あ……そっか。
梓ちゃんが言ってたのって…」
「ん?なに?」
「あ、やー…もしかしてさ
ケンカ止めにきたのって
梓ちゃんだったりする…?」
「え、なんで知ってんの?
てゆか…梓に会ったの?」
「んーまぁ……」
:10/09/06 21:31
:840SH
:MHBXlxoo
#655 [愛華]
「お前、まさか夜の予定って…」
「あ、や、なくなったから。
昼一緒にいってきちゃったから」
……ちょっとまて。
頭の中で状況を整理。
そうした結果……
「…てめぇ梓に手だしたんか!?」
「手ぇ出すとはなんだ!!
俺は純粋な気持ちで……」
:10/09/06 21:40
:840SH
:MHBXlxoo
#656 [愛華]
「純粋!?よく言うぜてめぇ!
高校時代、街中で俺の写真
売った金で彼女とデートしてた
くせに!!悪の極みだろ!!」
「うるせー!!
てめぇの取り柄は顔だろーが!
それを親友が利用して
何がわりぃんだよ!!
ムカつくんだよお前、
カッコイイ顔しやがって!!」
いや、最後のは褒め言葉…
というのは頭に血がのぼった
二人は気づくはずもなく。
:10/09/06 21:47
:840SH
:MHBXlxoo
#657 [愛華]
ぎゃーぎゃー騒いだ末……
「………腹へった」
「………へったな」
しょーがないので男ふたりで
クリスマスパーティーを
することに。情けな……
酒を買ってきて騒ぎまくる。
誨はかなり酒には弱い。
なのに今日はいつもの倍以上
飲んでいた。
あ、お酒は20歳からね。
良い子のみんなは
真似しないよーにね。
:10/09/06 21:55
:840SH
:MHBXlxoo
#658 [愛華]
夜も更けてゆき
俺はほろ酔い、誨は泥酔。
「うぅ……気持ち悪いよぅ…
苦しいよぅ……しくしく」
「泣くな!しくしくとか言うな!
ってゆーか飲み過ぎだろ…」
「でけぇ声だすなよ…うー…」
……全く。困ったやつだな。
ほんとにしょーもない……
:10/09/06 21:59
:840SH
:MHBXlxoo
#659 [愛華]
「………なぁ隆則ぃ」
「ん?なんだよ」
「…那佑ちゃんのことさぁ
大事にすれよーちゃんとさ」
「いきなり何いってんだよ?」
俺はぐぃっと酒を飲み込む。
「や、あーゆー女の子はさ。
流されやすいじゃん?
だから油断するとカーンタンに
持ってかれちまうわけよ」
……油断なんか、してないけど。
:10/09/06 22:03
:840SH
:MHBXlxoo
#660 [愛華]
「だからちゃんとつかまえとけ」
つかまえとく…?どーやって?
でも誰かにやるつもりなんか
全くない。絶対やだ。
「……結婚、したい」
口からとっさに出た言葉。
言った瞬間、どうしようもない
恥ずかしさに襲われて
クッションに顔を埋めた。
「あ、そーゆーのはよくない。
それは逃げ、だろ?ただの」
:10/09/06 22:14
:840SH
:MHBXlxoo
#661 [愛華]
「誰かにとられなくて済むから
結婚するってのは違うだろ?
もっと違う方法あるだろ」
「違う方法……て何?」
「そりゃぁ………フフ」
おい、なんだ今の笑い。
めちゃくちゃ嫌な予感。
「まずはだね、那佑ちゃんの
服のボタンをひとつひと…」
「あー俺コンビニいってくるわ」
逃げるが勝ち。
:10/09/06 22:22
:840SH
:MHBXlxoo
#662 [愛華]
「隆則ぃー酒よろしくー
氷もなー酒にいれてなー」
「あーハイハイ」
ぐでぐでのくせに何いってんだ。
氷のかわりにドライアイス
いれてやる。
外はいいかんじに涼しくて
酒でほてった体を冷ました。
足元がふらふらする。
………俺もけっこう酔ったな。
:10/09/06 22:26
:840SH
:MHBXlxoo
#663 [愛華]
コンビニは、深夜ということも
あって人は少なかった。
酒を買い終えて帰ろうとした時。
突然誨の言葉が浮かんだ。
「違う方法あるだろ?」
ガラガラガラ!!
やらかした……
酒を地面にぶちまけてしまった。
:10/09/06 22:33
:840SH
:MHBXlxoo
#664 [愛華]
あんにゃろー……
誨に恨みごとを言いながら
酒をひとつひとつ拾う。
最後のひとつを拾おうと
しゃがんだ時。
「………はい、どーぞ」
目の前には男が立ってた。
176くらいある。高校生か?
「あー……ども」
酒を受け取り、袋に戻す。
:10/09/06 22:38
:840SH
:MHBXlxoo
#665 [愛華]
「滑るので気をつけて下さい」
そういってにこっと男は笑った。
去っていく男の後ろ姿を
黙って見ていた。
………なんだ?この感じ……
頭の中ではまた誨の言葉が
ゆっくりとこだましていた。
「カーンタンに持ってちまうぞ」
:10/09/06 22:43
:840SH
:MHBXlxoo
#666 [愛華]
:10/09/06 22:53
:840SH
:MHBXlxoo
#667 [愛]
:10/09/06 23:24
:SH902iS
:☆☆☆
#668 [愛]
:10/09/06 23:26
:SH902iS
:☆☆☆
#669 [愛]
:10/09/06 23:28
:SH902iS
:☆☆☆
#670 [愛華]
:10/09/07 00:19
:840SH
:Tqqz7u3s
#671 [愛華]
-那佑side-
:10/09/07 16:29
:840SH
:Tqqz7u3s
#672 [愛華]
新学期です。
寒さはまだまだ深いし
楽しい行事は全部終わった
1月の半ば。
なんとなく気分がダラダラ…
人はそれを正月ボケと呼んだ。
………あー……しんどい……
:10/09/07 16:33
:840SH
:Tqqz7u3s
#673 [愛華]
「じゃーお正月は家族で??」
「うん。久しぶりにね」
今はお昼休み。
梓と久しぶりの学校での昼食。
「…てゆかさ、なんで
両親いないなんて嘘、タカに
ついてたの?」
「え…………あー!!」
そうだ…隆則と出会いたての頃、
あたしは両親がいないって嘘
ついてたんだっけ。
両親との関係いいたくなくて…
:10/09/07 16:45
:840SH
:Tqqz7u3s
#674 [愛華]
「ていうか梓がなんで?え?」
「タカがけっこう前にさ
『那佑はなんでかしらないけど
両親いないとか嘘ついてる。
でも隠すってことはなにかしら
理由があるだろーから
知らないふりしとけよ』ってさ」
隆則は気づいてたんだ…
ずーっと前から。
「まぁ、今ならべつにいーか、
と思ってさ。ダメだった?」
:10/09/07 21:30
:840SH
:Tqqz7u3s
#675 [愛華]
「ううん。今はもういいんだ。
ありがとね、梓」
「べーつにぃ」
梓はめんどくさそうに伸びをして
大きなあくびをした。
「…梓はクリスマスどうしたの」
「んー特に…誨さんとご飯した」
:10/09/07 21:44
:840SH
:Tqqz7u3s
#676 [愛華]
「誨さんて………えと…
隆則の友達だっていう…」
「そう、それ」
えぇ!?
あたしも何度か会ったことは
あるけれど、なんていうか……
軽い。中身がない。淡泊。
そんな感じの人で、
初対面でニガテを感じた。
「……案外いい人だよ、あの人」
「へ、へぇ……」
:10/09/07 21:56
:840SH
:Tqqz7u3s
#677 [愛華]
まぁ梓が言うんなら……
実はそうなのかもしれないな。
「それよりさー、噂だけど
うちのクラスに転校生くる
らしいね。男の」
「転校生?男の?」
「うん。部活に来てた人が
見たらしい。けっこうイケメン」
ふーん…や、特に
興味もないけど。
:10/09/07 22:03
:840SH
:Tqqz7u3s
#678 [愛華]
「そーなんだーへー」
この日のあなたとの出会い。
それは私の運命を大きく変えて
周りを巻き込みながら大きくなり
あなたの運命も変えてしまった。
まるで嵐のように
あなたは私のもとへやってきた。
:10/09/07 22:24
:840SH
:Tqqz7u3s
#679 [愛華]
「……てゆか転校生ってフツー
朝にくるでしょ?今昼だけど」
あたしは不思議に思い、
ジュースをすすりながら梓に聞く
「あー…なんでだろーね?」
「嘘なんじゃないのかなぁ…」
そんなことを話しながら廊下を
歩いていると。
「………あ」
:10/09/08 00:18
:840SH
:lLLUK/aw
#680 [愛華]
突然、梓が声をあげた。
「なに?梓」
「………あれだよ、転校生」
前を見ると、向こうから
見たことのない制服をきた男子が
歩いてくるのが見えた。
……へー確かにかっこいいけど…
「…あ、同じクラスの子だよな?
よろしくなー」
:10/09/08 00:21
:840SH
:lLLUK/aw
#681 [愛華]
「…………はい!?」
まさか話しかけられるとは
思っていなかったし
何このフレンドリー感!!
まるで当たり前かのように
彼はあたしたちに挨拶をした。
「品野直純(しなのなおずみ)
ってゆーの。
あとでまた会うと思うけどさ」
「あ…はぁ。よろしくね」
梓とあたしもとりあえず挨拶。
:10/09/08 00:27
:840SH
:lLLUK/aw
#682 [愛華]
………なんだこの展開。
「あ、んじゃまたあとでねー」
そう言うと、転校生はどこかへ
行ってしまった。
………へんな人。すっごい。
それが第一印象だった。
なんていうか、うん。
今までにいないタイプだな。
:10/09/08 00:30
:840SH
:lLLUK/aw
#683 [愛華]
「なんつーか…フ、フレンドリー
な人だね……」
「うん……びっくりした…」
でも結局その日、彼がクラスに
やってくることはなかった。
………よくわからん。
別のクラスだったのかな?
うーん………謎だ。
:10/09/08 03:24
:840SH
:lLLUK/aw
#684 [愛華]
変だなぁとは思ったけども
そこまで興味もなかったし…
まぁ人間そんなものである。
「くぁっっ」
「………え、なにそのあくび」
「眠いんだよねーすっごい…
最近、夜更かししてるからかな」
「夜更かしぃ?なんでまた」
「ん?テレビ」
:10/09/09 18:44
:840SH
:upRrJ//M
#685 [愛華]
現在、隆則宅にてダラダラ中。
今、お父さんとお母さんは仕事で
いないので寂しかったり……
「お前な、体こわすぞ。だめ。
つーか病院いってんのか?」
「いってるよーちゃんと」
といっても、行ったって診察して
終わり。特になにも言われない。
運動は控えてね、くらい。
:10/09/09 20:10
:840SH
:upRrJ//M
#686 [愛華]
なにも変わらない毎日。
変わらなすぎて、自分が本当に
死んじゃうなんて
嘘なんじゃないかって思う。
嘘なんだって思いたいんだ。
「あんま無理すんなよ」
「わかってるよーだ。
薬だってちゃんと飲んでるもん」
隆則はゆっくり立ち上がって
あたしの隣にすわると
頭をナデナデしてくれた。
:10/09/09 20:17
:840SH
:upRrJ//M
#687 [愛華]
……おっきい手の平。
隆則の手は魔法の手。
すごく安心する……
隆則を間近で見上げると、
視線に気づいたのか目が合って
隆則はにっこり微笑んだ。
………ずるい。ずるいよ。
「…隆則ってさーなんでそんな
かっこいーの?」
「……はぁ?熱でもあんの?」
:10/09/09 20:25
:840SH
:upRrJ//M
#688 [愛華]
あれ、けっこう真面目に
言ったつもりだったんだけどな。
でも本当に隆則は、芸能人並に
かっこいい。
でも私が隆則を好きになったのは
そんなのが理由じゃないよ。
上手く言い表せない何かに
私は惹かれていったんだ。
「…隆則って何人くらいの人と
付き合ったの?」
:10/09/09 20:35
:840SH
:upRrJ//M
#689 [愛華]
「んーえーと…いない、よ?」
「うそ。今つまったじゃんけ」
「じゃんけ て何。どこの言葉」
……そっか。私ははじめてだった
ことも隆則ははじめてじゃない。
私以外の誰かと……
ん?それ、なんかやだな。
:10/09/09 21:45
:840SH
:upRrJ//M
#690 [愛華]
なんだこれ。胸がちくちくする…
針でつっつかれてるみたいな。
「………あっそ。別にいーけど」
あたしはぷぃっと後ろを向いた。
隆則が笑いをこらえてるのが
見てもいないのにわかった。
………ムカつくっっ!!
:10/09/09 23:36
:840SH
:upRrJ//M
#691 [愛華]
「那佑ーなにおこってんの」
「うるさい、ばか隆則」
隆則はくっくっと笑いながら
あたしの頭をわしゃわしゃした。
「……那佑が初めてだけど。
つきあうのも、本気なのも」
「………うそだ」
「ほんとほんと。女が苦手
だったからさ。あ、那佑は平気」
:10/09/09 23:40
:840SH
:upRrJ//M
#692 [愛華]
「………ほんと?」
あたしはちょっとだけ振り向いた
「ほんとほんと!!」
ニコニコしながら隆則がいう。
あたしはくるっと振り向いて
隆則によしかかった。
「……ネコみたいだな、那佑」
「え、どこらへんが?」
:10/09/09 23:44
:840SH
:upRrJ//M
#693 [愛華]
「んーやきもち妬くとことか
こーゆー人懐っこいとことか」
……そっか。あたしさっき…
やきもち妬いてたんだ。
妬いたことないからなぁ……
「じゃー隆則だけの
ネコになるにゃ☆」
「にゃ☆ じゃねーよ。
バカなのばれるからやめなさい」
「隆則が!隆則が言ったのに!」
:10/09/09 23:51
:840SH
:upRrJ//M
#694 [愛華]
「俺は、似てるなって言っただけ
ネコの声出せなんて言ってない」
「なんだよー!恥かいたじゃんー
あたしバカみたいじゃんー」
「ばかとはつきあえませーん」
「すいませんー!!
もう にゃ☆ とか言いませんー」
:10/09/09 23:58
:840SH
:upRrJ//M
#695 [愛華]
くだらないことで笑いあって
ささいなことがうれしくって
そんな毎日に溢れてる小さな幸せ
それが少しずつ重なり合って
いつのまにかあたしにとっての
大きな大きな幸せになっていた。
ただ、それがすべてだった。
:10/09/10 00:10
:840SH
:bCLeNTMk
#696 [愛華]
この時は思ってなかった。
予想なんかもしてなかった。
こんな幸せな日々は
神様の意地悪で簡単に
いとも簡単に
崩れ去っていくこと。
隆則。
あなたはわかっていたのかな?
:10/09/10 20:11
:840SH
:bCLeNTMk
#697 [愛華]
次の日、クラスでは。
「うちのクラスに来るって!」
「転校生でしょ!?
かっこいーらしいじゃん!!」
……そう言って昨日も
来なかったじゃん。
ま、別にいーけどさ…
………あー眠い。
「おっはよ、那佑!!」
「あ、梓おはよー…ふぁ〜」
:10/09/10 20:22
:840SH
:bCLeNTMk
#698 [愛華]
「なに、眠そうな顔して〜
てゆか噂すごくない?昨日より」
「あー…別に興味ないけどさ。
てゆかなんで今日?
昨日学校いたのに来なかったし」
なんだかんだ話してるうちに
朝のホームルームになった。
クラスのみんなの視線が
自然と教壇に集まっていく。
:10/09/10 20:29
:840SH
:bCLeNTMk
#699 [愛華]
「……………わぁ」
………ほんとに来た。
先生と一緒に昨日会った
転校生がはいってきた。
改めて見るとやっぱりイケメン。
「えーと…今日からうちの
クラスメイトになる
品野直純くんだ。自己紹介して」
「品野直純です。よろしく」
女子の目がハートになる。
漫画みたいなかんじ。
:10/09/10 20:35
:840SH
:bCLeNTMk
#700 [愛華]
自己紹介のとちゅうで
目があったので軽く会釈。すると
返事なのかウインクされた。
「今ウインクされたぁー」
などと一部の女子が騒ぐ。
………はーぁ……眠い。
あたしはうとうとし始めた。
:10/09/10 20:44
:840SH
:bCLeNTMk
#701 [愛華]
ホームルームが終わり、
品野くんの周りには女子が集まる
「……すげ。品野くんすげ」
梓が人事のように呟く。
てゆーか人事なんだけど。
「……てゆかさっきさ、
那佑にむけてウインクしてた?」
「んー……さぁ?わかんない」
あたしは、というと
眠くてそれどころではない。
:10/09/10 23:49
:840SH
:bCLeNTMk
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