その日が来る前に、
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#601 [愛華]
「へ……あ…」

「…なんですか?隣に来いって
誨さんが言ったんですよ?」

「あ、そーでしたね……はい…」



ザクザク…………



「………誨さん」

「んー?なに?」

⏰:10/09/02 23:39 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#602 [愛華]
あたしは自分が誨さんを呼んだ
ことに驚いた。
知らないうちに…呼んでた。


「……タカの中学時代
知ってます?」

「え……知らねぇけど」

「………ひどかったんですよ」

「ひどい……?」

⏰:10/09/02 23:42 📱:840SH 🆔:DaCdVZQA


#603 [愛華]
「毎晩血だらけで帰ってきて。
お父さんとお母さん亡くした
ショックからなのかな?
わかってたのに……
あたしはなんもできなかった。
なにひとつ」

「んなこと……」

誨さんも言葉が見つからない
みたいだった。

「毎晩ケンカに狂って。
髪も染めて。…どんどん離れて…
それが怖くてなにもできなくて。
そのままアメリカに留学」

⏰:10/09/03 01:45 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#604 [愛華]
「あたし逃げたんです、タカから
なにもできない自分がいやで
でも、帰ってきたらもしかしたら
前のタカに戻ってるかも…って」

何が言いたいんだろ、あたし。
でも……とまんない。
吐き出さなきゃ、潰れちゃうよ。


「………ダメでしたけどね」

⏰:10/09/03 01:48 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#605 [愛華]
「……梓ちゃん」

「……あたしは何もできなかった
のに……今は那佑のことを話す
だけでタカを止められる。
タカの心を動かせるのは
これからも那佑だけなんです」


そう。わかってた。
そして納得もしてた。
だから笑ってられた。
だから、よかったねって言えた。

でも………でもね。

⏰:10/09/03 01:52 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#606 [愛華]
「たまに思っちゃうんです。
自分のほうが……って。
そんな自分が………たまらなく
嫌になるんです……」

ずっとずっと溜めてた想い。
今さらなのに、こんなの。



「幸せだとか嘘ばっかついて…
自業自得でしょーそんなの。
自分で自分傷つけてんじゃん」

「うるさいですねっ!!
言っただけですよ!!
吐き出すために!全部!」

⏰:10/09/03 01:56 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#607 [愛華]
「俺には無理だねー
そんなボロボロの恋愛」

「……ボロボロで悪いですか」

「…………」


だまんないでよ!
なんか言えよばーか!!



「………悪くないんじゃん?」

「え…?」

⏰:10/09/03 01:59 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#608 [愛華]
「傷ついてばっかも悪くないよ。
うん。今そー思った」

「……なんですか、それ」

「さぁ?どーゆー意味でしょ?」


……意味わかんない。


でもさ、いいんだよね、まだ。
ボロボロでも、傷だらけでも
大切な人の幸せをひたすら願う
そんな形の恋愛があっても。

⏰:10/09/03 02:03 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#609 [愛華]
そのおまけとして、
………私も幸せになりたい。


「なんかお腹すいたなー」

「そだなーなんか食いに行くか。
おにーさんがおごっちゃるよ」

「いいですね〜……ってか
なんで誨さん、あたしの家の前に
いたんですか?」

「細かいことはいーの!!」


いつか、私も誰かと。

⏰:10/09/03 02:07 📱:840SH 🆔:0qduYiP6


#610 [理沙]
失礼します

<<1-100
<<101-200
<<201-300
<<301-400
<<401-500
<<501-600
<<601-700
<<701-800
<<801-900
<<901-1000

⏰:10/09/03 20:54 📱:N01B 🆔:kH1/GW5I


#611 [理沙]
アンカー失敗しました
ゴメンなさい

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:10/09/03 21:04 📱:N01B 🆔:kH1/GW5I


#612 [愛華]
理沙様
アンカーありがとうございます

⏰:10/09/04 00:54 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#613 [愛華]
>>609





俺は走った。ひたすらに。
那佑が待ってる。急がなきゃ。

頭の傷が痛む。
血の味がする。

でも今はどうでもいいんだ。

⏰:10/09/04 00:59 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#614 [愛華]
約束の時間から1時間半
たっていた。
もう那佑はいないかもしれない。
それでもいかなくちゃいけない。




那佑。俺は弱いんだ。
弱いから自分を抑えるすべを
知らなくて。
自分を守るために自分に支配され
そして人をまた傷つけてしまった

⏰:10/09/04 02:38 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#615 [愛華]
お前は許してくれるだろうか。
こんな弱い俺を。でもダメなんだ。

俺は……那佑がいなきゃ
ダメなんだ。




みちゆく人が俺を見る。

額に流れていた血は固まって
カサブタのようになっていた。

ぱっと見、なにかの映画の
撮影みたいに見えなくもない。

⏰:10/09/04 02:43 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#616 [愛華]
足がもつれても構わず走った。
明日は筋肉痛だ。
とか思いながらも走る。
汗が傷にしみて痛い。





「はぁはぁはぁ……」


待ち合わせ場所に着いて、
那佑を探す。




「…………那佑っっ!!」

⏰:10/09/04 13:40 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#617 [愛華]





那佑はいた。
寒そうに身を縮めていて
耳、頬は真っ赤になっていた。


那佑は俺の方を見た。
ボロボロの俺を見て
一瞬驚いた顔をしたけど
すぐに真顔に戻った。

⏰:10/09/04 13:55 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#618 [愛華]
那佑のもとに走る。



「…………ごめんっっ!!
その……ちょっと色々あって。
説明するから、とりあえず……」

「…………血。」

「………え?」

「血、出てる。」

那佑が俺の頭を指差す。

「あ、これは……だから説明する
から、どっか入ろう?」

⏰:10/09/04 14:46 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#619 [愛華]
「服にも………ついてる」

那佑に言われて、見てみると
上着に血が点々とついていた。

「あ……これは俺じゃないんだ」

「………そうなんだ」


沈黙が流れる。


「………ごめんな?
寒かったよな?……ごめん」

⏰:10/09/04 14:51 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#620 [愛華]
「……………」

那佑は黙ったまま俯いてる。
やっぱり怒ってるのか?
いや、当たり前だろ……
でも、どうすればいい?
謝るだけじゃダメなのか?


「隆則……?」

「あ、え……何?」

「ちょっとこっちむいて?」

「え?あ、うん……」

俺は那佑のほうに向き直った。
次の瞬間。


バシンッッ

⏰:10/09/04 14:58 📱:840SH 🆔:O1wN.WdE


#621 [愛華]
………え?

ビンタ?俺、ビンタされた。




「………ばか。ばか隆則」


頬が赤くなりジンジン痛む。
それよりももっともっと
心がジンジン痛くなった。

那佑が泣いていたから。

⏰:10/09/05 01:36 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#622 [愛華]
俺のせいで涙を流す那佑を
何回みてきただろう。

泣き顔なんて見たくないのに。
ほんとに人生うまくいかない。


「那佑………ごめん。ごめんな」

「ばかぁ……どんだけ心配したと
思ってんのー…?ばかばか!!」

ポカポカ俺の頭を殴る那佑。
その目から涙が次々あふれる。

⏰:10/09/05 01:40 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#623 [愛華]
「うん………ごめん」

「クリスマスになぁ!!
ケンカなんかすんなぁ!!」

「うん………ごめん」

「マリア様とイエス様も
いい迷惑だっつの!!」

「うん………ごめん」

「あ……あと長谷さんもか」

「うん………あとで謝るよ」

「…………ばか」

⏰:10/09/05 01:46 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#624 [愛華]
那佑はそう言うと、ぽすっと
俺の胸に頭をくっつけた。


いつのまにか、人はいなくなって
いて、俺と那佑だけになった。

さっきまであんなに人が
いたのに?

という疑問はもはやなかった。

今日はイヴ。
きっと不思議なことが起こるんだ

⏰:10/09/05 01:50 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#625 [愛華]
「隆則。約束覚えてる?」

頭をつけ下を向いたまま
那佑が言う。

「……覚えてるよ」


那佑と心が通じたあの日。
病院で那佑と交わした『約束』。


それは那佑がいなくなる時
ぜったいに泣かないこと。

⏰:10/09/05 02:19 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#626 [愛華]
『私がいなくなっちゃう時は…
絶対泣かないで。その時だけは…
絶対に。』


お前はそう言ったな。


俺はそれがいつになるのかなんて
わからないけれど。
それが
那佑が25になるまえに訪れる
なんて認めるつもりはない。

⏰:10/09/05 02:25 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#627 [愛華]
「約束ね、もう一個」

「……うん?」

「もう一個、ふやしてもいい?」

そう行って那佑は顔をあげた。
潤んでいる瞳は赤かった。


「………なに?」

⏰:10/09/05 12:10 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#628 [愛華]
那佑はもう一度、頭を俺の胸に
つけた。震えていた。


「……ケンカしたっていい。
血だらけになったって
足が折れたって、別にいい」


別にいいのかよ……




「…ボロボロになってもいい。
でも……ぜったいに帰ってきて。
最後は私のとこに帰ってきてね」

⏰:10/09/05 17:47 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#629 [愛華]
「…………」


「置いてかれるのはもう嫌。
置いてかないで。一人はやだ。
だから帰ってきてね」


泣きながら言う那佑。

俺の目の前で
『置いてかないで』
といった17歳の女の子は

とても幼く見えて。
とても愛しく見えた。

⏰:10/09/05 17:52 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#630 [愛華]
その言葉を聞いただけで

今までの彼女の孤独とか

悲しみとか痛みとか。

彼女の心についた無数の

傷をつけたものの正体が

すべてわかった気がして。


目の前の彼女が

ひどく小さく見えて。

⏰:10/09/05 17:59 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#631 [愛華]
心の傷は治せないから。

だから。

君の前で、今誓う。



「あたりまえじゃん。
那佑のとこに帰るから。
帰ってくるから」

「………うん。うん……」

一生懸命うなずく那佑。


俺の帰る場所は………ここ。

⏰:10/09/05 18:03 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#632 [愛華]
「………那佑。手、だして」

「……なんかくれるの?」

「まぁそんなとこ。目つぶって」


静かな時間。
やさしくて、あったかい。


「………なんかしてる?
指、冷たい感じするんだけど…」

「………目、あけていーよ」

⏰:10/09/05 18:14 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#633 [愛華]
「わ…………」

那佑の指には小さな小さな
指輪がはめられていた。
ハートのモチーフの
キラキラ輝く指輪。


「…………」

「なんか………言えよ」

わ、俺ぜってぇ顔赤い。
はずっっ……
頼むからなんか言ってくれ……

⏰:10/09/05 18:17 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#634 [愛華]
「すごい………かわいい。
すごいすごい………かわいい」

「あ、えと………よかった」

「隆則………ありがとう。
大好き。大好きだからね」

「あ、うん」

「嘘じゃないよ。嘘じゃない」

「なんで2回ずつ言うんだよ」

俺はふっと笑った。

⏰:10/09/05 18:25 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#635 [愛華]
「うー……」

「わっっなんで泣くの!」

「や、嬉しすぎて…とまんない」

「ばかじゃねーの……」

そういって那佑を抱きしめる。



「寒いから……帰ろっか」

「…帰んの?クリスマスだよ?」

⏰:10/09/05 18:30 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#636 [愛華]
「だって隆則、血だらけだし。
あたしもう満足だし」

「え〜いいのかよ……」

そう言って、手をつなぎ
那佑と歩きだす。



…………まぁいっか。

⏰:10/09/05 18:32 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#637 [愛華]
嬉しい時も涙って出るのか。
流したことないからわかんないな
でも、よろこんでくれるなら…
そんな涙もいいかもしれない。
素直にそう思った。



「……さっきさ、人めっちゃ
いたのに、急にいなくなったよね
なんでかなぁ?」

「ほら、イヴだからさ
不思議なことが起こるんだよ。

⏰:10/09/05 18:41 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#638 [愛華]
「そっかぁ。そーかもね」

はぁーっと息をはく那佑。
……寒そうだ。


「………なんでケンカしたの」

うっ…いきなりキター…

「や、あの……絡まれてさ」

「誰に」

「いや…わる〜い人にさ」

⏰:10/09/05 18:48 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#639 [愛華]
「…今の隆則は絡まれたぐらいで
ケンカなんかしないよ。なんで」

………全部おみとおしかよ。


「………あの時のヤローがさ。
逆恨みしてやりかえしにきた。
こーゆーやつは本気で痛い目に
あわせないとわかんないから
しょーがないからやっただけ」

「……ほんとは怖かったくせに」

⏰:10/09/05 18:55 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#640 [愛華]
那佑には……全部ばれてしまう。

「………うん。超こわかった」

「………ほらね」

「でも……俺がにげて
また那佑のとこに行くかもって
思ったら……そっちのほうが
何倍もこわかったから」

那佑は俺の手を少しだけ
強く握りなおした。

⏰:10/09/05 18:59 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#641 [愛華]
「……指輪くれたから許す」

「うん。ありがと」


てゆか俺、頭割られてて本当は
こんなことしてらんないけどな…
とか思うけど……
でも今日は。今だけは。


ちょっとだけこのままで……

⏰:10/09/05 22:51 📱:840SH 🆔:1433GB1M


#642 [愛華]
-那佑side-

⏰:10/09/06 15:45 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#643 [愛華]
心がひきちぎれそうな。

そんな長い時間だった。

もしかしたら来ないかもしれない

事故にでもあったのかもしれない

不安と恐怖。

心が闇に押し潰されそうで。

⏰:10/09/06 15:53 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#644 [愛華]
こんな気持ち、前にもあった。


お父さんとお母さんに
置いていかれた、あの春。

辛くて、苦しくて。
そこから抜けだせなくて。


隆則。はやくきて。
わたしはここにいるよ。
ひとりはやなんだよ。


待つことしかできなかったの。

⏰:10/09/06 15:57 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#645 [愛華]
嫌な不安がつのって……
それは当たってしまって。


やっと来た隆則は血だらけだった

すぐにケンカだってわかった。


ほっとしたのと同時に湧いた…
ひとつの不安。



隆則はあたしを一人にしない?

⏰:10/09/06 16:00 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#646 [愛華]
今日みたいに
突然に
あたしを置いていかない?


………もう置いてかれたくない。




あたしは隆則と『約束』をした。

あたしたちだけの、約束。
わがままかもしれないけど…
でも……約束だからね?

⏰:10/09/06 16:04 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#647 [愛華]
あたしは隆則のところに帰る。
ぜったいに帰ってくるから。


だから隆則も………


あたしのところに帰ってきてね。


約束だよ、隆則。

⏰:10/09/06 16:11 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#648 [愛華]
人はひとりじゃ生きていけない。

いつも孤独と隣り合わせなんだ。

だから、その不安から

抜け出すために、形を。

つながりを求める。

それは『結婚』とか『束縛』とか。

……『約束』とか。

⏰:10/09/06 20:52 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#649 [愛華]
形は人それぞれだけど

自分がひとりじゃないという

ひとつの証明の形なんだよ。



神様。

どうかあたしのつながりを

たったひとつのつながりを

………奪わないでください。

あたしが消えるその日まで

………強く、生きられるように。

⏰:10/09/06 21:00 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#650 [愛華]
-隆則side-

⏰:10/09/06 21:04 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#651 [愛華]
冷たい空気が身にしみる。
でもそんな寒さも気にならない。


「たっだいまぁー」

「おー隆則ーおはへひー」

ソファの上でフライドチキンを
食べながら、目も向けずに
誨が言った。

相変わらずムカつく……

⏰:10/09/06 21:08 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#652 [愛華]
「………てかお前はやくね?
まだ4時だぞ?
那佑ちゃんはどうし……」

誨が振り向き、俺の頭に巻かれた
包帯を見て固まった。

「……あ、えとな、いろいろ
あってな。三針縫いました、頭」

「………はぁぁぁ?
お前イヴにケンカしたのか?
ばかじゃねーの?
なんでよりによって今日!!」

⏰:10/09/06 21:17 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#653 [愛華]
どうして那佑もこいつも
俺のケガ=ケンカになるんだ?

いや、間違ってないけどさ。
間違ってねぇけど……
俺+ケガ=どーせまたケンカだろ
みたいな公式、勝手に
たてないでほしいよな………

「そいで?こんなはやくに?」

「あ、うん。病院行けって。
でもプレゼントは渡せた♪」

「渡せた♪ じゃねーよばか。
馬鹿なことして心配かけんなよ」

⏰:10/09/06 21:26 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#654 [愛華]
ほんとに容赦ない誨の言葉。
グサグサくるぜ……くそぅ。


「あ……そっか。
梓ちゃんが言ってたのって…」

「ん?なに?」

「あ、やー…もしかしてさ
ケンカ止めにきたのって
梓ちゃんだったりする…?」

「え、なんで知ってんの?
てゆか…梓に会ったの?」

「んーまぁ……」

⏰:10/09/06 21:31 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#655 [愛華]
「お前、まさか夜の予定って…」

「あ、や、なくなったから。
昼一緒にいってきちゃったから」

……ちょっとまて。
頭の中で状況を整理。
そうした結果……

「…てめぇ梓に手だしたんか!?」

「手ぇ出すとはなんだ!!
俺は純粋な気持ちで……」

⏰:10/09/06 21:40 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#656 [愛華]
「純粋!?よく言うぜてめぇ!
高校時代、街中で俺の写真
売った金で彼女とデートしてた
くせに!!悪の極みだろ!!」

「うるせー!!
てめぇの取り柄は顔だろーが!
それを親友が利用して
何がわりぃんだよ!!
ムカつくんだよお前、
カッコイイ顔しやがって!!」


いや、最後のは褒め言葉…

というのは頭に血がのぼった
二人は気づくはずもなく。

⏰:10/09/06 21:47 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#657 [愛華]
ぎゃーぎゃー騒いだ末……

「………腹へった」

「………へったな」

しょーがないので男ふたりで
クリスマスパーティーを
することに。情けな……

酒を買ってきて騒ぎまくる。

誨はかなり酒には弱い。
なのに今日はいつもの倍以上
飲んでいた。

あ、お酒は20歳からね。
良い子のみんなは
真似しないよーにね。

⏰:10/09/06 21:55 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#658 [愛華]
夜も更けてゆき
俺はほろ酔い、誨は泥酔。


「うぅ……気持ち悪いよぅ…
苦しいよぅ……しくしく」

「泣くな!しくしくとか言うな!
ってゆーか飲み過ぎだろ…」

「でけぇ声だすなよ…うー…」

……全く。困ったやつだな。
ほんとにしょーもない……

⏰:10/09/06 21:59 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#659 [愛華]
「………なぁ隆則ぃ」

「ん?なんだよ」

「…那佑ちゃんのことさぁ
大事にすれよーちゃんとさ」

「いきなり何いってんだよ?」

俺はぐぃっと酒を飲み込む。


「や、あーゆー女の子はさ。
流されやすいじゃん?
だから油断するとカーンタンに
持ってかれちまうわけよ」

……油断なんか、してないけど。

⏰:10/09/06 22:03 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#660 [愛華]
「だからちゃんとつかまえとけ」

つかまえとく…?どーやって?
でも誰かにやるつもりなんか
全くない。絶対やだ。

「……結婚、したい」

口からとっさに出た言葉。
言った瞬間、どうしようもない
恥ずかしさに襲われて
クッションに顔を埋めた。

「あ、そーゆーのはよくない。
それは逃げ、だろ?ただの」

⏰:10/09/06 22:14 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#661 [愛華]
「誰かにとられなくて済むから
結婚するってのは違うだろ?
もっと違う方法あるだろ」

「違う方法……て何?」

「そりゃぁ………フフ」

おい、なんだ今の笑い。
めちゃくちゃ嫌な予感。

「まずはだね、那佑ちゃんの
服のボタンをひとつひと…」

「あー俺コンビニいってくるわ」

逃げるが勝ち。

⏰:10/09/06 22:22 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#662 [愛華]
「隆則ぃー酒よろしくー
氷もなー酒にいれてなー」

「あーハイハイ」

ぐでぐでのくせに何いってんだ。
氷のかわりにドライアイス
いれてやる。



外はいいかんじに涼しくて
酒でほてった体を冷ました。

足元がふらふらする。
………俺もけっこう酔ったな。

⏰:10/09/06 22:26 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#663 [愛華]
コンビニは、深夜ということも
あって人は少なかった。

酒を買い終えて帰ろうとした時。

突然誨の言葉が浮かんだ。

「違う方法あるだろ?」


ガラガラガラ!!

やらかした……
酒を地面にぶちまけてしまった。

⏰:10/09/06 22:33 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#664 [愛華]
あんにゃろー……

誨に恨みごとを言いながら
酒をひとつひとつ拾う。

最後のひとつを拾おうと
しゃがんだ時。


「………はい、どーぞ」

目の前には男が立ってた。
176くらいある。高校生か?

「あー……ども」

酒を受け取り、袋に戻す。

⏰:10/09/06 22:38 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#665 [愛華]
「滑るので気をつけて下さい」

そういってにこっと男は笑った。

去っていく男の後ろ姿を
黙って見ていた。

………なんだ?この感じ……

頭の中ではまた誨の言葉が
ゆっくりとこだましていた。



「カーンタンに持ってちまうぞ」

⏰:10/09/06 22:43 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#666 [愛華]
ミスです

「持ってかれちまうぞ」

です

⏰:10/09/06 22:53 📱:840SH 🆔:MHBXlxoo


#667 [愛]
>>400ー1000

⏰:10/09/06 23:24 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#668 [愛]
>>400ー700

⏰:10/09/06 23:26 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#669 [愛]
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:10/09/06 23:28 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#670 [愛華]
>>669 愛様
アンカーありがとうございます

⏰:10/09/07 00:19 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#671 [愛華]
-那佑side-

⏰:10/09/07 16:29 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#672 [愛華]
新学期です。

寒さはまだまだ深いし

楽しい行事は全部終わった

1月の半ば。

なんとなく気分がダラダラ…

人はそれを正月ボケと呼んだ。


………あー……しんどい……

⏰:10/09/07 16:33 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#673 [愛華]
「じゃーお正月は家族で??」

「うん。久しぶりにね」

今はお昼休み。
梓と久しぶりの学校での昼食。


「…てゆかさ、なんで
両親いないなんて嘘、タカに
ついてたの?」

「え…………あー!!」


そうだ…隆則と出会いたての頃、
あたしは両親がいないって嘘
ついてたんだっけ。
両親との関係いいたくなくて…

⏰:10/09/07 16:45 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#674 [愛華]
「ていうか梓がなんで?え?」

「タカがけっこう前にさ
『那佑はなんでかしらないけど
両親いないとか嘘ついてる。
でも隠すってことはなにかしら
理由があるだろーから
知らないふりしとけよ』ってさ」


隆則は気づいてたんだ…
ずーっと前から。

「まぁ、今ならべつにいーか、
と思ってさ。ダメだった?」

⏰:10/09/07 21:30 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#675 [愛華]
「ううん。今はもういいんだ。
ありがとね、梓」

「べーつにぃ」

梓はめんどくさそうに伸びをして
大きなあくびをした。



「…梓はクリスマスどうしたの」

「んー特に…誨さんとご飯した」

⏰:10/09/07 21:44 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#676 [愛華]
「誨さんて………えと…
隆則の友達だっていう…」

「そう、それ」


えぇ!?
あたしも何度か会ったことは
あるけれど、なんていうか……
軽い。中身がない。淡泊。

そんな感じの人で、
初対面でニガテを感じた。


「……案外いい人だよ、あの人」

「へ、へぇ……」

⏰:10/09/07 21:56 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#677 [愛華]
まぁ梓が言うんなら……
実はそうなのかもしれないな。



「それよりさー、噂だけど
うちのクラスに転校生くる
らしいね。男の」

「転校生?男の?」

「うん。部活に来てた人が
見たらしい。けっこうイケメン」


ふーん…や、特に
興味もないけど。

⏰:10/09/07 22:03 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#678 [愛華]
「そーなんだーへー」



この日のあなたとの出会い。

それは私の運命を大きく変えて

周りを巻き込みながら大きくなり

あなたの運命も変えてしまった。

まるで嵐のように

あなたは私のもとへやってきた。

⏰:10/09/07 22:24 📱:840SH 🆔:Tqqz7u3s


#679 [愛華]
「……てゆか転校生ってフツー
朝にくるでしょ?今昼だけど」

あたしは不思議に思い、
ジュースをすすりながら梓に聞く

「あー…なんでだろーね?」

「嘘なんじゃないのかなぁ…」

そんなことを話しながら廊下を
歩いていると。


「………あ」

⏰:10/09/08 00:18 📱:840SH 🆔:lLLUK/aw


#680 [愛華]
突然、梓が声をあげた。

「なに?梓」

「………あれだよ、転校生」

前を見ると、向こうから
見たことのない制服をきた男子が
歩いてくるのが見えた。


……へー確かにかっこいいけど…


「…あ、同じクラスの子だよな?
よろしくなー」

⏰:10/09/08 00:21 📱:840SH 🆔:lLLUK/aw


#681 [愛華]
「…………はい!?」

まさか話しかけられるとは
思っていなかったし
何このフレンドリー感!!
まるで当たり前かのように
彼はあたしたちに挨拶をした。


「品野直純(しなのなおずみ)
ってゆーの。
あとでまた会うと思うけどさ」

「あ…はぁ。よろしくね」

梓とあたしもとりあえず挨拶。

⏰:10/09/08 00:27 📱:840SH 🆔:lLLUK/aw


#682 [愛華]
………なんだこの展開。


「あ、んじゃまたあとでねー」

そう言うと、転校生はどこかへ
行ってしまった。


………へんな人。すっごい。

それが第一印象だった。

なんていうか、うん。
今までにいないタイプだな。

⏰:10/09/08 00:30 📱:840SH 🆔:lLLUK/aw


#683 [愛華]
「なんつーか…フ、フレンドリー
な人だね……」

「うん……びっくりした…」


でも結局その日、彼がクラスに
やってくることはなかった。


………よくわからん。
別のクラスだったのかな?
うーん………謎だ。

⏰:10/09/08 03:24 📱:840SH 🆔:lLLUK/aw


#684 [愛華]
変だなぁとは思ったけども
そこまで興味もなかったし…
まぁ人間そんなものである。



「くぁっっ」

「………え、なにそのあくび」

「眠いんだよねーすっごい…
最近、夜更かししてるからかな」

「夜更かしぃ?なんでまた」

「ん?テレビ」

⏰:10/09/09 18:44 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#685 [愛華]
現在、隆則宅にてダラダラ中。
今、お父さんとお母さんは仕事で
いないので寂しかったり……


「お前な、体こわすぞ。だめ。
つーか病院いってんのか?」

「いってるよーちゃんと」

といっても、行ったって診察して
終わり。特になにも言われない。
運動は控えてね、くらい。

⏰:10/09/09 20:10 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#686 [愛華]
なにも変わらない毎日。
変わらなすぎて、自分が本当に
死んじゃうなんて
嘘なんじゃないかって思う。
嘘なんだって思いたいんだ。


「あんま無理すんなよ」

「わかってるよーだ。
薬だってちゃんと飲んでるもん」

隆則はゆっくり立ち上がって
あたしの隣にすわると
頭をナデナデしてくれた。

⏰:10/09/09 20:17 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#687 [愛華]
……おっきい手の平。
隆則の手は魔法の手。
すごく安心する……

隆則を間近で見上げると、
視線に気づいたのか目が合って
隆則はにっこり微笑んだ。

………ずるい。ずるいよ。


「…隆則ってさーなんでそんな
かっこいーの?」

「……はぁ?熱でもあんの?」

⏰:10/09/09 20:25 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#688 [愛華]
あれ、けっこう真面目に
言ったつもりだったんだけどな。

でも本当に隆則は、芸能人並に
かっこいい。
でも私が隆則を好きになったのは
そんなのが理由じゃないよ。

上手く言い表せない何かに
私は惹かれていったんだ。


「…隆則って何人くらいの人と
付き合ったの?」

⏰:10/09/09 20:35 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#689 [愛華]
「んーえーと…いない、よ?」

「うそ。今つまったじゃんけ」

「じゃんけ て何。どこの言葉」


……そっか。私ははじめてだった
ことも隆則ははじめてじゃない。
私以外の誰かと……

ん?それ、なんかやだな。

⏰:10/09/09 21:45 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#690 [愛華]
なんだこれ。胸がちくちくする…
針でつっつかれてるみたいな。


「………あっそ。別にいーけど」

あたしはぷぃっと後ろを向いた。
隆則が笑いをこらえてるのが
見てもいないのにわかった。

………ムカつくっっ!!

⏰:10/09/09 23:36 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#691 [愛華]
「那佑ーなにおこってんの」

「うるさい、ばか隆則」

隆則はくっくっと笑いながら
あたしの頭をわしゃわしゃした。

「……那佑が初めてだけど。
つきあうのも、本気なのも」

「………うそだ」

「ほんとほんと。女が苦手
だったからさ。あ、那佑は平気」

⏰:10/09/09 23:40 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#692 [愛華]
「………ほんと?」

あたしはちょっとだけ振り向いた

「ほんとほんと!!」

ニコニコしながら隆則がいう。

あたしはくるっと振り向いて
隆則によしかかった。

「……ネコみたいだな、那佑」

「え、どこらへんが?」

⏰:10/09/09 23:44 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#693 [愛華]
「んーやきもち妬くとことか
こーゆー人懐っこいとことか」

……そっか。あたしさっき…
やきもち妬いてたんだ。
妬いたことないからなぁ……


「じゃー隆則だけの
ネコになるにゃ☆」

「にゃ☆ じゃねーよ。
バカなのばれるからやめなさい」

「隆則が!隆則が言ったのに!」

⏰:10/09/09 23:51 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#694 [愛華]
「俺は、似てるなって言っただけ
ネコの声出せなんて言ってない」

「なんだよー!恥かいたじゃんー
あたしバカみたいじゃんー」

「ばかとはつきあえませーん」

「すいませんー!!
もう にゃ☆ とか言いませんー」

⏰:10/09/09 23:58 📱:840SH 🆔:upRrJ//M


#695 [愛華]
くだらないことで笑いあって

ささいなことがうれしくって

そんな毎日に溢れてる小さな幸せ

それが少しずつ重なり合って

いつのまにかあたしにとっての

大きな大きな幸せになっていた。

ただ、それがすべてだった。

⏰:10/09/10 00:10 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#696 [愛華]
この時は思ってなかった。

予想なんかもしてなかった。

こんな幸せな日々は

神様の意地悪で簡単に

いとも簡単に

崩れ去っていくこと。

隆則。

あなたはわかっていたのかな?

⏰:10/09/10 20:11 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#697 [愛華]
次の日、クラスでは。


「うちのクラスに来るって!」

「転校生でしょ!?
かっこいーらしいじゃん!!」

……そう言って昨日も
来なかったじゃん。
ま、別にいーけどさ…

………あー眠い。


「おっはよ、那佑!!」

「あ、梓おはよー…ふぁ〜」

⏰:10/09/10 20:22 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#698 [愛華]
「なに、眠そうな顔して〜
てゆか噂すごくない?昨日より」

「あー…別に興味ないけどさ。
てゆかなんで今日?
昨日学校いたのに来なかったし」

なんだかんだ話してるうちに
朝のホームルームになった。

クラスのみんなの視線が
自然と教壇に集まっていく。

⏰:10/09/10 20:29 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#699 [愛華]
「……………わぁ」

………ほんとに来た。

先生と一緒に昨日会った
転校生がはいってきた。
改めて見るとやっぱりイケメン。


「えーと…今日からうちの
クラスメイトになる
品野直純くんだ。自己紹介して」

「品野直純です。よろしく」

女子の目がハートになる。
漫画みたいなかんじ。

⏰:10/09/10 20:35 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#700 [愛華]
自己紹介のとちゅうで
目があったので軽く会釈。すると
返事なのかウインクされた。

「今ウインクされたぁー」

などと一部の女子が騒ぐ。

………はーぁ……眠い。


あたしはうとうとし始めた。

⏰:10/09/10 20:44 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


#701 [愛華]
ホームルームが終わり、
品野くんの周りには女子が集まる


「……すげ。品野くんすげ」

梓が人事のように呟く。
てゆーか人事なんだけど。

「……てゆかさっきさ、
那佑にむけてウインクしてた?」

「んー……さぁ?わかんない」

あたしは、というと
眠くてそれどころではない。

⏰:10/09/10 23:49 📱:840SH 🆔:bCLeNTMk


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