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#217 [can]
 
私が中2の頃
初恋を知った。

相手は3年生の
耕太くん。

耕ちゃんって呼んでいて
すごく整った顔立ちだけど
女遊びがひどかった。

⏰:07/02/13 23:03 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#218 [can]
 
中2の頃の私は
死にたいぐらい
親から見放されていたから
誰とでも寝てた。

学校中で有名になり
女友達からは嫌われ
男友達からは
体を求められていた。

⏰:07/02/13 23:05 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#219 [◆u/km8TbafI]
>>1-200
>>201-400
頑張れッッ

⏰:07/02/13 23:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#220 [can]
 
耕ちゃんとは
メル友程度だった。

恵まれた家庭じゃないから
援交して
初めて会った親父に
名義を借りて
保証人になってもらい
携帯を購入した。

⏰:07/02/13 23:07 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#221 [can]
 
>>219どうも

⏰:07/02/13 23:07 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#222 [can]
 
使用料金も
控えないといけないから
自分からメールを送ったり
電話をかけたりなどは
しなかった。

耕ちゃんは
週5ぐらいの割合で
私に電話やメールをくれた。

メールを返すと金がいるから
返信をしない時は
電話をかけてくれた。

⏰:07/02/13 23:09 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#223 [can]
 
そんな優しい耕ちゃんに
惹かれていった。

ある時、
耕ちゃんが友達と
話しているのを
盗み聞きしていた。

耕ちゃん『俺はやっぱ
巨乳がいいな〜』

友達『胸だけかよ』

耕ちゃん『女は胸だよ』

⏰:07/02/13 23:11 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#224 [can]
 
そう言って
耕ちゃんと友達は
笑い合っていた。

ショックだった。

私は胸が小さい。

耕ちゃんを
振り向かせたくて
私はバストアップ体操や
サプリメントを買ったりと
たくさん努力した。

⏰:07/02/13 23:12 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#225 [can]
 
だけど
なかなか大きくならなくて
落ち込む日が続いた。

そんなある日
追い討ちをかける事が
起こった。

私は屋上で
授業をサボっていた時。

男と女も
サボっていたらしく
壁の向こうから
笑い声が聞こえた。

⏰:07/02/13 23:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#226 [匿名]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300

⏰:07/02/13 23:24 📱:W42K 🆔:☆☆☆


#227 [can]
 
>>226
どうもで〜す
 

⏰:07/02/13 23:27 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#228 [can]
 
女『アハハ…面白〜い』

嫌でも聞こえてくる
女の笑い声。

恋に苦しんでいた私には
ウザイとしか
感じなかった。

⏰:07/02/13 23:29 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#229 [can]
 
ボンヤリと
ひなたぼっこしながら
教室にあった漫画を
適当に持って来て
眠りそうになりつつも
読み始めた。

クリクリした目。

細い体。

大きな胸。

少女漫画は
非現実的だから嫌い。

⏰:07/02/13 23:31 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#230 [can]
 
恋愛物のストーリーらしく
主人公は私のように
サッカー部の爽やかな先輩に
恋をしていた。

読むのが面倒になり
最後のページを開くと
主人公と先輩は
キスしていた。

⏰:07/02/13 23:33 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#231 [can]
 
ハッピーエンドか…

いいね…

漫画の主人公は
幸せになれて…

そう心の中で呟いた。

もう一つの漫画を
手に取った。

こっちはエロ漫画だった。

主人公はセフレとして
ある男に恋してた。

⏰:07/02/13 23:35 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#232 [can]
 
最終的には
セフレから恋人になる
って言う物語だった。

またハッピーエンド…

セフレが恋人に?

ありえない…

実際にセフレと言う物を
目の当たりにしていた私は
漫画に入り込めずに
心の中で文句ばかり
思い浮かぶばかりだった。

⏰:07/02/13 23:36 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#233 [can]
 
莉奈『ハァ〜』

自然と溜め息が出た。

本腰で眠くなったので
私は瞼を閉じた。

温かい太陽が
眠りを誘う。

壁越しのカップルも
昼寝をしてるのかな?

急に静かになった。

⏰:07/02/13 23:38 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#234 [∀]
主さんがんばってますね
一日でめっちゃ更新があって感激しました
応援してます

⏰:07/02/14 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#235 [can]
 
>>234頑張ってます
これからも応援
お願いしま〜す
 

⏰:07/02/14 09:35 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#236 [can]
 
朝から急用が

今から更新
 

⏰:07/02/14 19:38 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#237 [can]
 
だけど
静かな屋上も
つかの間だった。

女『ンッ…やだ…』

女の甲高い声が耳に入り
私は目を開けた。

まさか…?

耳を澄ませて聞いていると
予想は的中…

男と女は
SEXしようとしていた。

⏰:07/02/14 19:41 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#238 [can]
 
女『ヤダ…痛い…』

男『嫌なの?
辞めよっか?』

男は相当Sだな。

話し方一つでわかる。

女『…意地悪』

男『素直に言えば?
ヤリたいですって』

女『ヤリ…たい…です』

女は恥じらいながら
答えた。

⏰:07/02/14 19:45 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#239 [can]
 
男『ん』

男はたった一言
満足気に相槌を打ち
また女を触り出した。

女の喘ぎ声が
嫌でも聞こえてきた。

男『淫乱だね』

男『濡れすぎ』

男『ここ気持ちいの?』

⏰:07/02/14 19:46 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#240 [can]
 
男は女に言葉攻めする。

聞いていると
呆れてくるから、
私は漫画をもう一度
手に取り
読もうと思った。

今、私が出ていくと
気まずくなるから
いないフリをしようと
そう決めた。

⏰:07/02/14 19:48 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#241 [can]
 
女『アッ…こう…気持ちい』

…こう?

その言葉に私は
すぐに反応した。

もしかして耕ちゃん?

そう言えば
耕ちゃんの声に
似てるかも…

好きな人の声にも
気付かないくらい
私は
ボーッとしていたのだろう。

⏰:07/02/14 19:50 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#242 [can]
 
本当は見たくないけど、
私はゆっくりと
壁から顔を出した。

…嘘。

そこにいたのは
初めての恋の相手。

やっぱり耕ちゃんだった。

私は抜け殻のように
耕ちゃんを見つめた。

ただ気持ちよさそうに
腰を振る耕ちゃんを…

⏰:07/02/14 19:52 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#243 [can]
 
見たくないけど
女の人に目が勝手に行く。

大きな胸だった。

きっと耕ちゃんとタメ。

中3のくせに
あの胸はズルいよ。

私は
自分が恥ずかしかった。

胸が小さい上、
根が生えたように
その場所から動けない。

⏰:07/02/14 19:55 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#244 [can]
 
私は弱虫なのかな?

ギュッと目をつぶり、
顔を反らした。

女『アッ…耕ッ』

男『ヤベ…締まる…ウッ』

聞きたくない。

好きな人が知らない女と
ヤッてる所なんて
見たくない。

私は目を閉じて
耳を塞いで俯いた。

⏰:07/02/14 19:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#245 [can]
 
自然と涙が溢れる。

鼻水だって垂れそう。

だけど
物音立てると
気付かれるって気持ちが
私をもっと弱くする。

今、私がいる事が
耕ちゃんにバレたら
きっと嫌われる。

そんな気持ちで
いっぱいいっぱいだった。

⏰:07/02/14 20:00 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#246 [can]
 
―――

あの日以来
私は耕ちゃんと
上手く接する事が
出来なかった。

メールや電話は全て無視。

学校で話しかけられても
よそよそしい態度。

そんな自分が
大嫌いだった。

⏰:07/02/14 20:05 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#247 [can]
 
そんな私だけど
耕ちゃんは私を
見放したりしなかった。

一日一回必ず、
学校で話しかけてくれた。

食堂で出会うと
『莉奈〜!
カレーパンおごって』
…とか。

休み時間出会うと
『大富豪やんない?』
…とか。

⏰:07/02/14 20:09 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#248 [can]
 
くだらない事だし
私を妹ぐらいにしか
見てないんだろうけど
そうやって
優しくしてくれる
耕ちゃんを
嫌いになるどころか
益々好きになっていった。

⏰:07/02/14 20:10 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#249 [can]
 
―――

あれはとても寒い、
ある三学期の事。

もうすぐ3年は
卒業だから
学校も卒業ムードで
いっぱいだった。

耕ちゃんが卒業する事が
すごく寂しかった。

だけど素直になれず
あの日からの態度は
変わらないまま。

⏰:07/02/14 20:13 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#250 [can]
 
そんな私に
耕ちゃんは限界
だったのかも。

二時間目が終わり
休み時間になった途端
耕ちゃんが私の教室に
入って来た。

耕ちゃん『莉奈!
三時間目サボるぞ。
ちょっと来い』

そう言って私の腕を
引っ張った。

⏰:07/02/14 20:18 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#251 [can]
 
莉奈『え!?
耕ちゃんどうしたの?』

耕ちゃんは
私の話も聞かないで
腕を引っ張りながら
誘導するだけ。

ガチャッ―――

ついた先は屋上だった。

嫌な思い出の場所に
耕ちゃんに
連れて来られるなんて
想像もしなかった。

⏰:07/02/14 20:21 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#252 [can]
 
莉奈『寒い…』

風が強くて冷たくて…
耕ちゃんの顔も
いつもと違って
何だか少し恐かった。

耕ちゃん『座ろう』

耕ちゃんが指差した所…

こないだ女と
ヤッてた所だった。

⏰:07/02/14 20:49 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#253 [can]
 
莉奈『うん』

嫌だなんて
言える訳ないから
私は嫌々そこに座った。

耕ちゃん『莉奈』

莉奈『ん?どしたの?』

耕ちゃん『卒業やだよ』

急に耕ちゃんは
甘えて来た。

いつもと違う耕ちゃんに
戸惑いを隠せなかった。

⏰:07/02/14 20:58 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#254 [can]
 
莉奈『仕方ないよ』

耕ちゃん『寂しいな』

莉奈『高校行くの?』

耕ちゃん『うん』

莉奈『頑張ってね』

耕ちゃん『うん』

耕ちゃんは
本当に寂しそうだった。

切ない笑顔が
私の胸を締め付けた。

⏰:07/02/14 20:59 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#255 [can]
 
しばらく沈黙した。

その沈黙を破ったのは
耕ちゃんのマジな声の
言葉だった。

耕ちゃん『莉奈さぁ
何で俺の事避けんの?』

心臓がドキッとした。

何も言い返せない。

耕ちゃん『俺の事
嫌いになった?』

⏰:07/02/14 21:08 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#256 [can]
 
莉奈『違う…
嫌いなんかじゃないよ』

耕ちゃん『何か悪い事
したんなら
俺、謝るからさぁ…』

莉奈『何もないよ…
気にしないで』

気を使って言った
言葉なのに
耕ちゃんの機嫌を
悪くさせてしまった。

⏰:07/02/14 21:11 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#257 [can]
 
耕ちゃん『気になるから
こうやって呼び出して
話ししてんじゃん』

莉奈『…』

耕ちゃん『お前さぁ
俺の気持ちわかんない?』

莉奈『…え?』

耕ちゃん『鈍感!
俺ずっと莉奈の事
好きなんだよ』

⏰:07/02/14 21:12 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#258 [can]
 
突然の告白。

訳がわからない。

両想いのはずなのに
あまり嬉しくないのは
何でだろう?

莉奈『…本当に?』

耕ちゃん『うん。
気付かなかった?』

莉奈『うん』

耕ちゃん『結構マメに
メールとか電話したのに』

⏰:07/02/14 21:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#259 [can]
 
耕ちゃんは苦笑いした。

莉奈『ごめん』

耕ちゃん『アハハッ!
謝んなよ。俺の力不足』

耕ちゃんの笑顔は
目が笑っていなかった。

全く気付かなくて
…ごめんね。

⏰:07/02/14 21:17 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#260 [can]
 
耕ちゃん『莉奈は
俺の事好き?』

莉奈『…わかんない』

本当は好きなのに
なぜか素直になれない。

耕ちゃん『そっか』

また沈黙。

弱い自分が嫌い。

勇気を振り絞って
ゆっくり口を開いてみた。

⏰:07/02/14 21:20 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#261 [can]
 
莉奈『私…胸小さいよ?』

耕ちゃん『…え?』

耕ちゃんは
困りながら笑う。

莉奈『耕ちゃんは
胸が大きい女でないと
嫌なんでしょ?』

今思うと可愛い悩み。

純粋な恋も
悪くないなって思う。

⏰:07/02/14 21:24 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#262 [can]
 
何だか無償に泣けてきて
私は頬を濡らした。

耕ちゃん『莉奈?
泣いてんの?』

莉奈『泣いてない』

耕ちゃん『強がんな』

私の涙を耕ちゃんは
自分の制服の袖で
拭ってくれた。

⏰:07/02/14 21:28 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#263 [can]
 
莉奈『前に聞いたもん…
耕ちゃんと友達が
女は胸だって…
それ聞いて私…』

淡い恋をしていた私は
泣きながら耕ちゃんに
訴えた。

耕ちゃんは黙って
私の涙を拭いてくれた。

⏰:07/02/14 21:31 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#264 [can]
 
耕ちゃん『莉奈?
それはただの憧れじゃん。
女は胸なんか関係ないよ』

そう言った耕ちゃんの
無神経さに少し
腹が立った。

莉奈『…嘘つき』

耕ちゃん『え?』

莉奈『こないだ
ここでヤッてたじゃん』

⏰:07/02/14 21:37 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#265 [can]
 
我慢しきれず
ついつい言ってしまった。

耕ちゃん『何で
知ってんの?』

莉奈『そこにいたの』

私は壁の裏側を
指差した。

耕ちゃん『マジで?』

莉奈『胸の大きい人と
エッチしてたの見たよ!』

⏰:07/02/14 21:41 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#266 [can]
 
耕ちゃんは
バツの悪そうな顔で
自分の頭を
クシャクシャっとかいた。

耕ちゃん『そっか…
出てきてくれれば
良かったのに』

莉奈『無理だよ。
耕ちゃんに嫌われるって
思ったから』

⏰:07/02/14 21:50 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#267 [can]
 
耕ちゃん『…それって
どういう意味なの?』

ついつい口走った言葉は
好きを告げる言葉だとは
耕ちゃんに言われるまで
気付かなかった。

もう素直になろう…

莉奈『そのままの意味!
私も耕ちゃんが
好きなの!』

⏰:07/02/14 21:55 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#268 [can]
 
耕ちゃん『だったら
さっき何で
わからないって
言ったの?』

莉奈『そんな…
他の女とエッチしてて
好きって言われても
素直になれないよ』

耕ちゃん『…ごめん』

⏰:07/02/14 21:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#269 [can]
 
また口走ってしまった。

誰にでも股を広げる私に
そんな事言う権利ない。

莉奈『ごめん。
私だって軽い女なのに
生意気言って…
口走っちゃった』

耕ちゃん『別にいいよ』

⏰:07/02/14 22:00 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#270 [can]
 
自分の感情に
訳がわからなくなって
私は俯いて
大泣きしてしまった。

耕ちゃん『莉奈…
もう泣くなよぉ』

耕ちゃんは
私を抱きしめて
頭を撫でてくれた。

⏰:07/02/14 22:06 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#271 [can]
 
莉奈『何かもう…
訳わかんなくなって…
気持ちの整理できない…
ごめんなさい…』

耕ちゃん『ちょっと
落ち着きなよ…なぁ?』

耕ちゃんの腕の中で
しばらく泣きわめいた。

⏰:07/02/14 22:17 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


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