クソガキジジイと少年」
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#857 [ザセツポンジュ]
《ボケタレ!ワシの目玉焼きの方がよっぽど目玉らしいわ!》
《すーさんの目玉焼きは目玉じゃないわい!下手クソ!》
《も〜。。。じーちゃんもきーさんも無駄使いしないでよ、たまご!目玉焼き選手権なんてやめようよ、クリスマスに!》
《キャハハハ。》
何やら隣のオウチはにぎやかなご様子。
『隣の家うるさいね〜、エノモトさん。』
ガラガラガラ。
『空気が悪いわ!、、、あ!トミオ!どこへ行く!』
ぷ〜んと漂う卵の匂い。
『あの人知ってる?エノモトさん。』
『、、、。トミーのおじいちゃんでしょ。無視していいの?』
エノモトさんは、繋いだ手を気にしながら歩いた。
無視していいわけがあるまい。
:08/06/18 14:23 :PC :Qvr/oogU
#858 [ザセツポンジュ]
ガチャ。
鈴木家の玄関から顔を出した老人二人のお出ましだ。
『おい!あっ!お前ら!セックスしていいと思ってんのか!』
すーさんは、繋いだ手を見るなり、近所迷惑スイッチをONにした。
『すーさんやめてよ。俺の可愛い可愛い彼女が困惑するだろ。セックスはしなかったよ。とても残念だよ。』
きーさんは、これ以上喋らせまいと、すーさんの口を塞いだ。
:08/06/18 14:24 :PC :Qvr/oogU
#859 [ザセツポンジュ]
『トミオ!どこ方面に送るんじゃ!?』
『あっち。北公民館の方面。』
『そうか!その近くに喫茶店があっただろう!そこにケーキも売ってるから、ケーキを買って来い!モンブランと〜、、、あと適当に!必ずだぞ!ほれ、エノモトさんにもあったかいカフェオレ買ってあげなさい。』
トミーにも1万円を渡したきーさん。
かっこつけたいがために気前の良くなるクリスマス。
『ラッキ〜。』
『じゃあな、我が孫トミオよ。』
ガチャン。
すーさんを窒息死させる寸前で
老人達は家へ引っ込んだ。
『なんであたしの事知ってるの?』
『、、、あれ?ホントだ。なんでだろう?』
:08/06/18 14:25 :PC :Qvr/oogU
#860 [ザセツポンジュ]
きーさんは、すーさんをリビングに放り投げ、
玄関の電話の前に立った。
きーさん。携帯電話を購入したのにも
関わらず、家に置き忘れ、人んちの家の電話を使用する。
老人とはそんなものだ。
『090の、、、え〜と、、、』
リビングからホフク前進でしかえしを試みているすーさん。
『おい、木田シゲル。モンブランモンブランって、糖尿病になって死んでしまえ。。。おや?どこに電話しとるんじゃ?』
『トミオの本命の彼女。』
『あぁそう。』
すーさんはそう言って素直に退散し、コタツに戻った。
『、、、もしもし?ワシじゃ。今すーさんちからかけておる。今どこにおるんじゃ?』
:08/06/18 14:26 :PC :Qvr/oogU
#861 [ザセツポンジュ]
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エノモトさんちは少し遠かった。
二人はたわいもない話をしながら
ゆっくり歩いた。
『トミーはいつも音楽何聴いてるの?』
『え〜っとね〜、怪獣のバラード。』
『、、、。それって合唱曲でしょ。CD出てるの?』
『うん、出てる出てる。エノモトさんは?』
『あたし、ジュディマリ。』
『俺もジュディマリ好き〜。ジョウの兄ちゃんにCD借りた事あるんだ。小さな頃からとかね、KISSの温度とかいいよね。』
『ホント!?あたしは、おねーちゃんから教えてもらったの。あ、怪獣のバラードあたしも好きだよ。』
:08/06/18 14:39 :PC :Qvr/oogU
#862 [ザセツポンジュ]
CDはおそらく持っていないだろうが、
木田トミオと言う生意気な少年。
怪獣のバラードと言う歌を
こよなく愛していた。
『でもさ〜怪獣のバラードを歌ったクラスが絶対優勝するじゃん。あれどうにかして欲しいよね〜、、、。あ、自販機。エノモトさん、おいで。』
あったかいカフェオレを飲みながら二人は進んで行った。
吐く息はとても白かった。
『もうすぐウチなの。あの、そこの犬がいるオウチの、、、。隣、、、、。』
エノモトさんの足が止まった。
トミーはエノモトさんの顔を覗き込んで
視線を辿った先、街灯の下に女の人が立っているのが見える。
『おねーちゃん!』
そう叫んでエノモトさんは、走って行く。
振り返ったエノモトさんに、トミーは笑って手を振った。
(会いたい人に会えてよかったね、エノモトさん。)
:08/06/18 14:40 :PC :Qvr/oogU
#863 [ザセツポンジュ]
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ジョウは時計を見てハっとした。
ジジイ二人のドンチャン騒ぎに
付き合っている場合ではないのだ。
こともあろうかエノシタさんは
楽しそうにケタケタ笑っていた。
ジョウはこのままでは
エノシタさんが危ないと思い、
肩を叩いて現実世界へ引き戻した。
『エノシタさん!もう8時が来るよ!』
エノシタさんはやっとこさ
我に返り、帰り支度をした。
『エノシタさん、また目玉焼き選手権しようね〜』
酔っ払ったすーさんはとてもご機嫌。
『また遊びにおいで、エノシタさん。』
きーさんは、ここを自分ちだとでも思っているのだろうか。
ジョウとエノシタさんは、クリスマスと言う冬の道を歩き出した。
:08/06/18 16:48 :PC :1u1mw9wo
#864 [ザセツポンジュ]
:08/06/18 18:21 :PC :1u1mw9wo
#865 [ザセツポンジュ]
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街灯の下で手を振る女の子。
街灯まで走る女の子。
二人は姉妹。
『おねーちゃん。。。』
『お誕生日おめでとう。はい、これプレゼント。私からがこっちで、この料理はバイト先の人から。』
二つのプレゼントを
妹に渡した姉は、
時計を見た。
『ありがとう。。。おねーちゃん。どこでバイトしてるの?』
『ん?料理のおいしいところでバイトしてるのよ。』
姉は、再び時計を見た。
予定は何もないのに。
:08/06/30 01:11 :PC :3PmgDCPQ
#866 [ザセツポンジュ]
『おねーちゃん、おうち入らないの?』
すぐさま帰ろうとしている姉の様子に気付き、
なんとか引きとめようとしている妹。
『今日はもう帰るよ。おめでとうって、言いに来ただけだったから。』
『一緒にケーキ食べようよ。。。帰って来てよおねーちゃん。』
姉は、困ったように笑い、首を横に振る。
ガチャ。
『遅いわねぇあの子。誕生日だって言うのに。』
エプロン姿のまんま、薄着で外に出て来た母親。
隣の家の犬が吠え出した。
『お母さん!おねーちゃん、おねーちゃんとケーキ食べたいんだけど!』
:08/06/30 01:11 :PC :3PmgDCPQ
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