*THE GOD OF DEATH*
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#451 [ま-イ子]
:08/01/09 21:30 :SH903i :JMqgoNq2
#452 [ま-イ子]
:08/01/09 21:31 :SH903i :JMqgoNq2
#453 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
よし、更新
しようかな(・ω・)‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/09 23:15 :SH903i :JMqgoNq2
#454 [ま-イ子]
-・-第5章 捜査-・-
:08/01/09 23:45 :SH903i :JMqgoNq2
#455 [ま-イ子]
「………ふぅー…」
溜め息混じりに
息を吐き出すと
白い煙が空中を舞った
短くなった煙草を
灰皿に押し付け
逆の手に持っていた
資料に目を通す
「………妙な事件だ…」
.
:08/01/09 23:52 :SH903i :JMqgoNq2
#456 [ま-イ子]
―――ガチャッ
「あ、警部。
此処にいらしたんですか」
声のした方に
視線を向けると
スーツに身を包んだ
後輩が扉から
顔を出していた
「………何か用か」
.
:08/01/09 23:57 :SH903i :JMqgoNq2
#457 [ま-イ子]
直ぐに視線を戻し
吐き捨てる様に言うと
「そんな言い方しなくても
良いじゃないっスか」
男は苦笑いしながら
扉を閉め、俺の元へと
近付いて来た
「馬鹿野郎。
俺はお前の暇潰しに
構ってやる程
優しくもないし
暇でもねーんだよ」
.
:08/01/10 00:05 :SH903i :zb3FNp4s
#458 [ま-イ子]
「暇潰しって…………
…あ、これって
"例の事件"ですか?」
言いかけた言葉を止め
俺の後ろから
資料を覗き見る
「………………ああ。
どうも、謎だらけでな」
短く刈った頭を
ガシガシ、と掻きながら
資料を見る目を細めた
.
:08/01/10 00:16 :SH903i :zb3FNp4s
#459 [ま-イ子]
「…まあ…そうでなければ
犯人なんて
直ぐ捕まってますよ」
「そりゃそーだ。」
後輩の言葉に
納得させられた
(なんか悔しいな)
ギシ、という音を立てて
椅子から立ち上がり
扉へと向かう
「あれ、何処行くんすか?」
.
:08/01/10 00:20 :SH903i :zb3FNp4s
#460 [ま-イ子]
「現場検証だよ。
………お前も行くか?」
のけ反る形で
後ろの奴に聞くと
「いいんスか?」なんて
顔を輝かせている
(半分冗談だったんだが)
「……着いて来い。」
上着を翻し
部屋を後にした
.
:08/01/10 00:27 :SH903i :zb3FNp4s
#461 [ま-イ子]
俺の名前は
柳田 信司(ヤナギダ シンジ)
職業は、刑事
34歳 既婚者
(ちなみに、もうすぐ
三歳になる娘がいる)
と、自己紹介は
この辺にしておこう
.
:08/01/10 00:39 :SH903i :zb3FNp4s
#462 [ま-イ子]
「…そういえば、警部」
ああ、こいつは
俺の後輩の峯(ミネ)だ
(覚えやすいだろう)
ハンドルを握り
シートベルトを
締めている
「現場検証って……
何処行くんですか?」
.
:08/01/10 00:45 :SH903i :zb3FNp4s
#463 [ま-イ子]
「……そうだな。
一番最近起きた所が
いいだろう」
パラ、と資料をめくり
丸印が多々付いている
地図を見る
「北川ですね?
わかりました。」
エンジンが掛かり
車は走り出す
.
:08/01/10 00:52 :SH903i :zb3FNp4s
#464 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐※
この物語はフィクションなので
人物・場所などは
私の勝手な創りものです
※‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/10 00:55 :SH903i :zb3FNp4s
#465 [ま-イ子]
「…それにしても、本当に謎だらけな
事件ですね。」
数分の沈黙の後
峯が口を開いた
「…………ああ。
"連続誘拐事件"
今までにも何度か
起こった事件だか…
今回のは異例だ。」
.
:08/01/10 01:03 :SH903i :zb3FNp4s
#466 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>465
×起こった事件だか
〇起こった事件だが
すいません‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/10 01:07 :SH903i :zb3FNp4s
#467 [ま-イ子]
"連続誘拐事件"
連続と言っているものの
その被害の多さは
今までの比ではない
ここ半年近くで
約90人の被害が
出ているのだ
これは尋常では、ない
.
:08/01/10 01:13 :SH903i :zb3FNp4s
#468 [ま-イ子]
それに――――…「数だけでなく
今までと決定的に
違う点は
"誘拐する手口"だ。」
書類に留められていた
数枚の写真を眺める
.
:08/01/10 01:18 :SH903i :zb3FNp4s
#469 [ま-イ子]
この数カ月、俺達が
動かないわけがない
誘拐が行われる度に
辺りを捜索し
聞き込みをした
しかし、毎度毎度
見つかるのは――――
.
:08/01/10 01:24 :SH903i :zb3FNp4s
#470 [ま-イ子]
「被害者の、血痕だけだ。」
一枚の写真を
運転している峯に見せる
そこに写っているのは
大量の血に染まっている
コンクリート
横目でちらっと見た峯は
僅かに眉を寄せた
.
:08/01/10 01:29 :SH903i :zb3FNp4s
#471 [ま-イ子]
「その量では…もう…」
語尾を濁らせる峯の
言いたい事は、分かる
「手遅れだろうな」
ポケットから出した
煙草に火をつけながら
続きを代弁する
峯の顔が
明らかに曇った
.
:08/01/10 01:38 :SH903i :zb3FNp4s
#472 [ま-イ子]
「…気にしてるのは
そこじゃねえ」
窓を開けて煙を吐き出す
少し肌寒い空気が
車内に入り込む
「分かっていますよ
………死体、ですね。」
「そうだ。
被害者はおろか、
死体さえ
見つかっていない。」
.
:08/01/10 01:43 :SH903i :zb3FNp4s
#473 [ま-イ子]
行方不明者が出ると
必ず新しい血痕が
見つかる
「この量だ。
死んでいておかしくない」
だが、死体は
何処にもないのだ
血痕が見付かった
場所から
死体を隠せる場所は
警察が殆ど探した
.
:08/01/10 01:48 :SH903i :zb3FNp4s
#474 [ま-イ子]
約90人もの死体なんて
隠し通せる訳がない
しかし、
見つからないのだ
こんなことは
絶対に有り得ないのに
「…故に、この事件には
別名があってな……」
.
:08/01/10 01:54 :SH903i :zb3FNp4s
#475 [ま-イ子]
この事件の、
もう一つの名は――ーー
" 神 隠 し "
.
:08/01/10 01:59 :SH903i :zb3FNp4s
#476 [ま-イ子]
:08/01/10 02:02 :SH903i :zb3FNp4s
#477 [ま-イ子]
:08/01/10 02:07 :SH903i :zb3FNp4s
#478 [☆anon☆]
:08/01/10 02:10 :SH903i :r.Ok5hC2
#479 [ま-イ子]
:08/01/10 11:46 :SH903i :zb3FNp4s
#480 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
更新しようかなっ(*¨)b
‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/01/10 12:09 :SH903i :zb3FNp4s
#481 [ま-イ子]
――――――‥
「着きました、警部。」
峯の言葉とほぼ同時に
車が止まり
俺はくわえていた煙草を
使われていないであろう
車内の灰皿に入れた
ドアを開け外に出ると
ひんやり、とした空気が
身体を包み込む
(もう、11月だな…)
.
:08/01/10 12:18 :SH903i :zb3FNp4s
#482 [ま-イ子]
車から降りると
そこは住宅街
しかし人通りは少なく
遠くから聞こえてくる
車の音だけが耳に入る
足を進めると
コツ‥コツ‥とした音が
周りに響き渡った
「…あそこだな…」
.
:08/01/10 12:23 :SH903i :zb3FNp4s
#483 [ま-イ子]
そう呟く俺の
目線の先は
黄色いテープで仕切られ
その中は、そこだけ
違う空間のように
真っ赤だった
一応手に持っている
資料と確認してみたが
間違いないようだ
.
:08/01/10 12:27 :SH903i :zb3FNp4s
#484 [ま-イ子]
ゆっくり近付くと
その光景に
吐き気を感じた
地面にはそれこそ
大量の血が付いているが
住宅を仕切る塀にまでも
飛び散った血痕が
生々しく残っている
「……酷いっスね…」
峯がその場所を
見つめながら呟いた
.
:08/01/10 12:34 :SH903i :zb3FNp4s
#485 [ま-イ子]
「…一昨日起こったものだ
もう血は乾いているな。」
黄色いテープを跨ぎ
現場へと入る
塀に付いてる血痕に触れ
指先を見てみたが
いつもの肌色だ
「被害者とされているのは
この近辺に住む男性だ。
一昨日から行方不明で
今だ発見されていない」
淡々と言う俺の説明を
峯は静かに聞いている
.
:08/01/10 12:41 :SH903i :zb3FNp4s
#486 [ま-イ子]
「捜索中だが…………
まあ、見つかる可能性は
低いだろうな。」
今までと同じ手口なのだ
見付けるのは困難だろう
――――ザリッ
地面の血痕にも
触れてみるが
塀に付いたものと
変わらなかった
.
:08/01/10 12:49 :SH903i :zb3FNp4s
#487 [ま-イ子]
「………………。」
しゃがみ込み、いきなり
無言になった俺の顔を
峯が覗き込む
「………警部?
どうかされまし…」
「妙だと思わないか」
峯の言葉を遮り
言葉を放つと
へ?と素っ頓狂な
声が聞こえた
.
:08/01/10 12:54 :SH903i :zb3FNp4s
#488 [ま-イ子]
「この血の量からして
死んでいておかしくない
なのに死体がない
ということは、
犯人が運んだと
言うことになる。」
「でもそんな痕跡
ないですよね。」
峯はキョロキョロと
辺りを見回しながら
言葉を返して来た
.
:08/01/10 12:58 :SH903i :zb3FNp4s
#489 [ま-イ子]
「その方法も謎だが、
1番の謎は……………
"何故そんな事をしたか"
ということだ。」
「見付かったら困るから
とかじゃないんですか?」
きょとん、とした顔で
首を傾げて聞いてきた
(やはりお前はまだ青いな)
.
:08/01/10 13:04 :SH903i :zb3FNp4s
#490 [ま-イ子]
「そう考えるのが
普通なんだが……
ならば何故、犯人は
"わざわざ殺してから"
運んでいるのか。」
未だ頭に?を浮かべてる
峯を横目に続ける
「死体を運ぶなんて、
そう簡単な事じゃない。
それに、見付かりたく
ないのであれば
こんな人目に付く場所で
殺したりなんかせずに
隠してる場所へ連れて行き
殺した方が楽だろう?」
.
:08/01/10 13:12 :SH903i :zb3FNp4s
#491 [ま-イ子]
ああ、と感心する峯
(おせーぞ)
「それをしない、
ということが
何を意味するのか……」
短く生えた顎髭に
触れながら考え込む
.
:08/01/10 13:48 :SH903i :zb3FNp4s
#492 [ま-イ子]
「血痕が見つかっている
場所は、バラバラだ。
死体を一カ所に
集めているとは
考えにくいんだが…」
地図を見ると
丸印はあちこちに
付いていた
「それなら、何人かは
見付かってもいいはず…
……………ですよね?」
.
:08/01/10 13:54 :SH903i :zb3FNp4s
#493 [ま-イ子]
自信なさ気に
聞いてきた峯に
ああ。と返事をすると
顔が明るくなった
(単純な奴)
そんなコイツに呆れる
「犯人は何を
考えているのか――…」
はぁ、と大きく溜息をつき
ガシガシ、と頭を掻いた
無意識にポケットへ
手を伸ばし煙草を取る
.
:08/01/10 14:02 :SH903i :zb3FNp4s
#494 [ま-イ子]
「一昨日の被害者と
今までの被害者との
関係は?」
「今のところ無しだ。
今までの被害者達で
共通する所もバラバラ。
全員に共通しているのは
"この街に住んでいる"と
いう所だろうな…」
それだけ一気に言うと
煙草に火をつける
.
:08/01/10 14:13 :SH903i :zb3FNp4s
#495 [ま-イ子]
「次の犯行の予測も
つかない…………
お手上げっスね…」
肩をすくめ峯は
溜息をついた
それにつられて俺も
息を吐き出す
「どうしたもんか…」
.
:08/01/10 14:38 :SH903i :zb3FNp4s
#496 [ま-イ子]
重たい沈黙が流れる
峯は顎に手を添え
考え込み
俺は灰になっていく
煙草を眺めていた
少しずつ
長さを増していく灰は
重力に耐え切れなくなり
地へと
落ちていった
.
:08/01/10 14:50 :SH903i :zb3FNp4s
#497 [ま-イ子]
「あーーーー!!」
突然の峯の大声が
住宅街に響き渡る
「な、なんだよ!
いきなり大声で!」
驚いた俺もすこし
声を張り上げた
当の本人は俺を指差し
口をパクパクさせている
.
:08/01/10 15:36 :SH903i :zb3FNp4s
#498 [ま-イ子]
「なんだよじゃ
ないですよ!
何、現場に灰なんか
落としてんスか!!」
「なんだそんな事かよ」
冷静を取り戻した俺は
再度煙草に口をつける
なにやってんスか〜、と
峯は慌てた様子で
血痕の上に落ちた灰を
手で掃いていた
.
:08/01/10 15:40 :SH903i :zb3FNp4s
#499 [ま-イ子]
俺はその様子を
見下ろしながら
再度煙草を口にくわえる
煙を肺に入れた瞬間
冷たい風が頬を掠めた
はらはら、と灰が舞う
流れ落ちてゆく粒子を
目で追い掛けた
.
:08/01/10 20:51 :SH903i :zb3FNp4s
#500 [ま-イ子]
(―――――――ん?)
目を細め
見ていた場所を確認し
そこに近付いた
しゃがみ込み、
"そこ"に触れる
―――やっぱり、だ
.
:08/01/10 21:26 :SH903i :zb3FNp4s
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