.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#238 [桔妁]
 

あのときの侍だって、その場だけの戦いだった。

真剣勝負じゃなくて。

今回も、酔っ払いなら、悪いのはその人自身じゃないって…お酒だったって。

だから剣は振るわなかったんだ。


だから、死にそうな時にも自分の志を、天弥に告げてたんだ……。

それでも、天弥は守る者を優先して、たんだ…

⏰:08/01/07 13:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#239 [桔妁]
 
―――――



その後、頼仲を墓に連れて行き、事は済んだ。

頼仲の父親は、泣き顔こそ見せなかったが、瞼の腫れからすると、相当泣いたに違いない。



「頼仲は、心の広い奴だった。――それでも、人を殺めぬ理由を

"わしは、無駄に殺しはせんよ。まァ、ただ自分が臆病なんじゃけどな"

と、臆病だからと申していた…。

そこが、仇になったのか、頼仲は本望だったのか…」

⏰:08/01/07 13:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#240 [桔妁]
 
誰に話しかけたのか、頼弦は空を向いていた。


そのあとは、お線香が空に昇るのを一同眺めていた。








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⏰:08/01/08 17:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#241 [桔妁]
 
―第7章―

 ――昔話旅人さんの
    鬼道洞窟昔話―

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⏰:08/01/08 17:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#242 [桔妁]
 

「繭、お前いい加減になァ…」

天弥は髪をかいて、面倒臭そうに欠伸をした。


季節は、雪解けの春。

小春日和でついついうたた寝の今日この頃。


「な、天弥だって薄情じゃない!?友達じゃん!」

私、繭は元気になれません。


頼仲くんにもらったハートのお守りをきゅっと握る。

⏰:08/01/08 18:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#243 [桔妁]
 
「もう、頼仲は居ないんだからさ。……前向け。前。

頼仲だって、望んでないと思う。こんなクヨクヨされるのは。」


分かる。

天弥の気持ちも、頼仲くんの気持ちも。

……うん。そうなんだよね…!!

「うん、分かった。…そーだよね!!頼仲くんも…ってアレ??

話聞けぇぇ!!!!



.

⏰:08/01/08 20:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#244 [桔妁]
 
天弥は村外れへと歩いていく、旅人のような人にくぎづけだ。


そう!繭と天弥は久しぶりに村に居るわけである。


「ん?変わった人だね…」


村の端には鬼道の洞窟があるために、滅多に人は近づかないと天弥もよく言っていたが。

だが、旅人は奥へ奥へと進む。


いつの間にか無意識に二人も、奥へ奥へと尾行していた。

⏰:08/01/08 20:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#245 [桔妁]
 

「ちょ、なんで後つけてるの!?」


草村に隠れながら洞窟の前にいる旅人を指差し繭は小声で言う。


「馬ー鹿。だったら付いてくんなよ。……でも、なんかさ、珍しいじゃん。人が洞窟に居るのって。」

「確かにそうだけど…あれ?なんか…あの人こっち見てるよ?」



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⏰:08/01/09 15:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#246 [桔妁]
 
繭が旅人をチラ見した瞬間に、目が合った気がした。

「そんなはずないだろ…って………!!!」


そう言うと天弥は固まった。

しばらくして、しゃがみこんでいる繭の頭上に影がかかった。

それは紛れも無く人の影。

繭が上をむくと、旅人がにっと笑った。

⏰:08/01/09 15:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#247 [桔妁]
 

「え、あ、あれれれ…」

笠を被った旅人の顔は確認出来ず、余計に緊張させられる。

旅人は、透き通る声で二人に言った。

「お前ら、ここの村人か?」

確実にその声に少し酔いしれていた二人だが、しばらくしてからこくこく頷いた。

「そうか!!で…この洞窟の噂を知っているか??…私は、この事を物語にしたく来たのだが。」

⏰:08/01/09 15:26 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


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