.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#252 [桔妁]
話が終わると、旅人はよっこらせと立ち上がった。
「私はだな、この洞窟の外に行ってみたいんだよ。」
澄んだ声でそういった。
「え、だって鬼の国行って帰ってこれるの?」
繭がそう言い、ムードは少々崩れたが。
「まぁ、この話があるということは帰ってこれたから伝えているんだろう?」
旅人が話を元に戻せば、口端をあげて微笑んだ。
:08/01/12 14:23 :SH903i :☆☆☆
#253 [桔妁]
「そこでだ!…私と共に洞窟の外へと行ってみたくはないか?」
繭と天弥の二人は顔を見合わせた。そして旅人に顔を向けた。
「いいですよ!!」
「あ、今回は…やめときます。」
繭が断り、天弥は思わずポカンと殴った。
:08/01/13 18:18 :SH903i :☆☆☆
#254 [桔妁]
「何するのよ!!」
「お前、普通そこは参加だろ?」
天弥はキラキラ輝く目をこちらに向けている。
繭は一瞬どもったが…
天弥の誘いはしつこいために、しかたなく。
「う-ん…。あたしは入らないけどね?」
承諾したのだった。
.
:08/01/13 22:12 :SH903i :☆☆☆
#255 [桔妁]
―第8章―
――おばあちゃんの知人の
蔵の奥から―
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:08/01/13 22:14 :SH903i :☆☆☆
#256 [桔妁]
――――――――
―
「繭が居なくなってからもう半年以上か?」
「…………。」
繭の居た現代では、両親が心配に心配をしていた。
母はやつれていた。
テレビでも、もうとっくに顔を見せる事はなく、その存在は、天弥と同様に世界から薄れていた。
:08/01/13 22:18 :SH903i :☆☆☆
#257 [桔妁]
繭の捜査をする上で、両親は天弥の両親にも会っていた。
だが、全く情報はなかった。
天弥の友達は現在中学三年生である。
彼等の中からも天弥の存在は確実に消えつつあった。
:08/01/13 22:21 :SH903i :☆☆☆
#258 [桔妁]
しかし、立ち上がった人達は僅かながらに居たのだ。
警察にも見放されてきている二人に目を向けた者達……
――――
―
「ねぇ、今回の議題は?」
髪の長いおかっぱの少女が話し掛ける。その先には少年が。
気付けば丸い机を数人の生徒が囲んでいる。
:08/01/14 09:50 :SH903i :☆☆☆
#259 [桔妁]
「今回は―…"神隠し"にしないかい?」
彼等は小さな町のある学校の生徒たち…
心霊非科学研究部のメンバーだった。
「神隠し…って去年の夏のですか?あれは没になったじゃないですか。」
「いや、それが調べてみたんだけど…。ミステリー…。きっと凄いことになる気がするんだよ。」
:08/01/14 09:56 :SH903i :☆☆☆
#260 [桔妁]
彼等は校内で、色々な意味で噂になっている。余り活動的な部活ではない為に、部員は四人。部費は常に赤字であるのは言うまでもない。
その部員達を詳しく説明するとしよう。
面白そうな事を見つければ"ミステリー"と言う部長。
気の強そうなおかっぱ頭の副部長。自称座敷わらし。
座敷わらしに連れられて、ひょんな事から部員になった二年生。元サッカー部員。
全ての雑務をなんなくこなし、違う波動をキャッチできる一年生の女子。
:08/01/23 15:06 :SH903i :☆☆☆
#261 [桔妁]
それぞれの名前は、
吉原 望(ヨシハラ ノゾム)
七塚 舞子(ナナツカ マイコ)
椎名 慶(シイナ ケイ)
柳園 奈緒(リュウエン ナオ)
雪のしんしん降る中で、彼等が動く事を決定する。
「では、一月以内に資料を調べますね。」
柳園が言えば、三人は真っ直ぐな目で見て頷いた。
:08/01/26 20:58 :SH903i :☆☆☆
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