*柴日記*
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#552 [向日葵]
「おねえちゃんおはよー」
声が足元から聞こえたと思えば、苺が起きていた。
「あれ苺、今日は1人で起きれたの?」
「うんっ!」
元気よく返事した苺は、越と柴を交互に見る。
すると突然2人を離そうとする。
「え、何なに?どうしたの苺」
仕方なく離れた2人の間に苺は入り、越の足にくっつく苺。
「しばちゃん、おねえちゃんはいちごのだからあんまりひっついちゃだめーっ!」
:08/08/30 04:48
:SO906i
:☆☆☆
#553 [向日葵]
「えぇっ!?」
越と柴の声が重なる。
苺はそんなのお構いなしに当然のような顔をして越にくっつく。
「苺、昨日別にいいって言ったじゃない」
「やっぱりいやーっ!おねえちゃんとくっついていいのはいちごだけっ!」
越と柴は顔を合わせる。
柴はどこか遠くを見るような目をしながら乾いた笑いを漏らす。
「大人の女のいいわけ……?」
「そ、それはちょっと違うかな……」
どうやら2人が恋人のように過ごせるのは苺がいない時と限られてしまったらしい。
:08/08/30 04:53
:SO906i
:☆☆☆
#554 [向日葵]
天真爛漫。
癒し系。
神田家のアイドル。
その名も苺。
彼女の自由奔放な生活はまだ始まったばかり。
そしてそれに振り回される人々達がその生活から解放されるのは、もう少し、先のお話なのだった。
*苺日記*-fin-
:08/08/30 04:57
:SO906i
:☆☆☆
#555 [向日葵]
:08/08/30 05:00
:SO906i
:☆☆☆
#556 [向日葵]
番外編*夫婦日記*
:08/09/07 15:44
:SO906i
:☆☆☆
#557 [向日葵]
「えー!?今日遅くなるの!?」
急な母の叫びに、家にいる子供達と柴は驚く。
何事かと見れば、先程かかってきた父からの電話に出た母は、腰に手を当て、どうやら怒っているようだった。
「……あぁ、うん。分かったよ。」
神田家の長女である越は電話の向こうで必死に母をなだめる父を想像する。
きっと内心焦っているのだろう。
「……ところで、今日なんの日か知ってる?」
母はしばらく静かに父の返答を待っていた。
するとなんの前触れもなく母は電話を切ってしまった。
:08/09/07 15:54
:SO906i
:☆☆☆
#558 [向日葵]
「お、お母さんっ!?」
母は足を踏み鳴らして台所へ向かう。
越はその後を追って行く。
換気扇をつけた母は煙草に日をつける。
明らかに不機嫌だ。
「お母さんどうしたの?お父さんとケンカ?」
「あぁちょっとね。見苦しいとこ見せちゃったわね」
ふぅと煙を吐く。
それが換気扇に吸い込まれていくのをぼんやりと眺めながら越はハタと気づく。
「そういえばお母さん、今日は何の日なの?」
:08/09/07 15:58
:SO906i
:☆☆☆
#559 [向日葵]
「え?……あぁ今日はね」
「結婚記念日?」
いつの間にか越の背後に立っていた柴が口をはさむ。
「柴正解」
「えぇっ!?」
この家にの子になってもう10何年もなる越だが、母達の結婚記念日を知らなかった上、まだ来て日が浅い柴に言い当てられたのが悔しく思った。
しょんぼりしている越に、母は微笑む。
「いいんだよ。毎年ひっそりと2人だけでやってたから。別に言うことでもないし」
:08/09/07 16:02
:SO906i
:☆☆☆
#560 [向日葵]
「じ、じゃあじゃあ、ケンカの理由ってまさか……」
母の微笑みが少し歪む。
どうやら正解らしい。
煙草をまたくわえて、また煙を吐く。
「一郎さん……“なんだっけ?”だってさ……」
多分そう言った瞬間、受話器を叩きつけるようにして置いたのだろう。
「ホヤホヤしててどこか抜けてるトコはあれど可愛らしいからいいのに……っ!しかも結婚記念日忘れた事なんていちっどもなかったんだぞ!?なのにもう老いぼれたかぁっ!!」
怒っているのか父を誉めているのかよく分からない母の言葉を聞きながら越は柴に苦笑いを向ける。
:08/09/07 16:09
:SO906i
:☆☆☆
#561 [向日葵]
「そもそもさ、祐子さん達はいつ知り合ったの?」
そういえば、母のなれそめを詳しく聞いた事はない。
越は母をじっと見つめる。
母を残り少なくなった煙草を灰皿に押しつけ、シンクにもたれる。
「一朗さんと、会ったのねぇ……」
――――――――
―――――――――――
17歳の青春真っ盛りの歳に、神田 祐子、旧姓、森下 祐子は過ごしていた。
「森下ぁ!お前また煙草吸っただろう!」
「吸って何が悪ぃんだよ!」
…………少々、荒れながら……。
:08/09/07 16:15
:SO906i
:☆☆☆
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