○アダムの唄○
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#301 [渚坂さいめ]
――――――…………

――――………

時は数週間前、つまり央里がマサムネに嘆願していたところまでさかのぼる。

もう足手まといは嫌だ、と叫ぶ央里にマサムネは心打たれ、修行をつけると約束していたのだった。

そして央里はマサムネに連れられ、瞬光村の端にある森林までやってきていた。

⏰:09/03/30 22:58 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#302 [渚坂さいめ]
「で、親方!!何をしたらいいか教えてくれ」


「うむ……。まず央里殿の才である『運命を変える才』について知識を深めとかなければならないな」


「知識もなにも……。俺の才はイヴっていう何かが無いと使えないって事だろ?」

⏰:09/03/30 22:58 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#303 [渚坂さいめ]
「その認識こそが間違いだ。
央里殿は知らず知らずのうちに、その強大な才の力を発揮しておるぞ。

その証拠に央里殿は戦闘において素人なのにも関わらず、数々の戦闘をくぐり抜け、今生きておるではないか」

「あ……!!」

この一ヶ月、確かに央里は数多くの修羅場を経験し、そのたび相手を打ち負かし生き延びてきた。

⏰:09/03/30 22:59 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#304 [渚坂さいめ]
マサムネの言うとおり、央里は自分の『ここで死ぬ』『大怪我をする』といった運命のサイクルを自身の才でもってねじ曲げてきたのだった。

「央里殿は才を全く使えない、ということじゃない。
そう、世界の運命を変えるほどの強大な力は『イヴ』という制御がないと使えないだけなんじゃ」

「と言うことは、この力を利用すれば……」

⏰:09/03/30 22:59 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#305 [渚坂さいめ]
「その通り。
そこでだ、儂はこんなモノは嫌いなんだが……央里殿にはちょうどよいだろう」


マサムネは着物の内側からあるモノを取り出し央里に渡した。

鬱蒼と生い茂る木々の隙間から漏れる僅かな光を身にまとい、その黒い拳銃は姿を露わにした。

⏰:09/03/30 23:00 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#306 [渚坂さいめ]
「ちょ、これって!?」

「案ずるな。
エアガンとかいう偽物だ。本物ではない」

これが、里が自身の才を生かした、自分だけの武器に出会った瞬間だった。

⏰:09/03/30 23:00 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#307 [渚坂さいめ]
「いいか、央里殿の才は『運命を変える』ものだ。
だからその力でもって、この弾丸の軌道をねじ曲げるのだ。

外れることのない弾丸なんて最強すぎると思わないか?」


マサムネはニヤリと笑みをこぼした。

確かに弾丸の『直線に進む』と言う不変の運命を意のままに変える訳なのだから最強には間違いない。

⏰:09/03/30 23:01 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#308 [渚坂さいめ]
※お知らせ

bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7545/
SSSにアダムの唄の番外編の『ホワイトデー』を投下しています

そして、それには絵師様に描いていただいた央里・傳・ハルキの三人のイラストも貼っているので是非見てみてください^^

⏰:09/03/30 23:03 📱:F905i 🆔:1TN7Tc2k


#309 [渚坂]
「最強、ですね……」

つられて央里も笑みをこぼした。『最強』その言葉が彼の中にあった不安をもみ消し、逆に彼の切れ長の目の中に確かな焔を灯した。

「さて、意のままに弾丸を操るのだから相当な集中力が必要となるだろう。今からはひたすら集中力を上げるための修行をするぞ」

「……オッス!!」

―――――――…………

―――――………

⏰:09/05/25 20:08 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


#310 [渚坂]
「というわけで、俺はこの数週間ずっと修行を重ねてきたってわけだよ」

自慢げに目を細ませる央里。その隣で傳は静かに話を聞いていた。

「弾丸の軌道を変える……。
なるほど、だから三人いっぺんに倒すことができたのか……」

ぶつぶつと独り言のように傳は央里の言ったことを反復した。そう、まるであり得ない現実を自分に納得させるように。

⏰:09/05/25 20:09 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


#311 [渚坂]
「まぁ、修行の成果は見ての通りさ。
だからネイクの誘いに乗ってやろーぜ。いつまでもここにいるわけにはいかないだろ?」

「っそうだけど、あれはあからさまに罠だよ……」

「傳はビビりすぎなんだって!!」

⏰:09/05/25 20:09 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


#312 [渚坂]
>>311

×→「っそうだけど、あれはあからさまに罠だよ……」

○→「……っ、そうだけど、あれはあからさまに罠だって!!」

⏰:09/05/25 20:11 📱:F905i 🆔:Kt2brzEY


#313 [渚坂]
長らく放置すいません;;;

今から更新しますっ!

⏰:09/08/20 18:35 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#314 [渚坂]
央里たちは村の外側の森に向かって走っていた。

途中何度も村人に引き返せと忠告を受けたものの、央里の足はスピードを緩めず前へ前へ風を切って進んだ。

浅葱の元へ一直線に。

⏰:09/08/20 18:35 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#315 [渚坂]
「おい。あの目立つ水色のスーツ着てる奴誰だ?」

しばらく走ったところで央里が口を開いた。浅葱たちの元へ到着したのだ。

二人はまだ薙ぎ倒されていない木の影に身を潜ませる。


「あいつは浅葱だ……」

「浅葱?もしかして三鬼心の?」

「そうだ。No.3の浅葱だよ……」

⏰:09/08/20 18:36 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#316 [渚坂]
浅葱は腕を組み、わずかに顎を傾け空を仰いでいた。


だが次の瞬間、少しだけ口元に笑いを浮かべ、空を仰いでいた目を央里たちに向けた。


「出てこい。そこに隠れていることは分かってるよ。お互い、もうかくれんぼをするような歳じゃないだろう?


浅葱の声が森中に響きわたる。

⏰:09/08/20 18:37 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#317 [渚坂]
「なんだバレバレだったのか。おら、傳行くぞ」

央里は勢いよく木の影から姿をさらけ出し、スタスタと浅葱の元へ足を進める。

「ちょ、央里……」

後れをとらぬよう傳も姿を現した。

⏰:09/08/20 18:37 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#318 [渚坂]
「初めまして、だよな?俺は浅葱。この前は紅が世話になったみたいだね」

浅葱は右手を、まるで探偵のように顎の下に持っていく。

そして、その手の上では余裕の表れからだろうか、悪戯っぽい笑いが口元を彩っている。

そして浅葱は央里たちが何も言わない内に話を進めだした。

⏰:09/08/20 18:38 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#319 [渚坂]
「よし、初めましてだし宇峰央里ね実力見せてもらうよ」


そして、浅葱が顎をちょっと動かすと彼の左脇から三人の黒スーツの男が現れた。

⏰:09/08/20 18:38 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#320 [渚坂]
>>319

訂正

×「よし、初めましてだし宇峰央里ね実力見せてもらうよ」

○「よし、初めましてだし宇峰央里の実力見せてもらうよ」

⏰:09/08/20 18:40 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#321 [渚坂]
一人はナイフを右手に持っていた。小さなものだが央里の頸動脈を切り裂くには十分すぎるエモノだ。

そして一人は斧。
黒光りするソレを振り上げながら走ってくる。

一人は両手に黒い手袋をはめていた。その手袋の拳の部分に鉄のような金具が装着されており、素手で殴るより数倍の威力があるだろう。

そして三人は足音を立てずに央里へと距離をつめる。

⏰:09/08/20 18:40 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#322 [渚坂]
「央里!!!!」

逃げるぞ、と言いかけて傳は口をつぐんだ。傳の真横で央里はすでに彼らに銃口を向けていたのだ。

肉食獣が小動物を狩るときのような鋭い瞳。もう央里の心、そして身体は完全に戦闘態勢へと移行していた。

「央里……」

「ちょっと黙ってろ。すぐ終わらすから」

そして、央里は引き金を連続して三回引いた。

⏰:09/08/20 18:40 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#323 [渚坂]
銃口を自分の前に固定させ三発。銃口は決して揺らしていない。あくまで直線上に三発放った。


そのとき傳は央里が一人に向けて三発打ったのだと思っていた。

央里は銃口を動かさず、ある一点のみを狙っていたことからも傳の予想は当然のことだろう。

⏰:09/08/20 18:41 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#324 [渚坂]
……しかし、正面を見たときに目に飛び込んだ景色は傳を大いに驚かせた。

目の前には首筋を押さえてうずくまる三人の黒スーツの姿が。

央里の放った三発は一発も外れることもなく黒スーツ男の首筋にヒットしていたのだ。

⏰:09/08/20 18:41 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#325 [渚坂]
そして傳の真横では満面の笑みを浮かべる央里の姿が。


「どう?スゴいでしょ」


えへへ、と無邪気に笑う央里。

「ふーん、なるほどね。宇峰央里の実力はよく分かった。じゃあ俺はめんどくさくなる前に仕事終わらそっかな」

一部始終を見ていた浅葱は組んでいた腕をパッとほどいて胸ポケットから一枚の封筒を取り出した。

⏰:09/08/20 18:42 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#326 [渚坂]
「はい、これ。朽葉様からの招待状だよ」

浅葱はスタスタと二人に近付き、ひらひらと揺れる薄っぺらい封筒を央里へ渡す。


「じゃ、仕事も終わったし俺は帰ろっかな」

まだ木を薙ぎ倒している黒スーツの男たちに「帰るぞー」と声をかけ、数分もしない内に浅葱たちはこの森から姿を消したのだった。

⏰:09/08/20 18:43 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


#327 [渚坂]
↓渚坂の名前で感想板作りました

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4482/

これからはこちらにお願いします。意見・感想心よりお待ちしております(^ω^)

⏰:09/08/20 18:45 📱:F905i 🆔:ZnOLqX92


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