【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
最新 最初 全
#298 [No.033◆vzApYZDoz6]
今日も1人の夜がやって来る。
窓から見える月を眺めながら、今日も想う。
あなたはどんな未来を見るのだろうか。
私はどんな未来を見ていたのだろうか。
その未来はもう叶わない。
あなたはどんな未来を望んでいたの?
あなたはどんな未来を築こうとしたの?
「……ねぇ、あなたの──」
私が共に歩むのは駄目だったの?
あなたの未来はそこにしか無かったの?
絶対に、私はあなたの隣を歩けないの?
1人の夜は、もう嫌だから。
「──後を追ってもいいかな?」
:08/11/03 20:52 :P903i :LUmIhgZI
#299 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 20:53 :P903i :LUmIhgZI
#300 [No.034、039◆vzApYZDoz6]
蝉の鳴き声をBGMに、真っ白な砂浜。
キラキラと光る方に目をやると、そこには波打つガラス。
空にはやたらめったらもこもこした積乱雲。なんか青雲のCMに出てきそうな。
「そう、海!」
「海だな」
「感動が薄いですよ、ワトソン君!」
「それは忝ない、何に感動すればいいか教えてくれんかね」
「だから海に!」
「うん、コンクリ抱えてダイブはきっと気持ちいいぜ姐さんよ」
「いえなんでもありませんアニキ! でもすごいねー、こんなところに海があったなんて」
「いや、でも車停めて見るほどか…?」
「これだから男は…この綺麗な海を堪能しようとは思わないの?」
「水着すら無いのに海で何するんだよ…」
「だから感d「よし帰ろう」
:08/11/03 20:54 :P903i :LUmIhgZI
#301 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 20:56 :P903i :LUmIhgZI
#302 [No.035◆vzApYZDoz6]
「イタズラとは違うのよ」
そう彼女は言って、今できあがったばかりのたこ焼きを口に運んだ。
ハフハフと口の中でたこ焼きを転がし、ちょうどいい熱さまで冷ましてから口を動かす。
「その気になればあんただってすぐに消せるわ。こんな見た目じゃ分からないでしょうけど」
それを言うなら俺だってそうだ。いやむしろ俺のが強いに決まってる。
だが、可哀想なので口には出さなかった。
かわりに俺もたこ焼きに爪楊枝を突き刺す。
以外と硬い、見た目より肉厚なようだ。
「狐っていう動物は古今東西様々な場面で出てきた。私は特に日本でね」
彼女は頬張っていたものを早々と燕下し、すぐに次のたこ焼きを口に入れる。
狐は猫舌ではないらしい。
「今回は、その連中が全員一堂に会するの」
全員ってことは多少、いや、多くの取材がいりそうだ。
彼女が3つめのたこ焼きに手をつけたので、つられて俺も2つめに口を運んだ。
残るたこ焼きはあと1つ。
「まぁ、メインは私になるんだけど、それもあなた次第ね。……そろそろ時間だ、じゃあ」
俺次第だと空気になってしまいそうな気がするが。
去っていく彼女を見送りながら、最後のたこ焼きを頬張った。
:08/11/03 20:57 :P903i :LUmIhgZI
#303 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 20:59 :P903i :LUmIhgZI
#304 [No.037(1/2)◆vzApYZDoz6]
子供の頃、何度も同じ夢を見た。
自分と同じくらいの女の子と遊ぶ夢。
知らない公園の砂場で、知らない家の庭で、知らないデパートの屋上で。
夢の中での彼女との遊びは、いつも楽しかった。
しかし、小学校に入って間もない頃を境に、ピタリと見なくなってしまった。
そしていつしかそんな夢を見ていた事も忘れ、何事もなく学生時代を送っていた。
ところが、高2になった最近に、またその夢を毎晩見るようになった。
夢の中の彼女はすっかり成長していた。
おっとりした仕草やセミロングの髪型は変わらないが、背丈も伸びてるし胸も膨らんでいる。
遊びの内容も追いかけっこやままごとなんかから、カラオケだったり買い物に行ったりと大人になっていた。
それを不思議に思いながらも少し楽しんでいたある日、父が転勤する事になった。
「さ、とうとうこの町ともお別れねー。しっかり目に焼き付けておきましょうか…」
「ああ…」
母さんと庭に立って、住み慣れた町並みに別れを告げる。
別に特別何かあるわけでもない、何の変哲もない住宅街だが、やはり自分が生まれ育った町にサヨナラするのは感慨深いものがあった。
:08/11/03 21:00 :P903i :LUmIhgZI
#305 [No.037(2/2)◆vzApYZDoz6]
こうして俺は片田舎から、都心部郊外の住宅街に引っ越した。
引っ越した住宅街は最近できたらしい。
ニュータウンとでも言うのだろうか、できたばかりの家やマンションが数多く建ち並んでいた。
新しい家は思ったよりデカイ。母さんの話では一人部屋を貰えるらしいので楽しみだ。
とりあえず必要最低限の荷物を運び込んでから、近所の挨拶回りをすることにした。
向かって左隣の家から始めて、最後の家、つまりぐるっと回って右隣の家まできた。
インターホンを押して、挨拶に来た旨を伝えると、俺のお隣さんになる人が出てきた。
「はーい、こんにちh」
「どうも、新しく越しt」
「「!!??」」
なんという事だろうか。
間違いない。
出てきたのは、夢で何度も見た彼女だった。
「マジかよ…」
「うそ…」
驚いて2人同時に呟く。
「ああああの、今日からよろしくおおおお願いします!!」
「こここちらこそ、よよよろしくね!!」
そして2人同時にカミカミのご挨拶。
互いに顔を見合わせて、また2人同時に小さく笑った。
やっべー、現物超カワイイ。
俺の人生始まったわ。
:08/11/03 21:11 :P903i :LUmIhgZI
#306 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 21:13 :P903i :LUmIhgZI
#307 [No.038(1/2)◆vzApYZDoz6]
夕刻の河川敷。
陽は地平線の向こうにどっぷりと浸かり、空は既に青黒くなっている。
つい先程までは橙色を反射し幻想的に光っていた川の水面は、不安感と焦燥感を掻き立てるような夜独特の深く暗い波を漂わせていた。
そんな川を傍目に、1人の少女とその後ろに隠れる少年が、異形の生物と対峙していた。
「我が言の葉を媒し言霊よ、その力を封する言弾となれ…『刺』!」
少女が手にする拳銃の銃口を下唇に当てる。
横笛を吹くかのようにふっと息を吐きかけると、銃口が鈍い光に覆われた。
すかさず銃を構え、引き鉄を引く。
撃ち出された光る銃弾は槍の先端へと姿を変えて、異形の生物の腹あたりに突き刺さった。
「ぎゃああああ!」
「まだ生きているか…言弾となれ、『斬』!」
再び息を吹きかけ、引き鉄を引く。
今度は光る刃となった銃弾が、異形の生物を両断した。
:08/11/03 21:15 :P903i :LUmIhgZI
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194