冷たい彼女
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#1 [ゆーちん]
マイペース更新ですが、どうぞ最後までお付き合い下さいm(__)m

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#2 [ゆーちん]
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感想板
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#3 [ゆーちん]
本当にあった×××な話
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双子の秘密
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#4 [ゆーちん]
○●○●○●○

転校生

○●○●○●○

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#5 [ゆーちん]
「凜ちゃんが彼女だったらいいのに。」

「…。」


俺の目を見てもくれない。


ちっせぇ顔。


でっけぇ目。


こんな美人になら騙されてもいいぞ、俺。

⏰:08/12/11 15:55 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#6 [ゆーちん]
「ねぇ、俺の彼女になってよ。」


どうせ無視だろ?


一応告白なんだけどな。


「いいよ。」


…。


あれ?


今、何て言いました?

⏰:08/12/11 15:56 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#7 [ゆーちん]
「えっ…本当に?」

「うん。本当。」


大きな目が俺に向けられた。


やっべぇ!


照れる!


嬉しい!


幸せ!

⏰:08/12/11 15:56 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#8 [ゆーちん]
椅子から立ち上がり、俺の近くにいた向井竜に抱き着いた。


「向井くーん!僕、やったよ!凜ちゃんの彼氏だよー!」

「あぁ、はいはい。聞いてたから知ってる。離れて。うぜぇ。」


竜の隣にいた中橋大輝が凜に言った。


「杉浦さーん。本当にいいの?心(シン)の奴、真に受けてるよ。」

⏰:08/12/11 15:58 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#9 [ゆーちん]
「…いいよ。」

「心のどこがいいの?」

「…別に。誰でもいい。知らない土地で一人ぼっちは寂しいもん。」


凜のその一言で俺のテンションは一気に下がった。


「元気出して。」


竜に励まされてもダメージでかいんですけど。

⏰:08/12/11 15:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#10 [ゆーちん]
この島は人口数百人の小さな島。


老若男女、全員の顔と名前を把握している。


小さな島だからこそ家族のような温かい付き合いだけど、小さな島だからこそプライバシーも糞もない筒抜けた島。


そんな島に生まれて15年。


同級生はたったの30人。

⏰:08/12/11 15:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#11 [ゆーちん]
小学校からクラス変えなんか無し。


喧嘩したり仲直りしたり、男女共仲良しこよしだった。


恋愛?


あー、竜と大輝は本島に彼女がいるみたい。


他にも本島に恋人か好きな人がいるって奴が多いな。


同じクラスで付き合うとか滅多にない。

⏰:08/12/11 16:00 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#12 [ゆーちん]
俺はなんだかんだ言って、この島が好きだった。


だからこの島を好きになれない奴は、これから付き合っていくのは不可能だって思ってる。


島を理由にフラれたからって未練はなかった。


そんな島に、生まれて初めての転校生が来た。

⏰:08/12/11 16:01 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#13 [ゆーちん]
島を出て行く転校生は何人かいたけど、島に来た転校生は初めて。


女って聞いてテンション上がった。


教室に入って来た時、かなりの美人でさらにテンション上がった。


で、凜ちゃんがこの中学校に来て2日目の今日。


凜ちゃんは僕の彼女になりました。

⏰:08/12/11 16:01 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#14 [ゆーちん]
「凜ちゃーん。そんな理由で俺と付き合うの〜?」

「他に何か理由いる?」


こうだもんなぁ…。


すっげぇ冷たい。


俺を好きじゃないのに付き合ってくれるんですか?


いや、嬉しいんですけど…理由が理由なだけでちょっと悲しい。

⏰:08/12/11 16:02 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#15 [ゆーちん]
まぁ俺もただ凜ちゃんが美人だから思い切って告白しただけで、中身を好きになった訳じゃない。


おあいこ様かな?


「凜ちゃんと交流を深める為に今日の放課後、海に行こう!」

「…やだ。」

「何でさぁ!」

「焼ける。」

⏰:08/12/11 16:03 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#16 [ゆーちん]
都会から来ただけあって凜には色気があった。


真っ白い肌に、キラキラと光るまぶた。


唇なんかプルプルしてて、本島の年上のお姉ちゃんって感じ。


「じゃあ日焼け止め塗ってけ!」


謎めいた瞳は、あまり俺に向けられない。

⏰:08/12/11 16:04 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#17 [ゆーちん]
そういえば凜ちゃんの笑った顔、知らないな。


「無理。やっぱりあんたみたいなガキと付き合うんじゃなかった。」

「えーっ!そんな事言わないでよ。凜ちゃんは俺の彼女なんだから、そんな寂しい事言わないでよ!」

⏰:08/12/11 16:04 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#18 [ゆーちん]
凜は椅子から立ち上がりもしてくれない。


それに比べて俺は、凜の近くを動いてばかり。


確かにガキかもしんねぇ。


でも俺の性格上、じっとしてらんねーんだよ。


「あんたってさ、童貞でしょ?」


凜さん。


ここ教室。


みんな俺らの会話聞いてるよ。

⏰:08/12/11 16:05 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#19 [ゆーちん]
俺はそういう話、嫌いじゃないけど凜ちゃん女の子じゃん。


うちのクラスの女子、そういう話に敏感な年頃なんだよ。


みんな引いてるよ。


友達できなくなるよ凜ちゃん!


「凜ちゃん、そういう話はみんながいる前でしない方が…」

⏰:08/12/11 16:06 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#20 [ゆーちん]
「何で?あんただってみんなが聞いてるのに私に告ってきたじゃん。」

「告白とそういう話は別なんじゃないかな〜なんて。」

「一緒だよ。付き合ったらキスもするしSEXもする。それくらいもう15なんだからわかるでしょ?」


教室は凜の声だけが響いた。

⏰:08/12/11 16:07 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#21 [ゆーちん]
さすがの俺も言い返す言葉がない。


だって…


「ごもっとも。」


竜も大輝も呆気に取られていた。


男同士では惜しみなく話す下ネタも、女子の前ではしないもん。


教室で【SEX】なんて言葉が響くなんて思ってもなかった。

⏰:08/12/11 16:07 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#22 [ゆーちん]
チャイムが鳴り、なんとか茶を濁した感じだった。


授業中も凜ばかり気になって、数学どころではない。


僕、厄介な彼女をゲットしちゃった感じですか?


「心。」


後ろから声をかけてきたのは菊地美帆。


「ん?」

「マジで付き合ったの?」

⏰:08/12/11 16:08 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#23 [ゆーちん]
「美帆はどう思う?あの返事はOKだったんだよな?」

「んー…たぶん。」

「微妙だよな。」

「ま、難しい人だけど彼女ゲットおめでと。」

「ありがちゅ。」

「彼女できたんだからそのチャラいキャラ辞めた方がいいよ。」

「…はい。」

⏰:08/12/11 16:09 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#24 [ゆーちん]
放課後になり、俺は凜の席に駆け寄った。


「りーんちゃんっ!」

「…。」


俺をチラッと見てすぐに視線を反らした凜。


「一緒に帰ろ!」


色々へこむ事だらけだけど俺の唯一の武器である笑顔を絶やさずに、凜に話し掛けた。

⏰:08/12/11 16:10 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#25 [ゆーちん]
「…何で?」


キープ・ザ・笑顔!


「俺たち付き合ってんじゃん!」

「だからって何で一緒に帰らないといけないの?」


心くん、笑顔だよ!


「凜ちゃんと一緒に帰りたいもん!」

「…理由になってないよ。」


なんだか泣きそうだよ。

⏰:08/12/11 16:11 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#26 [ゆーちん]
「心、帰るぞ。」


竜が呼びに来た。


「俺は今日、凜ちゃんと帰る!」

「あ、そう。じゃあな。」


竜は眠そうに教室から出て行った。


「何勝手に決めてんのよ。」

「一緒に帰ってくれるって言うまで帰さないからな!」

⏰:08/12/11 16:12 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#27 [ゆーちん]
「…うざ。これだから童貞はやなんだよ。」


笑顔、消失。


俺、童貞だなんて言った?


言ってないよね。


いや、童貞だけどね。


元カノと初めてやろうとした時、緊張して勃たなかったヘタレだよ。


童貞で悪いかよ。

⏰:08/12/11 16:12 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#28 [ゆーちん]
凜は俺の通せん坊を抜けて教室から出て行った。


こうなったらストーカーだな。


俺は下校する凜の後ろを着いて歩いた。


島には信号がない。


歩道もなければ車道もない。


抜け道や近道、たくさん知っている。

⏰:08/12/11 16:13 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#29 [ゆーちん]
だけどそんなの知らない島2日目の凜は、慣れない道を不思議そうに歩いていた。


短いスカートから伸びる細い足とサラサラと揺れる長い髪に俺の胸は騒いでいた。


「凜ちゃん。」

「…。」

「次の道を左だよ。そうすると近道だから。」

⏰:08/12/11 16:14 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#30 [ゆーちん]
凜は都会に住む両親が仕事で海外に行くので、この島に住むじいちゃんばあちゃんの家に預けられた。


海外について行くと言った凜だが、両親はついてくるなと言い、日本に残された。


渋々この島に来て、これから生活するんだ。


って、全部杉浦のじいちゃんとばあちゃんに聞いたんだけど。

⏰:08/12/11 16:14 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#31 [ゆーちん]
孫が来るって嬉しそうに話してた翌日に、こんな美人が孫だったなんて…夢にも思わなかった。


「左?」


凜は足を止めた。


「うん。左だよ。そうすると早く家に着くから。」

「何で私の家知ってんの。」

⏰:08/12/11 16:15 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#32 [ゆーちん]
凜は不思議がっていたけど俺らにすれば、1+1=何ですか?って聞かれているようなもんだった。


「ここの島の人は誰がどこの家に住んでるかなんてみんな知ってるよ。特に杉浦なんて1軒しかないからすぐにわかる。」

「…あっそ。」


凜は左に曲がった。

⏰:08/12/11 16:15 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#33 [ゆーちん]
蝉が鳴く初夏の日差しを避けながら、影を選んで歩く凜が可愛くて仕方ない。


「次、右ね。そうすると家の前だから。」


凜は何も言わず、右に曲がった。


杉浦家が見える。


するとまた足を止めて、振り返った。


「ありがと、ストーカーさん。」

⏰:08/12/11 16:16 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#34 [ゆーちん]
冷たい視線だけを送り、凜は家の中に入って行った。


「凜ちゃーん、バイバイ!また明日ね。」


俺の声に振り向きもしない。

⏰:08/12/11 16:16 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#35 [ゆーちん]
そんな俺の彼女。


今までで1番厄介な彼女。


口が少し悪いのかも。


でも根はいい子だと思う。


早く打ち解けて欲しいな。


そんな事を考えながら、自分の家へと帰って行った。

⏰:08/12/11 16:17 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#36 [ゆーちん]
●○●○●○●

キリがいいので
一旦STOP

●○●○●○●

⏰:08/12/11 16:18 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#37 [我輩は匿名である]
○●○●○●○

進歩

○●○●○●○

⏰:08/12/11 21:11 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#38 [我輩は匿名である]
それからの俺は毎日、放課後になると凜ちゃんのストーカー。


学校にいる間は話し掛けても、あまり相手にしてくれないから、二人っきりになれる下校がチャンス。


「凜ちゃんは雑誌とか読む〜?」

「…読む。」

「そっかぁ。この島に本屋ないから本島に行かないと買えないね。」

⏰:08/12/11 21:13 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#39 [我輩は匿名である]
「…そうだね。」


後ろに振り返ってはくれないものの、俺の質問には反応してくれるようになった。


「凜ちゃん、俺の事好き?」

「…。」


まぁ、答えてくれない事もあるけどね。

⏰:08/12/11 21:14 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#40 [ゆーちん]
「じゃあねー!また明日…じゃないや。また月曜にね!」


杉浦家の前でいつものように手を振って帰る。


今日は金曜日。


明日、明後日は会えないから寂しいですね。


「待って!」


…まさかの呼び止め。


「何?」


顔には自然と笑顔が浮かぶ。

⏰:08/12/11 21:15 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#41 [ゆーちん]
「明日、暇でしょ?」

「暇!すっげぇ暇!デートする?デート!」

「いいよ。デートしてあげる。」


来たよ、俺の時代が。


凜ちゃんと付き合って4日目。


初デートのお誘いをOKしていただきました!


「よっしゃあ!」

⏰:08/12/11 21:15 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#42 [ゆーちん]
騒ぐ俺とは別世界のような凜の表情は、いつものように冷たかった。


「どこ行く?」

「…10時に迎えに来て。じゃあ。」


それだけ言って、凜は家の中に入って行った。


「あ、うん。10時ね!バイバイ!」


この際、行き先なんてどこでもいい。


何てったって初デート!

⏰:08/12/11 21:16 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#43 [ゆーちん]
テンションの上がった俺はそのまま向井家に走った。


「りゅーうーちゃーん!」


インターホンなんてほとんどの家にない。


玄関を勝手に開けて、名前を叫ぶのがこの島の呼び出し方。

⏰:08/12/11 21:18 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#44 [ゆーちん]
「はーい。あら、心ちゃん。」


竜のばあちゃんが出迎えてくれた。


「ばあちゃん久しぶり!腰の調子どう?」

「ありがとうね。最近は調子いいんだよ。」

「本当?よかったねぇ。」

「おかげさまで。心ちゃん今日は何の用?」

「竜いてる?」

⏰:08/12/11 21:19 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#45 [ゆーちん]
「竜なら大輝ちゃんちに行ったよ。」

「大輝んち?わかった。ありがとね。ばあちゃんバイバイ!」

「走って転ばないようにねぇ。」


竜のばあちゃんは俺のばあちゃんみたいなもん。


つか、この島のばあちゃんはみんな俺のばあちゃんだな。

⏰:08/12/11 21:20 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#46 [ゆーちん]
竜のばあちゃんに見送られ、俺は中橋家まで走った。


「大輝ぃー!竜ぅー!いるかぁ〜?」


中橋家の玄関で叫ぶと、大輝が出迎えてくれた。


「何だ?」

「竜もいる?」

「おぉ。みんないる。」


…そうみたいですね。

⏰:08/12/11 21:25 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#47 [ゆーちん]
玄関に脱ぎ捨てられているこの靴の量を見ればわかりました。


俺も靴を脱ぎ、部屋に上がった。


中橋家はなかなか大きな家なので、みんなのたまり場として集まる事が多かった。


大輝の部屋もこれまた広い。


俺の部屋の3倍はあるな。

⏰:08/12/11 21:25 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#48 [ゆーちん]
「おぉ、心。」

「あれ?ストーカーは?」


みんなが口々に俺を出迎えてくれた。


「みなさん、よくぞお集まりいただきなすった。」

「日本語変だぞ。」

「そこ、うるさい!俺は国語が嫌いなんだ!」

「で、どしたの?」

⏰:08/12/11 21:26 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#49 [ゆーちん]
「みんなに自慢したい事があるんですよ。」

「何〜?」

「なんと!明日、杉浦凜様とデートする事になりましたー!」


島中に聞こえるんじゃねぇかってぐらい大声で叫んでやった。


それなのにみんなの反応は最悪。


「…ふーん。」

「そうなんだ。」

「頑張って。」

⏰:08/12/11 21:26 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#50 [ゆーちん]
「ちょちょちょちょ。何なの、その凜ちゃんのような冷たい反応。みんな凜ちゃん化ですか?」


漫画の続きを読み始めたり、携帯を触りだしたりと俺には見向きもしてくれなかった。


泣いちゃうぞー。


いつもながら俺への対応は冷たいものだ。


もう慣れたけどさぁ。

⏰:08/12/11 21:27 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#51 [ゆーちん]
凜の話はいつの間にか流れてしまい、他愛もない話で盛り上がった。


日が沈めば自然に家へと帰って行く。


不審者や痴漢、泥棒の出た事のないこの島の夜道は暗いけれど月が明るく、のんびりと歩きながら帰る事ができるんだ。

⏰:08/12/11 21:27 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#52 [ゆーちん]
翌日は学校に行く時間より早くに目が覚めた。


無駄に余った時間は携帯ゲームをして過ごした。


が、バカはやっぱりバカだった。


すっかり夢中になってしまい、時間を忘れていたんです。


「あんた一体何時に出掛けんのさ?」


母ちゃんが言った。

⏰:08/12/11 21:29 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#53 [ゆーちん]
「あ?10時前。」

「んーなのとっくに過ぎてるよ。」


…え?


時計を見ると10時半を回っていた。


血の気が引いた。


「やっべぇ!」


携帯電話と財布をポケットに入れ、家を飛び出した。


杉浦家まで猛ダッシュ。


3分で到着だ…。

⏰:08/12/11 21:29 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#54 [ゆーちん]
「り…ん、ちゃー…ん…」


息切れなんて久しぶり。


「あらあら、心ちゃんじゃないの。どうした?」


杉浦のばあちゃんが俺に笑顔を向ける。


「凜…ちゃん…は?」

「部屋にいるよ。」

「呼んで…来てく…れる?」

「あいよ。」

⏰:08/12/11 21:30 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#55 [ゆーちん]
ばあちゃんは立派な足取りで階段を上って行き、凜を呼んで来てくれた。


「おばあちゃん、私ちょっと出掛けるね。」

「心ちゃんとかい?」

「うん。」

「はいよ。気をつけてね。」

「いってきます。」

「ばあちゃん、いってきます。」

⏰:08/12/11 21:30 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#56 [ゆーちん]
初めて見た私服の凜は、口が開く程のものだった。


フワフワしたワンピースが見事に似合っている。


少し歩くと、凜は言った。


「童貞は時間も守れないわけ?」

「…ごめんなさい。ゲームしてたら時間忘れてました。」

「ゲームに負けたんだ、私。」

⏰:08/12/11 21:31 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#57 [ゆーちん]
「いや、決してそういう訳じゃないんだけど…」

「貸し1ね。」


そう言って凜は歩き出した。


「はい。」


俺もいつもと同じで、凜の後ろを着いて歩く。


6月末、とても暑い日だった。

⏰:08/12/11 21:32 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#58 [ゆーちん]
「この島の案内して。」


凜は振り返りもせずに言う。


「案内?」

「そ。早くこの島に慣れたいの。」

「OK!じゃあ俺んち戻ろ。自転車取ってくるわ。」

「自転車?」


凜は振り返った。


…笑ってないけど、うん。


可愛い。

⏰:08/12/11 21:32 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#59 [ゆーちん]
「後ろ乗せたげる。俺んちこっちだから!」


来た道を戻る。


今は俺が前で、凜が後ろ。


いつもと逆。


違和感たっぷり。


「ねぇ。」

「はい。」

「隣歩けば?」

「…いいの?」

「いいよ。デートなんでしょ?」

⏰:08/12/11 21:33 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#60 [ゆーちん]
素晴らしい進歩。


初デート。


初横並び歩き。


テンション上げずにいられないでしょ!


「手ぇ繋いでいい?」


そう、勢いでお願いしてみた。


「やだ。」


…無理でした。


うん、最初から欲張っちゃダメだよねー。

⏰:08/12/11 21:33 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#61 [ゆーちん]
「ごめんなさい。」


とりあえず隣で歩ける事に感謝。


小さな凜と並んで歩ける事が幸せだった。


俺の家につき、自転車を出して、凜を後ろに座らせた。


「2ケツとか久しぶりだ。」

「どうせ男しか乗せた事ないんでしょ。」

⏰:08/12/11 21:34 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#62 [ゆーちん]
凜の言葉のナイフにグサグサと刺されながら自転車をこいだ。


「そんな事ないもーん。」

「あっそ。」

「でも、9割が男だね。」

「やっぱり。」

「残りの1割は女からのパシリですよ。」

「ダッセェ。」


風を切って走る自転車。

⏰:08/12/11 21:35 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#63 [ゆーちん]
凜ちゃんの髪やワンピースは、さぞなびいているでしょう。


…全く見えないけど。


1軒1軒、島の案内をしていく。


抜け道や近道も教えてあげる。


あの家のじいちゃんはどうだとか、この家のばあちゃんはこうだとか。


凜は一生懸命、俺の話に耳を傾けてくれていた。

⏰:08/12/11 21:35 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#64 [ゆーちん]
お昼は、島で唯一の食堂である【トメ食堂】食べた。


なぜ【トメ食堂】かと言うと、トメと言う名前のばあちゃんが営業しているから。


トメばあちゃんは島で1番の料理人だと俺は思う。


食べ終えると、また自転車の旅が始まる。


なるべく日影を走れという凜の指示に、俺は素直に従った。

⏰:08/12/11 21:36 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#65 [ゆーちん]
汗が流れる額。


凜のために流す汗は苦痛ではなかった。


日が暮れると、凜は言った。


「あんたがこの島で1番気に入ってる場所教えて。」

「1番?」

「そう。」

「ガッテン承知!」

⏰:08/12/11 21:36 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#66 [ゆーちん]
俺は涼しくなった風を切りながら、一生懸命自転車をこいだ。


この島で1番の好きな場所。


そんなのあそこ以外にないだろ。


ハンドルを握る俺の手は、慣れたようにあそこに向かっていた。


「凜ちゃーん!」

「何?」

「ここー!」

⏰:08/12/11 21:37 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#67 [ゆーちん]
坂を下ると、海が広がる。


俺は海が1番好きだ。


自転車を止めると、凜は後ろから降りて砂浜を歩いた。


髪とワンピースが揺れる。


ヤバイ…惚れ直した。


凜の姿があまりにも絵になるので、ついつい見取れてしまった。

⏰:08/12/11 21:37 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#68 [ゆーちん]
「ねぇ!」

「あ、うん、何?」

「何じゃないよ。ぼーっとしちゃってさ。」

「ごめん。どうしたの?」

「あんた正解。今日回った場所で、ここが1番いいよ。私の1番もここだ。」


凜と俺の1番が同じなのは、とても嬉しい事だ。


「本当?マジで?」

⏰:08/12/11 21:38 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#69 [ゆーちん]
「うん。この島の海は特別綺麗。」

「でしょ?俺もこの島の海が1番好き〜。」


夕日は沈んだ。


薄暗い海辺。


凜は言った。


「今日はありがと。あんたを彼氏にしてよかった。」

⏰:08/12/11 21:39 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#70 [ゆーちん]
笑顔は見せてくれなかったものの、その言葉はとても嬉しかった。


凜ちゃんは俺に気などない。


そんなのわかっている。


俺を足変わりにするのも、何の問題もない。

⏰:08/12/11 21:39 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#71 [ゆーちん]
一緒にいてくれるだけで俺は嬉しいのに、『ありがとう。』と言われるのは、やっぱり嬉しい。


前に近道を教えた時も言ってくれたっけ。


冷たい彼女だけど、ありがとうを言える人は本当は心が温かいんだよ。


島のばあちゃんがよく言ってる。

⏰:08/12/11 21:39 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#72 [ゆーちん]
「明日も付き合ってくれるんでしょ?」


…明日?


明日もあなたの隣を歩けるんですか!?


「もーちろんっ!明日でも明後日でもいつでも付き合うよ!」

「…。」


テンションが上がりすぎだと冷ややかに目で訴える凜ちゃん。

⏰:08/12/11 21:40 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#73 [ゆーちん]
「どこ行くの?」

「明日は本島で買い物がしたいから9時に迎えに来て。」

「わかった!9時ね!じゃあ9時半のフェリーだね。」

「…明日は今日と違って、遅刻は許されないからね。」

「はい、わかってます。」


こうして明日のデートの約束をして俺らは海を後にした。

⏰:08/12/11 21:41 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#74 [ゆーちん]
●○●○●○●

ではまた明日

>>2

●○●○●○●

⏰:08/12/11 21:59 📱:SH901iC 🆔:uyR.lwfs


#75 [我輩は匿名である]
早くみたいまた時間ある時にゆっくりお願いしま-す今日はお疲れさまで-す

⏰:08/12/12 01:01 📱:SH906i 🆔:FlUtrXSA


#76 [ゆーちん]
>>75さん
ありがとうございます
マイペースな更新ですが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m

⏰:08/12/12 08:18 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#77 [ゆーちん]
そして翌日、俺は8時半に凜を迎えに行った。


「おはよう!」


俺が玄関から叫ぶと、じいちゃんが出迎えてくれた。


「おぉ、心ちゃん。おはよう。」

「じいちゃんおはよう!凜ちゃんは?」

「凜?朝ごはん食べてるよ。」

「じゃあ食べ終わったら外に来てって伝えて。」

⏰:08/12/12 08:19 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#78 [ゆーちん]
「上がって行かんかい。」

「や、凜ちゃんに叱られそうだから辞めとくよ。んじゃ。」


外に出て、玄関口にしゃがみ込んだ。


男は同じ失敗はしない。


30分前行動だ。


どうだこの野郎!

⏰:08/12/12 08:19 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#79 [ゆーちん]
天気良好。


体調良好。


おまけに海も良好。


こんなデート日和なかなか無いですよ。


恵まれてんだな、俺。


せみの鳴き声を聞きながら空を見上げたり、道行く人に挨拶したり。


そんな事をしていると30分なんてあっという間だった。

⏰:08/12/12 08:20 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#80 [ゆーちん]
「ストーカー。」


振り返ると凜ちゃんがいた。


「おはよう!9時ちょうどだね!」

「30分も前に来るなんてバカとしか思えない。」

「だって遅刻できないもん!はい、乗って。」


今日も自転車。


凜は呆れた顔をしていた。

⏰:08/12/12 08:20 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#81 [ゆーちん]
今日の凜も素敵だった。


昨日とは違い、カッコイイ感じ。


短いズボンに、クールなTシャツ。


大人っぽいハンチングを頭に乗せて、爽やかな香水を香らせていた。


「今日の凜ちゃんもカッコイイし可愛いね〜。」

「今日は動きやすい方がいいから。」

⏰:08/12/12 08:21 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#82 [ゆーちん]
「本島で何するの?買い物?」

「うん。」

「買い物かぁ!いいね、いいね。楽しみ。」

「…あんたって単純だよね。」

「えぇ?そう?」

「バカみたいに前向きだし。」


それは相手が凜ちゃんだから。


…とか言ったら、またバカにされるかもな。

⏰:08/12/12 08:22 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#83 [ゆーちん]
フェリー乗り場についた。


切符を買って、フェリーで本島に向かう。


本島は今日も賑わっていた。


「何買うの?服?」


凜は首を横に振る。


「服は島に行く前にたくさん買った。とりあえず化粧品や雑貨が目当て。あの島に店がないってのは盲点だった。」

⏰:08/12/12 08:22 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#84 [ゆーちん]
まぁ、確かにね。


お洒落盛りの女の子には、あの島は何もなさすぎる。


「まずは雑貨屋。あんたが1番だと思う雑貨屋連れてって。」

「おう!任せて!」


自転車も一緒に本島に来たおかげで、こっちの移動も自転車が使える。

⏰:08/12/12 08:23 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#85 [ゆーちん]
今日も汗をかきながら自転車をこぐ。


何だかんだ言って楽しいんだよな。


その日のお店は俺のお気に入りの店をたくさん回った。


途中、凜が気に入っている店のチェーン店があったりもして立ち寄った。

⏰:08/12/12 08:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#86 [ゆーちん]
昼は安くつくのでファミレスで済ませる。


中学生は金がないんだよ。


凜は例外みたいだけど。


「うちは金持ちだから親に言えばいくらでも通帳に入れてくれるの。」


グラタンを頬張りながら凜はそう言ってた。


「凜ちゃんはどうして親についてかなかったの?」

⏰:08/12/12 08:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#87 [ゆーちん]
「親がダメだって。海外を転々とするから。それに高校生になったら一人暮ししてもいいって言われてるの。とりあえず中3の1年間は心配だからおじいちゃん達と暮らせってさ。」


まるで他人事のように話してくれた。


じいちゃん達が言ってた事は本当だったんだ。

⏰:08/12/12 08:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#88 [ゆーちん]
「お母さん側のおじいちゃんとおばあちゃんは亡くなってるから、お父さんの実家に預けられてるの。お父さんはお正月にも里帰りなんかしないから、初めてあの島に行ったけど…田舎すぎて驚いた。」


都会から来た人はあの島が田舎すぎる事に絶対驚く。

⏰:08/12/12 08:25 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#89 [ゆーちん]
「あの島、嫌い?」

「ううん。嫌いじゃないよ。あんたが昨日色んなとこ連れてってくれたから、好きになりかけてる。」


嬉しすぎる。


島を好きになってもらえる事。


それに、凜が色んな話を俺にしてくれる。


まだ笑ってもらってないけど、凜は俺を頼ってくれてるんだと思うと心底嬉しくなれた。

⏰:08/12/12 08:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#90 [ゆーちん]
「高校生になったら一人暮らしするの?」

「うん。」

「そっか。本島の高校?」

「たぶんね。だからこっちの島にも慣れないと。」


少し寂しい。


凜ちゃんが島から出て行くのは。

⏰:08/12/12 08:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#91 [ゆーちん]
「俺はたぶん家から通うよ。」

「ふーん。」

「凜ちゃんも杉浦のじいちゃんちから通えばいいじゃん。」


凜は首を横に振る。


「おじいちゃん達にあんまり迷惑かけられないよ。」


孫なのに、気をつかう事はないんじゃないかなと思ったけど…言わなかった。

⏰:08/12/12 08:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#92 [ゆーちん]
プライバシーもないような筒抜け島だけど、凜は都会から来たんだ。


あまり入り込まれるのは好きじゃないかもしれない。


凜にも何か考えがあるんだろう。


聞きたい気持ちを、ぐっと耐えた。

⏰:08/12/12 08:27 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#93 [ゆーちん]
午後からもたくさん買い物をした。


俺は荷物係。


荷物が1つ増えるたびに、凜は『ありがとう。』と言ってくれた。


これくらいどうって事ないのに。


その言葉を聞くたびに、俺は凜を好きになった。


日も傾いて来た頃。


「そろそろ帰ろっか。」

⏰:08/12/12 08:28 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#94 [ゆーちん]
「そうだなぁ。今フェリー乗り場行けばちょうどいい時間のがあると思うよ!」


俺は自転車をこいだ。


乗り遅れるといけないから、一生懸命こいだ。


おかげでちょうどいい時間のフェリーがあった。


それに乗って、俺、凜、自転車はまた島へと戻る。

⏰:08/12/12 08:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#95 [ゆーちん]
そんな感じで休日デート終了。


俺の心は満たされていた。


少しずつ、でも確実に俺は進歩している。


凜の手を握る事を目標に、明日からまた一週間。


俺は放課後のストーカーを頑張りたいと思います。

⏰:08/12/12 08:29 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#96 [ゆーちん]
○●○●○●○

名前

○●○●○●○

⏰:08/12/12 08:30 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#97 [ゆーちん]
凜が島に来て3週間。


7月らしい気候が島を包んでいた。


先々週は島案内と本島案内。


先週は凜に用があるとの事でデートせず、竜たちと過ごした。


で、今週。


明日は土曜日。


俺は凜にデートを申し込んだ。


「えー、めんどくさい。」

⏰:08/12/12 08:31 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#98 [ゆーちん]
…玉砕。


デートを、めんどくさいって…。


「何でよぉ!どうせ暇なんでしょ?」

「明日は用があるの。」

「じゃあ明後日!」

「日曜?日曜もダメ。」

「え〜。いつならデートできんのさ!」

「んー…夜。」

「へ?」

「明日の夜ならいいよ。日中は用があるから無理だけど。」

⏰:08/12/12 08:32 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#99 [ゆーちん]
思わず叫んだ。


「やったー!」


教室で俺がこうやって叫んでも、もう誰も驚かない。


凜にべったりな俺に、みんなマンネリ化してきてるみたいだわ。


「…うるさい。」

「じゃあ明日の夜ね!」

「8時に迎えに来て。」

⏰:08/12/12 08:33 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#100 [ゆーちん]
「うん!OK、OK!」


と、俺が喜んでいると凜の隣に座っていた西山香奈が呟いた。


「童貞が夜遊びすんじゃねーよ。」


俺は睨んだ。


が、香奈の睨みには勝てない。


怖い女だ。


「あー…香奈の言う通りだね。やっぱ夜は辞めとこっか?」

「こらこら!何で凜ちゃんは丸め込まれてんのさ。」

⏰:08/12/12 08:33 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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