漆黒の夜に君と。[BL]
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#3 [ちか]
`


 第一話 漆黒のきみ


_

⏰:09/02/01 16:44 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#4 [ちか]
朝日が俺を照らす。

深い眠りにおちている俺を


コンコン..
「冥(メイ)様、
  起きてください」



誰かが俺の名前を呼ぶ。




ん?
冥・・さま?‥――

⏰:09/02/01 16:52 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#5 [ちか]
誰だ?
これは夢・・?







意識はまた夢の中へと
おちていく。

⏰:09/02/01 16:57 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#6 [ちか]
「どうしたの?」

「あ、恭弥様・・」


扉の向こうではさっきの人ともう1人の声がする。




「冥様を起こしに来たんですが、なかなかお目覚めにならなくて..」


「‥仕方ないなあ。」

⏰:09/02/01 17:04 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#7 [ちか]
ガチャ


ドアノブをひねる音と共に、1人の男が俺に近づいてくる。




しかし、すっかり夢の中におちてしまった俺は全く気づかない。

⏰:09/02/01 17:07 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#8 [ちか]
「冥。」


男の手が俺の頬に触れた。



スー‥ スー‥
なお寝息をたて眠る俺。




「可愛い‥」


クチュ..

男は俺に深いキスをする。

⏰:09/02/01 17:15 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#9 [ちか]
「ん‥‥―、」


少し苦しくなった俺は、
ようやく目を覚ました。





「!!!!?//」



目の前には美しく整った、
漆黒のキミ。

⏰:09/02/01 17:18 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#10 [ちか]
「あ、やっと起きたね。
おはよう、冥。」


男はそう言ってにっこり微笑んだ。


俺は夢の中から一気に現実に引き戻される。


黒羽恭弥の口づけで。

⏰:09/02/01 17:39 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#11 [匿名]
おもしろそうイ

頑張ってト

⏰:09/02/01 18:26 📱:W52S 🆔:oM4ZpERE


#12 [ちか]
>>11
└→匿名さま*
ありがとうございます><
今から更新しますね∩ω`*

⏰:09/02/01 18:34 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#13 [我輩は匿名である]
面白いです

⏰:09/02/01 18:41 📱:F703i 🆔:wE4PYdes


#14 [ちか]
>>13
└→匿名さま*

ありがとうございます!
そう言ってもらえると、
やる気が出ます♪∩^ω^∩

⏰:09/02/01 18:48 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#15 [ちか]
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

ちなみに、
黒羽恭弥(クロハ キョウヤ)
と読みます*´ω`

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:09/02/01 18:50 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#16 [ちか]
>>10の続き


「なにが『おはよう、冥』だ!!あんたはまともに人を起こせないのかよ!?」


俺は唇をこれでもかと言うほど擦りながら叫んだ。



「朝から何をそんなに起こってるの?
嫌な夢でも見た?」


黒羽恭弥はきょとんとした顔で俺に言った。


「てめえ・・(怒)」

⏰:09/02/01 18:50 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#17 [ちか]
「『アンタ』だの『てめえ』だの冥は僕をいろんな風に呼ぶね。面白い。」


そう言って微笑んだ恭弥はまた俺の頬に触れた。


触れられた俺の顔はみるみるうちに熱を帯びていく。


「真っ赤になって。
ほんと冥は可愛いね」


そしてまた俺はキスを迫られた。

⏰:09/02/01 19:00 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#18 [ちか]
俺は恭弥の唇を両手で拒否して、


「出てけっ!!!」

と力の限りに叫んだ。


「はいはい。じゃあ、着替えたら降りておいでね。
朝食の準備は出来てるから。
なんならメイドに着替え手伝わせようか?」


「いいから出てけ!!(怒)」


恭弥はクスクスと笑いながら俺の部屋から出ていった

⏰:09/02/01 19:08 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#19 [ちか]
「あ゙ーっ!!!
なんでこうなっちゃったんだよ!!!昨日あんな事さえなければ・・・・」








そう昨日あんな事さえ
なければ。

⏰:09/02/01 19:18 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#20 [ちか]
――‥‥時は昨日に遡る。


「じゃ、ホームルーム終わり。」


担任の言葉と共に生徒達は一気に帰る支度をする。


「日下(クサカ)ー!お前今日ひまー?遊ぼーぜー♪」


「わりぃ、今日は無理だわ!また今度誘って♪」



そう言って俺は急いで教室を出た。

⏰:09/02/01 20:02 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#21 [ちか]
学校をあとにして、俺は電車に駆け込んだ。



いくつかの駅を通りすぎ、降りたのはここらで一番治安が悪く、しかし大金持ちが毎日大量に集まる歓楽街の近く。



俺はそそくさと一つのバーに入った。

⏰:09/02/01 22:35 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#22 [ちか]
「おー、冥。そろそろ開店だ。早く着替えてきな。」


「ういっす」


店長に促されて俺は二階に上がった。

⏰:09/02/01 22:45 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#23 [ちか]
俺はここにバイトとして雇ってもらってる。

もちろん俺みたいな未成年が働いていい処(トコロ)じゃない。



だけど2年前両親を事故で亡くした俺は他に身寄りもなく、1人で生活していくにはどうしても稼がなきゃいけなかった。



ここの店長さんはそんな俺の身の上を知って、快く雇ってくれた恩人ってとこ。

⏰:09/02/01 22:50 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#24 [ちか]
白いシャツに腕を通し、
黒のパンツにエプロンを締めて制服の出来上がり。



バーだけに制服も結構かっこよくて気に入ってる。





さ、仕事、仕事。

⏰:09/02/01 23:04 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#25 [ちか]
開店しても忙しくなるのはもっと遅くになってから。




それまでは店長達と話したり、下準備をしたり。



_

⏰:09/02/01 23:11 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#26 [ちか]
時間は午前0時を越えたところ。


店も混みだしてきて、閉店なんてまだまだだけどあと一時間で俺の仕事は終わり



「店長ー、空き瓶裏に出してきますね。」

「おー。」


俺は「よいしょっ」と空き瓶の詰まったケース3つを持ち上げて裏口に出た。

⏰:09/02/01 23:28 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#27 [ちか]
ガチャ..


今日はえらく静まりかえっている。
路地裏とは言え、いつもはもっと・・



とは、思いつつも深くは考えずケースを積みあげた。



「兄ちゃん何してんのー?」

⏰:09/02/01 23:31 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#28 [ちか]
「はい?」


振り返るとそこには強面のいかついお二人さん。


(やっべー・・)


「あんた可愛い顔してんなー。俺らの相手しろよ。」



や、無理無理無理無理!!

⏰:09/02/01 23:35 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#29 [ちか]
「・・勤務中なんで。」


「あ?なに断る気?
この腕折れてもいーの?」

グイッ


1人の男が俺の腕を強く掴んだ。



(こわっ;;)

「は、離してくださ・・


_

⏰:09/02/01 23:41 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#30 [ちか]
「何してるの?」








漆黒の天(ソラ)に散りばめられた星の下、現れたのは
1人の男。



_

⏰:09/02/01 23:44 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#31 [ちか]
「あ゙?!なんだテメエ!!」


「怖い人達だね。
僕はこう言う処はやっぱり慣れないなあ。」



漆黒の髪を靡(ナビ)かせて
男は言う。

⏰:09/02/01 23:48 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#32 [ひば]
頑張って〜(´∀`

おもしろいです・ω・

⏰:09/02/01 23:48 📱:SH905i 🆔:209X9Hfk


#33 [ちか]
「なにブツブツ言ってんだよ!!!
テメエも殴られてえか?!」


「物騒なこと言うね。
・・・けど、下手に僕に触れると、骨・・折れるよ?」





怪しく笑うそれは言う。

⏰:09/02/01 23:53 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#34 [ちか]
>>32
└→ひばさま*

ありがとうございます!!
そう言ってもらえて嬉しいです><

⏰:09/02/01 23:55 📱:P906i 🆔:4lMj49Xc


#35 [ちか]
「はぁ?!テメエなめてんじゃねーぞコラァ!!!」


そう言って俺の腕を掴んでいた男は黒髪の男に殴りかかった。




バキッ..

「ゔああぁぁぁぁ゙!!!」


なんとも言えない鈍く痛々しい音と共に、強面の男が叫んだ。

⏰:09/02/02 00:29 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#36 [ちか]
「だから言ったでしょ・・?折れるって。」


もう1人は青ざめて走り去っていった。



(コイツ、何者・・・?)



俺は目の前で起こった事が上手く理解出来なくて、ただ立ち尽くした。

⏰:09/02/02 00:33 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#37 [ちか]
「君、大丈夫?」


方針状態の俺に問いかける



「・・・え、あ、はい!」


「そう。良かった。」


真っ暗の路地裏を月光が照らし、そいつをうつした。

⏰:09/02/02 00:38 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#38 [ちか]
あれ・・?
この人の顔どっかで・・――



「・・君、確か日下冥君だよね?」


「え、なんで俺のこと・・?」


「そりゃ生徒会長は全校生徒の顔と名前くらい覚えなきゃ務まらないでしょ?」


生徒・・会長・・?

⏰:09/02/02 00:45 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#39 [ちか]
「恭弥様!!こちらにいらしたんですか!!
急に居なくなられては困ります!!」


恭弥さま?

恭・・――


「あぁ、ごめんね。
で、商談の方はどうなったの?」


「向こう側が5億で成立させてくれと・・」

「駄目だよ。
10出せないなら、この話は無かった事にしてと伝えて。」

「はい。」


5億?!
10?!

⏰:09/02/02 00:56 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#40 [ちか]
なんなんだ、コイツら!!
金のケタが・・



「ところで君、」

「..あ、はい」

「こんな処でこんな時間に何してるの?」

「あ、えっと..その..」

「冥ー!
早く戻ってこーい」


言葉に詰まっていると、
店の中から店長の声がした

⏰:09/02/02 08:34 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#41 [ちか]
「はーい!今戻りまーす!」

いけね、店忘れてた!!(汗)
早く戻らねーと・・、


「ふーん。君、ここで働いてるんだ?」

男はまた俺に問いかけた

「は、はい..」

⏰:09/02/02 16:00 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#42 [ちか]
「困るなあ。
うちの高校は学校の許可なしのバイトは禁止だし、ましてやこんな時間にこんな場所で。
ここら辺って事は、歳もごまかしてるよね?
そうなると、最悪の場合退学って可能性も・・・」


た、た、退学?!?!


淡々と語るそいつの目はやけに冷ややかだった。


「見逃してあげたいところだけど、一応僕生徒会長だしねえ・・」

「恭弥様、そろそろ時間が・・」

_

⏰:09/02/02 16:26 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#43 [ちか]
生徒会長・・
恭弥様・・――?

...!!!

「黒羽恭弥?!」


俺の声が静まりかえった路地裏に響き渡った。


「あ、僕の事知ってるんだ」

そう言って奴はにっこりと笑った。

⏰:09/02/02 16:30 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#44 [ちか]
スーツを纏(マト)っていた為か、学校でしか見た事のなかった俺は学年もクラスも違う恭弥を思い出すのに少し時間がかかった。



けど黒羽恭弥っつったら、かなりの有名人..

頭もよくてなんでも出来ちゃうスーパーエリート。

⏰:09/02/02 16:39 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#45 [ちか]
「悪いけど、君・・退学かもね。」


冷たく笑う恭弥に背筋が凍った。


「お、お願いします・・!!
俺、なんでもしますから!!退学だけは・・」


「んー、まあ理由によっては見逃してあげる。」

「本当に?!」

「うん。理由によっては、だけどね。」

そう言ってまたにっこりと笑った。

⏰:09/02/02 16:47 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#46 [ちか]
俺は自分のおける状況を全て話した。


「‥‥ふーん。それで?」

「え・・だから俺、働かないと生活していけなくて・・、普通のバイトじゃ経済的にやってけなくて・・」


「んー。それだけじゃあ、・・ねえ..」

「そんな・・」


予想外の反応に俺は肩を落とした。

_

⏰:09/02/02 17:02 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#47 [ちか]
「さっき..なんでもするって言ったよね・・?」


恭弥はそう言って怪しく微笑んだ。

「え、あ、はい・・」


「じゃあ交換条件で見逃してあげるよ。」

「交換・・条件・・?」

「恭弥様、本当に時間が・・」

「あ、そうだった。
日下君、続きは中で。」

「なか??」


意味が分からなくて聞き返した瞬間、車のライトが路地裏を照らした。

⏰:09/02/02 17:46 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#48 [ちか]
「こっち。」

「へ?!ちょっと・・―!!」


恭弥は俺の手首を掴んで路地裏を出た。


「うわ・・――!」


目の前に伸びる長い車。

「恭弥様、お急ぎください。」

そう言って、黒いスーツの人が車のドアを開けた。

⏰:09/02/02 17:50 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#49 [ちか]
「うん。ごめんね。」

そう言って恭弥は俺の手首を掴んだまま車に乗り込もうとする。

「ちょっ、俺まだ店が・・――」


そんな俺の声を無視しているのか、聞いてないのか、そのまま俺は無理矢理車に乗せられた。



車は静かに走り出した。

⏰:09/02/02 17:53 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#50 [ちか]
「お、俺、まだ勤務中なんですけど・・!!」


「あ、そう言えばそうだったね。」



そうだったね、って・・―
こいつ、なんなんだよ!!

⏰:09/02/02 17:59 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#51 [ちか]
感覚がおかしいって言うか、なんて言うか。


俺は車内を見渡してみた。


車とは思えない内装。
まるで一つの部屋みたいだ。
装飾品はシンプルだけど、高級感が漂ってる。

さっきも億が云々とか言ってたし・・


金持ちとは聞いてたけど、ここまですごいとは・・。

⏰:09/02/02 18:04 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#52 [ちか]
「で、さっきの続きだけど。」


「ふえ!!?あ、はい!」

内装に見とれていた俺は、慌ただしく返事をした。


「あはは。君面白いね。」

「ど、どーも・・」


_

⏰:09/02/02 18:08 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#53 [ちか]
「で、交換条件の件なんだけど、学校には言わないあげる。」


「本当ですか?!
ありがとうござ・・「その代わり、」


俺の言葉を遮って、恭弥は話を続けた。

⏰:09/02/02 18:10 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#54 [ちか]
「その代わり・・??」

「君にはあの店を辞めてもらうよ。」

「え、それだけじゃ生活出来な・・「それは大丈夫。」

や、大丈夫じゃないんだよっ!!





「君には今日から家に住んでもらうから。」

⏰:09/02/02 18:17 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#55 [ちか]
「家(ウチ)って、どこの・・」


「僕の家に決まってるじゃない。」

そう言って余裕の笑みを浮かべる恭弥。




「えぇえぇ?!?!?!」


俺の思考は停止。
だって意味分かんないし!!

⏰:09/02/02 18:21 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#56 [ちか]
「もちろん生活面も全てこっちがみるよ。
それなら問題ないでしょ?」


問題ないって・・
あんたの考え方に問題あるだろっ!!!


「そんな急に・・―」

「じゃあ、退学でもいいの?」

⏰:09/02/02 18:25 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#57 [ちか]
「それは無理っっ!!!」


俺は慌てて応えた。


恭弥はそんな俺を見てにっこり微笑むと、
「じゃあ、決まりだね。」
と半強制的に交換条件を成立させた。

⏰:09/02/02 18:29 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#58 [ちか]
(まじで俺、これからこの人の家に住むのか?!)


全く予想もしてなかった展開に、頭が上手くついていかない。



考えれば考える程、混乱する。

⏰:09/02/02 18:36 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#59 [ちか]
「じゃ、これからよろしくね。..チュ。」



思考は完全に停止。

分かるのは俺の唇とコイツの唇が重なっていると言うこと。



そう、重なって・・、

⏰:09/02/02 18:39 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#60 [ちか]
「℃☆¥$※%#!!‥―」


「あれ?」


俺はそのまま気絶した。



「・・可愛い。」


囁くように言う恭弥。

⏰:09/02/02 18:41 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#61 [ちか]
「しかし、恭弥様もどうして小芝居など・・」

黒いスーツの・・、いや恭弥の執事の松山が言った。

「え?」

「恭弥様が有名とは言え、日下様は気づいてらっしゃいませんでした。
どうしてわざわざ生徒会長の身を明かし、交換条件など・・・――」


松山は疑問の表情で恭弥を見た。

⏰:09/02/02 18:49 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#62 [ちか]
「やっぱり松山にはバレてたかあ。」

そう言って笑う恭弥。


「何年恭弥様の執事をやってると御思いですか?」

松山は自慢げな表情で言った。


「・・そうだね。
だって欲しかったんだもの。」

恭弥屈託のない笑顔で言った。

⏰:09/02/02 18:53 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#63 [ちか]
「全く、恭弥様は・・」

少し呆れたような笑顔で松山は言って、

「それでは私は席をはずしますね。」

と気をきかせ、車内の奥を歩いていった。


_

⏰:09/02/02 19:03 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#64 [ちか]
静かな空間には怪しげな笑みを浮かべる恭弥と、無防備に眠る冥だけ。




「僕を楽しませてね。冥」


そう言って恭弥は冥の首筋にキスを落とした。



これが、長い漆黒の夜の始まり。‥‥―――

⏰:09/02/02 19:13 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#65 [。゚+ゆきな+゚。]
ヤバィ
続きが気になるくらぃ、好きかも
これから頑張ってくださぃ(*/ω\*)

⏰:09/02/02 19:49 📱:SH904i 🆔:IfCKKYMo


#66 [ちか]
>>65
└→。゚+ゆきな+゚。さま*

ほんとですか!!><
そんな風に言ってもらえて本当に光栄です
頑張って書くので、応援よろしくお願いします

⏰:09/02/02 20:32 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#67 [ちか]
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
図々しいですが、感想板
作ってみました><
良ければ、感想、アドバイスなど、書き込みお願いします!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/9870/
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:09/02/02 20:38 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#68 [ちか]
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
>>67
すいません、URL間違えました(´;ω;`)
本当はこっちです
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:09/02/02 20:40 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#69 [ちか]
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
>>54訂正
それだけじゃ生活出来な・・→×
それじゃ生活出来な・・
→○

>>63訂正
車内の奥を歩いていった
→×
車内の奥へと歩いていった
→○

すいません(´;ω;`)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:09/02/02 21:01 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#70 [ちか]
>>64続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
―――――‥‥
―――

時は戻って次の日の朝。


もちろん冥には気絶後の記憶なんてない。



目覚ましの代わりに
ディープキス。

起きれば目の前には
昨晩のキス魔。

⏰:09/02/02 21:29 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#71 [ちか]
「悪夢だ・・・」


出来る事ならこれが夢であってほしい。

夢の中の方がよっぽど現実らしい。


1人には広すぎる部屋に、やたらと大きなベッド。

おしゃれで高そうな家具類。


俺には似合わなすぎる。

⏰:09/02/02 21:36 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#72 [ちか]
「そうだ、着替え・・」


って!!!
制服、店に置きっぱなし!



「どーすんだよ、もう・・っ」


俺はイライラしてクシャクシャと自分の頭をかいた。

⏰:09/02/02 21:52 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#73 [ちか]
ガチャッ

「言い忘れてたけど、」


背後から急に声がして、
俺の体はびくついた。

「ノ、ノックぐらいしろっ!!!!!」


「固い事言うなよ。
男同士だろ?
それとも・・僕の事意識してる?」


怪しい笑顔で俺の肩を軽く持つと、俺を自分の方に向けた。

⏰:09/02/02 22:03 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#74 [ちか]
身長差は10cmとちょっと、と言うところだろうか。


見下ろされてるのが、
むかつく・・。


それに対して、俺とコイツの身体(カラダ)の距離は、
5cm程度。


こんな至近距離に、こんな美形が居て、昨日あんな事されりゃあ意識するだろーがっ!!///

⏰:09/02/02 22:12 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#75 [ちか]
「い、意識なんかしてない・・!!//」

「へえ・・。
こんなに顔赤くして?」


恭弥はわざわざ腰を少し下ろして、俺と目線を合わせた。


コイツ、俺の反応を見て遊んでやがる・・。
むかつくっ!!

⏰:09/02/02 22:20 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#76 [ちか]
「・・手どけろよっ!!」

俺は自分の肩に置かれた、奴の手をはらった。


「昨日とは違って言葉が乱暴だね。」


まるで子供を扱うように俺に接してくる恭弥が、本当に本当ーにむかつくっ!!!!

「ま、そんなとこも可愛いけどね。」


・・・・。
もう腹がたちすぎて言葉にならない。

⏰:09/02/02 22:31 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#77 [ちか]
「本当に冥、顔赤いよ?
熱でもあるんじゃない?」


ちげーよっ!!
むかつきすぎて頭に血が昇ってんだっつーのっ!!


と、言おうとした瞬間・・―


ぺたっ。


_

⏰:09/02/02 22:35 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#78 [ちか]
「☆¥※%$!!!!!///」


「ん・・、熱は無いみたいだね。」



お、おでこがピタッて・・!!

顔、ち、近すぎだしっ!!!


びっくりした俺は力が抜けて真後ろにあるベッドに倒れ込んだ。

⏰:09/02/02 22:38 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#79 [ちか]
「※%$☆¥ッ〜‥!!//」

言葉にならなくて、俺は
口をパクパクさせた。



「なに、誘ってるの?」


怪しげな笑みを浮かべる
恭弥。


「ちがっ・・!!////んン・・ッ」

⏰:09/02/02 22:44 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#80 [ちか]
両手首を掴まれ、
突然唇を塞がれた。


「ん・・・ッ!・・・ハァッ・・・んんッ!!///」

恭弥の舌が俺を犯していく

(何やってんだこの人!!)

クチュッ..

「ん・・・あッ・・んッ!!!」

濃厚で甘くて、
頭がおかしくなりそうだ。


俺は力いっぱい抵抗したが、恭弥はびくともしない。

⏰:09/02/02 23:42 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#81 [ちか]
やっとの事で恭弥は俺の唇から離れた。


苦しくて、熱くほてった体。
肩で息をする俺を見て、

「もっと冥の声、聞きたいな。」

恭弥はそう言って、おもむろに俺の服の中に手をすべらせる。

「なっ・・・!!ちょっ・・ふざけんな・・・あッ!///」

⏰:09/02/02 23:49 📱:P906i 🆔:XnrBx5q.


#82 [ちか]
乳首に爪をたてられて、
自然と声が出てしまった。

「や・・め・・・っ//」

「やめてほしいの?
ココはこんなに感じてるのに?」

恭弥はそう言って、俺の
突起を指先で弾(ハジ)いた。

「やぁッ・・ハァ・・んっ//」

出したくもない声が
溢れてくる。

⏰:09/02/03 00:04 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#83 [ちか]
心とは裏腹に身体はやけに正直で。

まともだった昨日までの俺はどこに行ったんだ。



今じゃ、
男の愛撫に恥ずかしいほど感じてる。


情けない・・――

⏰:09/02/03 00:05 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#84 [ちか]
「冥は淫乱だね。
ちょっと触っただけで、こんなになって・・」

恭弥はそんな事を甘く低い声で耳元で囁きながら、
首筋を舌でいやらしく這っていく。


「ぃッ・・んン、あ..!!ハァ・・ッ」


そんな近くで囁かないで。
そんな風に這わないで・・っ


感じたくないのに..
敏感な自分が嫌で、
目が潤んでくる。

⏰:09/02/03 18:27 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#85 [ちか]
「離・・せ・・ッ・・―嫌ぁッ..」


そんな俺の必死の訴えにも恭弥は、
「そう言う目が僕をそそるんだよ?」

と言いながら容赦なく俺を責め続ける。


首から胸へ。
胸からみぞおちへ。

舌はどんどん下へと降りていく。

⏰:09/02/03 18:33 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#86 [ちか]
「こんなに腫らして・・」


恭弥はズボン越しから、
俺のモノをなぞった。

そしてそのままベルトへと手をかける。


「や・・っめろ・・―ッ」






コンコン.
「恭弥様、冥様、そろそろ学校のお時間が・・、」

⏰:09/02/03 18:39 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#87 [ちか]
「‥‥今、行くよ。」

そう言って、恭弥は俺から離れた。


「あ、そうそう。
言い忘れてた事ってのは、制服の事でね。
新しいのがクローゼットに入ってるから着るといいよ。じゃ、下で待ってるね。」


バタン..




「た、助かったあ〜・・。」

⏰:09/02/03 21:24 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#88 [ちか]
安堵の息が零れた。



「危なかったあ..。
ほんとアイツなに考えてんの・・」


俺ははだけた服を整えて、クローゼットから制服を取り出した。

新品の匂いが鼻を通る。
まさかあんな時間から、新品を取り寄せたのか?

「金持ちの考えは解んねえ・・」

そんな独り言を呟きながら、制服に腕を通した。

⏰:09/02/03 21:33 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#89 [ちか]
シワ一つないパリパリの制服は着心地が悪くて、ちょっと違和感がある。


着替え終わり、鏡の前で乱れた髪をなおした。


「あれ?」


首筋に赤い斑点が一つ。
これは・・・―、キスマーク。

⏰:09/02/03 21:59 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#90 [ちか]
「あんの野郎っっ!!!!」


怒りがピークに達した俺は勢いよく部屋を飛び出した。


いつの間につけたんだ?!


ドタドタと乱暴に階段を降りて、真っ先に恭弥のもとへ向かった。

⏰:09/02/03 22:03 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#91 [ちか]
「はぁッ・・はぁッ・・はぁ!!」

「そんなに急がなくてもいいのに。」

恭弥の呑気な口調が余計に俺を苛立たせる。

「これっ!!!!なんだよ!!」


俺はシャツの襟を少し引っ張って、キスマークを指指した。

⏰:09/02/03 22:06 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#92 [ちか]
「なにって・・キスマークがどうかした?」

「はぁぁ?!?!」


どうかした?!?!
普通どうかするだろーが!!

コイツ絶ッッ対おかしい!!


「怒るなって。知ってる?
すぐ怒るのってカルシウムが足りな・・「うるさいっ!!!!!!」

カルシウムじゃなくて、
お前のせいだ!!
オ・マ・エ・のっ!!!

⏰:09/02/03 22:12 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#93 [ちか]
「落ち着きけよ。
時間がないから君の分の朝食は車の方で食べるようにしてもらったよ。」

「そんなのどーでもいいんだよっ!!」

「良くない。
生徒会長が遅刻なんてカッコ悪いでしょ?
早く行くよ。」


そう言って恭弥は俺を引っ張って玄関に向かった。

⏰:09/02/03 22:17 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#94 [ちか]
「冥様、お鞄を。」

「ど、どーも..」

メイドに手渡された鞄も新品。中身も全部。ついでに靴まで。


「「行ってらっしゃいませ」」


両サイドにびっしりと並ぶ執事とメイドが声を揃えてそう言うと、さすがに迫力があった。

⏰:09/02/03 22:20 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#95 [ちか]
執事の人が玄関の扉を開けると、昨日よりはだいぶ短いリムジン。


「どうぞ、お乗りください。」

そう言って執事がドアを開けてくれた。


金持ちはこれが普通なんだよなぁ..。

⏰:09/02/03 22:25 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#96 [ちか]
車にエンジンがかかると、この糞広い庭を走り出した。



車内は無言。





そして中途半端な距離感。

⏰:09/02/03 22:29 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#97 [ちか]
「警戒してるの?」

ビクッッ!!!


沈黙の中での突然の問いかけに過剰反応してしまった。


「あ、当たり前だろっ!!」

目を合わせずにそう言うと、目の前にあったパンをおもむろに口へと運んだ。

⏰:09/02/03 22:36 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#98 [ちか]
また続く沈黙。


張り詰める空気。



なぜか焦ってパンを頬張り続ける俺。


「んっ!!・・・ゴホッ、ゲホッ!!」

の、喉につまった!!(汗)

⏰:09/02/03 22:40 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#99 [ちか]
なんか飲みもん!!!!


「ゲホッゴホッ!!!///」

なにしてんだ俺!//
恥ずかし..


「なにしてんの・・はい、水。」


少し呆れたような笑みを浮かべて水を差し出す恭弥。

⏰:09/02/03 22:45 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#100 [ちか]
俺はそれを奪い取るようにして受け取ると、一気に飲み干した。

「あー、苦しかった・・・」


やっと落ち着いた俺はため息をこぼした。


「冥見てると飽きないな。」

笑いながらそう言われた。

「・・・嬉しくないっ」

俺はすねた口調で返した。

⏰:09/02/03 22:50 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#101 [ちか]
「あはは、やっぱり可愛い。」

「それも嬉しくないっ!!!」

「あはは」

「笑うなっ!!」

そんな言い合いを続けていると、

「恭弥様、もう少しで到着でございます。」

と運転手の人が言った。

⏰:09/02/03 22:55 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#102 [ちか]
そして数分後。


静かに車が停まった。

ガチャ

「行ってらっしゃいませ。」

「ありがとう。」

「それではまた帰りにお迎えにあがります。」


そう言って車は再び走っていった。

⏰:09/02/03 22:58 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#103 [ちか]
毎日こんな事してもらってたのかあ。



そりゃ、遅刻常習犯の俺が恭弥と会わないわけだ。


そんな事をぼんやり考えていると、

「じゃ、また帰りにね。」


と言って恭弥はスタスタと先に歩いていった。

⏰:09/02/03 23:02 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#104 [ちか]
ガラガラッ


教室を開けた途端、クラスメイトが俺に群がってきた。

(なになになに?!?!)


あっという間に囲まれてしまった。

⏰:09/02/03 23:25 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#105 [ちか]
「今、黒羽先輩の車から降りてきたよね?!」

「え、う、うん・・」

「やっぱり一緒に降りてきたのって日下君だったんだあ!!」

「まぁ・・」

「なんで一緒だったの?!」

「えっと・・、」

「「「なんで?!?!」」」


そんな一辺に答えれるかあああ!!!!

⏰:09/02/03 23:33 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#106 [ちか]
やっとの事で質問攻めから脱出し、自分の席に着く事が出来た。


「お疲れさーん」

「・・あぁ透か。ありがと。」

話かけてきたのは親友の蓮見透(ハスミトオル)。

「お前生徒会長と絡みあったっけ?」

「・・んー、まぁ..な。」

⏰:09/02/03 23:37 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#107 [ちか]
「へえー。人気者に関わると大変だねえ。」

「お前他人事(ヒトゴト)だと思って・・」

「だって他人事だし(笑)」

そう言って透は笑った。


「てかさあ、アイツってそんな人気者なの?」

⏰:09/02/03 23:50 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#108 [ちか]
「そりゃ、黒羽恭弥つったら人気人気。
あの頭脳(アタマ)にあの運動神経、しかも美形。
それで大金持ちのボンボンとくりゃあ、人気にならねーワケねえだろ(笑)」


「そーなんだ・・」



あんなド変態野郎のどこがいいんだか。

⏰:09/02/03 23:55 📱:P906i 🆔:Z2RBanbU


#109 [ちか]
「HR始めんぞー。席つけー。」

そう言って担任が入ってきた。


いつにも増して長ったらしい担任の話。


(だりぃなあ。)

⏰:09/02/04 00:00 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#110 [ちか]
朝からいろいろあったせいか、疲れ果てた俺を睡魔が襲った。


授業なんて全く耳に入らない。


だいたい窓側の席で寝るなってのが無理な話だよ。

⏰:09/02/04 00:02 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#111 [ちか]
ふとグラウンドの方に目をやると、どっかのクラスが体育の授業中。



あの黒髪の長身野郎は・・


まさしくアイツ。

⏰:09/02/04 00:07 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#112 [ちか]
やっぱり一際目立っている。
そりゃあのルックスだもんな〜。


なんて思いながら見てると

(・・げっ、目合った!!)


向こうも俺に気づいたようだ。

⏰:09/02/04 00:11 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#113 [ちか]
(あっかんべー。)


なんて子供じみた事をしてみた。
すました顔のアイツがやけに気にくわなかったから。


・・が、アイツは特に表情を変える事もなく目をそらしてしまった。


無視か?!
いや、やっぱり俺に気づいてなかったのか・・?
相手にされなかったせいか急に恥ずかしくなった。

⏰:09/02/04 00:16 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#114 [ちか]
しかしそれは気のせいじゃなかった。


昼休み、5限目の教室移動の為廊下を歩いてると、向かい側から歩いてきたのはまたしてもアイツ。



今度は完全に目があった。
この距離ならそれくらい分かる。


・・なのにまたそらされた。

⏰:09/02/04 00:22 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#115 [ちか]
少し苛立った俺は、すれ違い際に
「なんでさっき無視したんだよ。」
と話しかけた。



しかしそれも無視。
これは明らかに無視だ。
聞こえてないはずがない。

なんらかの反応を期待してた俺は、驚いて振り返った。

⏰:09/02/04 00:27 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#116 [ちか]
アイツが通る度にみんな振り返る。


教師だって生徒だって、
みんなアイツをチヤホヤする。



そうだ。
俺の知ってるアイツは、
そう言う奴だった。


今朝まであんなに近かったはずの存在が、急に遠くに感じた。

⏰:09/02/04 00:34 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#117 [ちか]
よく考えてみれば、

俺とアイツが出会ったのは今年の春で、ちゃんとした言葉を交わしたのは昨日の夜が初めてで。


そんな俺がアイツの眼中にあるわけないよな。

振り返った先に居るアイツは誰かと優しい笑顔で話してる。

⏰:09/02/04 17:17 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#118 [ちか]
そんな光景を見た瞬間、
なぜか胸が軋んだ。



なんなんだろう、これは。



昨日知り合ったばかりの奴になんの感情を抱いているんだろう・・―

⏰:09/02/04 17:20 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#119 [ちか]
全身が熱くなった。



見たくないのに目はアイツを追ってしまう。



これじゃ、まるで・・――

⏰:09/02/04 17:22 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#120 [ちか]
キーンコーン
  カーンコーン..


予鈴が鳴ってふと我に返った。



「あれ、冥?」


声の主は透。

⏰:09/02/04 17:25 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#121 [ちか]
「お前一人?」

「あ、うん。ちょっと担任に呼び出されてたから。」

「そっか。俺もちょっと部長と話しててさあ。
次移動だよな?一緒に行こーぜ。」

「うん..」


そう頷いてもう一度振り返る。


アイツはもう居なくなっていた。

⏰:09/02/04 17:30 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#122 [ちか]
「冥?どうかした?」

「・・いや、なんでもない。行こっ」



俺は何を気にしてるだ。
馬鹿みたいに。―――‥


_

⏰:09/02/04 17:32 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#123 [ちか]
俺は少し先にいる透にかけよって、早足でそこを去った。


早くこの場所から離れたくて。


この気持ちを忘れたくて。

―――――‥‥‥
―――――――――――

⏰:09/02/04 17:36 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#124 [ちか]
SHRが終わって帰る支度をする。


いつもなら水曜日は慌ただしく教室を出る筈なのに、店を辞めさせられた俺にはもうその必要はない。


『じゃ、また帰りにね。』


朝のアイツの言葉が蘇った。

⏰:09/02/04 17:43 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#125 [ちか]
今は会いたくない。




そう思いながら俺は机に顔を伏せた。

「はぁ・・」

口からは自然にため息が
零れる。

⏰:09/02/04 17:50 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#126 [ちか]
「帰んねーの?」

透が俺の顔を覗きこむようにして聞いた。

「ん、あ..いや帰るけど。」



帰るけど・・――、
どっちに帰ろうか。

⏰:09/02/04 17:56 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#127 [ちか]
「んじゃ、行くぞ。」

透はそう言って優しく笑うと、俺の頭をポンポンと叩いた。




きっと心配してるんだろう。
コイツ、昔っから俺が落ち込んでる時そうするから。

⏰:09/02/04 18:01 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#128 [ちか]
俺は思い腰を上げ、透と教室を出た。


「なあ、透ー。」

「なんだよ?」

「今日さ、お前ん家に泊めてくれない?」

「別にいいけど・・、なんで急に?」

「んー、今日は帰りたくないって言うか・・」

「ふーん。」

⏰:09/02/04 18:26 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#129 [ちか]
靴を履き替えて校門に向かった。


アイツの家に帰らなくて済む。
アイツに会わなくて済む。

そう思うと、少し気持ちが軽くなった。





しかしそんな時も束の間、俺の足は校門の前で止まった。

⏰:09/02/04 18:36 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#130 [ちか]
`

「遅い。」


ジャリ..と砂を鳴らして、
不機嫌そうに俺を見つめそう言うのは





俺が今一番会いたくない人。

⏰:09/02/04 18:46 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#131 [ちか]
なんでアイツが?!
もしかして待ってた?!


いきなりの出来事に俺は動揺を隠しきれず、言葉に詰まった。


「何分待ったと思ってるの?」


いつからかけていたのか、眼鏡をかけた顔がやけに色っぽい。

⏰:09/02/04 21:42 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#132 [ちか]
>>128訂正
思い腰
└→×
重い腰
└→○
すいません><

⏰:09/02/04 21:44 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#133 [ちか]
なんで怒ってんの?!
て言うか、待ってくれなんて頼んだ覚えはない!!
だいたいさっきまで無視だったくせに!!


言いたい事がありすぎて、余計に俺は言葉を詰まらせた。


「・・・君は?」

恭弥の視線が俺から隣へと移った。

⏰:09/02/04 21:53 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#134 [ちか]
「蓮見・・透って言います。」

透の声がやけに低くて、俺はチラリと横目で透を見た。


「ふうん・・。」


そう言って恭弥は上から下、下からまた上へと透を舐めるように見た。

2人の間に淀んだ空気が流れているような気がするのは、俺の勘違いだろうか・・

⏰:09/02/04 21:59 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#135 [ちか]
「コイツに用があるんですよね?俺帰るんで、遠慮せずにどうぞ。じゃあな、冥。」

「え、ちょっ・・透っ!!!?」


透は刺々(トゲトゲ)しく言い放つと、一度恭弥を睨んでスタスタと帰っていってしまった。


_

⏰:09/02/04 22:04 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#136 [ちか]
今の状況で俺を一人にしないでくれ!!(泣)


と言いたいけど、さっきよりもさらにすごい剣幕で怒っているコイツを目の前にしてそんな事言えるはずがない。


「・・・帰るよ。」

そう言って恭弥は俺の腕を掴んだ。

⏰:09/02/04 22:23 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#137 [ちか]
その力はすごく強くて、俺は咄嗟に恭弥の手をどけた。



なんなんだよ・・。
無視したり、
いきなり怒ったり..

勝手すぎるんだよ・・―っ


なぜかまた胸が軋んだ。

⏰:09/02/04 22:29 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#138 [ちか]
また身体が熱くなる。
さっきより胸が苦しくなる。


「―――・・・んで、」

「え?」

「なんでアンタはそう勝手なんだよっ!!!!」


俺は恭弥を睨みつけて言った。
突然の反論に驚いているのか恭弥は目を丸くしていた。

⏰:09/02/04 22:40 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#139 [ちか]
「無視したり、急に怒ったり・・・勝手すぎるんだよっ!!!」

一度込み上げて来た感情は止まる事をしらない。

「無視?なんの事?」

「とぼけんなよ!!
体育の時も廊下の時もっ・・――!!」

今さらとぼけるなんて酷いじゃん・・
そうやって俺をいい様に利用して・・・――っ

⏰:09/02/04 23:02 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#140 [ちか]
「ズルいんだよっ・・――!!」

そう言って俺は恭弥の胸を強く叩いた。

視界がぼんやりと滲んだ。


無視されてから一日中頭はコイツの事でいっぱいで。
苦しくて、辛くて。


これじゃまるで、
“片思い”でもしてるみたいだ‥‥――

⏰:09/02/04 23:12 📱:P906i 🆔:2CiSMaGI


#141 [ちか]
言いたい事を吐き捨てるように言い終わると、俺は恭弥の顔を恐る恐る見た。



恭弥はまだ驚いた顔している。
が、すぐにその表情は笑顔へと変わった。
そして、



ひょいっ

⏰:09/02/05 00:09 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#142 [ちか]
「わっ!?!?」


突然冥をお姫様抱っこのような形で抱き抱えた。


「思ったより軽いんだね。」


そう言って車に乗せると、「いつもより出来るだけ早く着くようにして。」と言い、車を出させた。

⏰:09/02/05 00:13 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#143 [ちか]
っな・・・、
コイツまた強引にっ・・―


しかもお姫様抱っこって!!

俺がなんで怒ってるのか、まるで伝わってない!!




・・て言うか、絶対さっきより機嫌よくなってる!!!!

⏰:09/02/05 00:30 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#144 [ちか]
(もう知らねーっ!!)


俺は心の中でそう叫んで、プイっと顔を窓の方に向けた。




沈黙の中、車は行きしなより3倍も4倍も早く黒羽家に着いた。

⏰:09/02/05 00:38 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#145 [ちか]
家の前に着くと、恭弥は俺を引っ張り車から降りた。

「離せっ!!離せってば!!!!」

「・・・・・・。」


なんの応答もないまま、恭弥はただ俺を引っ張って歩いていく。


強く握られた手首が少し痛い。

⏰:09/02/05 01:00 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#146 [ちか]
玄関でのメイドと執事の出迎えに見向きもせず、だだっ広い廊下を早歩きで通りすぎ、階段を上がって。



ガチャッ





着いたのには俺の部屋・・?

⏰:09/02/05 01:00 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#147 [ちか]
>>146訂正
着いたのには
└→×
着いたのは
└→○
すいません

⏰:09/02/05 01:12 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#148 [我輩は匿名である]
面白い

⏰:09/02/05 08:02 📱:F703i 🆔:h2jki5C.


#149 [ちか]
>>148
└→匿名さま*
ありがとうございます
良かったら感想板にも遊びにきてくださいね★
感想板↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/

⏰:09/02/05 16:44 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#150 [ちか]
>>146

恭弥は静かにドアを閉めると、掴んでいた手を強く引いて俺をベッドに座らせた。


「なんなんだよっ!!」


ドアの前に突っ立っている恭弥を睨みつけて言った。

⏰:09/02/05 17:05 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#151 [ちか]
「・・・・・。」

恭弥は小難しい顔をして、俯いていた。


この期に及んでまだ俺を無視すんのか!!!


俺は睨んでいた目をさらにキツくする。


しかし、あまりにも美しいソレに段々目を奪われてしまった。

⏰:09/02/05 22:34 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#152 [ちか]
「・・・、さっき僕を狡(ズル)いって言ったよね?」


沈黙を破ったその声で、自分が恭弥に見とれていた事に気づいた。


「え、うん..」

なんだ、ちゃんと聞こえてはいたのか。
ならなんで反応してくれないんだよ。
なんで解ってくれないんだよ。――――‥‥

俺はぎこちない返答をする。

⏰:09/02/05 22:56 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#153 [ちか]
「‥‥、そうかもしれない。」


眉間にシワを寄せ、ため息を吐いて呟いた恭弥のその言葉の意図が分からなくて、俺はただただそいつを見上げた。


少しして、また恭弥は俺を見据えて口を開く。


「さっき、お前があんまり可愛い顔をするから・・・
独り占めしたくなった。」


そう言って恭弥は視線を俺から斜め下へ落とすと、自分の前髪をクシャリと握った。

⏰:09/02/05 23:41 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#154 [ちか]
全身が一瞬で熱くなるのがわかった。



心臓が五月蝿い位
高鳴っている事も。






そして、悔しいほどときめいてしまった事も。

⏰:09/02/05 23:58 📱:P906i 🆔:3G19hwBE


#155 [ちか]
「だから早くココに着いてほしかったんだ。
あの場所じゃ、みんながお前の顔を見れただろ?
それがたまらなく嫌で‥。」


恭弥はそう続けて、また俺の方に向き直った。


顔は少し赤らんでいて、それを隠す為なのか片手は口元を隠していた。

⏰:09/02/06 00:21 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#156 [ちか]
なんで。
なんでそんな顔をするんだよ。




そんな目で見られたら、
剃らせなくなる。



そんなこと言われたら、
抑えてた気持ちも
膨らむばっかりで・・――っ

⏰:09/02/06 00:36 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#157 [ちか]
「やっぱりズルいよ‥―」



今自分がどんな表情(カオ)を痛い程分かるから、出来るだけ俯いてそう呟いた。


どう伝えたらいいんだろう。

少しのことですごく胸が苦しくなって、だけどほんの少しのことでときめいてしまうこの感情を。

⏰:09/02/06 21:39 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#158 [ちか]
>>157訂正
今自分がどんな表情を痛い程分かるから
└→×
今自分がどんな表情をしているか痛い程分かるから
└→○

すいません><

⏰:09/02/06 22:00 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#159 [ちか]
恭弥はゆっくり俺の方に歩いてくると、俺の身長に合わせるように床に膝をつけた。


「それから、さっきの‥無視が云々てやつも。
したつもりはないけど、お前がそれで傷ついたなら謝る。
だから顔あげてよ、冥。」



そう言って俺の頬に優しく触れた。

⏰:09/02/06 22:16 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#160 [ちか]
コイツの声はまるで魔法みたいだ。



甘く囁かれると、勝手に
身体が動いてしまう。


神経の全てがその声を
もっと求めてしまう。


  

⏰:09/02/06 22:27 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#161 [ちか]
俺はゆっくりと顔をあげた。



目の前には漆黒のきみが俺を真っ直ぐに見つめてる。




それだけで全身は更に熱くなった。

⏰:09/02/06 22:41 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#162 [ちか]
「機嫌は治ったかな?」



そう言って恭弥は悪戯に笑う。


「うるさ・・‥、んン..//」



言い返そうとしたけど遮られて唇を奪われた。

⏰:09/02/06 22:59 📱:P906i 🆔:ched2wCU


#163 [ミカン]
ハマりました
頑張って下さいッ

⏰:09/02/06 23:42 📱:P905i 🆔:BoKt1Qyc


#164 [ちか]
>>163
└→ミカンさま*

ハマってもらえたとか嬉しすぎです´∀`
良ければ感想板にも来てくださいね
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/

⏰:09/02/07 00:18 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#165 [ちか]
そのキスは俺の思考回路の全てを停止させる。




神経を完全に奪って離さないソレが、俺を狂わせていく。



なんて狡いんだろう、この人は。

⏰:09/02/07 16:31 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#166 [ちか]
その甘さと気持ちよさに、俺は心を奪われる。



もっと、
もっと、と求めてしまう。




恭弥はそんな俺を解っていて、わざとあっさり唇を離した。

⏰:09/02/07 16:35 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#167 [ちか]
クチュッと音を鳴らして唇を離すと、恭弥は自分の唇を舐めた。


その顔も仕草も色っぽくて、目を奪われてしまう。


あっさりと離された俺は物足りなくて、ほのかに残った熱と感触を確かめるように指で唇をなぞった。

⏰:09/02/07 16:43 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#168 [ちか]
「クスッ‥もっとしてほしかった?」


恭弥はそう言って意地悪く笑う。


その質問があまりにも確信をはっきりと突いていて、俺は顔を赤らめた。

⏰:09/02/07 17:30 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#169 [ちか]
「う‥るさい‥っ//」


弱々しく言い返す俺。

本当はもっとしてほしい。
もっと触れてほしい。



だけど、そんな事言えない。
それを口にしてしまったら、恥ずかしくてコイツを睨めそうにもないから。

⏰:09/02/07 17:38 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#170 [ちか]
「クスッ、素直じゃないんだから。」


見透かしたようにそう言うと、また唇を塞いだ。

「ッ・・ハァ‥ンッ!!・・ぅっ‥///」

さっきよりもさらに濃くて、優しいキス。

離れたくなくなるほどに。

⏰:09/02/07 17:50 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#171 [ちか]
その気持ちよさに、俺の目はだんだんとまどろんでいく。


「クスッ・・冥、可愛い。」

「‥―!!あ‥ッ・・ん///」


甘く囁かれて突然耳を甘噛みされた俺は熱っぽい声をあげた。

 

⏰:09/02/07 18:11 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#172 [ちか]
「耳、感じるの‥?」

恭弥は俺のツボを知っているかのように、甘く低い声で囁く。

「・・ッハァ‥からかうな‥ぁッ!!!///」


途切れ途切れに言い返しながら肩で息をする俺を見て、恭弥は満足げに微笑んだ。

⏰:09/02/07 18:17 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#173 [ちか]
耳から首筋へ、首筋から鎖骨へと舌を這わされて、俺はその快楽によって出そうになる声を噛み殺す。



その唇に、
その舌に、
その指に感じていることを知られたくなかった。



俺の小さなプライドがそれを許さなかった。

⏰:09/02/07 20:17 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#174 [ちか]
「なんで我慢するの?」


恭弥は舌を這わしながらも、その合間に俺の微妙な行動を察して、的確な問いを投げかける。


まるで、お前の頭の中なんてお見通しだ、と言うような余裕の笑みで俺を見つめる。


俺はそれが悔しくて、今にも出そうな声を必死に飲み込んだ。

⏰:09/02/07 20:28 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#175 [ちか]
「へえ‥―
冥は頑固だね。
でも・・いつまで我慢出来るかなあ?」


その瞬間、恭弥は今まで見せたことのないような表情(カオ)をした。

俺はそれに思わず気をとられて、

「‥―ッ!!!!?///んぁ‥ハァッ!!//」


恭弥に隙を与えてしまった。

恭弥その一瞬を逃さず、ズボン越しから俺のモノを鷲掴みにした。

⏰:09/02/07 20:49 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#176 [ちか]
「クスッ・・こんなに膨らんで‥―。ここ、狭そうだね?」

「ハァッ‥んン!!///やめっ・・//」


細長い指先が、円を描くように俺の堅くなったモノをなぞる。


俺は身体をよじってその手から逃れようとするが、それが余計に恭弥を本気にさせてしまった。

⏰:09/02/07 21:06 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#177 [ちか]
「んぁッ!!//ハァッ‥―!!//」


突然胸の突起に吸い付かれた俺はあっけなく吐息混じりの声をあげてしまった。


俺の小さなプライドはコイツにいとも簡単に崩されていく。


いつの間に剥ぎ取られたのか、俺は上半身に何も纏(マト)っていなかった。

「厭らしい格好だね。クスッ
相当我慢してたでしょ?」

耳元で囁き、
胸の突起を弄び、
左手で俺のきわどい部分をなぞっていく。

⏰:09/02/07 21:21 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#178 [ちか]
その気持ちよさと、恥ずかしさに俺は両手で顔を覆った。


「も‥ぅ‥ンッ//やぁ‥っ」


嫌になる。
恭弥に触れられる度に、身体がピクッと反応してしまう自分が。


腰を浮かせて、もっと強い刺激を望んでる身体が。

⏰:09/02/07 21:37 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#179 [ちか]
吐息混じりの卑猥な声は、広い部屋によく響いた。



自分がこんなにも厭らしい声を出しているんだと改めて実感して、余計に恥ずかしくなる。


「そろそろかな。」

その声と共に俺はズボンと下着を剥ぎ取られた。

⏰:09/02/07 21:42 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#180 [ちか]
照明が、そそり勃つソレを照らしてる。


「我慢汁まで垂らして‥」

「いっ‥んゃあッ!!///」


恭弥は我慢汁をすくいとるようにソレをなぞった。


今までにない快楽が俺を容赦なく襲う。


「ふ・・ぁ‥ハァッ‥―!//」

裏筋を舐めあげられ、身体がビクンと跳ねた。

⏰:09/02/07 21:49 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#181 [ちか]
恭弥に弄ばれることによって、ソレはさらに大きさを増した。



俺の敏感な場所を容赦なく責める。


「だっ・・め‥!!///
な‥ハァ..ッん、ぁッ//おかし・・くな・・りそ‥―!!//」


途切れ途切れだが、それでも必死に訴えた。
初めての感覚に俺は不安で仕方なくて、恭弥の服を握った。

⏰:09/02/07 21:57 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#182 [ちか]
「おかしくなれば?」


一番甘く低く、そして妖艶な声でそう囁かれ、尖端を強く吸い上げられた瞬間、


「ンあぁッ‥――!!!!///」



激しく脈打ちながら、
白く濁ったものを恭弥の口内に放った。

⏰:09/02/07 22:05 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#183 [ちか]
「ハァ‥‥ハァッ‥―//」


肩で大きく息をしながら、恭弥を見た。


ゴクン..

俺の出したモノを呑み込んで、怪しく微笑んだ。

そして口の端についた液体を指で絡めとって舐める


「いっぱい出たね..」

恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

⏰:09/02/07 22:11 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#184 [ちか]
「‥でもね、これだけじゃ終わらないんだよ?」


「え・・?ハァ・・ッひゃあッ!!//」


恭弥は突然俺を四つん這いにしてアナルを舐めだした。


「なっ・・ハァッ//!!にす‥―ぁあッ、・・!!//」

「ちょっと下準備を‥ね」


ピチャッ
クチュ・・

「あんッ‥‥んンあ‥!//」


部屋には俺の喘ぎ声と
厭らしい音が響く。

⏰:09/02/07 22:19 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#185 [ちか]
指を入れられて、俺のその声はさらに大きくなった。



指は一本、また一本と増えていき、俺の気持ちいい処だけを責めていく。


「こんなもんかな。」


もう少しでイキそうな俺を知ってか知らずか、恭弥は指を抜いて呟いた。

⏰:09/02/07 22:23 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#186 [ちか]
と、すぐに別のモノが俺の穴に触れた。


その感じたことのない感覚に俺は咄嗟に振り返った


「‥‥――っ!!?//」


そこには俺のより、遥かに大きく、そして反った恭弥のモノがあった。


「最初は痛いかもしれないけど‥、優しくするから」

そう言う囁く恭弥の声は、とても優しくて暖かかった。

⏰:09/02/07 22:29 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#187 [ちか]
>>186訂正
そう言う囁く
└→×
そう囁く
└→○
すいません´`

⏰:09/02/07 22:31 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#188 [ちか]
「んっ‥ハァッ!!いた‥ぁ‥ッぃ..ッ!!」


あまりの痛さに俺の瞳(メ)からは自然に涙が零れた。

全身が燃えるように熱い。


俺は耐えるようにベッドのシーツを握りしめた。

⏰:09/02/07 22:34 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#189 [ちか]
「冥‥泣かないで。もう少しだから・・――」

そう言って恭弥は俺の涙を優しく拭った。

痛さのあまり声が出せない俺は小さく頷いた。


「ん・・っあッ‥!!ハァッ・・//」


痛みも徐々に和らいだ瞬間、それと入れ代わるように快楽が俺を襲った。

⏰:09/02/07 22:39 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#190 [ちか]
「ンんぁ‥―ッ//あ‥ッひゃあ!!///」

ある一定の部分に恭弥のモノが当たった時、俺は情けない声を部屋中に響かせた。


「ここが気持ちいいんだ?」

その瞬間、恭弥は連続的にそこを突いた。

「ひゃッあッ・・んぁ//!!!」

突かれる度にその声は大きさを増してゆく。

恭弥の気持ちのよさそうな吐息と声が俺の耳に届いた。

⏰:09/02/07 22:45 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#191 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200

失礼しました(・ω・`)

⏰:09/02/07 22:49 📱:W61P 🆔:Mw4xHTo.


#192 [ちか]
「だ・・めっ・・あぁッ―!!」

一番強く突かれた瞬間、快楽の波が俺を襲って2回目の頂点に達した。


体内にドクドクと何かが入ってきたのが分かった。


きっとこれはさっき俺が出した液体と同じ・・


息遣いの荒らさから恭弥も頂点に達したことに気づいた。

⏰:09/02/07 22:50 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#193 [ちか]
「ハァッ‥―ハァッ‥―」

息をするのがやっとだった。


「ごめんね、冥。」

恭弥は少し申し訳なさそうに俺の隣で呟いた。

「‥‥?」

その言葉の意味がいまいち分からなくて、どうして?と言うような顔で俺は恭弥を見つめた。

それを察したかのように、

「泣かせるつもりはなかったんだ‥。ごめん。」

と俺を抱き締めた。

⏰:09/02/07 22:55 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#194 [ちか]
「べ‥べつに泣い‥てないし・・//大丈夫だから//」


強がって嘘をつく俺を恭弥は優しい笑顔で、「ウソつき」と囁いた。

「嘘じゃな・・//」

抱き締められながら目を瞑ると、急に睡魔が襲ってきた。


「ス―‥ス―‥」

寝息をたてて眠る俺の髪を、クスッと笑って優しく撫でた。

⏰:09/02/07 23:03 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


#195 [ちか]
夢におちるように、




俺はきみにおちていく。



優しくて意地悪な、
漆黒のきみに‥‥―――


  ― 第一話 e n d ―
 

⏰:09/02/07 23:06 📱:P906i 🆔:HBpMrMsU


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