もう二度と・・・
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#551 [キティ]
:07/06/04 08:26 :D903i :☆☆☆
#552 [林奈]
その日のうちに私はアヤさんの家に行った。
「アヤさんどうするの?」
「産むよ。だってお腹の子には罪はないし、ノブヒロの子どもを残したい」
「大丈夫なの?」
:07/06/04 18:09 :W43CA :☆☆☆
#553 [林奈]
「わからない。これは私のエゴなんだと思う。父親がいない事で生まれてくる子は傷付くかもしれない。けどね、授かった命は無駄にはしちゃいけないよ」
悲しそうな顔なのに、もう母親の顔をしてた・・・。
:07/06/04 18:12 :W43CA :☆☆☆
#554 [林奈]
アヤさんの決意は堅かった。
これからの困難を全て背負うつもりなんだね・・・。
ねぇノブヒロ、あなたの大切な人は、本当に強くて優しい人なんだね。
きっと悔しいよね・・・。
:07/06/05 09:17 :W43CA :☆☆☆
#555 [林奈]
我が子を抱けない気持ち・・・。
アヤさんの妊娠が分かり、私は久々にトモミ達に会った。
:07/06/05 09:19 :W43CA :☆☆☆
#556 [林奈]
アヤさんの妊娠を二人に話した。二人も私と同じ、複雑な顔をしたんだ。
「アヤさん本当に大丈夫なのかな?」
ヒロコが言った。
「私も思ったんだ。でももう母親の顔してたよ」
私の言葉に少し安心した顔をした二人。
:07/06/05 09:34 :W43CA :☆☆☆
#557 [我輩は匿名である]
:07/06/05 14:06 :P902iS :☆☆☆
#558 [我輩は匿名である]
:07/06/05 14:52 :P902iS :☆☆☆
#559 [林奈]
私達にできる事。
それは、アヤさんと生まれてくる子の幸せを願うだけなのかもしれない・・・。
そしてアヤさんの報告から二週間後、私はアキヤに呼び出された。
:07/06/05 23:06 :W43CA :☆☆☆
#560 [林奈]
久々に会う。
だからどことなく緊張してた。
ドライブをしながらなわいもない話。
いつも通りだった。
そしてキレイな並木道。
夕日が差し込む中、車を降りた。
:07/06/05 23:09 :W43CA :☆☆☆
#561 [キャンディ]
:07/06/05 23:11 :SH903i :☆☆☆
#562 [林奈]
キャンディさん、ありがとうIこれからも頑張るねI
:07/06/06 11:12 :W43CA :☆☆☆
#563 [林奈]
優しいアキヤの手。私はアキヤの手を離したくない。
そう思った。
並木道の先にある大きな池。
夕日が反射してキレイだった。
:07/06/06 11:18 :W43CA :☆☆☆
#564 [林奈]
切ないほど、その光景はキレイで、それはきっとあの時だからだったんだろう。
「結婚しよか」
私を見るまっすぐな目。
聞き間違い?
:07/06/06 11:22 :W43CA :☆☆☆
#565 [林奈]
「今なんて?」
「結婚しよ」
言葉がすぐに出なかった。
あまりにも嬉しくて、でも驚いた。
:07/06/06 11:24 :W43CA :☆☆☆
#566 [林奈]
「俺じゃ頼りないかな?」
「そんな事絶対にない。私こそ、お嫁さんにして下さい」
そして私の左手の薬指にはめてくれた、指輪・・・。
:07/06/06 11:28 :W43CA :☆☆☆
#567 [林奈]
すごくすごく嬉しかった。
何度拭ってもまた出る涙・・・。
こんなに嬉しい涙はもうきっと出ないかもしれない・・・。
私はそう思った。
:07/06/06 11:31 :W43CA :☆☆☆
#568 [林奈]
“この人と幸せになりたい”
心の底から思った。
ほんとにほんとに、“運命”を感じた。
アキヤ、あの時の私ね、あなたとの幸せを信じたんだよ?
もう離れたくないって願ったんだよ?
この気持ちはあなたに今届いてますか?
:07/06/06 11:35 :W43CA :☆☆☆
#569 [林奈]
そのままアキヤは、私の家に来た。
父に挨拶。
アキヤの横顔は、すごい強張ってたね。
「急にどうした?」
何の予想もしていない父の言葉。
:07/06/06 11:38 :W43CA :☆☆☆
#570 [林奈]
「結婚させてください」
「は?」
驚いた父の顔。
けど我に返り、下を向いた父。
:07/06/06 12:02 :W43CA :☆☆☆
#571 [林奈]
「そうか」
「お父さん?」
あまりにも素っ気ない父の言い方に、私はビックリした。
すると返事をしないまま立ち上がった父。
:07/06/06 13:10 :W43CA :☆☆☆
#572 [林奈]
どこに行くのかと思い、着いて行った先は、洗面所。
顔を洗いながら肩が震えてたんだ。
「よかったな。よかったな」
小さな声で泣いてた・・・。
:07/06/06 13:14 :W43CA :☆☆☆
#573 [みほ]
:07/06/06 16:47 :SH902i :☆☆☆
#574 [林奈]
父の背中。
すごくすごく優しかった・・・。
声をかける事ができず、居間で父を待った。
するとビール片手に持ち、ニコニコで来た父。
:07/06/06 23:06 :W43CA :☆☆☆
#575 [林奈]
「祝い事には酒しかないだろ」
父の照れた言い方。
私もアキヤも父の優しさに自然と笑みがこぼれてたんだ。
:07/06/06 23:11 :W43CA :☆☆☆
#576 [林奈]
“幸せ”
こんな気持ちが一生続いてほしい・・。
私は願った・・・。
でもやっぱり、私に幸せなんて似合わないんだね・・・。
:07/06/07 01:37 :W43CA :☆☆☆
#577 [林奈]
ねぇ、アキヤ?
私に幸せなんて似合わないよね?
「似合わないよ」
笑いながら答えてほしい・・・。
この瞬間だけでいいから。
どうか答えて・・。
:07/06/07 01:44 :W43CA :☆☆☆
#578 [林奈]
アキヤからのプロポーズ。
私は嬉しくて舞い上がってた。
仕事中も意味もなくニヤついて、嬉しすぎて私はサオリやトモミ、ヒロコに電話で報告。
みんな私の幸せを、願ってくれてたね。
:07/06/07 01:47 :W43CA :☆☆☆
#579 [林奈]
そんな幸せからどん底まで落ちた理由。
それは突然だった。
真夜中の1時。
アキヤからの着信。
寝ぼけたまま出た。
:07/06/07 01:58 :W43CA :☆☆☆
#580 [林奈]
「夜中にごめんな」
「どうしたの?」
「ただ声が聞きたくなっただけだよ」
おかしい。
こんな時間に声を聞くためだけにかけてくるなんて・・・。
「ほんとは何があったの?」
アキヤは黙った。
:07/06/07 02:14 :W43CA :☆☆☆
#581 [林奈]
「どうしたの?」
もう一度聞いて、やっと答えてくれた。
「林奈は、俺のために介護の仕事辞めれるか?」
「分かんない。アキヤも仕事も大事だから」
:07/06/07 22:19 :W43CA :☆☆☆
#582 [林奈]
「なんで?」
「ううん、なんでもない。遅くにごめんな」
重たい口調で電話を切ったアキヤ。
私は何か嫌な予感がしてた・・・。
:07/06/07 22:21 :W43CA :☆☆☆
#583 [林奈]
けど、それ以上聞いちゃいけないような気がして、私はそのまま寝てしまってた・・・。
朝になり、メールが来てた。
『別れてほしい』
アキヤからだった。
:07/06/07 22:25 :W43CA :☆☆☆
#584 []
おもしろくなぃ
:07/06/07 22:48 :SH903i :☆☆☆
#585 [林奈]
おもしろくないなら読んでもらわなくて結構です。
おもしろくするために書いてるわけではないんでm
:07/06/08 00:09 :W43CA :☆☆☆
#586 [キャンディ]
:07/06/08 13:04 :SH903i :☆☆☆
#587 [林奈]
キャンディさん、ありがとうI
今から更新します。
続き↓↓
アキヤからのメールは、私の頭の中を真っ白にさせた。
何度も受信先を見直しても、やっぱりアキヤだった。
携帯をボーっと見つめたまま何分経ったんだろう・・・。
:07/06/08 13:15 :W43CA :☆☆☆
#588 [林奈]
起きた父が私に挨拶してきた。
あの日が仕事が休みでほんとに良かったと思う。
あまりにもビックリしすぎてアキヤに連絡を取る事が頭から離れてたんだ・・。
:07/06/08 13:20 :W43CA :☆☆☆
#589 [林奈]
ご飯を食べることも、トイレに行くことすらも忘れ、気付いたらお昼。
私はようやくアキヤにメールした。
『あのメールは本気なんだよね?』
すぐに返事は来なくて、来たのは夕方だった。
:07/06/08 13:27 :W43CA :☆☆☆
#590 [林奈]
電話がかかり、アキヤと会った。
何から聞けばいいのか分からず、アキヤを横にしても何も言えなかった。
:07/06/08 13:29 :W43CA :☆☆☆
#591 [林奈]
「あんなメールしてごめん」
「急に何?」
「俺、親の事話してなかったよな?」
「うん」
アキヤは深刻な顔をしながら話してくれた。
:07/06/08 13:31 :W43CA :☆☆☆
#592 [我輩は匿名である]
:07/06/08 15:19 :P902iS :☆☆☆
#593 [我輩は匿名である]
:07/06/08 15:20 :P902iS :☆☆☆
#594 [我輩は匿名である]
:07/06/08 21:28 :N701i :☆☆☆
#595 [林奈]
アキヤの親は、アキヤが7歳の時に渡米した。お父さんがアメリカで起業した。アキヤは英語も分からないし、知らない土地に行くのが怖くて、親戚の家に預けられたそうだ。正月しか会えない事に、いつしか慣れてきた何年か前、お父さんの持病が悪化している事を、お母さんから聞かされたそうだ。
:07/06/09 08:45 :W43CA :☆☆☆
#596 [林奈]
そんな時、私と出会い、アメリカに行く事を先延ばししていたアキヤ。私との結婚を考え、お母さんに言うと反対された。私をアメリカに連れてくる事は、私にとって大きな負担になるから。けどお父さんのあとを継げるのはアキヤしかいない。アキヤは随分悩んだ。私を待たせるわけにはいかない。だから別れようと思ったらしい。
アキヤの気持ち。
複雑だった・・・。
:07/06/09 08:59 :W43CA :☆☆☆
#597 [林奈]
嫌われたわけではない。
けど、私はどう答えればいいのか分からなかった。
「なぁもう一度聞いていいか?今の仕事好きか?」
「好きだよ」
「そっか。俺な、お前の仕事を辞めさせてまで付いて来て欲しいなんて言えない。それにお父さんも許すはずがないだろ。娘を知らない土地に快く送り出す親なんていないよ」
:07/06/09 09:06 :W43CA :☆☆☆
#598 [林奈]
アキヤの気持ちは決まってた。
私は泣くとかそんなものすら越してしまうくらい、辛かった・・・。
「行かないでよ」
何度言いたくなっただろう・・・。
:07/06/09 09:10 :W43CA :☆☆☆
#599 [林奈]
私とアキヤはその日を境に別れた。
幸せだった日から、突きつけられた現実。
受け止めるしかなかった。
アキヤもいっぱい悩んだんだと思う。
けど、私は思ったんだ。
アキヤがお父さんを選んでくれてよかったって・・・。
:07/06/09 09:14 :W43CA :☆☆☆
#600 [林奈]
お父さんじゃなく、私をもし選んでいたら、私はきっと怒ってたと思う。
この世に一人しかいない父親を、見離すような事はしてほしくなかったから。
:07/06/09 09:16 :W43CA :☆☆☆
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