俺が一番と思った女2
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#700 [しゅん]
[そっか…]

「お前は何でそのことを知っとるん?」

黙る優歌を目の前に、嫌な予感が俺を襲う。
優歌は未来が入院しているのを知っている。おかしな話や。
俺はもちろん、嵐だって俺のお袋だって、優歌に言うはずねぇし。

⏰:08/11/25 17:02 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#701 [しゅん]
「何で?」

[しゅんがね北九に帰ってるとき、あたしもたまたま北九におって…
ばあちゃんのお見舞いに行ったん。
そこで、嵐くんとしゅんを見た。]

「何で話しかけにこんやったん?」

⏰:08/11/25 17:02 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#702 [しゅん]
[わからん…しゅんから、北九に帰るっちことも聞いてなかったし、あたしも行くっち言ってなかったし…]

「それで?」

[着いていったん。そしたらある病室に入っていって。
そん時は見れんやったけど、しゅんたちが帰ったあと病室の前に行ったら一ノ瀬未来っち名前が書いてあったけん。
それで未来ちゃん入院してるのがわかった。]

⏰:08/11/25 17:03 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#703 [しゅん]
「そっか。で?大変なことしたっちゅーのは?」

[その前に…しゅん。あたしのこと好き?]

「…今はわからん。正直言うけど気持ちねぇかも」

[それは、未来ちゃんと会ったから?]

⏰:08/11/25 17:03 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#704 [しゅん]
「んーそれもあるかもしれん。でも、お前目の前でやりよったけね。
今、一気に冷めた部分もある。
でも、それだけやねぇよ。今までのお前の行動とか色々ついていけんとこはたくさんあった。
それに追い討ちをかけたっち感じやね。」

[未来ちゃんに会ってなかったら?]

⏰:08/11/25 17:03 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#705 [しゅん]
「どーやか?でも、お袋からその話は聞いとるし。
どっちにしろ会いに行っとるやろーし、先にそんな場面を見た分、余計お前から気持ちは離れとったやろーな。」

[そっか…]

「で?大変なことっちなん?」

⏰:08/11/25 17:07 📱:PC 🆔:ULSM9mf.


#706 [しゅん]
[しゅんが未来ちゃんの病室から出たあと、あたし未来ちゃんの部屋の前まで行ったんね。
しゅんも嵐くんも泣きよって、それ見ると悔しくて。
しゅんが普段見せん態度を見てしまって、自分が置いてきぼりな気がした。
何がしたかったとかやなくて、ほんとは部屋に入るつもりなんかなかったん。
でも、何かムカついたのは覚えてる。
それで、自分でもわけわからんうちに部屋をノックしてた。]

⏰:08/11/28 16:45 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#707 [しゅん]
「は?未来の部屋に入ったっちこと?」

[うん。]

「いや、ありえんやろ。」

[今考えれば何しよったんやろっち感じで、自分でもほんとにどうしたかったんかわからん]

「で?何したん??」

⏰:08/11/28 16:46 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#708 [しゅん]
[どーぞっち声が聞こえて、中に入ったら、未来ちゃんめっちゃ泣いてた。
あたしのことはもちろん知らんし、誰やか?っち感じであたしのこと見よってから。
未来ちゃんは涙を拭いた後、あたしに軽く会釈してこんにちはっち言ったん。
未来ちゃんは何も知らんのに、そんな態度に無性に腹が立って、しゅんのこと色々言ってしまった]

「何ち?」

⏰:08/11/28 16:46 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#709 [しゅん]
[あたしは、しゅんの彼女やけど。
今日しゅん来たんやろ?まじ迷惑なんよね!涙の演技なんかされたら。
何の病気かは知らんけど、しゅんを巻き込むのはやめてくれん?
病気をネタにして近づくとかずるいよね。っち。
こんなん言ってしまった。もっとひどいことも言ったと思う]

「未来は悪くねぇ。俺が勝手に会いに行ったんちゃ」

[それさっき初めて知ったと。あたしはそん時知らんやったけん。ごめん]

⏰:08/11/28 16:47 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#710 [しゅん]
優歌の行動を聞いて、

ありえんやろ。

この言葉以外見つからない。
未来は何も悪くねぇのに。

⏰:08/11/28 16:47 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#711 [しゅん]
「で?」

[未来ちゃんは、申し訳なさそうにごめんなさいっちあたしに謝ってた。
しゅんは悪くないけん、あたしが悪いからっちずっと言ってた。
しゅんのせいには一回もせんかったん。
そんなしゅんをかばう未来ちゃんにあたしままたムカついて
偽善者ぶらんでくれん?とか
その態度まマジムカツクとか色々言ってしまった…
したらね、未来ちゃん泣きだしてから。
あたしのせいで、2人が別れることになったらどうしようっち。]

⏰:08/11/28 16:48 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#712 [しゅん]
「…」

[未来ちゃんは、自分から連絡を取ったっち言ってた。
しゅんに連絡取ったのは、病気のことでちょっといろいろ追い詰められてて、
話し聞いてほしくなってしてしまったっち。
やから、しゅんは悪くないっち。
巻き込んでしまってごめんねっち。
未来ちゃん嘘ついてたんやね。
あたしは、未来ちゃんが言いよること信じてたけん、さっきまでしゅんが悪いとかちょっとも思わんやった。]

⏰:08/11/28 16:48 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#713 [しゅん]
「俺が連絡とって、会いに行った。
未来は会いたくねぇっち、ずっと拒否しよったけど、俺が無理矢理会いに行ったんちゃ。
何で未来なん?まずは俺やろ?何で未来に直接そんなこと言えるんかちゃ!」

[ごめん。でも、あたしだって必至やった。
未来ちゃんがね泣いて謝りながら、アドレスも変えるし、しゅんのメモリも消すねっち言ってて。
そのうち携帯変えて、番号もわからんようにするから。
それでも、別れるとかなってしまったらどうしようっち。すっごい言いよって。
そんな、いい子ぶった行動にあたしはめっちゃイライラして、最後にめっちゃひどいこと言ってしまった]

⏰:08/11/28 16:48 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#714 [しゅん]
「これ以上ひでぇことっち何があるん?」

[そんな涙流したって、何も変わらんよ?
別れたらどうしようとかいう心配、大きなお世話やけ。
あたしたちは、あんたのことぐらいで別れたりする関係やないし。

それから、しゅんがあんたに会った理由は、情でしかないけ!
死んだらお見舞い行かんやったことを後悔するけ来ただけ。
残念やね。
そんな感じのこと言った。]

⏰:08/11/28 16:50 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#715 [しゅん]
それを聞いた瞬間、優歌を殴りそうになった。
女とかそんなん関係ねぇ。
ぶん殴ろうと本気で思った。

それでも殴ることは出来んくて、代わりに俺の目からは涙が溢れていた。

⏰:08/11/28 16:50 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#716 [しゅん]
「お前、人として最低やな」

そう言う俺に何も返してこない優歌。

「帰る」

そう一言言って、俺は優歌の部屋から出た。

玄関で優歌は俺の腕をつかみ、

[ごめんなさい。待ってるから。この手がまた握ってもらえるように待ってる]

そう繰り返していたが、俺の耳にはただの雑音でしかなかった。

「放せ」

そう言うと、優歌は力尽きたように俺から離れた。

⏰:08/11/28 16:51 📱:PC 🆔:a97Ye9yo


#717 [しゅん]
あの日、俺が病院から帰ったあと、優歌と未来の間でこんなことがありよったなんか誰が想像出来ただろうか。

未来から来たありがとうのメール。

どんな気持ちで打ったのか。

俺はまた自分勝手な行動から、未来を巻き込み、傷つけ、泣かせてしまった。

⏰:08/12/12 15:38 📱:PC 🆔:inEScXVY


#718 [しゅん]
何度同じことを繰り返せば、俺は学習するのか。

俺が取る行動一つ一つが空回りし、周りをも巻き込んでしまう。

どうすればいん?

そんなこと、俺自身が一番わからなかった。

⏰:08/12/12 15:38 📱:PC 🆔:inEScXVY


#719 [しゅん]
そん時は、冷静になって考えれなかったが
今思えば、俺が優歌に言った言葉も正当なことではない。

優歌と付き合っている以上、未来に会うことを正当化するのは間違っている。
どんな状況であれ、優歌に出来ることはあったはずだ。

⏰:08/12/12 15:40 📱:PC 🆔:inEScXVY


#720 [しゅん]
「理由を説明し、会いに行きたいことを伝える。」

これも一つの考え。
例え優歌が反対したとしても、状況は変わったはずだ。
少なくとも、ここまでの状況に落ちはせんやったんやねぇやかとも思う。

⏰:08/12/12 15:40 📱:PC 🆔:inEScXVY


#721 [しゅん]
むずけぇね。
今更、こんな後悔をしてもおせーんやけど。
今こう過去を振り返ると、俺は何も考えてねぇなっちつくづく思う。

でも、あん時の俺にとってはその時その時が精一杯で、目の前の壁に全力でぶつかっていたのも確か。

理由になるかもしれんけど。
実際、そんな人のことを考えれるような状況でもなかった。

⏰:08/12/12 15:41 📱:PC 🆔:inEScXVY


#722 [しゅん]
正直、このときは優歌がやっていたこととか、そんなんどうでもよくて
未来が優歌の言った言葉で傷つけられていることが心配だった。

[死んだらお見舞いに行かんやったことを後悔するから]

手術する前にこんなん言われて、ショックやないわけがねぇ。
そう思っているのが俺となれば尚更や。

⏰:08/12/15 16:37 📱:PC 🆔:a6o/jfrU


#723 [しゅん]
俺はそんなこと一欠けらも思ってねぇのに。

未来からしてみれば、さっきまで同じ病室の中におって
頑張ってこい!そう言われたんに、何分か後にはこの言葉や。

わけわからんやろ。

⏰:08/12/15 16:37 📱:PC 🆔:a6o/jfrU


#724 [しゅん]
[死んだら]とかいう言葉ぶつける優歌はどうかしている。

優歌がどうとかやねぇで、人としてどうなん?っち話や。

⏰:08/12/15 16:38 📱:PC 🆔:a6o/jfrU


#725 [しゅん]
明日、未来は手術をする。

「俺はそんなん言ってねぇし思ってもねぇ!!」

一番に伝えたいこと。
一番に信じてほしいこと。

でも、今更俺が出てきたところで話がごちゃごちゃになるだけや。
余計に未来を混乱させてしまう。

⏰:08/12/15 16:38 📱:PC 🆔:a6o/jfrU


#726 [しゅん]
けどこのまま…

もし、未来の身に何かおきたとしたら…
俺は一生後悔する。
そうなるのはわかってたいたが、行動には移さなかった。

未来の身に何かおこるかもしれん。
そんなことを考えた自分も嫌やったし、そうなるわけがないっち思っていた。
無事手術が終わってから話をする。

それが俺の考えだった。

⏰:08/12/15 16:38 📱:PC 🆔:a6o/jfrU


#727 [しゅん]
その日、一日無理矢理寝ようとしたけどもちろん寝れず。

何も考える気が起きず、ボーっとしたまま朝を迎えた。

未来の手術の日。

昨日、起きた出来事をどうしても自分一人で整理することが出来ず、俺は嵐に助けを求めた。

⏰:08/12/16 16:40 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#728 [しゅん]
隣の嵐の部屋のピンポンを押し、普通に嵐が出る。
会って早々

《お前、どしたん??めっちゃ痩せたくね?》

この言葉。

「は?」

《ちょー来てん!》

そう言われ、部屋に引き摺り込まれた俺は
嵐の家にあった体重計に乗せられた。

⏰:08/12/16 16:41 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#729 [しゅん]
73kg!!!

俺のベストは身長182cmに対し体重76kg。

3kg減っていた。

俺は風邪とか引いても体重は落ちんし、ちゅーか引かんし、
1kgぐらいの変動はあっても、一気に3kg落ちたりすることとか今まであっただろうか。
いや…やっぱねぇ。

嵐が気づくのも当たり前や。
その前に、3kgも落ちたら、自分で気づくはずなんに。

⏰:08/12/16 16:41 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#730 [しゅん]
「やべぇ!!3kg減っとーし。」

《いや、ありえんやろ!!お前未来のことで色々考えすぎなんやね?》

「いや、でも飯はちゃんと食いよるし。」

《でも、それ以外の理由は考えられんやろ》

「やな…」

《俺、最近体重増えたんに。筋トレしよ…》

「お前は、飲みすぎやって」

《うるせーちゃ!!筋トレする時間がねぇだけちゃ!!》

⏰:08/12/16 16:41 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#731 [しゅん]
俺はもともと太りにくい体質で、食っても食っても体重に直接影響はねぇ。
いい筋肉の付き方やし、体には自信があった。

一方、嵐はというと…
すぐ体重に現れるし、食えば食うほど肉になって腹に乗る。
他のとこは全くかわらんのに、腹につく。
毎日の筋トレが必須な奴。
やらんやったら、メタボ確実や。
かわいそ〜〜〜〜。
ふつーにいい体しちょんのやけど、それは日々努力の成果だった。

⏰:08/12/16 16:42 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#732 [しゅん]
「ちょーお前、腹みしてん?」

《嫌》

「はぁ〜?そんな乗っちょんの?」

《結構きとーばい。》

「いや、俺に見せてんちゃ!はっきり感想言っちゃーけん」

《はっきり言わんでも、自分でわかっとーちゃ!」

そうは言いながらも、言う程ねぇやろ!っち思っていた俺。
嵐がしぶしぶ服をめくると、そこに現れたのは、まぁ結構すげぇ腹やった。

⏰:08/12/16 16:42 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#733 [しゅん]
「…」

《何か言えちゃ!!!》

「…いや…お前、やべぇーね」

《何かその沈黙は!!》

「いや、やべぇーね!!」

《それしか言ってねぇーちゃお前!!》

今まで、嵐が積み重ねていた腹筋はドコ?っち感じの腹で、
筋肉の上に脂肪が覆いかぶさっていた。

⏰:08/12/16 16:43 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#734 [しゅん]
「どしたん?そんな飲み会続いとんか?」

《まぁーなー。何か同期?との飲み会とか?
最近、筋トレさぼっとったけんな…
これ、リアルにやべぇよな?》

「いや、俺ら今までふつーに割れとる腹しか見てきてねぇやん?
部内もそーやし。
世間一般からしたら、そんなねぇと思うよ?
ふつーなんやね?」

⏰:08/12/16 16:46 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#735 [しゅん]
《そんな励ましいらんわ!!!
やばっ!まじ今日から筋トレしよ。ちゅーかジム行こ。》

「俺もジム行こっかなー。体動かしてぇし。」

《おう!一緒行こーや!そっちのがちゃんとこまめに行きそーやし!》

「やんな!俺、鍛えんで走るだけやけど。」

《うるせーちゃ!!んで?何の用?》

「お前が、脱線させたんやろーが!痩せたとか言いだすけん!」

《ごめんちゃ〜。お前、予想以上に未来のことこたえとんな》


そう言われると、そんな気がしてショックだった。
そして本題に入る。

⏰:08/12/16 16:47 📱:PC 🆔:/CBqZUFg


#736 [しゅん]
「いや、それもそうなんかもしれんのやけどさ、
それどころやねぇんちゃ。まっじありえんけ」

《はぁ〜また何かあったんかちゃ!どしたん?》

「優歌がさー。元彼とやりよるとこに遭遇した。」

《はぁ??嘘やろ!》

「いや、これマジやけ!」

⏰:08/12/18 16:00 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#737 [しゅん]
《はぁ?どこで?優歌ちゃん家?》

「おう。あれからずっと連絡来んけんさ、まだ機嫌悪いんかなーぐらいで。
あんま気にも止めてねかったんやけどさ。
いつもなら、優歌から連絡来るんに一向に来る気配もねぇし。。
やっぱさすがに心配なるやん?
メール送っても電話しても、何の反応もねぇけさ。
んで、家行ったんちゃ」

《お前どーやって入ったん?鍵は?》

⏰:08/12/18 16:01 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#738 [しゅん]
「前言ったくね?俺いらんっち言いよんに、優歌が無理やり俺の部屋に置いていったんちゃ!
使うことねぇっち思っとったんやけど、それ使った。」

《あぁ〜何か言いよったな!
んで?》

「俺、完全に不審者やったけね。」

《やろーな》

「何か別にやましいこととかねぇんに、キョロキョロしてしまってから。
ぜってー不審者やったわ」

《ふつーに部屋入ったん?》

⏰:08/12/18 16:01 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#739 [しゅん]
「おう。呼び出し押しても全然反応ねぇけ、オートロックを鍵であけて、優歌の部屋まで行ってさ。
部屋の前の呼び出し押しても、何の反応もねぇんちゃ。
なんに、メーター普通に回りよってから。
家おるんのは確実やと思った。」

《んで?鍵開けて入ったん?》

「おう」

《お前、勇気あるね〜》

⏰:08/12/18 16:02 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#740 [しゅん]
「いや、めちゃめちゃ迷ったんやけ!
前、優歌が勝手に俺の部屋入っとったのも、俺怒ったし。
おかしな話やん?」

《嘘ちゃ〜。
あん時とは状況がちげーけ!
俺でも同じことしとったと思うぞ?》

「いや、それでも嫌やったな。
ほんと嫌やったわ!!」


俺の立場やったら、嵐も同じ行動取るっち言ったんは意外やった。
まぁそんな面倒なことになる前に、あいつは対処しとると思うけどな。

⏰:08/12/18 16:02 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#741 [しゅん]
《んで?》

「鍵開けて入ったら、テレビの音とかコンポからふつーに音楽流れよってさ。
部屋ん中おるのは確実やん?
玄関から大声で名前呼んでも何の反応もねぇんちゃ。
やけ部屋入ったんな。
したら、俺が入ってきたことに気付かんぐらい夢中でやりよった」

《まじ?》

「まじ。」

《いやーそれマジ?》

「マジやって!」

⏰:08/12/18 16:02 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#742 [しゅん]
《ありえんな》

「ほんとありえんやろ。
何かふつーすぎて、俺がその場におったらいけんよーな感じがしたけね。
どんだけなんかっちね」

《やなぁ〜そんな普通にやりよったら、そう思うわな。
んでお前どうしたん?》

「お前何しよん?っち言っても聞こえてねかって、怒鳴ったんな。
したら、あいつ何ち俺に言ってきたと思う?」

《ん〜〜優歌ちゃんやろ?
無理矢理やられよったとか?》

「お前すげーね。ビンゴ。」

⏰:08/12/18 16:03 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#743 [しゅん]
《やっぱな〜。そんなん言いそうやん?多分俺やねぇでも予想つくと思うぞ?》

「いや、俺はまさかそんな返しがくるとは思わんやったもんな」

《その場におったらそうやろ!
お前の話す感じとかで思った部分もあるけん。
で?お前信じたん?》

「んな訳ねぇやん!!
明らかに嫌がってねかったし。
しかも、そのやりよった男がお前が誘ってきたんやろーが!っち優歌に言ったけさ。
どんだけなん?っちもうあきれた感じ?」

⏰:08/12/18 16:04 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#744 [しゅん]
《優歌ちゃんからね…やるなあの子。
あんな可愛い顔してさ〜。
可愛いけそんなんか!
俺あーいうタイプやっぱ苦手ー》

「お前。俺目の前にして言えるか?普通。」

《いや、苦手。》


………。


一瞬二人が止まった。

⏰:08/12/18 16:05 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#745 [しゅん]
《っち俺も、優歌ちゃんがそんな子っち見抜けんやった部分もあるし。
やっぱ女は魔性やなー。》

「何かもう女っち信じれん。」

《やなー》

「しかも、その男。
名前真次っちゅーんやけどさ、優歌の元彼なんな?」

⏰:08/12/18 16:06 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#746 [しゅん]
《まじ?》

「おう。付き合う前に話に出てきたことあるんやけど。
優歌はひでぇことされて、別れたらしーん。
その男が言いよったんやけど、優歌は自分以外にも他の男とまだ切れてねぇらしーでからさ。
自分もその理由で別れたっち。」

《お前、その男の言うこと信じたん?》

「何かさ、一緒におる優歌のことを信じることが当たり前と思うん。
その男とか、その場で会って全然知らん奴のことやし。
でもな、優歌の行動を見よって優歌のこと信じれる物が一個もねぇんちゃ。
俺だってそんなん嘘やっち信じてぇけど、信じれんことばっかで、もう訳わからんのちゃ。」

⏰:08/12/18 16:06 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#747 [しゅん]
《・・・》

「俺、付き合う前に優歌が話してくれた過去に、本気でムカついたり同情したりしたんに。
辛い思いしたんやなっち。
なんに、そんなんも全部嘘やったんやっちほんとショックやった。」

《それを確認したんか?その元彼?が言いよったことは本当かどうか。》

「したちゃ!したら、優歌は頷いた。」

《そーなんや》

⏰:08/12/18 16:06 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#748 [しゅん]
「んであいつ、何したと思う?
更にぞ?」

《何?何かこえーんやけど。》

嵐は、未来が関係していることを悟ったのか、顔が今まで以上に一気に曇った。

⏰:08/12/18 16:07 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#749 [しゅん]
「あいつ、未来に会った」

そう言った瞬間、眉間にしわを寄せ
俺を見る嵐は予想以上にこえー顔していて、何となく話すのを躊躇しそうになった。

《は?》

「は?っち話ちゃ。ほんまに。
ほんと、俺どうしたらいいん?嵐教えてくれちゃ!」

《どーしたんか?今日、あいつ手術やろ?》

「もう、俺未来に関わりたくねぇ」

⏰:08/12/18 16:07 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#750 [しゅん]
《は?どーしたんかちゃ!!》

「俺らが行ったあの日、病院にたまたまおったらしいでからさ。
それで、俺らの姿を見て未来に会ったっち」

《は?意味わからんちゃ!
何で、優歌ちゃんが未来に会いに行かんないけんの?》

「知らん。あいつが俺にそう言ってきたし。」


一連の流れを嵐に話すと、嵐の顔は曇る一方で眉間のしわも消えることはなかった。
俺が話している間、嵐は一言もしゃべらなかった。
さっきとは明らかに違う態度。
俺も話すにつれてムカつく気持ちが増し、イライラしていた。

話終わると、嵐が口を開いた。

⏰:08/12/18 16:08 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#751 [しゅん]
《お前さ、どーするん?
どんだけ考えても、もう優歌ちゃんに気持ちが向くわけねぇの自分でもわかっとんやろ?》

「優歌と戻る気はねぇな。
でも、未来と関わる気もねぇ」

《何で?》

「そんな資格ねぇやろ。」

⏰:08/12/18 16:08 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#752 [しゅん]
《それでもさ、お前はやっぱ未来が好きなんちゃ。
誰がどう言おうと。》

「…わかっとる。
でもな、自信ねぇんちゃ。何回も未来を辛い思いさせて、一番大事なときに俺はおらん。
そういうことを繰り返してきて、もうこれ以上未来にあわせる顔がねぇ。
俺にはもう未来に会う資格すらねぇん。
もう、未来の気持ちをかき混ぜたくねぇんちゃ」

《すげーわかるけど、でも自分の気持ちに素直になれよ!
やらんで後悔するよりも、して後悔しろ!っち俺の親父がいっつも言いよるやんけ!》

「それは出来る時と出来ん時があるちゃ。」

⏰:08/12/18 16:09 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#753 [しゅん]
《まぁいいわ!とりあえず、優歌ちゃんに話してこい!話はそれからや!》

「そーなんやけどさー。
どんだけ待ったって気持ちが変わらんのはわかっとるん。
でも、頭ん中ごっちゃごちゃでどーしたらいんかわからんのちゃね。
優歌には早く話しせんないけんっち思とるんやけど。」

《なら話ははえーやんけ!さっさ行けよ!
どんだけ待ったって状況は変わらんちゃ!!》


嵐の言う通りと思う。
ここで何時間、何日、考えても今の状況が変わるとは思えない。
それでも、行動に移せない俺は逃げていた。
それを嵐はわかっていたのか、俺に無理やり優歌に電話をかけた。

⏰:08/12/18 16:10 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#754 [しゅん]
呼び出し音が鳴ると、優歌はワンコールする前にとった。

[もしもし?しゅん???]

優歌の声はびっくりしたような感じで、思わず携帯から耳を離した。

「おう。今日会えるか?」

[答え出た?]

「話出来る時間あるか?」

[電話で聞く。]

「いや、会って話してぇけん。」

[いやだ。]

「俺は電話で話す気はねぇよ?話聞いてくれ」

[いやだ。]

優歌は断固として俺に会わないといいきった。
でも、そんなわけにはいかない。
ここまできたら、後戻りは出来んし。
このままじゃ話が進まないと思い、時間と待ち合わせ場所を言って電話を切った。

⏰:08/12/18 16:12 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#755 [しゅん]
その時間に行くと優歌はすでに待っていた。

いつも、優歌は俺と会うときは何もかもばっちりだ。
ちょっとそこらへんに行くときも、どっかに出かけるんやねぇやっかっち思う服を着てくるし
化粧をしてない姿なんか見たことがない。
その優歌が、その日はすっぴんに部屋着だった。

そんな優歌に少しだけ情がわいた。

さっきまで、答えは固く決まっとったんに。

⏰:08/12/18 16:13 📱:PC 🆔:YvldkRLw


#756 [しゅん]
優歌の隣に座り、
「嫌っち言ったくせに来たんやな。」

そう言っても優歌の顔色は全く変わらなかった。

⏰:08/12/25 15:40 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#757 [しゅん]
「答えな、やっぱ無理や。」

無言の優歌。
続けて俺がしゃべった。

「ただ、一個謝りたいことがある。
お前と付き合いよるんに、未来に内緒で会ったこと。
理由がどうであれ、お前の存在を無視して会ったことは間違とったと思う。
正当化して、責めてごめんな。」

そう言っても優歌は下を向いたまま何も反応しなかった。

⏰:08/12/25 15:40 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#758 [しゅん]
「俺が言いたいのはそれだけ。
これ、お前が俺ん家に置いとった荷物な。」

そう言ってその場を立とうとした。
その時。

[しゅん待って…]

その声に振り向くと、今まで黙っていた優歌が
顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら、俺のGパンをひっぱっていた。

⏰:08/12/25 15:41 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#759 [しゅん]
「何?」

[しゅん。さよならしたくない]

「ごめん。無理や」

[何で?何でそんな未来ちゃんがいいと?]

⏰:08/12/25 15:41 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#760 [しゅん]
「いや、未来がどーのこーのやねぇで、お前のことを考えられん。
お前がとった行動も言動も全部信じられんやったし、そんなお前をもう好きやねんちゃ。
その理由が未来やねかっても、俺は同じ選択をしたと思う」

[違うよ!未来ちゃんやけやん!]

「そやな。確かに未来やけっち思いは大きいかもしれん。
でもそれだけやねぇ。
お前、一線を越えたんぞ?
そんなん俺に言えた立場か?
俺の目の前で他の男とやりよって。
過去の女が未来やねかっても、そんなん見せられたら信じれんし、気持ちもわからんくなるわ。」

⏰:08/12/25 15:41 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#761 [しゅん]
[だって・・・]

「そうさせたのは、俺っち言いてんやろ?
俺だって、お前のこと好きやったし、本気で向き合おうとしよった。
でも、それに答えようとせんやったんはお前やねん?
相手してくれんとか、見せてくれん場所があるとか。
そう思っとるんなら言えよ!!
心の中の言葉を思っとくだけじゃ、何も伝わらん。
声に出して自分の言葉で伝えることが、理解につながるんやねぇんか?
たとえ、解り合えんくても解り合おうとすることが大事で、それが信頼するにつながるんちゃ。
お前は、自分の主張ばっかで俺を解ろうとしてねかった。」

そう言うと、優歌の目からはまた一気に涙が溢れた。

⏰:08/12/25 15:42 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#762 [しゅん]
[ほんとにしゅんが好き。
好きなんやもん。
しゅんはあたしのこと好きやなくてもいいから。
お願い!!」

「気持ちがねぇ相手と無理やり付き合って意味あるんか?
ねぇやろ。」

[また気持ちが復活するかもしれんやん]

「かもしれんやろ?復活せんかもしれん。
そんなん無駄な時間や」

[結局、しゅんは未来ちゃんなんやろ?
しゅんはあたしと付き合ってるときも絶対どっかで未来ちゃんを思ってた]

⏰:08/12/25 15:42 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#763 [しゅん]
「優歌。お前何もわかってねぇやん。
俺が今言った言葉も、何も伝わってねぇ。
俺、お前とおる時、未来の話したか?未来と比べたりしたか?
あの日、お前から気持ち言われて、本気で考えて俺はお前と向き合うことを決めた。
そっから未来のことは過去としてちょっとずつ思い出にしてきたんちゃ。
それを信じてくれてなかったんはお前やろ?
お前に不安な思いさせんように、俺なりやけど努力してきたつもりやった。
その結果がこれか?
何でお前は相手の気持ちを考えようと努力せんの?
お前が取る行動はマイナスばっかや」

[ごめん。これから直す努力するから。
あと一回でいいから。しゅん…離れんで。]

⏰:08/12/25 15:43 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#764 [しゅん]
「もうおせーわ。ごめん。じゃあな」

[あたし、戻ってくれるまでここから動かんけ。]

「風邪引くなよ。じゃあな」

[あたしの家に置いてる荷物は?]

「お前の家に置いとる荷物?あんまねぇやろ?
絶対必要なもんやねぇし、いらんわ。捨とって。」

⏰:08/12/25 15:43 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#765 [しゅん]
[しゅん!!!]

「ひつけーちゃ!!」

[しゅん・・・]

「ごめん。
お前と戻る気はねぇ。それだけや。
ごめんな。」


そう言ってその場を後にした。

⏰:08/12/25 15:44 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#766 [しゅん]
突き放しても突き放しても、すがってくる優歌は
俺が未来にフラれた時を思い出させて、胸が締め付けられた。
忘れていた感覚。
優歌も同じ気持ちなんかもしれんっち思うと、その場を逃げたくなるような戻りそうになりような。
なんとも言えない気持ちだった。

⏰:08/12/25 15:44 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#767 [しゅん]
その後、優歌がどうしたのかは知らない。

優歌のメモリーは一切消したし、着信、メールも全部消去した。
なぜか、未来の時には戸惑ったことが、優歌の時は何も思わなかった。
未来も俺と別れたときこんなもんやったんかなと思うと、少し寂しかった。

知らん番号から何回か電話がかかってきていたが、出ていない。
それが優歌かもわからん。
もともと知らん番号は出らんしな。

その日、携帯も持たず家を出ていたことを家に帰って知った。
開くと、嵐から2件の着信があり、メールも1件来ていた。

メールを見ると、話が終わったら連絡くれとのこと。
電話をかけると嵐はすぐに出た。

⏰:08/12/25 15:45 📱:PC 🆔:mHam3OlU


#768 [しゅん]
《もしもし?》

「俺。」

《そんなんわかるわ!アホ!》

「話終わったで?」

《そっか。そっち行くわ!》

電話を切ると、嵐が俺ん家に入ってきた。

⏰:09/01/21 16:22 📱:PC 🆔:CkEd2ubg


#769 [しゅん]
「別れた。」

《優歌ちゃん何ち?》

「別れたくねぇっちずっと言いよった。」

《お前的にはどーなん?》

「そんなんすがられても何も思わんやったし。
俺的にはすっきりした感はあるな」

《そっか。そんだけ気持ちもねぇっちことやろな》

⏰:09/01/21 16:22 📱:PC 🆔:CkEd2ubg


#770 [しゅん]
「何かさ、優歌から気持ち言われて付き合いだした時は
本気で頑張ろうっち気持ち固まったんに、いざ付き合ってみて
優歌と同じ道歩き出したら何かちげーなっち思ってさ。
散々考えて出した答えやったんに、こんなことになってさ。
俺、何なんやろ?
自分のこと自分が一番わかってねぇ。」

《優歌ちゃんが特別なんのもあると思うけど。
未来やろ。
お前はまだ未来が好きや。
忘れようとしよるだけで、全然忘れられてねぇんちゃ。》

何も言えなかった。
嵐が言いよることは、間違ってねぇ。
未来が言った『戻りたい』という言葉を俺は何度も思い返していた。

⏰:09/01/21 16:23 📱:PC 🆔:CkEd2ubg


#771 [しゅん]
「嘘やろ?」

《ほんとや。あいつは浮気のうの字もしてねぇ》

「何で?何であんな嘘つかないけんのかちゃ!」

《浮気したっち聞いたとき、お前ならおかしいっち思ったはずやな?》

「思ったに決まっとるやんけ!
絶対未来はそんなんせんっち思ったけど、メールとか見せてきたんちゃ。
内容はあんま覚えてねぇけど、会ったりしとったんちゃ。
メールでは!」

《それも、未来の演技やな。》

⏰:09/01/22 11:57 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#772 [しゅん]
「何の為かちゃ!!」

《お前のためちゃ。
そうしたほうが、お前の傷が浅いやろうっち。
嫌いになって別れたほうが楽やろうっち。
そう思ったらしいぞ?あいつは。》

「何かそれ…」

《普通に考えれば、未来がお前を振ったやん?
フラれたお前は、当然のこと引きずる。
お前が悪いで振られたんやから。
でも、未来が浮気したっちなったら、未来が悪者になって別れることになるやろ?
あいつはそうしたんちゃ。
お前が早く先に進めるように。》

⏰:09/01/22 11:57 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#773 [しゅん]
言葉が出なかった。
あの時、未来が浮気するなんかおかしいと思った。
信じられなかった。
でも、受け入れるしかねぇで、今までやってきた。
今、嵐から嘘と聞いたって何もかわらない。
今更や。

嵐がしゃべるまで俺は自分の気持ちに整理することでいっぱいで
必死に頭を使っていた。

そんな俺に嵐は続ける。

⏰:09/01/22 15:43 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#774 [しゅん]
《未来が取った行動が正しかったんかはわからん。
でも、未来の気持ち考えてみ?
あいつはその嘘を想像以上の力を振り絞ってついたはずや。
お前自身はそのことを今まで知らんやったけど、でも、その期待に答えて一歩を踏み出したんぞ?
未来のお陰やな。
その結果がどうであれ進んだことには変わらんし、これからそれをどう生かすかが大切なんや。
いつでもお前のことを思っとるんは未来やで?
誰よりもあいつはお前のことを思っとる。》

「何かそれ・・・」

⏰:09/01/22 15:44 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#775 [しゅん]
《言いよったんちゃ。あいつ。
お前、病室おる時たまたま優歌ちゃんから電話かかってきたんやろ?
出ていいよっち言ったのに中々出らんやったけ、彼女かなっち思ったらしーで。
後でかけ直すとか言ったけど、それでも鳴るけん仕方なしに出たっち。
電話に出たお前はちょっと気まずそうにしとったっち。
あたしに気使ってたんかな?っち思ったみたいで。
そういうお前を見て、優歌ちゃんが羨ましかったんやって。
そんでちょっとショックやったっち。
でもな、しゅんが前に進んでくれてよかったっち。
しゅんが間違ったことしてたら、絶対注意してやってねっち。
同じことを繰り返さんように言ってやってっち。
しゅんが選んだ人やけ期待は出来んけど、それでもしゅんが幸せなならそれでいいっち。
泣きながら言うんで?顔は笑いよんのに、目は涙でいっぱいにして。
俺、それ聞いてめっちゃ泣きそうになった。
何かおかしくねぇ?
誰よりもお前のこと考えとって、お前の味方なんは未来なんに
何でその二人が結ばらんの?》

⏰:09/01/22 15:44 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#776 [しゅん]
気が付くと俺はこぶしを握っていて、体全体に力が入っていた。
全身に鳥肌が立ち、何かがあふれそうな気持ちを必死に我慢していた。

未来が付いた嘘。
こんな訳があったとは気づきもしなかった。

未来はいつでも、自分のことより人のことを考える。
密に接してきた俺がそれは一番わかっていたはず。
それでも、俺は未来の何もわかってねかったし、結局その程度の男やった。

⏰:09/01/22 15:45 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#777 [しゅん]
「でもさ、未来、浅田さんと付き合いよったやん?
そんなん言うの何かおかしくね?
例え、未来がそう言ったとしても、未来の気持ちは俺から離れたんちゃ。」

《今は別れとる》

「そーやけど。
浅田さんと付き合いよる時、気持ちは俺にはなかったはずや。
あいつが付き合うっちことは、本気で浅田さんのこと好きやったと思うし。
中途半端な気持ちで付き合うとかぜってーねぇ。
そんなん考えたら、俺のこと好きとかいう感情やねぇやろ?」

⏰:09/01/22 15:45 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#778 [しゅん]
《それは過去やろ?》

「俺のことも過去やんけ。」

《そーやけど。》

「やろ?
結局、お前が言いよることは正論かもしれんけど
あくまで推測であって、未来から直接俺に対して気持ちがあるんか聞いたわけやねぇよな?」

《聞いてねぇ》

「それも一つの意見でしかねぇやん」

⏰:09/01/22 15:46 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#779 [しゅん]
《そーかもしれんな。
浅田さんと付き合ったのも、別れたのもどーいう理由か知らんし。
しかも、それを俺が知ったところで何もかわらんかもしれんしな。
でも、それでも俺は今未来が好きなのはお前と思う。
お前、ふつーに考えて思われとるっち思わんの?》

「それはあくまでお前の意見や。
俺はそう思えんね。そんな期待もしたくねぇし。
わからんことを、俺に言うなや。」

⏰:09/01/22 15:46 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#780 [しゅん]
《何でかちゃ!!お前もわかっとるやろ!》

「未来がどんぐらい浅田さんと付き合ったとか
どんな付き合い方をしてきたんかとか、俺にはわからんし。
そこには俺と未来との関係はねぇわけやん?
俺の知らん時間が流れとって、あいつにはあいつの時間があったんちゃ。
そーやって今があるんやし。
もういくね?
未来が俺のことどー思っとるかは。
俺は、未来が無事に手術が終わって、元気になってくれればそれでいい。」

⏰:09/01/22 15:47 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#781 [しゅん]
《何でかちゃ!!お前の気持ちはどーなん?
素直になれよ!!
過去がどーとか関係ねぇやん!今、お前が好きならその気持ちぶつけろちゃ!!》

「それもわからんのちゃ!!!
あの時未来から戻りたいっち言われて正直焦ったし、受け止めれんやった。
実際、それは本気かわからんし、ただ手術とか病気のことで色々不安があって言ったっちのもありえるんやし。
しかもさ、優歌と色々あって別れて、それに未来も巻き込んでからさ。
ほんと申し訳ないことしたっち思う。
だけっち未来のこと好きかっち言われたらまだ疑問が残るし、前みたいに戻りたいっち気持ちもねぇ。
優歌と別れました、はい次は未来に戻ってくださいっち、そんなこと考えられんしな。
今日の今日ぞ?
無理やろ。」

⏰:09/01/22 15:47 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#782 [しゅん]
《・・・》

「俺なりに考えとることもあるんちゃ。」

《すまん。何か考えとるよーで考えてねかったわ。
未来のことばっかでお前の気持ち考えてねかったな…俺。》

「お前が言いよることもすげーわかるんちゃ。
ただ、今、未来と戻る気は俺にはねぇ。
お前が他に未来から何ち言われたかしらんけど、もう俺には言うなよ。
とりあえず、手術がどーなったかどうかだけ教えてくれたらそれでいい。」

《わかった》

⏰:09/01/22 15:47 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#783 [しゅん]
それっきり、未来の話はしなかった。

俺が嵐に言った言葉は本当の気持ちや。
好きと言う気持ちよりも、心配の方が正しい表現と思う。
でも、自分が会いに行くことはしたくなかった。
嵐に話を聞いた以上、そういう目で未来を見てしまいそうやったしな。

とりあえず、次の日嵐は未来のお見舞いに行くことになった。

⏰:09/01/22 15:48 📱:PC 🆔:ZdNVyXwE


#784 [しゅん]
その日の夜、疲れたのかいつの間にか寝ていて、昼過ぎに目が覚めた。
こんなん寝たんはいつぶりやかっちぐらい驚くほど良く眠れた。

起きてすぐシャワーを浴び、パンツ一丁で部屋にいると嵐から電話がかかってきた。
未来のことと思い、急いで出ると相手はいつもの嵐やねかった。
かなり焦っていて、息が切れている。

⏰:09/01/23 16:08 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#785 [しゅん]
《お前、今すぐ病院来い。》

「未来は?何かあったんか?」

《今、未来意識ねぇんちゃ。》

「は??何で?」

《手術中に麻酔でショック症状がでたらしーで、手術は無事終わったけど意識ねぇっち。》

⏰:09/01/23 16:09 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#786 [しゅん]
「は?」

《病室入っていいらしーけど、俺入りきらん
お前、早く来て》

「いや…」

《そんなん悩みよる暇ねぇやろ?お前バカか?
お前が傍におってやらんでどーするん?
さっさ来いちゃ!!》

⏰:09/01/23 16:09 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#787 [しゅん]
自分でもどうしたらいいのかわからず
その場に立ったままだった。
一気に焦りと不安が俺を包み、全身に鳥肌が立つ。

ふと我に返り、携帯と財布と車の鍵だけを持ってそのまま車に乗り込んだ。

高速に乗り、一気にぶっ飛ばす俺。
普段安全運転の俺だが、この日だけは死んでもいいっちぐらいにぶっ飛ばした。

1時間もかからず病院につき、どこに行ったらいいのかわからず
未来の病室に行くと、ベットがない病室にぽつんと嵐が一人座っていた。

⏰:09/01/23 16:10 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#788 [しゅん]
「未来は?」

《まだ》

「どこ?」

《とりあえず、落ち着いたみたいやけどまだ集中治療室におる。
看護師さんに聞いたら場所教えてくれるけん、行け!》

言われるがまま、看護師さんに聞き未来の元に向かった。

⏰:09/01/23 16:11 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#789 [しゅん]
病室の前に未来のお母さんや弟がいて必死に祈っている。

ブラインドの隙間から覗き込むと、広い病室に何人もの患者さんが寝させられていて
周りの先生たちもバタバタしている。

その中から未来の姿を探すと、手前から二番目にいた。
色んな機械につながれとって、表情まではそれが邪魔して見えん。
どうみても、自分で生きているんやねぇで、生かされているようにしか見えなかった。

⏰:09/01/23 16:12 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#790 [しゅん]
未来のお母さんは先生に呼ばれ、席をはずした。
気づけば夕方だった。

ぽつんと残された俺と未来の弟はただその場で未来の回復を祈る。
嵐はまだ病室にいるのか、姿を見ていない。

シーンとした沈黙を破ったのは俊哉だった。

⏰:09/01/23 16:12 📱:PC 🆔:Q5pehnXI


#791 [しゅん]
【しゅんくん久しぶりやね】

「おう。お前、元気しとったか?」

【うん。嵐くんから電話あったんやろ?】

「来るか迷ったけど。気づいたら車ぶっとばしよった。
やっぱ来るべきやねかったやか」

【俺、電話しよーかと思った。
嵐くんがしてなかったら、しとったよ】

⏰:09/01/26 15:17 📱:PC 🆔:zgmyfHTA


#792 [しゅん]
「そっか。」

【ねーちゃんどーなるんやっか】

「大丈夫ちゃ!!手術はうまくいったんやし!!
あいつのことやけ、目覚ましたらニコっち笑うはずや!!」

無言の俊哉は予想以上にヘコんでいた。
そりゃー家族がこんな状態やったら、誰でもこうなると思う。
俺は自分自身も何かわけわからんのに、俊哉を必死で元気付けた。

⏰:09/01/26 15:18 📱:PC 🆔:zgmyfHTA


#793 [しゅん]
ろくな会話をしないうちに、未来のお母さんが戻ってきた。
俺ががいる状況を未来のお母さんは受け入れてくれてるのか。
まだ意識が戻るまで安心は出来ないとのこと。

でも何となく、未来なら何もなかったようにおきてくれるような気がして小さなため息が出た。
大丈夫や。
このまま意識が戻らんとかありえん。
あいつなら…絶対。

そう思いたかったのか、そう思ったら気が楽になるからか
必死でそう言い聞かせていた。

⏰:09/01/26 15:19 📱:PC 🆔:zgmyfHTA


#794 [しゅん]
未来の病室に行くと、嵐はそこにいて
腕を組んだまま天を仰いでいた。

「未来、落ち着いたらしーぞ。
意識が戻るまでは安心できんらしーけど、何となく大丈夫な気がする。」

《まじ??よかった…》

それを聞いた嵐は、大きなため息を出しながら手をひざに当てその場に座り込んだ。
俺と同じことを嵐も思ったんと思う。

⏰:09/01/26 15:21 📱:PC 🆔:zgmyfHTA


#795 [しゅん]
その日、嵐と実家に泊まった。
長い一日がやっと終わる。
でも、眠気が起きずゴソゴソ動いていると、嵐が話しかけてきた。

《寝れんの?》

「お前起きとん?」

《何か寝れん。》

「やんな。」

《お前、ゴソゴソしすぎ。》

⏰:09/01/27 15:50 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


#796 [しゅん]
「未来さー大丈夫よな?」

《大丈夫やろ!》

「よな。何か変な自信があるんやけど、根拠とかねぇし。
冷静に考えたらちょっと不安になってきたわ…」

そう言うと、嵐は黙り込んだ。

⏰:09/01/27 15:51 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


#797 [しゅん]
「聞いとん?」

《今日さ、浅田さんから未来に電話あったんちゃね》

「は?」

《お前が来る前》

意味がわからず、俺の眉間にしわがよるのがわかった。

⏰:09/01/27 15:53 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


#798 [しゅん]
「お前、浅田さんの番号しっとん?」

《ちげーちゃ。俊哉から持っとってっち言われて未来の携帯預かっとったんちゃ。
したら、知らん番号から電話かかってきて、俊哉が出ろっちゅーけ出たら浅田さんやった》

「何でお前が出るん?」

《いや、俺もおかしい話やっち思ったんやけど、みんなバタバタしとって
何かノリで出てしまったんちゃ。》

⏰:09/01/27 15:54 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


#799 [しゅん]
「何で浅田さんっちわかったん?」

《出たら男やったけ、まさかとは思ったんやけど。
浅田さんからしたら、未来に電話したんに俺が出たやん?
最初、間違えましたとか言いよったんやけど、話聞いたら浅田っちゅーけさ。
そのまさか。
状況を説明したら、俺っちわかってくれてたんやけど。
覚えとったけね。
文化祭で会ったの。
そんで、俺らが後輩っちゅーのもわかっとった。》

「そーなん。
用は?」

それを聞いたとき、何か無性に未来が浅田さんと繋がっていることにムカついた。

⏰:09/01/27 15:54 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


#800 [しゅん]
《未来が前の日に電話しとったんやって。
泣きながら手術怖いっち言ってきたらしーで心配してかけてきたらしーぞ》

「未来が?泣きながら?」

《そう浅田さんは言いよったけど…》

「そーなんや。あいつと浅田さんまだ繋がっちょんや」

⏰:09/01/27 15:55 📱:PC 🆔:O/I4Y0GE


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