禁断って何?
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#695 [シバ]
「その前の彼氏は、物凄くリィの理想のタイプだった。でも、お互い冷めて別れたのね…だけど、しばらくして、会う約束したんだ。ただ『遊ぼう』って事で」
シバは理彩ちゃんから目線をそらせなかった。
ずっと黙って聞いていた。
「そしたらさ、いきなり豹変して…ラブホ連れて行かれてさ。着いていったリィも悪いんだけど。半分は軽い気持ちだったんだけど、相手は真剣に飢えてたみたいでね」
:10/10/02 22:59 :F02B :/Sa.bspw
#696 [我輩は匿名である]
:10/10/02 23:00 :SA001 :☆☆☆
#697 [我輩は匿名である]
:10/10/02 23:01 :SA001 :☆☆☆
#698 [シバ]
「物凄く激しくされた。気持ち良いどころか、痛いし、気持ち悪いし、リィが泣いてるのもお構いなしにずっと行為を続けられて…止めてって言っても押さえつけられて」
シバは、次第に怒りが増してきた。
「やっとの事で突き飛ばして、着替えようとした。そしたら手で口を塞がれて、『分かったよ。じゃあ、俺がイクまで舐めろ。じゃないと、一生返さない』って言われて。シカトして着替えようとしたけど、殴られた」
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#699 [シバ]
もう話さなくていい…
そうとも言えず、ただ黙って聞いていた。
「結局は言われるがまま…んで、行為が終わると相手はさっさと着替えて部屋を出て行った。そんな嫌な経験があるからさ、男が嫌いなんだ。男なんて、結局は体が目当てなんだよ。あ〜、ずっと閉じ込めてたのに、つい喋っちゃった(笑)ごめんね、長々と」
理彩ちゃんの無理やりな笑顔が切なかった。
だからあの時、ゆーちゃんと3人でファミレスに行った時、あんな話をしたんだと理解できた。
:10/10/02 23:12 :F02B :/Sa.bspw
#700 [シバ]
それと同時に、下を向く理彩ちゃんを抱きしめていた。
初めて理彩ちゃんに触れた。
風呂上がりの、シャンプーの真新しい匂いと、理彩ちゃんの肌の匂い。
理彩ちゃんが可哀想…とか、そんなんじゃなくて、瞬間的に抱きしめたくなったんだ。
シバの鎖骨あたりに、理彩ちゃんの顔が当たる。理彩ちゃんの呼吸を感じながら、シバは目を閉じて懸命に理彩ちゃんを抱きしめた。
理彩ちゃんも、シバの背中に手を回した。
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#701 [シバ]
そのままの姿勢で、理彩ちゃんが泣いている事に気付く。
「シバは優しいね…」
そう言いながら、探るように背中の手を上下に動かす。
「シバこそ、こんな話聞いてリィの事軽蔑しないの?」
理彩ちゃんの声は優しかった。
いつもの子供で元気な理彩ちゃんの声じゃなくて、甘えた女性の声…
「軽蔑しないよ。辛い経験したんだね」
それ以上は何も言えず、黙って理彩ちゃんの体温を感じた。
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#702 [シバ]
なんでシバの話から、理彩ちゃんのこういう話になったんだろう…って考えながら、なんとなく感じた事がある。
その男が最低なだけで、男の人全員がそんな最低な奴ばっかりってわけじゃない。
でも、理彩ちゃんにとって最悪な過去として残ってしまったのだ。
たぶん理彩ちゃんは、そんな過去があったから、女の人に好意を持つようになったのかもしれない…
そして、女の人と過去に何らかの関係を持ったのかもしれない…
色々考えていた。
:10/10/02 23:42 :F02B :/Sa.bspw
#703 [シバ]
顔を動かさず、目だけで理彩ちゃんを見る。
澄んだような、悲しそうな目…
よっぽど辛かったのだろう。
よっぽど思い出したくなかったんだろう。
いつも笑っている人間でも、心の底はどうなっているのか分からない。
たまたまこんな話をする機会があっただけだけど、理彩ちゃんに申し訳ないことをしてしまった。
「ごめんね、リィ」
「何が?」
:10/10/02 23:47 :F02B :/Sa.bspw
#704 [シバ]
「シバが変な事聞いちゃったから、嫌な事思い出させちゃって…」
「先に変な事聞いたのはリィだよ(笑)それに、いつかは誰かに聞いてほしかった。誰にも話してないから、1人で考えて頭がおかしくなりそうだった。もちろん、親にも親友の由香にも言えなかった」
「…そっか」
「本当に信頼できて、自分にとって大切で、好きな人じゃないと言えない。由香の事信頼してないとかじゃないよ!ただ…うん。何て言ったらいいのか分かんないけど」
:10/10/02 23:52 :F02B :/Sa.bspw
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