禁断って何?
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#601 [シバ]
「そろそろ帰ろうか」
理彩ちゃんのその言葉で、宴もたけなわ。
レジへと向かう。
「今日はあたしの奢りね。柴崎姉妹にはお世話になったし♪」
理彩ちゃんはそう言うと、財布から福沢諭吉を取り出した。
「いいっていいって!割り勘にしよう」
会計を済ませた理彩ちゃんは、そう言うゆーちゃんを外にポイポイしながら店を出た。
:10/08/12 21:21 :F02B :ugU6qEbc
#602 [シバ]
「いいから!今日はあたしの奢り♪」
「なんか…ごめんね理彩」
「いいってば!次は由香に奢ってもらうから(笑)」
「OK!何食べに行きたい?」
「焼き肉食べ放題♪」
「おいコラ!」
そんな会話をしながら、ゆーちゃんと理彩ちゃんは同じ車で、シバは電車でそれぞれ分かれた。
:10/08/12 21:25 :F02B :ugU6qEbc
#603 [シバ]
ゆーちゃんの試合を見れて、タダで美味しい飯を食べれて、何て幸せな1日だったのだろうか!
家に着いたシバは、早速今日の出来事の余韻に浸った。
シバも久々にバスケやりたくなってきたな〜。
そして眠りに就く。
おやすみなさい。
それから、約2週間後…
:10/08/12 21:29 :F02B :ugU6qEbc
#604 [シバ]
仕事を終え、家に帰る。
ケータイを開くと、メールが数件。
メルマガと、職場の友達と…
『ガキンチョ!』
って一言だけ書かれた知らないアドレスからのメール。
ガキンチョメールをほったらかして、職場の友達に返信。
:10/08/12 21:32 :F02B :ugU6qEbc
#605 [シバ]
夜になっても返信しなかった。
知らない人からメールがくるとか、1人暮らしってやっぱり物騒だね〜…
あ〜怖い怖い。
寝る前になっても返信せず。
とりあえず布団に潜ってみる。
「あのね〜、野菜ジュースのカロリーは〜♪意外に高〜い高いよ〜♪びっくらこいた、びっくらこい〜た〜♪」
:10/08/12 21:36 :F02B :ugU6qEbc
#606 [シバ]
ケータイが鳴った。
当時、シバが電話の着信音にしていた曲だ。
ケータイを開くと知らない番号から…
さっきのメールといい、この電話といい、1人暮らしって本当に物騒…
怖いけど、ワケの分からない電話とか、怖い人からの脅しの電話とかだったら、警察に行けばいい!
そんな地味な勇気を持って、通話ボタンをポチッとな。
:10/08/12 21:40 :F02B :ugU6qEbc
#607 [シバ]
「…もしもし」
「もしもし?」
「はい」
「シバ?」
「はい」
「何で返信してくれないの〜?泣くぞ!」
「はい?」
「泣くぞ!」
「え…はい?」
「もしかして分かんない?」
「あぁ、はい」
「悲しいな…」
:10/08/12 21:44 :F02B :ugU6qEbc
#608 [シバ]
「悲しい?」
「うん(笑)」
向こうでクスクス笑い声が聞こえる。
「あの、シバですけど…」
「本当に分かんないの?あたしだよ(笑)」
「………あはは」
「理彩だけども♪」
「…え?」
「リィだよ!」
「理彩ちゃん?」
「そうだよ」
:10/08/12 21:48 :F02B :ugU6qEbc
#609 [シバ]
一気に目が醒めた。
「理彩ちゃんんん?」
「そだよ♪シバ何してんの?」
「何って…寝ようかなって思って」
「もう寝るの?早くない?」
時計を見ると、もう0時前。
「だって、もう夜中だよ」
「リィはいつも2時過ぎくらいまで起きてるよ♪暇すぎてさ〜。シバ遊びに来て」
:10/08/12 21:52 :F02B :ugU6qEbc
#610 [シバ]
「無理ですよ〜」
「だから敬語遣うなっての!」
「あ、ごめんなさい」
「ねぇ〜、会いに来てよ!暇すぎてさ〜。由香に電話したけど出ないし…あんたら寝るの早すぎ」
「いや、理彩ちゃんが遅すぎるんじゃ…」
「だからリィって呼べっての」
「あ、はい」
「リィ1人じゃつまんないよ〜…遊び来てよ」
:10/08/12 21:58 :F02B :ugU6qEbc
#611 [シバ]
「明日また仕事だもん」
「シバ真面目すぎ(笑)仮病でも使って休めば♪」
「無理っす。ってか、理彩ちゃん…リィ、明日仕事は?」
「仕事?普通にあるよ」
「キツくないの?」
「別に。いつもほとんど寝ないし」
「凄いね」
「普通でしょ」
「普通じゃないよ」
「シバが寝るの早すぎなんだってば(笑)…やっぱり無理?」
:10/08/13 23:11 :F02B :wvjnDuco
#612 [シバ]
『やっぱり無理?』っていう言葉の所で、やたら甘えた口調になる理彩ちゃん。
妙にトロトロしている。断固として断り続けたシバだったけど、その甘えた口調で調子が狂った。
「…分かったよ」
「え♪マジ?」
「でも、明日は流石に無理だよ。仕事はちゃんとしないと」
「…そっか」
『…そっか』の所で、妙に寂しい口調になる。
更に調子が狂う。
:10/08/13 23:14 :F02B :wvjnDuco
#613 [シバ]
「今週の土日で良かったら遊びに行くけど」
「マジ♪ホントに?」
「うん」
「やったぁ♪じゃあ、泊まりだね♪」
「泊まり〜?」
「何で?嫌?」
「いや、嫌じゃないけど」
「ならいいじゃん♪」
「…うん」
「じゃあ、色々準備して待っとくね♪」
あっさりとお泊まりの約束をしてしまった。
ゆーちゃんごめんなさい…の出来事を巻き起こす火蓋が切られた瞬間だった。
:10/08/13 23:20 :F02B :wvjnDuco
#614 [我輩は匿名である]
:10/08/14 03:07 :F01A :UienNjaU
#615 [由衣]
あげっ
:10/08/23 03:44 :840P :ssXSrcMw
#616 [我輩は匿名である]
あげます
:10/08/26 15:07 :SH05A3 :JBP2250o
#617 [我輩は匿名である]
あげ(´∀`)
:10/08/26 16:49 :N02A :84Km1Xb2
#618 [我輩は匿名である]
:10/08/26 22:18 :P10A :KjlgoK0E
#619 [シバ]
皆さんお久しぶりです!
あげ&安価ありがとうございます
最近仕事が多忙のため、なかなか更新できませんでした
明日からまた更新していきます!
また読んで頂けると飛び跳ねて喜びます(笑)
感想板の方も明日顔を出します。
よろしくお願いします
:10/08/26 23:52 :F02B :X7jpIftQ
#620 [名前が無い名前]
僕の本名と姉の彼氏の名前が一緒で吹きましたw明日からまた楽しみに読ましていただきますw
:10/08/27 01:42 :SH03B :RbYKcuog
#621 [シバ]
>>620さん
ホントですか?
偶然ってあるもんなんですね
何かいい事ありそう(笑)
>>613約束通り、その週の土日は理彩ちゃんのもとへ。それまでの期間は、仕事中にも関わらず、何かがありそうな予感がしてワクワクしたような、理彩ちゃんと2人っきりという事で妙に緊張している感じだった。
:10/08/27 21:15 :F02B :k0c0fDdA
#622 [シバ]
土曜日の昼過ぎ…
理彩ちゃんの家へ行くために駅へと足を運ぶ。
途中、電話が鳴った。
「もしもし〜?今何してんの?」
ゆーちゃんだった。
「暇だったら遊び来ないかなぁって思って♪」
やたらテンションが高いゆーちゃん。
嬉しかった。
けど…
これから、別の約束がある。
:10/08/27 21:56 :F02B :k0c0fDdA
#623 [シバ]
「行きたいんだけど…これから別の所に遊び行くんだ」
「そうなの?あたしからの誘い断るとか、いい度胸してるね(笑)嘘嘘♪…で、どこ行くの?」
理彩ちゃんの家…
言いたかったけど、言えなかった。
普通に言っとけば、後々困らなかったかもしれないのに…
別に教えたって何もおかしくないのに、何で教えなかったんだろう…
:10/08/27 22:06 :F02B :k0c0fDdA
#624 [七氏]
:10/08/28 05:50 :D705i :TdahdMfM
#625 [シバ]
「友達のトコ。久しぶりに会えるから楽しみだわ♪」
「あ、そうなの?じゃあ来れないね。しょうがない!また暇になったら教えてよ♪休みの日なら基本的にあたしは暇だから(笑)」
「了解。ゆーちゃんごめんね。また誘って」
「いいよ。んじゃ、またねん♪」
別に理彩ちゃんとは何もないのに、ゆーちゃんに対して後ろめたい気持ちがあった。
:10/08/28 19:49 :F02B :WGhWU7KM
#626 [シバ]
電話を切り、しばらく電車を待つ事に。
電車待ちは、シバと挙動不審なオッサンの2人だけ…
シバと目が合うと、オッサンは小刻みに顔を震わせながら逆を向く。
泣きたくなった…
電車が到着。
急いで乗り込んだ。
なぜかオッサンも走って乗り込んできた。
意味が分からなかった。
:10/08/28 22:10 :F02B :WGhWU7KM
#627 [シバ]
電車に揺られる事2時間…
理彩ちゃんの住む町に到着した。
待ち合わせ場所は、駅から20分ほど歩いた所にある大学の門の前。
そこが一番分かり易い目印だった。
先に到着したのはシバ。
しばらく理彩ちゃんを待つ事に。
30分もしないうちに、理彩ちゃんはやってきた。
「ごめんごめん。遅くなっちゃった」
「ああ、大丈夫」
:10/08/28 22:17 :F02B :WGhWU7KM
#628 [シバ]
理彩ちゃんは笑顔でシバを迎えてくれた。
だけど…
酷く疲れた顔をしている事に気付いた。
「ねぇ、リィ…今日、顔死んでるよ」
シバは、理彩ちゃんの事を『リィ』と呼ぶようになっていた。
「あは〜♪最近職場の人と飲み会が続いたからさ。でも、大丈夫♪」
「だから、毎日寝るのが遅かったの?」
:10/09/02 20:56 :F02B :d4oLifWI
#629 [シバ]
「…う〜ん、まぁね」
「本当は睡眠不足なんでしょ?『平気』とか言ってたけど、無理してたんじゃん」
「大丈夫だって♪」
「大丈夫じゃないよ…よし、予定変更!リィの家行こう」
理彩ちゃんと合流した後、適当にカラオケ行こうとか、ボーリングしようとか計画があった。
だけど、今の理彩ちゃんは理彩ちゃんじゃない…
笑顔が無理してる…
:10/09/02 21:00 :F02B :d4oLifWI
#630 [シバ]
理彩ちゃんは、申し訳なさそうに俯いて、シバの服の袖を掴んで、横にブンブンと振った。
それは、ゆーちゃんと理彩ちゃんが一緒にいる時に見せる、理彩ちゃんの行動。
拗ねてるというか、寂しいというか、そんな気持ちを表現する時の行動らしい。
「リィ…遊びたいよ」
ボソリと呟いた。
5歳児が言うようなセリフ。
「本当は眠いんでしょ?」
:10/09/02 21:06 :F02B :d4oLifWI
#631 [シバ]
「眠くないよ」
「眠いんでしょ?」
「眠くないよ」
「嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ」
「嘘ついたら、シバ帰るから」
袖を掴んでる理彩ちゃんの腕を軽く振り払って、シバは背中を向けた。
何歩か進んで、振り返る。
「?!」
:10/09/02 21:09 :F02B :d4oLifWI
#632 [シバ]
力が抜けた。
理彩ちゃんは、俯いたまま地面にチョコンと座り、目頭を押さえている。
「泣いたフリとかバレバレだよ」
理彩ちゃんのもとに歩み寄ってみると、更に力が抜けた。
理彩ちゃんの目からは、大粒の涙が溢れていた。
え?
リィって年上だよね?
二十歳超えてるんだよね?
え?マジで泣いてる…
:10/09/02 21:13 :F02B :d4oLifWI
#633 [シバ]
色んな事を考えてオロオロしていると、理彩ちゃんは急に立ち上がり、パッチリ二重の目に涙を溜めて、シバを見上げた。
理彩ちゃんとシバの身長差は、軽く10p以上。改めて、理彩ちゃんは小柄なんだな〜って事に気付く。
「遊びたい…せっかくシバが遊び来てくれたのに…」
んで、また泣く。
幼稚園児をあやしているような光景だったと思う。
:10/09/02 21:20 :F02B :d4oLifWI
#634 [シバ]
「わかった!じゃあさ、今回はリィの家でまったりしながら遊ぼう。リィには無理させたくないし、近々また遊びに来るから」
その一言だけでは、納得するはずがない。
嫌だ!遊びたい!
そんな応えが返ってくると思っていたけど…
「…帰っちゃうの?」
理彩ちゃんは、寂しそうなキョトンとした顔でシバの目を見つめた。
:10/09/02 21:23 :F02B :d4oLifWI
#635 [シバ]
「え?いや、だから今回はリィの家で遊ぼうって…」
「帰らないよね?」
「帰らないよ」
「ホントに?」
「ホントに」
「ん〜…じゃ、リィの家行こ」
渋々とした態度と見せかけて、理彩ちゃんはニヤニヤしていた。
なんて手のかかる奴なんだ…
そう思っていたけど、この辺りからシバは、理彩ちゃんに対して少しずつ特別な感情を抱いていくようになる。
:10/09/02 21:28 :F02B :d4oLifWI
#636 [シバ]
バスケットをする時の真剣な理彩ちゃん。
プライベートで子供みたいによく笑い、よく泣く理彩ちゃん。
こういうギャップって、何か心を動かされる。
他の人が知らない事を、自分は知ってるんだ!っていう、満足感というか何というか…
バスケットをする理彩ちゃんの事だけを知っている人は、よく笑い、よく泣く理彩ちゃんを知らない。
理彩ちゃんとは、プライベートだけの付き合いだという人は、バスケットに取り組む理彩ちゃんの真剣な姿や、真剣な眼差しを知らない。
:10/09/02 21:36 :F02B :d4oLifWI
#637 [シバ]
理彩ちゃんと並んで歩く。
理彩ちゃんとシバが2人っきりになるっていう事は今までなかったから、お互い照れくさい気がして、向かい合って話をする事ができなかった。
理彩ちゃんとシバとゆーちゃん…
この3人で1つみたいになってたから、今回の理彩ちゃん宅のお泊まりは、何かがある気がして止まなかった。
増してや、理彩ちゃんからのお誘いという事もあったし…
:10/09/02 21:42 :F02B :d4oLifWI
#638 [シバ]
理彩ちゃんの住むアパートは、待ち合わせ場所から歩いて約10分の所にあった。
特別に綺麗!ってワケではなかったけど、1人暮らしには不便しない広さで、ちょっと洒落たロフトみたいな物も付いていた。
理彩ちゃんの部屋は、バリバリ女の子の部屋。
人形があって、色もピンクとか白とか、明るい感じ。
理彩ちゃんのフワフワした部屋は、CDや写真が散乱していたけど、割と綺麗に片付いていた。
:10/09/02 21:48 :F02B :d4oLifWI
#639 [シバ]
「へぇ〜!綺麗にしてるじゃん。お邪魔します♪」
靴を脱いで、荷物を下ろす。
静かだな〜と思って、玄関の方を振り向くと、理彩ちゃんは縮こまったように背中を丸くして、キョトンとした顔でシバを見ていた。
「え?どうしたの(笑)」
「リィの部屋、散らかってるな〜って思ったでしょ」
「え?別に」
:10/09/02 21:53 :F02B :d4oLifWI
#640 [シバ]
「ちゃんと掃除しとけばよかった…ごめんね」
「リィ、何かいつもと違う」
「いつもと一緒だよ」
「いや、いつものリィだったら、そんなネガティブな事言わないもん。『散らかってるでしょー?あは〜♪ごめんね〜♪』』とか言うはずなのに」
「リィ、どんな目で見られてんの(笑)」
「とにかく、ちょっと寝なさい!睡眠不足とか、近々ぶっ倒れるぞ!」
:10/09/02 21:58 :F02B :d4oLifWI
#641 [シバ]
言われなくても、相当眠かったようで、布団に横になった。
理彩ちゃんは、ベッドより布団を敷いた方が好きだという。
「シバ!」
呼ばれて理彩ちゃんの横に座る。
腕を引っ張られて、潤んだ目で見つめられる。
「シバ…リィが寝てる時に帰ったりしないでね。横にいてね」
「いるから(笑)大丈夫」
:10/09/02 22:03 :F02B :d4oLifWI
#642 [シバ]
笑顔を見せた理彩ちゃんは、ゆっくり目を閉じた。
寝息を立てるまで、そんなに時間はかからなかった。
とりあえず、シバはホッとした。
理彩ちゃんは疲れていたのか、定期的に体がピクッと動く。
しばらくはケータイをいじったり、ボンヤリしてみたり、部屋の中を見回したりしたけど、暇すぎた。
:10/09/02 22:11 :F02B :d4oLifWI
#643 [シバ]
目が覚めたのは、2時間後。
横にいたハズの理彩ちゃんがいない…
「おはよ」
そう言って、シバの顔を覗き込む理彩ちゃん。
今度は、シバが理彩ちゃんの布団の中にいた。
可愛いタオルケットがかけられていた。
無意識のうちに、シバ寝てたんだ…
ってか、理彩ちゃんがあまりにも気持ちよさそうに寝るもんだから、釣られてシバも寝てしまったんだ。
:10/09/02 22:16 :F02B :d4oLifWI
#644 []
Blogは更新しないんですか?(´`)
:10/09/04 11:24 :N01B :rm0EorSY
#645 [シバ]
>>644さん
シバ、ブログはやってませんよ(^^)v
ブログとかGREEとかそういう系はしない派です!
感想板の方にもなかなか顔を出せずすみません(>_<)
少しだけ本編更新します
:10/09/06 23:22 :F02B :AtR5vW5c
#646 [シバ]
>>643体を起こす。
喉がカラカラだった。
寝ぼけまなこのシバを見た理彩ちゃんは、ボンヤリとシバを見つめていた。
「あんた、よく寝たね」
理彩ちゃんが笑う。
「…今、何時?」
理彩ちゃんはケータイの横のボタンを押して、時間を確認する。
「(夜の)8時過ぎ。シバがもうちょっと早く起きたら晩御飯食べに行こうと思ってたんだ」
:10/09/07 00:04 :F02B :76JwvqSk
#647 [シバ]
理彩ちゃんは立ち上がり、散らかっているCDをガサガサと片付け始めた。
「リィいつ起きたの?」
「シバが起きる1時間前くらい。暇だったからケータイいじってた」
「ごめんね。リィが寝てるトコ見たら、なんかこっちまで眠くなっちゃって…気がついたら布団の中だった」
「そっか。でも、寝れたおかげでなんかスッキリした♪」
:10/09/07 00:09 :F02B :76JwvqSk
#648 [シバ]
理彩ちゃんはキッチンへ向かい、1.5リットルの三ツ矢サイダーと2つのグラスを持って戻ってきた。
洒落たグラスだった。
「喉乾いた。シバも飲むでしょ?」
「うん。ちょうど何か飲みたかったんだ」
グラスに注ぎ終わると、サイダーを一気に飲み干した。
喉がカーッと熱くなる感じがたまらない。
:10/09/07 00:15 :F02B :76JwvqSk
#649 [シバ]
「寝起きの三ツ矢サイダーって、なんかよくない?」
理彩ちゃんはニヤリと笑った。
「リィはC.C.Lemon派!ビタミン取れた!って感じで幸せな気持ちになれる♪」
「幸せな気持ちになれるとか…可愛いトコあるね」
理彩ちゃんは2杯目のサイダーを注ぎながら、可愛いという言葉に大きな反応を示した。
:10/09/07 00:20 :F02B :76JwvqSk
#650 [シバ]
「な〜んか、シバってさぁ。年下って感じがしないんだけど(笑)」
「そうかな?」
「落ち着いてるっていうか、なんていうか…」
「リィが落ち着いてないだけでしょ。実際、リィってシバより年下に感じる」
「ガキっぽいって事?」
「うん」
「うわー…じゃあ、大人にならなきゃ」
:10/09/07 00:24 :F02B :76JwvqSk
#651 [我輩は匿名である]
更新いつも楽しみにしてます
(。・∀・。)
主さんのペースでこれからもファイトです
:10/09/07 00:26 :PC :HMKRjA6s
#652 [シバ]
無邪気な理彩ちゃん。
笑った顔がものすごく可愛かった。
「ってか、うちらさぁ。こうやって2人で話すのって初じゃない?」
「うん。いつもはゆーちゃんがいるもんね」
「そう!しかも、高校の時とかまったくの他人だったのに、いきなり距離縮まり過ぎでしょ(笑)」
「確かに!ってか今日、ゆーちゃん呼んじゃう?せっかくだし」
:10/09/07 00:29 :F02B :76JwvqSk
#653 [シバ]
>>651さん
ありがとうございます(〃▽〃)
更新バラバラなのに、読んで頂けて光栄です(´_ゝ`)
>>652そうだね!
由香に連絡してみようか!
そんな答えを待っていたけど、理彩ちゃんは黙り込み、髪をいじり、シバから視線をそらした。
「いや…由香がいてくれたらメッチャ楽しいと思うけど…今日はいいや」
:10/09/07 00:34 :F02B :76JwvqSk
#654 [我輩は匿名である]
:10/09/07 14:18 :P10A :UqghI33I
#655 [我輩は匿名である]
:10/09/09 00:30 :L04A :fuU5kJvc
#656 [我輩は匿名である]
あげとく
:10/09/13 20:57 :PC :3JCjgKz2
#657 [シバ]
安価&あげありがとうございます(*^_^*)
少し更新します!
>>653ビックリした。
シバといきなり2人っきりっていうのは、さすがの理彩ちゃんでも照れくさかったりするんじゃないかな?とか思ったのに…
仲良しのゆーちゃんがいた方が、気が楽になるんじゃないかな〜?とか思ったのに。
:10/09/14 18:29 :F02B :dMFCM/1s
#658 [シバ]
でも、シバもゆーちゃんの誘いを断った身だ。
ゆーちゃんに連絡した所で、「理彩の所にいたんかい!」とか言われて何かおかしい事になりそうだし…
「あ…別に由香の事が嫌とか、そんなんじゃないよ」
理彩ちゃんは笑って、口を開いた。
「2人っきりになるとか、滅多にないしさ。また別の機会に由香も誘おう♪」
:10/09/14 18:34 :F02B :dMFCM/1s
#659 [シバ]
理彩ちゃんは、再びキッチンへと向かった。
冷蔵庫を開けて、何やらゴソゴソしているよう。
「あ〜…お腹空いたね」
理彩ちゃんは戻ってきた。
「何か食べたくない?」
「食べたい」
「冷蔵庫ん中、何も入ってなかった(笑)何食べたい?定食とか寿司とか、ビビンバとかでいいなら、遅くまでやってる店あるよ」
:10/09/14 18:40 :F02B :dMFCM/1s
#660 [シバ]
「何でもいいよ。美味しい所なら何でも食べれる」
「リィさぁ…ハンバーガーが食べたいんだけど」
じゃあ何で定食とか寿司とかビビンバを勧めてきたの?!
そう思ったけど口には出せず…
「じゃあ、マック行こうよ」
「ホントに?!シバはハンバーガーでいいの?」
「最近マック行ってなかったし、久々食べたいかも。こんな時間だし、軽く食べれるモノがいい」
:10/09/14 18:45 :F02B :dMFCM/1s
#661 [☆]
更新頑張ってください(^^)
:10/09/16 04:41 :SH05A3 :XASNxOWI
#662 [我輩は匿名である]
続き楽しみにしてます
(*^o^*)
:10/09/17 02:05 :PC :QYXU0rV.
#663 [シバ]
>>661-662さん
ありがとうございます(*^_^*)
>>660身支度を済ませ、理彩ちゃんの車に乗り込む。
ピンクが大好きな理彩ちゃんだから、車もピンクで可愛い人形なんかがたくさん置かれてるんじゃないかって思ってたけど、意外な事に物凄くシンプルで、芳香剤とミラーに小さな雑貨みたいなやつがぶら下がっているだけだった。
「リィ、車はシンプルが好きなんだ♪シンプル・イズ・ベスト!」
:10/09/18 22:15 :F02B :pqA5iSpw
#664 [シバ]
そう言いながら、ニヤニヤしながら少しぎこちない手つきでハンドルを握る理彩ちゃん。
「リィの部屋がゴッチャゴチャだから、車の中くらいはスッキリさせたくてさ。それに、車に人形とか置いてたらブレーキ踏んだ時に全部倒れるし(笑)」
どんだけの勢いでブレーキを踏むのだろうか…
少し心配だったけど、運転は順調だった。
15分くらい走っていくと、マックに着いた。
車を降りて、2人で何を食べるか決めながら店に入る。
:10/09/18 22:21 :F02B :pqA5iSpw
#665 [シバ]
「…いらっしゃいませ」
少々やる気のない店員にシバは少しイラッときたけど、理彩ちゃんはお構いなしにベーコンレタスバーガーセットを注文した。
シバも続いて、ダブルチーズバーガーセットを注文。
店内には、若いカップルが一組だけ。
シバの地元のマックは、夜になるとヤンキーぶった連中がウヨウヨしてる。
ここのマックは落ち着いた印象が残った。
:10/09/18 22:27 :F02B :pqA5iSpw
#666 [シバ]
品物を受け取り、車へ戻る。
たった15分の…往復30分の間に理彩ちゃんといろいろな話をした。
昼間とは違って、夜の理彩ちゃんはなんとなく大人しい感じがする。
外からの光はあるものの、車内は暗い。
その雰囲気のせいなのか、おっとりとした口調と、普段は話せないような事をしみじみ語った。
シバにとって、この30分の時間というのは、物凄く楽しいというか、貴重というか…
この時間がもうちょっと続いてほしいな〜…っていう時に、理彩ちゃんのアパートが見えてきた。
:10/09/18 22:33 :F02B :pqA5iSpw
#667 [シバ]
なんとなく名残惜しい気持ちを残したまま、マックの袋を持って車を降りる。
部屋に着いてからは、テレビをつけて2人でマックを食べた。
ピクルス嫌いのシバは、ピクルスを取り除こうと思ってパウンダーを持ち上げると、ピクルスが4枚も入っていて愕然とした。
「シバ、ピクルス嫌いなんだ〜!お子ちゃまね♪」
なんていう理彩ちゃんにピクルスを渡すと、
「いらない。リィもピクルス嫌いだもん♪」
:10/09/18 22:37 :F02B :pqA5iSpw
#668 [シバ]
「じゃあ、そっちもお子ちゃまじゃん」
「うん♪お子ちゃま同士、仲良くしましょ♪」
とか、しょうもない馬鹿話やくだらない冗談を言い合って、笑いの絶えない空間ができた。
さっきの車内の理彩ちゃんが嘘のように、子供のように笑っている。
毎日仕事に追われてる2人にとって、こういう時間っていうのはとても大事である。
だから、真面目な話は一言も出ないまま、笑い続けた。
「あ〜、可笑しい♪…よし、リィ風呂入ってくる」
:10/09/18 22:44 :F02B :pqA5iSpw
#669 [シバ]
笑い疲れて、一通り話が尽きた所で理彩ちゃんは立ち上がった。
「シバ、一緒に入ろ♪」
ギョッとした。
笑いが覚めた。
「嫌だよ!何言ってんの」
「リィ、由香とはよく一緒に入るよ♪この前由香が泊まりに来た時も入ったし♪由香の胸触りまくった(笑)」
「ちょっと!人の姉ちゃんに何てことしてくれんの!」
「由香嫌がらなかったよ(笑)あたしも揉まれたし」
:10/09/18 22:54 :F02B :pqA5iSpw
#670 [シバ]
触るだの揉むだの…
ガールズトークにはよく出てくる言葉だ。
「あららららら」
それ以外、言葉が出てこなかった。
「何照れてんの(笑)か〜わいい♪」
「あの…リィが風呂あがったら…ワタクシ…ハイリマス」
自分が一気に小さくなった気がした。
「え〜?本当に一緒に入らないの?」
「…ハイ」
「え〜?寂しい…分かったぁ。じゃ、入ってくる」
:10/09/18 22:58 :F02B :pqA5iSpw
#671 [シバ]
ホッとしながら理彩ちゃんの寂しそうな背中を見送った。
本当に寂しそうだった。
シャワーの音が聞こえて、本格的に安心した。
また1人になったシバは、暇すぎてベランダに出てみた。
夜空を見上げて、気付いた事がある。
「雨が降るワケでもないのに、星が出てない」
シバの地元は田舎だから、星がびっしりと夜空に浮かんでいる。
夜景なんて見に行かなくても、ちょっと外に出て顔を上げるだけでいいのだ。
:10/09/18 23:04 :F02B :pqA5iSpw
#672 [シバ]
赤とか青とか黄色とか緑とか、完璧な夜景を求めるのであれば、ちょっと車を走らせればいい事。
ちょっとメルヘンかもしれないけど、シバは夜空を見るのが好きなのだ!人が作った完璧な夜景はいらない。
自然で、本当に自然でありのままの星を見るのが好きなんです…はい。
心地良い風が吹いていて、深呼吸なんかすると本当に気持ちがいい。
星がないのは残念だけど。
:10/09/18 23:11 :F02B :pqA5iSpw
#673 [シバ]
ケータイをポケットに入れたまま、しばらく外の風に当たり、自然からの癒やしをもらった。
風呂上がりにもう一度、ここに来よう。
きっと最高の気分になれる。
部屋に戻ると、理彩ちゃんは脱衣場でゴソゴソしているようだった。
シバも着替えの準備を…
鞄の中をもぞもぞしていると、ドアが開いた。
「ギャー」
:10/09/18 23:16 :F02B :pqA5iSpw
#674 [シバ]
悲鳴を上げたのはシバ。
理彩ちゃんは、頭にターバンのようにタオルを巻いて、顔から下は産まれたままの姿だった。
いわゆる、素っ裸…
「何照れてんのアンタ(笑)」
「リィ…タオル巻く場所間違えてるよ!頭じゃなくて、下に巻きなさい」
「えー?リィいつも風呂上がりはこういうファッションなんだけど」
:10/09/18 23:20 :F02B :pqA5iSpw
#675 [シバ]
服着てない時点で、ファッションも糞もない。
なんてこった…
「リィさ〜、何かおっぱい小さくなった気がする」
とか言って自分の胸を鷲掴みにして、ゆさゆさと…
ギャー!
「シバ、風呂入っておいでよ♪」
言われなくても、その場をさっさと離れた。
予想外の理彩ちゃんの行動にびっくりしながらシバもシャワーを浴びた。
:10/09/18 23:25 :F02B :pqA5iSpw
#676 [シバ]
シャワー浴びて、多少冷静さを取り戻したシバは、部屋のドアをゆっくり開けた。
まだ裸だったりして…
そんな事はなかった。
ドライヤーで髪を乾かす理彩ちゃんは、バスケの時に着る黒のTシャツと、ピンクに白ラインの入ったプラクティスのバスパンを履いていた。
さすがの理彩ちゃんも、本格的な裸族ではない事に地味な安心感を覚えた。
「あ、シバ上がったんだ」
:10/09/18 23:32 :F02B :pqA5iSpw
#677 [シバ]
「うん」
そう言って、またベランダに出てみる。
やっぱり心地良い。
もう少し、ここでゆっくりしよう。
「どうしたの?」
理彩ちゃんもベランダに出てきた。
不思議そうな顔で、こちらを見ている。
「何か気持ち良くてさ。さっきもちょっと出てきたんだ」
「あ〜、確かに!涼しいね」
理彩ちゃんはニヤリと笑った。
:10/09/18 23:37 :F02B :pqA5iSpw
#678 [シバ]
「さっきはごめんね」
理彩ちゃんからの謝罪の言葉に、ん?という疑問の顔を作ってみせた。
「リィがさ、一緒に風呂入ろうとか、すっぽんぽんで部屋に入ってきたとか…」
「あー(笑)別に。ただ単にびっくりしただけ!でも、よく考えてみたらリィの事だから別にびっくりする事でもないな〜とか思って」
「どういう意味よ(笑)」
とか、声を小さめにまた笑いながら話をした。
:10/09/18 23:45 :F02B :pqA5iSpw
#679 [ちやん]
:10/09/24 18:54 :P906i :dD6sYJ6g
#680 [シバ]
室内に戻り、布団の上に転がった。
「あ〜!たまにはお泊まりもいいかもね」
ゴロゴロしているシバの横に理彩ちゃんは座った。
布団のすぐ近くに置いてあるコンポの電源を入れ、赤っぽいMDをセットする。
聴き慣れない曲が再生される。
「これ、洋楽だね」
シバの一言に、当たり!とか言って理彩ちゃんは音量を少しだけ上げた。
:10/09/24 22:58 :F02B :SLFw2uv6
#681 [シバ]
「由香が最近、洋楽にハマったらしくてさ。オススメだからって、リィにもMDくれた」
そういえば、ゆーちゃんはケータイの着信音とか車の中で聴く音楽全部が洋楽だ。
英語を喋るのは苦手だけど、英語の歌を聴くのが好きらしい。
中学の時はポ○ノグラフィティ、高校の時はEX○LEに夢中だったのに、好みがまったく変わってしまったみたいだ。
理彩ちゃんは、オススメだという曲を次々とシバに聴かせてくれた。
:10/09/24 23:06 :F02B :SLFw2uv6
#682 [シバ]
何だか幸せな気持ちになった。
その時聴いていた曲名こそ忘れたけど、おっとりとした優しい曲調で、一度聴いたら何か大きな物が心に残るような感じの曲。
洋楽と聞いたら、激しくて、盛り上がって、カッコ良くて、勢いのある…っていうイメージがあった。
洋楽とかゆーちゃんの車に乗らない限り聴くことのないモノだったから、酷く新鮮に感じた。
:10/09/24 23:12 :F02B :SLFw2uv6
#683 [シバ]
あの女性シンガーは誰だったんだろう…
あの時、理彩ちゃんに聞いておけばよかった。
曲が終わると、また現実の世界へと戻される。
大袈裟なようだけど、音楽って人の心を掴んだり、気持ちを動かしたりっていう、物凄くパワーのある物だと思う。
何とも言えない気持ちで、コンポの方を見つめるシバに、理彩ちゃんはとんでもない事を言い出した。
「シバってさ、女の子に恋愛感情抱いた事ある?」
:10/09/24 23:19 :F02B :SLFw2uv6
#684 [我輩は匿名である]
きゃーきになるー
:10/09/25 13:59 :CA004 :rTNs2sE.
#685 [我輩は匿名である]
同じく気になる!
:10/09/28 15:10 :SH05A3 :lHDD3zKY
#686 [我輩は匿名である]
気になる!(´・ω・`)
:10/09/30 20:37 :W61SA :AMcPpFOY
#687 [シバ]
皆さんありがとうございます(´・ω・`)
更新します!
>>683「…え?!」
固まってしまった。
何を言い出すのか、この人は…
理彩ちゃんは不思議そうな、珍しい物でも見るような顔で、シバの顔をジッと見ている。
「変な事聞いちゃったかな…でも、なんか…どうなのかなーって思って」
:10/10/02 21:46 :F02B :/Sa.bspw
#688 [シバ]
タオルケットを腰まで掛けて、寝転がってるシバは口をポカンと開けたままだった。
起き上がって、理彩ちゃんと目線を合わせる。
「あー…どうかなぁ(笑)」
動揺を隠せないシバに、理彩ちゃんは怯まなかった。
「リィ、そういうのに偏見とか持たないよ。シバが女の子を好きだとしても、シバを見る目変わらないし」
:10/10/02 22:25 :F02B :/Sa.bspw
#689 [シバ]
「何で、そう思ったの?」
「なんとなく」
女の勘って、本当に鋭い。
否定した所で、何も変わらないし…
むしろ、本当のシバを知ってほしいとも思った。だから言った。
「…女の子を好きっていうか、女の子と付き合った?事はある」
理彩ちゃんは目を見開いた。
シバは、理彩ちゃんの方を見るのが怖かった。
:10/10/02 22:29 :F02B :/Sa.bspw
#690 [シバ]
理彩ちゃんは立ち上がり、部屋の電気を消した。
キョドっていると、理彩ちゃんは布団まで戻ってきた。
「暗い方が、何か落ち着かない?」
「まぁ…ね」
シバの隣に座ると、深呼吸した。
「やっぱりなぁ(笑)」
「軽蔑した?」
「だから、そういうのはないってば(笑)」
:10/10/02 22:34 :F02B :/Sa.bspw
#691 [シバ]
「…………」
「心配しなくていいよ。誰にも言わないし。むしろ、教えてくれてありがとう」
そう言うと、シバの肩に寄りかかってきた。
いきなりの行動にびっくりしたけど、そのままでいた。
「だってシバさ、歳の割には女の子の格好しないじゃん。高校卒業したら、みんな可愛い格好とかしてるじゃん。シバ、昔からボーイッシュな感じだし。そういう単純な理由(笑)」
:10/10/02 22:38 :F02B :/Sa.bspw
#692 [シバ]
「そんな人、他にもたくさんいるじゃん」
「うん。あとね…」
理彩ちゃんは視線を下に向けたまま、話を続けた。
「さっきの事で、何となくピンときた。理彩の体見て、物凄く焦ってたじゃん」
「だって、いきなり裸って、そりゃビックリするよ」
「そうだけど、何か他の人と違ったし。もしかしたらって思って。嫌な思いさせちゃったなら謝る。ごめん」
:10/10/02 22:43 :F02B :/Sa.bspw
#693 [シバ]
「じゃあ、リィはそういうのないの?」
「何が?」
「シバみたいに、女の子の事〜…とか」
「どうかな(笑)」
…え?
理彩ちゃんは、意味深な言葉を放った。
「ない事もないよ」
理彩ちゃんは笑った。
外からの光もあって、暗闇に目が慣れるのに時間はかからなかった。
理彩ちゃんは続ける。
:10/10/02 22:48 :F02B :/Sa.bspw
#694 [シバ]
「リィはきっと、バイなんだと思う」
理彩ちゃんのいきなりのカミングアウトに、シバは益々動揺した。
「リィ、去年の今頃は普通に彼氏がいたんだ。でも、何かとだらしない所に冷めてしまって、別れようって言った。そしたら、『分かった。じゃあ、最後にHしよう』って。リィ、好きでもない相手とそんな事できないから、ふざけんなって言って別れた」
更に続く。
:10/10/02 22:54 :F02B :/Sa.bspw
#695 [シバ]
「その前の彼氏は、物凄くリィの理想のタイプだった。でも、お互い冷めて別れたのね…だけど、しばらくして、会う約束したんだ。ただ『遊ぼう』って事で」
シバは理彩ちゃんから目線をそらせなかった。
ずっと黙って聞いていた。
「そしたらさ、いきなり豹変して…ラブホ連れて行かれてさ。着いていったリィも悪いんだけど。半分は軽い気持ちだったんだけど、相手は真剣に飢えてたみたいでね」
:10/10/02 22:59 :F02B :/Sa.bspw
#696 [我輩は匿名である]
:10/10/02 23:00 :SA001 :☆☆☆
#697 [我輩は匿名である]
:10/10/02 23:01 :SA001 :☆☆☆
#698 [シバ]
「物凄く激しくされた。気持ち良いどころか、痛いし、気持ち悪いし、リィが泣いてるのもお構いなしにずっと行為を続けられて…止めてって言っても押さえつけられて」
シバは、次第に怒りが増してきた。
「やっとの事で突き飛ばして、着替えようとした。そしたら手で口を塞がれて、『分かったよ。じゃあ、俺がイクまで舐めろ。じゃないと、一生返さない』って言われて。シカトして着替えようとしたけど、殴られた」
:10/10/02 23:03 :F02B :/Sa.bspw
#699 [シバ]
もう話さなくていい…
そうとも言えず、ただ黙って聞いていた。
「結局は言われるがまま…んで、行為が終わると相手はさっさと着替えて部屋を出て行った。そんな嫌な経験があるからさ、男が嫌いなんだ。男なんて、結局は体が目当てなんだよ。あ〜、ずっと閉じ込めてたのに、つい喋っちゃった(笑)ごめんね、長々と」
理彩ちゃんの無理やりな笑顔が切なかった。
だからあの時、ゆーちゃんと3人でファミレスに行った時、あんな話をしたんだと理解できた。
:10/10/02 23:12 :F02B :/Sa.bspw
#700 [シバ]
それと同時に、下を向く理彩ちゃんを抱きしめていた。
初めて理彩ちゃんに触れた。
風呂上がりの、シャンプーの真新しい匂いと、理彩ちゃんの肌の匂い。
理彩ちゃんが可哀想…とか、そんなんじゃなくて、瞬間的に抱きしめたくなったんだ。
シバの鎖骨あたりに、理彩ちゃんの顔が当たる。理彩ちゃんの呼吸を感じながら、シバは目を閉じて懸命に理彩ちゃんを抱きしめた。
理彩ちゃんも、シバの背中に手を回した。
:10/10/02 23:19 :F02B :/Sa.bspw
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