別れさせ屋
最新 最初 🆕
#601 [歩美]
なつみんさん

コメントありがとうございます

⏰:10/10/20 00:19 📱:F02A 🆔:NYbadgRo


#602 [歩美]
天馬は知っていた。
桜の彼氏をハメる依頼を受けていたことを。

天馬「桜から聞いたんだけど。」

私「そうなんだ。」

天馬「まさかお前がハマってんじゃないだろーな?」

天馬のカンはするどい。

私「なんで?」

天馬は大きな溜め息をついて、タバコに火をつけた。

天馬「歩美のことは何でもわかるから。」

⏰:10/10/20 00:23 📱:F02A 🆔:NYbadgRo


#603 [歩美]
するどさにドキッとした。
なんで感づいたのかはわからない。

天馬「桜の彼氏だぞ?」

少し怒った表情。
まるで、私を叱っているかのようだった。

私はそんな天馬の偉そうな態度に腹が立った。

私「天馬にとやかく言われる筋合いないから。」

カバンを持ち、
BARを飛び出した。
天馬は慌てて追いかけてきた。
天馬「おぃ!なんで怒ってんだよ!」

⏰:10/10/20 00:27 📱:F02A 🆔:NYbadgRo


#604 [まぁ]
続きが気になる〜!!

⏰:10/10/20 07:33 📱:P04B 🆔:KGHqn7PM


#605 [歩美]
まぁさん

コメントありがとうございます

⏰:10/10/21 01:36 📱:F02A 🆔:YdnbYgPw


#606 [歩美]
天馬はすごい力で私の腕を掴んだ。私は周りの視線が気になり、天馬を振り払った。

それでも天馬はついてきた。

私の少し後ろを歩く天馬。

そんな天馬を無視してスタスタとタクシー乗り場へ向かう私。

タクシー乗り場の目の前で、
天馬がもう一度私の腕を掴んできた。

天馬「歩美、ごめんって。
帰んなよ・・・。」

弱々しい声ですがる天馬。
どうしてなんだろう。天馬には、いざって時に優しさがでてしまう。

⏰:10/10/21 01:40 📱:F02A 🆔:YdnbYgPw


#607 [歩美]
私の足は止まり、
天馬の方へと振り返ってしまった。

天馬は小さく、
「とりあえずおいで」
と場所を移動させた。

人通りの少ない路地へと入った。

天馬「俺が言いたいのは、歩美が大好きってこと!
わかるか!?」

そ、そんな怒鳴られても。
嬉しいよ。気持ちは。
だけどね、
私は、
『別れさせ屋』
なんだもん。

⏰:10/10/21 23:59 📱:F02A 🆔:YdnbYgPw


#608 [歩美]
だからフリーの天馬じゃダメなんだよ・・・。

こんな訳の分からない理論、
もちろん伝えるつもりもなく、私はただ黙っていた。

天馬は諦めたような大きな、深い溜め息をついた。


天馬「俺じゃダメかっ。
引き止めてごめん。
帰ろっか。」


そして私たちはタクシー乗り場で別れた。


龍一に会ってなければ、
おかしな考え方捨てて天馬を選べたのかな。

⏰:10/10/22 00:05 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#609 [歩美]
龍一とは毎日メールを続けていた。
桜には内緒で。

ある日、桜から『別れた』と連絡がきた。

それは、
私の誕生日の一週間前だった。
別れを切り出したのは龍一の方だった。

やっぱり一年付き合った彼氏と別れたことは辛い。
そんな桜に私は心から慰めてあげることができなかった。
慰めの言葉や、
励ましの言葉は、
ほぼ偽りで言った。

だって、私の仕事が成功しちゃったんだもん。

⏰:10/10/22 00:09 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#610 [歩美]
桜に依頼を受けて、
最初はハメるだけのはずだった。
だけど、
龍太郎と重ねてしまい、
龍一をハメるどころか、
逆に私がハマってしまった。


『別れさせたらそれで終わり。深入りはしない』


という堅い決意は、
崩れてしまっていた。

もう後戻りはできない。

ごめん桜。

桜に内緒で、
私は龍一と付き合い始めた。
24歳の誕生日に・・・。

⏰:10/10/22 00:14 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#611 [歩美]
19≫贈り物。


誕生日はホステスにとって、
年に一度のスペシャルイベント。
店で私の誕生日会を開いてもらった。

常連のお客様から、
たくさんプレゼントをもらった。
私はあまり物欲はない。
ブランドも、ホステスのわりにはあまり身につけない。
頂いたのはブランドばかりで、また偽りの喜びを見せていた。

天馬は店に花を贈ってくれた。

⏰:10/10/22 00:18 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#612 [歩美]
家族からのプレゼントはいつもの焼肉屋への外食。
お姉ちゃんと姪も一緒で、
久しぶりに全員での外食だった。

ホステスをしていることは、
お姉ちゃん以外にもカミングアウトしていた。
ちゃんと受け入れてくれた大切な家族。
そろそろまた実家を出ようと考えていた。


姪は手紙をくれた。
嬉しかった。


そして、
龍一はネックレスをくれた。

⏰:10/10/22 00:23 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#613 [歩美]
今年の誕生日は日曜日だったおかげで、
誕生日の瞬間は龍一と過ごせた。

おしゃれなBARで告白され、
ネックレスをもらった。

龍一「ホステスは続ければいい。でも、龍太郎くんのリングはもう外せよな。」

そう言って渡された。

暗黙の了解で、
結婚は意識しない。
龍一に結婚願望がないことは知っていたし、
私は多くを望まないと決めていたから。

⏰:10/10/22 00:30 📱:F02A 🆔:dbcFeEvw


#614 [我輩は匿名である]
続き気になります
頑張って下さいx

⏰:10/10/25 07:53 📱:auSH3I 🆔:mcgxYZY.


#615 [まこ]
>>001-200
>>201-400
>>401-600

⏰:10/10/26 08:41 📱:N02A 🆔:☆☆☆


#616 [歩美]
匿名さん
まこさん

ありがとうございます

⏰:10/10/27 23:16 📱:F02A 🆔:N5UvOAfc


#617 [歩美]
桜に対して罪悪感がないと言えば嘘になる。
でも、久しぶりに異性から幸せをもらった気分だった。


『別れさせ屋』
として手に入れた龍一。


それを神様からの贈り物と捉えるか否か・・・。


――月曜日、
出勤する時、私のネックレスは龍一からもらったものだった。
金曜日に来れなかったお客様が何人か来てくれた。

⏰:10/10/27 23:31 📱:F02A 🆔:N5UvOAfc


#618 [歩美]
いつも通り働き、
いつも通り退勤。

「お疲れさまで〜す」


私が店を出た時、
ちょうど天馬が桜とアフターに行くところを目撃した。

私が先に気付き、
とっさに隠れた。

天馬にも会いづらいし、
桜にも会いづらい・・・。

2人は恐らくBARに向かっていった。

2人を避けた私も、
帰宅した。

⏰:10/10/27 23:50 📱:F02A 🆔:N5UvOAfc


#619 [歩美]
――翌朝、
9時にお母さんに起こされた。目の前には、小包。
私は寝ぼけながら聞いた。

私「なに?」

母「歩美宛てだよ?」

小包を机に置き、お母さんは部屋から出て行った。

とりあえず送り主を見てみる。

・・・・・・・・え?


そこにあったのは、
龍太郎の名前だった。


・・・・・・・・・・えぇ?

⏰:10/10/28 00:01 📱:F02A 🆔:O0lsCSSY


#620 [我輩は匿名である]
気になる(>_<)!!

⏰:10/10/28 00:05 📱:F906i 🆔:ARt0igFQ


#621 [歩美]
間違いなく龍太郎。
龍一じゃない。
住所も大阪府だった。

恐る恐る、中を開けた。

中には小さな花が入った可愛らしい置物のようだった。
説明書みたいな紙を見てみると、
造花で、まぁインテリアというものらしい。

そして、ハッピーバースデーのメッセージカード。

でも中には何も書かれていなかった。

龍太郎から突然届いた贈り物。一気に目が覚め、
訳がわからずただ呆然と花を眺めていた。

⏰:10/10/28 00:07 📱:F02A 🆔:O0lsCSSY


#622 [歩美]
なぜ今なのか・・・。
去年は何もなかったのに・・・。

よく考えた。


龍太郎との思い出を呼び起こし、気付いた。
24歳の誕生日ということ。


――龍太郎が異動になった時、仮プロポーズを受けた。


『3年後、結婚しよう』


3年後、つまり、24歳。

⏰:10/10/28 00:14 📱:F02A 🆔:O0lsCSSY


#623 [☆]
アカン…
気になってしゃーない

⏰:10/10/28 01:46 📱:F06B 🆔:YlILUD0g


#624 [にゃん]
あげますーっ!!!!

⏰:10/10/28 09:58 📱:SH01B 🆔:OumWKloY


#625 [まり]
気になる

⏰:10/10/28 10:27 📱:F02B 🆔:YV2ivGho


#626 [しぃ]
早く読みたいです頑張ってください

⏰:10/10/29 02:08 📱:SH06A3 🆔:tim7IW2c


#627 [まり]
気になります頑張ってください

⏰:10/10/29 20:38 📱:SH02A 🆔:sToL2M4k


#628 [我輩は匿名である]
感想板に書きましょうよ
他の読者のこと考えてほしいです

⏰:10/10/29 21:54 📱:T001 🆔:9TmrPwhU


#629 [歩美]
またまたたくさんのコメントありがとうございます

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4816/

感想板のURL載せておきますので、ご意見ご感想お待ちしてます

⏰:10/10/30 00:40 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#630 [歩美]
少し遅れてやってきた、
不可解な贈り物。

疑問符だらけの私は、
それから二度寝することもできず、ただただ贈られてきた小さな花の置物を見ていた。


龍太郎の現状を予想していると、携帯が鳴った。

その音が龍一の着信音なのはわかっている。

だけど、一瞬龍太郎かと思ってしまった・・・。

龍太郎が私の連絡先を残してるはずがない。

でも、住所は残していた。

⏰:10/10/30 00:45 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#631 [歩美]
とりあえず龍一のメールを見る。
ホヤホヤの私たち。
毎朝龍一からメールが届く。
いつもなら寝てる時間。
でも起きてるからメールを返した。

すぐに着信がきた。

龍一「おはよ!
早いじゃん!(笑)」

私「なんか目が覚めちゃってね。」

龍一「珍しいな。
今週末なんだけど、俺出張入って会えそうにないんだ。」

私「えっ。そうなんだ。」

⏰:10/10/30 00:48 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#632 [歩美]
しばらく話し、
電話を切った。

龍一の声によって現実に戻った私は、ひとまずもう一度眠ることにした。


龍太郎から着信・・・
そんなことあるはずない・・・
っていうか、
住所が書いてあるのはどういう意図なんだろう。

そこには家族がいるんでしょ?
私じゃない女と築いた、
暖かな家庭がある場所でしょ?

今さらこんな洒落たこと、
しないでよ・・・

⏰:10/10/30 00:51 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#633 [歩美]
結局眠れず、
睡眠不足で出勤した。


「いらっしゃいませー」


考えるな私。
働け私。
とにかく今日はアフターに出て、1人の時間をできる限り減らそう。

そう思い、
アフターに行けそうな客に声をかけた。
こんな時に限って見つからないんだ。(笑)

頭に1人浮かんだ。


・・・天馬なら・・・

⏰:10/10/30 00:54 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#634 [歩美]
でも私は最近天馬をフった女。
しかも龍一とのことを色々聞かれたりしたらすごく面倒くさそう。


やっぱ天馬はダメだ。


・・・桜・・・もまだダメだ。
やめとこう。


あまり自分から誘うのが好きじゃない私は、おとなしく帰ることにした。

でも龍一とのこと、
いつかは桜に話さなきゃいけない。
それはわかってる。

⏰:10/10/30 00:58 📱:F02A 🆔:q7IYJMuw


#635 [我輩は匿名である]
あげます、

⏰:10/11/01 15:48 📱:W62H 🆔:.TOAsPos


#636 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:10/11/04 13:04 📱:F02B 🆔:rpuGbe3k


#637 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:10/11/05 22:38 📱:P02A 🆔:JszlHfdo


#638 [歩美]
お待たせしましたm(_ _)m
更新します!!

⏰:10/11/05 23:57 📱:F02A 🆔:spv2PKSs


#639 [歩美]
龍太郎からの突然の贈り物によって、
私の心はかき乱された。

やっと恋愛をする気になれたのに・・・
障害は多いけど、
龍太郎じゃなく、
龍一を好きになれたのに・・・。


考えないようにしようとすればする程、
頭に浮かんでくる。


龍一とのメールも電話も、
ウキウキ感が一気に激減してしまっていた。

⏰:10/11/06 00:02 📱:F02A 🆔:FMjms2RY


#640 [歩美]
20≫決着。


プレゼントが届いて以来、
龍太郎からは何の音沙汰もなかった。

一週間、
出張の龍一とも会えず、
二週間後に会えた時には、
私の気持ちはすでに冷めてしまっていた。

龍一は私の態度の変化に気付いていた。

龍一「疲れてんのか?」

私「ううん、大丈夫。」

龍一「仕事無理するなよ。」

⏰:10/11/06 00:06 📱:F02A 🆔:FMjms2RY


#641 [歩美]
大人な龍一は、
問いつめてきたりしない。
ただ一言心配してくれるだけ。でもそれがありがたい。

今の私には・・・。



――龍一と付き合って1ヶ月。外は寒くなり始めた


私は店を一週間休み、
ある朝、
新幹線のホームにいた。


手には、
新大阪行きの片道切符。
そして少しの荷物。

⏰:10/11/06 00:17 📱:F02A 🆔:FMjms2RY


#642 [いーちゃん]
>>250-1000

⏰:10/11/06 04:04 📱:SH05B 🆔:ifw5VB1k


#643 [我輩は匿名である]
あげ!

⏰:10/11/08 06:54 📱:F02B 🆔:VgDmFWdE


#644 [ぐりこ]
>522-700

⏰:10/11/08 22:14 📱:P02A 🆔:5d1sw4Yk


#645 [ぐりこ]
>>522-700

⏰:10/11/08 22:15 📱:P02A 🆔:5d1sw4Yk


#646 [我輩は匿名である]
かかんの?

⏰:10/11/11 17:50 📱:F02B 🆔:oW1JwPjk


#647 [我輩は匿名である]
頑張って下さい

⏰:10/11/14 13:06 📱:W62H 🆔:WBOGDLO2


#648 [我輩は匿名である]
書いて欲しいです(´ω`)

⏰:10/11/14 17:08 📱:N01B 🆔:D9s6MyPE


#649 [歩美]
大変お待たせしましたm(_ _)m
また少しづつになりますが更新していきますので、よろしくお願いしますm(_ _)m

⏰:10/11/14 20:09 📱:F02A 🆔:B8YkoYUY


#650 [歩美]
20≫決着。 〜続き〜


新幹線のホームで思い出す。
龍太郎が転勤になったあの頃。寂しくて寂しくて、
おかしくなっちゃいそうだったよ。

遠距離に耐えられる自信はなかった。

だけど、
『――3年後――』
という約束を糧にしていた。

ねぇ、龍太郎?
約束した3年後だよ?
でも、龍太郎は隣にいない。
お互いに過去の人。
だけど、
私は今からあなたに会いに行くよ。

⏰:10/11/14 20:12 📱:F02A 🆔:B8YkoYUY


#651 [歩美]
たった1人、
新幹線で大阪へと向かう。

付き合ってた頃、
私が大阪に行ったことはなかった。

初めて会いに行くのが、
別れた後だなんてね。

しかも、
龍太郎には家庭がある。
だから会える保証もないし、
家庭に割り込む勇気は持ち合わせていなかった。

なぜ会いに行くのか。

それは私にもわからなかった。
でも、
『会いに行くしかない』
と思ったんだ。

⏰:10/11/14 20:15 📱:F02A 🆔:B8YkoYUY


#652 [歩美]
龍一には、
気分転換したいから一週間仕事を休んだ。
と連絡はしておいた。

責めるわけでもなく、
「ゆっくりしろよ」
と言う龍一。

まさか元彼に会いに行くなんて思ってもみないよね。
ごめんなさい・・・。


やがて、
新幹線は新大阪へ到着した。


大阪に知り合いは何人かいるけど、親しい間柄じゃないから会っていくつもりもなく、
あくまで目的は龍太郎だった。
誕生日プレゼントのお礼は言っておきたい。

⏰:10/11/15 11:02 📱:F02A 🆔:o5gk6qNc


#653 [我輩は匿名である]
すっげー面白い!
続き早く書けよ

⏰:10/11/15 16:33 📱:PC 🆔:☆☆☆


#654 [キララ]
更新待ってます

⏰:10/11/15 23:38 📱:P03B 🆔:WiBBWdjQ


#655 [歩美]
匿名さん
キララさん

ありがとうございます

⏰:10/11/16 00:53 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#656 [歩美]
メモしてきた龍太郎の住所を見て、駅員さんに行き方を訪ねる。
見慣れない電車を乗り継ぎ、
見慣れない景色を眺め、

龍太郎の家の最寄り駅らしき場所へ着いた。

駅に着くと、
ここでようやく緊張し始めた。
「まじで来てしまった。」

こんな心境だった。


行き交う人は関西弁。
まさか龍太郎も関西弁になってしまってるんだろうか。

⏰:10/11/16 00:57 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#657 [歩美]
ネックレスを握りしめ、
龍太郎の住所へとゆっくり歩き始めた。

今日、私の胸にあるのは、
龍一のネックレスじゃなかった。

龍太郎にもらったリングを通したネックレス。


徒歩でたぶん10分くらい経った。
メモとマンションの番地を何度も何度も確認する。


ここだ・・・。


そこは5階建てで、
普通のマンション
・・・じゃなく、
明らかにワンルームマンションだった。

⏰:10/11/16 01:01 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#658 [歩美]
マンションの下から見上げた各部屋のベランダは、
一つずつで狭い。

どうしてワンルームマンションなんだろう・・・。

1階の集合ポストで名前を調べる。

201号室。
メモと同じ部屋番号。
龍太郎の名前があった。


間違いない。ここだ。

でもなかなか階段を上がれなかった。
周りから見たらただの不審者だと思う。

⏰:10/11/16 01:04 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#659 [歩美]
どれくらい躊躇してか、
ようやく私は階段を登った。
201号室の前に立ち、
心臓なのかなんなのかわからない音を必死に押さえようとした。
でも音は激しさを増す。


死ぬ気でインターホンを押してみた。


ピンポン


応答はない。


今日は平日。
しかも真っ昼間。
仕事か・・・。

⏰:10/11/16 01:07 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#660 [歩美]
一分くらい待ってみたけど、
誰も出てこなかった。

ひとまずマンションを出て、
辺りをフラつき喫茶店に入った。
紅茶を頼み、一服した。

そして頭の中で整理した。

あのマンション、
龍太郎、
1人暮らしなんだろうか。
家族は?
家庭は?

離婚したとか・・・?


誕生日に突然の贈り物。
ワンルームマンションに住んでいる。
どう考えても離婚したんだと思った。

⏰:10/11/16 01:11 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#661 [歩美]
一家の主なら、
普通に考えて元カノに住所まで書いた贈り物なんてしない。

そっか。
龍太郎、離婚したんだ。

私は勝手に推測し、
龍太郎は離婚して独り身だと決めつけた。

大阪まで押しかけてきて良かった。
そう思った。


独り身なら、なおさら絶対に会って帰りたかった。


夜、
また部屋を訪ねようと思い、
時間を潰すことにした。

⏰:10/11/16 01:17 📱:F02A 🆔:MbF4GZRQ


#662 [774ch]
>>250-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700

めっちゃ面白いです

⏰:10/11/16 06:00 📱:SH04A 🆔:☆☆☆


#663 [我輩は匿名である]
面白いし気になる(^O^)

⏰:10/11/16 07:19 📱:auSH3I 🆔:JnfXjHoU


#664 [ゆず]
気になります
頑張って下さい

⏰:10/11/16 18:49 📱:P03A 🆔:iNZFmBBg


#665 [キララ]
ャバィ
気になる

⏰:10/11/16 20:19 📱:P03B 🆔:6FbzLgaA


#666 [るぃ]
めっちゃ続きが気になります頑張って下さい

⏰:10/11/17 00:37 📱:SH01B 🆔:nsgHG9oU


#667 [歩美]
時間潰しのために、
駅前にあったパチンコ屋に入り予想外の大当たり。
ツイてる(笑)

6時頃になり、
もう一度龍太郎のマンションへと向かう。

外から部屋を見ると、
まだ電気はついていなかった。
まだ帰ってないんだ・・・。

それから1時間ほど、マンションの下で待っていた。


少し遠くに、汚れた作業服姿の男が見えた。

⏰:10/11/17 13:32 📱:F02A 🆔:s6O0Fmxo


#668 [歩美]
私は立ち上がり、
目を凝らした。

向こうは携帯をいじっているため、
正面は見えないけど、
・・・龍太郎だ。


・・・会えた。


龍太郎は私に気付いた。
お互い動きは止まり、
まるで、
一瞬時間が止まったみたいだった。


龍太郎「えっ?えっ?・・・えーっっ!??」

龍太郎は相当驚いていた。

⏰:10/11/17 13:35 📱:F02A 🆔:s6O0Fmxo


#669 [歩美]
私「久しぶり。」

軽く笑ってみた。

龍太郎は挙動不審になっていたけど、ようやく状況を把握し、私の顔を両手で触ってこう言った。

龍太郎「本当に歩美か?」


それが面白くて思わず噴き出してしまった。


とりあえず龍太郎は部屋が散らかってるからと、私を連れて近くの居酒屋に向かった。


生ビールを2つ頼み、
龍太郎はタバコに火をつけた。

⏰:10/11/17 13:39 📱:F02A 🆔:s6O0Fmxo


#670 [我輩は匿名である]
気になる!やばい!

⏰:10/11/18 00:24 📱:F02B 🆔:wdMKK9Ww


#671 [我輩は匿名である]
>>1ー100
>>101ー200
>>201ー300
>>301ー400
>>401ー500
>>501ー600
>>601ー700

⏰:10/11/18 17:23 📱:SH01B 🆔:R3GmigVM


#672 [歩美]
ビールが来るまでに、
タバコに火をつける龍太郎の横顔。
その顔は、
大好きだった横顔。

龍太郎と目が合い、
照れたように笑い、
すぐに目をそらす龍太郎。

変わらない彼がそこにいた。


目をそらした龍太郎はすぐに私の方を真っ直ぐ見て言った。

「本当に悪かった・・・」

まさか一言目で謝ってもらえるとは思わなかった。

⏰:10/11/19 09:15 📱:F02A 🆔:1jxOjSoA


#673 [歩美]
色々言いたかった。
めちゃくちゃに攻めたかった。でも私が選んだ言葉は、

「もういいよ。」

だった。
優しくそう答えた。

それは、龍太郎を嫌いになれていないという動かぬ証拠だった。


やがてビールが来て、
龍太郎が慣れたようにポンポン注文する。
私と付き合ってた頃、
頼んでた系統と変わらない。
ちゃんと私の好みも覚えていてくれた。

⏰:10/11/19 09:18 📱:F02A 🆔:1jxOjSoA


#674 [歩美]
諦めた小さな幸せがたくさんあった。

もう、龍太郎と横に並ぶこともないと思っていた。

この横顔を見ることも、
この声を聞くことも。


小さく乾杯し、
少しずつ料理が並ぶと共にお互い話し始めた。

龍太郎「離婚したんだ。」

龍太郎は私と別れてからの事を話してくれた。

結婚して、
たった1年で離婚したこと。

⏰:10/11/19 09:23 📱:F02A 🆔:1jxOjSoA


#675 [歩美]
理由は色々だと濁したけど、
問い詰めると一番の原因は、
嫁の浮気だとか。

元々お水だった嫁は、
よく龍太郎に黙って客と会っていたらしい。

そしてある日、
子供を連れて出て行った。

なんとか話し合うことになったけど、恐らく嫁と子供には、すでに他に住む場所があった。
そして龍太郎は嫁から恐ろしいことを言われた。

「この子も、ほんまにあんたの子かわからへんし」


どんなに辛かっただろう。
そんなこと言われて・・・。

⏰:10/11/19 09:28 📱:F02A 🆔:1jxOjSoA


#676 [℃゜]
すごい経験してますね!

age

⏰:10/11/21 15:43 📱:re 🆔:tXwQu6TY


#677 [歩美]
許せない。
大切な龍太郎を盗られて、
その上そんなひどい話・・・。


話題が話題だけに、
私たちは静かにしんみりと飲んでいた。


龍太郎「歩美は?
元気してたか?」


それもひどい質問だよ。
ボロボロだったよ。

私「大好きな人と別れて元気なわけないじゃんか(笑)」

冗談っぽく笑いながら言ったのに・・・。

⏰:10/11/21 22:44 📱:F02A 🆔:H0pw6/ys


#678 [歩美]
龍太郎は下を向き、
小さく言った。

龍太郎「ごめんな・・・。」

さらに空気は暗くなってしまった。あらあら。

私「でも会いに来て良かった♪プレゼント、ありがとう。」

微笑みながら言った。

龍太郎はホッとした感じで、少し笑ってくれた。


龍太郎「彼氏は・・・
そりゃ、いる・・・よな?」


私「い・・・るよ。」

⏰:10/11/21 22:47 📱:F02A 🆔:H0pw6/ys


#679 [歩美]
言ってしまった。
隠すつもりだったけど。
なぜ真実を話したのかわからなかった。

龍太郎「・・・だよな。
まさか元彼に会いに来たなんて言ってないよな?(笑)」

私「言ってないよ(笑)」


それからお互いにこれまでのことを話した。
龍太郎は順調に仕事も頑張っているみたい。
でも、まだしばらく大阪にいることになりそうとか。

私も、話した。
またホステスをしていることも。

⏰:10/11/21 22:51 📱:F02A 🆔:H0pw6/ys


#680 [歩美]
付き合い始めた頃みたいに、
ホステスという職業に嫌な顔はしなかった。

できないよね、そんな顔。

私と付き合ってたのに、
こっちのホステスとできちゃったんだもんね。


ダメだ。
思い出したくない。
今はまたこうして目の前に龍太郎がいるんだから。

忘れよう、
辛い過去なんて。


二時間くらい居酒屋にいて、
おあいそをした。

⏰:10/11/21 22:53 📱:F02A 🆔:H0pw6/ys


#681 [我輩は匿名である]
>>1-300
>>301-600
>>601-900

⏰:10/11/25 05:31 📱:SH01B 🆔:W9UYt1EE


#682 [歩美]
居酒屋を出て、
龍太郎の部屋に行くことになった。

龍太郎「うち寄ってけよ。」

って誘われた時はすごくドキドキしてしまった。

何かあるかもしれない・・・
ううん、
あってほしい。
そう思ったよ。

できることなら、
もう一度龍太郎に抱きしめられたかった。

叶うなら、
もう一度龍太郎を独り占めしたかった。

⏰:10/11/25 07:37 📱:F02A 🆔:aAeAn2Rg


#683 [歩美]
龍太郎「汚ぇんだけど気にすんなよ(笑)」

覚悟して部屋の中に入ると、
散らかってはいるけど、
そんなに驚くほどではなかった。

朝から仕事に行って、
疲れて帰ってくるだけという生活がにじみ出ているような、
シンプルな部屋だった。


一杯だけ、
とビールを開けて乾杯した。


ふと、視界に入った赤ちゃんの写真・・・。

⏰:10/11/25 09:06 📱:F02A 🆔:aAeAn2Rg


#684 [歩美]
あれはきっと龍太郎の子。

「自分の子かどうかわからない」赤ん坊の写真を、貼っている龍太郎のことがたまらなく健気に思えた。


私は突然後ろから龍太郎を抱きしめた。


龍太郎は何も言わない。


私も何も言わない。


静かすぎて、まるで時間が止まってるようだった。

⏰:10/11/25 09:09 📱:F02A 🆔:aAeAn2Rg


#685 [我輩は匿名である]
リアルタイムで読んでます
なんかドキドキで楽しいです

⏰:10/11/25 09:13 📱:SH01B 🆔:W9UYt1EE


#686 [歩美]
しばらくお互い黙ったのち、
龍太郎が言った。

龍太郎「泊まってけよ。」

私は龍太郎を抱きしめたまま、ちゃんとうなずいた。

龍太郎の
『泊まってけよ』が、
『泊まっていってほしい』
に聞こえたのは、
私が龍太郎のことちゃんと知ってるからだよ。

龍太郎のこと大好きだからだよ。

そう心の中で言った。

⏰:10/11/26 01:31 📱:F02A 🆔:PFHi43qE


#687 [歩美]
龍太郎がお風呂に入ってる間に、携帯を開いた。

龍一からのメールが一件。
いつもと変わらない内容。

簡単に翌日の予定を書き、
おやすみのメール。
いつも通り。

今まさに私が浮気してるなんて思いもしないよね。
私の気持ちが離れかかっていたのに気付いていても。
それが龍一なんだ。


お風呂からあがった龍太郎は、私が携帯を触っているのに気付き心配してきた。

⏰:10/11/26 01:35 📱:F02A 🆔:PFHi43qE


#688 [歩美]
龍太郎「彼氏・・・大丈夫か?」
パンツ一枚姿で、
タオルで髪をワシャワシャとふいてる龍太郎は妙に色っぽかった。

建築関係で引き締まった体、
厚い胸板。


私「大丈夫だよ。」


それ以降、彼氏の話はしてこなくなった。


そして、
私もシャワーを借りた。

⏰:10/11/26 01:39 📱:F02A 🆔:PFHi43qE


#689 [歩美]
――その日、久しぶりに龍太郎の腕の中で眠った。


私は言った。

『大好き』と。

龍太郎は言った。

『愛してる』と。

龍太郎はそんな言葉を言うキャラじゃない。
でも、付き合ってた頃と比べものにならないくらいに優しくて、強く私を抱いてくれたのはわかった。


浮気という形で、
龍太郎をまた抱きしめることができた。

⏰:10/11/26 01:43 📱:F02A 🆔:PFHi43qE


#690 [歩美]
――翌朝、
目が覚めると龍太郎はいなかった。
仕事に行ってしまった。


裸のままの自分に気付き、
昨夜の龍太郎の感触を思い出していた。

まるでドラマのような、
衝撃的な一晩だった。


携帯を開いた。
時間は10時をまわっていて、メールが二件。

一件は龍一から。
おはようメールだった。

⏰:10/11/26 01:50 📱:F02A 🆔:PFHi43qE


#691 [は〜たん♀]
この小説めっちゃ好きで いつも楽しみにしてます(≧∇≦)
更新頑張ってくださいね♪

⏰:10/11/26 23:11 📱:SH004 🆔:.PSepfFo


#692 [我輩は匿名である]
>>691
こーゆーの感想行ってほしい

⏰:10/11/26 23:14 📱:T001 🆔:ELEhEvaA


#693 [我輩は匿名である]
>>692


wwwwwwwww
こまかっwwwww

⏰:10/11/27 12:47 📱:F02B 🆔:xYteNx9o


#694 [歩美]
コメントありがとうございます

感想板です

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4816/

⏰:10/11/29 02:57 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#695 [歩美]
20≫決着。 〜続き〜


何も知らない龍一からのおはようメールに、
ようやく罪悪感が湧いた。

でも、罪悪感はすぐに忘れてしまった。

龍太郎からのメール。


〈7時までには帰る。〉


ただそれだけの文章。
愛想もない。
でも、待ってていいんだ、って嬉しくなっちゃったよ。
あなたは私を喜ばせるのが上手だね。

⏰:10/11/29 03:01 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#696 [歩美]
夢なら覚めないでほしい。

でも一番の願いは、
龍太郎と別れる前に戻りたい。
こうやって大阪まで来ていれば、他のホステスなんかに盗られなかったかもしれない。

そしたら、
約束どおり、
今ごろ私は龍太郎の奥さんだったかもしれない。

幸せな日々だったかもしれない・・・。


悔しい。
とにかく悔しい。

⏰:10/11/29 03:04 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#697 [歩美]
昨夜、
ベッドで龍太郎が言った。

「ごめん」

何度も何度も。

「謝らないで」

って言ったら、
強く抱きしめてきた。


子供ができたなんて、
きっと龍太郎も複雑だったはずなんだ。

きっと私を想っててくれたはずなんだ。

本当に切ない再会。

⏰:10/11/29 03:08 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#698 [歩美]
私は近くのスーパーに買い物に行き、夜ご飯の支度をして龍太郎の帰りを待った。

肉じゃがを作った。

龍太郎に食べてもらうのは初めて。

家庭的な料理で迎えてあげたかった。
別れさせ屋は、
実は尽くすタイプなんです。


――7時。
龍太郎が帰ってきた。

私「おかえり」

龍太郎「おぉ。」

⏰:10/11/29 03:11 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#699 [歩美]
照れくさくて
「ただいま」
とは言わない龍太郎がまた妙に可愛かった。

それに、
本当は私が待ってるか心配だったと思う。

大阪に着いた時は、
宿泊する気なんて全くなかった。
朝、龍太郎からメールが入ってなかったらきっと帰ってた。


龍太郎とは、
昔からそういうタイミングやフィーリングが合う。

恋愛において最も重要だと私は思う。

⏰:10/11/29 03:14 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#700 [歩美]
龍太郎がシャワーを浴びてる間に、料理を並べておいた。

上がってきた龍太郎は驚いていた。

珍しく素直に感情をあらわにして、喜んでくれた。


龍太郎「うまい♪」


あぁー、たまらんこの笑顔。
持って帰りたーーい。(笑)


作って良かった。
いや違う。

会いに来て良かった。
本当に心底思った。

⏰:10/11/29 03:17 📱:F02A 🆔:BNdaVEaQ


#701 [我輩は匿名である]
いつも見てます!
更新頑張ってください

⏰:10/12/01 20:58 📱:SA002 🆔:sD7WLXkc


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