夏祭り、恋花火
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#410 [七瀬]
 
フイと後ろを向く。

遊希と私の背中が向かい合う状態になった。


「ただ、笑っといてくれたらええ。
いつものお前みたいに、
キャーキャーうるさく騒いでて。」

“キャーキャー”って…

大きなお世話。


だけど、うれしかった。
 

⏰:09/04/02 01:47 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#411 [七瀬]
 
 
私が遊希に背を向けたのは

泣いてるのを隠すため。


だって

“泣かんといて”って
ゆわれたばっかやもん…



でもね、遊希。

私、悲しくて泣いてるんとちゃうよ?
 

⏰:09/04/02 01:52 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#412 [七瀬]
 
 
これは、うれし涙。

幸せで泣いてるの。

なんて、やっぱり変かな。


それでもいい。

矛盾してても
人に笑われても…

今だけはいいと思えるの。
 
 
それはやっぱり、

君のおかげ。

⏰:09/04/02 01:58 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#413 [七瀬]
 
 
小刻みに肩が震え、
消え入りそうな嗚咽が漏れはじめる。


君は、私の考えてること分かってたみたい。


「そんな、涙やったら
たまにはええかもな。」

そう笑った。

後ろを向いてるから、見たわけじゃないけれど、

確かに笑った。

⏰:09/04/02 02:03 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#414 []
>>1-100
>>101-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500

⏰:09/04/02 07:44 📱:P905i 🆔:Mef.VGG.


#415 [七瀬]
 
さん


ありがとうヾ(=^▽^=)ノ
 

⏰:09/04/02 08:57 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#416 [七瀬]
 
 
 
『いらっしゃい!』

「1000円の二つ。」

焼きたてホカホカのカステラを、袋に詰めてゆく。


『はい、1000円の二つ。
おおきに〜!!』


あんなに降っていた雨が
奇跡的に止んで

カステラには長蛇の列が
出来ていた。

⏰:09/04/02 09:01 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#417 [七瀬]
 
 
あまり星の見えない大阪。

だけど祭は無数ライトと
人々の目の輝きでキラキラしてる。



雨が降らなかったら
ほんまは、もっと売れてたけれど…


「500円の一つ下さい。」

小さな5歳くらいの女の子が立っていた。

⏰:09/04/02 09:06 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#418 [七瀬]
 
はぁーいと返事しながら見ると、カステラは一つしかなくて遊希が焼いている最中だった。


遊希は汗だくだった。

と言っても当たり前かな。


だって、
この8月に、こんな機械の前にいて汗を流さない人はいない。

少し離れたところにおる私も、その熱気は伝わってくる。

⏰:09/04/02 09:10 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


#419 [七瀬]
 
機械とは、もちろんカステラを焼く機械。


大きなフタがあって、
それを開けると、小さな穴がたくさん規則的に並んでいる。

その穴に粉を入れて、
フタを閉める。

そして、一定時間待って
再び開けると、


丸くて甘いカステラの完成とゆうわけ。
 

⏰:09/04/02 09:15 📱:N703iD 🆔:opfWhb72


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