こちら満腹堂【BL】
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#786 [ひとり]
久々にあの夢を見た。あの娘の夢。俺等が別れた学校近くの土手。日は傾いて、遠く帰宅を促す終業のチャイムが響く中、すみれの頬を伝う一筋の滴。それが傾いた西日に透き通って、綺麗で、悲しくて──
行ってしまう。すみれが行ってしまう───
駄目だ───
駄目だ───行くな───
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:10/12/26 15:58 :F01B :sQ7DWHS.
#787 [ひとり]
「──ッッだ!!」
目が覚めたら、寝汗びっちょり。おえ、おやじ臭せ。
んだよ、朝から胸糞悪りぃな。
とりあえず纏わりつく汗がうざったくて風呂場へ向かう。
うぅ、頭がフラつく。
昨日は素面でいるのがしんどくて、滝と無理やりべぇやんちに押し掛けドンチャン騒ぎ。
バッチリ二日酔いを喰らったみたいだ。痛ってー。
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:10/12/26 16:04 :F01B :sQ7DWHS.
#788 [ひとり]
いやいやだってだよ?マヂありえないんだってあのじゃじゃ馬娘が。
俺の太平洋より広く底なし沼より深いこの優しさをいいように利用しやがって、根岸とこ、こ、恋人繋ぎだなんて!!
イヤン!バカン!破廉恥ッッツ!!!!
ちゃっかり繋いだ手を写メって俺に送りつけてきやがったわけだ。思い返しても腹が立つ。
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:10/12/26 16:09 :F01B :sQ7DWHS.
#789 [ひとり]
根岸も根岸だ。
俺は祝ってやれとは謂ったが、手を繋いでこいなんてひとッッッ───────・・・ことも謂わなかった!!!!
あのバカが。
次から次へ溢れ出る不満を熱いシャワーに強く打たれて誤魔化す。イラついてる時ってのはエネルギーが溢れ出ていいね!なんかこう、1ミクロンの汚れも見逃さねーぞってくらい憎しみを込めて全身をガシガシ洗ったら、逆にスッキリして二日酔いもちったぁマシになった気がしたり。
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:10/12/26 16:16 :F01B :sQ7DWHS.
#790 [ひとり]
シャワーから戻ると、まだ野郎二人は夢の中のようだ。
そういや今日滝は遅番だし、べぇやんは休みだったもんな。あーあ、だらしなく腹なんかだしちゃって、ジャージーのゴム跡がばっちりついてますよコノヤロー・・・・・・マジックマジック・・・・・・・
────
──────
これでよし。我ながらプロの仕事だ。さて、そんじゃ一旦帰りますか。
俺は一人そそくさとべぇやんちを退散した。
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:10/12/26 16:26 :F01B :sQ7DWHS.
#791 [ひとり]
今日は早番。着替えだけしたら直ぐにでも出ないとこりゃ遅刻だな。
小走りで我が家のある二階へ駆け上がると、片手でホルダを外しながら、もう片方で玄関脇の茶のポストを弄った。
出張お姉ちゃんのチラシに俺には縁もゆかりもなさげなネイルの割引券付きハガキ、それからそれからー・・ん、手紙?
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:10/12/26 16:34 :F01B :sQ7DWHS.
#792 [ひとり]
それは薄紫色の便箋で、俺の名前と住所と郵便番号が几帳面で華奢な字で綴られていた。
ちょうどホルダーを外しきり鍵穴に鍵をぶち込んだところだった俺は、ドアを開けながらその小綺麗な便箋の裏を返した。
宛名がない。
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:10/12/26 16:41 :F01B :sQ7DWHS.
#793 [ひとり]
誰だか知らないが、俺の近しい奴でこんなコジャレた手紙を送ってくる奴なんて、誰も思い付かない。
ものっそい中身が気になるところではあるが、今は何はさておき着替えだ。
俺はテキトーな服を見繕って着替えると、薄紫のその手紙をくしゃくしゃにならないようケツポケに仕舞って店へ向かった。
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:10/12/26 16:45 :F01B :sQ7DWHS.
#794 [ひとり]
【休憩】
第三十四話完結です。
三田んちに届いた一通のお手紙。何かが起こりそうな予感(☆∀☆)ウヘヘ
あー収集つかんくなったらどぎゃんしょ´∀`ぇ
:10/12/26 16:57 :F01B :sQ7DWHS.
#795 [我輩は匿名である]
:10/12/31 19:18 :N04A :☆☆☆
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