浮 き 世 の 諸 事 情 。
最新 最初 🆕
#160 []
 
「"酒でも飲ませて襲った"
なんて言わないだろうねぇ?」


‥否定はできません、ぜ


「まさか‥そうなのかい?」

驚くように伊代は口をはっと塞ぐ

⏰:10/01/29 15:26 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#161 []
 
「いえ、いえ

せめて‥人並みでないと、ね」


その言葉に
ぽかんとだらしなく口を開けた

"人並み?"と目で訴えられて

⏰:10/01/29 15:27 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#162 []
 

「中の‥下では、何とも」



壱助はそう言い残し
団子をそのままにして


去っていった

⏰:10/01/29 15:27 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#163 []




さて、どうしたもんか

「‥ニャァ」

珍しく思い耽って宿に戻る
入り口手前で
何故か躊躇していると
一匹の猫が足元にすり寄ってきた

⏰:10/01/29 15:28 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#164 []
 
"獣はあまり好かないんで、ね"と
少し冷たい視線を向けると

寂しそうにニャァと鳴いた


「‥"猫"はどうして、こうも」

その場にしゃがみこみ
喉元を撫でてやる

⏰:10/01/29 15:29 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#165 []
 
「‥気まぐれなのか、ねぇ」


普段は猫なんて
寄って来やしないんですが

「ミャァ‥ウ」



‥撫でてやると
可愛い声を出すもんで

⏰:10/01/29 15:30 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#166 []
 
「情けない‥奴です、よ」





目を細めて微笑した

⏰:10/01/29 15:30 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#167 []
 
すりすりと身を寄せて
何を、考えているんで?

人と猫は
分かり合えませんか、ね


「発情期です‥か」

猫の丸い目がパチクリする
惚けるんですかい?

⏰:10/01/29 15:31 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#168 []
 
"さて‥"と腰を上げようとすると

"嫌だ"と言うように身を乗り出す



「"飼い猫"が‥妬くんでね」

大きく一撫でして立ち上がる

⏰:10/01/29 15:31 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#169 []
 

「‥隠れても無駄、ですよ」



「ひぁぁああっ!!」


びくりと肩を持ち上げて
‥苦笑いする猫が一匹。

⏰:10/01/29 15:32 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#170 []
 
「いいいっ壱助さんっ
おかっ‥お帰りなさぁい」


「何してお出でで?」




‥どうしたもんか、ね

⏰:10/01/29 15:33 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#171 []
 
「‥心配で、‥壱助さんの事が」




馴れては、いるんですぜ?



しかし情けない‥男です、よ

⏰:10/01/29 15:34 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#172 []
第六章 【困らせて】

*。*。*。*。*
サブタイトル:色男の悩み w

またもや壱助さん目線
伊代さんと絡み熱いっす

猫と話しちゃう壱助さん
相当‥やられてるようで

とりあえず、
香夜ちゃん出番少なくて
ごめんなさい(笑)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/01/29 15:38 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#173 []
 
"腹立てるより義理立てろ"

腹を立てて何になるんで?
どうにもなりや、しやせんよ





本当に、訳の分からない厄介者を
拾ってしまったもんです、ね

⏰:10/01/29 16:48 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#174 []



壱助さんが‥猫としゃべってた

有り得ない‥
あんなに動物嫌いなのに!!
熱でもあるのかなぁ

「何、か」

「い‥いえ、何も」

‥気のせいか。

⏰:10/01/29 16:48 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#175 []
 
「さっきから‥何か、」

ついついじっと見てしまう
意識はしてないんだけど‥


まぁ、壱助さん綺麗だし
普通は見とれるものよね



‥自問自答である。

⏰:10/01/29 16:49 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#176 []
 
「壱助さん‥もしかして‥」

無意識のうちに
あたしは口が開いてしまう

壱助さんにこんな事聞くなんて
虎の穴に手突っ込むようなもの


「もしかして、花街に‥」

・・・って、

⏰:10/01/29 16:50 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#177 []
 



「何で脱いでるんですかぁああ?!」


_

⏰:10/01/29 16:51 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#178 []
 
真珠みたいに白い肌
まるで歌舞伎の女形みたいに
綺麗な顔わしてるもんだから
体も華奢なのかと思ったら

案外‥と言うか
かなりしっかりしてて
搾られてるってかんじ‥。

腰の当たりがすごく色っぽくて
何て綺麗なんだろうこの人は‥

⏰:10/01/29 16:51 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#179 []
 
って‥
いちいち描写したくなるほど
美しかった


「ちょっ‥と
いきなり何してるんですか!!」

腰のあたりまで着物を下ろし
ぎろりと此方を睨み付けられる

⏰:10/01/29 16:52 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#180 []
 
「何とは‥
着替えの意味もご存知でない?」


またそうやって‥

「ご存知ですぅ!!
着替えるなら一言かけてから‥」

からかうんだから

⏰:10/01/29 16:53 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#181 []
 
"着替えます、よ"って
‥今更遅いですよぉ

熱くなる顔を抑えて
黙って背を向けた



するすると帯が解ける音
そんな音でさえ
壱助さんは色っぽくしてしまう

⏰:10/01/29 16:54 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#182 []
 
「終わりました、よ」

一呼吸置いて体の向きを返る
いちいちドキドキして
あたし馬鹿みたいだなぁ‥


おいおい壱助さん
時が止まってるじゃあ
ありませんか。

「ちゃんと腕通してくださいぃ!!」

⏰:10/01/29 16:54 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#183 []
 
また半裸状態
露出狂ですかあなた‥もう

「はい、はい」

くつくつと笑いながら袖を通す


着物が畳を擦る音に
壱助さんの呼吸が答える

「花街が‥どうかしやした、か」

⏰:10/01/29 16:55 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#184 []
 
目の前に正座して
長い睫を柔らかく揺らす

調子狂いますよ‥本当に


「壱助さん‥
いつもいつも野暮用って、
本当は、花街に
行ってるんじゃないですか?」

軽く唇を噛んで頬を膨らます

⏰:10/01/29 16:55 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#185 []
 
「そうだったら‥何、か」

動揺する様子もない
掴み所がない人ね


「やっぱり‥そうなんですか?」

語尾が弱くなる
聞かなきゃよかったって
これまた後悔先に立たず。

⏰:10/01/29 16:56 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#186 []
 
「さぁ‥ね」

妖しい笑みを浮かべた時は
あたしをからかってるのだ


「行くな、と?」

「当たり前です‥!
何か‥嫌なんですよぉ」

「ほぉう」

⏰:10/01/29 16:57 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#187 []
 
すると
壱助さんがぬっと身を乗り出し
じっと見つめてきたもんで
不意を付かれて倒れ込んだ



「それなら‥香夜さんが
お相手を、していただけるんで?」

⏰:10/01/29 16:57 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#188 []
 
急に体が重くなる
あたしを見下ろすその目が憎い
壱助さんは、ずるいよ

「‥嫌です」

「おや、この前は‥
色めいて抱けと言ったのに」

「‥あ、あれは」

自分でもよくわかりません
何て言えるはずもなく

⏰:10/01/29 16:58 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#189 []
 
「色んな遊女を抱いてる人に
‥抱かれたくはありません」

目を伏せて
のしかかる体を押し上げる


「こいつぁ‥手厳しい」

雪みたいな手が頬を撫でた

‥また喰らおうとするの?

⏰:10/01/29 16:59 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#190 []
 
「中の下では‥」

雪がするする首筋を流れ
胸元をするりと抜けた



「"目覚めない"もんで、ね」

胸にひんやりとした感覚
睨みつけるように
鋭い目であたしを突き刺す

⏰:10/01/29 16:59 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#191 []
 

「きゃああぁああぁあっ」



いざと言うときに
力は発揮されるようで

どんと壱助さんの体を突き飛ばし
目をむき出しにした

⏰:10/01/29 17:00 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#192 []
有り得ないっ有り得ない!!!

「壱助さんの‥




すけべぇええぇえぇ!!!!」



もう、お嫁にいけません。うぅ

⏰:10/01/29 17:00 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#193 []
 
「そんなに怒っていては‥
嫁に行けません、よ」



「壱助さんのせいですぅう!!!」


目一杯叫んでやった。

―‥壱助さんの馬鹿やろうっ!!

⏰:10/01/29 17:02 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#194 [笹]
第七章 【触れられて】

*。*。*。*。*。*
すみません
ただの私の息抜きです ←

壱助さんも美しいとはいえ
やはり男、助平なのもまた然り
だけど下品に聞こえないのが
また憎めない‥

さぁ香夜ちゃんは
無事お嫁に行けるのかっw?
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/01/29 17:06 📱:D905i 🆔:XWctwuXA


#195 [我輩は匿名である]
>>160-200

⏰:10/01/29 21:42 📱:W53H 🆔:CL/ESoxg


#196 [我輩は匿名である]
>>140-159

⏰:10/01/29 21:42 📱:W53H 🆔:CL/ESoxg


#197 []
 
死にそうな所を
拾ってやったと言うのに‥

疑い深い猫、ですよ


少しは恩でも返そうと
‥思わないんですかい?

"猫は三年の恩を三日で忘れる"
‥って、ね

⏰:10/01/30 19:50 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#198 []




何をするでもない
壱助さんはいつもこう。

正座してお茶を入れて啜って
少し間を置いてまた啜って‥
飲み終えたら
‥―立ち膝で窓際に座る


ぼうっと空ばかり眺めて
何が面白いのだろう。

⏰:10/01/30 19:50 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#199 []
 
立ち膝で座ってる時の
少しはだけた着物から見える
白い肌が何とも‥。

あー‥羨ましさを越えて憎らしい



‥ねぇ壱助さん
あたしが居ること忘れてる?
存在消されてる?

⏰:10/01/30 19:51 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


#200 []
 
そういえば、壱助さんは何で‥





あたしを助けてくれたの?

⏰:10/01/30 19:52 📱:D905i 🆔:weUwJGLs


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194