horrorU〜二重連鎖〜
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#102 [輪廻]
『あの幹事の人いるでしょ?』
『ああ…それがどうかした?』
『あの人…私達の同級生じゃなかったの』
響歌がそう言うと、二人はほぼ同時にえっと驚く。
『まじで? なんでわかったの?』
『実は……』
響歌は事の成り行きを全て話した。
:12/03/10 10:38 :iPhone :klZv3ZOY
#103 [輪廻]
『……あいつがデスネットで…?』
『うん。間違いなくそう言ってた』
『でもさでもさ…ホントは29歳なんだよね? 中学校に集まった時、誰もおかしいと思わなかったのかな?』
七瀬のいう事はごもっともであった。
『それは私も気になってた。私達以外で誰一人不審に思わなかったし…』
『だよな…』
蓮は腕を組んで考え込んだ後、二人を見て
『俺、後であいつと話ししてくるわ。俺達の同級生じゃない奴がなんでこの同窓会を企画したのか、全部聞き出してやる』
そう言いながら拳を作りガッツポーズをすると、それを見た七瀬と響歌はニッコリと微笑んだ。
:12/03/10 11:05 :iPhone :klZv3ZOY
#104 [輪廻]
『な、なんだよ』
『別にぃ〜。ね? 響歌!』
『うん。なんでもないよ!』
『変な奴…』
蓮が最後にそうつぶやき、三人は旅館に向けて歩き出した。
そんな楽しそうな三人を妬むかのように木の影から一人の人影がその姿をじっと見つめていたー
後編・響歌篇【完】
第1話『戦慄の序章』了
:12/03/10 11:12 :iPhone :klZv3ZOY
#105 [輪廻]
:12/03/10 11:25 :iPhone :klZv3ZOY
#106 [輪廻]
第2話『惨劇の次章』
前編・狂也篇
:12/03/13 19:28 :iPhone :Jl18ci6I
#107 [輪廻]
狂也が自分の住むアパートに着いた時には、時刻はすでに深夜2時を回っていた。
散々歩き疲れが溜まっているせいか、あの悪夢のような出来事の事は忘れかけていた。
重い足取りで階段を上がり、ポケットに入れていた鍵を取り出し、部屋のドアを開け中に入る。
部屋全体が暗い中、真っ先に向かったのは、いつも出しっぱなしにしている布団だった。
そのまま倒れるように布団の上に寝転がると、朦朧と意識が薄れていき、そのまま眠りについたー
:12/03/14 09:21 :iPhone :Y8b7jttI
#108 [輪廻]
ーピンポーン…ピンポーン
何度目かのインターホンの音で目が覚めた。
薄く開けた目で辺りを見ると、窓の外から明るい日差しが差し込んでいる。
仰向けになっている身体をゆっくり上げて、時刻を確認する為に携帯電話を探す。
だが、いつも枕のそばに置いてあるはずの携帯電話が見当たらない。
鳴り続けるインターホンをそっちのけで電話を探す。
ーピンポーン
『ッ! うるせーな…』
寝起きが悪い狂也は、何度も鳴らされるインターホンの音に頭に来、サッと立ち上がると玄関の方へドスドスと大きな足音を立てながら向かった。
:12/03/14 09:23 :iPhone :Y8b7jttI
#109 [輪廻]
イライラしていた狂也は、ドアについている覗き穴を確認する事もなく鍵を開け、ドアをバッと強く開いた。
『誰っすか…! あ…』
そこに立っていた人物を見て、一瞬にして身体と思考が停止する。
『おはようさん』
いつも忘れっぽい狂也だが、その人物とその声には当然覚えがあった。
その人物はまぎれもなく、昨夜狂也に人間の死体を埋めるのを手伝わせた男だった。
さらにはその後、この自分をも殺そうとしていた。
:12/03/14 09:24 :iPhone :Y8b7jttI
#110 [輪廻]
昨晩の事を思い出し、もしかしてこの男は自分を殺しに来たのだと思い、急いでドアを閉めようとした時、男はすかさずそれを足でブロックした。
ドアを何度も内側に引くが、男のドアの下部分にかける足の力は強く、閉まらない。
狂也は思わず叫んだ。
『け、警察呼びますよ!!』
だが、男は怯む事なくニヤニヤ笑いで狂也の顔を見つめている。
:12/03/14 09:25 :iPhone :Y8b7jttI
#111 [輪廻]
周りに人がいれば助けを呼ぼうと辺りを見回したが、そこに人っ子一人見当たらない。
まるでこの世に自分とその男しか存在していないのかと思うほどに、辺りは車の音も聞こえずひっそりとしている。
狂也はなんとか平静を保とうと、下を向いて深呼吸をしてから、男に話しかけた。
『な、なんの用なんですか…あの仕事なら昨日ちゃんと…』
そう言うと男はニッと歯を思い切り出し不気味な笑みを浮かべると、着ていた黒いダウンポケットの中に手を入れ何かを取り出そうとする。
:12/03/14 09:26 :iPhone :Y8b7jttI
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