…キコエナイ歌声…
最新 最初 全 
#70 [三ッ葉
]
━━━━━━━━……
ムクッ――…
上体を起こすとお父さんはまだ眠っている……
忙しくて疲れてるんだろうな
そっとしといてあげなきゃ――…
ガラガラッ
:07/03/12 21:53
:N902i
:☆☆☆
#71 [三ッ葉
]
私は
パジャマ姿のまま部屋の外へとでた
ガヤガヤ
朝の病院でもにぎやかだった
もしかしたら…
もう声がでるようになってるかも!!
私は、端にいた看護婦さんにあいさつしてみようと試みた
:07/03/12 21:57
:N902i
:☆☆☆
#72 [三ッ葉
]
美「……ッ………」
やっぱりでないままだった
「どうかしたの??」
看護婦さんが私に気付いて優しく声をかけてくれた
ダッ
私は、首を横に振ってその場からにげた
:07/03/12 22:02
:N902i
:☆☆☆
#73 [三ッ葉
]
自分を落ち着かせる為にも病院の外に出て
大きく息を吸い込んでみた
ズキンッ…
喉が痛む
それより心が痛かった
声がなくなっちゃったら
私どうしたらいいの…??
嫌だよ―…
:07/03/12 22:08
:N902i
:☆☆☆
#74 [三ッ葉
]
昨日雨が降ったおかげで
外に出て見える空は
青空だった
でも、じわじわとあふれる涙でにじんでいた
私は、そのまま地面にしゃがみこんだ
美「………グスッ」
スッ…
地面にうつる私の影に違う影が忍び寄るのが見えた
:07/03/13 10:45
:N902i
:☆☆☆
#75 [三ッ葉
]
美「……!!」
麻「え……のさか?
何で泣いてんの――…」
その影の正体は
神山 麻人だった
心配そうな顔をしている
風がさわっと吹きあたる
声が出なくなった
:07/03/15 11:21
:N902i
:☆☆☆
#76 [三ッ葉
]
……なんて言ったら
笑われそうで
引かれそうで
恐い。
私は黙り込んだ――…
麻「……」
ギュッ…
美「…ッ…!!?」
:07/03/15 11:24
:N902i
:☆☆☆
#77 [三ッ葉
]
突然、神山くんが
私の手を握り締めた
………な…なに??
何かに気付いたのかな??
もしかして
私の声が
なくなったこと分かったのかな…………??
まさか……ね;;
:07/03/15 11:30
:N902i
:☆☆☆
#78 [三ッ葉
]
麻「……そのまさかだよ」
美「……!?」
神山君がポソリと呟く
………そのまさか
って………??
???
:07/03/15 20:58
:N902i
:☆☆☆
#79 [三ッ葉
]
恭「……美和…」
後ろから声がして振り向くと心配そうな顔をしたお父さんがいた
スッ
私はしゃがみこんでいた体を起こして
お父さんの目をじっと見つめた――…
美「……」
:07/03/16 18:38
:N902i
:☆☆☆
#80 [三ッ葉
]
私は口をパクパクさせながら、喉の前に両手の人差し指をもってきて
バツ印をつくった……
お父さん……
どうか気付いて――…
私、声でなくなっちゃったの――……
涙ぐむ目で見つめ続けた
:07/03/16 18:40
:N902i
:☆☆☆
#81 [三ッ葉
]
恭「…美和――…?」
お父さんは分からないらしく戸惑っていた
ギュッ……
さっきから握り締められていた神山君の手に力が入った
麻「…声でなくなっちゃたの――…」
:07/03/16 18:46
:N902i
:☆☆☆
#82 [三ッ葉
]
…………ッ!?
麻「お父さん……
どうか気付いて――…」
神山君……
ついさっきまで私が考えてたことを口にしてる
何で――…??
麻「…って言ってますよ」
:07/03/18 01:12
:N902i
:☆☆☆
#83 [三ッ葉
]
恭「君は――…
それは本当か??」
お父さんは放心状態のような表情になる
麻「……はい」
神山君はスッと私の手を放した
私はお父さんに向かって
頷いた
:07/03/18 01:16
:N902i
:☆☆☆
#84 [三ッ葉
]
恭「…美和ッ……」
お父さんは
私をぎゅっと優しく抱きつつんでくれた
お父さんの温もりが心地よくて安心する
恭「お前は…一人で背負って……」
お父さんが赤くなっている私の喉に触れる
:07/03/18 01:22
:N902i
:☆☆☆
#85 [三ッ葉
]
私はお父さんにしがみついて泣き喚いた
本当は恐い……
すごくすごく――…
自分の気持ちを簡単に伝える事ができなくなるなんて――…
まだ子供の私には
恐い。
:07/03/18 01:26
:N902i
:☆☆☆
#86 [三ッ葉
]
お母さんを失わせた
私への戒め―――……
罰なのかな??
なら……
これで良かったのかもしれないのかな??
分かんないよ
:07/03/18 01:30
:N902i
:☆☆☆
#87 [三ッ葉
]
神「榎坂……
俺には、不思議な力があるんだ。
少し気付いてると思うけど、人の気持ちが読めるんだ―――……」
神山君が真剣な顔で
話をきりだす
俺「榎坂の力になれると思うんだ……
俺がずっと傍にいてやるよ……
だから、涙ばっか流すな」
:07/03/18 01:38
:N902i
:☆☆☆
#88 [三ッ葉
]
>>87訂正します
麻「榎坂……
俺には、不思議な力があるんだ。
少し気付いてると思うけど、人の気持ちが読めるんだ―――……」
神山君が真剣な顔で
話をきりだす
麻「俺、榎坂の力になれると思うんだ……
俺がずっと傍にいてやるよ……
だから、涙ばっか流すな」
:07/03/18 01:40
:N902i
:☆☆☆
#89 [三ッ葉
]
…………え??
私の力になってくれるの?
でも、悪いよ――…
私は首を横にふった
麻「もう俺が決めたんだから、決定だ!!
俺がそうしたいんだから良いんだよ」
:07/03/18 01:44
:N902i
:☆☆☆
#90 [三ッ葉
]
神山君が不器用に笑った
そして、
私に手を差し伸ばす
少し間をあけて……
私は涙をこぼしながら笑って
神山君の手を握り締めた
:07/03/18 01:48
:N902i
:☆☆☆
#91 [三ッ葉
]
この時の小さな私には
この時の小さな君の笑顔と言葉が
本当に嬉しくて……
私の小さな希望になった
私にとって小さいけど
光になった
小さい光………。
蛍の様に私を照らす――…
:07/03/18 01:52
:N902i
:☆☆☆
#92 [三ッ葉
]
:07/03/18 02:11
:N902i
:☆☆☆
#93 [三ッ葉
]
【Cherry】
麻「でさ、今俺等は手握ってるよね??」
私は頷いた
麻「この状態が気持ち読み取れるんだ
だから、気持ちを伝えるときは、お互い手握ってないといけないんだ」
病室に戻った私とお父さんは、麻人君の説明を聞いていた
:07/03/18 08:14
:N902i
:☆☆☆
#94 [三ッ葉
]
今なら神山君に聞こえるのかな…??
"今日は、いい天気ですね………聞こえてる?"
と心の中で念じる
麻「聞こえてる…てか、何でそんな文章;;?」
神山君は口の前に手をあてて、少し笑った
:07/03/18 12:56
:N902i
:☆☆☆
#95 [三ッ葉
]
麻「それから、俺は力のコントロールをしなきゃなんない………
俺の集中力次第で、細かいところまで読んでしまうんだ;;」
グイッ……
神山君が私の腕を引っ張り、体を近付ける
麻「普通に心を読むときは、どれぐらいの力でいいのか分かっとかないと
榎坂の知られたくないとこまで読んじゃうことになる………」
:07/03/18 18:18
:N902i
:☆☆☆
#96 [三ッ葉
]
麻「これまでに何度か手を握ったことあるけど
力の大きさが合わなくて、榎坂に何があったか、
何を抱えて苦しんでるか分かっちゃったんだ……
ごめん――…
気持ち覗くつもりじゃなかったんだけど…」
神山君が罪悪感を抱えた表情を見せた
神山君は、私の気持ちの殆どを知っちゃったって事だよね…………??
:07/03/18 18:20
:N902i
:☆☆☆
#97 [三ッ葉
]
"大丈夫だよ……
そんな顔しないで!!
私は何をしたらいい??"
私は両手で神山君の手を握った
麻「……おでこ貸して」
ペタッ
私と神山君は、
おでこをぴったりとくっつける形になった
近くて緊張する……;;
:07/03/18 18:46
:N902i
:☆☆☆
#98 [三ッ葉
]
麻「さっきみたいな文章でもいいから、このまま伝えたい事だけを思い続けて」
さっきみたいな文章…か―――…
"今日はいい天気ですね
うん、本当いい天気!!
神山君……こんな私に手を差し伸べて助けてくれるなんてすごく優しいね…
無理しないでね?
嫌だったらちゃんと言ってね??
本当……ありがとう"
:07/03/18 18:48
:N902i
:☆☆☆
#99 [三ッ葉
]
また涙ぐんできた……
麻「…泣くなって
これからよろしくな」
ポンポンッ…
神山君が私の頭を撫でる
"うん、よろしくね…"
そんな私達をお父さんは
にこやかに眺めていた
:07/03/18 19:53
:N902i
:☆☆☆
#100 [三ッ葉
]
━━━━━━━━……
私は、声がでるようになるまで病院の施設に通うことになった……
当分は、病院生活だ
今のところ
それも苦ではなかった
なぜなら、神山君とお父さんが逢いにきてくれるから………。
いつもいろんな話を聞かせてくれて、私の笑顔を作ってくれるから……。
:07/03/19 00:13
:N902i
:☆☆☆
#101 [三ッ葉
]
………………。
数日経ったとき――…
恭「美和ごめんッ……
仕事がたくさん溜まっちゃって、断れない仕事もあってで………
しばらくお仕事で忙しくなると思う――…」
お父さんが申し訳なさそうな顔をする
しばらくは病院に顔だせないって事だよね………。
:07/03/19 12:58
:N902i
:☆☆☆
#102 [三ッ葉
]
麻「こんにちわ〜」
神山君が病室に入ってきた
肩にはランドセルを背負ってある
いつも、休みの日だけじゃなく、学校帰りによってくれてるんだ
グイッ……
麻「うわっ……え?」
私は、来たばかりの神山君の腕を引っ張り
:07/03/19 13:02
:N902i
:☆☆☆
#103 [三ッ葉
]
手を握った……
麻「あ〜そういうことか
"お父さん、心配しないで!!お仕事頑張って良い曲沢山作ってね!
私、平気だよ??
だって――…
神山君もいてくれるし…ね"
―――…って、俺??
なんか照れる…///」
神山君は、私の想いを口にしながら照れてた
:07/03/19 13:08
:N902i
:☆☆☆
#104 [三ッ葉
]
クスクス……
私とお父さんは笑った
恭「ありがと、美和。
じゃ、お父さん行ってくるな!!
麻人君、世話かかる美和をよろしく」
麻「はい!!
任しといてください」
私は、病室からでていくお父さんを余った手を振って見送った
いってらっしゃい
お父さん……
:07/03/19 13:14
:N902i
:☆☆☆
#105 [三ッ葉
]
麻「よっ…と」
神山君は、
光沢のある真っ黒なランドセルをベットの隅に置き
ベットの上にあがった
私が寝ている大きなベットには、まだ幼くて小さな子供二人なんてスッポリとおさまる
まだ、余裕も沢山あるぐらいだった
:07/03/19 13:23
:N902i
:☆☆☆
#106 [三ッ葉
]
"神山君いつも来てくれてありがとう、嬉しい!!"
麻「嬉しい?
そう言ってもらえて何か俺も嬉しくなる……」
お互い嬉しいんだね
それって何かいいな…
"そっか!!
一緒にいる時間も多いし………あ、毎日毎日病院来るの大変じゃない??"
私は首を傾げた
:07/03/19 13:30
:N902i
:☆☆☆
#107 [三ッ葉
]
麻「な〜に言ってんの?
俺等は一心同体ってか………"運命共同体"になったんだから気にしなくていいんだって!!」
神山君が私のおでこを軽くこづいたので、
私はおでこをさすった
"私と神山君は
運命共同体…か
じゃあ〜二人で一つみたいな感じだね!!"
私の想いは神山君にしか聞こえないから
病室には、神山君の声だけ響く………
:07/03/19 14:41
:N902i
:☆☆☆
#108 [三ッ葉
]
麻「そんな感じかも」
二人で一つ
それはまるで――…
"私達さくらんぼだね"
私は、顔を輝かせて言った
麻「さくらんぼ??
まぁいいか…
俺等、さくらんぼな♪」
:07/03/19 15:53
:N902i
:☆☆☆
#109 [三ッ葉
]
:07/03/19 16:19
:N902i
:☆☆☆
#110 [三ッ葉
]
【テディーベア】
毎朝目を覚ますと
明かりのついた天井が
目をチカチカとさせるんだ
でも今日は違った――…
麻「おはよ、美和」
目を覚まして一番初めに目に映るのは麻人の笑顔
私は、麻人の手を握る
:07/03/19 16:28
:N902i
:☆☆☆
#111 [三ッ葉
]
もう私達は小学六年生。
長い時間が過ぎていく中
私の声は戻ってくる事はなかった――…
だから…
"麻人、おはよ"
朝の挨拶も普通にできない
心で念じるんだ――…
:07/03/19 20:30
:N902i
:☆☆☆
#112 [三ッ葉
]
ずっと、お父さんと麻人は私の傍にいてくれた――…
麻人とは、名前で呼び合う仲になった
"今日は早かったね
……私のお父さんは??"
私は周りをキョロキョロと見回した
麻「忙しくて来れないってさ。今日は、何となく早く来たんだ…それで、
美和の寝顔みてた」
:07/03/19 20:37
:N902i
:☆☆☆
#113 [三ッ葉
]
"寝顔みたの!??
や…やめてよッ…///"
私はテンパって麻人の手を更に握り締めた
麻「……嘘☆
俺、来たばっかだし……」
そう言う麻人の顔はにやけてて―――……
怪しい;;
二人のイメージ画です
崩してしまったらスミマセン
[jpg/25KB]
:07/03/19 23:11
:N902i
:☆☆☆
#114 [弥生]
面白いデス~
絵もぅまぃデスネI
これの他にも絵書きますか??
:07/03/20 00:52
:W42K
:☆☆☆
#115 [三ッ葉
]
:07/03/20 10:05
:N902i
:☆☆☆
#116 [三ッ葉
]
>>113から
怪しいけど、あえて触れないで置こう!!
麻(本当は見たし☆
でも、麻人の顔はにやけている………;;
あっ……!!
そんな事より――…
私は引き出しから数枚の紙を取り出した
"麻人……これ分かんない教えて――…??"
:07/03/20 21:15
:N902i
:☆☆☆
#117 [三ッ葉
]
麻人が紙をとり、問題を読んでいく……
麻「……はぁ;;」
呆れたため息が聞こえてくる
"な…何よ;;"
私は麻人を横目で見た
麻「こんなのも分かんないのかよ;;」
カチンッ…
:07/03/20 21:22
:N902i
:☆☆☆
#118 [三ッ葉
]
少し……いや結構ムカッときた!!
成長する度に麻人の口調が悪くなっていってる気がする――…
それに笑わなかったら
無愛想な顔………。
まぁ、優しいんだけね!
麻「これがこうで――…分かる??」
麻人は頭が良くて、スラスラと問題を解いていく
:07/03/21 11:39
:N902i
:☆☆☆
#119 [我輩は匿名である]
:07/03/21 13:34
:SO702i
:☆☆☆
#120 [三ッ葉
]
:07/03/21 20:46
:N902i
:☆☆☆
#121 [葉月]
あげぇ
:07/03/23 18:01
:W41SA
:☆☆☆
#122 [三ッ葉
]
:07/03/23 22:53
:N902i
:☆☆☆
#123 [三ッ葉
]
>>118から
麻人は本当に頭が良いんだ
私が特別バカってわけでもない!!
標準の頭をもってるはずだけど、この問題が結構難しいからで――…
"………あ〜!!
分かった気がする!!!"
ほら…ネ?
理解はできるんだ
麻「本当に分かってんだか……;;」
コイツっ……
やっぱり口悪くなった
:07/03/24 18:36
:N902i
:☆☆☆
#124 [三ッ葉
]
麻「…口悪くて結構」
しまった!!
心の声が読み取られたみたい………
強く考えすぎたのかな?
気を付けなきゃ;;
"聞こえてたか;;
なんか暇だね…………"
私は小さなあくびをした
麻「ねみぃ〜」
麻人はあくびをしながら
私の横に寝転んだ
:07/03/24 18:42
:N902i
:☆☆☆
#125 [三ッ葉
]
ゆとりのあったベットにも少し余裕がなくなっていた……
私達、大きくなったんだな〜とこの年で懐かしんでしまう私;;
麻「俺のクラスの奴でさ―――……」
麻人が学校の話をしだす
いつも、学校でのいろんな話をしてくれるんだ
私も行きたいな――…
:07/03/24 23:53
:N902i
:☆☆☆
#126 [三ッ葉
]
軽く横を見てみると麻人が無表情なのに楽しそうに話続けていた――…
私も楽しくなる
…………………。
でも
麻人の話はいつになっても終らない……;;
エンドレス――…??
:07/03/25 01:19
:N902i
:☆☆☆
#127 [三ッ葉
]
と、思ってたら――…
麻「あ………」
麻人が急に話すのを止めた
"どうかした……??"
私は上体をムクッと起こした
麻人はベットの隅に置いてある物を凝視していた
それは、
クマのぬいぐるみ
:07/03/25 01:24
:N902i
:☆☆☆
#128 [三ッ葉
]
麻「……何これ…
美和のもんなの??」
麻人がそれを手を伸ばしてとり、私の空いてる手に手渡す
私はコクリと頷いた
手のひらからちょっぴりはみ出るくらいの
フワフワのテディーベア
"………麻人…
これね…宝物なの"
:07/03/25 02:07
:N902i
:☆☆☆
#129 [三ッ葉
]
私は、小さなテディーベアを大事に両手で胸に抱え込んだ
ら、麻人の手を握ったままで麻人も軽く引き寄せてしまった;;
"あは…ごめん;;
これね……私のお母さんが一番初めにくれた
プレゼントなの――…"
私が生まれた時にくれたもの――…
気が付けばずっと大事にしてたもの――…
お母さんの代わりにもっと大事にしてるんだ
:07/03/25 02:13
:N902i
:☆☆☆
#130 [三ッ葉
]
"お…おかしいよねッ…
小6になったのに、こんなぬいぐるみずっと大切にしてるなんて――…"
私は目をそらして笑った
麻「…そんな事ねぇよ
宝物があるっていいじゃん!!俺、ないからさ」
麻人はいつも私が暗くなると頭を撫でてくれる
落ち着くんだ…
"……ふふッ
いつか麻人にもできるよ、宝物が!!"
:07/03/25 02:20
:N902i
:☆☆☆
#131 [三ッ葉
]
私は、すぐに元気になった
気持ちを伝えるとともに顔で表情を伝える
できるよ――…
麻人にも、きっと……
私にとってのテディーベアみたいな
大切な宝物が……
:07/03/25 02:23
:N902i
:☆☆☆
#132 [三ッ葉
]
━━━━━━━…………
━━━━━………
麻人が帰った後…
やってくる暗い時間。
…………夜。
私はベットの布団にくるまりながら、テディーベアを抱え込んだ
これは毎日してる事。
寂しさを紛らわすため――…
それから――……
:07/03/25 02:28
:N902i
:☆☆☆
#133 [三ッ葉
]
お母さん……
本当にごめんなさい…
毎日、テディーベアを通してお母さんに謝るため。
私の所為でお母さんが亡くなってしまった時から
かかさずにやっている事―――……
麻人やお父さんがいて笑ってられるけど
ずっと平気なんかじゃない
平気でいられる訳がない
:07/03/25 02:33
:N902i
:☆☆☆
#134 [三ッ葉
]
心の底では
鉛の様に重くのしかかる
罪悪感と喪失感――…。
今までずっと…
そしてこれからもずっと…
消える事なく
積み重なっていくだけ―――……
ごめんね……お母さん
:07/03/25 02:36
:N902i
:☆☆☆
#135 [三ッ葉
]
:07/03/25 02:40
:N902i
:☆☆☆
#136 [三ッ葉
]
【モ ノ ク ロ の 世 界】
中学1年生の歳になる。
お父さんは、仕事
麻人は、学校行事や家庭の行事
こういう事で病院に来れない日が多くなってくる
私はもう中学1年生…。
寂しくて本当は、逢いにきて欲しいけど
わがままは言えない!!
我慢、我慢ッ……!!
:07/03/25 02:52
:N902i
:☆☆☆
#137 [三ッ葉
]
最近は
目を覚ました時も
目を覚ましてからもずっと一人なんです;;
………憂欝だ。
美「………」
私は、何もせずにベットの上でボーッとしていた
病室の中が静かすぎて
病室の外の音がドアを擦り抜けて聞こえてくる
例えば……
ナースさんの足音とか…
美和←→(
;) [jpg/21KB]
:07/03/25 03:06
:N902i
:☆☆☆
#138 [三ッ葉
]
ガララッ…
病室に一人のナースさんが入ってきた
「榎坂さん、今日は……10時にいつもの場所に来てくださいね」
と、いう言葉を添えて朝食を置いていく
私は、朝食を前に静かに両手を合わせた
……いただきます
:07/03/26 11:36
:N902i
:☆☆☆
#139 [三ッ葉
]
全て食べ終えた後、トレイを返した
いつもの場所……
病院の中の施設……
そこで、勉強したりしている
私は、エレベータを使って下に降りた
:07/03/27 10:54
:N902i
:☆☆☆
#140 [三ッ葉
]
施設の手前の角を曲がろうとしたとき――……
「榎坂さん……六年間も声戻らないままなのよ
本当に戻るのかしら??」
「……そうね〜
戻りそうな予感もないみたいですしね………」
施設でお世話になっている二人の先生の話し声が聞こえた
ドクンッ…
:07/03/27 11:03
:N902i
:☆☆☆
#141 [三ッ葉
]
自分が一番気にしていた事が他の人によって話されていた
思わず胸がうずく
私の声…
いつ戻るの――…??
でも、
戻ってしまえばお母さんに悪いよ
でも、
お父さんにも麻人にも
大きな迷惑かけちゃうし
:07/03/27 11:12
:N902i
:☆☆☆
#142 [三ッ葉
]
今は、考えないでおこう
私は、足で軽くステップしながらはずんで歩く
施設の二人の先生がそんな私に気付く
「あ……美和ちゃん、おはよ〜!!」
挨拶の代わりに作り笑顔でペコッと頭を下げた
ちゃんと笑えてるよね?
:07/03/27 11:17
:N902i
:☆☆☆
#143 [三ッ葉
]
私は、笑い作り続けて授業を受けた
…………………………
…………………
終った後、
施設を出た角を曲がり
作り笑顔をやめた
そして、不意に動く手
赤くなった跡はすっかりと消えた喉を
手でキツク握り掴んだ
:07/03/27 11:23
:N902i
:☆☆☆
#144 [三ッ葉
]
ずっと声がでない私に
気を使い続ける施設や病院の人達――…
私にとって、逆に辛いんだ
普通に生活したい――…
普通に学校いって
たくさんの友達が欲しい
我儘だけど、
もう病院生活は嫌―…
:07/03/27 11:30
:N902i
:☆☆☆
#145 [三ッ葉
]
自分の病室の前
美「――…ッ……ヒッ……」
声にならない泣き声と
今まで我慢してた分の涙がとめどなく溢れてくる
泣いちゃダメなのに――…
"俺が傍にいてやるから
涙ばっか流すな"
―――…麻人
:07/03/27 11:42
:N902i
:☆☆☆
#146 [三ッ葉
]
麻人がそう言ってくれたのに、泣いちゃったよ
私は、泣きながら病室のドアを開けた
ガラッ…
入って目に移る窓の外。
夕日が沈みかけていて
オレンジの明かりと黒色の明かりが交ざっていく空の景色……。
「……美和っ!??」
:07/03/27 11:47
:N902i
:☆☆☆
#147 [三ッ葉
]
美「……ッ…!!」
視界に映る空の景色の隅には、ベットに腰掛ける麻人の姿があった!!
何で……
今日は家の事情でこれないって――…
面会時間も後少しで終わりなのに………
わざわざ逢いにきてくれたの―――??
私は、驚いてその場で固まる……
:07/03/27 12:02
:N902i
:☆☆☆
#148 [三ッ葉
]
〜 ア サ ト 〜
ガタンッ
麻「俺ッ…病院行ってくる!」
「こらっ…麻人ッ!!
まだ終ってないでしょ〜」
俺は母親の言うことに耳をかさず、靴を履いて
急いで家をでた
用事も最後までしてねぇけど、面会時間もあと少ししか残ってねぇし――…
今日は逢いにいけないって言ってたけど
急に逢いにいったら
美和、驚くだろーな
:07/03/28 10:30
:N902i
:☆☆☆
#149 [三ッ葉
]
ガラッ…
麻「美和――…って
いねぇし…;;」
病室を開けると誰もいなかった
窓の外から見える夕日が真っ白いシーツをオレンジ色に染め上げていた
俺は、
ハァッ…と一息つきながらその上にゆっくりと腰掛けた
美和、施設の方にいんのかな??
:07/03/28 10:38
:N902i
:☆☆☆
#150 [三ッ葉
]
そんな事を考えてたら
ガララッ
病室のドアが開いた
麻「……美和っ!??」
美和は足を一歩踏み入れたっきり、動かなくなった
光の加減で美和の顔が影で隠れている
さぞかし驚いてるんだろーな(笑)
俺は首を傾けて美和の表情を伺おうとした
:07/03/28 11:34
:N902i
:☆☆☆
#151 [三ッ葉
]
俺の目に映る美和の表情に驚いてしまう
美和の頬には、いくつもの涙が零れていた
それに、赤みの引いていた喉がまた赤くなっていた
見るからに痛々しかった
麻「………」
俺は何も言わず、その場で手を前にだした
美和の思いを教えてもらうために――…
:07/03/28 11:55
:N902i
:☆☆☆
#152 [三ッ葉
]
美「―――ッ…」
美和はコチラに両手を差し出して走りだす
スッ――
でも美和は、
俺の手を掴まなかった
麻「……美和ッ?
おっ…おい―――ッ!!」
ドサッ
:07/03/28 12:31
:N902i
:☆☆☆
#153 [三ッ葉
]
美和は、急に走り寄り
俺に抱きついてきた
本当に急で、
反動に耐えられない俺はベットへと押し倒される
ちゃんと、筋トレしときゃよかった;;なーんて…
麻「……どうしたんだよ」
少し悶える俺にお構いなく、美和は更に俺を抱き締めた
体が小刻みに震えている
美和の涙が俺の服にシミを作っていく――…
:07/03/28 14:34
:N902i
:☆☆☆
#154 [三ッ葉
]
美和の震える手を握ろうとした時、美和が軽く手を遠ざけた……
知られたくないのかよ?
でもさ、
美和の泣いてる顔見ててじっとしてらんねぇよ
俺は、もう一度手を握った――…
ちょっと強引だけど;;
ドクンッ……
:07/03/30 00:47
:N902i
:☆☆☆
#155 [三ッ葉
]
――――――………
…………―――――
病院はもう嫌。
私を哀れな目で
見ないで――……。
普通に生活したい
学校行きたい。
友達ほしい。
泣いちゃ駄目。麻人が傍にいてくれてるのに。
お父さん……。
お母さんごめんね。
声――…戻らない。
でも、戻っても素直に喜べないよ。
これは、罰だもん。
:07/03/30 00:55
:N902i
:☆☆☆
#156 [三ッ葉
]
嫌だ……。
もう嫌。
普通に生きたい――…
なんで、私なの??
なんで私は普通に生きられないの――…??
普通に生きたい
普通に生きたい
―――――……………
…………――――――
:07/03/30 00:58
:N902i
:☆☆☆
#157 [三ッ葉
]
麻「…み……わ…」
手をつないだ瞬間に
美和の記憶と想いが頭の中に伝わってきた
いろんな想いがぐちゃぐちゃに入り混ざっていた
思わず言葉を失ってしまいそうになる
"麻人……もう大丈夫
突然ごめん……"
美和は震える体をゆっくりと離した
:07/03/30 01:11
:N902i
:☆☆☆
#158 [三ッ葉
]
〜 ミ ワ 〜
私…何してんだろ??
麻人に抱きついちゃって
泣いて
気持ちぶつけて――…
ホント何してんだろ;;
麻人から体を離して
顔を上げた
意外にも麻人の顔は、
戸惑った様子はなくなっていて、キリッとした大人の表情だった
:07/03/30 01:16
:N902i
:☆☆☆
#159 [三ッ葉
]
そして麻人の口が開く
麻「…………いこ」
………………いこ??
何それ――…;;
私は、鼻をすすりながら眉を歪ませた
麻「だーかーら、俺の学校いこ!!」
麻人は普通に言う
驚いて涙は止まってしまった
:07/03/30 01:26
:N902i
:☆☆☆
#160 [三ッ葉
]
:07/03/30 02:05
:N902i
:☆☆☆
#161 [まくら]
あげ(・∀・)
:07/04/02 12:02
:N902i
:☆☆☆
#162 [さぁ]
ァゲ
ガンバフフフ
:07/04/03 14:25
:W41SA
:☆☆☆
#163 [三ッ葉
]
まくらさん

さぁさん

アゲ有難うございます


亀更新ですが頑張りますのでよろしくです


:07/04/04 02:09
:N902i
:☆☆☆
#164 [三ッ葉
]
【 出発進行 】
麻人の思いのよらぬ発言から数日が過ぎていった
今日、病室には
お父さんと、私と、麻人と、担当の先生を合わせて四人が座っている
お父さんと担当の先生は
何について話をするのかは知らない
麻「あの……美和を俺の学校に通わせられないですか??」
麻人がさっそく話を切り出した
:07/04/04 02:30
:N902i
:☆☆☆
#165 [三ッ葉
]
━━━━━━……………
━━━━━…………
麻人が私の代わりに話始めてから結構経った気がする
今私の前には、お父さんが難しい顔をしながら座っていて
横には、麻人が私の片手を握りながら座ってくれている
そして、担当の先生はカルテを見ながら
お父さんの横に座っている
チク…タク…
時計の細い針が容赦なく小さな音をたてながら
一周する
:07/04/04 18:07
:N902i
:☆☆☆
#166 [三ッ葉
]
重い沈黙のような中で
ゴクリの唾を飲み込んだ
美「…………」
まずは、お父さんの答えがでるまで静かにしてなきゃ―――……
って言っても声が出ないから何もできないけど;;
恭「……美和…」
ついにお父さんが沈黙を破った
:07/04/04 18:11
:N902i
:☆☆☆
#167 [三ッ葉
]
>>166の最初の文を
×
【重い沈黙のような中で
ゴクリの唾を飲み込んだ】
○
【重い沈黙の中で
ゴクリと唾を飲み込んだ】
にして読んでください

お手数かけてすみません

:07/04/04 18:15
:N902i
:☆☆☆
#168 [あリさ]
:07/04/04 18:25
:SH703i
:☆☆☆
#169 [三ッ葉
]
恭「普通の学校へ行くことは、今の生活よりももっと苦しくなるかもしれない……。
それでも良いのか??」
お父さんは心配そうにコチラを見ている
美「……」
何となく思ってた
私みたいなのが普通の学校にいっちゃうと
皆に何か言われるかもしれない――…って。
でも、友達作って
笑って楽しい思い出作りたい!!
:07/04/04 18:25
:N902i
:☆☆☆
#170 [三ッ葉
]
私は、大きく縦に頷いた
恭「………そうか…
でも、やっぱり心配だしな――…」
お父さんの困惑した顔がうかがえた
やっぱ駄目なのかな……。
と諦めかけたとき、
麻「おじさん…俺がついてるんで大丈夫ですよ」
昔みたいに力強く言う麻人……。
:07/04/05 03:36
:N902i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194