新☆きらきら
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#301 [向日葵]
そこはいつもの居間ではなくて、和室の様なところ。
珊瑚母「あ、友姫ちゃん!来て来て!」
嬉しそうに手招きするお母さんの近くには、いくつかの大きな紙に包まれた何かがあった。
珊瑚「今度お祭り行くんですってね?珊瑚から聞いたわ。」
友姫「あ、ハイ。皆で行こうってことに。」
それを聞くと、手元にあった紙を開いた。
中には白地に鮮やかな赤紫の花が描かれていた浴衣があった。
:07/05/21 01:46
:SO903i
:p6jyTPI.
#302 [向日葵]
そして見るからになんだか高級そうだった。
珊瑚「この赤い帯とで一緒に着るのよ。」
友姫「へー。そうなんですかぁ。」
そう答えると、お母さんはキョトンとして私を見た。
珊瑚母「何言ってるの?友姫ちゃんが着るのよコレ。」
友姫「……え?!なんでっ!いやあのいいです!!こんな高そうな浴衣借りる訳には!!」
珊瑚母「やぁっだ借すんじゃないわよ!あ・げ・る・の!」
:07/05/21 01:52
:SO903i
:p6jyTPI.
#303 [向日葵]
友姫「なら尚更頂けませんよ!」
私はブンブンと手を振った。
しかしお母さんは耳を貸さず、私にその浴衣を当ててきた。
珊瑚母「うん。いい感じ!私の実家ってね、着物屋さんなのよ。だから着物いっぱいあって困ってるの。だから貰って頂戴な。」
「一回着てみましょうよー!」っとノリノリのお母さんは部屋の更に奥にある部屋に私を連れていった。
そういえば母子で生活している割りに家がデカイ。
お母さんのご実家がそうであるからなのだろうか。
:07/05/21 01:57
:SO903i
:p6jyTPI.
#304 [向日葵]
シュル シュル
衣ずれの音が静かな部屋に響く。
珊瑚母「やっだ友姫ちゃん細すぎよ!ちゃんと食べてる?!」
とか言われながら、私はされるがままに浴衣を着せられた。
珊瑚母「やぁっだカワイイ!!」
目の前に縦長の鏡をコロコロ転がしてきながらお母さんは言った。
友姫「わぁ……。」
鏡を見て驚く。
赤い帯が白地に赤紫の花柄と良く合っている。
:07/05/21 02:01
:SO903i
:p6jyTPI.
#305 [向日葵]
シンプルなのにメリハリがある色に、私は一気にこの浴衣が好きになった。
珊瑚母「あとは髪の毛だけど…友姫ちゃんはどっちか言うと童顔だから下に下ろしてくくった方がいいわね!」
[童顔]と書かれた石が私の頭にゴーンと落ちてきた。
『私って童顔だったんだ……!』
スラッ
お母さんは珊瑚君がさっきの部屋に私が見える様に襖を開けた。
珊瑚「そっちはどう?」
:07/05/21 02:06
:SO903i
:p6jyTPI.
#306 [向日葵]
『そっち?』
鏡で自分の姿を見ていた目を珊瑚君に向けると……
友姫「……っ!!!!」
珊瑚「まぁこんなもんだろ。」
紺より少し明るい色に縦縞が入った浴衣を珊瑚君が着ている!!
しかも適度に胸元がはだけていて、綺麗な鎖骨が見えている。
ストイックさ溢れる魅力に私は倒れまいと必死になっていた。
友姫「珊瑚君写メ撮らせて!待ち受けにするから!!」
珊瑚「なんか嫌だから断る。」
:07/05/21 02:11
:SO903i
:p6jyTPI.
#307 [向日葵]
しょぼんとしょげる私。
そんな私をじっと見て珊瑚君は微笑む。
珊瑚「それ…似合ってる。」
友姫「(珊瑚君には)負けるけどありがとう。」
珊瑚『負ける?』
私はそこで「あ」と思い出した。
結女の浴衣も贅沢ながら貰えないだろうか…。あと真貴も。
友姫「スイマセン!結女と真貴のって借りていいでしょうか?!」
珊瑚母「もちろん♪結女ちゃんにはコレを。真貴君にはコレを♪」
:07/05/21 02:16
:SO903i
:p6jyTPI.
#308 [向日葵]
結女の浴衣は私とは逆で黒地だった。そして赤い金魚が浴衣を舞っている。
真貴は青に近い色に白い模様が刻まれていた。
お母さんは全部くれると言ってくれた。
これは母さん達が帰ってきたらたくっさんお礼をしなければ……!!
こんなに良くしてくれているんだもの!!
あとお手伝いもやろう!!
:07/05/21 02:22
:SO903i
:p6jyTPI.
#309 [向日葵]
:07/05/21 02:23
:SO903i
:p6jyTPI.
#310 [向日葵]
あっという間にお祭りの日。
私と結女はお母さんに着付けてもらった。
隣の部屋では珊瑚君が真貴の着付けをしていた。
真貴がぎゃぁぎゃぁ騒いでいる。
真貴「珊瑚苦しいっつーの!」
珊瑚「仕方ないだろ。大人しくしろ。」
着付けが終わり、自分で髪の毛をセットした。
今回は結女と共に軽く巻いてみた。
ゴムには軽く飾りが付いている。
:07/05/21 18:51
:SO903i
:p6jyTPI.
#311 [向日葵]
珊瑚母「あら髪飾りそれだけ?何か他に無いの?」
結女と私は顔を見合わした。
そんなこと言われても……
困惑している私達をよそに、お母さんは何かを探していた。
珊瑚母「ハイこれ!」
出してきたのは和柄模様の花から簾のように小さな花がついて垂れていた。
色違いで結女とお揃いだ。
しかし…なんでも出てくるなぁ……。
ある意味ドラ●もん……。
:07/05/21 18:57
:SO903i
:p6jyTPI.
#312 [向日葵]
ポスポス
襖を叩く音が聞こえた。
珊瑚「準備出来たか?」
友姫「うん!開けて大丈夫だよー!」
スラッ!
勢いよく襖を開けると、浴衣姿の2人がいた。
真貴「友姫姉どう?!」
友姫「似合ってる!」
『似合ってる…けど……』
私は珊瑚君を見た。
今日は少し髪の毛を後ろへ流している。
:07/05/21 19:02
:SO903i
:p6jyTPI.
#313 [向日葵]
それがまた格好良くて、ニヤけてしまいそうになり口許を両手で抑える。
結女「じゃあいこっかぁ!!」
下駄まで用意して頂くのは流石に贅沢な気がしてペタンコサンダルを履いて行った。
珊瑚君のみが下駄である。
それがまた(以下略)
―――……
神社の鳥居下で待ち合わせをしている。
屋台はその丁度そこからズラッと並んでいて、すでに人がわんさかいた。
:07/05/21 19:07
:SO903i
:p6jyTPI.
#314 [向日葵]
見たところまだ皆来ていない。
現在5時55分。
待ち合わせは6時だ。
友姫「まだいないね。早かった?」
珊瑚「アイツらが遅いだけだろ。」
『そっかぁ。』
と一息つくと過ぎて行く人達(主に女子)の視線がこちらへ向いている。
『あぁ。』とそれを辿ると見事に珊瑚君と真貴だった。
分けるならば真貴はカワイイ系統。珊瑚君はカッコイイ系統なのだろう。
:07/05/21 19:12
:SO903i
:p6jyTPI.
#315 [向日葵]
:07/05/21 19:22
:SO903i
:p6jyTPI.
#316 [向日葵]
そんなことを友姫が考えている間……
珊瑚と真貴は友姫と結女を見ていた。
周りの男子は2人に釘付けである。
<心の中で会話>
珊瑚:あぁそういえば友姫ってモテるんだった…。
真貴:お前忘れてんじゃねえよ。
珊瑚:うるせぇよ。
真貴:絶対俺が守ってやる!
珊瑚:お前じゃ無理だ。
真貴:なんだとこの野郎。
:07/05/22 00:30
:SO903i
:4p.UlRac
#317 [向日葵]
2人に密かに火花が散っている内に皆勢ぞろいした。
女子は全員浴衣で、男子は珊瑚君と真貴と白月君が浴衣だった。
佳苗「さぁ!みんな行こうか!!」
私達は人混みの中へと入っていった。
・・・・・・・・・・・・
流石に一歩踏み出すのもやっとぐらいの人、人、人!
秋帆「うっわぁー!皆はぐれない様にねー。特に友姫!」
友姫「その説はスイマセン…。(番外編参照)」
すると手に温もりを感じた。
友姫「…!」
:07/05/22 00:36
:SO903i
:4p.UlRac
#318 [向日葵]
珊瑚「こうしとけばはぐれないだろ。離すなよ。」
私は嬉しくなって笑った。
離さないよ。絶対に。
その光景を双子が見ている。
真貴は悔しそうだ。
真貴「あー!!!くっそぉぉぉ!!」
結女「残念賞だね。」
肩を震わす真貴のその肩にポンッと手を置いて哀れみの眼差しをやる結女であった。
千歳「なぁ!金魚すくいしねぇ?!」
千歳君が屋台を指して少し声を張り上げて喋る。
:07/05/22 00:42
:SO903i
:4p.UlRac
#319 [向日葵]
律「男子軍で戦ったら?」
佳苗「あ!それいい!」
題しまして…
<みんなでワイワイ破れちゃやーよ!金魚すくい大会ー!!>(長い。ちなみに秋帆命名。)
ルールは簡単。
・すくう紙が破れるまで金魚をすくう。
・優勝者には1人ずつ奢ること!
暁「うーっし!やるべな!!」
皆は袖を捲り、気合いを入れる。
筋肉がほどよくついた腕や肩が見える。
佳苗「暁ちゃんカッコイイー!!」
千歳「律!俺カッコイイ?!」
律「優勝したら言ってあげる。」
:07/05/22 00:48
:SO903i
:4p.UlRac
#320 [向日葵]
試合……始め!!
皆真剣に狙いを定める。
最初に負けたのは……
暁「あーくっそぉ!!取れねぇっ!!」
次は…
真貴「あ―――っ!!!!!」
さてさて残るは珊瑚君、千歳君、恵都君だ。
意外に3人とも器用でまだ破ける気配が無い。
秋帆「恵都すごーい!」
結女「もー!真貴もうちょっと頑張ってよー!!」
試合は尚も続く。
:07/05/22 00:54
:SO903i
:4p.UlRac
#321 [向日葵]
すると、それを見かねた屋台のおじさんが皆に1匹ずつくれると言ってくれた。
「若いっていいねー!ホラ!!持ってきな!!」
佳苗「わー!ありがとう!カッワイー!!」
私の手には黒いデメキン。なんか…カワイイ…。
友姫「珊瑚君は何?」
珊瑚「友姫の色違い。」
と言って金魚が入ってる袋を私の袋にチョンと当ててきた。
珊瑚君のは赤いデメキンなんだ。
:07/05/22 00:58
:SO903i
:4p.UlRac
#322 [向日葵]
:07/05/22 00:58
:SO903i
:4p.UlRac
#323 [
]
:07/05/22 23:02
:N902i
:☆☆☆
#324 [♪]
コレ好きで毎日更新を楽しみにしてますイ頑張っ下さいね。
:07/05/22 23:14
:W41CA
:jmWjmalQ
#325 [
]
FIGHT

(^3^)

:07/05/23 17:29
:N902i
:☆☆☆
#326 [向日葵]

さん、♪さん
ありがとうございます

夜中に更新するつもりだったんですが、出来なくなったんで明日の朝します

:07/05/23 23:59
:SO903i
:OYDzHybE
#327 [向日葵]
私はへへっと笑って皆で屋台の列の中を歩いて行った。
千歳「俺何か食いたいー!!」
秋帆「かき氷ぃぃ♪」
秋帆は勢いよく手を挙げるが、恵都君がそれを抑えた。
恵都「千歳が言ってるのは焼きそばとかそっち系だろ。」
秋帆はそれを聞くとホッペをぷくーっと膨らました。
秋帆「かき氷ぃぃぃぃ!!!!」
暴れだす秋帆にみんな困惑。
秋帆……子供じゃないんだから……。
:07/05/24 09:34
:SO903i
:/86ABglg
#328 [向日葵]
友姫「じ、じゃあ私秋帆とかき氷買ってくるから焼きそばグループと別れて後で落ち合おうよ!」
男子一同「絶対反対。」
キパッとみんなから拒否されて、私はグッとなる。
友姫「どーしてぇっ?!」
暁「だってまた友姫ちゃんが迷ったりしたら珊瑚心配するよー?」
確かに前科がある私にはこの提案を言う資格はないだろう…。
でもそれじゃあラチがあかないじゃないかぁぁ!
恵都「秋帆。焼きそば買った後でかき氷買えばいいだろ?」
秋帆「…。わかった……。」
:07/05/24 09:40
:SO903i
:/86ABglg
#329 [向日葵]
「いい子」と微笑んで恵都君は秋帆の頭を撫でた。
それで秋帆の機嫌は治った。
『親子みたい……。』
佳苗「じゃあ行こっか!」
そしてまた足を進め出した。
歩き出してしばらくすると、真貴が手を繋いでいる私と珊瑚君の隙間に入って来て私に喋りかけた。
真貴「友姫姉!俺射的得意なんだ!後でしてもいい?」
友姫「あー…。皆に後で聞いてみよっか。」
:07/05/24 09:44
:SO903i
:/86ABglg
#330 [向日葵]
真貴はニィーッと笑って珊瑚君を見る。
真貴「珊瑚。お前も付き合えよ!」
珊瑚「なんで俺が……。面倒くさい。」
真貴「ふ〜ん♪自信ないんだ♪♪」
珊瑚君のコメカミに青筋が出る。
私はそれを認めてあわあわした。
すると珊瑚君はおもむろにに大きな手で真貴の頭をわし掴みした。
そして力を入れる。
真貴「いだだだだだっ!珊瑚痛ぇよっ!!」
珊瑚「口の聞き方に気をつけるんだな…。」
真貴「悪かった!って!でも勝負くらいしろよなっ!!」
:07/05/24 09:53
:SO903i
:/86ABglg
#331 [向日葵]
と言って珊瑚君の手から逃れ、私の後ろにさっと隠れる。
結女「お姉ちゃん。私ヨーヨー釣りしたい!」
ひょこんと顔を出して結女が言った。
とりあえず2人の希望は皆に後で聞くとしよう。
そうこうしてると焼きそばの屋台到着。
律「焼きそばいる人ー!」
白月君、千歳君、恵都君、、真貴、佳苗ちゃん、律が手を挙げた。
珊瑚「友姫いらないのか?」
友姫「ウン。今お腹いっぱ…。」
:07/05/24 10:02
:SO903i
:/86ABglg
#332 [向日葵]
私の目線は焼きそばの隣にあるアクセサリーが並んでいる屋台に行った。
多分玩具に近いものだけど、屋台の電気で綺麗に輝いていた。
その視線に気付いた珊瑚君は私に目線を合わした。
珊瑚「なんか欲しいのか?」
友姫「え?あ、ううん。なんでもないよ!」
律「友姫ー!あっちで食べようって!」
焼きそばを手に持ち、律は向こうを指さす。
珊瑚「友姫。俺たこ焼き買いたいから先行ってて。」
:07/05/24 10:08
:SO903i
:/86ABglg
#333 [向日葵]
繋いでいた手をするりと離された。
しかしもう一度その手を握る。
友姫「で、でも!」
珊瑚「すぐそこだから。なんかあったら携帯にかけるし。」
そう言って、また手を離す。
その手を真貴が握る。
真貴「友姫姉!早く行こうよっ!」
友姫「う、うん。」
段々と人混みに埋もれていく珊瑚君をチラチラ見ながら真貴に引っ張られるがままに皆の元へ行った。
:07/05/24 10:12
:SO903i
:/86ABglg
#334 [向日葵]
いつの間にかかき氷を買って貰った秋帆は嬉しそうに食べていた。
佳苗「あっちゃん!(秋帆のこと)一口ちょーだい☆」
秋帆「ウンいいよ!」
後ろでそんな会話を聞きながら、私は人混みを見つめる。
そして何かあった時すぐ見つけれる様に携帯を手に握りしめた。
今回は電波は3本ちゃんと立っている(笑)
結女「もうすぐ花火上がりますね♪」
結女の言葉で携帯を見る。現在6時半過ぎ。
花火が上がるのには後1時間。
:07/05/24 10:17
:SO903i
:/86ABglg
#335 [向日葵]
暁「よし!叫ぶぞ!!たま」
律「たまごじゃないわよ。」
律がすかさず訂正する。
そこへ千歳君が私の隣に来た。
千歳「友姫ちゃんどうしたの?ずっとそっち見てるけど。」
友姫「珊瑚君がたこ焼き買いに行ったの。だからここってすぐに分かる様にと思って。」
ふーんと千歳君は腕を組む。
千歳「ナイト様ってホントナイト様だよねー。」
私は頷く。
いつもピンチを救ってくれるのは珊瑚君だ。
:07/05/24 10:22
:SO903i
:/86ABglg
#336 [向日葵]
友姫「とっても……感謝してる。」
胸の中が暖かくなる。
こんな気持ちをくれたのも珊瑚君だ。
すると千歳君が私のにポンッと手を置いてきた。
千歳「友姫ちゃん達はもうそれは恋じゃないよねー。」
友姫「……?どーゆーこ」
珊瑚「あ、いた。」
そこへ珊瑚君が帰ってきた。手には2個たこ焼きが買ってあって袋にいれてある。
千歳「ナイト様!わざわざ俺の為に!」
と言った千歳君の頭にすかさず珊瑚君のチョップが飛ぶ。
:07/05/24 10:27
:SO903i
:/86ABglg
#337 [向日葵]
:07/05/24 10:29
:SO903i
:/86ABglg
#338 [♪]
気になります~早く続きみたいです頑張って下さいト
:07/05/25 01:21
:W41CA
:m250trWE
#339 [
]
あげ


:07/05/25 19:50
:N902i
:☆☆☆
#340 [向日葵]
:07/05/26 00:00
:SO903i
:TEC/pvdA
#341 [向日葵]
珊瑚「これは家の分だ!」
あぁ。だからか。
お母さんと汰樹君の分だろう。
千歳君は渋々と引き返したが、途中で「あ」っと言って振り向いた。
千歳「友姫ちゃん。さっきの悪い意味じゃなく、良い意味だから!」
それだけ言って律の隣へ戻った。
『良い…意味?』
珊瑚「なんの話?」
私は首を捻り、さぁ……っと答えた。
:07/05/26 00:04
:SO903i
:TEC/pvdA
#342 [向日葵]
悪い意味じゃなく、良い意味で“恋じゃない”……。
まるで暗号でも出された様に私の頭は?でいっぱいになった。
―――……
真貴の希望である射的をする為、皆に許可を得て射的屋台へ。
真貴「おらっ珊瑚!早く!!」
珊瑚君を無理矢理やらせる為腕を引っ張る真貴。
なんだかんだ珊瑚君と仲悪くても、実は兄が出来た様で嬉しいのかもしれない。
私達は後ろで様子を見守ることにした。
:07/05/26 00:10
:SO903i
:TEC/pvdA
#343 [向日葵]
屋台のお兄さんから弾を貰い、真貴は珊瑚に準備しながら話かけた。
真貴「なぁ珊瑚。俺が勝ったらなんか奢れよな!」
珊瑚はパチクリと瞬きした。
真貴「なんだよ。奢るの嫌なのか?ケチィ奴だなぁっ!!」
珊瑚「……いや。てっきり友姫を諦めろとでも言うのかと思ってた。」
真貴「そんな友姫姉を賞品扱いしねぇよ。第一諦めろって言っても諦めないじゃんか!……俺だってそんな事言われても……。」
:07/05/26 00:16
:SO903i
:TEC/pvdA
#344 [向日葵]
パァンッ!
乾いた音が少し響く。
真貴の弾はお菓子を当てた。
真貴「とにかく!そんなの嫌なんだ!」
珊瑚はフッと笑って銃を構える。
パァァン!
珊瑚も何かに命中した。
珊瑚「俺が買ったらはし焼き買えよ。」
そう言ってくしゃっと真貴の頭を撫でた。
真貴は照れながら次の打つ準備をした。
真貴「上等だ!」
・・・・・・・・・・・
そんな会話がされているとも気付かず、私は2人を微笑ましく見ていた。
:07/05/26 00:24
:SO903i
:TEC/pvdA
#345 [向日葵]
秋帆「ねぇ友姫。さっき千歳君と何話てたの?」
友姫「ん〜?珊瑚君はホントにナイト様だねぇって。」
秋帆は確かに。と頷いた。そこで私は秋帆にあの事を聞いてみた。
友姫「秋帆。悪い意味じゃなく、良い意味で私が珊瑚君に対する気持ちが恋じゃないってどう言う意味だと思う?」
秋帆「は?」
秋帆もさっきの私同様頭に?を並べる。
秋帆「悪い意味だったら分かるけどねー…。同情してるだけーとか……。」
:07/05/26 00:34
:SO903i
:TEC/pvdA
#346 [向日葵]
私は頷く。
確かにそれだとつじつまが合う。
でも千歳君は悪い意味じゃないと言った。
珊瑚「ん。」
射的が終わった珊瑚君が帰ってきて、目の前にはクマの小さなぬいぐるみが差し出された。
ちなみに勝負は引き分けだったらしい。
友姫「わぁっ!ありがと…。」
真貴「友姫姉!ハイ!」
真貴がくれたのはお花モチーフのストラップ。
友姫「真貴も、ありがとね……。」
:07/05/26 00:39
:SO903i
:TEC/pvdA
#347 [向日葵]
佳苗「次は結女ちゃん希望のヨーヨーだね!」
結女「お願いします☆」
珍しくヨーヨー釣りに私も参加した。
狙うは赤い水風船ヨーヨー!
……だったけど…。
プツン
あっけなく糸は切れてしまった。
友姫「あー…駄目だったぁぁ(泣)」
がっくりしていると、おじさんが1つ選んでいいと言ってくれた。
狙っていた赤いヨーヨーを貰った。
:07/05/26 00:44
:SO903i
:TEC/pvdA
#348 [向日葵]
結女は器用なことなポンポン取っていく。
洗面器いっぱいに水風船が貯まったので、結女は緑のヨーヨーを貰った。
そして2人でポスポス言わしながら遊んだ。
暁「お、もうそろそろ河原行くか。」
佳苗「そーだね!場所取り場所取り☆」
いよいよもうすぐ花火が始まる……。
・・・・・・・・・・
ガヤガヤ ガヤガヤ
河原には30分前なのにもう既に人がいっぱいだった。
:07/05/26 00:49
:SO903i
:TEC/pvdA
#349 [向日葵]
千歳「あ、あの辺空いてる。」
恵都「じゃああすこにしようか。」
丁度ぽっかり空いていた場所に私達は腰を降ろした。
暁「あー!なんか食い物買っとけば良かったーー!」
佳苗「焼きそば食べたでしょ?がーまーん!」
暁「男の胃袋はデカイの!」
そんな会話を耳にすり抜けさせながら、千歳君の言葉の意味を考える。
:07/05/26 00:52
:SO903i
:TEC/pvdA
#350 [向日葵]
空は満天の星。
街の灯かりがある為少し見にくいけど充分綺麗だ。
そんな星空を見上げながら私は考える。
そんな様子に気付いた珊瑚君が私の肩をポンポンと叩いた。
珊瑚「どうした?」
一旦珊瑚君を見て、また空を見上げる。
友姫「恋じゃ…ない。」
珊瑚「え?」
友姫「あのね珊瑚く」
バァァァァン!!!!
:07/05/26 00:57
:SO903i
:TEC/pvdA
#351 [向日葵]
轟音と共に、空に大輪の花が咲いていた。
ワアァっと言う人々の歓声。
律「7時半じゃなかったのー?!」
花火の音で声が掻き消される為、少し声を張り上げる律。
佳苗「なんか早目に始まったみたいー!」
私は花火を見つめた。様々な形の花火が次々と放たれていく。
苦手だった大きな爆発音は、案外平気で、寧ろなんだか待ってました!と言う気にさせた。
:07/05/26 01:01
:SO903i
:TEC/pvdA
#352 [向日葵]
:07/05/26 01:02
:SO903i
:TEC/pvdA
#353 [向日葵]
胸の奥まで響く震動がなんだか心地よかった。
すると肩をトントンと叩かれた。
呼んだのは珊瑚君だ。
耳元まで顔を近付ける。
珊瑚「さっきの、なんだったの?」
近づいてもなお聞こえない為、少し音量を大きくする。
それは花火とは違うドキドキ感を与え、耳へ心臓へ入っていく。
友姫「珊瑚君は良い意味で好きな人に対する気持ちが恋じゃないってどーゆー意味だと思う?」
:07/05/26 18:25
:SO903i
:TEC/pvdA
#354 [向日葵]
私も耳元で少し叫ぶ。
珊瑚君は私をしばらく私の顔を見てから顎に手を当てて考える。
そしてまた近づいてきて、今度は耳元にはいかず、ただ顔を寄せた。
珊瑚「愛……じゃない?」
微かに聞こえる低い声が私の耳まで届く。
友姫「…………愛?」
つまりそれは、私が珊瑚君を好きより大好きより愛してると千歳君は言いたかったの?
分かった瞬間顔に熱を帯びた。
:07/05/26 18:30
:SO903i
:TEC/pvdA
#355 [向日葵]
空では見所である連続花火がやっていた。
次々と打たれる花火の光は見つめ合う私達を照らす。
『それは……珊瑚君も……私の事…………っ!!』
そんな事を思ってる私を余所に袖から何かを出した。
珊瑚「手出して。」
と言われたので私は両手を出した。
珊瑚「左手だけ。」
私は右手を下げた。
珊瑚君は手のひらを上にしてたのを手の甲を上にした。
:07/05/26 18:45
:SO903i
:TEC/pvdA
#356 [向日葵]
そして……
友姫「―――っ!これ……!」
薬指には小さなピンクの石が埋め込まれた指輪がはめられていた。
きっとさっき私が見ていた屋台の物だろう。
珊瑚「たこ焼きと一緒に買ったんだ。似合うな。」
友姫「そんな……ならっお礼を……っ!」
珊瑚「そんなのいらないよ。」
そう言って頭を撫でる。
[愛]
私は……珊瑚君を……
:07/05/26 18:52
:SO903i
:TEC/pvdA
#357 [向日葵]
珊瑚君の腕を引っ張る。
よろめいた珊瑚君の頬に私はキスをした。
珊瑚「…。」
友姫「こんな……んで、ゴメンナサイ…。」
やるのはいいがすごき恥ずかしい。
すると珊瑚君の両手が私の肩に。
珊瑚君が近づいてくる。
友姫「さ……っ珊瑚君っ!人……っ」
珊瑚「別にいい。」
『ひゃぁぁぁっ!』
:07/05/26 18:55
:SO903i
:TEC/pvdA
#358 [向日葵]
あと2センチ!
……そんな時だった。
<以上で、花火を終了させて頂きます。本日は誠にありがとうございました。>
秋帆「すっごかったねー!」
暁「あー叫んだ!!」
みんな花火が終わったので引き返してくる。
私達はパッと離れた。
律「友姫?なんか顔赤くない?」
友姫「そんなこと……ないよ!」
花火の轟音の代わりに私の心臓がドンドンいってる。
珊瑚君は何事もなかった様に歩く。
:07/05/26 19:00
:SO903i
:TEC/pvdA
#359 [向日葵]
私は……
珊瑚君を、愛してる……?
左手を胸元にもってきて、鼓動と一緒に包みこんだ……。
:07/05/26 19:03
:SO903i
:TEC/pvdA
#360 [向日葵]
:07/05/26 19:04
:SO903i
:TEC/pvdA
#361 [向日葵]
**bV ひねくれ**
今回は本編と少し離れまして、律のお話です。
「きらきら」であった秋帆編みたいなものと思って見てください。
・・・・・・・・・・・・・・
私は冷静沈着な上、どこかで人を見下す黒い部分を持っていた。
―――中2
「ねぇりっちゃん!数学の宿題見せてくれない?!」
でた。まただ。
普段は寄ってくるハズない上辺だけの友達。
:07/05/26 22:34
:SO903i
:TEC/pvdA
#362 [向日葵]
しかし私は笑顔で課題を渡す。
「ありがとう!りっちゃん大好き!」
大好き?
止めてよ。そんな事言われて喜ぶとでも思ってるの?
彼女は……まぁ彼女にもプライバシーがあるからAとでも言っておこうかしら。
Aは小6からの友達。
中1も一緒のクラス。だっただけ。
私は少数しか友達を作らない主義。それに手伝って人見知りだった。
自分では友達は作らない。
だからAがただ唯一の友達だった。
:07/05/26 22:39
:SO903i
:TEC/pvdA
#363 [向日葵]
今思えば只単に視野が狭かっただけ。
友達なんてAだけが全てじゃなかった。
でもその時の私はただAだけが友達だった。
私のノートを持ったAは、Aのグループのとこへ戻った。
そして皆で見ている。
私は頬杖をつきながらその様を見ていた。
所詮友達なんて
利用する為だけの者……。
:07/05/26 23:21
:SO903i
:TEC/pvdA
#364 [向日葵]
「石垣さんだよね?」
顔をあげると
そこには二つぐくりの可愛い女の子と綺麗な黒髪の女の子がいた。
それが、友姫と秋帆だ。
律「そうだけど…。」
秋帆「私達数学でわからない所あって…」
はぁ……またか。
律「生憎ノートは今ない…」
友姫「ノート?いらないけど?」
……え?
友姫は私の前に来てしゃがんだ。
:07/05/26 23:43
:SO903i
:TEC/pvdA
#365 [向日葵]
友姫は自分のノートを広げて問題部分を指さした。
友姫「ここと、ここ。教えて欲しいの!」
意外だった。
ノートを写す奴らはいくらでもいたけど教えてくれと頼んだのは友姫と秋帆が初めてだった。
律『変わってる……』
律「ここはこうなるから、これにこの式を使うとこうなるの。」
友姫は私の言うことを聞きながらシャーペンでカリカリと書いていった。
友姫「あ、すごい!石垣さん教え方上手!」
友姫は目を光らせながらノートを見つめた。
:07/05/27 03:21
:SO903i
:QEnEIV0g
#366 [向日葵]
秋帆「ありがとう!」
そう言って自分達の席へ戻っていった。
どうせこの程度。
友達なんて誰も信じない。私は利用される。
だから私も利用する。
―――――……
私の中学は給食だった。当番に友姫がいる。
お盆の上にお皿を乗せて、当番のもとへ行く。
次は友姫の番だった。
友姫「あ!石垣さん!さっきはありがとう!」
律「あぁ……。」
:07/05/27 03:25
:SO903i
:QEnEIV0g
#367 [向日葵]
ちゃぽちゃぽ
律「……ねぇ。なんか味噌汁入れすぎだと思うんだけど……。」
すると友姫はシーッと人差し指を口に当てた。
友姫「さっきのお礼!」
そして可愛らしい笑顔をした。
『天然?』
私は席に帰って皆より少し多い味噌汁を見つめた。
:07/05/27 13:00
:SO903i
:QEnEIV0g
#368 [向日葵]
自由席の為、皆友達と食べている。
もちろん私は一人だった。
Aの元へ行けばいい。
ただそれだけなんだけど、まるで未だ友達が一人もいないみたいにそのグループにヘコヘコするのが馬鹿らしくて、私は一人でいた。
笑って皆で過ごすのが、何が楽しい?
どうせ皆、一緒にいる口実にいるだけなんでしょ?一人でいると惨めだからって……。
…………それは、私も同じ……か?
:07/05/27 13:14
:SO903i
:QEnEIV0g
#369 [向日葵]
秋帆「ねぇ!石垣さん!一緒に食べようよ!」
お盆を持って秋帆が私に近づいてきた。
私は牛乳を飲もうと伸ばしていた手を止めて秋帆を見た。
律「なんで?」
秋帆「一人で食べてちゃ美味しくないじゃない?」
なるほど……。同情って?随分泣かせる精神だこと。
私はにっこり笑って
律「大丈夫よ。ちゃんと美味しいから。」
:07/05/27 13:28
:SO903i
:QEnEIV0g
#370 [向日葵]
そんな今日限りの気持ちはいらない。
友姫「あれ?秋帆。石垣さんも一緒?」
ホラ。貴方には素敵なお友達がいるじゃない。
私が入ったらややこしくなるわよ。
律「ううん違うわよ。」
秋帆「今交渉中!」
友姫「なら一緒に食べようよ!待ってて!」
―――は?
律「ちょ、私は!」
:07/05/27 13:36
:SO903i
:QEnEIV0g
#371 [向日葵]
止める間もなく二人は机をくっつけ、一緒に食べるハメになってしまった。
秋帆「なんか石垣さんとこんな喋るの初めてだね!」
アンタ達が私を眼中に置いてなかっただけでしょ。
友姫「頭いいんだね!全部が正解だったよ!」
何もすることが無いから勉強してるだけよ。
私は二人の質問を全て心の中で返した。
ホントは一緒に食べてくれることがすごく嬉しくて……。
だけど、友達と信じて今みたいにほったらかしにされるのが怖くて、私は心を無理矢理ねじまげた。
:07/05/27 13:44
:SO903i
:QEnEIV0g
#372 [向日葵]
――次の日
ガラガラガラ
私はいつも一番に教室に着いていた。
日直でも無いのに誰もやらないから日付を変えたり、窓を開けたりした。
今日もくだらない1日が始まる。
きっと昨日の2人は今日は喋らない。
そんな経験もぅ何回もあった。
だからもぅ期待なんかしない。
でも心の奥で少しくすぶる期待を私は許さない。
そんな感情いらない……。
:07/05/27 14:01
:SO903i
:QEnEIV0g
#373 [向日葵]
ガラガラガラ
友姫「あ。」
椅子に座ろうと思った時、友姫が入ってきた。
私は友姫を一度見てからカバンに目を向けた。
友姫「おはよう!」
いつの間にか目の前にいた友姫に私はびっくりした。
律「…な、何?」
友姫「え?お話しようと思って!」
お話?
それは友達とすればいいじゃない。
すると友姫はそんな私の心を読んだかの様に驚く事を言ってきた。
友姫「私は友姫って呼んで!石垣さんは律って呼んでいい?」
:07/05/27 14:33
:SO903i
:QEnEIV0g
#374 [向日葵]
……は?
律「なんで?」
友姫「え?!だってお友達でしょ?」
いつからっ?!そんなのなった覚えないんだけどっ!
律「は……はぁ……。」
友姫「よろしくね!律!」
半信半疑ながら私はとりあえず友姫、そして後から来た秋帆と友達になった。
休み時間とかにみんな出歩いて、友達の元へ行くが、私は完璧に友達枠にどっぷり浸る事に反発し自分の席からは動こうとしなかった。
:07/05/27 14:41
:SO903i
:QEnEIV0g
#375 [向日葵]
それでも2人は毎回私のトコまで来て、無愛想な私に笑いかけてくれた。
胸が詰まるほど夢見た光景に反発心は徐々に減っていった。
けど警戒心はまだ残っている。
―――……
体育の時間。
「ハイじゃあ2人1組になってぇー!」
「一緒にしよー!」
「ウンいいよー!」
先生のドアホ―――!!完璧1人になるじゃないかぁっ!
:07/05/27 14:54
:SO903i
:QEnEIV0g
#376 [向日葵]
チラリとAを見ると私を気にかける事もなく、仲の良い友達と組んでいた。
まぁ、予想はしてたけど……。
友姫と秋帆は2人で組むだろうから、私は先生とだろう…。
律「先生。私余ったんで一緒に」
秋帆「先生!3人でもいいですか?」
秋帆が近寄ってきて先生に言った。
私は秋帆を目を見開いて見つめる。
:07/05/27 15:16
:SO903i
:QEnEIV0g
#377 [向日葵]
「えぇいいわよ。」
秋帆「やったね!律行こう!」
律「ちょ……っ!」
私は秋帆に引っ張られるがままに友姫の元へ連れていかれた。
律「ちょっと!2人組なんだから私はいらないじゃない!」
惨めな思いするのは嫌なの。
そうよ。認めるわ。
私は意地を張ってたのよ。
最もらしい理由で人を見下して、ホントはその輪に入りたくて……っ。
でも無理矢理入る自分が大嫌いで。
:07/05/27 23:45
:SO903i
:QEnEIV0g
#378 [向日葵]
それでも私を暖かく迎えいれてほしくて……。
分かってる。矛盾してるって。分かってるよ……。
友姫「2人組より3人の方が楽しいよ。」
秋帆「大体友達なんだから私達のトコに来たらいいのよ!」
「いつまでも1人でぼーっとしてるのが悪い!」と何故か説教されてしまった。
なんで私が説教されなきゃいけないの。
って思った。……でも
律「楽しくなかったら…承知しないから……。」
嬉しくて……。
2人は「まかせて!」と笑い、私の手を引っ張って今日やるテニスコートまで走った。
:07/05/27 23:52
:SO903i
:QEnEIV0g
#379 [向日葵]
少し汗ばんだ2人の手のひらから優しさが伝わってきて、久々に心から笑顔になれた。
私、もう一度信じてみるよ。
――――……
ある日の事だった。
A「あれ?給食費が無い……。」
Aは給食費の係で給食費袋が無くなったらしい。
クラスはザワついた。
3人で喋っていた私達もAの方を見る。
その時、Aと目が合った。
:07/05/28 00:07
:SO903i
:3GyGlCF.
#380 [向日葵]
Aは私の元へカツカツやってきた。
A「りっちゃん…。」
律「何?」
A「袋…………返して?」
私は耳を疑った。
返して?返してって何?
A「私りっちゃんが袋取るとこ見たもん!ねぇ……何でこんな事するの?」
飛んだ濡衣だ。
もちろん私は袋を取ってなければ触れてもいない。
律「でたらめ言わないでよ!!いつ取ったか言ってみなさいよ!!」
:07/05/28 00:11
:SO903i
:3GyGlCF.
#381 [向日葵]
A「ヒドイ…。私を疑うんだぁ……。」
するとAは涙を流し始めた。Aの友達はAを気遣いながら私を睨む。
「白状しなさいよ!早く出して!」
律「私何もしてないってば!!」
友姫「最低…。」
いつも聞き慣れている声がとても低く聞こえた。
右をゆっくり見ると友姫が冷えざえとした目で私を見ていた。
律「……っ。友姫…。」
友姫まで?何で信じてくれないの?
私やってない。やってないよ……っ。
:07/05/28 00:16
:SO903i
:3GyGlCF.
#382 [向日葵]
あぁ……。そっかぁ…。自分で決めてたじゃない……。
信じちゃ駄目だって……。
友姫「最低ね……。…………貴方達。」
律『…………え?』
友姫の冷たい炎が宿った目は、A達に向けられていた。
律「ゆ……き……。」
友姫「律がするわけないじゃない!!どうしてそんな個とが言えるの?!」
私は友姫だけがなんだか鮮やかに見えた。
A達は怯んだが、引こうとはしない。
:07/05/28 00:21
:SO903i
:3GyGlCF.
#383 [向日葵]
A「だ、だって!私」
秋帆「あのさぁ。」
いつの間にかAの席でカバンをいじってた秋帆が話を止めた。
そしてその手には、袋が。
秋帆「これの事?カバンひっくり返したらあったけど。」
そういえば秋帆の足許は、Aの私物で散乱していた。
秋帆「ハイ。人疑う前にちゃんと探そうね〜。」
と言ってAの胸に袋を押し付けた。
Aはしどろもどろして目が泳いでいた。
:07/05/28 00:26
:SO903i
:3GyGlCF.
#384 [向日葵]
友姫「律は……真っ直ぐに生きてる!貴方と一緒にしないで!」
そう怒る友姫の顔は、中2なのに大人びていて、とても綺麗だった……。
秋帆「ウチの律泣かしたらただじゃおかないから。」
しれっと言う秋帆の語調は落ち着いているが怒りがこもっていた。
A「…………あの、りっちゃん。」
律「呼ばないで。」
私はAに向き直った。
律「貴方は……友達じゃない……。私の友達は」
―――……
「…………つ。………つ!律ってばぁっ!!」
:07/05/28 00:31
:SO903i
:3GyGlCF.
#385 [向日葵]
ハッと目を開けると、いつもの教室だった。
秋帆「珍しいねぇ。律が熟睡なんて……。」
友姫「なんか疲れてたの?」
そこには、あの日より成長した友姫と秋帆が私の顔を覗いていた。
:07/05/28 00:33
:SO903i
:3GyGlCF.
#386 [向日葵]
律「いや…疲れては……。」
佳苗「もうお昼だよ!ご飯食べに行こう!」
時計を見るともう12時半過ぎ。
4時間目丸々寝てたらしい。
秋帆「さっ!中庭にレッツゴー☆」
皆で中庭へと向かう。
友姫「なんか夢見た?」
私はウーンと唸る。
:07/05/28 00:41
:SO903i
:3GyGlCF.
#387 [向日葵]
:07/05/28 00:42
:SO903i
:3GyGlCF.
#388 [向日葵]
見た。確かに。
それも1から10まできちんと鮮やかに覚えている。
だけど自分のひねくれ時代を話すのは少しばかり嫌だ。
律「苦くて温かい夢。」
秋帆「何それ?!」
私はフフッと笑った。
あの時、夢で言えなかったこと。
[私の友達は……。]
:07/05/29 09:45
:SO903i
:cdCsnkLw
#389 [向日葵]
私は二人の腕に抱きついた。
友姫「わ!律?」
友姫は笑いながら私を見る。
秋帆「珍しい!律がくっついてきた!」
秋帆も笑う。
私が友達と認めるのはここにいる皆。
だけど一番大切なのは……
律「友姫と秋帆よ!」
友姫「えぇ?何がぁ?」
秋帆「律って時々わかんないよね。」
:07/05/29 09:48
:SO903i
:cdCsnkLw
#390 [向日葵]
心の闇に光を導いてくれたのは貴方達。
貴方達に出会わなかったら私はどうしただろう。
もっと闇に溺れてたかな。
そんな貴方達だから大切で大好きなんだよ。
私達はいつまでも親友だからね……。
:07/05/29 09:50
:SO903i
:cdCsnkLw
#391 [向日葵]
:07/05/29 10:02
:SO903i
:cdCsnkLw
#392 [向日葵]
**bW 幼い約束**
期末テストも終わり、夏休みが間近に迫っていた。
秋帆「あっつ―――い!!!!」
佳苗「今日の平均気温34℃だってねぇ…。」
暑さで怒る秋帆と違って佳苗ちゃんはヘロヘロになっていた。
暁「お茶凍らしてもすぐ溶けちゃうしなぁ。」
千歳「プール3年は入らないし。」
窓を開けているものの風はあんまり通らず、教室は蒸し風呂状態。
皆なんとかして涼を取ろうと下敷きや持参の団扇で扇いだりしていた。
:07/05/29 10:09
:SO903i
:cdCsnkLw
#393 [向日葵]
するとクラスの誰かが叫びだした。
「なぁ!肝だめしやらないか?!」
クラス「「肝だめし??」」
みんな最初は驚いてたものの、いぃねぇ!と目を光らせ始めた。
仕掛け役、怖い話をする役、そして肝だめしをする人を決めてやろうと言うのだ。
千歳「それなら断然肝だめしするのに意義があるだろー。」
佳苗「仕掛けも面白そうだなぁっ!友姫ちゃんは何に……。」
:07/05/29 10:14
:SO903i
:cdCsnkLw
#394 [向日葵]
振り向いて皆が私を見ると、私は変な汗を垂らしながら顔を青くしていた。
珊瑚「友姫?」
律「あーそうだった。友姫こーゆー系駄目だっけか。」
私は無言で首を縦にブンブンと振った。
小さい頃、父さんと見た映画がすごく怖くて、それ以来番組で対したことない断末魔の叫びみたいなのを聞くだけでも嫌になった。
秋帆「じゃあ怖い話係か仕掛け係かに回ったら?私達も一緒にするから。」
私はまたも首をブンブンと振った。
はっきり言って夜に学校に入るだけでも気が遠くなりそうなのだ。
:07/05/29 10:21
:SO903i
:cdCsnkLw
#395 [向日葵]
フゥと一息ついてると、足音が聞こえてきた。
それも走る音。
ドタドタドタドタドタドタドタドタ……バンッ!!!!
真貴「友姫姉!助けて!!」
友姫「真貴?」
何か必死の形相で教室に来た真貴は、私の近くにしゃがんで身を隠した。
すると次にまた誰かが来た。
カラカラカラ……
「…あ、あの……ここに東雲真貴さんはいらっしゃいますか?」
:07/05/29 10:24
:SO903i
:cdCsnkLw
#396 [向日葵]
綺麗に揃えた前髪と整えた長い黒髪が綺麗なおしとやかな女の子が入って来た。もしかしたらお嬢様かもしれない。
友姫「真貴ならここに…。」
真貴「友姫姉!!!!」
「真貴様!!」
女の子は真貴に寄ってくる。一方の真貴は青い顔をして後退りするが、もう時すでに遅し。
「桜子、沢山探しましたのよ?さぁ、約束です。私と結婚してくださいましな……。」
一同「結婚っっ?!?!」
真貴は頭を抱えた。
:07/05/29 10:29
:SO903i
:cdCsnkLw
#397 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・
この子は甲斐田 桜子ちゃん。真貴と同い年で、とりあえずお嬢様ではないらしい。
小さい頃、真貴達が住んでいた町で小中と一緒の学校だったらしい。クラスも何度か一緒だったって。
高校になってからここの高校(前の町より離れてる)に通っていたので、彼女は探していたらしい。
桜子「またお会い出来て嬉しいですわ。」
真貴「あーそーかよ……。」
:07/05/29 10:35
:SO903i
:cdCsnkLw
#398 [向日葵]
真貴はウンザリして桜子ちゃんに冷たい態度をとった。
友姫「何で真貴が好きになったの?」
桜子「お姉さま!よくお聞き下さいました!そう……あれは私が小学校6年生の時でしたわ……。」
―――桜子回想
その日、土砂降りの雨が降っていたんです。
突然の雨でしたんで、私は傘を持参していませんでした……。
桜子『まぁ…どうしましょう……。少し待っていましょうか……。』
:07/05/29 18:24
:SO903i
:cdCsnkLw
#399 [向日葵]
するとそこへやってきたんです…。
運命の王子様が……っ!
それん聞いた途端秋帆と千歳が吹き出したが、桜子は回想に夢中になっており、気にならなかった。
そしてその王子様、真貴様は私に傘を貸してくださいました……。
真貴[傘、無いんだろ。貸してやる。ハイッ。]
私の手に折りたたみを乗せて、颯爽と走りゆくお姿は今でもこの桜子の目に焼き付いております……。
:07/05/29 18:29
:SO903i
:cdCsnkLw
#400 [向日葵]
――――桜子回想終了
私は呆気にとられ、珊瑚君と佳苗ちゃんと律は哀れみの目線を真貴にやり、秋帆と白月君と千歳君は肩を震わせ大爆笑していた。
そこへ付け足す様に真貴が口を開く。
真貴「言っとくけど、貸してやったのは結女がいたから一緒にいれてもらえる事が出来たからで、走ったのはその結女が校門にいたからだ。」
「断じてお前が好きだからした訳じゃない。」そう言ってそっぽを向いた。
秋帆達は未だにそのベタな物語に笑いが止まらずにいた。
:07/05/29 18:36
:SO903i
:cdCsnkLw
#401 [向日葵]
桜子「分かっていますわ!真貴様のお優しい心が体を動かしたのだと!」
真貴「全然分かってない……。」
時計を見ると次の授業が始まりそうな時間だった。
友姫「とりあえず、2人共教室へ戻って。」
桜子「あら。これは失礼しました。さぁ…真貴様。参りましょう。」
真貴は腕を組まれたが、嫌がって直ぐに引きはがした。
そこでやっと3人の笑いが止まった。
でもまだヒーヒーと言っている。
:07/05/29 19:28
:SO903i
:cdCsnkLw
#402 [向日葵]
千歳「ハァハァ……あーおかしかったぁ…っ!最強あの子。」
秋帆「ベタ……ベタ王女あの子。」
何やら勝手にあだ名をつけられた桜子ちゃん。
確かにベタ。
しかも真貴のあの嫌がりよう。好きになられた時から追い掛けられていると見た。
珊瑚「まぁ…しばらくはあぁなるな。」
私はウンと深々頷いた。
:07/05/29 19:33
:SO903i
:cdCsnkLw
#403 [向日葵]
**************
今日は少ないですがここまでにしますね
:07/05/29 20:41
:SO903i
:cdCsnkLw
#404 [向日葵]
珊瑚君の予想通り真貴は逃げ回る日々を送っていた。
ある時は目の前を高速で過ぎて行ったり
またある時は「来んなこの野郎ぉぉぉぉ!!!!」っと言う叫び声が聞こえたり。
その度に私達はやれやれと真貴を哀れむ気持ちでいっぱいになった。
・・・・・・・・・・・
真貴「もー無理…。」
玄関に入るなりバタンと倒れる真貴。
毎時間走っていたらそりゃスタミナもなくなるだろう。
:07/05/31 10:04
:SO903i
:1f5PtThY
#405 [向日葵]
友姫「おかえり。大丈夫?」
真貴「全然…。……。友姫姉。ちょっと甘えていい?」
寝そべりながら真貴は私を見上げた。
友姫「ん?何?」
すると真貴は両手を私に向けてきた。
真貴「抱っこ。」
友姫「抱……っこ……。しょうがないなぁ……。」
私が真貴を抱き締めようとした時。
真貴「グェッ!」
:07/05/31 10:08
:SO903i
:1f5PtThY
#406 [向日葵]
着替えた珊瑚君が真貴の首ねっこを掴まれて無理矢理座らされた。
珊瑚「甘えんな。それに友姫。甘やかすな。」
真貴「焼きもちとかみっともないぞ珊瑚ぉ。あー苦しかった。」
珊瑚「甘えもみっともない。」
2人の間に火花が散る。
それを私はまぁまぁと言ってなだめ、真貴を着替えさせに部屋にやった。
友姫「珊瑚君も真貴をそこまで邪険にしなくてもぉ。」
私は苦笑しながら居間へ行こうとしたら手を引っ張られて壁にゆっくり押し付けられた。
:07/05/31 10:13
:SO903i
:1f5PtThY
#407 [向日葵]
……トン…
友姫「……珊瑚君?」
珊瑚「言っただろ。俺は欲張りだって。」
『……ぁ…。』
吸い込まれそうな真剣な目に私は胸が高鳴る。
それと共に顔の温度が上がる。
友姫「言った…けど……。でもっ…。」
珊瑚「喋るな。」
一気に珊瑚君の顔が近づく。
私は目をギュッと固く閉じた。
その時、珊瑚は視界の隅で階段の上からこちらを見つめる真貴を認めたが、気にすることなく友姫の唇に触れた。
:07/05/31 10:18
:SO903i
:1f5PtThY
#408 [向日葵]
私は何も考えられなくなる。
目を閉じたら世界は真っ暗で闇に包まれているハズなのに、何故か世界は真っ白なのだ。
闇が一気に光に照らされた様に。
その光を貪るかの様に。
息が……出来ないくらいに…………。
…ピンポ〜ン……
『?チャイム?』
私は珊瑚君を離す。
友姫「さ、珊瑚君。お客さ…」
珊瑚「いい。」
:07/05/31 10:23
:SO903i
:1f5PtThY
#409 [向日葵]
珊瑚君は両手で私の顔を包んで、まるで逃げることを許さない様にキスをする。
友姫「……っ!」
私は心臓が壊れそうになる。
珊瑚君がこの頃、痛いくらいの嫉妬をする。
それは恐くて愛しい。
それでもチャイムは鳴り続ける。
ピンポンピポピンポ〜ン……
私は足が地に付いて無い気がして、徐々に床に座り込む。
それと同時に珊瑚はやっと唇を解放してくれた。
:07/05/31 10:28
:SO903i
:1f5PtThY
#410 [向日葵]
私は少し息が上がる。
そんな私のおでこに珊瑚君は自分のおでこをコツンと当てた。
珊瑚「……わかった?」
まだ気持ちが伝えるのに足りないと言った顔をする珊瑚君に、私は仄かに微笑む。
友姫「分かった…。だから早くお客さん入れてあげて?」
すると珊瑚君はいつも通りに戻り、穏やかな笑顔を見せてから私の頭を撫でると玄関へ向かった。
私は赤ちゃんみたいにハイハイしながら玄関から見えない所まで行く。
今は、酸欠の為、足に力が入らない……。
:07/05/31 10:33
:SO903i
:1f5PtThY
#411 [向日葵]
その原因をリフレインする度に、床に寝転んで悶えそうになる衝動に刈られた。
『だって珊瑚君普段あんな事しないんだもんっ!……それにこの前の祭で…っ』
[私は珊瑚君を愛してる?]
我ながら恥ずかしいことを考えてしまった。
顔が発火しそうになる。
私はまだ高校生で、恋と愛の狭間で揺らいでいる年頃なのだ。
『なのに……愛…あああ愛とかっ!!』
:07/05/31 10:37
:SO903i
:1f5PtThY
#412 [向日葵]
:07/05/31 10:39
:SO903i
:1f5PtThY
#413 [向日葵]
髪の毛を掴んでクシャクシャにすると、珊瑚君の声が聞こえてきた。
珊瑚「お前なんでっ!」
その声で少し覚醒し、足の感覚も戻ってきた。
壁を支えにしてゆっくり立ってから私は玄関へ向かった。
そこにいたのは
友姫「桜子ちゃん!」
桜子「すいません。お邪魔いたします。」
すると真貴が上から降りてきた。
:07/06/01 12:57
:SO903i
:hgYS4jmY
#414 [向日葵]
真貴「げっ!なんでお前うちがわかったんだよ!」
桜子「先生にお聞きしたんですわ。」
真貴はズカズカと桜子ちゃんの前まで来て桜子ちゃんを突き飛ばした。
ズシャ!
桜子「キャァッ!」
反動で桜子ちゃんはこけてしまった。
友姫「ちょ、牧場!やりすぎよ!!」
桜子ちゃんに手を伸ばしながら私は真貴を睨み、怒った。
一瞬真貴は怯むが私の手を掴む桜子ちゃんを睨む。
:07/06/01 13:07
:SO903i
:hgYS4jmY
#415 [向日葵]
真貴「ストーカーかよお前!わざわざ追い掛けて来て、挙げ句の果ては家に来るとか…。やめろよな!!」
桜子ちゃんの目が、一瞬凍る。そして私の手をギュッと握った。
桜子「…真貴様は……お約束を忘れてしまわれたのですか?」
真貴「約束?」
怒った真貴の目に疑問の眼差しが混じる。
桜子ちゃんは悲しそうに顔を歪ませて真貴を見つめた。
桜子「真貴様が言い出したんですよ!なのに…忘れてしまわれたんですか……?」
:07/06/01 13:12
:SO903i
:hgYS4jmY
#416 [向日葵]
真貴「知らねぇよ。」
冷たい目で見返す真貴に桜子ちゃんは我慢出来ず、そのまま走り去ってしまった。
友姫「桜子ちゃん!」
私は桜子ちゃんを追いかける。
キィ…… バタン
珊瑚「……約束。ホントに覚えてないのか?」
真貴「した覚えすらねぇよ。」
珊瑚は溜め息をついた。
そして真貴の頭をクシャッと撫でる。
:07/06/01 13:15
:SO903i
:hgYS4jmY
#417 [向日葵]
真貴「ちょ、何だよ!」
真貴は照れたように手をどけた。
そんな真貴を珊瑚は見つめる。
怒っては無いようだが、真剣な目をする。
珊瑚「少しは思い出す努力をしろ。」
そう言って階段を上がって行った。
真貴「……約束?」
・・・・・・・・・・・・・
桜子ちゃんを追って来たのはいいものの、おっとりしてそうなのに意外に足が早くて途中で見失ってしまった。
:07/06/01 13:18
:SO903i
:hgYS4jmY
#418 [向日葵]
『桜子ちゃん……。』
息を乱しながら前後左右を確認し、ゆっくり歩く。
友姫「ハァ……ハァ……。……ぁ。」
目の前にある児童公園がある。何人か子供が遊んでいる中に、孤独にブランコに乗って揺れている桜子ちゃんを発見した。
私もゆっくり近づき、桜子ちゃんの隣のブランコに乗った。
小さい頃ピッタリで大きいと感じていたブランコが、今じゃすっかり小さいと思ってしまう。
桜子「……お姉……さま。」
友姫「真貴じゃなくてゴメンネ。」
桜子ちゃんはゆっくり首を横に振った。
:07/06/01 13:23
:SO903i
:hgYS4jmY
#419 [向日葵]
桜子「真貴様でしたら、きっと泣いてしまいますわ。」
悲しみを抑えて桜子ちゃんはにこっと笑った。
私は迷ったけど“約束”の事について聞いて見ることにした。
友姫「ねぇ。約束って…何?」
…………………………
私達の間に沈黙がしばし流れる。
そして少ししてから、桜子ちゃんが口を開いた。
桜子「真貴様を…好きになって間もない時の話ですわ。」
:07/06/01 13:28
:SO903i
:hgYS4jmY
#420 [向日葵]
――桜子回想
私は今みたいに真貴様を追い掛け続けていました。
真貴「なんで付いてくるんだよぉっ!」
桜子「真貴様をお慕いしているからですわ!」
真貴は溜め息をついて桜子に向き直った。
真貴「どーせ他に好きな奴また出来るって。」
桜子「いいえ!桜子は一生真貴様をお慕いしますわ?」
真貴は呆れた様に頭をポリポリとかいた。
そして何かひらめいた様に桜子に言った。
真貴「よし!ならどこにいても俺を追い掛けてこれたら考えてやる!外国でも、海の底にいてもだ!」
:07/06/01 13:34
:SO903i
:hgYS4jmY
#421 [向日葵]
桜子「……っ!ハイッ!!」
2人「ゆーびきーりげーんまーん嘘つーいたーら……」
―――――
桜子「その約束を、私は忘れていません。例え真貴様が忘れてそれで嫌われたとしても。」
桜子ちゃんの話を聞きながら私は心がスンッと痛くなった。
きっと真貴は冗談でいずれ忘れてしまう簡単な約束をしたんだろう。
でも桜子ちゃんはそれをしっかり覚えている。
そこまでして真貴を想っているのだ。
:07/06/01 13:38
:SO903i
:hgYS4jmY
#422 [向日葵]
どうでもいい約束をした真貴は当然覚える気もなかったのだろう。
私はした。
他愛もない約束。
貴方が守るだけじゃ疲れるから私にも守らせてと……。
貴方は笑って約束してくれた。それは胸の深い所に閉まいこんでいる。
約束と言うのは、それほどに大切で愛しいもの。
簡単に曲げたり、破ってはいけない。
私は初めてそう思った。
何より思わせてくれたのは珊瑚君だった……。
:07/06/01 13:42
:SO903i
:hgYS4jmY
#423 [向日葵]
桜子「私さえ覚えていれば、きっと真貴様も思い出してくれますわ!だから大丈夫です!」
・・・・・・・・・・・・
桜子ちゃんと一通り話を済まして別れた。
児童公園の家に近い方の入口に足を進めると
珊瑚「よっ。」
児童公園と書かれた石板の陰に珊瑚君が立っていた。
珊瑚「どうして追い掛けたんだ?」
友姫「……。なんだかほっておけなくて。」
一瞬凍りついた彼女の目。きっと何かあるんだと思った。
:07/06/01 13:46
:SO903i
:hgYS4jmY
#424 [向日葵]
友姫「珊瑚君は…。約束って何だと思う?」
いきなり話をふったにも関わらず、嫌な顔ひとつしないで珊瑚君は考えてくれた。
珊瑚「……。守り続けるもの。かな…。破ったりするのって簡単だけど、破られた相手の悲しい顔みたくない。だから守る。」
友姫「うん……。だよね……。」
真貴……
いくら何でもひどいよ……。
暗い顔をする私の頭を珊瑚君は優しく撫でてくれた。されるがままになりながら私達は家に足を運んだ。
:07/06/01 13:51
:SO903i
:hgYS4jmY
#425 [向日葵]
:07/06/01 13:52
:SO903i
:hgYS4jmY
#426 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・
律「そりゃ人間だもの。忘れても不思議じゃないんじゃない?」
肝だめしの準備をしながら律は言う。
私、秋帆、律は怖い話をする係。
律「第一子供だもの。そんな約束、遊ぶ約束するのに近いんじゃない?」
只今怖い話の本黙読中。
怖くてひっくり返りそうになる。
:07/06/01 22:03
:SO903i
:hgYS4jmY
#427 [向日葵]
秋帆「大体友姫ってそーゆー小さい事に敏感だよね〜。そこがまぁいいトコなんだけど。あ、この話とかどう?」
怖い話に指を差しながら秋帆が話す。
友姫「小さい頃って純粋そのものなのよ。だから鮮明に覚えてしまうのよ。」
私は一旦本を置いた。
長く読んでいると夢に出てきそうだ。
:07/06/01 22:22
:SO903i
:hgYS4jmY
#428 [向日葵]
フゥー……
破られた気持ちを考えると胸が痛い。
忘れられた事を考えるともっと痛い。
片方だけ覚えてるのは、とても過酷だ。
律「友姫。アンタあんまりその約束とやらを弟君に話ちゃダメよ。」
友姫「え?なんで?」
秋帆「バッカねー!弟君がアンタ好きだからじゃない!!好きな人に違う女の子の事責められたらそれこそ酷よぉっ。」
私は「あー」と納得して机に顔を伏せた。
:07/06/01 22:48
:SO903i
:hgYS4jmY
#429 [向日葵]
もーやだ。
とりあえずあの2人を仲直りさせよう。
おせっかいかもしれないけどこのままじゃ気分が悪い!
・・・・・・・・・・・・・
「ん?あ、真貴の姉さん。」
私が真貴の教室まで来ると飴を舐めながら私に声をかけてきた男の子がいた。
友姫「真貴知ってるの?失礼だけど…お名前は……。」
「宮藤 燈也(みやふじ とうや)。真貴のダチっすよ。」
友姫「真貴がいつもお世話になってます。」
:07/06/03 01:16
:SO903i
:HoK7bBgw
#430 [向日葵]
私は深々とお辞儀すると燈也君はいえいえと言った。
燈也「真貴に用事っすか?今いないから伝言しときますよ。」
真貴はいないのかぁ……。私は肩を落とした。
できれば直接言いたいが、顔を見たら桜子ちゃんの事をあれこれ言ってしまいそうだから、燈也君に託す事にした。
友姫「じゃあ。お願いします。今度ウチのクラスでやる肝だめしにおいでって伝えてください。」
燈也「あい!了解しました!」
敬礼のポーズをして、燈也君は伝言を受け取ってくれた。
:07/06/03 01:21
:SO903i
:HoK7bBgw
#431 [向日葵]
そして私はその場を後にした。
――――……
肝だめし当日。
只今午後7時。
夏になった為空はまだ少し明るいが、学校は既に昼間の姿から雰囲気を変えていた。
私は一緒にいる珊瑚君の手を強く握りしめる。
友姫「さ、さ、珊瑚君……。お願いだから…置いて行かないでね。」
珊瑚「ハイハイ。…ったく。怖いなら参加するなよなぁ……。」
:07/06/03 01:25
:SO903i
:HoK7bBgw
#432 [向日葵]
そんなこと言っても私以外の5人は乗り気だったし……。3年だから高校最後の思い出みたいなもので……。
そして私には重要な役目。……そぅ。真貴と桜子ちゃんの仲直り!
友姫「だから怖がってる場合じゃないの珊瑚君っ!!」
珊瑚「まぁよく分からんが頑張れ……。」
集合場所はウチのクラス。肝だめしのルールは簡単。
・まず2人1組。
・1組ずつ怖い話を聞く。
・進んで行っていくつかのお題をクリアする。
・最後にまたここへ戻る。
:07/06/03 01:31
:SO903i
:HoK7bBgw
#433 [向日葵]
友姫「多分怖い話の時点で気失っちゃうかな!」
珊瑚「威張るな。」
軽くおでこにデコピンされる。
そしてクラスに到着。
佳苗「あ、来た来た!見て!教室の飾り付け凄くない?!」
そうして見た教室は暗い音楽が流れていて黒いカーテンがかかっている。
見ただけで私は血の気がザーッと引き、目が点になった。
暁「ゆーきちゃーん。大丈夫〜?」
白月君が私の目の前で手をブンブン振るが、そんなのに反応する余裕はなかった。
:07/06/03 01:37
:SO903i
:HoK7bBgw
#434 [向日葵]
友姫「や、やりすぎっ…!」
後半は声が裏返った。
律「いや全然してない方だと思うけど。」
秋帆「もっと骸骨とか作って飾ろうって言ってたもんねぇ。」
骸骨……
作れるのそれって。
あぁ理科室の持って来るか。
いやそうじゃなくて……っ!
友姫「私1人じゃ怖い話出来ないよぉっ!!」
頭を抱えて半泣きになった。
するとどこからか
「キャァァァ!」
友姫「ギャァァァァ!!誰だぁぁぁっ!!!!(壊)」
:07/06/03 01:42
:SO903i
:HoK7bBgw
#435 [向日葵]
律「……保護者兼恋人。なんとか落ち着かせなさい。」
友姫の方に親指を指して律が指示する。
すると声がした方から女の子が。
佳苗「あ、貴方は。」
珊瑚君になだめられてた私はその子の方へ向いた。
友姫「桜子ちゃん…っ!」
桜子「あいたた…。こんばんわ皆様。ご招待頂きまして、ありがとうございます。」
桜子ちゃんは足を押さえながら私達に挨拶した。
友姫「どうかした?」
:07/06/03 01:51
:SO903i
:HoK7bBgw
#436 [向日葵]
桜子「階段で転んでしまって……。大丈夫ですわ!」
桜子ちゃんはしゃんと立って大丈夫であることを証明した。
本人が大丈夫と言ってるのだから大丈夫なのだろう。
友姫「真貴も……来るからね!」
桜子「……ハイ。」
桜子ちゃんは静か微笑んだ。きっとまだショックが隠しきれずにいるのだろう。
『やっちゃいけなかったかなぁ……。』
:07/06/03 01:55
:SO903i
:HoK7bBgw
#437 [向日葵]
:07/06/03 01:56
:SO903i
:HoK7bBgw
#438 [向日葵]
そこへ真貴がやって来た。
真貴「友っ姫姉♪肝だめし超楽しみなんだけ…なんだ来てたんだ。」
私に見せた笑顔とは逆に真貴は桜子ちゃんを冷たく見る。
そんな真貴の頭を私は平手でペシッと叩いた。
真貴「いてっ!ちょ、友姫姉?」
友姫「そんな言い方女の子にしないの!」
真貴は渋々桜子ちゃんに謝る。
そんなこんなで肝だめしが始まった。
:07/06/04 13:13
:SO903i
:3HvE0y0U
#439 [向日葵]
クラス以外の子も結構いたりして、クラスで仕切っている子がその子達に指示をした。
「肝だめしは2人1組でやってもらいまーす!近くにいる親しい人、または相手がいない人同士でペアになってくださ〜い!」
周りにいた人はザワザワ動き出す。
でも私の目は一点にのみ集中される。
少し間隔を取っているが近くにいる真貴と桜子ちゃんだ。
・・・・・・・・・・・・・
桜子はおろおろしていた。
この場合、真貴と組めばいいのか。また他の人と組めばいいのか。
:07/06/04 13:20
:SO903i
:3HvE0y0U
#440 [向日葵]
そうしてる間にも次々と決まっていってしまったので桜子はもう1人で行くしかないと覚悟していた。
真貴「相手…。見つかった?」
横を見ると真貴も1人だった。
いやどこかにいるのかもしれない。
桜子「あ、いえ!まだです。…この調子ですと、私1人で行くみたいですわ。」
桜子は困りながらもちゃんと笑顔で話した。
真貴「なら組もうぜ。」
桜子「え?でも……。」
:07/06/04 13:24
:SO903i
:3HvE0y0U
#441 [向日葵]
真貴「誤解すんなよ。相手がいないから仕方なくだ。」
少し照れながら言う真貴に桜子は自然と笑顔が溢れた。
桜子「ありがとうございます……っ。」
「ペアになりましたかぁー?ではその人と手を繋いでくださぁぁい!」
・・・・・・・・・・・・
遠くで2人を見守っていると、2人は何か喋っているようだった。
そして桜子ちゃんが笑っていた。
それがちゃんとした笑顔なのかはここからは分からなかった。
:07/06/04 13:27
:SO903i
:3HvE0y0U
#442 [向日葵]
「ペアになりましたかぁー?ではその人と手を繋いでくださぁぁぁぁい!」
心配気に見ていると、数々の手の間から、2人が手を繋ぐ姿が見えた。
『あ……!』
珊瑚「良かったな。」
後ろから珊瑚君が声をかける。2人のやりとりを背の高い珊瑚君は見えていた。
友姫「よしっ!私もが……頑張らないとダメだよね……。」
語尾が段々小さくなっていく。
:07/06/04 13:32
:SO903i
:3HvE0y0U
#443 [向日葵]
そんな私の頭を珊瑚君はポンポンと叩いて慰めた。
・・・・・・・・・・・・
友姫「……そしてこの学校にはその呪いがかけられていると言い伝えられています。」
ガラガラガラ
1人でに肝だめしへの扉
が開かれる。
友姫「さぁ……貴方に呪いを解けますかな……。」
そこで肝だめしに行く人達が出ていった。
友姫「フゥー…。」
一段落して私はイスの背もたれに倒れた。
:07/06/04 13:36
:SO903i
:3HvE0y0U
#444 [向日葵]
律「友姫やるねー!出来るじゃん!」
友姫「律がいるって思えば大丈夫なの。それにしても……これ暑い……。」
怖い話をする人は黒い布で口許だけが見える様に全身を覆わなければならない。
ちなみに1人でに動く扉の仕組みは教室内に覆われた暗幕に合図する人が隠れていて外に「開けて」と言うのです。
この時、肝だめしに行く人は合図する人の姿は見えてません。
律「もうそろそろ交代だから、もうちょっと頑張りなさい。」
と団扇で扇ぎながら律が言ったので、私はウンと答えた。
:07/06/04 13:42
:SO903i
:3HvE0y0U
#445 [向日葵]
そして何人かが終わり、やっと交代の時が来た。
交代と同じに真貴達のグループが入って行くのを目撃。
私は扉開け係の珊瑚君を小声で呼ぶ。
友姫「珊瑚君ー。」
珊瑚「ん?」
友姫「もうそろそろ終わり?」
珊瑚「あぁ。これで終わり。」
友姫「ならっ!」
珊瑚君を引っ張って耳元で内緒話をコショコショとする。
:07/06/04 13:45
:SO903i
:3HvE0y0U
#446 [向日葵]
それを聞いた珊瑚君は頗る面倒くさいと言う顔をしたが、1つ溜め息をつくと「わかった。」と答えてくれた。
ついでに秋帆と律にもその話をした。
2人とも珊瑚君と同じ反応をしたが、やっぱり「いいよ。」と答えてくれた。
2人の了承を得た所で、真貴達のグループが出てきた。そして肝だめしに向かう。
友姫「ぃよしっ!追跡開始!」
3人に聞いた事、それは―――――……
<さきほど>
:07/06/04 13:50
:SO903i
:3HvE0y0U
#447 [向日葵]
珊瑚君に耳元で言ったこと。
「真貴達の様子を見たいから、こっそり付いて行きたいの。一緒に行ってくれる?」
―――――――……
約5、6m先に真貴達がいる。それを陰で見つめる私達。
秋帆「ねぇ。これって何か意味あんの?」
小声で秋帆が問う。
友姫「子供の成長を見守るのは親の義務だよ!」
と小声で答える。
:07/06/04 13:54
:SO903i
:3HvE0y0U
#448 [向日葵]
その時3人は密かにやれやれと思っていた。
そう。またしても友姫は真貴が友姫の事を好きだと言う事実を忘れているのだ。
しかも弟から子供にランクが下がった。
珊瑚はそれである意味いいのだが、真貴に対しての警戒心がまたしてもなくなっているのではと心配になってきた。
秋帆と律もそれで良かったのだが、過ぎるおせっかいはアクシデントを招かないかと心配していた。
友姫は3人も心配をかけていた。
しかし当の本人は初めてのおつかいバリに真貴が桜子ちゃんに冷たくしないかドキドキしていたのだった。
:07/06/04 13:58
:SO903i
:3HvE0y0U
#449 [向日葵]
:07/06/04 13:59
:SO903i
:3HvE0y0U
#450 [向日葵]
今日は更新お休みします


:07/06/05 22:46
:SO903i
:h3QtIYCQ
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