新☆きらきら
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#600 [向日葵]
すると秋帆が私を落ち着かす様に肩にポンと手を置いた。

秋帆「大丈夫。鼻歌確かにオルゴールみたいだったから……。」

逆効果。

友姫「そっ、そんなトコからぁぁぁぁぁぁっっ?!?!」

律「馬鹿ね友姫。なんで一斉に皆寝るのよ。」

友姫「だ、だって!お昼寝大会って!!!!」

律「作戦に決まってるでしょ。アンタ達のメロドラマ見る為の。」

⏰:07/06/20 17:38 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#601 [向日葵]
友姫「ひ、ひどいよ皆ぁぁぁ!!」

私の叫びは高らかにエコーし、夕方になりかけた空に響いた。

夏休みはまだ始まったばかり。

これからまた何があるか。何が待っているのか。

先はまだまだ長い……。

⏰:07/06/20 17:41 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#602 [向日葵]
**bP2 出会い**

私、東雲 結女。

友姫姉ちゃんのイトコで真貴とは双子。私は妹なの。現在15歳。高校1年生。
この前、林先生との別れて以来恋はしていなかった。

「やっぱりアイツ駄目だわ。」

今は友達と遊んでいる。
彼氏がいるこの子は、別れてよりを戻してを繰り返していた。

波奈「アンタいい加減にしなさいよ?!次別れても私達知らないかんね!」

⏰:07/06/20 17:48 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#603 [向日葵]
波奈は私の親友。

私達は相談しているこの子に振り回されてばっかいる。そろそろ我慢も限界だった。

「やっぱ男は包容力がなきゃダメ!今カレ全然だもん!」

波奈とその子が言い合っている中、私は自分の世界に引き込もって思っていた。
文句言うんだったらさっさと別れればいいじゃない。そーゆーの含めて好きになったんじゃないの?

そんなの……彼氏がいるって言うレッテルが欲しいが為にいる彼氏だよ。

⏰:07/06/20 17:52 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#604 [向日葵]
友達はほとんどの子がそんな感じだった。

好きで両想いになったのに、付き合っていけばボロがお互い段々出てきてその度に幻滅する。

そんなのどってことない。
私だったらどんな部分も愛してみせる。

そんな覚悟もないくせに、贅沢ばっかり言って……。

アンタ達に分かる?
付き合って当たり前じゃないのよ?

両想いって事がどれだけ素敵な事か……。

⏰:07/06/20 17:56 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#605 [向日葵]
波奈「……め。結女!」

結女「はっ。」

完全に周りの存在を忘れていた。

結女「ゴメンネ!ちょっとぼーっとしてて…っ。」

そういえば、林先生と一緒にいる時もこんな風に自分の世界に引き込もってたっけ。

林先生はその度に笑って現実に呼んでくれた。

もう……それも叶わない……。

結女「ゴメンネ!私帰る!」

「ちょっと結女ー!」

⏰:07/06/20 18:01 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#606 [向日葵]
最寄りの駅まで一っ走りした。

今日はもう帰ろう。

友姫姉ちゃん達がかき氷大会してるから恵んでもらって……。

電車が止まる印の所で列になって止まった。
夏休みのせいか平日でも電車は結構混んでそうだった。

『……。』

何か後ろから視線が来るよう……な。

私はそろーっと後ろを振り返ると、右斜め後ろの背の高い容姿が結構カッコイイお兄さんが私をギッ!睨んでいた。

⏰:07/06/20 18:57 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#607 [向日葵]
なんだか顔が青ざめていく。

『な、なんで?!あたしなにもしてないよね?!』

と思う内に電車が到着した。
お兄さんから少しでも離れようとサッサーと奥まで行って目を合わせない様に窓の外を見る。

やっぱり電車は少し混んでて、冷房が効いてても少し暑苦しい感じがした。

『早く出発し……。』

窓越しに横を見ると、隣にさっきのお兄さんがいた。
そしてやっぱり私を睨んでいる。

⏰:07/06/20 19:02 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#608 [向日葵]
『ひぃぃぃぃっ!!!!』

脳内で自分が泣いてる姿を想像しながら意識をお兄さんから離して出来るだけ気にしない様にした。

『き、今日はいい天気だなぁー…。』

嘘だ。
今日の天気は少し曇っている。

もぅ色々パニックだ。

・・・・・・・・・・・・

「●●駅ー。●●駅ー。」

止まる駅まではあと3つ。お兄さんは未だに横。

もう少し……もう少し……

⏰:07/06/20 19:06 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#609 [向日葵]
すると…………

ゾワァッ!!!

一気に鳥肌が立った。

こんな事……っホントにあるんだ……っ。

自分のお尻に違和感。
間違いない。
痴漢だ……。

初めての経験にどうすることも出来なくて、ただ身を縮ませていた。

『どうするのコレッ!!!そうだ……っ。手を掴んでこの人痴漢ですっ!!って!』

でも思い通り体が動かない。次の駅まで待つしか――っ!

⏰:07/06/20 19:10 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#610 [向日葵]
幸い下はスカートじゃなくパンツだった。

でももしエスカレートしたら?
それに次で降りて逃げてもまた痴漢にあったら……?

もう恐くて涙が出てきそうになった。

その時、いい香りに包まれた。
多分香水の様な気がする。

『……ぇ…。』

なんと……
隣のお兄さんがあたしを抱き寄せて、痴漢の手を掴んでいた。

⏰:07/06/20 19:13 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#611 [向日葵]
更新はまた明日の朝しますね

⏰:07/06/20 22:01 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#612 [我輩は匿名である]
まってまーす

⏰:07/06/20 22:28 📱:SH702iD 🆔:11vFnjLA


#613 [向日葵]
我輩さん

ありがとうございます

一応感想板貼っときます

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/20 22:37 📱:SO903i 🆔:rw2wQ4wA


#614 [向日葵]
「おっさん。みっともねぇーぞ。」

「な、何を言って…っそんなのい……。」

「言い掛かりじゃないか」とでも言おうとした痴漢のおじさんは、お兄さんの睨んだ目つきに怖じけ付き、次の駅で御用となった。

結女「あ、あの……っ。」

お兄さんを呼び止めると、先ほどよりは優しい目になっていた。

「あぁ。アンタ大丈夫か?」

結女「助かりました!……あの…時間があれば、私にお礼させてください!!」

⏰:07/06/21 09:48 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#615 [向日葵]
ホントに助かった。

エスカレートしていたらあたしはどうなったか……。

お兄さんはじっとあたしを見てから考えた。

「……じゃあ、何か食べさせて。部活帰りだから腹減ってんだ。」

・・・・・・・・・・・・・・

降りた駅の近くにケン●ッキーがあったので、あたし達はそこへ入って、まだ済ませていない遅いお昼ごはんを食べた。

結女「あたし、東雲結女っていいます。改めて、さっきはありがとうございました。」

⏰:07/06/21 09:52 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#616 [向日葵]
机すれすれぐらいまで頭を下げた。

「いやまぁ…。どってことないから。俺は浅瀬 大牙(あさせ たいが)。高3。」

結女「大牙さん……。」

落ち着いていて(クールって言うのかなぁ……。)改めて見ると珊瑚さんに負けないくらい綺麗な顔立ちをしていた。

カッターを第2ボタンまで開けて、中にちらっと見えるネックレスに色気を感じた。

結女「あれ?高3なのに部活まだあるんですか?」

大牙「後輩指導だ。」

結女「あぁなるほど……。」

⏰:07/06/21 09:58 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#617 [向日葵]
普通に話せるし、どうやらやっぱり初対面のようだ……。

なのに……。

結女「あ、あの。なんで私を睨んでいたんですか……?」

大牙さんはなんのことだかわからないかの様に目をパチパチした。

しばらくすると「あぁ。」と思い当たったらしく、説明してくれた。

大牙「別に睨んでたんじゃねぇよ。見張ってたんだ。列に並んでた時からアンタに痴漢したおっさんが怪しかったからな。そしたら案の定だ。」

⏰:07/06/21 10:02 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#618 [向日葵]
ジョローっとジュースを飲みながらあたしは話を聞いていた。

『目付きがたまたま悪いだけなのね…。』

大牙「怖がらせたんなら悪かったな。」

結女「あ、全然大丈夫ですよ。おかげで助かりました!」

大牙「……ふぅーん。」

表情はあまり見せないけど照れているのかもしれない。

『なんか段々分かってきたかも……。』

大牙「さて…。帰るか。送る。」

⏰:07/06/21 10:06 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#619 [向日葵]
結女「あ、いいです!大分空いてきただろうし。」

大牙「そ?んじゃ。ごっそーさん。」

『あ……。』

また香水の匂いがした。

次の瞬間、あたしは体が勝手に動いて大牙さんのカッターの裾を掴んでいた。

大牙「……。何?」

結女「……へ?いやあの、……っ。やっぱりお願いします!!」

・・・・・・・・・・・・・・

ガタン ガタン

やっぱり電車は空いていた。座れるけどまぁいっかと思い、あたし達は立ったまま外を見つめた。

結女「……いつもこの電車に乗ってるんですか?」

大牙さんは目線だけこちらを向いて「あぁ。」と言ってからまた外に戻す。

⏰:07/06/21 10:13 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#620 [向日葵]
大牙「アンタはこの電車よく使うの?」

結女「ハイ。通学に。今日は遊んでたんですけど。」

大牙「ふぅーん…。」

短い返事を返されるも、全然嫌味がなかった。
むしろベラベラ喋られるよりこれくらいが一番落ち着く。

結女「……また会えますか?」

『あれ……?』

あたし今なんて言った?
またなんか口走ったよね?
自分の言葉にびっくりしながら大牙さんをそろーっと見ると、こちらをじっと見つめていた。

でも全然怖くなんかない。

⏰:07/06/21 10:17 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#621 [向日葵]
結女「ふ、ふか、深い意味はありません!ただ感謝してもしつくせないくらいなだけで……。」

大牙「大抵はこの時間に乗ってる。」

ふと顔をあげると、大牙さんはまた外に目をやっていた。

時々冷房のせいでくる大牙さんの香水の香りが、なんだか心をざわざわさせた……。

――――……

大牙さんと駅で別れ、真っ直ぐ家に帰った。

結女「ただいまぁー。」

友姫「おかえり。早かったのねぇ。」

⏰:07/06/21 10:21 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#622 [向日葵]
結女「うん。かき氷まだある?」

抱きつきながら私が問う。
友姫姉ちゃんはいつもいい匂いがして落ち着く。

その瞬間あの匂いを思い出して、胸の奥がキューッと痛くなった。

友姫「あるよ。おいで。」

居間に行くと皆さん勢ぞろいで、珊瑚さんが千歳さんを懲らしめていた。(笑)

佳苗「あ、結女ちゃんおかえりー。」

結女「ただいまです。」

⏰:07/06/21 10:24 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#623 [向日葵]
微笑んでくれる佳苗さんにあたしも微笑み返す。

今ここにいる人達は好き。ホントにお互いを尊重しあって好き合っていると思うから。

特にお姉ちゃんの彼氏である珊瑚さんはそれは素敵な人だと思う。

珊瑚「?何?」

珊瑚さんを見つめていたのであたしに珊瑚さんが聞いてきた。

結女「いえ。」

ニコッと笑ってお姉ちゃんの側に駆け寄る。

友姫「シロップ何がいい?」

⏰:07/06/21 10:28 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#624 [向日葵]
結女「じゃあレモン!」

鮮やかな黄色が透明な氷の上に広がる。

結女「ありがとう!」

テーブルに行って私は大人しくかき氷を食べる。

大牙[大抵はこの時間に乗ってる。]

一口パクッと食べて大牙さんの言葉を脳内で反芻させる。

おかしいな……なんであたし、こんなに大牙さんのことばっか考えてるんだろう。

そう思った瞬間、林先生の優しい笑顔が一瞬かする。

⏰:07/06/21 10:32 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#625 [向日葵]
黄色が広がる器を節穴の様に見つめ、あたしはお姉ちゃん達の笑い声を遠くで聞いていた。

・・・・・・・・・・・・・・

真っ白な世界。
手をいくら伸ばしても欲しい物には手が届かない。

走ってもその距離は縮まらない。

叫んでも声にならない。

そしてその人は振り向いてあたしにこう告げた。

林「さようなら。」

結女「先生っ!!!!」

叫んだ瞬間目が覚めた。
どうやら夢みたい。不規則に息が上がる。

⏰:07/06/21 10:36 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#626 [向日葵]
目尻から一筋涙が溢れる。

結女「ハァ…ハァ……。ハァァァ……。」

息を大きく吸い込んで吐く。
早く…忘れないと……。
前に……進まないと……。

カチャ

ドアが開いたので急いでそのまま流していた涙を拭く。

友姫「あ、結女。起きてた?」

結女「今起きたの。」

友姫「今日登校日なんでしょ?早く起きなさいよ?」

⏰:07/06/21 10:40 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#627 [向日葵]
更に意識が覚醒する。

結女「忘れてたぁぁぁぁっ!!!!」

バタバタと階段を降りて洗面所に向かい、朝ごはんもとらず家を出た。

ギリギリ間に合う為の電車にはなんとか乗れて、手摺に捕まりながらゼーハー言う息を整える。

『大体なんで答え宿題と一緒に渡してくれないのよっ!あり得ない!!』

ふと思い当たって電車を見渡す。
本を読んでたり、携帯をいじってたり。皆様々だった。

⏰:07/06/21 10:45 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#628 [向日葵]
目的の物を見つけれなくてあたしはがっかりした。
そしてがっかりした自分にびっくりした。

『いないのは当たり前じゃない!きっと今頃学校なんだから!』

大牙さんは、どこにもいなかった……。

・・・・・・・・・・・・

波奈「結女!スタバ寄ってかない?」

時計を見るとまだ11時。

結女「うん。いいよ。」

答えを貰うだけなので早めに終わった。
久々に会ったクラスの皆は肌が焼けていたり、いつの間にか彼氏、または彼女が出来てたりした。

⏰:07/06/21 10:49 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#629 [向日葵]
*****************

キリます

よければ感想お願いします

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⏰:07/06/21 10:49 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#630 [向日葵]
夏休みはどの季節より一番浮足だつ。

波奈「そーいえば前どうしたの?いきなり帰ったりして。」

スタバに行く道で波奈が聞いてきた。

結女「んー。なんかむしゃくしゃしてっ。ゴメンネ一人ほったかしにして。」

波奈「ホントよ!アイツの相手すんの大変だったんだからね!」

結女「ゴメンて!!スタバ奢るからぁっ!」

スタバについて私は普通のコーヒー、波奈は抹茶ラテを頼んだ。

⏰:07/06/21 15:13 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#631 [向日葵]
結女「あ、そういえば昨日帰り痴漢に会ったんだぁ。」

波奈「え?!マジで大丈夫だったの?!」

結女「うん……。」

大牙さんを思うと心があったかくなった。

結女「大牙さんってお兄さんに助けてもらったの。」

波奈はしばらく私の顔をじっと見てから抹茶ラテを飲んでハァッと短く息をついた。

波奈「その人が好きになったってこと?」

⏰:07/06/21 15:17 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#632 [向日葵]
結女「はぁっ?!なんでっ!」

波奈「いい機会じゃない?林先生忘れる。」

その名を聞いて、私の鼓動は不規則に跳ねた。

林先生の事を知ってるのは波奈と友姫姉ちゃんと真貴しかいない。

結女「止めてよ…。忘れる口実に大牙さんを無理矢理好きになんてなりたくない……。」

波奈はまた溜め息をついて、頭を撫でながら「ゴメンゴメン」と呟いた。

好きになるなら、自然に好きになりたい。
口実で……なんて、とても失礼だ。

⏰:07/06/21 15:21 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#633 [向日葵]
次の更新は明日のお昼にします

よければまた感想ください
更新情報は感想板にてします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/21 22:07 📱:SO903i 🆔:IsdtrQz6


#634 [向日葵]
しばらくして、ポツポツと雨が降りだした。

窓に当たる雨をぼーっと見ながらコーヒーを飲む。

波奈も何も言ってこない。きっと気を使ってくれてるんだと思う。
それで良かった。

結女「帰ろっか!」

波奈「ウンそうだね。」

飲みきっていないコーヒーを持って外に出た。

ウィーン

『誰か入ってきた。よけなきゃ』

「結女?」

⏰:07/06/22 12:40 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#635 [向日葵]
私は一瞬目が凍りついた。

懐かしいあの日々が、まるで走馬灯かの様に脳裏に次々蘇る。

固まってしまった筋肉をなんとか動かし、名前を呼んだ本人を見た。

結女「せ……んせっ……。」

そこにいたのは紛れもなく先生。
そして……後ろにいるのは……。


奥さんだ……。

先生は傘を畳むところだった。
周りの雑踏が一気に聞こえなくなって、傘から滴り落ちる水の音が聞こえる……気がする。

⏰:07/06/22 12:44 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#636 [向日葵]
「こんにちは。」

ニコッと優しく、そして大人っぽい笑顔を向けてくれた奥さんに、あたしは何も返す事が出来なかった。

気がついたら雨の中を走っていた。
制服に水が染み込んで行く。

生ぬるい空気があたしの喉を絡めとって息がしにくくなる。

そういえば波奈があたしを呼んだ気がする。
でもあたしの意識はその時なくて、ひたすら駅まで走った。

ホームに上がった途端電車が来た。
乗り込んであたしはドア近くの隅っこにたたずむ。

⏰:07/06/22 12:49 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#637 [向日葵]
急な雨だから、ずぶ濡れなのがあたしだけじゃなく、目立たないのが救いだった。

「ドアが閉まりまぁーす。」

閉まっていくドアをただ見つめる。
すると

ガッ!

いきなり手が入り込んできて、ドアが閉まるのを止めた。

息切れしながら入ってきた相手に私は目を見開く。

結女「大牙……さん。」

⏰:07/06/22 12:52 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#638 [向日葵]
声をかけられた大牙さんは私と同じくずぶ濡れだった。

大牙「なんだ…。またアンタか。」

プシュー

ドアが閉まり、電車が動き出した。

カバンをゴソゴソしていた大牙さんはタオルで適当に頭を拭くと、あたしの頭においてワシャワシャ拭いてくれた。

大牙「タオル持ってないのか?少しぐらい拭けよ。」

年上はズルイ。
子供扱いして優しさを心の中に置いていく。

⏰:07/06/22 12:56 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#639 [向日葵]
その優しさの種が、どう育っていくかなんてしりもしないでしょ?

私は大牙さんに先生を重ねてそう思った。

大牙さんは未だに頭を拭いてくれてる。

その手の体温が、あたしの心をぐしゃぐしゃに掻き回してダメにしていく。
折角我慢してたのに……。

ポタッ

雨の滴じゃないものが頬を流れる。
それに気付いた大牙さんは手を止め、少しあたしの頭を上に向かした。

⏰:07/06/22 13:00 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#640 [向日葵]
次々に流れていく涙。

泣きたくなかった。
先生を想って泣きたくなんかなかった。

だってそうでしょ?
無理なのに想い続けて何になるの?

歯を食いしばり、鳴咽が漏れない様頑張る。

でも、無理だった。

だって……あたしの頭を大牙さんの胸に押し当てたから。

暑いハズの人肌が心地よくて、涙が更に流れを増す。

大「何があったか聞かない。でも我慢はするな。」

⏰:07/06/22 13:05 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#641 [向日葵]
何かが崩れていった。

あたしは大牙さんの脇腹のシャツをギュッと掴んで胸に顔を埋めて少しずつ悲しみにくれていった。

周りなんて気にしない。

今は大牙さんの温もりが一番欲しかった。
泣いてる間大牙さんは何も言わず、ただ抱き締めてくれた。

・・・・・・・・・・・・

⏰:07/06/22 13:10 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#642 [向日葵]
雨の中、走りもせず2人で手を繋いで大牙さんは家まで送ってくれた。

手を繋いで、っと言うよりも引っ張ってくれたって言うのが正しいかな。
泣き止んだあたしは虚ろな目をしていた。

時々大牙さんが家の道を聞いてきて、あたしは手を出して指を指した。

何度もそのやりとりが繰り返された。
でも大牙さんは嫌な顔一つせず、あたしを連れて行ってくれた。

カチャ

結女「ただいまー…。」

⏰:07/06/22 13:15 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#643 [向日葵]
奥から友姫姉ちゃんがやって来た。

友姫「結女っ!ちょっとやだびしょ濡れじゃない!」

結女「それより大牙さんにタオル貸してあげて。」

友姫姉ちゃんは「誰?」と呟きあたしの背後を見た。大牙さんはお姉ちゃんに一礼する。

結女「昨日痴漢からあたしを助けてくれたの。少し雨宿りしてもいいでしょ?」

友姫「え?……上がってもらって部屋に連れて行きなさい。大牙……さん?どうぞ。」

⏰:07/06/22 13:19 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#644 [向日葵]
大牙さをはまた一礼して玄関のドアを閉める。

そして友姫姉ちゃんからタオルを貰って、あたしは自室。大牙さんはお風呂場へ向かった。

自室に入ってからフゥッと静かに息を吐く。
もうほとんど胸の痛みが消えている。

制服をハンガーにかけて着替える。
もうジャージでいっかぁ……。

コンコン

友姫「結女。大牙さん入ってもいぃ?」

結女「あ、いいよー。」

ガチャ

ドアが開いて大牙さんが入る。
珊瑚さんの服を借りたのか、大牙さんも着替えていた。

⏰:07/06/22 13:24 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#645 [向日葵]
その姿に少しみとれる。

大牙「悪い。雨足マシになったらすぐ帰るから。」

結女「お、おかまいなく!大丈夫ですから。」

大牙さんは「そうか」と答えて窓の外を見る。
沈黙が流れていった。

結女「……。好きな人がいました…。」

私はのろのろと話始めた。なんだか大牙さんに知って欲しくて……。

結女「でもその人は結婚してしまったんです。心の中では納得していました。好きな人が幸せになるならそれでいいと。……でも。」

⏰:07/06/22 13:29 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#646 [向日葵]
それは心の中の上辺の部分。

本当の最奥にある想いは

結女「“裏切られた”。……そう思ったんです。」

大牙さんはこちらをずっと見つめる。
不思議と心は痛まない。
まるで思い出話でもしてるような気分だ。

結女「たまたま今日その人と奥さんに会いました。そしたらまたその想いとか、色んな感情が入り混じって、気付いたら大牙さんの前で泣いちゃいました!」

少し恥ずかしくなって照れ笑いをした。

それでも大牙さんはまだあたしを見つめたままだった。

⏰:07/06/22 13:33 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#647 [向日葵]
大牙「俺は…。」

大牙さんが少し目線をずらして口を開いた。

大牙「俺は。俺なら。好きな奴を最後まで守りぬくけど。」

言い終わると大牙さんはあたしをまた見つめる。
あたしの心臓が2倍速に動く。

そしてあたしが座っているベッドに近づいて、両脇に手を置いてあたしと目線を合わせる。

その距離十数センチ。

大牙さんの顔が近づく。

あたし…いいの?このままキスして……。ちゃんと大牙さんを好き……?

⏰:07/06/22 13:39 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#648 [向日葵]
結女「や……っ!」

大牙さんを押し返してしまった。

大牙「……ゴメン。雨足マシになったから帰る。服、また返しに来るから。」

そう告げて部屋から大牙さんは出て行った。

あたしは見送りもせずに3倍速になった心臓と闘いながら布団に埋もれた。

部屋に残ったのは、雨音と後悔だった。

出ていってから気付いた。いつの間にか、大牙さんが心の中にいる。

あの香水の香りや優しさ、体温までがあたしを虜にしている。

⏰:07/06/22 13:44 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#649 [向日葵]
出会いと恋は突然やって来る。
なんか漫画で書いてあった。

まさにあたしは今その状態。
でもさっき大牙さんを拒否してしまった。
次会った時、向こうも拒絶したら……?



それからしばらく、駅に行こうなんて思わなかった。

――――――……

前の雨が嘘の様に今日は晴れだ。

蝉がうるさい。

お姉ちゃん達は買い物。
真貴はまたどっかに行った。

⏰:07/06/22 13:49 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#650 [向日葵]
家にはあたし一人。

居間のソファーでダラダラしてた。

テレビ番組は面白くない。甲子園もガンバレーと思うだけ。

………………大牙さん…。

結女「会いに行こう。」

直ぐ様階段を駆け上って服を着替える。
会いたい。いますぐ。

大牙さん。
大牙さん。

あたし……っ貴方が……!

⏰:07/06/22 13:53 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#651 [向日葵]
階段を降りて勢いよくドアを開けた。

結女「!!大牙……さん……?」

白昼夢でも見てる?

今まさに大牙さんが家のチャイムを鳴らそうとしている所だった。

あたしは何回も目をゴシゴシ擦った。
でも大牙さんは消えない。

夢じゃない。

大牙「出掛けるのか。じゃあ用事早く済ませなきゃな。服。返しに来た。」

⏰:07/06/22 13:56 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#652 [向日葵]
あたしは受け取って大牙さんを見つめる。

するとあたしより大牙さんが先に口を開いた。

大牙「俺アンタが好きだ。」

『――――っ!!!』

大牙「俺がアンタを見たのは助けたのが初めてじゃない。ずっとあのホームで並んでる時見てた。なんとか近づきたくてあの時助けた。」

言葉が上手く出ない。
嬉しすぎて震える。

大牙「用事はこれで終りだ。じゃあ。」

結女「あっ!ま、まって!!」

⏰:07/06/22 14:01 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#653 [向日葵]
勢いよく玄関から飛び出て大牙さんを止める為、抱きついてしまった。

『あ……香水の香り……。』

大牙「何……?」

大牙さんはあたしに向き直り答えを求める。

結女「あた、あたしも…っ貴方が好きです!昨日っ拒んだのはそのっ心の準…………備」

言い終わる前に、大牙さんはあたしの顔を両手で包んで見つめる。

その目は見てきた中で一番優しくて、とろけそうだった。

⏰:07/06/22 14:05 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#654 [向日葵]
大牙「準備はいいか?」

一瞬何かわからなかくてぽかんとしてたが、しばらくしてわかり、顔の体温が上がっていく。

あたしは目を瞑って待った。すると大牙さんの唇が優しく重なった。

太陽が暑い。

今年の夏は人一倍暑い。

そして…………忘れられない。

ずっと…ずっと…………。

⏰:07/06/22 14:08 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#655 [向日葵]
**bP3 祝い**




いつもと変わらない風景。私は2階の廊下にいる。

目の前には大好きな珊瑚君。
その珊瑚君が微笑みながら私に囁く。

珊瑚「友姫。結婚しよう。」

………………え。

・・・・・・・・・・・・・・・

友姫「えぇぇぇぇぇっ!!!!って……夢?」

絶叫しながら起き上がる。

⏰:07/06/22 14:12 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#656 [向日葵]
友姫「な……なんて夢……っ!」

夢は潜在意識だの単なる妄想だの言うけど私の場合はこれは妄想だろう。

時計を見ると10時。
しまった……。寝過ぎた……。

トタトタトタ

居間に行くと、珊瑚君がソファーに座っていた。
私は横に行って珊瑚君にピタッと寄り添う。

珊瑚「起きたのか。」

友姫「ウン!おはよう!あと、お誕生日おめでとう!」

⏰:07/06/22 14:20 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#657 [向日葵]
そうなんです。

何を隠そう今日は珊瑚君の18歳のお誕生日なのです!

珊瑚君は微笑みながら私の頭を撫でる。

珊瑚「ありがとう。」

そして私を胸に引き寄せる。

18歳になった珊瑚君に初めてくっつく。
すると突然夢の事を思い出して、いきなり体温急上昇。

それに気付いた珊瑚君が私の顔を覗く。

珊瑚「どうした?」

友姫「え、いや、何も。」

この話は、しばらくしまっておこう……。恥ずかしくて言えやしない。

⏰:07/06/22 14:24 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#658 [向日葵]
汰樹「にーいーちゃん!」

汰樹君が珊瑚君に背後から抱きつく。

汰樹「おたんじょうびおめでとう!ハイこれ!」

くれたのは珊瑚君の似顔絵。クレヨンで描いてある。

珊瑚「ありがとな。汰樹。」

頭をくしゃくしゃ撫でると嬉しそうにニカーッと笑った。

汰樹「ぼくみっくんとあそんでくるね!」

珊瑚「あぁ。気を付けてな。」

汰樹「ウン!」

⏰:07/06/22 14:28 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#659 [向日葵]
汰樹君は行こうとするけど私を見るとギュッと抱きついてきた。

汰樹「ゆきちゃん。たきにいってらっしゃいしてくれないの?」

その顔に私はノックアウトされた。

友姫「いってらっしゃい!」

私もギュッと仕返すと、汰樹君は嬉しそうにエヘヘと笑ってパタパタ玄関まで走って行った。

『汰樹君カワイイなぁ……。』

⏰:07/06/22 14:31 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#660 [向日葵]
****************

キリます

感想などありましたら是非お願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/22 14:31 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#661 [向日葵]
更新は夜中にします

⏰:07/06/22 20:51 📱:SO903i 🆔:M9kb1RuU


#662 [向日葵]
すいません
やっぱり更新は明日にさせて頂きます

⏰:07/06/23 01:02 📱:SO903i 🆔:Z2s0/WBo


#663 [向日葵]
珊瑚「今日はどこか行かないか?」

友姫「珊瑚君さえよければ私は行くよ。」

珊瑚「なら、寝癖直してきてくれ。」

ハッとして私は頭に手をやった。
しまった……。
夢のことで頭いっぱいになってて身なりのこと忘れてた。

友姫「す、すぐ直してきます!!」

ダッシュで部屋を出るとき微かに珊瑚君の笑い声が聞こえた。

『ひぃー!笑われたぁぁ(泣)』

⏰:07/06/24 00:24 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#664 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・

お出かけ。

と言っても近くのデパート。
そういえば2人で出かけるのって、よく考えてみれば初めてかもしれない。

出かけるって言ってもいつものメンバー誰か絶対にいるし、とにかく2人っきりって言うのはあの図書室くらいかも……。

店内に入ると冷房が効いてて涼しかった。

友姫「珊瑚君。どこから見る?」

珊瑚「どこからみたい?」

⏰:07/06/24 00:27 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#665 [向日葵]
友姫「え?何か見たくてココに来たんじゃないの?」

デパートと決めたのは珊瑚君なのだ。

珊瑚「とりあえずどこか行ってみ?」

私は考えた。
だって服を見たいって言ってもきっと珊瑚君は飽きちゃう。

水着なんていらないし、今はお腹も減っていない。

友姫「ぬ……。ぉ……ぅ……。」

珊瑚「何訳分からん言葉話してんだ。」

⏰:07/06/24 00:31 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#666 [向日葵]
友姫「と、とりあえず!上から見て行こう!」

珊瑚「りょーかい。じゃあ行くか。」

キュッと私の手を握る珊瑚君。
私手に汗かいてないといいんだけど……。

ピリリリリ
ピリリリリ

友姫「?珊瑚君。携帯鳴ってない?」

珊瑚君はズボンのポケットから携帯を出す。
やっぱり珊瑚君からだった。

珊瑚「非通知だ。最近多いんだよ。新規にして番号変えっかなぁ…。丁度新しいの欲しいし。」

⏰:07/06/24 00:35 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#667 [向日葵]
友姫「なら携帯売り場で品定しようよ!私も新作見てみたいし!」

珊瑚「そうだな。」

エスカレーターを降りてからしばらく歩くと携帯売り場発見。

友姫「やっぱり珊瑚君なら黒がいい?」

珊瑚「青いのでいいのがあるならそれがいい。これにも丁度合うしな。」

ニヤッと笑って珊瑚君が見せたのは、あのストラップ。
修学旅行で私があげたものだ。

友姫「じゃあ……私緑色持たなきゃ駄目……?」

⏰:07/06/24 00:39 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#668 [向日葵]
私は珊瑚君とおそろいのストラップの色は、誕生石に合わして緑にしてしまった。

珊瑚「ハハハ!友姫には似合わないな。どっちかって言うと白とかピンクのイメージだ。ピンクって言っても淡い桜みたいな色な。」

ちなみに現在私が持ってる色は白。
ならば次はピンクにしようと密かに誓う私だった……。

珊瑚「大体わかった。次ドコ行く?」

そこで目に入ったのがゲームセンター。
正直あまり行った事がない。

⏰:07/06/24 00:43 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#669 [向日葵]
友姫「ならゲームセンター!」

珊瑚「金の無駄遣いさせる気か。」

『えぇぇぇ!拒否?!』

友姫「なら、珊瑚君が決めて……。」

珊瑚「ま、行こう。」

手を引かれながらいざゲームセンターへ。

やっぱりゲームセンターと言えばお決まり、UFOキャッチャー。

キャラクターのぬいぐるみとかキーホルダーとかが沢山並んでいた。

⏰:07/06/24 00:46 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#670 [向日葵]
友姫「わー…。かわ……。」

「カワイイ」と言おうとした自分の口を塞いだ。
また言われてしまう。

珊瑚[金の無駄遣い。]

やっぱり出た方がいいかも。
だって今日は珊瑚君の誕生日。
誕生日の人にお金を遣わせたらいけない。

もしここで一言カワイイなんて言ってしまったら、珊瑚君は絶対取ってくれるに違いない。

……ってか、ココ(デパート)にいたら安々とお金遣っちゃうよ!!

⏰:07/06/24 00:51 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#671 [向日葵]
珊瑚「友姫?」

友姫「こ……ん。」

珊瑚「こん?狐の真似か?」

友姫「公園行こう!ううん行きたいなぁ!!もーすっごく我慢出来ないくらいにっ!!」

珊瑚君の腕を掴みながら熱弁する私。
分かってる。
演技がへたくそなことぐらい……っ(泣)

珊瑚「……。別にいいけど。ならここで待っててくれ。俺買わなきゃ行けない物があるから。」

友姫「?一緒に行くよ?」

珊瑚「いいからいろ。」

⏰:07/06/24 00:55 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#672 [向日葵]
そう言ってエスカレーターで下の買いに言ってしまった。

私はぽつんと1人で近くにあったイスに座る。

『なんの用事があったんだろう……。』

目の前にあるオモチャ屋さんの笛を吹いているうさぎさんに目を向けてしばらくポーッとしていた。

友姫「……。ハッ!!まさかっ!!」

確か下の階には本屋さんが……っ!
珊瑚君…私をココにいさせたってことは……っ!

大人向け雑誌を買うつもりでは!!

⏰:07/06/24 01:01 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#673 [向日葵]
だだだだだって、珊瑚君も立派な男の人……。

普通なら、こー…ベッドの下にあるものをお母さんが見つけてパニックになる様な物だって、この歳になれば1つや2つや5つや6つあるハズ!!

むしろ珊瑚君は持ってなさそうだから不思議なんだよ……っ!!

でも…でも……

友姫「そんなハレンチなぁぁっ!!!!」

珊瑚「おーい。そこのおかしな子。」

頭を抱えながら勢いよく立つと、いつの間にか帰って来ていた珊瑚君がいた。

⏰:07/06/24 01:05 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#674 [向日葵]
友姫「あ……お帰り……。雑誌は……。」

珊瑚「雑誌?何言ってんだ?ホラ、公園行くぞ。」

とりあえず見る限りでは、そーゆー系統の本は見当たらない。

ひとまず胸を撫で下ろした。

・・・・・・・・・・・・・・

公園につくと、子供達がキャイキャイ言ってはしゃいでいた。

そんなトコからは少し離れて、芝生が広がる広場に行く。

友姫「レジャーシート持って来たら転べるのになぁー。」

珊瑚「転べばいいだろ。蟻に上られてもいいなら。」

⏰:07/06/24 01:10 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#675 [向日葵]
意地悪を言う珊瑚君を軽く叩きながら広場にあるベンチに腰をかける。

友姫「なつかしいな。公園とか。小さい頃に地球儀回しすぎで気分悪くなっちゃったけど。」

珊瑚「フッ。友姫らしいな。」

青空に少しだけある雲を見つめる。

友姫「お弁当でも持ってきたら良かったかもねー。バドミントンとかも。」

珊瑚「友姫の脳内は平和だな。子供っぽいって言うか。」

友姫「やっぱり大人の女性が!!!!」

珊瑚「何言ってんだ?」

⏰:07/06/24 01:15 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#676 [向日葵]
確かに私の脳内は子供っぽいのかもしれない。

悲しい事にそれはもはやこの歳になって覆すことは出来なくなってしまった。
…………とほほ。

ならば大人の色気で頑張ってみるのはいかがだろう!

あ……。それ以前に私そんな色気持ってないや……。

そんな事を考えていると、コツンと軽く頭を叩かれた。

珊瑚「何考えてるか予想つくけど、多分今考えてる事は全部無駄だぞ。」

⏰:07/06/24 01:20 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#677 [向日葵]
『久々エスパ―――!!!!!』

友姫「今日の晩御飯考えてただけだもん!!あ、ブランコ空いてる!!珊瑚君、乗りに行こう!!」

無理矢理珊瑚君の手を引っ張ってブランコまで行く。

久々ブランコ。
小学生から少しは成長したのでなんだか小さく感じる。

漕ぎ始めると風が爽やかに髪を撫でる。
段々楽しくなってきて漕いで漕いで漕ぎまくる。

するとなんだかジェットコースターみたいな感覚に襲われる。
あのフワッとした感じ。

⏰:07/06/24 01:24 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#678 [向日葵]
『ちょっと恐いかも。』

停めようとする前に珊瑚君がブランコごと私の体を停めた。

珊瑚「お前その内飛ばされるぞ。」

友姫「そこまで不注意じゃないもん!」

私そこまで子供っぽいかなぁ……。

段々惨めになってきた。
無言でブランコから立ち上がり、スタスタと広場を通り過ぎる。

珊瑚「おい友姫!」

せっかくの珊瑚君の誕生日なのに……。
嫌な思いさせたくないのに……。

⏰:07/06/24 01:29 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#679 [向日葵]
でも足が止まらない。

どんどん広場を歩いて、日陰まで来る。

そこで珊瑚君に腕を掴まれた。

珊瑚「どうしたんだ。俺なんかしたか?馬鹿にしたことなら謝る。」

友姫「自分に嫌気がさしただけ!気にしないで。ちょっと気持ち落ち着かすから。」

日陰にある休憩所みたいな所で私は止まってイスに座った。
珊瑚君は隣で立っている。

友姫「子供っぽい自分が嫌。ただそれだけだよ。」

なんかヤダ。
これじゃなんかだだっこみたい。
スネてるだけだよ。

⏰:07/06/24 01:35 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#680 [向日葵]
ハァァ……

珊瑚君のため息を吐く音が聞こえた。
やっぱり珊瑚君も子供っぽいって思ってたんだ。

珊瑚君は私の前まで来て、しゃがみ、目線を合わせた。

珊瑚「アホ。」

パチン

おでこにデコピンされた。

珊瑚「俺は子供っぽいから嫌だなんて一言も言ってないぞ。」

私はおでこに手をやりながら珊瑚君を見る。

友姫「だってさっき……っ!」

⏰:07/06/24 01:39 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#681 [向日葵]
珊瑚「あれは、友姫が無邪気で純粋って意味だ。子供っぽいなんて思ってない。大体。ブランコから飛んでケガなんてしたら。……まさか前に言ったこと忘れた訳じゃないだろうな。」

前……それは……

珊瑚[まっさらなままで……。]

珊瑚「俺は大人っぽさなんて求めてない。むしろ今のままの友姫でいろ。わかったか。」

おでこをコツンと合わせて再確認。

友姫「ウン……わかりました。」

⏰:07/06/24 01:45 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#682 [向日葵]
珊瑚「大体。」

と言ってニヤリと笑う珊瑚君。
そんな表情にさえドキッとさせられる。

珊瑚「子供っぽいやつを襲うわけないだろ。」

それはこの前の勉強の時の出来事だ。
瞬間、顔が暑くなる。

ニヤリと意地悪そうな顔が、一気にとろけそうな優しい笑顔に変わった。

そして右手で私の頬に触れる。
その体温が、私の熱に変える。

珊瑚君の唇がやさしく瞼に触れた。

珊瑚「さて……。なんか食べてから帰るか。」

⏰:07/06/24 01:53 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#683 [向日葵]
友姫「うん……。」

まだ少し夢見心地で珊瑚君に手を引っ張られ歩き出す。

瞼に、まだ唇の感触を残したまま……。

―――――……

帰ってからは盛大に珊瑚君の誕生日会が開かれた。

お母さんは仕事を早めに切り上げて、手料理をふんだんに振る舞い、ホールケーキをドンッと置いた。

結女「珊瑚さん。ささやかですけどどうぞ!」

結女がくれたのは、小さな香水瓶。

⏰:07/06/24 01:57 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#684 [向日葵]
結女「珊瑚さんに似合うと思って。気に入らなかったらゴメンナサイ。」

珊瑚君はシュッと手首に香水をかける。

なんだかマリンなんとかとか言う名前が似合いそうな甘い匂いだった。

珊瑚「ありがとう。」

珊瑚君は微笑むと、結女の頭をクシャッと撫でた。

結女は嬉しそうに笑う。結女にとっては珊瑚君はもう兄の様な存在なのかもしれない。

真貴「珊瑚。ホラ。」

⏰:07/06/24 02:01 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#685 [向日葵]
照れ臭そうに不器用に真貴が渡したのは革製のブレスレット。

珊瑚「真貴もありがとな。」

真貴はやっぱり照れているのか足早に部屋に帰ってしまった。

結女「素直じゃないんだからっ。じゃ、あたしも部屋に上がります!」

珊瑚母「じゃあ私は片づけけしなくっちゃ。」

友姫「あ、私がやります。お母さんはお風呂に入ってたまには早く休んでください。」

お母さんは嬉しそうに「ありがとう」と言うと、汰樹君と一緒にお風呂に入りに行った。

⏰:07/06/24 02:07 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#686 [向日葵]
私は食器を片づけに入る。
前みたいに割らないように気を付けながら慎重に。

珊瑚君はソファーでテレビをなんとなく見ながら皆からのプレゼントを見ていた。

ちなみに今日はバイトはお休み。
お母さんからはなんとしても今日は休めとの指示があったのだ。

友姫「よし。完了!」

と同時にお母さんがあがってきた。

珊瑚母「じゃあ、先に寝るね。」

友姫「ハイ。おやすみなさいです。」

⏰:07/06/24 02:16 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#687 [向日葵]
居間には私と珊瑚君2人だけになった。

……というわけで

友姫「珊瑚君!ハイ!」

珊瑚「え?」

私もプレゼントを用意していた。
ただ……珊瑚君が気に入るといいけど……。

カサカサと包装紙を剥がし、中から出てきたのは

珊瑚「ピアス……。」

小さな緑色の宝石のピアス。

友姫「ストラップの時に色選択ミスしちゃったから、今度こそって!」

⏰:07/06/24 02:21 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#688 [向日葵]
すると珊瑚君は私の手を持って、ピアスを私の手のひらに落とした。

友姫「―――っ!気に入らなかった?」

心配そうに珊瑚君の顔を見ると、微かに微笑んで首を振った。

珊瑚「違う。友姫に付けて欲しいんだ。」

友姫「え?!出来る……っかな……?!」

珊瑚「パッと外してスッと付けりゃあいいんだよ。」

いやそんな簡単そうに……。

⏰:07/06/24 02:26 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#689 [向日葵]
私が少し手を伸ばすと、珊瑚君はゆっくり目を閉じて、少し穴が空いてる左耳を私の方へ向けた。

私は手が少し震えていた。だって耳に穴が空いてるんだもの!

なんだか怖くて……。

そんな私をまた見抜いたのか、珊瑚君は

珊瑚「大丈夫。」

と穏やかな声でまた告げた。

そのおかげで変な力が抜けた。
少しずつ、珊瑚君の耳に触れる。

今珊瑚君が付けてるのは、黒いピアスだ。

⏰:07/06/24 02:33 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#690 [向日葵]
その黒いピアスだって、すごく似合ってた。
でも、これも……似合って欲しい。

私はピアスを外して、プレゼントしたピアスをまだ若干震える手で付けた。

付けたのに気付き、珊瑚君がゆっくりと目を開く。

友姫「わぁ……。」

自分があげたからとかそんなの関係なく、それは似合っていた。

友姫「よかったぁ!すごく似合ってる!」

珊瑚君はクスッと笑うと丁度珊瑚君で隠れて見えなかった位置からリボンで結ばれた細長い箱を取り出した。

⏰:07/06/24 02:37 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#691 [向日葵]
珊瑚「はい。」

友姫「え……?何?」

珊瑚「誕生日プレゼントだけど?」

友姫「えぇ?!だって、私の誕生日は明後日だよ!」

意外に誕生日が近かった私達。

珊瑚「その日は俺バイトで、12時丁度にはおめでとうって言えないから。俺の誕生日ん時に一緒にと思って。」

友姫「わ、私だって12時丁度に言ってないよ。」

珊瑚「今日は俺の日。口答えは無し。ま、もうすぐで終るけどな。」

⏰:07/06/24 02:42 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#692 [向日葵]
驚き半分嬉しさ半分でリボンをとき、箱を開けると……

友姫「ネックレスだ……。」

片翼の飾りが付いたネックレスがその中には入っていた。

珊瑚君はそれを取ると、前から私の首に付けてくれた。
長さはピッタリ。

珊瑚「今日、あのデパートで買ったんだ。」

友姫「そっかぁー。雑誌じゃなかったんだねー。」

珊瑚「雑誌?」

友姫「こっちの話なんで気なさらず!」

⏰:07/06/24 02:46 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#693 [向日葵]
私は片翼の飾りを指先で持ってその形を確かめる。

友姫「私、指輪前に貰ったのに……。」

珊瑚「あんなオモチャよりもっといいの買ってやるよ。いずれその日が来たら。」

…………。
それってまさかそーゆー意味?

今朝の夢が鮮明に蘇っていく。

珊瑚[結婚しよう。]

さりげない形でプロポーズされたらしい。
ダメだ。頑張っても顔を赤くしないことなんて出来ない。

⏰:07/06/24 02:52 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#694 [向日葵]
珊瑚「何赤くなってんの?」

指の背で私の頬を撫でながら珊瑚君はまたもや意地悪な顔をして笑う。

友姫「気の……せいです。」

最後になるにつれボリュームダウンしていった。

友姫「なんか…、最近珊瑚君意地悪……。」

頬を滑る指に意識が飛ばされそうになりながら言葉を搾り出す。

珊瑚「化けの皮が剥がれてきただけ。男はいつでもガキだから好きな相手には意地悪したくなるもんなんだよ。」

⏰:07/06/24 02:56 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#695 [向日葵]
きっともうすぐ顔から湯気が出る。

そんなセリフ……。

友姫「ズルイ……。そんなキザなセリフで喜ばして。」

珊瑚「喜ぶならもっと言ってやるよ。友姫限定で。」

きっとこの人は天然のキザなんだ。
そう思いながら赤い顔がこれ以上無理ってほど赤くなる。

頬を滑っていた指は、私の顎まできてクイッと顔を上へ向かした。

珊瑚「もっと言って欲しい?」

意地悪な顔をしながら甘く囁く珊瑚君に、息の仕方を一瞬忘れる。

⏰:07/06/24 03:01 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#696 [向日葵]
友姫「今日はいい……っですっ。」

すると顎から指を離して珊瑚君はクククと笑った。

珊瑚「動揺しすぎっ!」

そんな事言われたって……。

顔に熱を感じながら少し怒る。

そんな綺麗な顔を目の前にして、そんな甘いセリフ囁かれちゃったら、誰でも私みたいになっちゃうよ。


……私だけで充分だけど……。

友姫「お、お風呂!入ってもう寝よう!!」

⏰:07/06/24 03:07 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#697 [向日葵]
珊瑚「あぁ。そうだな。」

パタパタと居間から出ようとすると

トスッ

入口の手前で壁に珊瑚君が手を置き、私は先に進めなくなった。

友姫「?行かないの?」

珊瑚「行く。これが済んだら。」

そう言って壁に両手をついて私を逃がさない様にすると、唇を重ねてきた。

びっくりして珊瑚君の服の胸元をキュッと掴む。

⏰:07/06/24 03:12 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#698 [向日葵]
優しいキスはわからないくらい長かった。
ホントは10秒20秒なのかもしれない。

でも、珊瑚君が私に触れてるだけで頭は真っ白になるし幸せに包まれる。

やがてゆっくりと唇は離される。
耳の奥では鼓動の大合唱。うるさいくらい大声だ。

珊瑚君はまた優しい笑顔になった。

珊瑚「誕生日最後のわがまま聞いてくれてありがと。」

そしてまたそっとキスしてお風呂場へ向かって行った。

⏰:07/06/24 03:18 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#699 [向日葵]
私はその場に崩れ落ちる。

18歳になった珊瑚君。

17歳の彼に出会った頃よりも、今の方がずっとドキドキしてる気がする。

歳を重ねるごとに珊瑚君はグレードアップしている。私はそれについていけることもなく、きっとずっとドキドキしてるに違いない。

何はともあれ……

珊瑚君。お誕生日おめでとう……。

⏰:07/06/24 03:22 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#700 [向日葵]
**bP4 違和感の正体**



友姫「真貴。起きなさい。」

小さい頃からその綺麗な声も、笑った顔も変わらない。

そんな友姫姉が大好きだった。

それなのに、再会したと思ったら彼氏は出来てるし、頭に血が上って最悪なことしちまうし。

俺こと東雲 真貴は、果てしなく悩んでいた。

⏰:07/06/24 03:29 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#701 [向日葵]
しかし、この頃変なんだ。

友姫姉を見ても、前の様なときめきはなくなった。
じっと見つめても、ただただ「あれ?」と思う。

燈也「そりゃ好きじゃなくなったんじゃねぇの?」

コイツは俺のダチ兼クラスメートのおなじみ燈也。
今は一緒に遊んでる最中。

ゲーセンの格闘技のゲームをやる燈也の隣でそれを見る俺。

真貴「いぃや!俺は認めねぇぞ!!なんでいきなり好きって感情が無くなっちまうんだよ。」

⏰:07/06/24 03:35 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#702 [向日葵]
燈也「あ、くそっ!」

真貴「なぁ聞いてる?」

燈也「くっ!あぁ?聞いてるけど?」

ぜってー嘘だ。

燈也がゲーム終るまで俺は待つことにした。

燈也「……。ぅうしっ!勝った!認めない認めるはお前の勝手だけどよ。もうときめかないなら認めた方がいいんじゃね?」

うっ……
やっぱりそうなのか?

あんなに好きだったなにこんな簡単に?

⏰:07/06/24 03:39 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#703 [向日葵]
少しすると燈也はゲームに負けて、その台を離れると言った。

そして端っこの方でくっちゃべることにした。

真貴「俺どうかしちゃってんのか?」

燈也「そりゃしんねーよ。ただ姉としか見れなくなったとか、気になるやつが出来たとか。」

真貴「気になる……。」

脳裏に長い黒髪の女の子が浮かぶ。

真貴「な、なんでアイツなんだぁぁぁ!!」

燈也「叫ぶなら2メートル離れてくれ。」

真貴「俺変だよっ!!」

⏰:07/06/24 03:45 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#704 [向日葵]
なんっで、桜子の顔が……っ!!

燈也「桜子ちゃんか。最近仲良かったもんなぁ。どういう感情の変化?」

どういう……って……。

わからない。
あの肝だめしからおかしいんだ。

アイツの笑顔を初めて見た気がして、改めてちゃんと見るとカワイイとか思って。そうしたらなんか胃が締まる感じがして……っ。

真貴「ま……末期…っ!」

燈也「頭の調子がな。」

⏰:07/06/24 03:50 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#705 [向日葵]
***************

ここまでにします

感想などありましたらお願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/24 03:51 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#706 [あや]
>>1->>200
>>201->>400
>>4001->>600

⏰:07/06/24 09:47 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#707 [向日葵]
あやさん

安価ありがとうございます

***************

家に一旦帰った俺は布団にふっ潰した。

わけがわからん。
やっぱり友姫姉の事はもうなんともないのか?!

ガチャ

珊瑚「なんだいたのか。」

真貴「勝手に入ってくんなよ。」

珊瑚「ココ、俺の部屋。」

⏰:07/06/24 10:02 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#708 [向日葵]
そう言うと珊瑚は何かゴソゴソやってまた出ていく。

その時見えた左耳のピアス。きっと友姫姉からもらったんだ。
でもなんでだ?
前みたいなモヤモヤが来ない。

真貴「珊瑚のドアホ――――!!!!」

珊瑚「俺が何した。」

なんでおかしくなったんだよー!!!

コンコン

結女「真貴。入るよ。」

カチャ

コイツは双子の妹、結女。最近彼氏が出来たらしい。

⏰:07/06/24 10:08 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#709 [向日葵]
結女「辞書が見当たらないの。ちょっと貸してね。」

真貴「なぁ結女。」

結女「ん?」

しばらく考えた。
これを言うべきかどうか。
でも結局言うことにした。

真貴「好きな人にときめかなくなって他に気になる奴が出来たらおかしい?」

結女「桜子ちゃんのこと?」

なんで皆わかるんだ。

結女「別に普通じゃない?大体友姫姉ちゃんの場合は珊瑚さんいるんだし。裏切りにはならないでしょ。」

⏰:07/06/24 10:13 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#710 [向日葵]
まぁ……。
そうなんだけど……。

結女「真貴の気持ちはわからなくないよ。あたしも要約前に進みだしたばっかだから偉そうな事は言えないけど、気になるならデートにでも誘っちゃえば?」

真貴「デ、デート?!」

バタン。

言うだけ言って結女は辞書を持って出ていった。

デート?!誘っちゃうのか?!俺がっ!!

と思っていたらいつの間にか携帯を片手に持っていた。
恐ろしい……。自覚症状まで無くなってしまったか!

⏰:07/06/24 10:19 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#711 [向日葵]
仕方ない。ここまで来たなら誘おう。

プルルルル プルルルル

プルルルル プル…カチャ

出た瞬間心臓が跳ねる。
おい俺!何緊張してんだ!

桜子「ハイ。真貴様ですか?」

真貴「あ、あぁ。」

桜子「どうなさいました?」

しまった。行き先を考えていなかった……。

真貴「あ、あ明日、どこか行かねぇか?」

⏰:07/06/24 10:23 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#712 [向日葵]
桜子は電話越しに何か調べてるのか、ペラペラ紙を捲る音がする。

俺はドキドキしていた。
断られるんじゃないかとか、桜子にもう愛想つかれたんじゃないかとか……。

その時点で俺は桜子に対して恋情を持っていたと決定してもいいだろう。でも俺はその時まだ認めていなかった。

桜子「あ、ハイ。お受けします。」

その瞬間目の前が晴れた気がした。
嬉しい気持ちを抑えながら喋る。

真貴「どこに行きたい?」

桜子「えっとー…。植物園は如何ですか?この間オープンした。」

⏰:07/06/24 10:32 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#713 [向日葵]
真貴「わかった。明日10時に迎えに行く。じゃあな。」

桜子「ハイ。さようなら。」

ピッ

うわぁぁぁぁ!!ついに誘っちゃったよ―――!!!!!

でもこれでやっと自分の気持ちを整理出来る。

浮かれていて明日が早く来ないかワクワクしていただなんて自分で気づいてなかった。

⏰:07/06/24 10:35 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#714 [向日葵]
<翌日>

がっつし寝て早起きして、いつもみたいにランニングした後風呂に入り、汗臭さを洗い流す。

そして服の候補を並べる。
…………って俺は女か!!

適当でいいんだよ適当で!!!!

と言いながら選んだ服は自分の中でお気に入りの服装だった。

もちろん無自覚。

いざゆかん!
ガチャ!

俺は桜子の家へと向かった。

⏰:07/06/24 10:40 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#715 [向日葵]
歩きながら忘れ物ないかチェック。
必要な物がいざ無いとカッコ悪い。

今んトコは財布もあるし、携帯もある。
いいだろう。

桜子の家周辺に近づいた。

『確かこのへ……。』

俺は思わず立ち止まった。数メートル先に桜子がいる。だが、その姿が綺麗で儚げだった。

ロングスカートにポロシャツ。サンダルを履いて頭は横の部分だけ後ろにくくってる。

⏰:07/06/24 10:45 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#716 [向日葵]
誰だってそーゆー格好はする。
でも、そよ風が吹いて長い髪をよける仕草とか、なんだかずっと見ていたくなった。

桜子「あ、真貴様!」

真貴「へ?あ、よう!」

何見とれてんだ俺!!
近くで見れば尚綺麗に見えた。

桜子「では参りましょうか。」

ニコッと笑う桜子に俺は首を振るのがやっとだった。

・・・・・・・・・・・・・

オープンしたとはいえ、平日の事もあってか人は少なかった。

緑が茂る中に入って行くと、ネームプレートに植物の名前が覚えきれないほど書かれていた。

⏰:07/06/24 10:51 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#717 [向日葵]
桜子「真貴様見てくださいな。綺麗なお花…。」


微笑んでいる桜子につられて俺も笑う。
不思議なくらい気持ちは穏やかだ。

真貴「アホ。これはパンジーっての。そんなのもしんねーの?」

桜子「私物覚えが悪いんで…。でももう覚えましたわ。」

花に向き直り、また微笑む桜子。
しばらく俺も一緒に見つめていた。

花と……桜子を。

⏰:07/06/24 11:00 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#718 [向日葵]
そして色々回って行った。
桜子が一番驚いていたのは食虫植物。

桜子「虫さんを食べてしまわれるのは鳥さんや虫さんだけじゃなかったんですね……。」

真剣に言うもんだから笑いを堪えるのに必死だった。
でも真剣に見つめていた桜子がそれに手を突っ込もうとした時には流石に慌てて止めた。

それでも桜子は楽しそうに笑う。
それが何か嬉しかった。

⏰:07/06/24 11:07 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#719 [向日葵]
桜子「そろそろお昼にしませんか?私お弁当作ってきたんです。」

一瞬、食虫植物に手突っ込もうとする奴が弁当なんか作って大丈夫かと疑ったが、空いた腹には勝てなくて喜んで食べることにした。
園内にあるテラスで食べることにした。

弁当の中身は普通だった。綺麗に整頓されているし。どこかでホッとした。

桜子「お口に合わなかったらゴメンナサイ。」

真貴「ありがとな。ま、食おうぜ。」

桜子「ハイ。いただきます。」

⏰:07/06/24 11:20 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#720 [向日葵]
その時ちゃんと手を合わせる彼女手を見たら発見してしまった。

指にある数個の傷。
まさかコレを作る時に?

いやまさか……。でもまだ新しい感じがした。
絆創膏貼ってないのは、俺への気遣いだろう。

それが見つかったら…ダメじゃん。

箸で玉子焼きを掴んで口へ運ぶ。

目を見張った。

真貴「美味い……。」

桜子「フフッ。良かったです。」

⏰:07/06/24 11:24 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#721 [向日葵]
**************

キリます

感想あればお願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/24 11:25 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#722 [向日葵]
今日は更新控えます
次は明日の夕方になると思います

⏰:07/06/24 21:49 📱:SO903i 🆔:rIB18QrM


#723 [向日葵]
真貴「何時間かかったんだ?」

ご飯を一口食べた桜子は口で手を塞ぎながら聞き返した。

桜子「はい?」

俺は弁当を指差しながらもう一度同じ質問をする。

真貴「弁当。作るのに何時間かかったんだ?」

桜子はそれを聞くと照れながら答えた。

桜子「母に……手伝って貰ったんですけど…2時間かかってしまいました。でも!母が味見をしてくれたんで味は多分大丈夫だと思いますわ。」

⏰:07/06/25 19:05 📱:SO903i 🆔:wYEULQuQ


#724 [向日葵]
傷だらけの手を合わせながら嬉しそうに話す桜子。

俺はおかずの唐揚げを箸に差しながら呟いた。

真貴「ありがとう……。」

しばらく何も返事がなかった。
どうかしたのかと視線を弁当から桜子へ向けると、真っ赤になって微笑みながら弁当を食べていた。

それを見た俺は、不規則に動く心臓と戦いながら弁当を食べていた。

そこからはずっと無言。
だけどなんだか暑い気がしてなからなかった。

⏰:07/06/25 19:08 📱:SO903i 🆔:wYEULQuQ


#725 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・

食べ終った後、見ていないトコを回ったり、お土産屋を見て回ったりした。

さっきの余韻が残っているのか、少しギクシャクしながらでも話した。

桜子「これ、パンジーですわね。」

真貴「ホントに覚えたんだな。」

桜子「ハイ。私これが大好きになりましたの。」

真貴「?何で?」

聞いても桜子はフフッと笑うだけだった。

桜子「お花を渡されながら好きな人から告白されてみたいですわ。」

⏰:07/06/25 19:12 📱:SO903i 🆔:wYEULQuQ


#726 [向日葵]
真貴「考えが古いよ。」

桜子「それでも……憧れです。」

真貴「……さ」

「真貴?」

後ろから声をかけられた。見れば同じクラスの奴だった。しかも彼女連れ。

「お前、なんでその子と一緒なんだ?」

クラスの奴は桜子を指差しながら不思議な顔をする。
余計なお世話だ。

真貴「一緒に出かけてるだけだ。」

⏰:07/06/25 19:23 📱:SO903i 🆔:wYEULQuQ


#727 [向日葵]
さっさとこの場を去ろう。じゃなきゃ何か嫌な予感がしてならない。

そして……俺の予感は当たってしまった。

クラスの奴はピンと来たと言わんばかりに目を輝かした。

「真貴のこと諦めてくれる様にデートで機嫌とってたのかぁ!」

真貴「―――っ!!はぁ?!」

「そうだよなぁー。だってこんだけくっついて来られたら迷惑じゃん?アンタさぁ、好きすぎるのも重荷になるんだから止めといた方がいいよ?」

桜子はその言葉に一切顔色を変えない。むしろ薄く微笑む。

⏰:07/06/26 01:07 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#728 [向日葵]
桜子「真貴様。私、お土産屋さんのお花コーナーにいます。」

真貴「ちょ、桜子っ……。」

桜子は数歩行った所で止まった。

桜子「真貴様。」

桜子は前を向いたまま話す。

桜子「真貴様の……重荷になっているのは……知ってますから……。」

穏やかなその声には、深い悲しみが隠れていた。
止める事も出来ないまま、桜子は行ってしまった。

⏰:07/06/26 01:12 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#729 [向日葵]
「よかったなぁ真貴!ってか真貴もあれぐらい言わなきゃダメだってぇ!」

ポンッと肩に手を置いたクラスの奴を、これ以上ないほど憎しみをこめて睨み、目にも止まらぬ早さでそいつの左頬を殴った。

バッキィィィ……!

ズサッ!

そいつは反動で倒れてしまった。

「……つっ!何すんだよ!!」

俺はそいつを見下ろしながら低音で呟く。

真貴「失せろボケが。」

⏰:07/06/26 01:17 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#730 [向日葵]
俺は急いで桜子を探しに土産屋まで行った。

土産の中をどれだけ探しても桜子は見当たらない。

『あーもうくそっ!!』

膝に両手をつき、肩を落とす。

そこでパンジーを見つけた。脳裏に顔を赤くして笑う桜子が浮かぶ……。

…………。

俺はある決心をした。

⏰:07/06/26 01:21 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#731 [向日葵]
桜子はまた回った所を歩いていた。

真貴自信の言葉ではないのに、さっき言われた事に酷く傷付いていた。

何故ならわかりきっていたことだったから……。

でも最近は追い掛けずともちゃんと話をしてくれて、更には出掛けようなんて言われたからどこかで期待していた。

それともそれもご機嫌とりの為……?

涙が目に滲む。
それを素早く拭いて一歩また一歩と園内を歩いて行った。

⏰:07/06/26 09:47 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#732 [向日葵]
ピリリリリ

携帯が鳴る。
他でもない。自分の携帯が。

着信は真貴からだった。

桜子「ハイ……。」

明るくしようてつとめたが、やっぱりどこかで声が落ち込んでしまった。

真貴{今どこにいる!言いたい事がある。昼飯食ったトコまで来い!}

あぁ……ついにお別れだ……。

聞きたくない。

桜子「…行けません。行きたく…ありません。」

真貴{来んのが嫌なら行ってやる。今ドコだ!}

⏰:07/06/26 09:52 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#733 [向日葵]
桜子「来ないでくだ」

スッ

携帯を後ろから取られた。
手からすり抜けた携帯を追って、後ろを振り向くと、そこには真貴がいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・

やっと見つけた桜子はやっぱり暗い顔をしていた。

真貴「さっきの……ことだけど。」

桜子「いいんです。分かってます。でも……聞きたくありません!」

耳を塞ぎ目を瞑る桜子。

俺はハァッと息を吐いて、あるものを桜子の目の前に差し出した。

⏰:07/06/26 09:55 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#734 [向日葵]
それになんとなく気付いた桜子はギュッとしていた目を緩め、怖がる様にして目を開けた。

桜子「……っ。パンジー……。」

目の前に差し出したのは桜子が好きだと言ったパンジー。
土産屋のお花コーナーで買った植木ばち付きだ。

桜子はそっと手を出すと植木ばちを受け取った。

桜子「どうしてですか……?」

真貴「お前が言ったんだろ?憧れだって……。」

桜子「?」

⏰:07/06/26 09:59 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#735 [向日葵]
俺は桜子を見つめた。

桜子は一瞬ピクッとしたが、パンジーを抱き締めて俺の言葉を待つ。

真貴「……お前が好きだ。」

桜子は目を見開いていた。その目に涙が滲む。

真貴「俺を想い続けてくれてありがとう。諦めてくれなくて……ありがとう。」

桜子は最後を言い終わらない内に涙を流し、パンジーに滴を落としていた。

⏰:07/06/26 10:03 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#736 [向日葵]
桜子「私…っも、真貴様が好きです……っ。」

真貴「わかってる。」

そう言って、パンジーを抱き締めている桜子ごと俺は抱き締めた。

耳元で桜子の泣き声が聞こえる。

パンジーに影響が無い程度に俺は強く桜子を抱き締めた。

⏰:07/06/26 10:05 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#737 [向日葵]
そして囁く。

真貴「約束。やっと守れた……。」

桜子はかすれた声で「ハイ」と言った。

その声が、また愛しくて、また少し抱き締める力を強める。

真貴「色んなトコ、これから行こう。一緒に。」

桜子はこくこく頷く。

俺達は、長い間抱き締め合っていた。
外は少し暗くなり初めていた。

⏰:07/06/26 10:09 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#738 [向日葵]
幼い頃、約束をしました。
誰かを遊びに誘う様な簡単な約束。

しかしそれは長いこと彼女を束縛し、苦しめていました。
その約束を信じていたからです。

でもやがてそれは願いとなり、1つの希望の光が差し込んだ時、叶いました。

真貴[なんでこの花が好きなんだ?]

真貴様、それは、真貴様が私に教えてくれたからですよ……。

でもあの時は、まだ照れ臭くて何も言えなかったんです。

⏰:07/06/26 10:13 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#739 [向日葵]
**bP5 転落**




最近頻繁に夢を見る。

しかもあまりよくない夢。そして同じ夢を。

大好きな笑顔を見せてくれる珊瑚君。
でも何故かその笑顔を向けてくれるのが誰だか分からない夢の中の私。

それがもどかしくて、いつも目覚めると涙が流れている。

友姫「……なんか、気持ち悪いなぁ……。」

しかも決まって起きるのは夜中。それからはしばらく寝る事が出来ない。

⏰:07/06/26 10:18 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#740 [向日葵]
*****************

キリます

よければ感想などください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/26 10:20 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#741 [向日葵]
1階に降りて居間に行く。
今日は特別いつも以上に眠れなさそう。

居間のソファに座って窓を少しだけ開けて夜風に当たる。

夜の静けさって少し怖いけど落ち着く。
そしてなんか特別わくわくする。

蒸し暑いけど涼しい風が心地よく肌を撫でる。
ソファに体育座りで座った私は夢について考えていた。

⏰:07/06/26 12:39 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#742 [向日葵]
なんであの夢を何度も見るんだろう。

しかもまだ鮮明に覚えている。

普通とっておき良い夢の方がいつまでも覚えている感じがするのに……。

また、目を閉じるのが怖い。目が覚めた時泣いて目覚めるのがなんだか疲れた。

珊瑚君……。
お願い。どこにも行かないで……。

「どうした?」

友姫「え。」

振り向くと、居間の入口で珊瑚君が立っていた。

⏰:07/06/26 12:43 📱:SO903i 🆔:uxBWNBHc


#743 [向日葵]
更新は明日の朝までお休みさせて頂きます

よければ感想板へも来てください感想だけでなく絡んだりしましょう

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/27 16:48 📱:SO903i 🆔:86v84V4w


#744 [向日葵]
無言で私の隣まで来ると、ソファに座って、一緒に夜風に当たった。

友姫「夢見が…悪くて……。」

窓から入る風で少しヒラヒラ揺れるカーテンを見つめながら私は答えた。

少しだけ、沈黙が流れる。
珊瑚「俺も…この頃同じ夢を見る。」

友姫「いい夢?」

珊瑚「…………。あんまり良くない。」

どんな夢かは聞かなかった。聞くのが少し怖い気がしたから。

⏰:07/06/28 09:34 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#745 [向日葵]
珊瑚君は立ち上がって台所まで歩いて行く。

水道水をコップに入れているらしい。
飲むんだろう。

そしてまた私の隣にやって来て、目の前にある机に水を入れたコップを置いた。

珊瑚「まぁ……所詮夢だけどな。」

私は無言で頷くと、珊瑚君は水を一口飲んだ。
ゴクッと飲み込む音が聞こえる。

珊瑚「また一緒にここで寝るか?」

珊瑚君を見ると、私の方を向いて少し微笑んでいた。

私は胸の中の不安が一気に吹っ飛んで、顔がほころんだ。

⏰:07/06/28 09:39 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#746 [向日葵]
友姫「うん。そうする。」

珊瑚君は立ち上がって私の頭をポンポンと叩いた。
そして自室へ行く。
被る物を持って来てくれるらしい。

私は嬉しくてウキウキしていた。

『…あ、そういえば……。』

ふと時計を見る。

静寂に休むことなくコチコチ動いている。

⏰:07/06/28 09:42 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#747 [向日葵]
現在2時半をまわった所だ。
今日は……私の生まれた日。
そんな事を思っていると、珊瑚君が手にタオルケットを持って戻って来た。

そして隣に座ると、手を広げて私が来るのを促した。迷う事なくその腕の中へ飛び込む。

珊瑚君の足の間に座ってもたれる。
そしてタオルケットで2人を包む。

暑くなんてない。
心地いい温かい体温。
タオルケットの中で珊瑚君は私を優しく抱き締める。

その腕に、安心する。
そして瞼に唇が触れた。

⏰:07/06/28 09:49 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#748 [向日葵]
唇が触れた状態で珊瑚君が口を開いた。

珊瑚「誕生日……おめでとう。」

珊瑚君の吐息が顔にかかる。ふと唇が離れたので目を開けて微笑む。

友姫「ありがと……。」

そして珊瑚君の広い胸に、顔を埋める。

呼吸が聞こえる。
それがなんだかホッとして、私はいつの間にか目を閉じていた。

―――……

朝日が差し込む。

⏰:07/06/28 09:53 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#749 [向日葵]
意識はあるけどやっぱり目が開かない。

そこで要約珊瑚君とお母さんが話しているのに気が付いた。

珊瑚「母さん。携帯代えてもいいか?」

珊瑚母「え?なんで?」

珊瑚「非通知の電話が多くて迷惑なんだ。代えるついでだし、新規にしようと思って。」

珊瑚母「じゃあ今日買ってきたら?手続きならしかた分かるでしょ?」

珊瑚「あぁ。ありがとう。」

⏰:07/06/28 09:57 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#750 [向日葵]
お母さんは「いってきます。」と言って玄関を出ていった。

今からお仕事らしい。

心の中で「いってらっしゃいです。」と思いながら眠気と闘っていた。

眠気になんとか勝って、ソファに沈んでいた体を起こす。

珊瑚「あ、起きた?寝ててもいいぞ。俺ちょっと携帯を買いに行ってくるから。」

私は首を振って珊瑚君の服の裾を掴んだ。

友姫「私も行く。今日は私の誕生日だもん。一緒にいて?」

珊瑚君はにやりと笑うとおでこに軽くキスすると「支度して来い」と行って台所へ洗い物をしに行った。

⏰:07/06/28 10:05 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#751 [向日葵]
階段を駆け上がってすぐに支度をする。

服を着替えた後、珊瑚君から貰ったネックレスをつけてまた下へ降りる。

階段の下では珊瑚君が待ってくれていた。

友姫「お待たせ!行こう!」

・・・・・・・・・・・・・・・

デパートについてから、直ぐに携帯売り場に行こうとしたら、繋いでいた手をクイッと引かれた。

友姫「?行かないの?」

珊瑚「友姫へのお祝いが先だろ?それからでいい。」

私は考えた。
なら、普段やらない事をしてみよう。

⏰:07/06/28 10:10 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#752 [向日葵]
友姫「プリクラ撮ろうよ!」

珊瑚「プリクラ……?」

眉間にシワを寄せてまるで「なんで?」と言うように私を見てくる。

私も秋帆に誘われない限りプリクラなんて撮らない。でもせっかくなんだし、珊瑚君と2人で撮ってみたい!

友姫「今日は私の日!!」

珊瑚君はまだ嫌そうだけど苦笑して「ハイハイ」と言った。

そしてエスカレーターでゲームセンターまで上がって行った。

⏰:07/06/28 10:14 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#753 [向日葵]
一言プリクラって言っても機械が色々。
いざ撮るとなってもどれがいいのかわからなかった。

まごまごしていると前に秋帆達と撮ったやつに似てるのがあって私はそれに入って行った。

珊瑚「俺わかんないから友姫が全部やってね。」

友姫「私も秋帆達任せだから詳しくはないんだよねー…。」

頭を一生懸命動かしながら画面をタッチしていく。
何パターンか撮るのとかあったけど、出来るだけ少ないのにした。

⏰:07/06/28 10:18 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#754 [向日葵]
友姫「出来た!珊瑚君、ここ見て!ハイ笑って!」

珊瑚「面白くないのに笑えるか。」

それは私もそうだけど……。
パシャ

写ったのは薄く微笑む私と無表情の珊瑚君。
それでも珊瑚君はモデルさんみたいに写っていた。

次のパターン。

友姫「どーする?」

珊瑚「普段通りでいいだろ。」

友姫「普段?」

⏰:07/06/28 10:22 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#755 [向日葵]
わからない私をほって、珊瑚君は私を抱き締めた。

友姫「普段じゃないよ!」

珊瑚「こんなの日常茶飯事だろ。」

パシャ

次に撮れたのは意地悪そうに笑う珊瑚君に抱き締められてうろたえる私。

友姫「真面目に撮ろうよ!」

珊瑚「こんなの真面目に撮ってどうする。」

ごもっとも。

珊瑚「これなら文句ないか?」

と言って肩を持って抱き寄せる珊瑚君。

⏰:07/06/28 10:26 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#756 [向日葵]
これならそれなりだ。
私は珊瑚君にもたれて笑う。

パシャ

これがさっきの2枚より1番いい。

仲良さげなカップルに見える。
実は少しこんなのが憧れだったりしていたのだ。

「次がラストショットだよー♪」

陽気に機械が告げる。

友姫「最後どうす」

と珊瑚君の方を向いた瞬間、口を塞がれた。

パシャ

「ありがとうー☆オレンジの落書きコーナーに移動してね♪」

⏰:07/06/28 10:30 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#757 [向日葵]
まだ、私の唇は解放されない。

ようやくゆっくり離れて、珊瑚君がまた意地悪そうに笑った。

珊瑚「オレンジだって。」

荷物を持って私の手を引く。

友姫「ふいっ…打ちは……禁止!」

やっと出た言葉は途切れ途切れだ。
まだ、珊瑚君の一挙一動には慣れない。

違う。慣れることが出来ない。

⏰:07/06/28 10:33 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#758 [向日葵]
珊瑚「不意の方がいいのが撮れる。」

そう言って落書きコーナーの暖簾をペラッと捲る。

落書きするのはいいけど……キスプリをアップで見るのは恥ずかしい……。

恥ずかしさに耐えて落書きを終え、只今プリント中。

友姫「もし次撮る時があったらちゃんと了承を得てね…。」

珊瑚「ふーん……。じゃあもう1枚撮る?」

「珊瑚君って何気にSだよね……」なぁんて言葉は出かかったけど言えなかった。
言ってしまうとまた意地悪な顔をして無言でまた連れて行かれる気がしたから。

あまりドキドキさせないで欲しい……。

⏰:07/06/28 10:39 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#759 [向日葵]
カタン

シールが落ちてきた。

2人なんでサイズが少し大きい。

……とりあえず切ろう。

ハサミがあるトコまで言ってシールを切る。

珊瑚「これどうすればいいの?」

友姫「私達は携帯に貼ったりスケジュール帳に貼ったりするよ。」

2人寄り添うプリクラを携帯の裏に貼った。
満足満足♪

⏰:07/06/28 10:46 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#760 [向日葵]
*****************

キリます

よければ感想ください

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⏰:07/06/28 10:47 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#761 [向日葵]
友姫「珊瑚君も貼ろうよ!」

珊瑚「キスしたのをか?」

友姫「ちっ違うよ!私と同じやつ!!」

珊瑚君はクスクス笑いながら同じのを切り取った。

珊瑚「あ、俺携帯代えるから貼っちゃダメだ。」

友姫「じゃあお財布の中に入れてて後で貼ってね。」

珊瑚「ハイハイ。じゃぁ携帯売り場に行こうか。」

・・・・・・・・・・・・・・

珊瑚君が携帯を代えている間、私は新発売されている携帯のサンプルを見ていた。

なんか私も代えたくなってきたなぁ……。

⏰:07/06/29 12:50 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#762 [向日葵]
でも今珊瑚君の家に居候になっている間はそんな贅沢も言ってられないし。
あともう少ししてからにするしかないかぁ……。

と私は携帯を取り出してさっきのプリクラを見ていた。

『なんか私、幸せそうに笑ってるなぁ…。』

幸せじゃないからそんな事を思ってるんじゃなくて、幸せすぎて笑いすぎてるからバカみたいに写ってるのでそう思った。

ま、いっか。

携帯をカバンにしまおうとした時、手元が狂って携帯を落としてしまった。

カシャーン

携帯は少し離れた所まで飛んで行ってしまった。

⏰:07/06/29 12:54 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#763 [向日葵]
『あ゛―――…傷がつくー…。』

拾いに行こうと一歩踏み出した瞬間。
男性が携帯を拾ってくれた。

「どうぞ。」

友姫「あ、ありがとうございます。……あの?」

携帯を受け取ろうとしたら、男性はその手を引っ込めて私の携帯を見ていた。

どうやらプリクラを見ているらしい。

友姫「あのー!」

すると男性はハッとして私を見た。

「珊瑚……ですか?コレ。」

⏰:07/06/29 12:59 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#764 [向日葵]
『え……』

友姫「珊瑚君を、お知りなんですか?」

男性の年齢は40代中盤くらい。に見えるけどとてもカッコイイ。
でもどこかで……。

珊瑚「友姫。終わった」

友姫「あ、珊瑚君……。!」

振り向いて珊瑚君の顔を見た瞬間、すごく怖かった。
そこまで嫌悪感に見舞われた目をする珊瑚君を初めて見た。

しかも私じゃない。

睨んでいる相手は男性だ。

⏰:07/06/29 13:03 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#765 [向日葵]
珊瑚「友姫。行くぞ。」

私の手を乱暴に掴んで珊瑚君は歩き出した。

友姫「え、あの、さ……。」

手にすごく力が入っている。痛いとは言えなかった。珊瑚君が怖くて……。

ひたすら歩いて着いた場所は、珊瑚君が誕生日の時訪れた公園だった。

木陰まで来て、一旦止まった。

珊瑚君はまだ此方を見ない。

私が他の人と喋ってたから?私何か悪いことした?

お願い。何か喋って珊瑚君。怖いよ……。

⏰:07/06/29 13:07 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#766 [向日葵]
強く握られた手から、嫌悪感が伝わって来て私じゃないのに悲しくて辛い……。

友姫「さ……。」

そこで珊瑚君はようやく我に帰ったのか、バッと私の方を振り向いた。

珊瑚「友姫?!どうした!」

私は涙を流していた。

いつになく怖い珊瑚君を見てしまって、なんだか遠くて涙が流れた。

珊瑚「ゴメン。手、痛かったか?」

私はブンブン首を振り、珊瑚君に抱きついた。

⏰:07/06/29 13:11 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#767 [向日葵]
ギュウッと抱きついて珊瑚君がいつもの珊瑚君に戻ってくれるよう祈った。

でも心配は無用だった。

珊瑚君は優しく包んでくれて、大きい手で背中をさすってくれた。

背中を行き来する度に私は安心していった。

いつもの珊瑚君だ。

珊瑚「友姫。さっきのなんだけど……。」

私は何も言わず珊瑚君の胸でコクコク頷いて次の言葉を待った。

珊瑚「あの男……





父さんなんだ。」

⏰:07/06/29 13:16 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#768 [向日葵]
私は瞑っていた目を見開いて珊瑚君を見た。

珊瑚君の目にはまださっきの嫌悪感が残っていた。
それを取り除いてあげたくて、そっと珊瑚君の顔を両手で包んだ。

珊瑚君は包まれた瞬間目を瞑って私の肩に頭を乗せて私をギュッと抱き寄せた。
私は珊瑚君の気が治まるまでずっとじっとしていた。
周りでは子供達が力一杯走り回っている。

―――――……

壊れてしまいそうな珊瑚君と手を繋ぎながら家まで帰った。

⏰:07/06/29 13:21 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#769 [向日葵]
門前まで来ると、珊瑚君は手をギュッと握って私の進む足を止めた。

友姫「?」

珊瑚「誕生日なのに、こんなことになってゴメン。」

申し訳なさそうに謝る珊瑚君に、私は微笑んで安心させようとした。

友姫「大丈夫。楽しかったよ。プリクラだって……。あ!」

携帯……あの男性、珊瑚君のお父さんが持ったまんまだ。

その時だった。

珊瑚母「帰って!!」

⏰:07/06/29 13:25 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#770 [向日葵]
その声に驚いた私達はすぐに家の方へ目を向けた。

友姫「お母さん?」

珊瑚君は無言でツカツカ歩いてドアを開けた。

バンッ!

珊瑚「母さんっ?」

目の前にいたのは半泣きになったお母さんと、玄関にたっていた

珊瑚君のお父さんだった。

珊瑚母「珊瑚……。」

珊瑚「帰れよ。」

低い声で珊瑚君が唸った。
どこかで見たと思ったら、珊瑚君にそっくりなんだ……。

⏰:07/06/29 13:29 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#771 [向日葵]
無言の攻防戦が続く中、珊瑚君のお父さんが口を開いた。

珊瑚父「お嬢さん。携帯お忘れですよ。」

ニコッて笑って携帯を差し出してくれた珊瑚君のお父さんに対して、珊瑚君はお父さんの手から私の携帯を勢いよく掴むと私に押し付け、ドアを開けた。

珊瑚「アンタの居場所はここじゃないだろ?出口はこっちだ。帰れよ。」

お父さんは困った様に笑い、珊瑚君の近くまで歩いて止まった。

珊瑚父「珊瑚。お父さんと暮らす気はないか。」

⏰:07/06/29 13:33 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#772 [向日葵]
耳を疑った。

珊瑚君も驚いている。

珊瑚父「私は今社長をやってるんだ。しかし跡取りがいなくてね。どうだい?」

珊瑚「てめっ……!」

友姫「珊瑚君ダメ!」

お父さんに殴りかかった珊瑚君を私は体一杯に止めた。

珊瑚君の息が荒い。

珊瑚「お前のせいで…母さんがどれだけ悲しんだと思ってるんだ…っ!」

珊瑚父「それはホントにすまなかったと思っている。だからこそ、その母さんを楽させる為に来ないか?」

⏰:07/06/29 13:40 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#773 [向日葵]
珊瑚母「それこそ私は嫌よ!」

私はこの場にいていいか迷ったけど、私がいなければ絶対珊瑚君はお父さんに飛びかかってしまう。

お父さんはフゥと息を吐くと一歩外へ出た。

珊瑚父「私はイエスと言うまで何度も来る。」

すると珊瑚君はすっと居間に入ったと思ったらすぐに帰ってきた。

手には何か箱みたいなのを持っている。
その正体が分かって止めようとした時には遅かった。

⏰:07/06/29 13:44 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#774 [向日葵]
友姫「珊瑚君だ」

ガスッ!
ズシャァァァァ……

お父さんに当たったのは塩を入れたケース。

玄関の床に雪の様に塩が積もる。

珊瑚「二度と来るな疫病神っ!!」

お父さんを無理矢理突き出すとバタンッ!!と大きな音を立ててドアを閉めた。

珊瑚君はドアノブを握り締めながら息をハァハァと荒く吐いている。

珊瑚母「友姫ちゃん。」

友姫「あ、ハイ。」

お母さんは疲れ果てた様に片手で顔を覆っていた。
声にも覇気がなく、いつものお母さんらしくなかった。

⏰:07/06/29 13:49 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#775 [向日葵]
弱々しく笑顔を見せると、お母さんは「ゴメンネ」と呟いて部屋へ行ってしまった……。

玄関に私と珊瑚君だけが残される。

珊瑚「……俺が」

その声に振り向くと、珊瑚君は未だドアの方を向いてうつ向いていた。

珊瑚「俺が養子に行けば…、アイツはもう来なくなって、母さん達にも迷惑かけなくて済むかな……。」

私は一瞬めまいがした。

友姫「本気で考えてるの……?」

珊瑚君は小さな声で「少し」と答えた。

⏰:07/06/29 13:55 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#776 [向日葵]
脳震盪を起こしたみたいに頭がくらくらする気がした。

友姫「珊瑚君がいなくなったら……その方が、お母さんは悲しむって…言ってたじゃない。」

珊瑚君はゆっくり私に視線を向ける。

友姫「私が止めても、結局は珊瑚君が決める事だし、私はよそ者だから、止めのもどうかと思う……けど」

そこで声が震えた。

珊瑚君が遠くに行ってしまったらもうきっと会えない。

⏰:07/06/29 13:59 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#777 [向日葵]
そう思うと……

顔を見られたくなくて顔を背けた。

珊瑚「友姫……?」

顎から滴が落ちる。

珊瑚君……私は……珊瑚君がいなくなったらどうすればいいの?

友姫「誕生日に……そんなセリフ聞きたくなかったよ……。」

私はそれを行って部屋まで駆け上がった。

珊瑚「友姫!」

珊瑚君の目の前で私は部屋のドアを閉めた。
そしてドアにもたれながらズルズル床に崩れ落ちる。

⏰:07/06/29 14:02 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#778 [向日葵]
珊瑚「友姫ゴメン!開けてくれ!!友姫っ!!」

本気か聞いた時、少しと答えた珊瑚君。
例えあれが少しも考えていないと答えていても不安はきっと消えなかった。

珊瑚君は優しいからお母さんや汰樹君の為に自分が犠牲になる。
それを知ってる。

だから悲しかった。

私は?
もう家族みたいなものなのに私はどうでもいいの……?

背後で珊瑚君がドアをドンドン叩いている。

私は涙が止めどなく溢れていた。

⏰:07/06/29 14:07 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#779 [向日葵]
すると強攻突破で珊瑚君が部屋にドォン!と入って来た。

その反動で腰を思いっきり打つ。

珊瑚君はゆらりと部屋に入ってくると私を見つけて目の前でしゃがんだ。
そして私の肩を掴んで揺らした。

珊瑚「話を聞けよ!確かに少し思った!けど確実に本気なわけじゃない!」

友姫「もういい!!これ以上悲しくなりたくないっ!!」
両耳を塞いで珊瑚君の声が一斎届かないようにした。

⏰:07/06/29 14:12 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#780 [向日葵]
すると珊瑚君は目をすっと細めて私の手を掴むとダンッと床に押し付けた。と同時に押し倒された。

珊瑚「聞くなら離すよ。」

本気で怒ってる。
でも……

友姫「いいから…っ。もう聞きたくないからっ!」

顔を珊瑚君から背けると両手でがっちり顔を掴まれて元に戻された。

珊瑚「いい加減にしてくれ。」

冷たい目でそう言うと珊瑚君が強く唇を押し付けて来た。

⏰:07/06/29 14:16 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#781 [向日葵]
友姫「ハァッ!さっ……やめ……!」

胸を押して止めさせようとしてもビクともしない。

これが男の人の力……。

そう考えてゾッとする間もなく、珊瑚君は私に考える隙を与えないかのように深くキスをする。

珊瑚「聞くなら止める。……さぁどうする?」

Tシャツの裾から少し手を入れながら珊瑚君が問いてきた。

びっくりして体が一瞬ビクッとする。
ダメだ。聞かなきゃ私……っ!

⏰:07/06/29 14:21 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#782 [向日葵]
怖い……っ!

友姫「き……っくから……やめてっ……。」

泣きながら懇願するて、Tシャツから手を抜いて、顔を包んでいた手は優しくなり、冷たい目は温かないつもの目になった。

珊瑚君は涙を拭うように目元、頬に唇を触れて、最後に優しくキスをしてくれた。

そして頭を優しく撫でてくれる。

珊瑚「怖がらせてゴメンナ。」

起こしてくれると、私の体を包んで子供をあやす様にポンポンと背中を叩いてくれた。

⏰:07/06/29 14:26 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#783 [向日葵]
私はまだ涙が流れていたけど珊瑚君の胸元に顔を埋めて心臓の音を聞いていた。

トクン――トクン―――

安らぐ。
大丈夫。そんな気がした。

珊瑚「さっき言った通り。確実な本気じゃないよ。だから心配しなくていい。俺は友姫の側にちゃんといるから……。」

そう言って珊瑚君の頬と私のおでこがくっつく。

それがまた私を安らぎへと誘う(いざなう)。

友姫「ホントに……?」

珊瑚「あぁ。」

⏰:07/06/29 14:30 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#784 [向日葵]
***************

キリます

感想よければください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/29 14:32 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#785 [ゆき]
この小説大好きー
スペースおかりします
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900

⏰:07/06/30 00:47 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#786 [向日葵]
ゆきさん

友姫と名前同じですね
安価ありがとうございます

⏰:07/06/30 00:57 📱:SO903i 🆔:9MGqM2SY


#787 [向日葵]
更新は夜中にします

⏰:07/06/30 21:06 📱:SO903i 🆔:9MGqM2SY


#788 [向日葵]
友姫「ホントにホント?」

珊瑚「あぁ。」

友姫「嘘ついてない?」

珊瑚「何回同じ事言わせるんだ。」

そう言うと私の鼻をブニッとつねってきた。

友姫「んむっ!」

私の反応に珊瑚君は面白がって破顔した。
その表情を見てやっと大丈夫だと信じることが出来た。

友姫「また明日もデパート行かない?本屋さんみたい。」

珊瑚「分かった。」

⏰:07/07/01 01:12 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#789 [向日葵]
そう言って私は抱きしめあった。

嫌な事全て消し去ってくれる珊瑚君の腕は、まるで魔法のようにすばらしいものだった。

―――――……

あ……

またあの夢……

誰かが必死に叫んでる。

見覚えのある綺麗な顔立ち。脳を溶かすような低い声。

なのに分からない。

アナタハダレ?

⏰:07/07/01 01:15 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#790 [向日葵]
「――き……。友姫。」

ハッと目を覚ますと目の前には珊瑚君がいた。

珊瑚「眉間にシワ寄せてどうした?」

朝だ。

カーテン越しに光が差し込んでる。

友姫「夢……また見て。」

だけど今度はまったく覚えていない。
ただなんとなく嫌な感じがしたのは胸の奥に気持悪さが残っていたからかも。


友姫「あ!今何時っ?」

珊瑚「10時半だけど?」

⏰:07/07/01 01:23 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#791 [向日葵]
友姫「ゴメン!寝すぎだ!!着替える!」

珊瑚「ハイハイ。」

クスクス笑って珊瑚君は部屋から出て行った。

私はドレッサーの前に立って髪をとぐ。

その時なんだか胸がざわついた。
嫌な予感がする。

私に予知能力なんてない。でも今日は何かが起こる。

…………そんな気がした。

・・・・・・・・・・・・・・

本屋さんをうろうろしててもなんだか上の空だった。

⏰:07/07/01 01:28 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#792 [向日葵]
それでも珊瑚君に気づかれないように努めて、本をパラパラしていた。

本屋さんを出て、階段を降りていた時だった。

珊瑚「どうかしたのか?」

友姫「え?」

珊瑚「ぼーっとしてる。」

そうだった……。

この人エスパーだった……。

友姫「胸騒ぎが止まらなくて……。こんなのおかしいよね。」

⏰:07/07/01 01:31 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#793 [向日葵]
踊り場に着いた時、珊瑚君の足が止まった。

珊瑚「友姫の胸騒ぎは…間違いじゃなかったみたいだ。」

その険しい目線の先には………………

珊瑚君のお父さん……。

友姫「あ……。」

珊瑚父「やぁ珊瑚。それにお嬢さんも。」

私は深々と礼をした。
すると珊瑚君が私とお父さんの間に割って入る。

お父さんは距離を縮める為に一歩また一歩と階段を登ってくる。

⏰:07/07/01 01:35 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#794 [向日葵]
珊瑚父「返事は考えてくれたかな…?」

珊瑚「Noだ。」

珊瑚父「うろたえていたから、てっきりYesと言うかと思っていたよ。」

上辺はにっこりしているお父さんだけど……目が笑っていない。

珊瑚父「手段は選ばないよ。そのつもりだ。……ところでなんとかは千尋の谷に落とすと言う言葉はご存知かな?」

珊瑚君も私も何が言いたいか分からず顔をしかめる。

⏰:07/07/01 01:42 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#795 [向日葵]
お父さんはゆっくりと珊瑚君に近づいて来た。

珊瑚父「たまには……温かい人生よりも」

そう言った途端、お父さんの目つきが豹変した。

珊瑚父「痛い思いをした方がいいよ。――――――色んな意味でね…。」

ハッ!!

珊瑚君は気付いたけど遅かった。

なんとお父さんが、珊瑚君を突き飛ばしたのだ。

宙に浮かび、下の床へと落ちて行こうとする珊瑚君の体。

⏰:07/07/01 01:48 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#796 [向日葵]
とっさに手を伸ばして珊瑚君の体を私は包んだ。
私も一緒に地面へ落下していく。

なんだかスローモーションのようだ。
そして激しい衝撃が私の頭を突き抜けたと思うと、もう目が開けられなくなってしまった。

珊瑚「……っ!!友姫?!友姫っ!!!」

珊瑚君の腕が私を包む。

あぁ……好きだなぁ……。

珊瑚君。大丈夫よ。
ちょっと頭が痛いだけ。すぐに目を開けるから。

⏰:07/07/01 01:52 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#797 [向日葵]
そんなに悲しい声をあげないで。

大丈夫。大丈夫だから。

手をあげて、その顔を触りたかった。
でも神経が言うこと聞かなくて、まるで動かし方を忘れてしまったみたいで……。

ゴメンネ。安心させてあげられない。

まだ名前を呼び続ける珊瑚君の声が遠ざかって行く。私の頭は真っ白に包まれて行く。

あぁ……またあの夢を見てしまうの?

⏰:07/07/01 01:55 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#798 [向日葵]
**bP6 無**

あぁ……眠たい。

今日は何曜日だろう。
まだ寝ててもいいかな?

だって母さんが起こしに来ないもの。
携帯のアラームも鳴ってないみたい。

でもなんだか目が覚めちゃった。
目を開けよう。

私はゆっくりと瞼を開ける。
見た事がない真っ白な天井。
ココはどこ?
頭に微かな圧迫感。手を伸ばすと点滴が付けてあって少し揺れてカシャンと音を立てる。

⏰:07/07/01 02:01 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#799 [向日葵]
そして頭に触れた指先にはなんだかザラザラした手触り。
自分はコレを知ってる。

包帯だ。

すると私の手を優しく包む大きな手が出現した。

誰?父さん?

珊瑚「よかった……。目、覚めたんだな……。」

柔らかい笑顔を向ける顔の整った青年。

友姫「……あ」

ガラガラ

秋帆「友姫!!よかったぁぁっ。目覚ましたのね――――!!」

⏰:07/07/01 02:05 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#800 [向日葵]
律「心配したんだかんね!まったく……。」

秋帆と律は私をギュッと抱き締めた。
頭を気遣ってくれてるのか凄く優しく抱き締めた。

そこで私は疑問を口にした。

友姫「ねぇ…2人共。






そこの男の人は……誰?」

私が指指したのは紛れもなくさっき手を握ってくれた青年だ。

⏰:07/07/01 02:08 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


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