新☆きらきら
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#798 [向日葵]
**bP6 無**
あぁ……眠たい。
今日は何曜日だろう。
まだ寝ててもいいかな?
だって母さんが起こしに来ないもの。
携帯のアラームも鳴ってないみたい。
でもなんだか目が覚めちゃった。
目を開けよう。
私はゆっくりと瞼を開ける。
見た事がない真っ白な天井。
ココはどこ?
頭に微かな圧迫感。手を伸ばすと点滴が付けてあって少し揺れてカシャンと音を立てる。
:07/07/01 02:01
:SO903i
:vEcfZdV6
#799 [向日葵]
そして頭に触れた指先にはなんだかザラザラした手触り。
自分はコレを知ってる。
包帯だ。
すると私の手を優しく包む大きな手が出現した。
誰?父さん?
珊瑚「よかった……。目、覚めたんだな……。」
柔らかい笑顔を向ける顔の整った青年。
友姫「……あ」
ガラガラ
秋帆「友姫!!よかったぁぁっ。目覚ましたのね――――!!」
:07/07/01 02:05
:SO903i
:vEcfZdV6
#800 [向日葵]
律「心配したんだかんね!まったく……。」
秋帆と律は私をギュッと抱き締めた。
頭を気遣ってくれてるのか凄く優しく抱き締めた。
そこで私は疑問を口にした。
友姫「ねぇ…2人共。
そこの男の人は……誰?」
私が指指したのは紛れもなくさっき手を握ってくれた青年だ。
:07/07/01 02:08
:SO903i
:vEcfZdV6
#801 [向日葵]
秋帆と律は顔をこわばらせて私を見つめた。
青年は綺麗な目をこれ以上ないほど見開いていた。
秋帆「……え……。」
秋帆のかすれた呟きが、なんとか私の耳へ入って来る。
友姫「どうしたの?2人の知り合い?」
律「何を言ってるのよ……?!寛和は……っ」
友姫「寛和?」
本気で分からない私にようやく気付いたのか、3人共口を閉ざした。
珊瑚「俺……ちょっと……。」
:07/07/01 02:13
:SO903i
:vEcfZdV6
#802 [向日葵]
綺麗な青年は部屋から出ていった。
『なんて素敵な低い声だろー…。』
そんな事をぼんやり考えていた。
秋帆「さっきの男の子は、寛和珊瑚君。友姫の……恋人だよ…?」
それを聞いて私はびっくりした。
まさか?!この男の子に興味ない私が恋人だなんてっ!!!!
友姫「びっくりさせよーったってそうはいかないわよ?」
律「嘘じゃないわよ……。」
:07/07/01 02:16
:SO903i
:vEcfZdV6
#803 [向日葵]
悲しそうな真剣な顔をした2人を交互に見つめる。
『……え?』
私……どうしちゃったの?
・・・・・・・・・・・・・・
珊瑚「記憶……喪失ですか……。」
珊瑚は医師の元へ行っていた。
4文字の漢字が珊瑚をショックの谷へと落として行く。
医師「頭を強く打ち過ぎたんでしょう。よくあります。」
珊瑚「どうすれば……っ!!!記憶が戻るんでしょうか!!」
:07/07/01 02:20
:SO903i
:vEcfZdV6
#804 [向日葵]
医師「分かりません。何年後か……何十年後か……。何か、本人が印象に残ってる事でもしなければ……。」
『何十年後……。』
珊瑚はズボンを握り締めてうつ向いた。
言葉が……出なかった。
ガラガラガラ
医師のいる部屋から出た珊瑚は会いたくない人物を目にする。
珊瑚父「お嬢さんの……容態は……。」
座っていた長椅子から立ち、1mくらい離れた所で立ち止まった。
:07/07/01 02:24
:SO903i
:vEcfZdV6
#805 [向日葵]
珊瑚「お陰様で……俺を忘れてくれたさ。」
皮肉たっぷりな言葉に冷笑を浮かべ父の隣を通り過ぎた。
珊瑚父「私を!」
少し過ぎた所で珊瑚は立ち止まった。
珊瑚父「私を……警察に突き出すか……?」
珊瑚は前を見据えたまま話した。
珊瑚「そうだな……。それで無期懲役になればいいのに……。でももし、友姫に記憶が残っていたなら友姫はそんな事望まない。」
:07/07/01 02:27
:SO903i
:vEcfZdV6
#806 [向日葵]
それだけ言って、珊瑚はその場を立ち去った。
友姫の病室まで歩いて行くと、外には佳苗、暁、千歳がいた。
珊瑚「暁。」
珊瑚の方を向いた暁は、困惑した顔をしていた。
千歳も同様だ。
佳苗は顔を手のひらで覆っていた。
どうやら泣いてるらしい。
千歳「友姫ちゃん…俺らに“誰”とか言ってきたんだけど……。」
呆然と部屋を指差しながら千歳が呟く。
:07/07/01 02:32
:SO903i
:vEcfZdV6
#807 [向日葵]
珊瑚「あぁ…。知ってる。」
暁「珊瑚……お前…………。もしかして…。」
暁が言わんとしていることは分かっていた。
珊瑚はコクンと頷いた。
それだけで充分だった。
千歳「お前大丈夫かよ……っ!」
肩を掴み、揺らす千歳に、珊瑚はその手を振り払い、まるで苦痛に耐える様な顔をした。
珊瑚「大丈夫なわけ……ないだろ……っ。ふざけんな……。」
もどかしい気持ちが、珊瑚をイラつかせた。
:07/07/01 02:35
:SO903i
:vEcfZdV6
#808 [向日葵]
珊瑚は腕で顔を覆った。
珊瑚「ちょっと……1人にしてくれ……。」
そう言って、珊瑚はどこかへ行ってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
珊瑚は誰もいない外へ出ていた。
手すりに手を置いて街並みをぼんやりと見つめた。
友姫[珊瑚君。]
笑う友姫が脳裏に浮かぶ。
友姫[私にも……珊瑚君を守らせて……。]
自分はどれほどその言葉に胸が震えただろう。
:07/07/01 02:40
:SO903i
:vEcfZdV6
#809 [向日葵]
手を……見つめる。
自分が触れる度、顔を赤らめて、だけど嬉しそうに笑う友姫。
細くて壊れそうな彼女を抱き締める度愛しさでいっぱいになった。
なのに。
友姫「この男の人……誰?」
無関心な友姫が、そこにはいた。
珊瑚「―――――っ!!」
:07/07/01 02:42
:SO903i
:vEcfZdV6
#810 [向日葵]
てすりを強く握り締めてしゃがむ珊瑚。
うつ向いた顔の鼻先からは、みるみる滴が落ちてコンクリートの地面へ染み込んでいった。
もう……友姫は戻らないかもしれない。
そう思うと哀しみで押し潰されそうになった。
珊瑚「……っ!……っっ!!!!」
声にならない鳴咽が、青空の下に響いた……。
まるで、そこにいない人の名を必死に呼ぶ様に。
:07/07/01 02:46
:SO903i
:vEcfZdV6
#811 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・
秋帆達が帰ってまた病室で私は1人となった。
窓の外を見つめながら考える。
ふわふわのカワイイ女の子。さわやかな男の子。メガネをかけて頭よさそうな男の子。
……そして、綺麗な男の子。
あの目を見開いた顔が残像の様に頭に浮かぶ。
何故そんな顔をするの……?
秋帆[恋人だよ……?]
:07/07/01 02:50
:SO903i
:vEcfZdV6
#812 [向日葵]
友姫「恋人……。」
単語を呟く。
事の焦点がまったく合わない。
私は…何を失っているの?
夏休み?なら何故母さん達は顔を見せてくれないの?
どうして?何故?
いくつもの疑問が頭をよぎる。
その瞬間。
友姫「――ぅあっ!!」
頭に激しい頭痛。
何コレっ!!
友姫「ぃ……痛っ……いっ!!」
:07/07/01 02:54
:SO903i
:vEcfZdV6
#813 [向日葵]
頭を抱えてベッドにうずくまる。
手探りでナースコールを探す。
それよりも頭痛の方が勝っている。
友姫「だっ……れか……っ!」
ガラガラガラ
珊瑚「友姫っ!」
あの男の子が帰ってきてうつ伏せで丸まっている私の背中にそっと手を置いた。
珊瑚「どうした!」
友姫「頭……っ痛……っ!」
:07/07/01 02:57
:SO903i
:vEcfZdV6
#814 [向日葵]
でも……
友姫「あれ……。」
痛くて固く閉ざしていた目をゆるゆると開ける。
友姫「痛く…なくなった……。」
珊瑚「そうか……。」
男の子の声は、ホントに安心しているかの様に聞こえた。
男の子の顔を見ると、なんだか目が赤い気がした。
友姫「目……どうしたんですか?」
男の子はハッとして顔を背けながらなんでもないと言った。
:07/07/01 03:01
:SO903i
:vEcfZdV6
#815 [向日葵]
そして沈黙が少し流れる。
友姫「あの……病院まで運んで頂いて…ありがとうございました。」
男の子はパイプ椅子を引きずってベッド近くまで寄せるとそれに座り「別に」と呟いた。
珊瑚「半分…いや、半分以上は俺のせいだから……。」
友姫「はぁ……。」
珊瑚「あ。友姫の母さん達に連絡してくる。」
友姫「駄目です!!」
私はさっきっまったく正反対の事を喋った。
:07/07/01 03:05
:SO903i
:vEcfZdV6
#816 [向日葵]
友姫「きっと心配かけてしまう……っ。だから……言わないでください……。」
全ては秋帆から聞いた。
母さん達は今仕事で遠くにいるのだと。
私は我儘を言ってこちらに残してもらったらしい。
……なのに。
友姫「お願いです……。」
心配をかける様な事を言ってはいけない。
男の子は立ち上がったがまた座った。
どうやら分かってくれたらしい。
:07/07/01 03:08
:SO903i
:vEcfZdV6
#817 [向日葵]
友姫「ありがとうございます…。……えっと…。」
珊瑚「珊瑚だ。あと敬語もいらない。」
友姫「珊瑚君。ありがとう。」
すると珊瑚君は頭を優しく撫でてきた。
私はやられるがままにされていた。
まるで仔猫にでもなった気分だ。
“恋人”
私はかつて、この人の何が好きだったんだろう。
なんで好きだったんだろう……。
:07/07/01 03:11
:SO903i
:vEcfZdV6
#818 [向日葵]
――――――……
数日後……
退院して、私は珊瑚君の家に帰ることになった。
タクシーに乗って、家を目指すのかと思いきや、珊瑚君が言った先は
珊瑚「あの近くにあるデパートまで。」
友姫「え?!帰るんじゃ……。」
珊瑚「買い物があるんだ。……先に帰るか?」
やっぱり忘れてしまっているとは言え、お世話になっている以上お手伝いしないわけには……。
友姫「いえ!行かせてもらいます!!」
:07/07/01 03:18
:SO903i
:vEcfZdV6
#819 [向日葵]
:07/07/01 03:20
:SO903i
:vEcfZdV6
#820 [向日葵]
更新については感想板を覗いてください

:07/07/01 20:04
:SO903i
:vEcfZdV6
#821 [我輩は匿名である]
:07/07/01 20:51
:D902iS
:wdHGZCTk
#822 [我輩は匿名である]
:07/07/01 20:54
:D902iS
:wdHGZCTk
#823 [向日葵]
:07/07/01 21:27
:SO903i
:vEcfZdV6
#824 [向日葵]
珊瑚「無理して付き合わなくてもいい。」
……それって私にどうしろと…
『なんかこの人よくわかんないなぁ……。』
友姫「い、一応行かせてもらいます…。」
珊瑚「そうか。」
そう言うと珊瑚君はドアのへりに腕をついて頬杖しながら外を眺めた。
私は気まずくなって、私も外を見た。
空はいつも通り青く澄み渡り、入道雲が所々にあって夏の風流だ。
:07/07/02 16:46
:SO903i
:KIVQQD6I
#825 [向日葵]
何も変わらない日常。
なのに一体何が変わってしまったんだろう……。
・・・・・・・・・・・・
ザワザワザワ
デパートについた。
友姫「どこに行くんですか?」
珊瑚「敬語。」
私は口元を「あっ」と隠して、訂正した。
友姫「どこに行くの?」
珊瑚「食料品売り場。友姫の退院祝いだから母さんが何か買って来いって。さぁいこ……」
:07/07/02 16:50
:SO903i
:KIVQQD6I
#826 [向日葵]
珊瑚君は手を伸ばして私の手に触れようとしたが、寸前で止まってスッと直してしまった。
そしてフイッとそっぽを向いてツカツカ歩いて行ってしまった。
『あ……そっか。私達恋人同士だったんだっけ。』
珊瑚君の背中を追いかけながらぼんやり考える。
後ろからさっき伸ばされた手を見つめた。
指が長くて大きく綺麗な手。
自分は記憶が抜け落ちてしまうまでこの手に守られて来たのだろうか……。
気付いたら無意識に珊瑚君の指先に触れていた。
:07/07/02 16:58
:SO903i
:KIVQQD6I
#827 [向日葵]
友姫「……あ。えと……。」
離そうとしても離れなかった。それどころか指先にさらに力が入っていく。
すると……
珊瑚「何してるんだ。」
穏やかな口調で私の指を離した。
離れた瞬間、どうしてか胸の奥がキンッと詰まった。
『何ショック受けてるんだろう私……。』
珊瑚君がカートをカラカラ押す横で私はとぼとぼ歩いた。
すぐ横にいるこの人は今や知らない他人の人。
:07/07/02 17:02
:SO903i
:KIVQQD6I
#828 [向日葵]
見えない大きな溝がいつの間にか出来てしまったんだ。
珊瑚「友姫。何が食べたい?」
ハッと顔をあげて考える。
友姫「え、えと、……。あ、じゃあタラコスパゲティ。」
珊瑚「了解。」
微笑んだ珊瑚君を見てなんだかホッとした。
緊張が少しほぐれる。
タラコスパゲティにいる材料を買ってから私達はデパートを後にした。
:07/07/02 17:05
:SO903i
:KIVQQD6I
#829 [向日葵]
珊瑚「タクシーまた拾うか。」
友姫「ウン。あ、荷物一つ持つ」
カシャン
何かが落ちた。
珊瑚「携帯、落としたぞ。」
友姫「あ、ホントだ……。?」
携帯の裏に何か貼ってある。プリクラ?
そこに写っていたのは幸せそうに笑う私と今私の隣にいる珊瑚君がいた。
私はそれをじっと見つめてから珊瑚君を見つめた。
なんとも言えない複雑な表情を珊瑚君は浮かべていた。
:07/07/02 17:08
:SO903i
:KIVQQD6I
#830 [向日葵]
珊瑚「……やっぱり歩いて帰るか。」
きびすを返してまた先に歩いて行ってしまった珊瑚君。
私は小走りで珊瑚君の隣についた。
記憶上に無い笑顔が貼られた携帯を握り締めて。
――――……
あの日から丁度1週間経った。
私の記憶の欠片はまだバラバラになったままだった。
それでも珊瑚君のお母さんや弟の汰樹君。
それに珊瑚君は優しく接してくれていた。
:07/07/02 17:12
:SO903i
:KIVQQD6I
#831 [向日葵]
それが逆に私の苦になっていった。
自分は何もあげれないのに優しさをくれり皆に申し訳なかった。
時折、病院に1回来たフワフワ少女とさわやかな男の子、優等生っぽい男の子が私を訪ねに来てくれた。
でもフワフワ少女は何かに堪えれなくなったかの様に度々居間を出て、それをさわやかな男の子が追って行った。
・・・・・・・・・・・・
暁「佳苗。泣くなよ……。」
佳苗「分かってるの……。でも……。」
:07/07/02 17:17
:SO903i
:KIVQQD6I
#832 [向日葵]
佳苗は悲しんでいた。
無関心な目を向ける友姫。
でもそれ以上に虚ろになってしまった珊瑚を見るのが辛かったのだ。
暁「これからこんなのが続くんだ……。だから頑張んないと。」
そう言って暁は佳苗を抱き締めた。
・・・・・・・・・・・・・
夜。
私は部屋の暗闇に包まれた天井を見つめていた。
隣では既に寝てしまった結女がスゥスゥ言ってる。
:07/07/02 17:20
:SO903i
:KIVQQD6I
#833 [向日葵]
眠れない。
ううん違う。
眠りたくない。
今眠れば良くない夢を見そうで怖い。
しかし意に反して瞼が閉じて行く。
闘ってみるものの強制的に視界を闇が包んでいった。
――――
―――――……
真っ白な空間。
私は……どうなっているんだろう……。
『あ……誰かいる。』
知ってる。あれは
友姫「珊瑚君…。」
:07/07/02 17:27
:SO903i
:KIVQQD6I
#834 [向日葵]
―ワスレタクナイ―
何を?
―アノ穏ヤカナ低イ声―
何で?
―大好キナノ―
誰が?
―……君―
え?
すると突然。
キィィィィィ・・・・ン
耳鳴りの様な音が脳に響く。
友姫「ぅあぁ……っ!やだ……っ!!」
知ってるこの夢。
前も見た事があるの。
それは…………いつ?
:07/07/02 17:31
:SO903i
:KIVQQD6I
#835 [向日葵]
―――ご君。
泣いてる。
――さ…ご君。
何を言ってるの?
泣いてるのは誰?
――――珊瑚君っ!!
私っ?!
キィィィィィィィ・・ン
音が更にきつくなる。
友姫「あ゛ぁっ!!あぁぁぁっ!!」
耳を塞ぐ様にして頭を抑える。
突き刺す様な痛みに襲われる。
:07/07/02 17:34
:SO903i
:KIVQQD6I
#836 [向日葵]
―――
――――……
友姫「はぁっ!!」
目をバッと開く。
でもまだ視界は闇。
いやでも天井が見える。
友姫「はぁっ!はぁっ!」
無意味に息があがる。
でも止める事が出来ない。痛みの余韻が残ってるのか頭が重い気がする。
起き上がってベッドを出る。
『水でも飲もう……。』
:07/07/02 17:38
:SO903i
:KIVQQD6I
#837 [向日葵]
トン……トン……
なんだかフラフラする。
居間について電気を付ける。
一旦座りたくなってソファに座った。
汗をかいていたので窓を開ける。
夏の虫の音と共にそよ風が入ってくる。
そこでやっと落ち着いた。
『さっきの夢……私は何で見たことあったんだろ。初めて見たハズなのに……。』
カチャカチャカチャ
玄関の鍵を開ける音が聞こえた。
:07/07/02 17:42
:SO903i
:KIVQQD6I
#838 [向日葵]
ガチャ……バタン
トタ…トタ……
珊瑚「友姫。何してんだ?」
友姫「あ、珊瑚君。おかえりなさい。」
珊瑚「あぁ。」
珊瑚君はそのまま部屋に戻ろうとしていたが、それを止めた。
私が。
友姫「あ、あの!」
足を止めた珊瑚君は穏やかでもどこか冷たい目を私に向けた。
珊瑚「何?」
:07/07/02 17:46
:SO903i
:KIVQQD6I
#839 [向日葵]
そんな顔しないで……
また胸の奥が痛くなる。
友姫「あ……あの……。えと……。」
またあの夢を見るのが怖い。だからせめて落ち着くまで一緒にいて欲しい。
そう思った。
でも……
時計をチラッと見ると午前3時。
珊瑚君はバイト帰りだし疲れているのかもしれない。
友姫「なんでもありません……。おやすみなさい…。」
:07/07/02 17:49
:SO903i
:KIVQQD6I
#840 [向日葵]
珊瑚君から視線を外し、窓の方を向いて体育座りしている自分の足を見つめた。
しばらく静寂が続く。
いつの間にか珊瑚君は部屋に戻ったのかもしれない。
そんな事を思っていると
ギシッ
ソファーの揺れに横を向いてみると、珊瑚君がそこにはいた。
珊瑚「なんかあったのか?」
私ではなく、窓を見ながら聞いてくる。
:07/07/02 17:52
:SO903i
:KIVQQD6I
#841 [向日葵]
:07/07/02 17:53
:SO903i
:KIVQQD6I
#842 [¥]
:07/07/02 22:01
:P903iX
:PZ2FsAAc
#843 [向日葵]
¥さん

安価ありがとうございます

更新は明日の朝になります

:07/07/02 23:03
:SO903i
:KIVQQD6I
#844 [向日葵]
私は珊瑚君を見てからまた自分の足を見つめた。
友姫「怖い夢を見たんです。それも……見たことないのに、見たことある夢を。そしたらまた頭が痛くなって……。」
珊瑚君が黙って聞いてくれてる気配がする。
それを確認して、私はまた続けた。
友姫「また、目を瞑るのが怖いんです。激しい頭痛がしたり、悲しい気分になるのが嫌だから……。」
ピクッ
私の体が一瞬震えた。
それはそれは優しく珊瑚君が頭を撫でている。
:07/07/03 09:45
:SO903i
:Sr47UkcI
#845 [向日葵]
ゆっくり珊瑚君に視線を向けると、珊瑚君はハッとして手をどけた。
珊瑚「ごめん。……俺はもう寝る。お前ももう寝ろ。同じ夢はもう見ないだろうし。」
珊瑚君が立ち上がった瞬間私は手を伸ばして珊瑚君の手を両手で握った。
今度は離されないように。
友姫「もうちょっとココにいて下さいっ!」
珊瑚「やめてくれ……。」
友姫「…え?」
珊瑚君の顔がコチラを向くと、その顔は苦しそうにしていた。
:07/07/03 09:53
:SO903i
:Sr47UkcI
#846 [向日葵]
珊瑚「覚えてないのにそんな事しないでくれ。俺も軽率だった。前の友姫がそこにいる様な気がして同じ様に接したけど……。」
そこで珊瑚君は大きく息を吸った。
珊瑚「お前は……俺が好きでも何でも無いんだろ?」
珊瑚君は泣きそうな顔をした。
私はどう答えていいかわからなかった。
今まではどうしていたの?だって覚えてない。
分からないの。
……でも、そんな顔…しないで……。
:07/07/03 09:57
:SO903i
:Sr47UkcI
#847 [向日葵]
私は珊瑚君を引っ張って強制的に座らせた。
珊瑚「な……っ!」
驚く珊瑚君を余所におずおずと両手を伸ばした。
そして珊瑚君の顔を包む。
珊瑚君は目を見開いて私を見つめる。
そして私は珊瑚君の頭を包みこんだ。
珊瑚「友姫……やめろ……。」
私は辞めない。
珊瑚「頼むから……。」
:07/07/03 10:00
:SO903i
:Sr47UkcI
#848 [向日葵]
その頼みは聞けない。
沢山優しさをくれたのは知ってる。
恩返しをしなきゃいけない。それは分かってる。
でも……珊瑚君今
友姫「泣かないで……。」
珊瑚君の頭が小刻みに震えているのを腕で感じた。
私が覚えていないせいで彼を悲しませている。
だからせめてこの瞬間だけは……昔の私を思い出して…………。
珊瑚「―――っ!」
珊瑚君は腕をきつく回して私を抱き締めた。
:07/07/03 10:04
:SO903i
:Sr47UkcI
#849 [向日葵]
一瞬、息が出来なくなった。
珊瑚君の鳴咽が聞こえる。
そしたら何故か……私も悲しくなった。
気がついたら涙が流れていて私も震えだしていた。
それに気づいた珊瑚君が、私の体を離して涙に濡れた目で私を見つめた。
珊瑚「なんで……お前が泣くんだよ。」
友姫「勝手に……涙が……。」
手で拭っても後から後からポロポロ落ちていく。
:07/07/03 10:08
:SO903i
:Sr47UkcI
#850 [向日葵]
すると珊瑚君が手を伸ばして私の頬に触れた。
でもまた躊躇っていて、手を下げようとしたけどその上から私が手を置いて離れないようにした。
温かい……。
胸に安堵感が広がっていく。
―――トクン……
『トクン?』
聞き慣れない音が聞こえた。
珊瑚「友姫……。」
安らかな気持ちに包まれて瞑っていた目を開けた。
:07/07/03 10:12
:SO903i
:Sr47UkcI
#851 [向日葵]
珊瑚君が見つめている。
その瞬間、私は息が止まりそうになった。
『何……コレ……。』
――トクン―トクン―
またあの音が聞こえてきた。それも速さを増して。
珊瑚君は躊躇いがちに顔を近付けてきて、ゆっくり顔を傾けると唇を優しく私の唇に押し付けてきた。
初めての体験に、私は目を開けたままだった。
好きじゃない人にキスされているのに、何故か嫌ではなかった。
そしてゆっくり目を瞑る。
:07/07/03 10:17
:SO903i
:Sr47UkcI
#852 [向日葵]
―――違うでしょ。
え……
目を瞑ってその声を聞く。
―――好きじゃない訳ないじゃない……。
誰?
―――私は……珊瑚君が好きなのよ!!!!!
私っ?!
――ドクン!!
私は目をまた見開いた。
目の奥でいくつもの光景が流れていく。
:07/07/03 10:21
:SO903i
:Sr47UkcI
#853 [向日葵]
[寛和珊瑚だ。]
[私は……珊瑚君が好きみたい……。]
[トンボ玉って言うの。珊瑚君は青ね!]
[ゴメン俺、独占欲強いから……]
[ホントに…珊瑚君が閉じ込めてくれればいいのに……]
[俺は友姫の傍にいるから……。]
[友姫!!]
走馬灯の中で名前を呼ばれた。
その時だった。
:07/07/03 10:26
:SO903i
:Sr47UkcI
#854 [向日葵]
キィィィィィ……ン
私は珊瑚君から離れて頭を抱えた。
友姫「あぁっ!あぁぁぁぁぁっ!!いっ……たい……っ!!」
珊瑚「友姫?!」
――大丈夫…。次に目が覚めたら……。
キィィィィィィィィィン
友姫「あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
音が一層増して脳を直撃する。
そしてプツッと聞こえたかと思うと、私は暗闇に襲われて倒れてしまった。
:07/07/03 10:30
:SO903i
:Sr47UkcI
#855 [向日葵]
珊瑚「友姫?オイ!友姫!!」
珊瑚君の必死に呼ぶ声が段々小さくなっていく。
頭で、私の声を最後に、私は事切れてしまった。
――大丈夫。次に目が覚めたら……。
きっと思い出すから……。
:07/07/03 10:33
:SO903i
:Sr47UkcI
#856 [向日葵]
:07/07/03 10:35
:SO903i
:Sr47UkcI
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