新☆きらきら
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#751 [向日葵]
階段を駆け上がってすぐに支度をする。

服を着替えた後、珊瑚君から貰ったネックレスをつけてまた下へ降りる。

階段の下では珊瑚君が待ってくれていた。

友姫「お待たせ!行こう!」

・・・・・・・・・・・・・・・

デパートについてから、直ぐに携帯売り場に行こうとしたら、繋いでいた手をクイッと引かれた。

友姫「?行かないの?」

珊瑚「友姫へのお祝いが先だろ?それからでいい。」

私は考えた。
なら、普段やらない事をしてみよう。

⏰:07/06/28 10:10 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#752 [向日葵]
友姫「プリクラ撮ろうよ!」

珊瑚「プリクラ……?」

眉間にシワを寄せてまるで「なんで?」と言うように私を見てくる。

私も秋帆に誘われない限りプリクラなんて撮らない。でもせっかくなんだし、珊瑚君と2人で撮ってみたい!

友姫「今日は私の日!!」

珊瑚君はまだ嫌そうだけど苦笑して「ハイハイ」と言った。

そしてエスカレーターでゲームセンターまで上がって行った。

⏰:07/06/28 10:14 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#753 [向日葵]
一言プリクラって言っても機械が色々。
いざ撮るとなってもどれがいいのかわからなかった。

まごまごしていると前に秋帆達と撮ったやつに似てるのがあって私はそれに入って行った。

珊瑚「俺わかんないから友姫が全部やってね。」

友姫「私も秋帆達任せだから詳しくはないんだよねー…。」

頭を一生懸命動かしながら画面をタッチしていく。
何パターンか撮るのとかあったけど、出来るだけ少ないのにした。

⏰:07/06/28 10:18 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#754 [向日葵]
友姫「出来た!珊瑚君、ここ見て!ハイ笑って!」

珊瑚「面白くないのに笑えるか。」

それは私もそうだけど……。
パシャ

写ったのは薄く微笑む私と無表情の珊瑚君。
それでも珊瑚君はモデルさんみたいに写っていた。

次のパターン。

友姫「どーする?」

珊瑚「普段通りでいいだろ。」

友姫「普段?」

⏰:07/06/28 10:22 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#755 [向日葵]
わからない私をほって、珊瑚君は私を抱き締めた。

友姫「普段じゃないよ!」

珊瑚「こんなの日常茶飯事だろ。」

パシャ

次に撮れたのは意地悪そうに笑う珊瑚君に抱き締められてうろたえる私。

友姫「真面目に撮ろうよ!」

珊瑚「こんなの真面目に撮ってどうする。」

ごもっとも。

珊瑚「これなら文句ないか?」

と言って肩を持って抱き寄せる珊瑚君。

⏰:07/06/28 10:26 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#756 [向日葵]
これならそれなりだ。
私は珊瑚君にもたれて笑う。

パシャ

これがさっきの2枚より1番いい。

仲良さげなカップルに見える。
実は少しこんなのが憧れだったりしていたのだ。

「次がラストショットだよー♪」

陽気に機械が告げる。

友姫「最後どうす」

と珊瑚君の方を向いた瞬間、口を塞がれた。

パシャ

「ありがとうー☆オレンジの落書きコーナーに移動してね♪」

⏰:07/06/28 10:30 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#757 [向日葵]
まだ、私の唇は解放されない。

ようやくゆっくり離れて、珊瑚君がまた意地悪そうに笑った。

珊瑚「オレンジだって。」

荷物を持って私の手を引く。

友姫「ふいっ…打ちは……禁止!」

やっと出た言葉は途切れ途切れだ。
まだ、珊瑚君の一挙一動には慣れない。

違う。慣れることが出来ない。

⏰:07/06/28 10:33 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#758 [向日葵]
珊瑚「不意の方がいいのが撮れる。」

そう言って落書きコーナーの暖簾をペラッと捲る。

落書きするのはいいけど……キスプリをアップで見るのは恥ずかしい……。

恥ずかしさに耐えて落書きを終え、只今プリント中。

友姫「もし次撮る時があったらちゃんと了承を得てね…。」

珊瑚「ふーん……。じゃあもう1枚撮る?」

「珊瑚君って何気にSだよね……」なぁんて言葉は出かかったけど言えなかった。
言ってしまうとまた意地悪な顔をして無言でまた連れて行かれる気がしたから。

あまりドキドキさせないで欲しい……。

⏰:07/06/28 10:39 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#759 [向日葵]
カタン

シールが落ちてきた。

2人なんでサイズが少し大きい。

……とりあえず切ろう。

ハサミがあるトコまで言ってシールを切る。

珊瑚「これどうすればいいの?」

友姫「私達は携帯に貼ったりスケジュール帳に貼ったりするよ。」

2人寄り添うプリクラを携帯の裏に貼った。
満足満足♪

⏰:07/06/28 10:46 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#760 [向日葵]
*****************

キリます

よければ感想ください

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⏰:07/06/28 10:47 📱:SO903i 🆔:PgH5WvZU


#761 [向日葵]
友姫「珊瑚君も貼ろうよ!」

珊瑚「キスしたのをか?」

友姫「ちっ違うよ!私と同じやつ!!」

珊瑚君はクスクス笑いながら同じのを切り取った。

珊瑚「あ、俺携帯代えるから貼っちゃダメだ。」

友姫「じゃあお財布の中に入れてて後で貼ってね。」

珊瑚「ハイハイ。じゃぁ携帯売り場に行こうか。」

・・・・・・・・・・・・・・

珊瑚君が携帯を代えている間、私は新発売されている携帯のサンプルを見ていた。

なんか私も代えたくなってきたなぁ……。

⏰:07/06/29 12:50 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#762 [向日葵]
でも今珊瑚君の家に居候になっている間はそんな贅沢も言ってられないし。
あともう少ししてからにするしかないかぁ……。

と私は携帯を取り出してさっきのプリクラを見ていた。

『なんか私、幸せそうに笑ってるなぁ…。』

幸せじゃないからそんな事を思ってるんじゃなくて、幸せすぎて笑いすぎてるからバカみたいに写ってるのでそう思った。

ま、いっか。

携帯をカバンにしまおうとした時、手元が狂って携帯を落としてしまった。

カシャーン

携帯は少し離れた所まで飛んで行ってしまった。

⏰:07/06/29 12:54 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#763 [向日葵]
『あ゛―――…傷がつくー…。』

拾いに行こうと一歩踏み出した瞬間。
男性が携帯を拾ってくれた。

「どうぞ。」

友姫「あ、ありがとうございます。……あの?」

携帯を受け取ろうとしたら、男性はその手を引っ込めて私の携帯を見ていた。

どうやらプリクラを見ているらしい。

友姫「あのー!」

すると男性はハッとして私を見た。

「珊瑚……ですか?コレ。」

⏰:07/06/29 12:59 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#764 [向日葵]
『え……』

友姫「珊瑚君を、お知りなんですか?」

男性の年齢は40代中盤くらい。に見えるけどとてもカッコイイ。
でもどこかで……。

珊瑚「友姫。終わった」

友姫「あ、珊瑚君……。!」

振り向いて珊瑚君の顔を見た瞬間、すごく怖かった。
そこまで嫌悪感に見舞われた目をする珊瑚君を初めて見た。

しかも私じゃない。

睨んでいる相手は男性だ。

⏰:07/06/29 13:03 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#765 [向日葵]
珊瑚「友姫。行くぞ。」

私の手を乱暴に掴んで珊瑚君は歩き出した。

友姫「え、あの、さ……。」

手にすごく力が入っている。痛いとは言えなかった。珊瑚君が怖くて……。

ひたすら歩いて着いた場所は、珊瑚君が誕生日の時訪れた公園だった。

木陰まで来て、一旦止まった。

珊瑚君はまだ此方を見ない。

私が他の人と喋ってたから?私何か悪いことした?

お願い。何か喋って珊瑚君。怖いよ……。

⏰:07/06/29 13:07 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#766 [向日葵]
強く握られた手から、嫌悪感が伝わって来て私じゃないのに悲しくて辛い……。

友姫「さ……。」

そこで珊瑚君はようやく我に帰ったのか、バッと私の方を振り向いた。

珊瑚「友姫?!どうした!」

私は涙を流していた。

いつになく怖い珊瑚君を見てしまって、なんだか遠くて涙が流れた。

珊瑚「ゴメン。手、痛かったか?」

私はブンブン首を振り、珊瑚君に抱きついた。

⏰:07/06/29 13:11 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#767 [向日葵]
ギュウッと抱きついて珊瑚君がいつもの珊瑚君に戻ってくれるよう祈った。

でも心配は無用だった。

珊瑚君は優しく包んでくれて、大きい手で背中をさすってくれた。

背中を行き来する度に私は安心していった。

いつもの珊瑚君だ。

珊瑚「友姫。さっきのなんだけど……。」

私は何も言わず珊瑚君の胸でコクコク頷いて次の言葉を待った。

珊瑚「あの男……





父さんなんだ。」

⏰:07/06/29 13:16 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#768 [向日葵]
私は瞑っていた目を見開いて珊瑚君を見た。

珊瑚君の目にはまださっきの嫌悪感が残っていた。
それを取り除いてあげたくて、そっと珊瑚君の顔を両手で包んだ。

珊瑚君は包まれた瞬間目を瞑って私の肩に頭を乗せて私をギュッと抱き寄せた。
私は珊瑚君の気が治まるまでずっとじっとしていた。
周りでは子供達が力一杯走り回っている。

―――――……

壊れてしまいそうな珊瑚君と手を繋ぎながら家まで帰った。

⏰:07/06/29 13:21 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#769 [向日葵]
門前まで来ると、珊瑚君は手をギュッと握って私の進む足を止めた。

友姫「?」

珊瑚「誕生日なのに、こんなことになってゴメン。」

申し訳なさそうに謝る珊瑚君に、私は微笑んで安心させようとした。

友姫「大丈夫。楽しかったよ。プリクラだって……。あ!」

携帯……あの男性、珊瑚君のお父さんが持ったまんまだ。

その時だった。

珊瑚母「帰って!!」

⏰:07/06/29 13:25 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#770 [向日葵]
その声に驚いた私達はすぐに家の方へ目を向けた。

友姫「お母さん?」

珊瑚君は無言でツカツカ歩いてドアを開けた。

バンッ!

珊瑚「母さんっ?」

目の前にいたのは半泣きになったお母さんと、玄関にたっていた

珊瑚君のお父さんだった。

珊瑚母「珊瑚……。」

珊瑚「帰れよ。」

低い声で珊瑚君が唸った。
どこかで見たと思ったら、珊瑚君にそっくりなんだ……。

⏰:07/06/29 13:29 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#771 [向日葵]
無言の攻防戦が続く中、珊瑚君のお父さんが口を開いた。

珊瑚父「お嬢さん。携帯お忘れですよ。」

ニコッて笑って携帯を差し出してくれた珊瑚君のお父さんに対して、珊瑚君はお父さんの手から私の携帯を勢いよく掴むと私に押し付け、ドアを開けた。

珊瑚「アンタの居場所はここじゃないだろ?出口はこっちだ。帰れよ。」

お父さんは困った様に笑い、珊瑚君の近くまで歩いて止まった。

珊瑚父「珊瑚。お父さんと暮らす気はないか。」

⏰:07/06/29 13:33 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#772 [向日葵]
耳を疑った。

珊瑚君も驚いている。

珊瑚父「私は今社長をやってるんだ。しかし跡取りがいなくてね。どうだい?」

珊瑚「てめっ……!」

友姫「珊瑚君ダメ!」

お父さんに殴りかかった珊瑚君を私は体一杯に止めた。

珊瑚君の息が荒い。

珊瑚「お前のせいで…母さんがどれだけ悲しんだと思ってるんだ…っ!」

珊瑚父「それはホントにすまなかったと思っている。だからこそ、その母さんを楽させる為に来ないか?」

⏰:07/06/29 13:40 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#773 [向日葵]
珊瑚母「それこそ私は嫌よ!」

私はこの場にいていいか迷ったけど、私がいなければ絶対珊瑚君はお父さんに飛びかかってしまう。

お父さんはフゥと息を吐くと一歩外へ出た。

珊瑚父「私はイエスと言うまで何度も来る。」

すると珊瑚君はすっと居間に入ったと思ったらすぐに帰ってきた。

手には何か箱みたいなのを持っている。
その正体が分かって止めようとした時には遅かった。

⏰:07/06/29 13:44 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#774 [向日葵]
友姫「珊瑚君だ」

ガスッ!
ズシャァァァァ……

お父さんに当たったのは塩を入れたケース。

玄関の床に雪の様に塩が積もる。

珊瑚「二度と来るな疫病神っ!!」

お父さんを無理矢理突き出すとバタンッ!!と大きな音を立ててドアを閉めた。

珊瑚君はドアノブを握り締めながら息をハァハァと荒く吐いている。

珊瑚母「友姫ちゃん。」

友姫「あ、ハイ。」

お母さんは疲れ果てた様に片手で顔を覆っていた。
声にも覇気がなく、いつものお母さんらしくなかった。

⏰:07/06/29 13:49 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#775 [向日葵]
弱々しく笑顔を見せると、お母さんは「ゴメンネ」と呟いて部屋へ行ってしまった……。

玄関に私と珊瑚君だけが残される。

珊瑚「……俺が」

その声に振り向くと、珊瑚君は未だドアの方を向いてうつ向いていた。

珊瑚「俺が養子に行けば…、アイツはもう来なくなって、母さん達にも迷惑かけなくて済むかな……。」

私は一瞬めまいがした。

友姫「本気で考えてるの……?」

珊瑚君は小さな声で「少し」と答えた。

⏰:07/06/29 13:55 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#776 [向日葵]
脳震盪を起こしたみたいに頭がくらくらする気がした。

友姫「珊瑚君がいなくなったら……その方が、お母さんは悲しむって…言ってたじゃない。」

珊瑚君はゆっくり私に視線を向ける。

友姫「私が止めても、結局は珊瑚君が決める事だし、私はよそ者だから、止めのもどうかと思う……けど」

そこで声が震えた。

珊瑚君が遠くに行ってしまったらもうきっと会えない。

⏰:07/06/29 13:59 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#777 [向日葵]
そう思うと……

顔を見られたくなくて顔を背けた。

珊瑚「友姫……?」

顎から滴が落ちる。

珊瑚君……私は……珊瑚君がいなくなったらどうすればいいの?

友姫「誕生日に……そんなセリフ聞きたくなかったよ……。」

私はそれを行って部屋まで駆け上がった。

珊瑚「友姫!」

珊瑚君の目の前で私は部屋のドアを閉めた。
そしてドアにもたれながらズルズル床に崩れ落ちる。

⏰:07/06/29 14:02 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#778 [向日葵]
珊瑚「友姫ゴメン!開けてくれ!!友姫っ!!」

本気か聞いた時、少しと答えた珊瑚君。
例えあれが少しも考えていないと答えていても不安はきっと消えなかった。

珊瑚君は優しいからお母さんや汰樹君の為に自分が犠牲になる。
それを知ってる。

だから悲しかった。

私は?
もう家族みたいなものなのに私はどうでもいいの……?

背後で珊瑚君がドアをドンドン叩いている。

私は涙が止めどなく溢れていた。

⏰:07/06/29 14:07 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#779 [向日葵]
すると強攻突破で珊瑚君が部屋にドォン!と入って来た。

その反動で腰を思いっきり打つ。

珊瑚君はゆらりと部屋に入ってくると私を見つけて目の前でしゃがんだ。
そして私の肩を掴んで揺らした。

珊瑚「話を聞けよ!確かに少し思った!けど確実に本気なわけじゃない!」

友姫「もういい!!これ以上悲しくなりたくないっ!!」
両耳を塞いで珊瑚君の声が一斎届かないようにした。

⏰:07/06/29 14:12 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#780 [向日葵]
すると珊瑚君は目をすっと細めて私の手を掴むとダンッと床に押し付けた。と同時に押し倒された。

珊瑚「聞くなら離すよ。」

本気で怒ってる。
でも……

友姫「いいから…っ。もう聞きたくないからっ!」

顔を珊瑚君から背けると両手でがっちり顔を掴まれて元に戻された。

珊瑚「いい加減にしてくれ。」

冷たい目でそう言うと珊瑚君が強く唇を押し付けて来た。

⏰:07/06/29 14:16 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#781 [向日葵]
友姫「ハァッ!さっ……やめ……!」

胸を押して止めさせようとしてもビクともしない。

これが男の人の力……。

そう考えてゾッとする間もなく、珊瑚君は私に考える隙を与えないかのように深くキスをする。

珊瑚「聞くなら止める。……さぁどうする?」

Tシャツの裾から少し手を入れながら珊瑚君が問いてきた。

びっくりして体が一瞬ビクッとする。
ダメだ。聞かなきゃ私……っ!

⏰:07/06/29 14:21 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#782 [向日葵]
怖い……っ!

友姫「き……っくから……やめてっ……。」

泣きながら懇願するて、Tシャツから手を抜いて、顔を包んでいた手は優しくなり、冷たい目は温かないつもの目になった。

珊瑚君は涙を拭うように目元、頬に唇を触れて、最後に優しくキスをしてくれた。

そして頭を優しく撫でてくれる。

珊瑚「怖がらせてゴメンナ。」

起こしてくれると、私の体を包んで子供をあやす様にポンポンと背中を叩いてくれた。

⏰:07/06/29 14:26 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#783 [向日葵]
私はまだ涙が流れていたけど珊瑚君の胸元に顔を埋めて心臓の音を聞いていた。

トクン――トクン―――

安らぐ。
大丈夫。そんな気がした。

珊瑚「さっき言った通り。確実な本気じゃないよ。だから心配しなくていい。俺は友姫の側にちゃんといるから……。」

そう言って珊瑚君の頬と私のおでこがくっつく。

それがまた私を安らぎへと誘う(いざなう)。

友姫「ホントに……?」

珊瑚「あぁ。」

⏰:07/06/29 14:30 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#784 [向日葵]
***************

キリます

感想よければください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/06/29 14:32 📱:SO903i 🆔:bg/rI5TA


#785 [ゆき]
この小説大好きー
スペースおかりします
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900

⏰:07/06/30 00:47 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#786 [向日葵]
ゆきさん

友姫と名前同じですね
安価ありがとうございます

⏰:07/06/30 00:57 📱:SO903i 🆔:9MGqM2SY


#787 [向日葵]
更新は夜中にします

⏰:07/06/30 21:06 📱:SO903i 🆔:9MGqM2SY


#788 [向日葵]
友姫「ホントにホント?」

珊瑚「あぁ。」

友姫「嘘ついてない?」

珊瑚「何回同じ事言わせるんだ。」

そう言うと私の鼻をブニッとつねってきた。

友姫「んむっ!」

私の反応に珊瑚君は面白がって破顔した。
その表情を見てやっと大丈夫だと信じることが出来た。

友姫「また明日もデパート行かない?本屋さんみたい。」

珊瑚「分かった。」

⏰:07/07/01 01:12 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#789 [向日葵]
そう言って私は抱きしめあった。

嫌な事全て消し去ってくれる珊瑚君の腕は、まるで魔法のようにすばらしいものだった。

―――――……

あ……

またあの夢……

誰かが必死に叫んでる。

見覚えのある綺麗な顔立ち。脳を溶かすような低い声。

なのに分からない。

アナタハダレ?

⏰:07/07/01 01:15 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#790 [向日葵]
「――き……。友姫。」

ハッと目を覚ますと目の前には珊瑚君がいた。

珊瑚「眉間にシワ寄せてどうした?」

朝だ。

カーテン越しに光が差し込んでる。

友姫「夢……また見て。」

だけど今度はまったく覚えていない。
ただなんとなく嫌な感じがしたのは胸の奥に気持悪さが残っていたからかも。


友姫「あ!今何時っ?」

珊瑚「10時半だけど?」

⏰:07/07/01 01:23 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#791 [向日葵]
友姫「ゴメン!寝すぎだ!!着替える!」

珊瑚「ハイハイ。」

クスクス笑って珊瑚君は部屋から出て行った。

私はドレッサーの前に立って髪をとぐ。

その時なんだか胸がざわついた。
嫌な予感がする。

私に予知能力なんてない。でも今日は何かが起こる。

…………そんな気がした。

・・・・・・・・・・・・・・

本屋さんをうろうろしててもなんだか上の空だった。

⏰:07/07/01 01:28 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#792 [向日葵]
それでも珊瑚君に気づかれないように努めて、本をパラパラしていた。

本屋さんを出て、階段を降りていた時だった。

珊瑚「どうかしたのか?」

友姫「え?」

珊瑚「ぼーっとしてる。」

そうだった……。

この人エスパーだった……。

友姫「胸騒ぎが止まらなくて……。こんなのおかしいよね。」

⏰:07/07/01 01:31 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#793 [向日葵]
踊り場に着いた時、珊瑚君の足が止まった。

珊瑚「友姫の胸騒ぎは…間違いじゃなかったみたいだ。」

その険しい目線の先には………………

珊瑚君のお父さん……。

友姫「あ……。」

珊瑚父「やぁ珊瑚。それにお嬢さんも。」

私は深々と礼をした。
すると珊瑚君が私とお父さんの間に割って入る。

お父さんは距離を縮める為に一歩また一歩と階段を登ってくる。

⏰:07/07/01 01:35 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#794 [向日葵]
珊瑚父「返事は考えてくれたかな…?」

珊瑚「Noだ。」

珊瑚父「うろたえていたから、てっきりYesと言うかと思っていたよ。」

上辺はにっこりしているお父さんだけど……目が笑っていない。

珊瑚父「手段は選ばないよ。そのつもりだ。……ところでなんとかは千尋の谷に落とすと言う言葉はご存知かな?」

珊瑚君も私も何が言いたいか分からず顔をしかめる。

⏰:07/07/01 01:42 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#795 [向日葵]
お父さんはゆっくりと珊瑚君に近づいて来た。

珊瑚父「たまには……温かい人生よりも」

そう言った途端、お父さんの目つきが豹変した。

珊瑚父「痛い思いをした方がいいよ。――――――色んな意味でね…。」

ハッ!!

珊瑚君は気付いたけど遅かった。

なんとお父さんが、珊瑚君を突き飛ばしたのだ。

宙に浮かび、下の床へと落ちて行こうとする珊瑚君の体。

⏰:07/07/01 01:48 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#796 [向日葵]
とっさに手を伸ばして珊瑚君の体を私は包んだ。
私も一緒に地面へ落下していく。

なんだかスローモーションのようだ。
そして激しい衝撃が私の頭を突き抜けたと思うと、もう目が開けられなくなってしまった。

珊瑚「……っ!!友姫?!友姫っ!!!」

珊瑚君の腕が私を包む。

あぁ……好きだなぁ……。

珊瑚君。大丈夫よ。
ちょっと頭が痛いだけ。すぐに目を開けるから。

⏰:07/07/01 01:52 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#797 [向日葵]
そんなに悲しい声をあげないで。

大丈夫。大丈夫だから。

手をあげて、その顔を触りたかった。
でも神経が言うこと聞かなくて、まるで動かし方を忘れてしまったみたいで……。

ゴメンネ。安心させてあげられない。

まだ名前を呼び続ける珊瑚君の声が遠ざかって行く。私の頭は真っ白に包まれて行く。

あぁ……またあの夢を見てしまうの?

⏰:07/07/01 01:55 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#798 [向日葵]
**bP6 無**

あぁ……眠たい。

今日は何曜日だろう。
まだ寝ててもいいかな?

だって母さんが起こしに来ないもの。
携帯のアラームも鳴ってないみたい。

でもなんだか目が覚めちゃった。
目を開けよう。

私はゆっくりと瞼を開ける。
見た事がない真っ白な天井。
ココはどこ?
頭に微かな圧迫感。手を伸ばすと点滴が付けてあって少し揺れてカシャンと音を立てる。

⏰:07/07/01 02:01 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#799 [向日葵]
そして頭に触れた指先にはなんだかザラザラした手触り。
自分はコレを知ってる。

包帯だ。

すると私の手を優しく包む大きな手が出現した。

誰?父さん?

珊瑚「よかった……。目、覚めたんだな……。」

柔らかい笑顔を向ける顔の整った青年。

友姫「……あ」

ガラガラ

秋帆「友姫!!よかったぁぁっ。目覚ましたのね――――!!」

⏰:07/07/01 02:05 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#800 [向日葵]
律「心配したんだかんね!まったく……。」

秋帆と律は私をギュッと抱き締めた。
頭を気遣ってくれてるのか凄く優しく抱き締めた。

そこで私は疑問を口にした。

友姫「ねぇ…2人共。






そこの男の人は……誰?」

私が指指したのは紛れもなくさっき手を握ってくれた青年だ。

⏰:07/07/01 02:08 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#801 [向日葵]
秋帆と律は顔をこわばらせて私を見つめた。
青年は綺麗な目をこれ以上ないほど見開いていた。

秋帆「……え……。」

秋帆のかすれた呟きが、なんとか私の耳へ入って来る。

友姫「どうしたの?2人の知り合い?」

律「何を言ってるのよ……?!寛和は……っ」

友姫「寛和?」

本気で分からない私にようやく気付いたのか、3人共口を閉ざした。

珊瑚「俺……ちょっと……。」

⏰:07/07/01 02:13 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#802 [向日葵]
綺麗な青年は部屋から出ていった。

『なんて素敵な低い声だろー…。』

そんな事をぼんやり考えていた。

秋帆「さっきの男の子は、寛和珊瑚君。友姫の……恋人だよ…?」

それを聞いて私はびっくりした。
まさか?!この男の子に興味ない私が恋人だなんてっ!!!!

友姫「びっくりさせよーったってそうはいかないわよ?」

律「嘘じゃないわよ……。」

⏰:07/07/01 02:16 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#803 [向日葵]
悲しそうな真剣な顔をした2人を交互に見つめる。

『……え?』

私……どうしちゃったの?

・・・・・・・・・・・・・・

珊瑚「記憶……喪失ですか……。」

珊瑚は医師の元へ行っていた。
4文字の漢字が珊瑚をショックの谷へと落として行く。

医師「頭を強く打ち過ぎたんでしょう。よくあります。」

珊瑚「どうすれば……っ!!!記憶が戻るんでしょうか!!」

⏰:07/07/01 02:20 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#804 [向日葵]
医師「分かりません。何年後か……何十年後か……。何か、本人が印象に残ってる事でもしなければ……。」

『何十年後……。』

珊瑚はズボンを握り締めてうつ向いた。

言葉が……出なかった。

ガラガラガラ

医師のいる部屋から出た珊瑚は会いたくない人物を目にする。

珊瑚父「お嬢さんの……容態は……。」

座っていた長椅子から立ち、1mくらい離れた所で立ち止まった。

⏰:07/07/01 02:24 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#805 [向日葵]
珊瑚「お陰様で……俺を忘れてくれたさ。」

皮肉たっぷりな言葉に冷笑を浮かべ父の隣を通り過ぎた。

珊瑚父「私を!」

少し過ぎた所で珊瑚は立ち止まった。

珊瑚父「私を……警察に突き出すか……?」

珊瑚は前を見据えたまま話した。

珊瑚「そうだな……。それで無期懲役になればいいのに……。でももし、友姫に記憶が残っていたなら友姫はそんな事望まない。」

⏰:07/07/01 02:27 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#806 [向日葵]
それだけ言って、珊瑚はその場を立ち去った。

友姫の病室まで歩いて行くと、外には佳苗、暁、千歳がいた。

珊瑚「暁。」

珊瑚の方を向いた暁は、困惑した顔をしていた。
千歳も同様だ。
佳苗は顔を手のひらで覆っていた。
どうやら泣いてるらしい。

千歳「友姫ちゃん…俺らに“誰”とか言ってきたんだけど……。」

呆然と部屋を指差しながら千歳が呟く。

⏰:07/07/01 02:32 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#807 [向日葵]
珊瑚「あぁ…。知ってる。」

暁「珊瑚……お前…………。もしかして…。」

暁が言わんとしていることは分かっていた。
珊瑚はコクンと頷いた。
それだけで充分だった。

千歳「お前大丈夫かよ……っ!」

肩を掴み、揺らす千歳に、珊瑚はその手を振り払い、まるで苦痛に耐える様な顔をした。

珊瑚「大丈夫なわけ……ないだろ……っ。ふざけんな……。」

もどかしい気持ちが、珊瑚をイラつかせた。

⏰:07/07/01 02:35 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#808 [向日葵]
珊瑚は腕で顔を覆った。

珊瑚「ちょっと……1人にしてくれ……。」

そう言って、珊瑚はどこかへ行ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

珊瑚は誰もいない外へ出ていた。
手すりに手を置いて街並みをぼんやりと見つめた。

友姫[珊瑚君。]

笑う友姫が脳裏に浮かぶ。

友姫[私にも……珊瑚君を守らせて……。]

自分はどれほどその言葉に胸が震えただろう。

⏰:07/07/01 02:40 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#809 [向日葵]
手を……見つめる。

自分が触れる度、顔を赤らめて、だけど嬉しそうに笑う友姫。

細くて壊れそうな彼女を抱き締める度愛しさでいっぱいになった。





なのに。

友姫「この男の人……誰?」

無関心な友姫が、そこにはいた。

珊瑚「―――――っ!!」

⏰:07/07/01 02:42 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#810 [向日葵]
てすりを強く握り締めてしゃがむ珊瑚。

うつ向いた顔の鼻先からは、みるみる滴が落ちてコンクリートの地面へ染み込んでいった。

もう……友姫は戻らないかもしれない。

そう思うと哀しみで押し潰されそうになった。

珊瑚「……っ!……っっ!!!!」

声にならない鳴咽が、青空の下に響いた……。

まるで、そこにいない人の名を必死に呼ぶ様に。

⏰:07/07/01 02:46 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#811 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・

秋帆達が帰ってまた病室で私は1人となった。

窓の外を見つめながら考える。

ふわふわのカワイイ女の子。さわやかな男の子。メガネをかけて頭よさそうな男の子。


……そして、綺麗な男の子。

あの目を見開いた顔が残像の様に頭に浮かぶ。

何故そんな顔をするの……?

秋帆[恋人だよ……?]

⏰:07/07/01 02:50 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#812 [向日葵]
友姫「恋人……。」

単語を呟く。
事の焦点がまったく合わない。

私は…何を失っているの?
夏休み?なら何故母さん達は顔を見せてくれないの?
どうして?何故?

いくつもの疑問が頭をよぎる。

その瞬間。

友姫「――ぅあっ!!」

頭に激しい頭痛。
何コレっ!!

友姫「ぃ……痛っ……いっ!!」

⏰:07/07/01 02:54 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#813 [向日葵]
頭を抱えてベッドにうずくまる。

手探りでナースコールを探す。
それよりも頭痛の方が勝っている。

友姫「だっ……れか……っ!」

ガラガラガラ

珊瑚「友姫っ!」

あの男の子が帰ってきてうつ伏せで丸まっている私の背中にそっと手を置いた。

珊瑚「どうした!」

友姫「頭……っ痛……っ!」

⏰:07/07/01 02:57 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#814 [向日葵]
でも……

友姫「あれ……。」

痛くて固く閉ざしていた目をゆるゆると開ける。

友姫「痛く…なくなった……。」

珊瑚「そうか……。」

男の子の声は、ホントに安心しているかの様に聞こえた。
男の子の顔を見ると、なんだか目が赤い気がした。

友姫「目……どうしたんですか?」

男の子はハッとして顔を背けながらなんでもないと言った。

⏰:07/07/01 03:01 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#815 [向日葵]
そして沈黙が少し流れる。

友姫「あの……病院まで運んで頂いて…ありがとうございました。」

男の子はパイプ椅子を引きずってベッド近くまで寄せるとそれに座り「別に」と呟いた。

珊瑚「半分…いや、半分以上は俺のせいだから……。」

友姫「はぁ……。」

珊瑚「あ。友姫の母さん達に連絡してくる。」

友姫「駄目です!!」

私はさっきっまったく正反対の事を喋った。

⏰:07/07/01 03:05 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#816 [向日葵]
友姫「きっと心配かけてしまう……っ。だから……言わないでください……。」

全ては秋帆から聞いた。

母さん達は今仕事で遠くにいるのだと。
私は我儘を言ってこちらに残してもらったらしい。

……なのに。

友姫「お願いです……。」

心配をかける様な事を言ってはいけない。

男の子は立ち上がったがまた座った。
どうやら分かってくれたらしい。

⏰:07/07/01 03:08 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#817 [向日葵]
友姫「ありがとうございます…。……えっと…。」

珊瑚「珊瑚だ。あと敬語もいらない。」

友姫「珊瑚君。ありがとう。」

すると珊瑚君は頭を優しく撫でてきた。
私はやられるがままにされていた。

まるで仔猫にでもなった気分だ。

“恋人”

私はかつて、この人の何が好きだったんだろう。
なんで好きだったんだろう……。

⏰:07/07/01 03:11 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#818 [向日葵]
――――――……
数日後……


退院して、私は珊瑚君の家に帰ることになった。

タクシーに乗って、家を目指すのかと思いきや、珊瑚君が言った先は

珊瑚「あの近くにあるデパートまで。」

友姫「え?!帰るんじゃ……。」

珊瑚「買い物があるんだ。……先に帰るか?」

やっぱり忘れてしまっているとは言え、お世話になっている以上お手伝いしないわけには……。

友姫「いえ!行かせてもらいます!!」

⏰:07/07/01 03:18 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#819 [向日葵]
**************

今日はここまでにします

感想あればお願いします絡みOKですがそれは明日の朝お願いします

眠いんで(´▽`;ゞ)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/07/01 03:20 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#820 [向日葵]
更新については感想板を覗いてください

⏰:07/07/01 20:04 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#821 [我輩は匿名である]
>>1-100

⏰:07/07/01 20:51 📱:D902iS 🆔:wdHGZCTk


#822 [我輩は匿名である]
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700
>>700-800
>>800>>900

⏰:07/07/01 20:54 📱:D902iS 🆔:wdHGZCTk


#823 [向日葵]
我輩さん

安価ありがとうございました

⏰:07/07/01 21:27 📱:SO903i 🆔:vEcfZdV6


#824 [向日葵]
珊瑚「無理して付き合わなくてもいい。」

……それって私にどうしろと…

『なんかこの人よくわかんないなぁ……。』

友姫「い、一応行かせてもらいます…。」

珊瑚「そうか。」

そう言うと珊瑚君はドアのへりに腕をついて頬杖しながら外を眺めた。

私は気まずくなって、私も外を見た。

空はいつも通り青く澄み渡り、入道雲が所々にあって夏の風流だ。

⏰:07/07/02 16:46 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#825 [向日葵]
何も変わらない日常。

なのに一体何が変わってしまったんだろう……。

・・・・・・・・・・・・

ザワザワザワ

デパートについた。

友姫「どこに行くんですか?」

珊瑚「敬語。」

私は口元を「あっ」と隠して、訂正した。

友姫「どこに行くの?」

珊瑚「食料品売り場。友姫の退院祝いだから母さんが何か買って来いって。さぁいこ……」

⏰:07/07/02 16:50 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#826 [向日葵]
珊瑚君は手を伸ばして私の手に触れようとしたが、寸前で止まってスッと直してしまった。

そしてフイッとそっぽを向いてツカツカ歩いて行ってしまった。

『あ……そっか。私達恋人同士だったんだっけ。』

珊瑚君の背中を追いかけながらぼんやり考える。
後ろからさっき伸ばされた手を見つめた。

指が長くて大きく綺麗な手。
自分は記憶が抜け落ちてしまうまでこの手に守られて来たのだろうか……。

気付いたら無意識に珊瑚君の指先に触れていた。

⏰:07/07/02 16:58 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#827 [向日葵]
友姫「……あ。えと……。」

離そうとしても離れなかった。それどころか指先にさらに力が入っていく。

すると……

珊瑚「何してるんだ。」

穏やかな口調で私の指を離した。

離れた瞬間、どうしてか胸の奥がキンッと詰まった。

『何ショック受けてるんだろう私……。』

珊瑚君がカートをカラカラ押す横で私はとぼとぼ歩いた。
すぐ横にいるこの人は今や知らない他人の人。

⏰:07/07/02 17:02 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#828 [向日葵]
見えない大きな溝がいつの間にか出来てしまったんだ。

珊瑚「友姫。何が食べたい?」

ハッと顔をあげて考える。

友姫「え、えと、……。あ、じゃあタラコスパゲティ。」

珊瑚「了解。」

微笑んだ珊瑚君を見てなんだかホッとした。
緊張が少しほぐれる。

タラコスパゲティにいる材料を買ってから私達はデパートを後にした。

⏰:07/07/02 17:05 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#829 [向日葵]
珊瑚「タクシーまた拾うか。」

友姫「ウン。あ、荷物一つ持つ」

カシャン

何かが落ちた。

珊瑚「携帯、落としたぞ。」

友姫「あ、ホントだ……。?」

携帯の裏に何か貼ってある。プリクラ?

そこに写っていたのは幸せそうに笑う私と今私の隣にいる珊瑚君がいた。

私はそれをじっと見つめてから珊瑚君を見つめた。

なんとも言えない複雑な表情を珊瑚君は浮かべていた。

⏰:07/07/02 17:08 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#830 [向日葵]
珊瑚「……やっぱり歩いて帰るか。」

きびすを返してまた先に歩いて行ってしまった珊瑚君。
私は小走りで珊瑚君の隣についた。
記憶上に無い笑顔が貼られた携帯を握り締めて。

――――……

あの日から丁度1週間経った。
私の記憶の欠片はまだバラバラになったままだった。

それでも珊瑚君のお母さんや弟の汰樹君。
それに珊瑚君は優しく接してくれていた。

⏰:07/07/02 17:12 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#831 [向日葵]
それが逆に私の苦になっていった。

自分は何もあげれないのに優しさをくれり皆に申し訳なかった。

時折、病院に1回来たフワフワ少女とさわやかな男の子、優等生っぽい男の子が私を訪ねに来てくれた。

でもフワフワ少女は何かに堪えれなくなったかの様に度々居間を出て、それをさわやかな男の子が追って行った。

・・・・・・・・・・・・

暁「佳苗。泣くなよ……。」

佳苗「分かってるの……。でも……。」

⏰:07/07/02 17:17 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#832 [向日葵]
佳苗は悲しんでいた。

無関心な目を向ける友姫。

でもそれ以上に虚ろになってしまった珊瑚を見るのが辛かったのだ。

暁「これからこんなのが続くんだ……。だから頑張んないと。」

そう言って暁は佳苗を抱き締めた。

・・・・・・・・・・・・・

夜。

私は部屋の暗闇に包まれた天井を見つめていた。

隣では既に寝てしまった結女がスゥスゥ言ってる。

⏰:07/07/02 17:20 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#833 [向日葵]
眠れない。
ううん違う。
眠りたくない。

今眠れば良くない夢を見そうで怖い。

しかし意に反して瞼が閉じて行く。
闘ってみるものの強制的に視界を闇が包んでいった。
――――
―――――……

真っ白な空間。
私は……どうなっているんだろう……。

『あ……誰かいる。』

知ってる。あれは

友姫「珊瑚君…。」

⏰:07/07/02 17:27 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#834 [向日葵]
―ワスレタクナイ―
何を?

―アノ穏ヤカナ低イ声―
何で?

―大好キナノ―
誰が?

―……君―
え?

すると突然。

キィィィィィ・・・・ン

耳鳴りの様な音が脳に響く。

友姫「ぅあぁ……っ!やだ……っ!!」

知ってるこの夢。
前も見た事があるの。

それは…………いつ?

⏰:07/07/02 17:31 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#835 [向日葵]
―――ご君。

泣いてる。

――さ…ご君。
何を言ってるの?

泣いてるのは誰?

――――珊瑚君っ!!

私っ?!

キィィィィィィィ・・ン

音が更にきつくなる。

友姫「あ゛ぁっ!!あぁぁぁっ!!」

耳を塞ぐ様にして頭を抑える。
突き刺す様な痛みに襲われる。

⏰:07/07/02 17:34 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#836 [向日葵]
―――
――――……

友姫「はぁっ!!」

目をバッと開く。
でもまだ視界は闇。

いやでも天井が見える。

友姫「はぁっ!はぁっ!」
無意味に息があがる。
でも止める事が出来ない。痛みの余韻が残ってるのか頭が重い気がする。

起き上がってベッドを出る。

『水でも飲もう……。』

⏰:07/07/02 17:38 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#837 [向日葵]
トン……トン……

なんだかフラフラする。
居間について電気を付ける。
一旦座りたくなってソファに座った。

汗をかいていたので窓を開ける。
夏の虫の音と共にそよ風が入ってくる。

そこでやっと落ち着いた。
『さっきの夢……私は何で見たことあったんだろ。初めて見たハズなのに……。』

カチャカチャカチャ

玄関の鍵を開ける音が聞こえた。

⏰:07/07/02 17:42 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#838 [向日葵]
ガチャ……バタン

トタ…トタ……

珊瑚「友姫。何してんだ?」

友姫「あ、珊瑚君。おかえりなさい。」

珊瑚「あぁ。」

珊瑚君はそのまま部屋に戻ろうとしていたが、それを止めた。
私が。

友姫「あ、あの!」

足を止めた珊瑚君は穏やかでもどこか冷たい目を私に向けた。

珊瑚「何?」

⏰:07/07/02 17:46 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#839 [向日葵]
そんな顔しないで……

また胸の奥が痛くなる。

友姫「あ……あの……。えと……。」

またあの夢を見るのが怖い。だからせめて落ち着くまで一緒にいて欲しい。
そう思った。

でも……

時計をチラッと見ると午前3時。
珊瑚君はバイト帰りだし疲れているのかもしれない。

友姫「なんでもありません……。おやすみなさい…。」

⏰:07/07/02 17:49 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#840 [向日葵]
珊瑚君から視線を外し、窓の方を向いて体育座りしている自分の足を見つめた。

しばらく静寂が続く。

いつの間にか珊瑚君は部屋に戻ったのかもしれない。
そんな事を思っていると

ギシッ

ソファーの揺れに横を向いてみると、珊瑚君がそこにはいた。

珊瑚「なんかあったのか?」

私ではなく、窓を見ながら聞いてくる。

⏰:07/07/02 17:52 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#841 [向日葵]
****************

一旦キリます

感想よければお願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/07/02 17:53 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#842 [¥]
>>1-150
>>151-300
>>301-450
>>451-600
>>601-750
>>751-900

出来てるかな??失礼しました。

⏰:07/07/02 22:01 📱:P903iX 🆔:PZ2FsAAc


#843 [向日葵]
¥さん

安価ありがとうございます

更新は明日の朝になります

⏰:07/07/02 23:03 📱:SO903i 🆔:KIVQQD6I


#844 [向日葵]
私は珊瑚君を見てからまた自分の足を見つめた。

友姫「怖い夢を見たんです。それも……見たことないのに、見たことある夢を。そしたらまた頭が痛くなって……。」

珊瑚君が黙って聞いてくれてる気配がする。
それを確認して、私はまた続けた。

友姫「また、目を瞑るのが怖いんです。激しい頭痛がしたり、悲しい気分になるのが嫌だから……。」

ピクッ

私の体が一瞬震えた。

それはそれは優しく珊瑚君が頭を撫でている。

⏰:07/07/03 09:45 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#845 [向日葵]
ゆっくり珊瑚君に視線を向けると、珊瑚君はハッとして手をどけた。

珊瑚「ごめん。……俺はもう寝る。お前ももう寝ろ。同じ夢はもう見ないだろうし。」

珊瑚君が立ち上がった瞬間私は手を伸ばして珊瑚君の手を両手で握った。
今度は離されないように。

友姫「もうちょっとココにいて下さいっ!」

珊瑚「やめてくれ……。」

友姫「…え?」

珊瑚君の顔がコチラを向くと、その顔は苦しそうにしていた。

⏰:07/07/03 09:53 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#846 [向日葵]
珊瑚「覚えてないのにそんな事しないでくれ。俺も軽率だった。前の友姫がそこにいる様な気がして同じ様に接したけど……。」

そこで珊瑚君は大きく息を吸った。

珊瑚「お前は……俺が好きでも何でも無いんだろ?」

珊瑚君は泣きそうな顔をした。
私はどう答えていいかわからなかった。

今まではどうしていたの?だって覚えてない。
分からないの。

……でも、そんな顔…しないで……。

⏰:07/07/03 09:57 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#847 [向日葵]
私は珊瑚君を引っ張って強制的に座らせた。

珊瑚「な……っ!」

驚く珊瑚君を余所におずおずと両手を伸ばした。

そして珊瑚君の顔を包む。

珊瑚君は目を見開いて私を見つめる。

そして私は珊瑚君の頭を包みこんだ。

珊瑚「友姫……やめろ……。」

私は辞めない。

珊瑚「頼むから……。」

⏰:07/07/03 10:00 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#848 [向日葵]
その頼みは聞けない。

沢山優しさをくれたのは知ってる。
恩返しをしなきゃいけない。それは分かってる。

でも……珊瑚君今

友姫「泣かないで……。」

珊瑚君の頭が小刻みに震えているのを腕で感じた。

私が覚えていないせいで彼を悲しませている。
だからせめてこの瞬間だけは……昔の私を思い出して…………。


珊瑚「―――っ!」

珊瑚君は腕をきつく回して私を抱き締めた。

⏰:07/07/03 10:04 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#849 [向日葵]
一瞬、息が出来なくなった。

珊瑚君の鳴咽が聞こえる。

そしたら何故か……私も悲しくなった。

気がついたら涙が流れていて私も震えだしていた。

それに気づいた珊瑚君が、私の体を離して涙に濡れた目で私を見つめた。

珊瑚「なんで……お前が泣くんだよ。」

友姫「勝手に……涙が……。」

手で拭っても後から後からポロポロ落ちていく。

⏰:07/07/03 10:08 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#850 [向日葵]
すると珊瑚君が手を伸ばして私の頬に触れた。

でもまた躊躇っていて、手を下げようとしたけどその上から私が手を置いて離れないようにした。

温かい……。

胸に安堵感が広がっていく。

―――トクン……

『トクン?』

聞き慣れない音が聞こえた。

珊瑚「友姫……。」

安らかな気持ちに包まれて瞑っていた目を開けた。

⏰:07/07/03 10:12 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#851 [向日葵]
珊瑚君が見つめている。

その瞬間、私は息が止まりそうになった。

『何……コレ……。』

――トクン―トクン―

またあの音が聞こえてきた。それも速さを増して。

珊瑚君は躊躇いがちに顔を近付けてきて、ゆっくり顔を傾けると唇を優しく私の唇に押し付けてきた。

初めての体験に、私は目を開けたままだった。

好きじゃない人にキスされているのに、何故か嫌ではなかった。
そしてゆっくり目を瞑る。

⏰:07/07/03 10:17 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#852 [向日葵]
―――違うでしょ。

え……

目を瞑ってその声を聞く。

―――好きじゃない訳ないじゃない……。

誰?

―――私は……珊瑚君が好きなのよ!!!!!

私っ?!

――ドクン!!

私は目をまた見開いた。

目の奥でいくつもの光景が流れていく。

⏰:07/07/03 10:21 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#853 [向日葵]
[寛和珊瑚だ。]

[私は……珊瑚君が好きみたい……。]

[トンボ玉って言うの。珊瑚君は青ね!]

[ゴメン俺、独占欲強いから……]

[ホントに…珊瑚君が閉じ込めてくれればいいのに……]

[俺は友姫の傍にいるから……。]

[友姫!!]


走馬灯の中で名前を呼ばれた。
その時だった。

⏰:07/07/03 10:26 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#854 [向日葵]
キィィィィィ……ン

私は珊瑚君から離れて頭を抱えた。

友姫「あぁっ!あぁぁぁぁぁっ!!いっ……たい……っ!!」

珊瑚「友姫?!」

――大丈夫…。次に目が覚めたら……。

キィィィィィィィィィン

友姫「あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

音が一層増して脳を直撃する。
そしてプツッと聞こえたかと思うと、私は暗闇に襲われて倒れてしまった。

⏰:07/07/03 10:30 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#855 [向日葵]
珊瑚「友姫?オイ!友姫!!」

珊瑚君の必死に呼ぶ声が段々小さくなっていく。
頭で、私の声を最後に、私は事切れてしまった。

――大丈夫。次に目が覚めたら……。





きっと思い出すから……。

⏰:07/07/03 10:33 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#856 [向日葵]
****************

キリます

さてここでお知らせです……。

長きに渡って書いてきました「新☆きらきら」

次をもって……最終回にさせていただきます

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/07/03 10:35 📱:SO903i 🆔:Sr47UkcI


#857 [向日葵]
幸せが溢れた。

こんな気持ちをくれたのはたった1人だけ。

忘れても尚、気持ちが片隅に残っていたの。

だからもう一度、この手を掴んでください……。




新☆きらきら
**Last ずっと…**

⏰:07/07/04 16:44 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#858 [向日葵]
眩しい……。

自分が光に包まれているのが分かる。

温かくて心地いい。

これは……似ている。

なんだっけ……。

あ…分かった。
珊瑚君の腕の中。

早くあの穏やかな目がみたい。その奥に隠されている優しさを覗きたい。
大好きなあの笑顔を見たい。硬い胸に飛込みたい……。

―――
―――――……

⏰:07/07/04 16:48 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#859 [向日葵]
ゆっくり目を開ける。

最初は焦点が合わなかった。その内段々視界が明瞭になってきてわかりだした。

『……天井…?』

見慣れない天井が見えた。

そうだ私……確かデパートで珊瑚君を助ける為に落ちて……。

あれからどれくらい眠ったんだろう。
体の節々が鈍ってるせいか痛い。

『時計…。』

時計を探すのに首だけを動かした。
と、そこには壁にもたれて、まるで銅像のように椅子に座って寝ている珊瑚君がいた。

⏰:07/07/04 17:00 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#860 [向日葵]
『良かったぁ…。無事だったんだね……。』

綺麗な顔には傷ひとつない。組まれた腕や手にも何ひとつ。

肌触りのよさそうな手そのものだ。

ギシギシ言う手を伸ばして、その手に触れようとした。

……届かない。

友姫「さ……ごく……。」
かすれて囁く様な声しか出ない。
でも充分だったみたい。

珊瑚君が小さくピクッとして目を開けた。

⏰:07/07/04 17:06 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#861 [向日葵]
視線はそのまま私に向けられる。

珊瑚「……っ!!友姫!!」

珊瑚君は寝転んだままの私を力一杯に抱き締めた。

珊瑚「友姫…良かった……友姫……。」

泣き出しそうな声で、珊瑚君は何度も私の名前を呼んだ。と思ったらそろそろと体を離していった。

珊瑚「……ゴメン。つい…。」

友姫「何?どうかしたの……?」

かせれて未だ上手く声を出せないけど、私の言葉に耳を傾けた珊瑚君はなんだか目を輝かせていた。

⏰:07/07/04 17:11 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#862 [向日葵]
珊瑚「お前……。戻ったのか……?」

友姫「?意識の彼方からは戻ってきたけど?」

珊瑚君はそれは心臓が止まってしまう様な素晴らしい笑顔を見せると、また私を力一杯抱き締めた。

友姫「珊瑚君……?」

珊瑚「何でもない。いいんだ……。頼むから、今はこうさせて……。」

耳元でため息混じりにお願いされたら……。
一気に体温が上がっていく。

私の熱に気づいたのか、クスッと耳元で笑った珊瑚君は「ホントにいつもの友姫だ。」と嬉しそうに呟いた。

⏰:07/07/04 17:21 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#863 [向日葵]
コンコン

ノックが鳴った瞬間、私達は離れた。

「失礼します。東雲さーん。体温計りましょうね。」

看護婦さんから体温計を渡されて脇に挟む。

その間、珊瑚君はもとの体勢に戻って私を見つめている。

ピピ ピピ

電子音が鳴った。

脇から外して看護婦さんに渡した。

「ハイ。……ちょっとー……熱があるみたいだけど、お薬飲みますか?」

珊瑚君のせいだ……。

友姫「寝起きだからだと思います。なんで大丈夫です。」

「わかりました。では何かありましたらナースコール鳴らしてくださいね。失礼します。」

ガラガラガラ

⏰:07/07/04 17:32 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#864 [向日葵]
珊瑚君はクスクス笑っていた。

友姫「珊瑚君のせいよ…。私お薬嫌いなんだから。」

珊瑚「そりゃ好きな奴はいないだろ。」

上目づかいでジトッと珊瑚君を睨んだ。

それでも珊瑚君はニコニコ笑っている。

ずるい……。怒るに怒れない。

友姫「私どれくらい寝ていたの?」

質問すると、珊瑚君は笑顔を消して躊躇った表情を浮かべた。

⏰:07/07/04 17:35 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#865 [向日葵]
珊瑚「正式には2日。色んな事を無しにしたら2週間だな。」

友姫「……色々…って言うと……?」

珊瑚「色々だ。」

友姫「だから色々って?」

そこで珊瑚君はため息を吐いて私に近付いた。

珊瑚「また話す。」

友姫「今話してよ。」

珊瑚「我儘言うなら……。」

そこまで言うと珊瑚君の腕が私の頭の両側について、顔と顔との距離を近付けた。

⏰:07/07/04 17:44 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#866 [向日葵]
珊瑚「熱…上げられたいのか……?」

真近くにある綺麗な顔には抵抗なんて出来ない。
目を泳がす事も出来ず私は珊瑚君の吸い込まれる様な目を見つめるしかなかった。

友姫「困る……けどでもっ」

珊瑚「でも?」

珊瑚君の顔が更に近づく。話すと珊瑚君の吐息が顔にかかる。

友姫「私にだって……知っておきたいことくらいあるもの……。」

珊瑚「お前だから嫌なんだ。傷つくかもしれない。」

⏰:07/07/04 17:48 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#867 [向日葵]
友姫「それでも教えて欲しいって言ったら?」

珊瑚「……俺が前に言った事もう忘れたのか?」

友姫「……。」

珊瑚[どんなことでも傷ついて欲しくない。]

思い出したけど……。
心臓が跳ねまくる。

珊瑚「思い出したか出さないのか……?」

友姫「出したけど……。」

珊瑚「どうやら薬を飲みたいらしいな。」

その言葉を聞いた瞬間、身を硬くした。

⏰:07/07/04 17:52 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#868 [向日葵]
そしてギュッと目を瞑った瞬間。

珊瑚君の唇が私に押し付けられた。
驚いたのはもっと乱暴にされると思ったのに、優しくてなんだか丁寧だった。

それでも効果は抜群。
胸の奥がキューッと締め付ける。

珊瑚君の横にあった手は、いつの間にか私の顔を包んでいた。
その体温にすらクラクラする。

ようやく離れた時には息が上がっていた。
珊瑚君の顔に赤みがさしているのが珍しかった。

⏰:07/07/04 17:58 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#869 [向日葵]
***************

キリますね

続きは明日の朝にします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/07/04 17:59 📱:SO903i 🆔:J0JbWaF.


#870 [我輩は匿名である]
>>390-500
>>501-800
>>801-1000

⏰:07/07/04 22:19 📱:SH903iTV 🆔:☆☆☆


#871 [向日葵]
我輩さん
安価ありがとうございました

***************

私はその顔にそっと指先を触れた。

珊瑚君は私の手に自分の手を重ねて目を瞑った。

そこで私はあることを思った。

友姫「珊瑚君の…お父さんはどうしたの?」

珊瑚「……たぶんもう姿は見せないと思う。」

珊瑚君は私の掌に唇を押し付けて話す。掌に吐息と珊瑚君の唇の動きがくすぐったかった。

友姫「お話……しては駄目?」

そこで珊瑚君が険しい表情になる。

珊瑚「お前が進んで会いに行く必要はない。」

友姫「私は話したいだけだよ。」

⏰:07/07/05 09:33 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#872 [向日葵]
珊瑚「またお前がこんな目にあったら!」

友姫「約束したじゃない!」

そこで珊瑚君は口を閉ざして私を見つめた。

友姫「私にも…珊瑚君を守らせてって……言ったじゃない。だから私は珊瑚君を助けたの。……今のも同じ。珊瑚君の中で、お父さんの何かが引っかかっているなら……それを取り除いてあげたいの。」

珊瑚君は目を伏せる。
苦渋な顔をして考えているらしい。

私は珊瑚君の言葉を待つ為にその表情をじっと見つめる。最後に「お願い」と付けて念を押してみた。

⏰:07/07/05 09:39 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#873 [向日葵]
珊瑚君は中々声を発しない。

一旦私の側から離れて窓の外を眺める。
私は珊瑚君の服の裾をクイクイッと引っ張って意識をこっちに向ける。

友姫「珊瑚君だって約束してくれたでしょ?私を守ってくれるって。……なら一緒に行って私を守って?」

珊瑚君は私をしばらく見つめた。

沈黙が流れる。
その目は未だ不安と困惑で渦巻いている。

だけどやがて……。

珊瑚「約束したなら……仕方ない。」

⏰:07/07/05 09:44 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#874 [向日葵]
その渋々の許可に、私はホッとして微笑む。

珊瑚君は椅子をベッドに寄せて座り、手を伸ばして私のオデコに触れた。

珊瑚「ただし。ちゃんと回復してからだ。じゃないといくら約束でも会わせない。」

友姫「ウン。わかった。」

そう答えると珊瑚君はようやく納得したのか柔らかく微笑んだ。

珊瑚「もう少し寝てろ。」

友姫「充分寝たんでしょ。」

⏰:07/07/05 09:49 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#875 [向日葵]
真実を聞けない事に対してちょっと反抗してみる。

でも珊瑚君の方が一枚上手だった。

珊瑚「早く回復したくないのか?」

あの意地悪そうな笑顔を浮かべながら聞いてくる。
私はムゥッとして仕方なく眠る準備をした。

私が寝やすい様に珊瑚君は優しく頭を撫でくれた。
それがまた安らぎに変わっていく。
目がトロンとしていく。

友姫「頑張って…元気になるね……。」

珊瑚「そうでないと俺が困る。」

⏰:07/07/05 09:53 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#876 [向日葵]
私がフフッと笑うと、珊瑚君は唇を瞼に触れさせた。

それはまるで魔法みたいで、胸を温かくさしたと思うとすぐに眠気がやってきた。

珊瑚「おやすみ……。」

柔らかく心地いい低い声を最後に、私は眠りに落ちていった。

――――……

2日後。

無事に私は退院を迎えた。退院の日には秋帆達も来てくれた。

秋帆「もー!!アンタって子はぁぁぁっ!!」

佳苗「でもホントに良かったよ。」

⏰:07/07/05 09:58 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#877 [向日葵]
友姫「ホントに心配かけてごめんなさい。」

私はペコリと頭を下げた。

暁「まぁいいじゃない!なぁ珊瑚。今日の夜花火しねぇ?」

珊瑚「いいけど友姫はどうする?」

友姫「やりたいっ。」

千歳「じゃあ今から買いに行くか!」

っとここで私と珊瑚君はストップをかけた。

……そう。今日は……。

友姫「先約があるの。終わったら連絡するから。」

律「そう。わかった。」

⏰:07/07/05 10:02 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#878 [向日葵]
そして皆が行ってしまった後、近くの喫茶店へと向かった。

カランカラン

「珊瑚。」

声がした方を向くと、珊瑚君のお父さんが奥の方の席で座っていた。

私達はそこへ向かって席に着いた。

珊瑚父「この度は……ホントに申し訳ありませんでした。」

友姫「いいえ。もう元気になりましたから…。」

そしてまたしばらく口を閉ざす。こちらからはあまり話さないでおこうと思っている。

⏰:07/07/05 10:06 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#879 [向日葵]
お父さんの考えを聞いてみたいから……。

珊瑚君は喋りたくないとでも言う様に足と腕を組んで下を向いていた。

そしてまたお父さんが口を開く。

珊瑚父「こんな事をして許してもらえないし、勝手だとは思いますが……。……珊瑚を養子に迎えるのを諦めてはいません。貴方は……お嬢さんは、どうお考えになりますか?」

「諦めてはいません」とお父さんが言った時、珊瑚君がお父さんを睨んだけど、テコでも喋りたくないのかまた視線を下に戻した。

⏰:07/07/05 10:10 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#880 [向日葵]
私は考えながら答えを述べる。

友姫「お父さんの仰っている事はよく分かります。けれど……お父さんは会社の為だけに珊瑚君を利用したいだけで…………。そこには、珊瑚君が息子として大事だと言う意図が見えないんです。」

お父さんは落雷を受けた様に顔を歪ませた。
しかし私は続ける。

友姫「先日、初めてお会いした時のお父さんは久しぶりの息子を懐かしんで、ちゃんとお父さんの顔をしていました。それならば……珊瑚君もまた、考えたと思います。」

⏰:07/07/05 10:14 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#881 [向日葵]
珊瑚君の視線が横から向けられているのが分かる。
まるで「俺は絶対にそんな事を考えない。」とでも言う様に。
だから私は急いで付け加えた。

友姫「そんな事を考えていたら、今度は私が泣いて止めると思いますけど……。」

それからは視線が来なくなった。

珊瑚父「それでも……珊瑚達の幸せを思うなら……」

友姫「失礼ですけど。」

私は遮る様に言った。

⏰:07/07/05 10:18 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#882 [向日葵]
友姫「幸せをと願うならば……珊瑚君達を置いて行かれる時、その幸せを思わなかったのですか……?」

お父さんは目を見開いた。

珊瑚父「あれは確かに……私の勝手でした……。」

友姫「それならば尚更、珊瑚君は貴方に渡す事はなりません。幸せは、本人が決めることですから……。」

私は珊瑚君に目を向けた。同時に珊瑚君も私に目を向ける。

友姫「元の関係と言うのは難しいと思います。けど、近い関係なら修復は出来ると思うんです。」

⏰:07/07/05 10:22 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#883 [向日葵]
そこでまたお父さんに目を向ける。

友姫「珊瑚君だって、完全にお父さんを嫌ってはいないと思うんです。……だって、元々は大好きな大好きなお父さんですもの。」

私は言葉を優しくした。
お父さんの目は珊瑚君に向けられる。

友姫「会社関係無しなら……分かり合うのもいいと思われます。お父さんも、それを望んでいるんではないですか?」

珊瑚君は黙ってお父さんを睨む。
後は2人の問題だから、私は黙って2人を見つめた。

⏰:07/07/05 10:26 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#884 [向日葵]
硬く閉ざしていた珊瑚君の口がゆっくりと開かれていった。

珊瑚「帰ってくることは許さない。母さんが嫌がるから。それだけは駄目だ。」

珊瑚父「あぁ……。それはしない。今の家族があるから。」

珊瑚「なら俺と仲良くする必要もないだろ。」

珊瑚父「……。子供は作らない事に決めていた。子供は……お前達だけと思ったから。」

珊瑚「意味が分からん。俺は修復するなんてしない。」

⏰:07/07/05 10:30 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#885 [向日葵]
そしてまた口を閉ざしてしまった。

珊瑚父「……そうだな。虫が良すぎる…。もう、無理なんだな……。」

お父さんはガタッと席を立った。

珊瑚父「会ってくれて、ありがとう。もう絶対姿を見せないから。」

そう言って立ち去ろうとした。

珊瑚君の横を通り過ぎる時、珊瑚君がまた口を開いた。

珊瑚「全くの他人でなら、時々会ってもいい。」

お父さんの足がピタッと止まる。

珊瑚「俺とアンタは家族と言う形ではもうつながっていないんだから。」

⏰:07/07/05 10:34 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#886 [向日葵]
振り向いたお父さんの目が輝いていて、また、出口に顔を向ける。

珊瑚父「あぁ……っ。ありがとう……。」

そしてお父さんは、喫茶店を後にした。

私達はしばらく何も話さなかった。
珊瑚君はいつの間にか私の手を握り締めていた。

きっと、最後の言葉を口にする時に、勇気がいったんだと思う。

珊瑚「憎しみが大半を占めていたけど…。」

珊瑚君が静かに言った。

珊瑚「ホントは嬉しかった部分もあったんだ……。」

⏰:07/07/05 10:38 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#887 [向日葵]
***************

キリます

感想あればお願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2201/

⏰:07/07/05 10:38 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#888 [向日葵]
更新は明日の夕方にします

⏰:07/07/05 22:41 📱:SO903i 🆔:UpYnC7f.


#889 [向日葵]
更新情報は感想板に書いてるんで見てください

⏰:07/07/06 19:57 📱:SO903i 🆔:Q89zPevE


#890 [向日葵]
友姫「ウン。」

分かるよ。

珊瑚君は、お父さんが大好きだったんだもんね……。

すると珊瑚君は私の目をジッと見つめてから肩に頭を置いてきた。

サラサラの髪の毛が顔に当たる。

珊瑚「側にいてくれて…ありがとう……。」

その頭の上に頭を乗せて、私は何も言わず微笑んだ。

良かった……ホントに……

*************

喫茶店を後にした私達は律の連絡によって海へ行くことにした。
海って言っても電車で3駅先だ。

友姫「日焼け止め持ってないのに……。」

珊瑚「焼けてしまえ。お前は白すぎだ。」

⏰:07/07/07 09:43 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#891 [向日葵]
友姫「私焼けないの。赤くなって終わり。」

だから焼けるよりもタチが悪い。
ヒリヒリして痛いし……。

友姫「それに年重ねるごとにシミになっちゃうんだよ…。そんなのヤダ!」

珊瑚「別に気にしなくてもいいだろ。俺が気にしないんだから。」

友姫「え……。」

それは……プロポーズですか……?

珊瑚「何。」

友姫「いや、あの……さっきのはどーゆー意味かなぁ……って。」

⏰:07/07/07 09:47 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#892 [向日葵]
珊瑚「どーゆーって……何が引っかかってるんだ?」

友姫「もういいです……。」

やっぱり無意識なんだ……。天然王子様流石です。

心の中で拍手を贈り、その話題は打ち切った。

「●●駅〜。●●駅〜。」
駅に着いた。

プシュー

出るともう潮の香りがした。それもそのハズ。
目の前はもう海なのだ。

友姫「わぁー!」

⏰:07/07/07 09:52 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#893 [向日葵]
見渡す限り
海、海、海!

太陽の光で水面がキラキラ輝いている。

友姫「珊瑚君!うーみー!!」

珊瑚「見れば分かるって。暁達探しに行くぞ。」

差し出された手を私は強く握る。

改札を抜けて、しばらく歩くともう砂浜に着いた。

ザクッ

友姫「うわぁ!」

珊瑚「友姫?!」

⏰:07/07/07 09:56 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#894 [向日葵]
コンクリートの硬さとは違う砂の感触に油断していた私は足を取られてしまった。

熱い砂浜にダイブする前に珊瑚君が体をキャッチして、そのままお姫様抱っこをした。

友姫「えっ?!えぇっ?!なんで!」

珊瑚「危なっかしくてその内にまた怪我されたら困るからだ。」

友姫「うぅ…。」

大人しく珊瑚君の腕に抱かれる。
こうされるのは、高2の時に白月君の蹴ったサッカーボールが頭を直撃した時以来だ。

⏰:07/07/07 10:02 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#895 [向日葵]
あれからもう1年が経とうとしている。

珊瑚君とはもっと長い間一緒にいる気がする。

それはそれだけ珊瑚君と一緒にいるせいだと思う。

この人の腕が、優しさが、笑顔が、想いが……
私を麻痺させるかの様に夢中にさせている。

この想いはきっと消えない。

珊瑚君もそうだったら嬉しい。
さっき電車の中での言葉がプロポーズだと言ってくれたら、私は涙が流れていたと思う

⏰:07/07/07 10:07 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#896 [向日葵]
珊瑚「いた。」

自分の世界から我に帰った私は周りを見渡す。

千歳「おーい!コッチコッチー…ってなんで友姫ちゃん運んでんのナイト様。」

珊瑚「安全確保。」

そう言いながら私をゆっくりと降ろしてくれた。

佳苗「それにしても夏休みだって言うのに皆ほとんどいないね。」

暁「ここって結構マイナーなトコだから知ってる人少ないんだわ。しかもここらは田舎だしなぁ。人が元々少ない!」

わぁ過疎化……。
でもその方がいい。海に来てるのに水着じゃなく服を来ていたらズレてる感じがして気が引ける。

⏰:07/07/07 10:15 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#897 [向日葵]
秋帆「ねぇ!足水に浸けようよ!」

暁「足?そんな控え目じゃいけないねぇ。なぁ?千歳。」

千歳「そうだな暁。」

2人はそう言って靴を脱ぐと「アチ、アチ」と言いながら海から離れて行く。

恵都「秋帆。ちょっとどいた方がいい。」

あ、三浦君居たんだ。(←酷い)

すると私の目の前を2つの影が疾風が如く通り過ぎ、その姿を追うと思いっきりジャンブする白月君と千歳君がいた。

⏰:07/07/07 10:21 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#898 [向日葵]
ジャボーン!!

そして海へ落下。

佳苗「暁ちゃん!」

律「直!」

暁・千歳「プハー!……ッハッハッハッハ!!」

まるで何かのCMみたいだ。私はただ唖然とその姿を見ていた。

律「ちょっと!着替えどうする気?!」

千歳「自然乾燥!」

暁「珊瑚と三浦も来いよ!あと女の子も!!」

一同「絶対ヤダ。」

⏰:07/07/07 10:27 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#899 [向日葵]
すると2人はニヤッと笑ってまず三浦君と珊瑚君を濡れた体で捕まえた。

珊瑚「オイこらっ!!」

暁「さーんごぉー。たまにはお前も……弾けなきゃな☆」

ドンッ!

珊瑚「おわっ!!」

友姫「珊瑚君!」

ザパーン!

水浸し珊瑚君の出来上がり……。
濡れた髪をかき上げて白月君を睨みつける。

恵都「ちょ、千歳、マジで止めろって!」

千歳「お前もたまにははしゃいでみろよ!!」

ザボーン!

⏰:07/07/07 10:32 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


#900 [向日葵]
恵都「ケホケホケホ!」

秋帆「恵都!大丈夫?!」

暁「心配してるのも今の内だよお嬢さん方……。」

あ、嫌な予感。

濡れた美男子4人がゆらりと立ち上がると

千歳「まぁ……同じ目に合ってもらいましょう!」

女の子「いぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

私達は一目散に砂浜を散らばった。

もちろん私を追ってくるのは珊瑚君。
しかし珊瑚君は走らない。

⏰:07/07/07 10:37 📱:SO903i 🆔:tW6zOkw2


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