黒蝶・蜜乙女
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#271 [向日葵]
セツナ「……困った。」
蜜「どうしたんです?」
セツナ「蜜がどこにいるか分からん。」
…………。
蜜「意外にセツナって抜けてますね。」
セツナ「黙れ。仕方ない。蜜、抱きつけ。」
セツナは少し身を屈めて私が抱きつける様にする。
私はセツナの胸らへんに抱きついた。
セツナ「よし。じゃあ行くぞ。」
ムニュ
:07/07/16 02:23 :SO903i :9Zw9K4o2
#272 [向日葵]
蜜「……どこを……触ってんですか……。」
セツナ「は?知るか。何だこの柔らかいもの。」
そーれーはぁぁぁ……
蜜「胸……なんですけど……。」
セツナ「はぁっ?!それはすまないな。……。でも蜜。お前意外にある」
蜜「さっさと飛べぇぇぇぇっ!!!!」
またもや言い終わらない内に叫ぶ。
家を出て即座に遥か上空へ。
:07/07/16 02:26 :SO903i :9Zw9K4o2
#273 [向日葵]
するていきなり私の姿が露になった。
蜜「あれ?れ?れ?何で?」
セツナ「風で鱗片が飛んだんだ。まぁここまでくれば誰の目にも止まらないさ。」
誰かが双眼鏡で空を覗いてない事を祈ろう。
ってか胸触られたー…。
いやもう鷲掴み?!しかも結構あるって何それ!!
私ひょっとしなくても無さそうに見えるってかぁ?!
セツナ「ク……ククク。」
蜜「なぁに笑ってるんですか?」
:07/07/16 02:33 :SO903i :9Zw9K4o2
#274 [向日葵]
セツナ「見事な百面相だな。花嫁殿よ。」
セツナは私のおでこをツンと小突く。
何?!何今の!!
バカップル特有の「コ〜イツゥ〜☆」みたいな!!
さぶいっ!!
セツナは更に笑う。
今の思った事が顔に出てるらしい。
セツナ「どうやら蜜は嘘がつけないタイプらしいな。」
蜜「人間正直が1番なんでね。」
刺々しく言ってもセツナは笑うだけ。
:07/07/16 02:38 :SO903i :9Zw9K4o2
#275 [向日葵]
セツナが青くなったり赤くなったりする言葉ってないのかしら……。
あぁ。青くなるのなら封印してる「大嫌い」がある。あれを言ってまた逃亡されては困るから私は言わないでいる。
その代わりに馬鹿を連発してるけど、言う回数はセツナの方が遥かに多い。
……そんなに馬鹿じゃないもん。
セツナ「何を考えてるんだ?さっきからだんまりだけど。」
蜜「誰かさんが可愛く見える方法。」
:07/07/16 02:42 :SO903i :9Zw9K4o2
#276 [なつ]
:07/07/16 02:47 :D902iS :nhBRyTM.
#277 [向日葵]
セツナはアハハハと華麗に笑った。
セツナ「可愛く見えても仕方ないだろ。いつだって女の方が可愛らしくなくてはなぁ。」
蜜「好きな人の可愛らしいトコを見たいのは当然だと思うんですがねぇ。」
セツナは笑いながらクシャクシャ頭を撫で回す。
セツナ「ホラ着いたぞ。」
山のふもとに着地。
前来た時は暗かったから分からなかったけど意外に山の中は明るいみたい。
蜜「何をするんです?」
セツナ「山を探索するんだ。いいだろ?」
:07/07/16 02:49 :SO903i :9Zw9K4o2
#278 [向日葵]
なつさん
安価ありがとうございます
――――
――――
まぁ別に悪くないけど……。
セツナ「仲間がいるんだ。紹介する。」
セツナは私の手を引いて山中へ連れて行った。
蜜「仲間って?」
セツナ「風達みたいなものだ。なんせ山は自然物が集まる場所だからなぁ。」
風達ってことは……妖精さん達再び?!
私も平凡ライフから切り離れたもんだなぁ……。
:07/07/16 02:54 :SO903i :9Zw9K4o2
#279 [向日葵]
「あら?セツナ様?」
頭上から鈴の音の様な綺麗な声が。
見上げると長い髪が規則正しくウェーブして淡い緑色をして、格好は女神様の様な美人がいた。
セツナ「緑か。」
蜜「緑?」
セツナ「緑の精だ。」
セツナが説明すると、美人さんがゆーっくり降りてきて音も無く着地する。
よく見れば足首に輪っかを2、3個付けている。
緑「こちらは……風達が噂していた…。」
:07/07/16 03:00 :SO903i :9Zw9K4o2
#280 [向日葵]
セツナ「あぁ。蜜乙女だ。」
ムッ。なんで蜜として紹介してくれないかな。
緑(の妖精)さんはフンワリ笑うと服の裾を指先で持ってまるでお姫様みたいにお辞儀をした。
緑「初めまして。お目にかかれて光栄です。」
蜜「いいいえ!こちらこそっ!!」
慌ててお辞儀仕返す。
すると緑さんは深刻そうな顔をした。
緑「セツナ様。先に、あの方達が見えてます。お気を付けなさって下さいまし。」
:07/07/16 03:05 :SO903i :9Zw9K4o2
#281 [向日葵]
セツナの顔が嫌悪で一杯になる。
セツナ「チッ。お前達も余り姿を見せるな。今日は俺が来たからアイツらも下手な真似は出来ない。」
さっきからなんの話してんだろう。
全く蚊帳の外だ。
セツナに「何?」と目で訴えてみると
セツナ「説明するのには、お前にはまだ早い。だから気にするな。」
ちょっと携帯会社のCMじゃないんだから教えてくれてもいいじゃないかぁっ!!
セツナ「じゃあな緑。」
緑「お気を付けて…。」
:07/07/16 03:11 :SO903i :9Zw9K4o2
#282 [向日葵]
セツナに手を引かれながら私は緑さんを振り返った。
蜜「ま、また会いましょうねー!」
緑さんはキョトンとしていたけど、やがて満面の笑みを溢すと静かに消えていった。
さっきの事が頭から離れない。「アイツ」って何?
セツナをチラリと見るけど山の中をずんずん歩いていく。
『今はこれっぽっちも教える気は無いみたい……。まぁ……秘密の1つや2つはあるでしょうけどね……。』
:07/07/16 03:16 :SO903i :9Zw9K4o2
#283 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/07/16 03:18 :SO903i :9Zw9K4o2
#284 [Ayumi]
とてもおもしろいです
更新頑張って下さい(`ノノ
:07/07/16 04:33 :P902iS :4TZq624Q
#285 [向日葵]
:07/07/16 09:54 :SO903i :9Zw9K4o2
#286 [RUI]
:07/07/16 15:28 :SH902iS :X.6.rmyI
#287 [向日葵]
:07/07/16 15:49 :SO903i :9Zw9K4o2
#288 [向日葵]
なんだか……壁があるみたい……。
セツナ「……つ。蜜。」
蜜「え。あ、ハイ。」
立ち止まる。
なんだかセツナが心配そうに私を見ていた。
セツナ「どうした?」
蜜「何もありません……けど?」
セツナはふぅんと言うと繋いでない方の手を顔の前まで出してきた。
蜜「うわ!」
手の上には真っ赤な大輪の花があった。
:07/07/16 17:41 :SO903i :9Zw9K4o2
#289 [向日葵]
蜜「何ですかその花!」
セツナ「生えてた。」
せめて咲いてたって言おうよ……。
セツナはその花を私の耳の上辺りに刺して髪飾りの様にした。
セツナ「蜜は髪の毛が黒いから赤が映えるな。」
蜜「それはどうも……。」
もしかして、元気付けてくれてるのかな……。
もしセツナを花で飾るなら……薔薇?
わーベタ……。
:07/07/16 17:45 :SO903i :9Zw9K4o2
#290 [向日葵]
セツナ「蜜、口開けろ。」
素直に口をあけてみた。
コロン
蜜「すっぱ!……ん?甘い。何ですかコレ。」
セツナ「なんかの実。」
アバウトすぎるって……。
セツナ「小さい頃好んでよく食べていた。癖になるだろ。」
蜜「んー。まぁ……。」
正体が分かれば素直にそう言えるのだけど……。
:07/07/16 17:56 :SO903i :9Zw9K4o2
#291 [向日葵]
セツナは食べては入れ食べては入れを繰り返してくる。
と、何個目かの時に
蜜「パクッ。……。……っ!すっぱ!!すっぱいすっぱいぃ!!」
セツナ「あー。まだ熟してなかったか。大丈夫か?」
蜜「うー…。」
すっぱくて少し涙が出てきた。
蜜「もっと確かめて口に入れて下さいよ!!ふいー……。」
セツナ「悪かったって。水でも飲みに行くか?」
:07/07/16 18:06 :SO903i :9Zw9K4o2
#292 [向日葵]
蜜「もーいいです。さっさといつもの場所行きましょう。」
行こうとする私の腕をセツナが止めた。
セツナ「今はあまり軽率に動くな。」
蜜「それってさっきの“アイツ”と関係あるんですか?」
セツナはこくっと頷く。
そしてその“アイツ”は教えてもらえないまま……か。
蜜「大丈夫じゃないんですか?私なんて只の人間ですし。」
そこでセツナの目が怒りに変わった。
:07/07/16 18:17 :SO903i :9Zw9K4o2
#293 [向日葵]
セツナ「お前緑の話を聞いてなかったのか?」
責める様に言ってくるので私はたじたじだった。
ダメな事を言ったらしい。
蜜「……聞いてましたよ。それが何か?」
セツナ「風達が噂してるって事はアイツらの耳にも届いていると言う事だ。忘れるな蜜。お前は人間であって蜜乙女なんだ。」
ムカ。
さっきから私を蜜乙女蜜乙女って……。
私が蜜乙女でしか価値が無いみたいに。
蜜「私は“アイツら”がどんなのか知りませんから。どれだけ危険かも分かりませんっ。」
:07/07/16 18:27 :SO903i :9Zw9K4o2
#294 [向日葵]
セツナは更に目に怒りを宿す。
セツナ「お前分かってるのか!蜜乙女って言うだけで危ないって言ってるんだ!!」
カッチーン……。
なんですって……。
蜜「好きで蜜乙女になんかなってませんよ!!すいませんね!蜜乙女が側にいるせいでセツナは危険にさらされるんですから!!」
ここまで来てなんで口喧嘩をしなきゃなんないんだ。だけどムカつく。
蜜乙女をこれだけ連呼されるとはっ。
蜜「なんなら私だけで山を探索しましょうかぁ?」
:07/07/16 18:32 :SO903i :9Zw9K4o2
#295 [向日葵]
と、いきなり背中に激痛。
蜜「いったー……。」
セツナは私の両肩を掴んで大木に押し付けた。
セツナ「お前は何も分かってない。俺の身なんてどうでもいいんだ!」
セツナがここまで取り乱すなんて……。
呆然とセツナを見つめた。
セツナ「蜜に何かあったら怖いだけだ……。」
セツナの頭が私の肩に乗る。
あぁなんだ……そーゆー意味か……。
蜜乙女で噂が広がってるから私の身が危険って言いたい訳ね。
:07/07/16 18:40 :SO903i :9Zw9K4o2
#296 [向日葵]
蜜「貴方の言い方は時々分かりにくいです……。」
ため息混じりに言うとセツナはクククと笑った。
機嫌が直ったらしい。
セツナ「蜜は馬鹿だからな。」
ハイカッチーン…。
人が喧嘩売った事を謝ろうと思ったのに。
蜜「謝る気が失せました…。」
セツナ「謝る?……。まぁ謝らなくていいさ。かわりに、蜜で償ってもらう。」
なんか何処かでこれを予感していた。
:07/07/16 18:45 :SO903i :9Zw9K4o2
#297 [向日葵]
蜜「ハァァ……。」
なんか呆れる。
蜜「どうぞご勝手に……。」
セツナ「ほぅ。なら蜜。お前からやってもらおう。」
え。
セツナ「むろん、誠心誠意を込めて……舌付きでな。」
え。
セツナは大木に手を付く。
蜜「すいません。やっぱり取り消してもいいでしょうか。」
セツナ「謝るのがお前なら言った事に二言はないよな?」
:07/07/16 18:50 :SO903i :9Zw9K4o2
#298 [向日葵]
いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!
蜜「無理です!普通にするならまだしも!し、し、……っ!!」
舌とかっっ!!
セツナは明らかに面白がっている。
セツナ「目は瞑ってやるさ。」
んな問題かこの野郎。
セツナ「ホラ。」
セツナは目を瞑ってキスを促す。
私はセツナの顔をやんわり包む。
もう知らない。舌ありなんて出来るか!普通で済ます!!
:07/07/16 18:56 :SO903i :9Zw9K4o2
#299 [向日葵]
唇に長めに触れる。
そして離れようと数ミリ離したとこでセツナが目を開けたからそこで止まってしまった。
セツナにこんな間近で見られたら固まるしかないだろう。
セツナ「蜜……。」
まるで「分かってるよな?」と言う様に私の名を呼ぶ。喋ったら時折唇が触れた。
セツナは再び目を瞑る。
ダメだ…逃げれないんだ……。
蜜「く…口を……開けて…くだっ……さい。」
:07/07/16 19:01 :SO903i :9Zw9K4o2
#300 [向日葵]
セツナが口を少し開ける。その時微かな吐息が口の中に入ってクラクラする。
『し、……舌…。……舌…。』
私は戸惑いながらなんとかセツナの口内へ入れる。
するとセツナの舌が私を絡めとる。
思わず目を見開いてまたギュッと瞑った。
背中がゾクゾクしてどうにかなりそうだった。頭がおかしくなりそう。
するとセツナが口を離した。
セツナ「まぁ物足りんが今日は合格だな。流石俺の花嫁殿。」
:07/07/16 19:11 :SO903i :9Zw9K4o2
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