ダイスキ。
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#551 [乱]
いつものようにおばさんが茜を呼びに行くのを玄関の前で待つ。


美佳も‥もちろん和紀の死に傷ついていた。

でも涙を堪え、絶望を堪え、美佳は美佳なりに“生きよう”としている。

⏰:08/02/11 16:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#552 [乱]
だからこそ、もう目に光が宿っていない茜の事が心配だった。


報せを聞いた時、茜は美佳の隣にいて

皆が涙を流す中

茜はただ呆然とつったっていて

そしてその後‥二週間も学校に来ていない。

⏰:08/02/11 16:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#553 [乱]
一回茜と会ったけど


すごいやつれていて


かつての表情も失われていた。


美佳は心配で不安で、それから毎朝出てこない茜を迎えに行く。

⏰:08/02/11 16:38 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#554 [乱]
今日も‥もう来ないと思ってた。


だから
茜のトタトタと階段を下りる音が聞こえた時は


本当に驚いて、、泣きたい位嬉しかった。

⏰:08/02/11 16:40 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#555 [乱]
「あか‥ね??」

靴を履きながら外を見ると心配そうな美佳が見つめていた。

久しぶりに美佳を見たから‥すごいホッとする。

「美佳‥おはよ!!」

出来る限りの笑顔で言った。

⏰:08/02/11 17:01 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#556 [乱]
「あっ‥あかねぇ‥ヒックッ」
美佳は家の前で泣き出してまった。

―‥皆同じように不安で仕方なくて


皆弱いんだ―‥

私は美佳に駆け寄ってもらい泣きしてしまった。

⏰:08/02/11 17:04 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#557 [乱]
久しぶりに朝、美佳と一緒に登校したけど‥

‥登校どころじゃなかった。

今日は雪は降っていないけどどんよりとした曇り。

“和紀”という単語を一度も出さないまま私達は歩く。

⏰:08/02/11 17:07 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#558 [乱]
でも‥いつも和紀が私たちを抜き去る横断歩道の前で



お互い黙って涙を流した。

―‥和紀の手がいきなり私の頭をクシャッとしたのはいつだっただろう

⏰:08/02/11 17:11 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#559 [乱]
―‥物凄い勢いで抜かしていったのはいつだっただろう

遠い昔のように、そして時には昨日の事のように感じた。


―‥もう‥髪をクシャッってやられる事も抜かされる事も
‥笑いかけられる事もないんだね‥―

⏰:08/02/11 17:14 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#560 [乱]
和紀の死を、真正面からやっと向き合った私は途方もなく悲しみに襲われた。

風の冷たさがしみる―‥。
そうか調度、、
去年の今頃和紀と付き合い始めたんだっけ

この哀しみが薄れる日もいつか来るかなぁ

空に問いた。

⏰:08/02/11 17:19 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#561 [乱]
************学校が始まって一週間が過ぎた。


最初の一週間は分かっていたけど地獄のようだった。

無神経な人達からの質問・同情・哀れみ。

あまりに辛くていつも刹や美佳、前ちゃんと一緒にいる。

⏰:08/02/11 17:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#562 [乱]
「茜大丈夫??」

「一之瀬君‥自殺っていう噂流れてるけど本当!?」

「本当無理しないでね」



そんな言葉いらないから‥お願いだからほっといて。

⏰:08/02/11 17:26 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#563 [乱]
私がストレスに耐え切れず本当に辛い時美佳が助けに来てくれた。

そして拓海も必死になって私を連れ出して、気分転換させてくれた。


(ありがとう‥)
感謝しきれないほど皆は守ってくれる。

⏰:08/02/11 17:29 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#564 [乱]
一週間たって
なんとか

なんとか笑えるようになった

食べられるようになった。
哀しくない訳がないけどいつも

“笑って
って和紀の声が聞こえたから。

⏰:08/02/11 17:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#565 [乱]
しかし一週間が過ぎて

次に待ち受けていたのは告白の嵐‥

絶望した。

(どうして和紀が死んだすぐ後なのに平然と告れるの‥??


どうして何にも知らない癖に“俺が支えるから”なんて言えるの‥??)

⏰:08/02/11 17:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#566 [乱]
刹達以外、誰も何も信じられなくなった。

⏰:08/02/11 17:37 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#567 [乱]
そして拓海は

他の人と違って



私に告白したり私にふれたりは一切せずに


ただ、何もしてあげられない私を毎日、毎日支えてくれた。

⏰:08/02/11 17:40 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#568 [乱]
ううこのまま今日‥完結まで書いちゃうかもしれないです

見てくださっている方いらっしゃいましたら、どうぞ最後まで見守ってあげてください

⏰:08/02/11 17:43 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#569 [LISA]
まじ泣けます
完結今日ですか!!最後まで見ます応援してます

⏰:08/02/11 17:52 📱:P703i 🆔:☆☆☆


#570 [(。∀゚)アヒャ]
アタシも最後までみてます!!!!!!!

⏰:08/02/11 17:55 📱:W43SA 🆔:☆☆☆


#571 [美希]
あたしもです
頑張って下さい

⏰:08/02/11 17:58 📱:SA700iS 🆔:☆☆☆


#572 [乱]
わわ‥(:_;)本当に有難うございます

最後の集大成頑張ります

⏰:08/02/11 18:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#573 [乱]
-高三 二月-

私はかつての表情を少しずつ少しずつ取り戻して来ている。



勿論まだ和紀の事を愛していて‥思い出すと胸が締め付けられる

でもいつも君の言葉を思い出すんだ

⏰:08/02/11 18:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#574 [まなみ]
>>472-700

⏰:08/02/11 18:09 📱:SH704i 🆔:☆☆☆


#575 [みなみ]
最後まで
みます

⏰:08/02/11 18:09 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#576 [乱]
――俺は茜の笑った顔が好きだから‥俺の分まで生きて‥それから笑って

俺はお前だから――


私は和紀で

和紀は私。

私は‥キミの分も精一杯生きようって思った。

⏰:08/02/11 18:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#577 [乱]
―そしてこんな風に思えるようになったのも‥他でもないあなた達のおかげ―


「あかね〜」

「あっみか〜!!それに前ちゃんっ!!刹!!どぉしたの??」

ここ最近自由登校だったから、なかなか皆に会えなかった。

⏰:08/02/11 18:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#578 [乱]
廊下で手を振りながら三人はこっちへ来た。

後ろには拓海もいる。


刹が茜の肩を掴んで嬉しそうに言った。

「拓海‥合格したってよ」
「へ‥??」

⏰:08/02/11 18:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#579 [乱]
「拓海本当?!」

「‥まぁね」

そう言って拓海は刹の後ろで嬉しそうに微笑んだ。

「す‥すごーい!!」

茜は拓海に抱き着いた。

⏰:08/02/11 18:55 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#580 [乱]
拓海は嬉しそうに照れる。

昔から頭の良かった拓海は有名大学を目指して‥

私を支えてくれながらも必死に勉強してた。


だから拓海の合格が本当に嬉しくて‥思わず泣いてしまう。

⏰:08/02/11 18:59 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#581 [乱]
私も第二希望には無事受かった。


前ちゃん・刹はプロチームに入ることになり

美佳は家政系の専門学校へ。


皆一歩ずつ将来への道を踏み出していた。

⏰:08/02/11 19:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#582 [乱]
この数カ月私を救ってくれた拓海と、刹達が仲良くなって‥

皆本当に自慢できる程の最高の友達だった。

美佳と刹は‥まだ付き合ってないみたい。

私が
“刹は彼女とどぉなの??”
って聞いても意味深に微笑んで何も答えてくれない。

⏰:08/02/11 19:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#583 [乱]
私は

皆といるのが楽しかった。





でも‥私には罪がある。

⏰:08/02/11 19:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#584 [乱]
「じゃー拓海を祝って打ち上げしよー!!」

前ちゃんが明るく言った。
「いーねいーね!!」
美佳もそれに応える。


そして皆でその日はサボって屋上で騒ぐことになった。

************

⏰:08/02/11 19:13 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#585 [乱]
今はこんなに楽しそうに見えるかもしれないけれど


皆はそれぞれ多き過ぎる傷を負っていて


どことなく私達は哀しい香りがしている―‥

⏰:08/02/11 19:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#586 [乱]
それは多分皆気付いている事


でも敢えて何も言わない

深い‥冷たい雪が溶け、
梅が蕾をつける頃

―私達は着実に大人になっていった―

************

⏰:08/02/11 19:18 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#587 [乱]
『カンパーイッ!!』

まだ少しだけ肌寒い青空の下


屋上にコップのあたる音が響いた。


「拓海本当おめでとぉ♪」
言い足りないかのように次々と皆が祝う。

⏰:08/02/11 19:21 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#588 [乱]
「ありがとっ」

さらさらな黒髪が風になびいて無邪気に笑う。

「でね―‥」

「マジで!?〜‥」

皆でお菓子を食べながらワイワイと騒ぐ。

⏰:08/02/11 19:24 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#589 [乱]
そしてぱっと目を上げると

向かい側に座る拓海と目があった―‥



―‥ドクン‥ドクン‥―


これが私の罪‥。

⏰:08/02/11 19:27 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#590 [乱]
和紀が今でも好きなのに


他の人に恋してる訳無いのに



拓海にドキドキしてしまう自分がいる。

⏰:08/02/11 19:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#591 [乱]
私はそんな自分が無償に許せなくて


必死にこれは恋でも何でもないと言い聞かせ


すぐに目を反らす。

⏰:08/02/11 19:30 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#592 [乱]
こんな態度ばかりとっているのに


拓海は優しくて、優し過ぎて



私の罪は重さを増していく―‥

⏰:08/02/11 19:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#593 [乱]
それに拓海の整った顔の中で


瞳がとても澄んでいて‥汚れ等全くない様子だから

(私‥最低だ‥;)


いつもこうやって自分の汚さに嫌気がさす。

⏰:08/02/11 19:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#594 [乱]
「どした??」

フッと笑って和紀は言った。


綺麗な声。

和紀とは違う―‥声。


「ううん!!てかこのお菓子美味しいねっ♪」

気持ちをごまかすように言った。

⏰:08/02/11 19:38 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#595 [乱]
私自身拓海に対するこの気持ちを何て名付けたらいいかわからなかった。


愛するのはこれからも、この先も和紀だけ。

私は和紀の墓に誓っていた。

⏰:08/02/11 19:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#596 [乱]
************
-数日後-

登校日も残りあとわずか。

(あっ‥!!やばっ‥!!)

放課後帰ろうとした時に忘れ物を思い出した。

「あっあたし忘れ物しちゃったから先帰って〜♪」

階段で美佳に言う。

⏰:08/02/11 19:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#597 [乱]
「分かった〜茜ばいばいっ!!」

「ばいばーい!!」

そう言って茜は急いで階段を駆け上がった。

タンタンタンッ

ガラッ

⏰:08/02/11 19:53 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#598 [乱]
(誰もいないかー‥)

静まり返る教室で茜は携帯を捜す。

自分の椅子‥机

美佳の椅子‥机


(あっれー‥??

あたしどこやったっけ‥)

⏰:08/02/11 19:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#599 [乱]
ガラッ

とりあえず早百合と前ちゃんのクラスに入る。

そこも誰もいなかった。

そして早百合の机を見ると

あのストラップのついた携帯が置いてあった。

(良かったぁ‥焦ったぁ‥;;)

⏰:08/02/11 20:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#600 [乱]
(帰ろー)

「ぼそぼそ‥」

携帯をとって、急いで帰ろうと廊下を歩いている時

刹と拓海のクラスから誰かの話し声が聞こえた。

???
(珍しいな〜人いるんだー)
特に気にせずにその教室のしまったドアを通りすぎようとする。

⏰:08/02/11 20:09 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#601 [乱]
「ぉっ高梨茜じゃーん!!」

中にいる男子らしき人が言った。

ドアはしまっているから私は中からは見えないはず‥
???

不思議に思いそぉーっとドアを2センチ位開けて中の様子を見た。

⏰:08/02/11 20:12 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#602 [乱]
―‥私は目を疑った―


クラスには十人位の、顔だけは見たことある男子がいて




黒板には下着姿の私の写真が
引き延ばされて貼られていた。

⏰:08/02/11 20:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#603 [乱]
!?!?!?


私は意味が分からなくて立ち尽くす。



‥その写真は去年の文化祭のもので‥私はやっとあの時感じた視線の意味を理解した。

⏰:08/02/11 20:17 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#604 [乱]
―ミラレテイタ


シャシンマデモ‥―


その男子達は口々に叫ぶ。
「500円!!」

「700円!!」

「1000円!!」

⏰:08/02/11 20:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#605 [乱]
(やっ‥‥‥‥ッ!!!)


恐くて‥ひたすらに恐くて‥


気付いたら走り出していた。


‥一回の体育館倉庫に閉じこもり‥鍵をかけた。

⏰:08/02/11 20:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#606 [乱]
がたがた震えが止まらない

(和紀‥助けてよ和紀ぃ‥!!!)



泣きながら携帯のリダイヤルボタンを押した。

⏰:08/02/11 20:25 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#607 [乱]
「‥もしもし茜??」

出たのは拓海だった。でも茜はかなり錯乱していた。

『‥ふぇ‥和紀‥ッ!!助けて‥ッ‥』

『は‥和紀!?

茜落ち着け‥今どこ??』

『たっ‥体育館‥のッヒックッ‥倉庫‥』

⏰:08/02/11 20:29 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#608 [乱]
『‥体育館倉庫!?分かったッー今行くから動かないで‥ピッ ツーッツーッツー』


(恐い‥恐いよ‥)

茜は震えながら、ドアにもたれしゃがみこんだ。

⏰:08/02/11 20:31 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#609 [乱]
一人ぼっちでいるからどんどん恐くなる。


私は顔を埋めてぼろぼろと涙を零していた。




************

⏰:08/02/11 20:34 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#610 [乱]
ドンドンドンッ


しばらく震えていると体育館倉庫のドアを叩く音がした。

「か‥かず「茜ッいるか!?鍵開けて‥!!」

「無理ッ!!恐くて無理‥」

今はもう男の人が怖かった。

ドアの向こうで拓海が心配そうに聞く。

⏰:08/02/11 20:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#611 [乱]
「どした‥何があった??」

「‥拓海達のクラスでッー写真が‥写ってて‥」

泣いて気が壊れそうだけど必死に話す。

「は?!写真‥??よ、よくわかんねーけど‥俺のクラスになんかあんの??」

⏰:08/02/11 20:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#612 [乱]
「‥‥。」

「‥茜??とにかくちょっといってくる‥。


茜落ち着いて‥大丈夫だから」

‥拓海の走り去る音が聞こえた。

⏰:08/02/11 20:45 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#613 [乱]
二十分位たった。


‥ドサッ‥

誰かがドアに倒れかかる音がする。

私は振り向き、ドアを見つめた。

⏰:08/02/11 20:48 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#614 [乱]
「茜‥ハァ‥ハァ‥聞いてる??
鍵開けなくて良いから‥」

息遣いの荒い、男の人の声。

「きっ聞いてるよ‥??(和紀‥??)」
私は気が動転していて、和紀に助けを求めたと思っていた。

⏰:08/02/11 20:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#615 [乱]
(でも和紀は‥‥

じゃあこの人は‥‥誰??)

「ネガごと‥破り捨ててやったから‥ハァッ‥


もう‥安心‥だなっ」

その男の人は言った。

⏰:08/02/11 20:55 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#616 [乱]
「あいつら‥本当糞野郎だな‥殺しちゃうかと思った‥」

息を整えながらその人は言う。

「‥‥か‥和紀‥なの??」

私はまだ動転していた。

⏰:08/02/11 20:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#617 [乱]
私はドアにもたれ、泣きながら言った。

「‥‥。」

沈黙が流れる。


“ダンッッッ!!!!”

―‥いきなり、思いっきりドアを叩く音がした―‥

ドアにもたれかかる背中にも、ビリビリと衝撃が走る。

⏰:08/02/11 21:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#618 [乱]
「‥‥‥‥俺だよ‥‥


拓海だよ‥‥‥ッ!!


いい加減‥俺にも気付いてくれよ‥!!!」

“ダンッ”てまた叩いて、ドアの向こうに入るらしい拓海が言った。

⏰:08/02/11 21:07 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#619 [乱]
「たっ‥たく‥『もう和紀はいねーんだ!!

皆前見てんだよ‥お前も前見て歩き出せよ!!』



拓海の怒鳴り声が響いた。

⏰:08/02/11 21:09 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#620 [乱]
(‥‥拓海‥‥ッッ!!)

私は泣いていた。

とめどなく流れる涙は、もう私の偽りも、見せ掛けの努力も隠してはくれない。


和紀‥貴方は許してくれますか‥??

私‥

この人の事が好きです‥

⏰:08/02/11 21:14 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#621 [乱]
和紀‥


もちろん‥一生大好き‥

でも私はやっと、この‥拓海に対する感情に
名付けることが出来たんだ

和紀‥‥私はまた幸せを望んでも良いですか‥‥‥

⏰:08/02/11 21:18 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#622 [乱]
“幸せになれ。

俺はお前だから。”






―‥和紀の声が‥聞こえた気がした―‥

⏰:08/02/11 21:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#623 [乱]
―ドアの向こうから、私と同じように‥拓海が泣く声がする―


‥‥カチャッ‥‥



私は鍵を

開けた。

⏰:08/02/11 21:22 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#624 [乱]
「え‥??」

ドアを開けると、うずくまる拓海が顔をあげる。

そんな拓海の隣に座り、彼に囁く。

「‥拓海‥


あたし拓海の事が‥ダイスキ。」

⏰:08/02/11 21:25 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#625 [乱]
―‥拓海はすごい驚いた顔をしたけど

フッと

いつもの無邪気な笑顔を浮かべてから‥


私を、壊れ物を扱うみたいに優しく‥抱きしめた‥―

⏰:08/02/11 21:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#626 [乱]
‥この人の不器用な位の真っすぐさも


優しさも


私に受け止めさせてください



************

⏰:08/02/11 21:31 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#627 [めい]
めっちゃいい系ですねイ
ダイスキですI(笑)

⏰:08/02/11 21:34 📱:W52S 🆔:☆☆☆


#628 [乱]
-卒業式-

「あーぁもう卒業かぁ‥」
美佳が寂しそうに言った。
「‥寂しいよ美佳ぁあ〜」

「あたしも茜〜〜」

女同士でじゃれ合っていると
「まーぜてっ♪」

前ちゃんがいった。

⏰:08/02/11 21:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#629 [乱]
刹「俺っ前田と離れるなんてさびしぃっ!!」

前田「キモッッそれに‥お前は一緒のチームじゃん笑」

「はははっ!!!」

普段あまりぼけない刹のボケに私達は爆笑してしまう。

⏰:08/02/11 21:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#630 [乱]
「‥盛り上がってるとこ悪いけど‥もう始まるから席戻って」

卒業式の役員を任されている拓海がつかつかとやってきて言う。

「へいへい;」

渋々席に戻ると‥5分後ぐらいに卒業式が始まった。

⏰:08/02/11 21:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#631 [乱]
「ぇー‥‥‥‥‥‥であるので‥‥」


(つっまんないなー校長センセの話しは‥)

ちらっと美佳を見ると
‥まさかの爆睡。

「プッ」
思わず吹き出すと美佳も起きた。

⏰:08/02/11 21:45 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#632 [乱]
「寝るのはさすがにないでしょ‥;」

「だって‥超ーつまんないんだもん!!笑

あっ卒業証書授与始まる‥!!」

私達はコソコソ話をやめた。

⏰:08/02/11 21:47 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#633 [乱]
私と美佳のクラスは一組なので一番始め。


担任が台に上がり全員の名前を出席番号順に呼び、

名前を呼ばれたら返事をしてたつ―‥

何度も予行で練習済み。

⏰:08/02/11 21:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#634 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800

⏰:08/02/11 21:59 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#635 [乱]
しかし予行と違うことがいきなり起きる。

「えー‥一組。



一之瀬和紀。」

担任はさらっと言った。

‥耳を疑う。
和紀は‥この学校を卒業できなかったはずだから。

⏰:08/02/11 21:59 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#636 [乱]
皆もザワザワし始める。




「はい。」

―‥保護者の席から声がした。

生徒も、周りの保護者も‥皆が一斉に声のする方を見る。

⏰:08/02/11 22:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#637 [乱]
それは―‥

和紀のお父さんだった。

そして隣にはお母さんも。

黒で縁取られた

笑っている和紀の写真を両手に持って

ピンと背筋を伸ばしている。

⏰:08/02/11 22:05 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#638 [乱]
‥生徒達の泣く声がそこらじゅうからした。


和紀のお母さんが頼んだんだね‥

和紀もきっと皆と卒業したかったよね‥


私も美佳も、そしてクラスの皆までも‥号泣した。

⏰:08/02/11 22:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#639 [乱]
「‥高島博也」
「ハイ!!」


「高梨茜」

「‥ハイッ!!」

泣きすぎてもう前が見えなかったけど‥出来る限りの大きな声で返事して

背筋を伸ばして立ち上がる。

⏰:08/02/11 22:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#640 [乱]
そしてこの学校での三年間を思い出した。



緊張・愛しさ・喜び・悲しみ・絶望・憧れ‥‥

あらゆる感情をここで感じた。

⏰:08/02/11 22:14 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#641 [乱]
キミと一緒に‥ここで精一杯生きた。


キミを失い絶望にくれた。

でも大切な人が絶望から救い上げてくれた。


和紀‥貴方は今笑ってますか。

⏰:08/02/11 22:17 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#642 [乱]
俺はお前だから。




そう言った和紀は‥まだ私の中に生き続けてるんだよね??

⏰:08/02/11 22:19 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#643 [乱]
私達は‥僕達は‥



卒業します。



桜がやっと蕾をつけた頃の事だった‥。

⏰:08/02/11 22:21 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#644 [乱]
*‥*“?年後”*‥*


「おかぁさんここ誰のおはかー??」

「ふふっおかぁさんの大切な人かな‥」

「ふーん!!」

「あっ‥和紀‥この御墓に向かって将来の夢言って??」

⏰:08/02/11 22:25 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#645 [乱]
「なんでー??」

「良いから♪」

「‥まぁいーや♪


僕ね、刹おじちゃん達みたいな‥かっこいいサッカー選手になる!!」

「刹おじちゃんなんて言ったら怒られるわよ??笑」

⏰:08/02/11 22:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#646 [乱]
「じゃあお母さんと僕だけの内緒ねっ

あっおとーさんっっ!!!」


「和紀、茜、今日は美味しいもの食べにいこっか」

「わー楽しみだね♪和紀。」

「うんっ!!!!」

⏰:08/02/11 22:31 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#647 [乱]
三人が去った後


「一之瀬家之墓」

と彫られた墓に‥桜の花びらが

風に吹かれて舞落ちた。


‥end‥

⏰:08/02/11 22:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#648 [みなみ]
終わったね


茜の旦那さんゎ
拓海??

⏰:08/02/11 22:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#649 [匿名さん]
>>350-500 >>501-700

⏰:08/02/11 22:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#650 []
完結おめでとございます

一気に読みました
すごく感動しましたあ

最後って
拓海と結婚したんですか?

⏰:08/02/11 22:38 📱:SH704i 🆔:☆☆☆


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