ダイスキ。
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#472 [乱]
ポケットに入っていた財布から千円札を取り出し運転手に押し渡す。
お釣りも受け取る前に病院に入り、受付で和紀の名前を叫んだ。
「‥和紀は、和紀はどこですか!!」
:08/02/11 00:04 :SH904i :☆☆☆
#473 [乱]
「え;あっ先ほど運ばれた一之瀬和紀さんのお友達‥??」
「和紀!!和紀はどこ!?」
私は半ば狂乱しながら聞いた。
「突き当たって右の‥あっまって‥!!」
私は最後まで聞かずに走り出す。
:08/02/11 00:08 :SH904i :☆☆☆
#474 [乱]
角を曲がると
刹と前ちゃんとクラブチームの顧問らしき人
私はそこで不安に堪えられなくなって泣き崩れた。
「和紀‥和紀はどこ‥??」
刹と前ちゃんが抱きしめてくれながら言った。
:08/02/11 00:14 :SH904i :☆☆☆
#475 [乱]
「和紀は今手術中。茜‥大丈夫だから落ち着こう」って。
でも二人もがたがたと震えていて‥どうしようもないほど恐かった。
:08/02/11 00:16 :SH904i :☆☆☆
#476 [乱]
しばらくして和紀の両親が駆け込んで来た。
さっきの私と同じように和紀の名前を叫びながら―‥
私は泣き崩れたままだった。
恐い‥恐いよ和紀。
今日一緒に打ち上げしようって言ったじゃん‥
今日スカウトされたって言ったじゃん‥
:08/02/11 00:18 :SH904i :☆☆☆
#477 [乱]
‥
ビーッ‥
手術中のランプが、消えた。
中から大柄の医者が出て来た―‥
:08/02/11 00:20 :SH904i :☆☆☆
#478 [乱]
「和紀っ和紀は!?」
和紀の両親がつめよる
すると医者は
「手術は成功し、息子さんは一命を取り留めました‥」
疲れ切った笑顔で答えた。
:08/02/11 00:22 :SH904i :☆☆☆
#479 [みなみ]
よかった
:08/02/11 00:23 :SH904i :☆☆☆
#480 [乱]
「ほー‥‥‥‥‥」
その場にいた全員が安堵のため息をついた。
良かった‥和紀‥良かった‥
泣きながら私はそう思った。
―君がいない世界なんて考えられない。
おいてかないでおいてかないで‥おいてかないで―
ねぇ和紀‥助かったと聞いたはずなのにこの不安は何で拭い去れないの‥??
:08/02/11 00:26 :SH904i :☆☆☆
#481 [乱]
私は‥二日間寝られなかった。
三日目に和紀が目を覚ますまで。
************
:08/02/11 00:28 :SH904i :☆☆☆
#482 [乱]
「‥ぁ‥」
「和紀ッッッ!!!起きたの―‥??」
和紀は手術後の三日目にやっと目を覚ました。
嬉しくて、嬉しくて‥‥嬉しくて。
「‥あ‥かね‥??」
「うっ‥ふぇ‥和紀ぃ〜〜!!!」
「何泣いてんだよ‥‥そっか‥俺‥事故ったんだっけ。」
:08/02/11 00:32 :SH904i :☆☆☆
#483 [乱]
和紀は苦笑いを浮かべて言った。
「もー‥本っ当に心配したんだからね??グスッ」
「ごめんな‥ってか俺よく生きてたな‥笑」
「頭打撲に、両足骨折、肋は二本も折れて生きてるんだから奇跡だよ‥///」
:08/02/11 00:36 :SH904i :☆☆☆
#484 [乱]
そう言うと何故か和紀の顔色が‥変わった。
見間違いかと思うほど一瞬で、、すぐ笑顔に戻る。
「‥どしたの??」
勇気を出して聞いてみた。
:08/02/11 00:38 :SH904i :☆☆☆
#485 [乱]
「‥なぁ普通って‥怪我したとこ‥痛いよな‥??」
「う‥うん」
「頭ずきずきするし、あばらもいてーんだけど
足が‥全く痛くねーし
太股から下ぴくりとも動かせない。」
:08/02/11 00:41 :SH904i :☆☆☆
#486 [乱]
―‥‥‥‥‥
‥‥拭い去ることの出来ない不安はこれだった。
神様がいるのなら、答えてください‥
どうして和紀なの‥
どうして和紀の夢を奪うの‥
あたしが変わらせてください。
:08/02/11 00:45 :SH904i :☆☆☆
#487 [乱]
その後すぐに再検査。
手術した医師から和紀の両親だけに
「残念ながら‥神経が傷ついてしまって‥足から下はもう‥一生動かないでしょう‥」
こう伝えられたと知った時、、ただひたすらに
運命を呪った。
:08/02/11 00:49 :SH904i :☆☆☆
#488 [乱]
今日の更新はここまでです
感想等もし宜しければこちらに頂けると嬉しいです
http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3315/
:08/02/11 00:51 :SH904i :☆☆☆
#489 [乱]
:08/02/11 00:59 :SH904i :☆☆☆
#490 [さくら]
:08/02/11 02:50 :F904i :☆☆☆
#491 [乱]
:08/02/11 06:47 :SH904i :☆☆☆
#492 [乱]
―‥和紀は
自分の足がもう“一生”動かないことを
まだしらない―‥
************
私は和紀の両親に言われてちゃんと学校に通い始めた。
でも学校にいても考えるのは和紀の事ばかり。
:08/02/11 06:50 :SH904i :☆☆☆
#493 [乱]
和紀が怪我したという噂は物凄い勢いで広まり
ものすごい数の面会者が和紀を訪れた。
でもそれは最初だけ。
面会に飽きた人達が一人、また一人来なくなる。
:08/02/11 06:53 :SH904i :☆☆☆
#494 [乱]
今でも来るのは
先生、刹、前ちゃん、美佳、、、そして私。
こんな時友情って何なんだろうって思わずにはいられないんだ―‥
私は毎日和紀の所へ通う。
:08/02/11 06:55 :SH904i :☆☆☆
#495 [乱]
連絡手段は電話と、会うことだけだった。
マナーモードの携帯は、和紀が事故ったあの日どこかで無くしてしまったから
も出来ない。
二ヶ月、三ヶ月‥和紀が入院してかなりの日がたった。
:08/02/11 06:58 :SH904i :☆☆☆
#496 [乱]
そして―‥最近和紀はどんどんマイナス思考になって‥
あの大好きないたづらっぽい笑顔は
もう‥滅多に見られない。
:08/02/11 07:00 :SH904i :☆☆☆
#497 [乱]
「失礼します」
病院のドアを開ける。
「‥‥‥。」
最近和紀は見舞に来る茜を見なくなった。
今日も背を向けたまま。
:08/02/11 07:03 :SH904i :☆☆☆
#498 [乱]
「今日は遅れてごめんね??ちょっと委員会があって‥」
持ってきた林檎の皮をむきながら言った。
「‥うそつき。」
背を向けている和紀がぼそって言う。
:08/02/11 07:05 :SH904i :☆☆☆
#499 [乱]
「男とあってたんでしょ‥??」
(‥またか;)
「委員会だってば;」
「じゃー後で美佳にも聞いとく」
「‥‥うん」
和紀は日に日に‥厭味っぽく、嫉妬深く‥そして私を信じなくなっていく。
:08/02/11 07:08 :SH904i :☆☆☆
#500 [乱]
そんな和紀を見るのが哀しくて、辛くて、代わってあげたくて‥
今日も一人、家で涙を流す。
和紀‥不安でしょうがないんだよね‥??
‥私はどこにもいかないよ??
:08/02/11 07:11 :SH904i :☆☆☆
#501 [乱]
それでも毎日毎日和紀の部屋へ通う。
和紀のたまにする笑顔が見たいから。
和紀を今支えてるもの
それは“治る”
と聞かされている事だった。
:08/02/11 07:13 :SH904i :☆☆☆
#502 [乱]
「来月になったらやっと手術だって」
和紀はたまに笑顔で言う。
片手でダンベル持って筋トレしながら必死に遅れを取り戻そうとしていた。
この和紀に誰が言えますか
キミハモウナオラナイ
‥。
:08/02/11 07:16 :SH904i :☆☆☆
#503 [乱]
和紀を見るのが本当に辛かった。
家に帰るなり声をあげて子供のように泣くことしか‥
そしてただ祈ること事しか出来なくて。
:08/02/11 07:18 :SH904i :☆☆☆
#504 [乱]
ご飯も喉を通らず‥
私も‥衰弱していった―‥
そんな、ある冬の日。
「‥もぉうざいからこないで‥」
君はそう言った。
:08/02/11 07:21 :SH904i :☆☆☆
#505 [乱]
黙って病室を出て、大泣きをした。
―‥和紀
―‥和紀しかいないんだ
私には和紀だけで。
きっと和紀にも私だけで。
(‥何で‥何で)
また今日も一人家で泣く。
:08/02/11 07:24 :SH904i :☆☆☆
#506 [乱]
その日神様なんていない
って―‥思った。
雪がちらほらと舞う夜で
皆が家で温まっている時。
和紀が病院の部屋の窓から‥飛び降りた。
:08/02/11 07:27 :SH904i :☆☆☆
#507 [乱]
,
,
,
:08/02/11 07:28 :SH904i :☆☆☆
#508 [乱]
,
―なぜ命まで奪うんですか
―なぜ彼なんですか
―なぜ私は生きているんですか
:08/02/11 07:30 :SH904i :☆☆☆
#509 [乱]
私達はもう十八歳で
まだたったの十八歳で。
何事に対しても“無力”
だった―‥。
:08/02/11 07:32 :SH904i :☆☆☆
#510 [乱]
―‥彼は‥
十八歳の短すぎる命に‥
幕を閉じた―‥
:08/02/11 07:33 :SH904i :☆☆☆
#511 [乱]
報せを受けた時
泣くことも出来ずに
―‥ただ立ち尽くした。
―‥ただ生きていた。
:08/02/11 07:36 :SH904i :☆☆☆
#512 [乱]
************
ピンポーン‥
玄関のチャイムが今日も鳴り響く
「茜‥美佳ちゃんが呼んでるわよ‥」
「‥‥‥。」
「‥そう。じゃぁ美佳ちゃんに言っておくから‥」
「‥‥。」
:08/02/11 07:40 :SH904i :☆☆☆
#513 [乱]
廃人のように生きている
何も考えたくない‥
また待っていれば窓に小石の当たる音がきっとする
また優しくキスをしてくれる
ねぇ‥和紀。
:08/02/11 07:43 :SH904i :☆☆☆
#514 [乱]
報せを聞いて病院で和紀の顔を見た時
顔は少しも傷ついていなくて‥眠っているみたいで
安堵の表情を浮かべていた。
:08/02/11 07:45 :SH904i :☆☆☆
#515 [乱]
まるで痛みや苦しみから解放されたようだった
和紀‥
私も和紀を傷つけたうちの一人なの‥??
和紀の事だからひょこって現れて
「茜だまされたー♪」
って言って頬を摘むよね??
:08/02/11 07:48 :SH904i :☆☆☆
#516 [乱]
学校来い
茜は和紀の死を認めていないんだよって
ちゃんと前を見ろって
何度も皆から
が届く。
もう私も生きるのに‥疲れたみたい。
:08/02/11 07:50 :SH904i :☆☆☆
#517 [乱]
向こうでなら和紀と一緒に暮らせるかな
今日も和紀の部屋に行き、和紀の香に包まれて、
やっと眠ることが出来る。
泣けるものなら泣きたいな
:08/02/11 07:53 :SH904i :☆☆☆
#518 [乱]
和紀の部屋に行き冷たい床にゴロンと寝転がる。
寒いなぁ‥
あの日食べたフォンダンショコラとホットミルクが飲みたい‥
:08/02/11 07:56 :SH904i :☆☆☆
#519 [乱]
思い出しながら天井を仰ぐ。
そして手を延ばし広げると
“ゴトッ”
和紀のベッドの下の何かが手に当たった。
:08/02/11 07:58 :SH904i :☆☆☆
#520 [乱]
‥??何だろう‥。
見ると、和紀とお揃いのストラップを付けた
ピンク色の私の携帯。
「こんなとこにあったんだ‥」
このストラップ和紀は恥ずいと言いながら付けてくれてたっけ。
:08/02/11 08:01 :SH904i :☆☆☆
#521 [乱]
私は今の携帯の充電器を持ってきて、
とりあえず電源を入れてみた。
着信 0
4
は三通は和紀が事故った日の物で刹と前ちゃんからだった。
:08/02/11 08:04 :SH904i :☆☆☆
#522 [乱]
内容は全部
[おちつけよ‥]
とか
[今手術してるみたい。]
とかだった。
:08/02/11 08:06 :SH904i :☆☆☆
#523 [乱]
四通目は、
和紀からだった。
止まりそうな位静かだった心臓が‥動き出す
その
は和紀が飛び降りた日に来ていた。
胸がぎゅぅーってなる。
(何でこっちの携帯に‥??)
そう思ったけど‥とりあえず開いてみる。
:08/02/11 08:09 :SH904i :☆☆☆
#524 [乱]
――――――――――――From 和紀
Sub 無題
____________
茜はこの携帯を見てないかもしれない。
てか無くすとかありえないから‥笑
今日、来ないでとか言ってごめん‥
本当は毎日来てほしいんだ‥
:08/02/11 08:14 :SH904i :☆☆☆
#525 [乱]
でも俺は今茜を傷つけることしか出来なくて
いつも疑うことしか出来なくて。
茜が最近弱ってるのが辛くて‥ああ言えば茜は元気になるのかなって思った。
:08/02/11 08:16 :SH904i :☆☆☆
#526 [乱]
茜が思ってる以上に‥俺茜の事が好きすぎるみたい
自分だけのものにしたいってよく思うし
茜は知ってたんだよね??
今日先生達が話してるの聞いちゃった
俺治らないんだってね。
:08/02/11 08:19 :SH904i :☆☆☆
#527 [乱]
夢を奪われても生きれる程俺は大人でも子供でも無くて‥
もう無理みたい‥
でも茜に言っておきたいんだ。
俺は人生の中で茜と会えたことが最高だよ
:08/02/11 08:21 :SH904i :☆☆☆
#528 [乱]
十八年‥泣きたいほど茜が好きだった。
俺は茜の笑った顔が1番好きだから‥俺の分まで生きて‥それから笑って
俺はお前だから。
あと生まれ変わったら今度こそサッカー選手なるから
:08/02/11 08:25 :SH904i :☆☆☆
#529 [乱]
ただ‥一言だけ聞きたかった。
気付いてた??茜、一回も俺に好きって言ったことないんだよ
笑
聞きたかった‥マジで。
最後にいろいろ傷つけてごめん‥マジありがとう‥。
―END―
――――――――――――
:08/02/11 08:28 :SH904i :☆☆☆
#530 [乱]
―‥か‥ず‥‥き―
涙が‥溢れ出す。
和紀‥本当に死んじゃっ‥たんだ‥
‥和紀ッ―‥
声をあげて泣いた。
:08/02/11 08:31 :SH904i :☆☆☆
#531 [乱]
何で恥ずかしがって言わなかったんだろう‥
和紀‥救われたのは私だよ‥生まれて来てくれて、好きになってくれて、守ってくれて‥
「‥‥‥ダイスキ。
ありがとぉ‥‥」
泣き崩れながら携帯に向かって叫んだ。
:08/02/11 08:35 :SH904i :☆☆☆
#532 [美希]
:08/02/11 08:36 :SA700iS :☆☆☆
#533 [乱]
――言いたくて、でも言えなかった好きの気持ちが
今やっと‥和紀に届いた気がした――
************
:08/02/11 08:37 :SH904i :☆☆☆
#534 [美希]
:08/02/11 08:38 :SA700iS :☆☆☆
#535 []
:08/02/11 08:39 :SO903i :☆☆☆
#536 [乱]
まだまだ続きますがキリが良いので一回切ります
美希さん
ありがとうございます
私も半泣き状態でなんとか書きました
まだ続くので是非また見て下さい
:08/02/11 08:42 :SH904i :☆☆☆
#537 [みなみ]
今度いつですか
?
:08/02/11 08:43 :SH904i :☆☆☆
#538 [乱]
:08/02/11 08:43 :SH904i :☆☆☆
#539 [乱]
:08/02/11 08:45 :SH904i :☆☆☆
#540 [(。∀゚)アヒャ]
めッちゃ面白い~泣けてきた(ラg。∀゜)丿頑張ってください!!!!!!!!
:08/02/11 09:42 :W43SA :☆☆☆
#541 [な]
自然に涙がつたりました。
本当にいい小説です。
最後まで頑張ってください。
:08/02/11 09:42 :SH903i :☆☆☆
#542 [†Reiraβ]
すごく泣けました。この話大好きです!この先どうなるのか楽しみにしてますねっ頑張ってください!!
:08/02/11 11:32 :P903i :☆☆☆
#543 [まなみ]
:08/02/11 12:33 :SH704i :☆☆☆
#544 [まなみ]
:08/02/11 14:03 :SH704i :☆☆☆
#545 [乱]
(。∀゚)アヒャさん
コメ有難うございます
はい
これから完結まで精一杯頑張ります
:08/02/11 16:18 :SH904i :☆☆☆
#546 [乱]
なさん
勿体ない程の御褒めの言葉‥有難うございます
涙
何だかとても嬉しいです、頑張りますっ
:08/02/11 16:19 :SH904i :☆☆☆
#547 [乱]
†Reiraβさん
好きと言っていただけて涙が出るほど嬉しいです
完結まで‥頑張ります
:08/02/11 16:21 :SH904i :☆☆☆
#548 [乱]
まなみさん
アンカー有難うございます
皆さん本当に有難うございました
それでは少しだけ更新します
:08/02/11 16:22 :SH904i :☆☆☆
#549 [乱]
“笑って
”
‥和紀がそう言ったから、
―‥頑張れる気がした
―‥生きられる気がした
和紀とお揃いのストラップを新しい携帯に付け替えて‥
その日は吐いても吐いてもご飯を食べた。
:08/02/11 16:26 :SH904i :☆☆☆
#550 [乱]
-次の日-
―ピンポーン―
「はーい‥あら、美佳ちゃん‥‥毎日毎日本当にありがとう
ちょっと待っててね」
「いえ‥(茜、今日も来ないのかなぁ‥)」
:08/02/11 16:29 :SH904i :☆☆☆
#551 [乱]
いつものようにおばさんが茜を呼びに行くのを玄関の前で待つ。
美佳も‥もちろん和紀の死に傷ついていた。
でも涙を堪え、絶望を堪え、美佳は美佳なりに“生きよう”としている。
:08/02/11 16:32 :SH904i :☆☆☆
#552 [乱]
だからこそ、もう目に光が宿っていない茜の事が心配だった。
報せを聞いた時、茜は美佳の隣にいて
皆が涙を流す中
茜はただ呆然とつったっていて
そしてその後‥二週間も学校に来ていない。
:08/02/11 16:35 :SH904i :☆☆☆
#553 [乱]
一回茜と会ったけど
すごいやつれていて
かつての表情も失われていた。
美佳は心配で不安で、それから毎朝出てこない茜を迎えに行く。
:08/02/11 16:38 :SH904i :☆☆☆
#554 [乱]
今日も‥もう来ないと思ってた。
だから
茜のトタトタと階段を下りる音が聞こえた時は
本当に驚いて、、泣きたい位嬉しかった。
:08/02/11 16:40 :SH904i :☆☆☆
#555 [乱]
「あか‥ね??」
靴を履きながら外を見ると心配そうな美佳が見つめていた。
久しぶりに美佳を見たから‥すごいホッとする。
「美佳‥おはよ!!」
出来る限りの笑顔で言った。
:08/02/11 17:01 :SH904i :☆☆☆
#556 [乱]
「あっ‥あかねぇ‥ヒックッ」
美佳は家の前で泣き出してまった。
―‥皆同じように不安で仕方なくて
皆弱いんだ―‥
私は美佳に駆け寄ってもらい泣きしてしまった。
:08/02/11 17:04 :SH904i :☆☆☆
#557 [乱]
久しぶりに朝、美佳と一緒に登校したけど‥
‥登校どころじゃなかった。
今日は雪は降っていないけどどんよりとした曇り。
“和紀”という単語を一度も出さないまま私達は歩く。
:08/02/11 17:07 :SH904i :☆☆☆
#558 [乱]
でも‥いつも和紀が私たちを抜き去る横断歩道の前で
お互い黙って涙を流した。
―‥和紀の手がいきなり私の頭をクシャッとしたのはいつだっただろう
:08/02/11 17:11 :SH904i :☆☆☆
#559 [乱]
―‥物凄い勢いで抜かしていったのはいつだっただろう
遠い昔のように、そして時には昨日の事のように感じた。
―‥もう‥髪をクシャッってやられる事も抜かされる事も
‥笑いかけられる事もないんだね‥―
:08/02/11 17:14 :SH904i :☆☆☆
#560 [乱]
和紀の死を、真正面からやっと向き合った私は途方もなく悲しみに襲われた。
風の冷たさがしみる―‥。
そうか調度、、
去年の今頃和紀と付き合い始めたんだっけ
この哀しみが薄れる日もいつか来るかなぁ
空に問いた。
:08/02/11 17:19 :SH904i :☆☆☆
#561 [乱]
************学校が始まって一週間が過ぎた。
最初の一週間は分かっていたけど地獄のようだった。
無神経な人達からの質問・同情・哀れみ。
あまりに辛くていつも刹や美佳、前ちゃんと一緒にいる。
:08/02/11 17:23 :SH904i :☆☆☆
#562 [乱]
「茜大丈夫??」
「一之瀬君‥自殺っていう噂流れてるけど本当!?」
「本当無理しないでね」
そんな言葉いらないから‥お願いだからほっといて。
:08/02/11 17:26 :SH904i :☆☆☆
#563 [乱]
私がストレスに耐え切れず本当に辛い時美佳が助けに来てくれた。
そして拓海も必死になって私を連れ出して、気分転換させてくれた。
(ありがとう‥)
感謝しきれないほど皆は守ってくれる。
:08/02/11 17:29 :SH904i :☆☆☆
#564 [乱]
一週間たって
なんとか
なんとか笑えるようになった
食べられるようになった。
哀しくない訳がないけどいつも
“笑って
”
って和紀の声が聞こえたから。
:08/02/11 17:32 :SH904i :☆☆☆
#565 [乱]
しかし一週間が過ぎて
次に待ち受けていたのは告白の嵐‥
絶望した。
(どうして和紀が死んだすぐ後なのに平然と告れるの‥??
どうして何にも知らない癖に“俺が支えるから”なんて言えるの‥??)
:08/02/11 17:35 :SH904i :☆☆☆
#566 [乱]
刹達以外、誰も何も信じられなくなった。
:08/02/11 17:37 :SH904i :☆☆☆
#567 [乱]
そして拓海は
他の人と違って
私に告白したり私にふれたりは一切せずに
ただ、何もしてあげられない私を毎日、毎日支えてくれた。
:08/02/11 17:40 :SH904i :☆☆☆
#568 [乱]
うう
このまま今日‥完結まで書いちゃうかもしれないです
見てくださっている方いらっしゃいましたら、どうぞ最後まで見守ってあげてください
:08/02/11 17:43 :SH904i :☆☆☆
#569 [LISA]
まじ泣けます
完結今日ですか!!最後まで見ます
応援してます
:08/02/11 17:52 :P703i :☆☆☆
#570 [(。∀゚)アヒャ]
アタシも最後までみてます!!!!!!!
:08/02/11 17:55 :W43SA :☆☆☆
#571 [美希]
:08/02/11 17:58 :SA700iS :☆☆☆
#572 [乱]
わわ‥(:_;)本当に有難うございます
最後の集大成頑張ります
:08/02/11 18:03 :SH904i :☆☆☆
#573 [乱]
-高三 二月-
私はかつての表情を少しずつ少しずつ取り戻して来ている。
勿論まだ和紀の事を愛していて‥思い出すと胸が締め付けられる
でもいつも君の言葉を思い出すんだ
:08/02/11 18:08 :SH904i :☆☆☆
#574 [まなみ]
:08/02/11 18:09 :SH704i :☆☆☆
#575 [みなみ]
:08/02/11 18:09 :SH904i :☆☆☆
#576 [乱]
――俺は茜の笑った顔が好きだから‥俺の分まで生きて‥それから笑って
俺はお前だから――
私は和紀で
和紀は私。
私は‥キミの分も精一杯生きようって思った。
:08/02/11 18:15 :SH904i :☆☆☆
#577 [乱]
―そしてこんな風に思えるようになったのも‥他でもないあなた達のおかげ―
「あかね〜」
「あっみか〜!!それに前ちゃんっ!!刹!!どぉしたの??」
ここ最近自由登校だったから、なかなか皆に会えなかった。
:08/02/11 18:20 :SH904i :☆☆☆
#578 [乱]
廊下で手を振りながら三人はこっちへ来た。
後ろには拓海もいる。
刹が茜の肩を掴んで嬉しそうに言った。
「拓海‥合格したってよ」
「へ‥??」
:08/02/11 18:52 :SH904i :☆☆☆
#579 [乱]
「拓海本当?!」
「‥まぁね」
そう言って拓海は刹の後ろで嬉しそうに微笑んだ。
「す‥すごーい!!」
茜は拓海に抱き着いた。
:08/02/11 18:55 :SH904i :☆☆☆
#580 [乱]
拓海は嬉しそうに照れる。
昔から頭の良かった拓海は有名大学を目指して‥
私を支えてくれながらも必死に勉強してた。
だから拓海の合格が本当に嬉しくて‥思わず泣いてしまう。
:08/02/11 18:59 :SH904i :☆☆☆
#581 [乱]
私も第二希望には無事受かった。
前ちゃん・刹はプロチームに入ることになり
美佳は家政系の専門学校へ。
皆一歩ずつ将来への道を踏み出していた。
:08/02/11 19:03 :SH904i :☆☆☆
#582 [乱]
この数カ月私を救ってくれた拓海と、刹達が仲良くなって‥
皆本当に自慢できる程の最高の友達だった。
美佳と刹は‥まだ付き合ってないみたい。
私が
“刹は彼女とどぉなの??”
って聞いても意味深に微笑んで何も答えてくれない。
:08/02/11 19:08 :SH904i :☆☆☆
#583 [乱]
私は
皆といるのが楽しかった。
でも‥私には罪がある。
:08/02/11 19:10 :SH904i :☆☆☆
#584 [乱]
「じゃー拓海を祝って打ち上げしよー!!」
前ちゃんが明るく言った。
「いーねいーね!!」
美佳もそれに応える。
そして皆でその日はサボって屋上で騒ぐことになった。
************
:08/02/11 19:13 :SH904i :☆☆☆
#585 [乱]
今はこんなに楽しそうに見えるかもしれないけれど
皆はそれぞれ多き過ぎる傷を負っていて
どことなく私達は哀しい香りがしている―‥
:08/02/11 19:15 :SH904i :☆☆☆
#586 [乱]
それは多分皆気付いている事
でも敢えて何も言わない
深い‥冷たい雪が溶け、
梅が蕾をつける頃
―私達は着実に大人になっていった―
************
:08/02/11 19:18 :SH904i :☆☆☆
#587 [乱]
『カンパーイッ!!』
まだ少しだけ肌寒い青空の下
屋上にコップのあたる音が響いた。
「拓海本当おめでとぉ♪」
言い足りないかのように次々と皆が祝う。
:08/02/11 19:21 :SH904i :☆☆☆
#588 [乱]
「ありがとっ」
さらさらな黒髪が風になびいて無邪気に笑う。
「でね―‥」
「マジで!?〜‥」
皆でお菓子を食べながらワイワイと騒ぐ。
:08/02/11 19:24 :SH904i :☆☆☆
#589 [乱]
そしてぱっと目を上げると
向かい側に座る拓海と目があった―‥
―‥ドクン‥ドクン‥―
これが私の罪‥。
:08/02/11 19:27 :SH904i :☆☆☆
#590 [乱]
和紀が今でも好きなのに
他の人に恋してる訳無いのに
拓海にドキドキしてしまう自分がいる。
:08/02/11 19:28 :SH904i :☆☆☆
#591 [乱]
私はそんな自分が無償に許せなくて
必死にこれは恋でも何でもないと言い聞かせ
すぐに目を反らす。
:08/02/11 19:30 :SH904i :☆☆☆
#592 [乱]
こんな態度ばかりとっているのに
拓海は優しくて、優し過ぎて
私の罪は重さを増していく―‥
:08/02/11 19:32 :SH904i :☆☆☆
#593 [乱]
それに拓海の整った顔の中で
瞳がとても澄んでいて‥汚れ等全くない様子だから
(私‥最低だ‥;)
いつもこうやって自分の汚さに嫌気がさす。
:08/02/11 19:35 :SH904i :☆☆☆
#594 [乱]
「どした??」
フッと笑って和紀は言った。
綺麗な声。
和紀とは違う―‥声。
「ううん!!てかこのお菓子美味しいねっ♪」
気持ちをごまかすように言った。
:08/02/11 19:38 :SH904i :☆☆☆
#595 [乱]
私自身拓海に対するこの気持ちを何て名付けたらいいかわからなかった。
愛するのはこれからも、この先も和紀だけ。
私は和紀の墓に誓っていた。
:08/02/11 19:42 :SH904i :☆☆☆
#596 [乱]
************
-数日後-
登校日も残りあとわずか。
(あっ‥!!やばっ‥!!)
放課後帰ろうとした時に忘れ物を思い出した。
「あっあたし忘れ物しちゃったから先帰って〜♪」
階段で美佳に言う。
:08/02/11 19:52 :SH904i :☆☆☆
#597 [乱]
「分かった〜茜ばいばいっ!!」
「ばいばーい!!」
そう言って茜は急いで階段を駆け上がった。
タンタンタンッ
ガラッ
:08/02/11 19:53 :SH904i :☆☆☆
#598 [乱]
(誰もいないかー‥)
静まり返る教室で茜は携帯を捜す。
自分の椅子‥机
美佳の椅子‥机
(あっれー‥??
あたしどこやったっけ‥)
:08/02/11 19:56 :SH904i :☆☆☆
#599 [乱]
ガラッ
とりあえず早百合と前ちゃんのクラスに入る。
そこも誰もいなかった。
そして早百合の机を見ると
あのストラップのついた携帯が置いてあった。
(良かったぁ‥焦ったぁ‥;;)
:08/02/11 20:03 :SH904i :☆☆☆
#600 [乱]
(帰ろー)
「ぼそぼそ‥」
携帯をとって、急いで帰ろうと廊下を歩いている時
刹と拓海のクラスから誰かの話し声が聞こえた。
???
(珍しいな〜人いるんだー)
特に気にせずにその教室のしまったドアを通りすぎようとする。
:08/02/11 20:09 :SH904i :☆☆☆
#601 [乱]
「ぉっ高梨茜じゃーん!!」
中にいる男子らしき人が言った。
ドアはしまっているから私は中からは見えないはず‥
???
不思議に思いそぉーっとドアを2センチ位開けて中の様子を見た。
:08/02/11 20:12 :SH904i :☆☆☆
#602 [乱]
―‥私は目を疑った―
クラスには十人位の、顔だけは見たことある男子がいて
黒板には下着姿の私の写真が
引き延ばされて貼られていた。
:08/02/11 20:15 :SH904i :☆☆☆
#603 [乱]
!?!?!?
私は意味が分からなくて立ち尽くす。
‥
‥その写真は去年の文化祭のもので‥私はやっとあの時感じた視線の意味を理解した。
:08/02/11 20:17 :SH904i :☆☆☆
#604 [乱]
―ミラレテイタ
シャシンマデモ‥―
その男子達は口々に叫ぶ。
「500円!!」
「700円!!」
「1000円!!」
:08/02/11 20:20 :SH904i :☆☆☆
#605 [乱]
(やっ‥‥‥‥ッ!!!)
恐くて‥ひたすらに恐くて‥
気付いたら走り出していた。
‥一回の体育館倉庫に閉じこもり‥鍵をかけた。
:08/02/11 20:23 :SH904i :☆☆☆
#606 [乱]
がたがた震えが止まらない
(和紀‥助けてよ和紀ぃ‥!!!)
泣きながら携帯のリダイヤルボタンを押した。
:08/02/11 20:25 :SH904i :☆☆☆
#607 [乱]
「‥もしもし茜??」
出たのは拓海だった。でも茜はかなり錯乱していた。
『‥ふぇ‥和紀‥ッ!!助けて‥ッ‥』
『は‥和紀!?
茜落ち着け‥今どこ??』
『たっ‥体育館‥のッヒックッ‥倉庫‥』
:08/02/11 20:29 :SH904i :☆☆☆
#608 [乱]
『‥体育館倉庫!?分かったッー今行くから動かないで‥ピッ ツーッツーッツー』
(恐い‥恐いよ‥)
茜は震えながら、ドアにもたれしゃがみこんだ。
:08/02/11 20:31 :SH904i :☆☆☆
#609 [乱]
一人ぼっちでいるからどんどん恐くなる。
私は顔を埋めてぼろぼろと涙を零していた。
************
:08/02/11 20:34 :SH904i :☆☆☆
#610 [乱]
ドンドンドンッ
しばらく震えていると体育館倉庫のドアを叩く音がした。
「か‥かず「茜ッいるか!?鍵開けて‥!!」
「無理ッ!!恐くて無理‥」
今はもう男の人が怖かった。
ドアの向こうで拓海が心配そうに聞く。
:08/02/11 20:39 :SH904i :☆☆☆
#611 [乱]
「どした‥何があった??」
「‥拓海達のクラスでッー写真が‥写ってて‥」
泣いて気が壊れそうだけど必死に話す。
「は?!写真‥??よ、よくわかんねーけど‥俺のクラスになんかあんの??」
:08/02/11 20:42 :SH904i :☆☆☆
#612 [乱]
「‥‥。」
「‥茜??とにかくちょっといってくる‥。
茜落ち着いて‥大丈夫だから」
‥拓海の走り去る音が聞こえた。
:08/02/11 20:45 :SH904i :☆☆☆
#613 [乱]
二十分位たった。
‥ドサッ‥
誰かがドアに倒れかかる音がする。
私は振り向き、ドアを見つめた。
:08/02/11 20:48 :SH904i :☆☆☆
#614 [乱]
「茜‥ハァ‥ハァ‥聞いてる??
鍵開けなくて良いから‥」
息遣いの荒い、男の人の声。
「きっ聞いてるよ‥??(和紀‥??)」
私は気が動転していて、和紀に助けを求めたと思っていた。
:08/02/11 20:52 :SH904i :☆☆☆
#615 [乱]
(でも和紀は‥‥
じゃあこの人は‥‥誰??)
「ネガごと‥破り捨ててやったから‥ハァッ‥
もう‥安心‥だなっ」
その男の人は言った。
:08/02/11 20:55 :SH904i :☆☆☆
#616 [乱]
「あいつら‥本当糞野郎だな‥殺しちゃうかと思った‥」
息を整えながらその人は言う。
「‥‥か‥和紀‥なの??」
私はまだ動転していた。
:08/02/11 20:58 :SH904i :☆☆☆
#617 [乱]
私はドアにもたれ、泣きながら言った。
「‥‥。」
沈黙が流れる。
“ダンッッッ!!!!”
―‥いきなり、思いっきりドアを叩く音がした―‥
ドアにもたれかかる背中にも、ビリビリと衝撃が走る。
:08/02/11 21:02 :SH904i :☆☆☆
#618 [乱]
「‥‥‥‥俺だよ‥‥
拓海だよ‥‥‥ッ!!
いい加減‥俺にも気付いてくれよ‥!!!」
“ダンッ”てまた叩いて、ドアの向こうに入るらしい拓海が言った。
:08/02/11 21:07 :SH904i :☆☆☆
#619 [乱]
「たっ‥たく‥『もう和紀はいねーんだ!!
皆前見てんだよ‥お前も前見て歩き出せよ!!』
拓海の怒鳴り声が響いた。
:08/02/11 21:09 :SH904i :☆☆☆
#620 [乱]
(‥‥拓海‥‥ッッ!!)
私は泣いていた。
とめどなく流れる涙は、もう私の偽りも、見せ掛けの努力も隠してはくれない。
和紀‥貴方は許してくれますか‥??
私‥
この人の事が好きです‥
:08/02/11 21:14 :SH904i :☆☆☆
#621 [乱]
和紀‥
もちろん‥一生大好き‥
でも私はやっと、この‥拓海に対する感情に
名付けることが出来たんだ
和紀‥‥私はまた幸せを望んでも良いですか‥‥‥
:08/02/11 21:18 :SH904i :☆☆☆
#622 [乱]
“幸せになれ。
俺はお前だから。”
―‥和紀の声が‥聞こえた気がした―‥
:08/02/11 21:20 :SH904i :☆☆☆
#623 [乱]
―ドアの向こうから、私と同じように‥拓海が泣く声がする―
‥‥カチャッ‥‥
私は鍵を
開けた。
:08/02/11 21:22 :SH904i :☆☆☆
#624 [乱]
「え‥??」
ドアを開けると、うずくまる拓海が顔をあげる。
そんな拓海の隣に座り、彼に囁く。
「‥拓海‥
あたし拓海の事が‥ダイスキ。」
:08/02/11 21:25 :SH904i :☆☆☆
#625 [乱]
―‥拓海はすごい驚いた顔をしたけど
フッと
いつもの無邪気な笑顔を浮かべてから‥
私を、壊れ物を扱うみたいに優しく‥抱きしめた‥―
:08/02/11 21:28 :SH904i :☆☆☆
#626 [乱]
‥この人の不器用な位の真っすぐさも
優しさも
私に受け止めさせてください
************
:08/02/11 21:31 :SH904i :☆☆☆
#627 [めい]
めっちゃいい系ですねイ
ダイスキですI(笑)
:08/02/11 21:34 :W52S :☆☆☆
#628 [乱]
-卒業式-
「あーぁもう卒業かぁ‥」
美佳が寂しそうに言った。
「‥寂しいよ美佳ぁあ〜」
「あたしも茜〜〜」
女同士でじゃれ合っていると
「まーぜてっ♪」
前ちゃんがいった。
:08/02/11 21:35 :SH904i :☆☆☆
#629 [乱]
刹「俺っ前田と離れるなんてさびしぃっ!!」
前田「キモッッそれに‥お前は一緒のチームじゃん笑」
「はははっ!!!」
普段あまりぼけない刹のボケに私達は爆笑してしまう。
:08/02/11 21:39 :SH904i :☆☆☆
#630 [乱]
「‥盛り上がってるとこ悪いけど‥もう始まるから席戻って」
卒業式の役員を任されている拓海がつかつかとやってきて言う。
「へいへい;」
渋々席に戻ると‥5分後ぐらいに卒業式が始まった。
:08/02/11 21:42 :SH904i :☆☆☆
#631 [乱]
「ぇー‥‥‥‥‥‥であるので‥‥」
(つっまんないなー校長センセの話しは‥)
ちらっと美佳を見ると
‥まさかの爆睡。
「プッ」
思わず吹き出すと美佳も起きた。
:08/02/11 21:45 :SH904i :☆☆☆
#632 [乱]
「寝るのはさすがにないでしょ‥;」
「だって‥超ーつまんないんだもん!!笑
あっ卒業証書授与始まる‥!!」
私達はコソコソ話をやめた。
:08/02/11 21:47 :SH904i :☆☆☆
#633 [乱]
私と美佳のクラスは一組なので一番始め。
担任が台に上がり全員の名前を出席番号順に呼び、
名前を呼ばれたら返事をしてたつ―‥
何度も予行で練習済み。
:08/02/11 21:56 :SH904i :☆☆☆
#634 [我輩は匿名である]
:08/02/11 21:59 :D903i :☆☆☆
#635 [乱]
しかし予行と違うことがいきなり起きる。
「えー‥一組。
一之瀬和紀。」
担任はさらっと言った。
‥耳を疑う。
和紀は‥この学校を卒業できなかったはずだから。
:08/02/11 21:59 :SH904i :☆☆☆
#636 [乱]
皆もザワザワし始める。
「はい。」
―‥保護者の席から声がした。
生徒も、周りの保護者も‥皆が一斉に声のする方を見る。
:08/02/11 22:02 :SH904i :☆☆☆
#637 [乱]
それは―‥
和紀のお父さんだった。
そして隣にはお母さんも。
黒で縁取られた
笑っている和紀の写真を両手に持って
ピンと背筋を伸ばしている。
:08/02/11 22:05 :SH904i :☆☆☆
#638 [乱]
‥生徒達の泣く声がそこらじゅうからした。
和紀のお母さんが頼んだんだね‥
和紀もきっと皆と卒業したかったよね‥
私も美佳も、そしてクラスの皆までも‥号泣した。
:08/02/11 22:08 :SH904i :☆☆☆
#639 [乱]
「‥高島博也」
「ハイ!!」
「高梨茜」
「‥ハイッ!!」
泣きすぎてもう前が見えなかったけど‥出来る限りの大きな声で返事して
背筋を伸ばして立ち上がる。
:08/02/11 22:10 :SH904i :☆☆☆
#640 [乱]
そしてこの学校での三年間を思い出した。
緊張・愛しさ・喜び・悲しみ・絶望・憧れ‥‥
あらゆる感情をここで感じた。
:08/02/11 22:14 :SH904i :☆☆☆
#641 [乱]
キミと一緒に‥ここで精一杯生きた。
キミを失い絶望にくれた。
でも大切な人が絶望から救い上げてくれた。
和紀‥貴方は今笑ってますか。
:08/02/11 22:17 :SH904i :☆☆☆
#642 [乱]
俺はお前だから。
そう言った和紀は‥まだ私の中に生き続けてるんだよね??
:08/02/11 22:19 :SH904i :☆☆☆
#643 [乱]
私達は‥僕達は‥
卒業します。
桜がやっと蕾をつけた頃の事だった‥。
:08/02/11 22:21 :SH904i :☆☆☆
#644 [乱]
*‥*“?年後”*‥*
「おかぁさんここ誰のおはかー??」
「ふふっおかぁさんの大切な人かな‥」
「ふーん!!」
「あっ‥和紀‥この御墓に向かって将来の夢言って??」
:08/02/11 22:25 :SH904i :☆☆☆
#645 [乱]
「なんでー??」
「良いから♪」
「‥まぁいーや♪
僕ね、刹おじちゃん達みたいな‥かっこいいサッカー選手になる!!」
「刹おじちゃんなんて言ったら怒られるわよ??笑」
:08/02/11 22:28 :SH904i :☆☆☆
#646 [乱]
「じゃあお母さんと僕だけの内緒ねっ
あっおとーさんっっ!!!」
「和紀、茜、今日は美味しいもの食べにいこっか」
「わー楽しみだね♪和紀。」
「うんっ!!!!」
:08/02/11 22:31 :SH904i :☆☆☆
#647 [乱]
三人が去った後
「一之瀬家之墓」
と彫られた墓に‥桜の花びらが
風に吹かれて舞落ちた。
‥end‥
:08/02/11 22:35 :SH904i :☆☆☆
#648 [みなみ]
終わったね
茜の旦那さんゎ
拓海??
:08/02/11 22:36 :SH904i :☆☆☆
#649 [匿名さん]
:08/02/11 22:38 :D902iS :☆☆☆
#650 []
完結おめでとございます
一気に読みました
すごく感動しましたあ
最後って
拓海と結婚したんですか?
:08/02/11 22:38 :SH704i :☆☆☆
#651 [乱]
なんとか完結です
途中
まなみさん
我輩は匿名であるさん
アンカーありがとうございました
みなみさん
めいさん
コメありがとうございました
すごい励まされました
:08/02/11 22:41 :SH904i :☆☆☆
#652 [乱]
:08/02/11 22:42 :SH904i :☆☆☆
#653 [みなみ]
:08/02/11 22:44 :SH904i :☆☆☆
#654 [乱]
みなみさん
さん
コメ&最後まで読んで下さって本当に本当にありがとうございました‥
涙が出るほど嬉しいです
はい
拓海です
書き忘れてしまいすみません‥
:08/02/11 22:45 :SH904i :☆☆☆
#655 [乱]
匿名さん
アンカーありがとうございます
:08/02/11 22:46 :SH904i :☆☆☆
#656 [みなみ]
また次かくの
??
そのときゎ
応援しますよ
:08/02/11 22:46 :SH904i :☆☆☆
#657 [†Reiraβ]
お疲れ様でした!
今もろ泣いてます
感動しました。最後まで書いてくれてありがとうございます
:08/02/11 22:47 :P903i :☆☆☆
#658 [みぃイ]
乱さんイ
めっちゃ良かったです!!
ダイスキって気持ちを
伝える大切さ
愛する囚を失った悲しみ
愛しいと想う心
そして周りの友情
全てに感動しました
また次回作楽しみに
しています(~シu艸O)
絶対書いて下さいねイ
拓海*美香*和希お幸せにx
:08/02/11 22:48 :W44K :☆☆☆
#659 [みぃイ]
すみません
↑拓海*茜*和紀でしたヘ
この話本当に
大好きです(イ∀`))
:08/02/11 22:51 :W44K :☆☆☆
#660 [(。∀゚)アヒャ]
めちゃくちゃ感動しました(ρ_;)
:08/02/11 22:54 :W43SA :☆☆☆
#661 [乱]
みなみさん
まだ予定はありませんが‥機会があればよろしくです
:08/02/11 23:13 :SH904i :☆☆☆
#662 [みなみ]
書くときゎ
言ってください
お疲れ様でした
:08/02/11 23:15 :SH904i :☆☆☆
#663 [乱]
†Reiraβさん
コメありがとうございます
完結出来たのは応援してくださった皆様のおかげです
†Reiraβさんにもたくさんの書く力を貰いました
こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです
:08/02/11 23:18 :SH904i :☆☆☆
#664 [な]
完結おめでとうございます。すごくすごく泣けました
あと番外で拓海の小説かけたら書いてもらえたら嬉しいです!!
:08/02/11 23:20 :SH903i :☆☆☆
#665 [乱]
みぃさん
コメありがとうございます
書きたかったテーマがみぃさんに伝わって本当に嬉しいです///
もし次回作書くときはまたよろしくです
:08/02/11 23:21 :SH904i :☆☆☆
#666 [乱]
(。∀゚)アヒャさん
感動してくださいましたか
うぅ‥ありがとうございました
:08/02/11 23:23 :SH904i :☆☆☆
#667 [(。∀゚)アヒャ]
もうこの小説大好き!!!(ス`x')+゜
:08/02/11 23:23 :W43SA :☆☆☆
#668 [乱]
なさん
私も書いていてほろりきてました
笑
今まで応援して下さって本っ当にありがとうございました
確かに拓海は出番少なかったかもしれませんね
時間があれば、是非書かせてください
:08/02/11 23:27 :SH904i :☆☆☆
#669 [ちぃ]
:08/02/11 23:30 :SH903i :☆☆☆
#670 [ちいみ]
この小説大好きですx
主さん本当に最高です
才能むっちゃありますねP
:08/02/11 23:32 :W53T :☆☆☆
#671 [我輩は匿名である]
まぢ泣いたあー
あげー
:08/02/11 23:44 :SH704i :☆☆☆
#672 [ひめ]
:08/02/12 00:38 :P904i :☆☆☆
#673 [ひめ]
:08/02/12 00:39 :P904i :☆☆☆
#674 [めぐみるく]
完結おめでとう
ございます
本当にこの小説
大スキでした
涙止まりません(;Д;)
また新しい小説を
書く日を楽しみに
まってます
本当にお疲れ様でした
:08/02/12 00:45 :SH903i :☆☆☆
#675 [乱]
(。∀゚)アヒャさん
大好きですか
わわ‥嬉しいです
茜も拓海も和紀も喜んでいると思います
:08/02/12 09:12 :SH904i :☆☆☆
#676 [乱]
:08/02/12 09:13 :SH904i :☆☆☆
#677 [乱]
ちいみさん
最高と言っていただけて感激です
ここまで読んでくださって本当に有難うございました
またいつか書いた時は是非読んでくださいね
:08/02/12 09:18 :SH904i :☆☆☆
#678 [乱]
我輩は匿名であるさん
アゲ有難うございます
:08/02/12 09:19 :SH904i :☆☆☆
#679 [乱]
めぐみるくさん
最後まで応援&読んで下さって‥本当に有難うございました
めぐみるくさんからの大好きの言葉、大切にします
はい
また書く機会がありましたらよろしくです
:08/02/12 09:22 :SH904i :☆☆☆
#680 [乱]
:08/02/12 09:28 :SH904i :☆☆☆
#681 [美希]
:08/02/12 09:40 :SA700iS :☆☆☆
#682 [志乃]
:08/02/12 13:28 :N703imyu :☆☆☆
#683 [たま]
今一気に読みました
めっちゃ感動しました!!!
まぢ、才能あります!
次回も絶対読みます
おつかれさまでしたッッ
:08/02/12 16:08 :SH903iTV :☆☆☆
#684 [乱]
美希さん
本当に応援有難うございましたッ
何度も何度も応援して下さって‥泣きたい程嬉しかったです
しばらくは書かない予定だったのですが先程ビビッと来たので更新し始める予定です
もしよろしければ見てください
:08/02/12 18:30 :SH904i :☆☆☆
#685 [乱]
志乃さん
アンカー&コメ有難うございます
はまるだなんて嬉しすぎです
:08/02/12 18:31 :SH904i :☆☆☆
#686 [乱]
たまさん
わわ///感動してくださいましたか
(:_;)
ありがとうございます
拓海の短編を書こうと思うのでよろしければ見てください
:08/02/12 18:33 :SH904i :☆☆☆
#687 [乱]
:08/02/12 18:38 :SH904i :☆☆☆
#688 [乱]
:08/02/12 18:39 :SH904i :☆☆☆
#689 [乱]
************木漏れ日が手に持つ花を照らす。
そして‥ふわりと‥春の香り。
―‥そこは限りなく静寂な空間。
:08/02/12 18:43 :SH904i :☆☆☆
#690 [乱]
俺は...今ある墓の前に立っている。
スゥーッ
深く、深く息を吸って。
思い出すのは高校一年の時の事―‥。
:08/02/12 18:45 :SH904i :☆☆☆
#691 [乱]
俺の学校は男女共学‥なはずなのに
授業は別々に受けるし普段いる棟も別。
男女一緒にやるのは
委員会・文化祭・全校朝会
‥悲しいことにほとんど出会いなし。
:08/02/12 18:49 :SH904i :☆☆☆
#692 [乱]
そんな中、部活に入っていない俺は
暇で暇で仕方なくて放送委員になった。
そこに
同じく一年の高梨茜がいた。
この時俺と一緒の委員会だった事を、今茜は全く覚えていないらしい。
:08/02/12 18:54 :SH904i :☆☆☆
#693 [乱]
高梨茜と出会って
初めから
.
.
―‥惚れない‥わけがなかった‥―
:08/02/12 19:01 :SH904i :☆☆☆
#694 [乱]
「下校の時間です。まだ校舎に残っている人は帰りましょう。繰り返します‥」
(可愛い声だなぁ‥)
少し離れた席に座る高梨さんを見て、つくづく思う。
:08/02/12 19:05 :SH904i :☆☆☆
#695 [乱]
染めてはいなそうだけど色素の薄い長い髪
大きな瞳にほんのりとピンク色の唇
なんとなく気になっていて、当番の日が重なるとちょっとだけ嬉しかった。
(好きな人とかいんのかな。)
:08/02/12 20:57 :SH904i :☆☆☆
#696 [乱]
(今何考えてるんだろう...)
初めの内は高梨さんの事を何も知らなくて、知りたいという欲求ばかり高まる。
その時は好き‥ていうより、話してみたいって感じだった。
そして
いつも見てたからこそ‥気付いてしまったんだ。
:08/02/12 23:21 :SH904i :☆☆☆
#697 [乱]
下校放送中、、
彼女は必ず
放送室の窓から見える校庭を見る。
そして‥
いつも
部活帰りの一人の男子を見つけては―‥ずっと眺めていた。
:08/02/12 23:29 :SH904i :☆☆☆
#698 [乱]
特に表情を変えることもなく、ひたすらに見つめるだけで。
俺は―‥いつしか
そんな高梨さんに...
別の人を見続ける彼女に..
“恋”してた
:08/02/13 06:56 :SH904i :☆☆☆
#699 [乱]
茜「お疲れ様でしたー♪」
「茜お疲れーばいばーいっ
「おーおつかれー」
高梨さんが放送室から出ていこうとする。
(あっ‥!!‥言え!!お疲れって言えよ俺!!)
「‥‥ッ
‥‥‥‥‥。」
:08/02/13 17:34 :SH904i :☆☆☆
#700 [乱]
ガチャッ
「失礼しました〜♪」
(あ...行っちゃっ..た)
たった一言だけなのに‥馬鹿みたいに緊張して
まるで初恋みたいに、何も...言えなくなる
:08/02/13 17:37 :SH904i :☆☆☆
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