ダイスキ。
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#350 [乱]
―‥拓海の上履きに二滴のしずくが落ちた‥―

拓海の目は隠れて見えなくて

でも私にはどんな顔してるか分かるんだ―‥

何年も何年も片思いしてたから。

ガチャッ

私は拓海を置いて屋上から出た。

⏰:08/02/10 06:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#351 [乱]
昨日は書き途中で寝てしまい、ご覧になっていた方すみませんでした

いったん休憩です

⏰:08/02/10 07:01 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#352 [乱]
階段を降りてクラスへ向かう途中何とも言えない気持ちになった


ぎゅぅうーって胸が締め付けられる感じ


恋ではないけど

すごく、切なくて。

⏰:08/02/10 13:27 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#353 [乱]
ここ二週間近く拓海と一緒に仕事をしてて拓海の良いとこたくさん見つけた。


仕事に真面目で

誰に対しても壁がなく皆に慕われてて

気付くと陰でサポートしてくれる。

⏰:08/02/10 13:31 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#354 [乱]
拓海の事だから、今日の午後にはきっとけろっとした様子で接してくれる


でも拓海の事だから本心を隠してるってすぐ分かっちゃうんだ―‥


拓海‥こんな私を無条件で好きでいてくれる。

どうして‥??

⏰:08/02/10 13:37 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#355 [乱]
************
仕事をこれ以上サボるわけに行かないので、心は複雑なまま‥クラスに戻った。


「ごめんっかな!!」

「あっ茜!!大丈夫だった!?一応桐生が行ったみたいだけど‥」

⏰:08/02/10 13:40 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#356 [乱]
「うん!!大丈夫だったよ!!かなこそ一人で大丈夫だった??」

「うんっ大丈夫、もうすぐ交代だし♪
てかさっき一之瀬クン来たよ??」

「えっ和紀きたの!?
なんか言ってた??」

⏰:08/02/10 13:44 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#357 [乱]
「茜いる??って。で、『今ちょっと‥』って言っといた!!
てか茜一之瀬クンと付き合ってるって本当!!??」

かなは興奮して一気に言った。

「‥うん///(ひゃぁ;やっぱ照れる;)」

⏰:08/02/10 13:48 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#358 [乱]
「やっぱそうなんだ!!!うっわ〜おめでとぉ!!!」

「えへへ(#^.^#)ありがと//」

茜は照れながら答えた。

「一之瀬クンが彼氏とかいーなぁ♪♪まさか‥それで先輩達に呼び出されたの!?」

⏰:08/02/10 13:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#359 [乱]
かなは矢継ぎ早に質問をした。

「ぅん‥ま、ね;」

「うわ‥恐いね先輩達;
でも茜!!気にする事ないよ!!
茜の方が性格も良いし一億倍くらい可愛いから!!」

「かな大好き♪かなの可愛さには負ける!!」

そう言うとかなはとにかく興奮しまくりながらその後も応援してくれた。

⏰:08/02/10 14:00 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#360 [乱]
美佳「よっ」

茜・かな「「みかー!!」」

かなと盛り上がっていると先に着替えた制服姿の美佳が呼びに来た。

「茜、かな!!受付代わるよ〜♪」

交代時間になったようで当番の子も。

⏰:08/02/10 14:05 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#361 [乱]
「ありがとっ

あっ美佳ーちょっと私着替えてくる〜」

「ほーい♪ここで待ってる!!」

―‥私はメイド服を脱ぐため家庭科室に向かう。

(よしっ誰も使ってない♪)
私は一人、家庭科室で着替え始めた。

⏰:08/02/10 14:09 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#362 [乱]
(‥‥

‥‥‥気のせいかな

誰もいないはずなのに視線を感じる。

それにたまにカチカチッみたいな音もするし;

‥気のせいだよね♪誰もいないし!!)

⏰:08/02/10 14:12 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#363 [乱]
(でもなんか‥不気味;)

茜は少し恐くなってちゃっちゃと着替えた。






―‥この時感じた視線の意味を知るのはもうちょっと先のお話―‥

⏰:08/02/10 14:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#364 [乱]
「みかー!!」

制服に着替え終わり模擬店近くの美佳の元へ向かう

そこはかなり賑わっていて美佳を探すのも一苦労。

(あ!!!美佳!!


あれ‥美佳囲まれてない!?)

一人でベンチに座っていた美佳は確かに他校生の男子5、6人に囲まれていた。

⏰:08/02/10 14:21 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#365 [乱]
茜は美佳を助けるためにずんずんとそのかたまりへむかった。


「美佳!!」

「あ、あかねー!!

じゃあたし友達来たんで;」
美佳もそそくさと立ち上がった。

⏰:08/02/10 14:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#366 [乱]
男「えー良いじゃん一緒にまわろぉよー!!」

茜「美佳行くよっ!!」

男「わっ!!こっちの子も超可愛くね!?」

男「本当だ!!じゃ二人とも一緒にで♪」

(しつこ‥こういうチャラチャラした奴大ッッッ嫌い‥!!)

⏰:08/02/10 14:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#367 [乱]
茜「いや本当無理なんで」
茜は美佳の腕をとって歩き出した。

しかし

男「そんな事言わないで♪てかメアド教えて??」

男達のうちの一人が茜の肩を掴んで言った。

(軽ッキモッ!!)

⏰:08/02/10 14:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#368 [乱]
もともと男というものにあまり免疫がない方で。

チャラ男に肩を触られたあまりの気持ち悪さに

‥‥怒りと吐き気が込み上げる

「人の女に何してんの」

茜の鉄拳が炸裂する5秒前、大好きな低い声がした。

⏰:08/02/10 14:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#369 [乱]
美佳「和紀!!‥と‥刹くん///」

和紀の隣に刹が同じくキレた目をしていたが茜の目には映らなかった。

茜「和紀ぃ‥」

和紀「手ー話せよ。」

高身長の和紀と刹が上から睨み下ろすと男はすぐに手をどかした。

⏰:08/02/10 14:43 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#370 [乱]
さらに和紀と刹が一緒にいるため周りの人達が注目しだした。


その空気にいてもたってもいられなくなったのか
男達はあわてて行ってしまった。


「茜大丈夫か!?」

⏰:08/02/10 14:46 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#371 [乱]
皆の前なのに和紀はそっと私を引き寄せた。

「‥だいじょぶ‥」
嬉しくて涙声になってしまう。

和紀は私を離して肩を持ち
「お前なー‥無防備すぎんだよバカ!!」
とふてくされて言った。

⏰:08/02/10 14:51 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#372 [乱]
怒る和紀を見てまた胸が締め付けられる―‥

だって‥

すぐかけつけてくれた和紀は‥

私にはヒーローに見えたんだ‥///

「バカってひど!!笑」

⏰:08/02/10 14:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#373 [乱]
そう笑う茜の肩を、和紀は少し屈んでポンポンってはらった。

「‥消毒」

不思議そうに見つめる茜に和紀は答える。

「‥ッッ///」

真っ赤になる私の横で呆れた顔をした刹と美佳が

「おーい‥笑」
と笑った。

⏰:08/02/10 15:00 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#374 [乱]
茜「‥ぁあっ!!刹クンもありがとぉ!!」
美佳「ホントにありがとぉ‥///」

「いえいえ♪どう致しまして♪」
刹君はフッと優しい顔で言った。

美佳の方を見るとまた真っ赤になってる‥!!

⏰:08/02/10 15:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#375 [乱]
(これは間違いない‥美佳ぁー頑張れ!!!)

私はまた応援モードに切り替わったけど、、

美佳はいつもの美佳じゃなくて上手く喋れない様子だった。

「そぉいえば、和紀達当番じゃないの??」

⏰:08/02/10 15:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#376 [乱]
和紀「‥あー‥茜達がナンパされてんの見てとりま前田に押し付けて来た‥笑」

ちらっと焼きそばの模擬店をみた刹君が吹き出した。
「プッ‥前田がキレてる‥笑
戻ってこいってさ!!」

⏰:08/02/10 15:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#377 [乱]
和紀達のクラスの模擬店を見ると
前田君がこっちを見て、和紀達をしきりに呼んでた。
その様子がなんか可愛くて笑っていると

「ちょーどお昼だし食いに来いよ」
と半ば強引に和紀が茜と美佳の腕を連れて向かった。
「ちょーまって」

⏰:08/02/10 15:27 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#378 [乱]
「どした??刹??」

刹は誰かと携帯で電話をしている。

刹「えっどこにいんの??


うん‥うん‥


オッケ今から行く。」

刹は電話を切った。
(なんか嫌な予感がする‥)

⏰:08/02/10 15:30 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#379 [乱]
和紀「来たって??」

刹「うん、やっと来たみたい‥笑 ちょい行って来ていい??」

和紀「いんじゃね??一人くらい平気だろ」

茜は恐る恐る聞いてみた。「だっ‥誰が??」

刹「んー彼女ー!!じゃいってくるわ♪」

⏰:08/02/10 15:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#380 [乱]
爽やかに言うと刹は走って校門に向かった。

「‥‥‥‥‥。」

かなり気まずい空気が流れる。
美佳は黙って泣きそうな顔をしていた。

「どした??行こ??」

和紀は何も分かっていない様子でそのまま私達を引っ張った。
(和紀のあほー;;)

⏰:08/02/10 15:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#381 [乱]
ちらっと美佳の方をむくと‥一瞬泣いているように見えた。

でも

「うんっ焼きそば楽しみ〜!!」

すぐに笑顔に戻って美佳は言った。
(無理してるのバレバレだよ‥みかぁ!!涙)

⏰:08/02/10 15:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#382 [乱]
今すぐにでも美佳の話聞いてあげたいって思った。

でも‥なんか今触れたらいけない気がして‥

美佳は文化祭を楽しもうとしてる気がして‥素直に和紀に従った。

************
「‥おっせーよ和紀!!」

「ごめん前田!!今度なんかおごるから!!笑」

⏰:08/02/10 15:47 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#383 [乱]
「マジで!?」

前田の顔がぱっと明るくなる。

(前田君って本当面白いなぁ)

そんな事を考えていると

「ちょっと待ってて〜」

和紀が手袋を付けながら言った。

しばらくすると和紀が焼きそばをニパック持ってきた。

⏰:08/02/10 15:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#384 [乱]
和紀のクラスの模擬店は中庭にあり
一番じゃないかってくらい賑わっていて、大行列が出来ていた。

なのに和紀はこっそり並んでいない茜達に持ってきてくれた。

そして和紀は
「マジうめぇから!!」
そういって大忙しの模擬店の中に入っていく。

⏰:08/02/10 15:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#385 [乱]
「ふふっ茜ちゃんの旦那はやっさしーなぁ♪」

いつもの元気を取り戻した美佳が食べる場所を探しながら笑う。

「もー///旦那じゃないって!!あ。ここ空いてる!!」
私たちは和紀達の模擬店近くのベンチにこしかけた。

⏰:08/02/10 15:59 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#386 [乱]
「んっ‥


おいっしー!!!」

「本当だぁっ‥やば!!」

焼きそばはめちゃめちゃ美味しかった。

美佳と二人で食べつつ、次にどこへ行くか相談する。

(美佳‥無理して笑ってる;)

何度もそう思ったけどあえてふれない。

⏰:08/02/10 16:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#387 [乱]
喋りながらも和紀の事が気になってちらちら見てしまう‥。


「いらっしゃいっ」

元気に微笑む和紀。

日焼けした腕で汗を拭いながら焼きそばを炒める和紀。

本当にきらきらして見えるんだ///

⏰:08/02/10 16:06 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#388 [乱]
「やっぱ気になってる〜笑」

ぽーっと和紀を見ていると美佳につっこまれた。

「‥ぅ;だって和紀モテるんだもん;あっほら見て!!!」

「え??」

他校の女の子達が焼きそばを炒める和紀に話しかけた。

(ほら来た‥;)

⏰:08/02/10 16:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#389 [乱]
「茜!?」

私はパックを置いて
かろうじて声が聞こえる所まで近づいた。


「あのぉー良かったらメアド教えてくださいッッ///」

(むー‥和紀には彼女いるの!!!てかあれ‥??


あたしメアド知らない!!!)

⏰:08/02/10 16:14 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#390 [乱]
なんとなく照れ臭くって中学で携帯買ったのにアド教えてなかった

そしてもちろん聞いてもいない;

(メアド知らないカップルてどんなだし‥;)

茜は一気にへこんだ。
‥そしてまた和紀を見る。

⏰:08/02/10 16:16 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#391 [乱]
(教えませんように‥!!)

私は必死に祈る。



「ごめん俺彼女いっから‥」

和紀はその子達に申し訳なさそうに言った。

断るって信じてはいたけど‥やっぱり嬉しかった。

⏰:08/02/10 16:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#392 [乱]
『彼女』

という単語が頭の中でリピートされる。

(あっ!!そーだ!!)


茜「あのぉーメアド教えてくれませんか??」

私は後ろから和紀に呼び掛けた。

⏰:08/02/10 16:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#393 [乱]
和紀「‥(またかよ;)あのー俺彼女い‥‥茜!?」

振り向き様に驚いた和紀は可愛かった。

茜「ふふっ騙された〜」

私が笑うと和紀に頬を抓られ言われた。

「あ‥確かに俺もメアド知らね‥笑」

⏰:08/02/10 16:26 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#394 [乱]
「「ははっ」」

二人して思わず笑ってしまった。





私は和紀のメアドをゲットし、超多忙だった文化祭からの帰宅後“初”メールを送った。

***********

⏰:08/02/10 16:29 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#395 [乱]
またまた休憩です〜

感想などもしよければどんどんお願いします

⏰:08/02/10 16:31 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#396 [みなみ]
ずーっと
見てます

何時頃また書き始めますか?

⏰:08/02/10 16:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#397 [乱]
ぇと多分夜8時以降頃になってしまうと思います

⏰:08/02/10 16:37 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#398 [みなみ]
わかりました

またみに
きますね

これからなんか
用事あるんですか?

⏰:08/02/10 16:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#399 [乱]
見てくださってありがとうございますはいちょっと出掛けなきゃいけないんです

⏰:08/02/10 16:45 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#400 [みなみ]
ぢゃぁまたね

⏰:08/02/10 16:47 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#401 [乱]
今帰宅しました8時から更新します

⏰:08/02/10 19:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#402 [乱]
カチカチッ‥

(よしっこれでOKっと‥)

ピッ

茜は携帯を閉じると枕に顔をうずめた―‥

(今日の和紀はすごい甘かったぁ‥ただの幼なじみの時とはやっぱり違うね)

思い出してはドキドキする。

⏰:08/02/10 20:06 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#403 [乱]
♪♪♪♪♪

(返信はやっ‥)

驚いたけど少しにやけつつを開く。

――――――――――――From 和紀
Sub Re:初だね
____________確かに笑
メアド知らなかったのはびっくりだった!!

てか今日茜のクラス行ったんだけどいなかった‥
――――――――――――

⏰:08/02/10 20:12 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#404 [乱]
(あ‥すっかり忘れてた;
しかも呼び出されてたなんて言えないし‥)

カチカチッ


ピッ

(送信っと‥)

♪♪♪
次は5分後位に返信が来た。

⏰:08/02/10 20:15 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#405 [乱]
――――――――――――From 和紀
Sub Re:Re:Re:初だね
____________メイドがトイレとか行くなよ‥笑

てかメイド服見たかったダチが皆茜可愛かったっていったから殴っといたし
――――――――――――
(和紀‥変態なの??笑

しかもヤキモチ焼いちゃって‥可愛すぎだよ‥///)

⏰:08/02/10 20:21 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#406 [乱]
付き合ってから始めてみる和紀の一面が次々とあって、


私は一つずつ、そんな和紀を宝物のように胸にしまう。


その日は疲れていたけど、夜中の二時までしてしまった。

⏰:08/02/10 20:24 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#407 [乱]
************
―‥時は流れ


   高三の七月―‥

これから私達の淡い恋は‥子供時代を終える。


私はもちろんまだ和紀と付き合っていた。

⏰:08/02/10 20:27 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#408 [乱]
和紀は引退前なので部活で忙しい日々を送っている。

勉強?


もちろん私は受験組。今年の夏は受験勉強に励むつもり。

でも和紀は―‥和紀は―‥

⏰:08/02/10 20:30 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#409 [乱]
それは、三ヶ月前に遡る。

四月に進路希望用紙が担任の先生から渡された。

ちなみに四月からやっと共学になり、美佳とも和紀とも一組で同じクラスになれた。

ただ早百合は前ちゃん(前田君)と同じ三組。

⏰:08/02/10 20:33 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#410 [乱]
刹と拓海と、早百合の彼氏の沖田君は二組になった。


もちろんいきなり共学になったわけだから皆意識しまくりで‥///

カップルの数が爆発的に増えた。

⏰:08/02/10 20:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#411 [乱]
「それじゃぁ〜今はなんとなくで良いから書いて金曜提出な〜」

いちいち語尾を延ばすこの先生の話し方もやっと慣れてきた。


「あっかっね!!進路どうすんの??」

休み時間、憂鬱そうな茜とは裏腹に美佳が尋ねる。

⏰:08/02/10 20:40 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#412 [乱]
「‥あたし何にも夢とかないんだよねー;」

「そかぁ;まぁ今はまだ良いって言ってたし♪じっくり考えてけば良いって!!」
「うん‥そういや美佳は??」

「あたしは子供好きだし‥保育士なろうって///」

⏰:08/02/10 20:43 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#413 [乱]
「わ‥美佳似合いそう!!ぴったり!!」

そう言うと美佳は恥ずかしそうにはにかんだ。

(美佳‥本当ぴったりだし‥夢あっていいなぁ‥)

茜が悩んでいるのを見つけた和紀が会話に入る。

「茜‥あせんなって」

⏰:08/02/10 20:46 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#414 [乱]
優しくいう和紀はまた一段と大人っぽくなった。

「‥うん‥

てか和紀ッ‥なんであたしが毎回聞いてんのに教えてくれないの??」

(そんなに言えない大学なの‥??)

和紀は頭も良いので有名大学に進学するとは思うんだけど‥今までいっこうに教えてくれなかった。

⏰:08/02/10 20:50 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#415 [乱]
「うーん‥‥‥‥‥どしよっかなぁ



まぁそろそろ教えても良っか‥


笑うなよ??」


渋々和紀が進路調査用紙を見せてくれた。

⏰:08/02/10 20:53 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#416 [乱]
(えっ嘘??見せてくれるんだ‥)

正直意外で

私と美佳はまじまじと紙を見つめた


「これ本気でいってんの??」

冗談にもならないほど真面目な字で第一希望の所には六文字が書いてある。

⏰:08/02/10 20:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#417 [乱]
紙には和紀の汚い筆跡で

ただ



サッカー選手


そう書いてあった。

⏰:08/02/10 20:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#418 [乱]
うちの学校のサッカー部の強さも

和紀の実力も


彼女として恥ずかしいけど全然知らない。


けど本気!?

私も美佳もはただただ驚くばかり。

⏰:08/02/10 21:00 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#419 [乱]
訂正です‥

×美佳もは
〇美佳も

⏰:08/02/10 21:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#420 [乱]
「カズー」
「かーずきー」

他クラスから刹と前ちゃんが片手に進路用紙らしきものを持って現れる。

そして和紀の紙を見て

刹「ってかどこのチーム入りたいか考えてる??」

サラっと言った。

⏰:08/02/10 21:06 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#421 [乱]
(ぇえ‥!?そうくる!?ここは驚くところでしょ!!!)

ポカンとした顔で美佳と顔を合わしていると

「どしたの??」

これまた普通に前ちゃんがいって。

ちらっと見える刹と前ちゃんの紙には和紀のと同じ文字が並んでいた。

美佳・茜「「ぇええええ!!??」」

⏰:08/02/10 21:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#422 [乱]
************高三 七月

和紀・刹・前田は毎日部活、それと地元のクラブチームでもサッカーを頑張っている。

三人の実力が何故有名じゃなかったか

部活では強いメンバーに恵まれず、地区大会優勝さえも出来なかったから。

⏰:08/02/10 21:25 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#423 [乱]
茜達は知らなかったが

和紀達は物足りなくてクラブチームに高二から入っていた

クラブチームでの活躍は本当に凄いらしく


少なかったスカウトマンが、七月になった今ではかなりの多さ。

まだ試合を見たことはないけど‥和紀達は着実に夢へと歩き出してることがわかった。

⏰:08/02/10 21:30 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#424 [乱]
(和紀がちっちゃい時からの夢だもんね‥

最近なかなか会えないけど‥しょうがない、か‥)

私が和紀の部屋を見ると今日もまだ明かりがついていない


(和紀も頑張ってるんだし‥!!)
今日も必死に勉強勉強。

⏰:08/02/10 21:35 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#425 [乱]
しばらく勉強をしていると

和紀の部屋に明かりがついた。

(お疲れ様‥)
心の中でいつものように言うとコンコン‥と小石の当たる音がした。

「え‥??」

和紀と久しぶりに逢える‥そう思うだけで胸が高鳴る。

⏰:08/02/10 21:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#426 [乱]
ガラッ

パジャマを着替えもせずにベランダに出る

すぐそばの部屋から和紀がひょこっと顔を出した。

「‥久しぶり」

疲れ切った顔で和紀は続ける。
「‥あんね、今度の日曜空いてる??」

⏰:08/02/10 21:43 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#427 [乱]
久しぶりに和紀の低い声を聞いた―‥

独特の低くて甘い声

私は少し緊張しながら応える。

「もちろん‥空いてるけど??何??」

「‥試合、見に来て欲しいんだ」

和紀は小さな声で言った。

⏰:08/02/10 21:46 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#428 [乱]
(え‥?)
私は驚いた。

気が散るとかなんとか言って、私や美佳が試合に来るのをいつも拒んでた人。

その張本人から誘われたから。

「見て良いの‥??」

疑いつついうと
和紀はフッと笑った。

⏰:08/02/10 21:50 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#429 [乱]
「茜に‥応援してほしいんだ。

その試合に来るかもしんない。

実は1番行きたかったプロチームからのスカウトマンが。」

和紀は俯きがちに真剣な顔で言った。

「あたし‥心の底から応援する///ふぇ‥」

⏰:08/02/10 21:53 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#430 [乱]
なんだか嬉しくて涙が出てしまう。

「泣くなって!!

とにかく俺‥頑張るから。茜顔近づけて??」


「ぅん///」
もう何度もキスしてるのに
大好きな和紀とだから慣れたことなんてない。

⏰:08/02/10 21:56 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#431 [乱]
私は恥ずかしいけど顔を近づけた。

すると優しく和紀はキスをする―‥




唇の後そっとおでこにキスをして和紀は
「おやすみ」
といって微笑んだ。
************

⏰:08/02/10 21:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#432 [乱]
次からいよいよ物語も後編に突入です
見てくださってる方‥いらっしゃいますか??

⏰:08/02/10 22:01 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#433 [みなみ]
みてます

頑張って

⏰:08/02/10 22:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#434 [とゎ]
みてるよッ

⏰:08/02/10 22:10 📱:P700i 🆔:☆☆☆


#435 [LISA]
見てます
頑張って下さい!

⏰:08/02/10 22:16 📱:P703i 🆔:☆☆☆


#436 [乱]
うぅありがとうございます皆様には本当元気付けられます‥
では後編に入ります

⏰:08/02/10 22:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#437 []
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/02/10 22:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#438 [乱]
―‥ねぇ和紀、

この日全ての運命が動き出したんだよね。

あたしが和紀を止めれば良かったのかな―‥
――――――――――――
「美佳ぁ!!遅いっ!!」

目の前にいるのは息をきらした美佳。

「ごめん茜っ!!メイクに手間取った〜;」

⏰:08/02/10 22:24 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#439 [乱]
さん
アンカーありがとうございます

⏰:08/02/10 22:25 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#440 [めい]
いつも見てますx
はっぴーえんど
ぢゃない系ですカK?

⏰:08/02/10 22:27 📱:W52S 🆔:☆☆☆


#441 [乱]
そういう美佳は確かにばっちりメイク。

(しょうがないか;刹もいるし‥)

刹はまだ彼女と続いているみたいなのに美佳は、“あの”美佳は刹に片思いし続けている。

そんな美佳は最近前にもまして綺麗になっていく。

「そのメイクなら刹も惚れちゃうね♪」

⏰:08/02/10 22:29 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#442 [乱]
めいさん
あわわ///ありがとうございます
ハッピーエンドじゃないかどうかは‥もう決まっていますが言えないですすみません
ですが読んでくださる方に納得してもらえるような終わり方にはするつもりです

⏰:08/02/10 22:33 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#443 [乱]
美佳を冷やかすと
「そっ‥かなぁ///」

美佳ははにかんだ。

(美佳マジ可愛すぎ!!!刹の彼女さんには悪いけど‥刹とくっついてほしい‥!!)


「‥あ;もう試合始まってる」

美佳の遅刻のおかげでもうキックオフしてしまったみたい。

⏰:08/02/10 22:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#444 [乱]
「ひゃあー茜マジごめん;」
「いーから!!とにかく急ごっ」

茜達はミュールなのに競技場まで走った。


ハァッ‥ハアッ‥

久しぶりに走ったもんで‥着いたときには二人とも呼吸を乱していた。

⏰:08/02/10 22:39 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#445 [乱]
「きゃあああッ」

二人がどのグランドに行けば良いのか迷っていると、前方から黄色い声が聞こえた。

「あそこのグランドだね笑」

「決まり笑」

こんな競技場でやってるのに女の子達からの声援をあびるなんて、和紀達以外考えられない。

⏰:08/02/10 22:44 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#446 [めぐみるく]
はっぴ-えんどが
いいです

茜と和紀がずっと
幸せでいてほしいです

⏰:08/02/10 22:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#447 [乱]
グランドに着くと‥観客席にいたのは

ビデオ録ってるスカウトマンらしき人達と

十数人くらいの関係者らしき人達、


そして三十人近い女の子達。

‥あまりに予想を超えていたので、美佳と吹き出してしまった。

⏰:08/02/10 22:47 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#448 [乱]
めぐみるくさん
初めましてコメありがとうございます
うぅ何ともお答え出来ませんが‥どうぞ茜と和紀を温かい目で見守ってやってください

⏰:08/02/10 22:51 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#449 [乱]
「ふぅ。」

女の子達の集団から少し離れた席に座る。

―そして超本気の観戦モード―

「あっあれ和紀だ」

「ぇ!!どこどこ??」

サッカーのルールが全く分からない茜はあちこち必死に探す。

⏰:08/02/10 22:54 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#450 [乱]
「あっ!!いた!!」

‥和紀は青いユニフォームに十番の背番号をつけて

フィールドを駆け抜けていた


―‥ユニフォームは他の誰よりも似合っていて

指示を次々と出す和紀はいつもと別人のようで

君にまたキュンとさせられるんだ///

⏰:08/02/10 22:59 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#451 [乱]
和紀にボールが回るたび、
和紀がボールをカットするたびに

女の子達はキャーキャー言う。

でも好きの気持ちはまけない。

言葉を発することが出来ないほど‥私は和紀から目が離せないから。

⏰:08/02/10 23:04 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#452 [乱]
素人目で見てもわかる。

ドリブルの速さ

周りを見る力

和紀は全て飛び抜けていて

そんな和紀につられるようにチームのプレーが輝き出す。

⏰:08/02/10 23:07 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#453 [乱]
そこにいる誰もが和紀の1プレー1プレーにくぎづけになった。


刹も、前ちゃんもキラキラとしていて


三人ともなんて楽しそうなんだろう‥

―憧れるしかなかった。
―見つめるしかなかった。

⏰:08/02/10 23:10 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#454 [乱]
‥ピィーッピーッピィーー‥

長いホイッスルの音が響き渡り試合終了を告げる。


私達はまるで長い夢を見ていたかのようにぽーっとグランドの選手を見続けた。

⏰:08/02/10 23:13 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#455 [乱]
試合は3―0で和紀達の圧勝だった。



「‥すごいね」
「‥うん‥」

まだ現実に戻れない。
和紀、刹、前ちゃん

こんなにすごかったんだ。

⏰:08/02/10 23:16 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#456 [乱]
しばらく感動にひたっていると私達に気付いた三人が、手をふってくれた。

和紀も笑顔で手をふっている

―ドクンッ―

何だろうこの気持ち。

言葉に表せないほど‥涙が出るほどに溢れ出るこの気持ち。

⏰:08/02/10 23:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#457 [乱]
‥あぁ。



これが愛してるっていう事か。


頭の片隅で思った。

⏰:08/02/10 23:21 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#458 [美希]
めっちゃ面白くて毎日みちきてますやっぱ主さん天才ですこれからも頑張って下さい応援してます

⏰:08/02/10 23:23 📱:SA700iS 🆔:☆☆☆


#459 [乱]
しばらく息も出来なくて。

やっと息が吸えるようになると


和紀達は打ち上げがあるので

先に帰ることにした。

空はもう暗くなり始めた帰り道、和紀から一通のが届いた。

⏰:08/02/10 23:24 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#460 [美希]
みちきてじゃなくてみにきてですね何度もごめんなさい頑張って下さい

⏰:08/02/10 23:26 📱:SA700iS 🆔:☆☆☆


#461 [乱]
美希さん
毎日だなんてありがとうございますてっ天才じゃないですけど‥そういってもらえると嬉しいです///照

これからもよろしくです

⏰:08/02/10 23:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#462 [乱]
――――――――――――From 和紀
Sub やった
____________スカウトされて、来年からチーム入り決まった
つか今日来てくれてありがと
家帰ったら打ち上げしよ窓空いてるから先部屋で待ってて
  -END-
――――――――――――

⏰:08/02/10 23:34 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#463 [乱]
(いつもより絵文字が多い‥よっぽど嬉しいんだろうなぁー‥///)

美佳と別れて

部屋に戻ってから返信をうつ。

カチカチカチッ
‥‥ピッ

を送信して私は和紀の部屋に入った。

⏰:08/02/10 23:37 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#464 [乱]
一人で和紀の部屋に入るのはもちろん初めて。


(エロ本とかやっぱあるのかな‥///笑)

私は何故か一人テンションを上げて和紀を待つ。

そして和紀の今日の活躍を思い出していた。

⏰:08/02/10 23:40 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#465 [乱]
瞼に焼き付いた和紀はあまりに格好よくて


“これが私の彼氏ですっ”

って全世界の人に自慢したかった。

和紀になんておめでとって言おうか

幸せに浸り考える。

⏰:08/02/10 23:42 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#466 [乱]
ふと気付くともう夜の8時。

(どんだけ長い打ち上げだよ!!!)


そう、一人で突っ込んでる時―‥

♪♪♪♪♪♪♪

私の携帯がけたたましく鳴った。

⏰:08/02/10 23:45 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#467 [乱]
(あっ和紀からだ!!)

そう思って着信ボタンを押すと出たのは

「もしもし!?」

刹だった。

「もしもしっ茜!?刹だけど」

「どしたのー??刹、和紀は??」

⏰:08/02/10 23:48 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#468 [乱]
「茜、今和紀ん家だろ??和紀の親いるか??」

(どうしたの‥刹

ねぇなんで慌ててるの??)

「和紀ん家は共働きだから10時ぐらいにならないと帰ってこないよ‥??

ねぇ、和紀は‥??」

すごく、嫌な予感がした。

⏰:08/02/10 23:52 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#469 [乱]
「茜だけでも来て。

〇〇病院だから‥」

刹は電話を切ろうとした。
「ねぇ!!!刹!!!和紀は!!??」

つい怒鳴ると

「酔っ払いの車に跳ねられた‥ガチャッ‥ツーツーツー」

刹は震えた泣きそうな声で言うと電話を切った。

⏰:08/02/10 23:57 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#470 [乱]
和紀??




―‥お願い嘘だといって。
―‥お願い夢なら覚めて。

⏰:08/02/10 23:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#471 [乱]
私は裸足で外に出て急いでタクシーを捕まえた。


「〇〇病院までお願いします‥早く行ってください!!」

タクシーの運転手はびっくりしていた。

でも、とにかく早く和紀の元へ。和紀、和紀‥

⏰:08/02/11 00:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#472 [乱]
ポケットに入っていた財布から千円札を取り出し運転手に押し渡す。

お釣りも受け取る前に病院に入り、受付で和紀の名前を叫んだ。


「‥和紀は、和紀はどこですか!!」

⏰:08/02/11 00:04 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#473 [乱]
「え;あっ先ほど運ばれた一之瀬和紀さんのお友達‥??」

「和紀!!和紀はどこ!?」

私は半ば狂乱しながら聞いた。

「突き当たって右の‥あっまって‥!!」

私は最後まで聞かずに走り出す。

⏰:08/02/11 00:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#474 [乱]
角を曲がると

刹と前ちゃんとクラブチームの顧問らしき人

私はそこで不安に堪えられなくなって泣き崩れた。


「和紀‥和紀はどこ‥??」
刹と前ちゃんが抱きしめてくれながら言った。

⏰:08/02/11 00:14 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#475 [乱]
「和紀は今手術中。茜‥大丈夫だから落ち着こう」って。


でも二人もがたがたと震えていて‥どうしようもないほど恐かった。

⏰:08/02/11 00:16 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#476 [乱]
しばらくして和紀の両親が駆け込んで来た。

さっきの私と同じように和紀の名前を叫びながら―‥

私は泣き崩れたままだった。
恐い‥恐いよ和紀。

今日一緒に打ち上げしようって言ったじゃん‥

今日スカウトされたって言ったじゃん‥

⏰:08/02/11 00:18 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#477 [乱]




ビーッ‥


手術中のランプが、消えた。


中から大柄の医者が出て来た―‥

⏰:08/02/11 00:20 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#478 [乱]
「和紀っ和紀は!?」
和紀の両親がつめよる


すると医者は



「手術は成功し、息子さんは一命を取り留めました‥」
疲れ切った笑顔で答えた。

⏰:08/02/11 00:22 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#479 [みなみ]
よかった

⏰:08/02/11 00:23 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#480 [乱]
「ほー‥‥‥‥‥」

その場にいた全員が安堵のため息をついた。

良かった‥和紀‥良かった‥

泣きながら私はそう思った。
―君がいない世界なんて考えられない。
おいてかないでおいてかないで‥おいてかないで―

ねぇ和紀‥助かったと聞いたはずなのにこの不安は何で拭い去れないの‥??

⏰:08/02/11 00:26 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#481 [乱]
私は‥二日間寝られなかった。


三日目に和紀が目を覚ますまで。

************

⏰:08/02/11 00:28 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#482 [乱]
「‥ぁ‥」

「和紀ッッッ!!!起きたの―‥??」

和紀は手術後の三日目にやっと目を覚ました。

嬉しくて、嬉しくて‥‥嬉しくて。

「‥あ‥かね‥??」
「うっ‥ふぇ‥和紀ぃ〜〜!!!」

「何泣いてんだよ‥‥そっか‥俺‥事故ったんだっけ。」

⏰:08/02/11 00:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#483 [乱]
和紀は苦笑いを浮かべて言った。

「もー‥本っ当に心配したんだからね??グスッ」

「ごめんな‥ってか俺よく生きてたな‥笑」

「頭打撲に、両足骨折、肋は二本も折れて生きてるんだから奇跡だよ‥///」

⏰:08/02/11 00:36 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#484 [乱]
そう言うと何故か和紀の顔色が‥変わった。


見間違いかと思うほど一瞬で、、すぐ笑顔に戻る。


「‥どしたの??」

勇気を出して聞いてみた。

⏰:08/02/11 00:38 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#485 [乱]
「‥なぁ普通って‥怪我したとこ‥痛いよな‥??」
「う‥うん」


「頭ずきずきするし、あばらもいてーんだけど




足が‥全く痛くねーし

太股から下ぴくりとも動かせない。」

⏰:08/02/11 00:41 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#486 [乱]
―‥‥‥‥‥


‥‥拭い去ることの出来ない不安はこれだった。


神様がいるのなら、答えてください‥

どうして和紀なの‥

どうして和紀の夢を奪うの‥
あたしが変わらせてください。

⏰:08/02/11 00:45 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#487 [乱]
その後すぐに再検査。

手術した医師から和紀の両親だけに

「残念ながら‥神経が傷ついてしまって‥足から下はもう‥一生動かないでしょう‥」

こう伝えられたと知った時、、ただひたすらに


運命を呪った。

⏰:08/02/11 00:49 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#488 [乱]
今日の更新はここまでです

感想等もし宜しければこちらに頂けると嬉しいですhttp://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3315/

⏰:08/02/11 00:51 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#489 [乱]
貼れてない
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3315/
です

⏰:08/02/11 00:59 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#490 [さくら]
失礼します

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/02/11 02:50 📱:F904i 🆔:☆☆☆


#491 [乱]
さくらさん
アンカーありがとうございます

⏰:08/02/11 06:47 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#492 [乱]
―‥和紀は

自分の足がもう“一生”動かないことを

まだしらない―‥

************
私は和紀の両親に言われてちゃんと学校に通い始めた。

でも学校にいても考えるのは和紀の事ばかり。

⏰:08/02/11 06:50 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#493 [乱]
和紀が怪我したという噂は物凄い勢いで広まり

ものすごい数の面会者が和紀を訪れた。


でもそれは最初だけ。

面会に飽きた人達が一人、また一人来なくなる。

⏰:08/02/11 06:53 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#494 [乱]
今でも来るのは

先生、刹、前ちゃん、美佳、、、そして私。


こんな時友情って何なんだろうって思わずにはいられないんだ―‥

私は毎日和紀の所へ通う。

⏰:08/02/11 06:55 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#495 [乱]
連絡手段は電話と、会うことだけだった。


マナーモードの携帯は、和紀が事故ったあの日どこかで無くしてしまったからも出来ない。


二ヶ月、三ヶ月‥和紀が入院してかなりの日がたった。

⏰:08/02/11 06:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#496 [乱]
そして―‥最近和紀はどんどんマイナス思考になって‥


あの大好きないたづらっぽい笑顔は


もう‥滅多に見られない。

⏰:08/02/11 07:00 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#497 [乱]
「失礼します」

病院のドアを開ける。

「‥‥‥。」

最近和紀は見舞に来る茜を見なくなった。

今日も背を向けたまま。

⏰:08/02/11 07:03 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#498 [乱]
「今日は遅れてごめんね??ちょっと委員会があって‥」

持ってきた林檎の皮をむきながら言った。

「‥うそつき。」

背を向けている和紀がぼそって言う。

⏰:08/02/11 07:05 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#499 [乱]
「男とあってたんでしょ‥??」

(‥またか;)

「委員会だってば;」

「じゃー後で美佳にも聞いとく」

「‥‥うん」

和紀は日に日に‥厭味っぽく、嫉妬深く‥そして私を信じなくなっていく。

⏰:08/02/11 07:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#500 [乱]
そんな和紀を見るのが哀しくて、辛くて、代わってあげたくて‥

今日も一人、家で涙を流す。

和紀‥不安でしょうがないんだよね‥??

‥私はどこにもいかないよ??

⏰:08/02/11 07:11 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


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