ダイスキ。
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#501 [乱]
それでも毎日毎日和紀の部屋へ通う。
和紀のたまにする笑顔が見たいから。
和紀を今支えてるもの
それは“治る”
と聞かされている事だった。
:08/02/11 07:13 :SH904i :☆☆☆
#502 [乱]
「来月になったらやっと手術だって」
和紀はたまに笑顔で言う。
片手でダンベル持って筋トレしながら必死に遅れを取り戻そうとしていた。
この和紀に誰が言えますか
キミハモウナオラナイ
‥。
:08/02/11 07:16 :SH904i :☆☆☆
#503 [乱]
和紀を見るのが本当に辛かった。
家に帰るなり声をあげて子供のように泣くことしか‥
そしてただ祈ること事しか出来なくて。
:08/02/11 07:18 :SH904i :☆☆☆
#504 [乱]
ご飯も喉を通らず‥
私も‥衰弱していった―‥
そんな、ある冬の日。
「‥もぉうざいからこないで‥」
君はそう言った。
:08/02/11 07:21 :SH904i :☆☆☆
#505 [乱]
黙って病室を出て、大泣きをした。
―‥和紀
―‥和紀しかいないんだ
私には和紀だけで。
きっと和紀にも私だけで。
(‥何で‥何で)
また今日も一人家で泣く。
:08/02/11 07:24 :SH904i :☆☆☆
#506 [乱]
その日神様なんていない
って―‥思った。
雪がちらほらと舞う夜で
皆が家で温まっている時。
和紀が病院の部屋の窓から‥飛び降りた。
:08/02/11 07:27 :SH904i :☆☆☆
#507 [乱]
,
,
,
:08/02/11 07:28 :SH904i :☆☆☆
#508 [乱]
,
―なぜ命まで奪うんですか
―なぜ彼なんですか
―なぜ私は生きているんですか
:08/02/11 07:30 :SH904i :☆☆☆
#509 [乱]
私達はもう十八歳で
まだたったの十八歳で。
何事に対しても“無力”
だった―‥。
:08/02/11 07:32 :SH904i :☆☆☆
#510 [乱]
―‥彼は‥
十八歳の短すぎる命に‥
幕を閉じた―‥
:08/02/11 07:33 :SH904i :☆☆☆
#511 [乱]
報せを受けた時
泣くことも出来ずに
―‥ただ立ち尽くした。
―‥ただ生きていた。
:08/02/11 07:36 :SH904i :☆☆☆
#512 [乱]
************
ピンポーン‥
玄関のチャイムが今日も鳴り響く
「茜‥美佳ちゃんが呼んでるわよ‥」
「‥‥‥。」
「‥そう。じゃぁ美佳ちゃんに言っておくから‥」
「‥‥。」
:08/02/11 07:40 :SH904i :☆☆☆
#513 [乱]
廃人のように生きている
何も考えたくない‥
また待っていれば窓に小石の当たる音がきっとする
また優しくキスをしてくれる
ねぇ‥和紀。
:08/02/11 07:43 :SH904i :☆☆☆
#514 [乱]
報せを聞いて病院で和紀の顔を見た時
顔は少しも傷ついていなくて‥眠っているみたいで
安堵の表情を浮かべていた。
:08/02/11 07:45 :SH904i :☆☆☆
#515 [乱]
まるで痛みや苦しみから解放されたようだった
和紀‥
私も和紀を傷つけたうちの一人なの‥??
和紀の事だからひょこって現れて
「茜だまされたー♪」
って言って頬を摘むよね??
:08/02/11 07:48 :SH904i :☆☆☆
#516 [乱]
学校来い
茜は和紀の死を認めていないんだよって
ちゃんと前を見ろって
何度も皆から
が届く。
もう私も生きるのに‥疲れたみたい。
:08/02/11 07:50 :SH904i :☆☆☆
#517 [乱]
向こうでなら和紀と一緒に暮らせるかな
今日も和紀の部屋に行き、和紀の香に包まれて、
やっと眠ることが出来る。
泣けるものなら泣きたいな
:08/02/11 07:53 :SH904i :☆☆☆
#518 [乱]
和紀の部屋に行き冷たい床にゴロンと寝転がる。
寒いなぁ‥
あの日食べたフォンダンショコラとホットミルクが飲みたい‥
:08/02/11 07:56 :SH904i :☆☆☆
#519 [乱]
思い出しながら天井を仰ぐ。
そして手を延ばし広げると
“ゴトッ”
和紀のベッドの下の何かが手に当たった。
:08/02/11 07:58 :SH904i :☆☆☆
#520 [乱]
‥??何だろう‥。
見ると、和紀とお揃いのストラップを付けた
ピンク色の私の携帯。
「こんなとこにあったんだ‥」
このストラップ和紀は恥ずいと言いながら付けてくれてたっけ。
:08/02/11 08:01 :SH904i :☆☆☆
#521 [乱]
私は今の携帯の充電器を持ってきて、
とりあえず電源を入れてみた。
着信 0
4
は三通は和紀が事故った日の物で刹と前ちゃんからだった。
:08/02/11 08:04 :SH904i :☆☆☆
#522 [乱]
内容は全部
[おちつけよ‥]
とか
[今手術してるみたい。]
とかだった。
:08/02/11 08:06 :SH904i :☆☆☆
#523 [乱]
四通目は、
和紀からだった。
止まりそうな位静かだった心臓が‥動き出す
その
は和紀が飛び降りた日に来ていた。
胸がぎゅぅーってなる。
(何でこっちの携帯に‥??)
そう思ったけど‥とりあえず開いてみる。
:08/02/11 08:09 :SH904i :☆☆☆
#524 [乱]
――――――――――――From 和紀
Sub 無題
____________
茜はこの携帯を見てないかもしれない。
てか無くすとかありえないから‥笑
今日、来ないでとか言ってごめん‥
本当は毎日来てほしいんだ‥
:08/02/11 08:14 :SH904i :☆☆☆
#525 [乱]
でも俺は今茜を傷つけることしか出来なくて
いつも疑うことしか出来なくて。
茜が最近弱ってるのが辛くて‥ああ言えば茜は元気になるのかなって思った。
:08/02/11 08:16 :SH904i :☆☆☆
#526 [乱]
茜が思ってる以上に‥俺茜の事が好きすぎるみたい
自分だけのものにしたいってよく思うし
茜は知ってたんだよね??
今日先生達が話してるの聞いちゃった
俺治らないんだってね。
:08/02/11 08:19 :SH904i :☆☆☆
#527 [乱]
夢を奪われても生きれる程俺は大人でも子供でも無くて‥
もう無理みたい‥
でも茜に言っておきたいんだ。
俺は人生の中で茜と会えたことが最高だよ
:08/02/11 08:21 :SH904i :☆☆☆
#528 [乱]
十八年‥泣きたいほど茜が好きだった。
俺は茜の笑った顔が1番好きだから‥俺の分まで生きて‥それから笑って
俺はお前だから。
あと生まれ変わったら今度こそサッカー選手なるから
:08/02/11 08:25 :SH904i :☆☆☆
#529 [乱]
ただ‥一言だけ聞きたかった。
気付いてた??茜、一回も俺に好きって言ったことないんだよ
笑
聞きたかった‥マジで。
最後にいろいろ傷つけてごめん‥マジありがとう‥。
―END―
――――――――――――
:08/02/11 08:28 :SH904i :☆☆☆
#530 [乱]
―‥か‥ず‥‥き―
涙が‥溢れ出す。
和紀‥本当に死んじゃっ‥たんだ‥
‥和紀ッ―‥
声をあげて泣いた。
:08/02/11 08:31 :SH904i :☆☆☆
#531 [乱]
何で恥ずかしがって言わなかったんだろう‥
和紀‥救われたのは私だよ‥生まれて来てくれて、好きになってくれて、守ってくれて‥
「‥‥‥ダイスキ。
ありがとぉ‥‥」
泣き崩れながら携帯に向かって叫んだ。
:08/02/11 08:35 :SH904i :☆☆☆
#532 [美希]
:08/02/11 08:36 :SA700iS :☆☆☆
#533 [乱]
――言いたくて、でも言えなかった好きの気持ちが
今やっと‥和紀に届いた気がした――
************
:08/02/11 08:37 :SH904i :☆☆☆
#534 [美希]
:08/02/11 08:38 :SA700iS :☆☆☆
#535 []
:08/02/11 08:39 :SO903i :☆☆☆
#536 [乱]
まだまだ続きますがキリが良いので一回切ります
美希さん
ありがとうございます
私も半泣き状態でなんとか書きました
まだ続くので是非また見て下さい
:08/02/11 08:42 :SH904i :☆☆☆
#537 [みなみ]
今度いつですか
?
:08/02/11 08:43 :SH904i :☆☆☆
#538 [乱]
:08/02/11 08:43 :SH904i :☆☆☆
#539 [乱]
:08/02/11 08:45 :SH904i :☆☆☆
#540 [(。∀゚)アヒャ]
めッちゃ面白い~泣けてきた(ラg。∀゜)丿頑張ってください!!!!!!!!
:08/02/11 09:42 :W43SA :☆☆☆
#541 [な]
自然に涙がつたりました。
本当にいい小説です。
最後まで頑張ってください。
:08/02/11 09:42 :SH903i :☆☆☆
#542 [†Reiraβ]
すごく泣けました。この話大好きです!この先どうなるのか楽しみにしてますねっ頑張ってください!!
:08/02/11 11:32 :P903i :☆☆☆
#543 [まなみ]
:08/02/11 12:33 :SH704i :☆☆☆
#544 [まなみ]
:08/02/11 14:03 :SH704i :☆☆☆
#545 [乱]
(。∀゚)アヒャさん
コメ有難うございます
はい
これから完結まで精一杯頑張ります
:08/02/11 16:18 :SH904i :☆☆☆
#546 [乱]
なさん
勿体ない程の御褒めの言葉‥有難うございます
涙
何だかとても嬉しいです、頑張りますっ
:08/02/11 16:19 :SH904i :☆☆☆
#547 [乱]
†Reiraβさん
好きと言っていただけて涙が出るほど嬉しいです
完結まで‥頑張ります
:08/02/11 16:21 :SH904i :☆☆☆
#548 [乱]
まなみさん
アンカー有難うございます
皆さん本当に有難うございました
それでは少しだけ更新します
:08/02/11 16:22 :SH904i :☆☆☆
#549 [乱]
“笑って
”
‥和紀がそう言ったから、
―‥頑張れる気がした
―‥生きられる気がした
和紀とお揃いのストラップを新しい携帯に付け替えて‥
その日は吐いても吐いてもご飯を食べた。
:08/02/11 16:26 :SH904i :☆☆☆
#550 [乱]
-次の日-
―ピンポーン―
「はーい‥あら、美佳ちゃん‥‥毎日毎日本当にありがとう
ちょっと待っててね」
「いえ‥(茜、今日も来ないのかなぁ‥)」
:08/02/11 16:29 :SH904i :☆☆☆
#551 [乱]
いつものようにおばさんが茜を呼びに行くのを玄関の前で待つ。
美佳も‥もちろん和紀の死に傷ついていた。
でも涙を堪え、絶望を堪え、美佳は美佳なりに“生きよう”としている。
:08/02/11 16:32 :SH904i :☆☆☆
#552 [乱]
だからこそ、もう目に光が宿っていない茜の事が心配だった。
報せを聞いた時、茜は美佳の隣にいて
皆が涙を流す中
茜はただ呆然とつったっていて
そしてその後‥二週間も学校に来ていない。
:08/02/11 16:35 :SH904i :☆☆☆
#553 [乱]
一回茜と会ったけど
すごいやつれていて
かつての表情も失われていた。
美佳は心配で不安で、それから毎朝出てこない茜を迎えに行く。
:08/02/11 16:38 :SH904i :☆☆☆
#554 [乱]
今日も‥もう来ないと思ってた。
だから
茜のトタトタと階段を下りる音が聞こえた時は
本当に驚いて、、泣きたい位嬉しかった。
:08/02/11 16:40 :SH904i :☆☆☆
#555 [乱]
「あか‥ね??」
靴を履きながら外を見ると心配そうな美佳が見つめていた。
久しぶりに美佳を見たから‥すごいホッとする。
「美佳‥おはよ!!」
出来る限りの笑顔で言った。
:08/02/11 17:01 :SH904i :☆☆☆
#556 [乱]
「あっ‥あかねぇ‥ヒックッ」
美佳は家の前で泣き出してまった。
―‥皆同じように不安で仕方なくて
皆弱いんだ―‥
私は美佳に駆け寄ってもらい泣きしてしまった。
:08/02/11 17:04 :SH904i :☆☆☆
#557 [乱]
久しぶりに朝、美佳と一緒に登校したけど‥
‥登校どころじゃなかった。
今日は雪は降っていないけどどんよりとした曇り。
“和紀”という単語を一度も出さないまま私達は歩く。
:08/02/11 17:07 :SH904i :☆☆☆
#558 [乱]
でも‥いつも和紀が私たちを抜き去る横断歩道の前で
お互い黙って涙を流した。
―‥和紀の手がいきなり私の頭をクシャッとしたのはいつだっただろう
:08/02/11 17:11 :SH904i :☆☆☆
#559 [乱]
―‥物凄い勢いで抜かしていったのはいつだっただろう
遠い昔のように、そして時には昨日の事のように感じた。
―‥もう‥髪をクシャッってやられる事も抜かされる事も
‥笑いかけられる事もないんだね‥―
:08/02/11 17:14 :SH904i :☆☆☆
#560 [乱]
和紀の死を、真正面からやっと向き合った私は途方もなく悲しみに襲われた。
風の冷たさがしみる―‥。
そうか調度、、
去年の今頃和紀と付き合い始めたんだっけ
この哀しみが薄れる日もいつか来るかなぁ
空に問いた。
:08/02/11 17:19 :SH904i :☆☆☆
#561 [乱]
************学校が始まって一週間が過ぎた。
最初の一週間は分かっていたけど地獄のようだった。
無神経な人達からの質問・同情・哀れみ。
あまりに辛くていつも刹や美佳、前ちゃんと一緒にいる。
:08/02/11 17:23 :SH904i :☆☆☆
#562 [乱]
「茜大丈夫??」
「一之瀬君‥自殺っていう噂流れてるけど本当!?」
「本当無理しないでね」
そんな言葉いらないから‥お願いだからほっといて。
:08/02/11 17:26 :SH904i :☆☆☆
#563 [乱]
私がストレスに耐え切れず本当に辛い時美佳が助けに来てくれた。
そして拓海も必死になって私を連れ出して、気分転換させてくれた。
(ありがとう‥)
感謝しきれないほど皆は守ってくれる。
:08/02/11 17:29 :SH904i :☆☆☆
#564 [乱]
一週間たって
なんとか
なんとか笑えるようになった
食べられるようになった。
哀しくない訳がないけどいつも
“笑って
”
って和紀の声が聞こえたから。
:08/02/11 17:32 :SH904i :☆☆☆
#565 [乱]
しかし一週間が過ぎて
次に待ち受けていたのは告白の嵐‥
絶望した。
(どうして和紀が死んだすぐ後なのに平然と告れるの‥??
どうして何にも知らない癖に“俺が支えるから”なんて言えるの‥??)
:08/02/11 17:35 :SH904i :☆☆☆
#566 [乱]
刹達以外、誰も何も信じられなくなった。
:08/02/11 17:37 :SH904i :☆☆☆
#567 [乱]
そして拓海は
他の人と違って
私に告白したり私にふれたりは一切せずに
ただ、何もしてあげられない私を毎日、毎日支えてくれた。
:08/02/11 17:40 :SH904i :☆☆☆
#568 [乱]
うう
このまま今日‥完結まで書いちゃうかもしれないです
見てくださっている方いらっしゃいましたら、どうぞ最後まで見守ってあげてください
:08/02/11 17:43 :SH904i :☆☆☆
#569 [LISA]
まじ泣けます
完結今日ですか!!最後まで見ます
応援してます
:08/02/11 17:52 :P703i :☆☆☆
#570 [(。∀゚)アヒャ]
アタシも最後までみてます!!!!!!!
:08/02/11 17:55 :W43SA :☆☆☆
#571 [美希]
:08/02/11 17:58 :SA700iS :☆☆☆
#572 [乱]
わわ‥(:_;)本当に有難うございます
最後の集大成頑張ります
:08/02/11 18:03 :SH904i :☆☆☆
#573 [乱]
-高三 二月-
私はかつての表情を少しずつ少しずつ取り戻して来ている。
勿論まだ和紀の事を愛していて‥思い出すと胸が締め付けられる
でもいつも君の言葉を思い出すんだ
:08/02/11 18:08 :SH904i :☆☆☆
#574 [まなみ]
:08/02/11 18:09 :SH704i :☆☆☆
#575 [みなみ]
:08/02/11 18:09 :SH904i :☆☆☆
#576 [乱]
――俺は茜の笑った顔が好きだから‥俺の分まで生きて‥それから笑って
俺はお前だから――
私は和紀で
和紀は私。
私は‥キミの分も精一杯生きようって思った。
:08/02/11 18:15 :SH904i :☆☆☆
#577 [乱]
―そしてこんな風に思えるようになったのも‥他でもないあなた達のおかげ―
「あかね〜」
「あっみか〜!!それに前ちゃんっ!!刹!!どぉしたの??」
ここ最近自由登校だったから、なかなか皆に会えなかった。
:08/02/11 18:20 :SH904i :☆☆☆
#578 [乱]
廊下で手を振りながら三人はこっちへ来た。
後ろには拓海もいる。
刹が茜の肩を掴んで嬉しそうに言った。
「拓海‥合格したってよ」
「へ‥??」
:08/02/11 18:52 :SH904i :☆☆☆
#579 [乱]
「拓海本当?!」
「‥まぁね」
そう言って拓海は刹の後ろで嬉しそうに微笑んだ。
「す‥すごーい!!」
茜は拓海に抱き着いた。
:08/02/11 18:55 :SH904i :☆☆☆
#580 [乱]
拓海は嬉しそうに照れる。
昔から頭の良かった拓海は有名大学を目指して‥
私を支えてくれながらも必死に勉強してた。
だから拓海の合格が本当に嬉しくて‥思わず泣いてしまう。
:08/02/11 18:59 :SH904i :☆☆☆
#581 [乱]
私も第二希望には無事受かった。
前ちゃん・刹はプロチームに入ることになり
美佳は家政系の専門学校へ。
皆一歩ずつ将来への道を踏み出していた。
:08/02/11 19:03 :SH904i :☆☆☆
#582 [乱]
この数カ月私を救ってくれた拓海と、刹達が仲良くなって‥
皆本当に自慢できる程の最高の友達だった。
美佳と刹は‥まだ付き合ってないみたい。
私が
“刹は彼女とどぉなの??”
って聞いても意味深に微笑んで何も答えてくれない。
:08/02/11 19:08 :SH904i :☆☆☆
#583 [乱]
私は
皆といるのが楽しかった。
でも‥私には罪がある。
:08/02/11 19:10 :SH904i :☆☆☆
#584 [乱]
「じゃー拓海を祝って打ち上げしよー!!」
前ちゃんが明るく言った。
「いーねいーね!!」
美佳もそれに応える。
そして皆でその日はサボって屋上で騒ぐことになった。
************
:08/02/11 19:13 :SH904i :☆☆☆
#585 [乱]
今はこんなに楽しそうに見えるかもしれないけれど
皆はそれぞれ多き過ぎる傷を負っていて
どことなく私達は哀しい香りがしている―‥
:08/02/11 19:15 :SH904i :☆☆☆
#586 [乱]
それは多分皆気付いている事
でも敢えて何も言わない
深い‥冷たい雪が溶け、
梅が蕾をつける頃
―私達は着実に大人になっていった―
************
:08/02/11 19:18 :SH904i :☆☆☆
#587 [乱]
『カンパーイッ!!』
まだ少しだけ肌寒い青空の下
屋上にコップのあたる音が響いた。
「拓海本当おめでとぉ♪」
言い足りないかのように次々と皆が祝う。
:08/02/11 19:21 :SH904i :☆☆☆
#588 [乱]
「ありがとっ」
さらさらな黒髪が風になびいて無邪気に笑う。
「でね―‥」
「マジで!?〜‥」
皆でお菓子を食べながらワイワイと騒ぐ。
:08/02/11 19:24 :SH904i :☆☆☆
#589 [乱]
そしてぱっと目を上げると
向かい側に座る拓海と目があった―‥
―‥ドクン‥ドクン‥―
これが私の罪‥。
:08/02/11 19:27 :SH904i :☆☆☆
#590 [乱]
和紀が今でも好きなのに
他の人に恋してる訳無いのに
拓海にドキドキしてしまう自分がいる。
:08/02/11 19:28 :SH904i :☆☆☆
#591 [乱]
私はそんな自分が無償に許せなくて
必死にこれは恋でも何でもないと言い聞かせ
すぐに目を反らす。
:08/02/11 19:30 :SH904i :☆☆☆
#592 [乱]
こんな態度ばかりとっているのに
拓海は優しくて、優し過ぎて
私の罪は重さを増していく―‥
:08/02/11 19:32 :SH904i :☆☆☆
#593 [乱]
それに拓海の整った顔の中で
瞳がとても澄んでいて‥汚れ等全くない様子だから
(私‥最低だ‥;)
いつもこうやって自分の汚さに嫌気がさす。
:08/02/11 19:35 :SH904i :☆☆☆
#594 [乱]
「どした??」
フッと笑って和紀は言った。
綺麗な声。
和紀とは違う―‥声。
「ううん!!てかこのお菓子美味しいねっ♪」
気持ちをごまかすように言った。
:08/02/11 19:38 :SH904i :☆☆☆
#595 [乱]
私自身拓海に対するこの気持ちを何て名付けたらいいかわからなかった。
愛するのはこれからも、この先も和紀だけ。
私は和紀の墓に誓っていた。
:08/02/11 19:42 :SH904i :☆☆☆
#596 [乱]
************
-数日後-
登校日も残りあとわずか。
(あっ‥!!やばっ‥!!)
放課後帰ろうとした時に忘れ物を思い出した。
「あっあたし忘れ物しちゃったから先帰って〜♪」
階段で美佳に言う。
:08/02/11 19:52 :SH904i :☆☆☆
#597 [乱]
「分かった〜茜ばいばいっ!!」
「ばいばーい!!」
そう言って茜は急いで階段を駆け上がった。
タンタンタンッ
ガラッ
:08/02/11 19:53 :SH904i :☆☆☆
#598 [乱]
(誰もいないかー‥)
静まり返る教室で茜は携帯を捜す。
自分の椅子‥机
美佳の椅子‥机
(あっれー‥??
あたしどこやったっけ‥)
:08/02/11 19:56 :SH904i :☆☆☆
#599 [乱]
ガラッ
とりあえず早百合と前ちゃんのクラスに入る。
そこも誰もいなかった。
そして早百合の机を見ると
あのストラップのついた携帯が置いてあった。
(良かったぁ‥焦ったぁ‥;;)
:08/02/11 20:03 :SH904i :☆☆☆
#600 [乱]
(帰ろー)
「ぼそぼそ‥」
携帯をとって、急いで帰ろうと廊下を歩いている時
刹と拓海のクラスから誰かの話し声が聞こえた。
???
(珍しいな〜人いるんだー)
特に気にせずにその教室のしまったドアを通りすぎようとする。
:08/02/11 20:09 :SH904i :☆☆☆
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