僕⇒俺
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#701 [氷雨]
「女の人はいいなぁ…」
小宮が呟いた。
それに俺も縦に首を振る。
女の人は甘い物、片手に持っていても全く違和感がない。
けれど男は、彼女が隣にいたら似合うけれど……
1人でなんか食べられない。(今日以外は…)
「陽も分かってくれると思ってたっ!!」
:08/06/08 02:09 :D704i :☆☆☆
#702 [氷雨]
感動したように瞳をキラキラさせて俺を見る。
俺はまた思わず吹き出し笑った。
そして、ついに俺らの番が来た。
「「うわぁ、種類ありすぎだろ……」」
全く同時に言う。けれど、悩んでいる暇はない。
長蛇の列が俺らの後ろにも出来ているから。
:08/06/08 02:13 :D704i :☆☆☆
#703 [氷雨]
「俺っ!カシス入ってるの!!」
小宮は叫んだ。
カシスは小宮の大好物だ。
「カシスでしたら、8種類取り入れてありますがどちらになさいますか?」
俺達はその多さに2人大きな声で驚いた。
「…………っ!!……んん!」
小宮は苦しそうな顔で苦渋の決断をしていた。
:08/06/08 02:18 :D704i :☆☆☆
#704 [氷雨]
そして……
「人気なのください!!」
と、言った。
店員は目を一瞬丸くしたけれど、ふんわり笑って…
「カシスで1番人気は《カシスホワイト》です。よろしいですか?」
小宮にそう尋ねた。それに小宮は元気に「はい!」と満面の笑みで答える。
「お連れ様はどうされますか?」
:08/06/08 02:22 :D704i :☆☆☆
#705 [氷雨]
「じゃあ、俺は2番人気のくださいっ!」
小宮も苦渋の決断してたし、俺のあげたら喜ぶだろなぁ。
そんな気持ちで頼んだ。
「はい、かしこまりました。2番人気は《カシスオレンジ》でございます。少々お待ち下さい」
店員はそう言うとアイスクリームをワッフルコーンの器に綺麗に盛っていく。
:08/06/08 02:27 :D704i :☆☆☆
#706 [氷雨]
アイスクリームの上にはカシスやカシスのソース、ハーブや生クリームが乗っていて甘党には堪らない品に仕上がっている。
「お待たせ致しました、こちらが《カシスホワイト》になります」
店員はにっこり笑い、小宮に渡す。
小宮ははちきれんばかりの笑顔で、それを受け取った。
「こちらが《カシスオレンジ》でございます」
:08/06/08 02:32 :D704i :☆☆☆
#707 [氷雨]
俺にもにっこりと笑い、アイスクリームを差し出す。
「ありがとう」
俺もにっこり笑い返し、アイスクリームを受け取る。
高かったけれど、やっぱりアイスクリームはそれに見合った物だ。
「うんまっ!!」
小宮はもう半分以上を食べ終えていた。
呆れながらも店を出る。
:08/06/08 02:35 :D704i :☆☆☆
#708 [氷雨]
最後に……
「HARUと一緒のください!」
そう聞こえたような気がしたけれど、勘違いだと誤魔化した。
小宮はものの数分でジェラートを完食。
今、現在……俺の《カシスオレンジ》を食い入るように見つめている。
「食べる……?」
:08/06/08 02:39 :D704i :☆☆☆
#709 [氷雨]
そう意地悪く尋ねた。
「いっ……いらないっ!!」
小宮は意地を張って食べようとしない。
「小宮の為に買ったのに…」
そう呟くと、ぷいっと反対を向いていた顔は俺を覗き込み…
「じゃあ、いるっ!」
嬉しそうに《カシスオレンジ》を食べた。
満足そうに食べているのを見たら、笑いがこみ上げてきた。
:08/06/08 02:45 :D704i :☆☆☆
#710 [氷雨]
「何、笑ってんの!?」
小宮は怒った風に言うけれど、アイスクリームを食べるたびに幸せそうに笑う。
「何もないよ」
にっこり笑い、誤魔化すと…小宮もアイスクリームを食べながらにっこり笑っていた。
そして、いつの間にか時間は10時を過ぎていて、帰ることになった。
:08/06/08 02:53 :D704i :☆☆☆
#711 [氷雨]
「それじゃ、小宮ありがとう!楽しかった!!」
俺は手を振りながら喋る。
「俺もっ!!つか、早く告白しろよっ、また月曜ーー!!」
小宮はポロッと肝心な事を叫び、走り去っていった。
ドクンと胸は跳ねたけれど、もう覚悟は決まっていた。
『有言実行』そう心に決め、帰路を早足で進んだ。
:08/06/08 02:58 :D704i :☆☆☆
#712 [氷雨]
俺は自分でも意外だったけれど、帰宅と同時にある事を思い付いた。
メールじゃなく明日、会いに行こう。と………
きちんと想いを瞳を真っ直ぐに見て。
出掛けていたら?なんて考えずに…何故か会えるような気がしていたから。
「明日だ……」
そう呟くと瞳を閉じた。
:08/06/08 03:08 :D704i :☆☆☆
#713 [きい]
:08/06/08 13:40 :F905i :☆☆☆
#714 [ふう]
あげx
:08/06/10 19:54 :W54T :☆☆☆
#715 [は]
あげ
:08/06/11 18:47 :D903iTV :☆☆☆
#716 [氷雨]
きいさん
アンカーありがとう!!
ふうさん・はさん
アゲありがとう!今から書きますね!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
自然と瞳は開き、遠足前のようにドキドキと胸が高鳴る。
起きた時刻はいつもは寝ているであろう、6時30分ちょうどだった。
上体をゆっくりと起こし、目をさする。
:08/06/13 08:13 :D704i :☆☆☆
#717 [氷雨]
やけに落ち着いていて俺自身もビックリした。
そして、いつもの流れ通りに洗面所へ向かい、鏡の正面にたった。
多少眠そうな顔をしているが、適度な緊張で引き締まっているように感じる。
「今日………か…」
そう呟き、水を掬いバシャバシャと勢いよく顔を洗う。
決意したものの、やはり戸惑う。
:08/06/13 08:19 :D704i :☆☆☆
#718 [氷雨]
「ご飯…食べよう……」
ドキドキと胸は高鳴るのに、テンションは反抗するように低かった。
台所へ行き、朝食を作る。
静かすぎる我が家の朝。
てか…、遅すぎっ!!
もう朝食もでき、7時を越そうかという時間になっても三依はまだしも、両親すら起きて来ない。
ドタバタと無理矢理に音を出して階段を駆け上がる。
:08/06/13 14:03 :D704i :☆☆☆
#719 [氷雨]
「お母さんっ!仕事は!?」
扉を開けた瞬間に叫ぶ。
そこには気持ちよさそうに肩を寄せ合い一緒に眠る両親がいた。
「んーー……陽、おはよ。今日は休みなのー」
寝ぼけ眼で答えるとまた眠りにつく。
お父さんは一応、学生だから休みは当然。
:08/06/13 14:09 :D704i :☆☆☆
#720 [氷雨]
大きく溜め息をつき、
「休みでも、起きておこうよ……」
その呟きはお母さんに聞こえるはずもなく、ただの独り言になってしまった。
現在、時刻は9時30分。
朝食も食べ終え、何もかもを済ませて俺は1人、時間を持て余していた。
けれど、ソファーから立ち上がる。
:08/06/13 14:13 :D704i :☆☆☆
#721 [氷雨]
靴を履き、「行ってきます」静かにそう口にすると、扉を開けた。
胸の鼓動は歩くたびに早くなり、目眩のしそうな程に緊張している。
少し遠い距離でもこういう時はすぐに目的地は見えてくる。
胸はより早さを増し、足は少しふらつく。
【告白】がこんなにも緊張してしまうなんて予想外だった。
:08/06/13 14:20 :D704i :☆☆☆
#722 [ゆりなエ]
あげイ
:08/06/19 02:02 :W53T :☆☆☆
#723 [我輩は匿名である]
あげるよ
:08/06/20 07:30 :P902iS :☆☆☆
#724 [TAJA]
頑張れ〜(^-^)/
:08/06/22 00:29 :P902iS :☆☆☆
#725 [氷雨]
ゆりなさん・我輩さん・TAJAさん
アゲありがとうございます!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺は高鳴る鼓動が頭まで聞こえて来るのを感じながらも、確実に歩を進める。
冷たい風も感じなくなった感覚になる頃、見慣れたフェンスが目に入った。
それは目的地へ到着した事を自分に知らせていた。
:08/06/23 00:47 :D704i :☆☆☆
#726 [氷雨]
「着いた…………」
意外にも胸は早く鳴っているけれど、気持ちは落ち着いていた。
小さく呟いて息を静かにはく。
葉山さんの部屋であろう窓へ視線を向けると微かに動く影があった。
ドクンッと胸が跳ねた。
:08/06/23 00:51 :D704i :☆☆☆
#727 [我輩は匿名である]
めっちゃ気になる
:08/06/27 10:28 :SH903i :☆☆☆
#728 [我輩は匿名である]
気になるからあげ
:08/06/28 19:48 :P902iS :☆☆☆
#729 [ゆん☆]
あげエ
:08/06/29 15:51 :W42S :☆☆☆
#730 [ひろ]
あげあげ
:08/06/29 23:27 :P906i :☆☆☆
#731 [我輩は匿名である]
続きめちゃ読みたい
ゆっくりでいいんで書いて下さい
待ってます
:08/07/02 17:52 :SH702iS :☆☆☆
#732 [氷雨]
すみません
忙しすぎて来れませんでしたっ
あげ、皆さん有難う御座いますっっ
今日から少しずつですが…更新していきます。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
胸を静まれと云う風に手で押さえてインターホンへもう片方の手を伸ばす。
胸は収まる事なく速く鼓動を打つ。
:08/07/03 08:12 :D704i :☆☆☆
#733 [氷雨]
インターホンまで、後1センチ。
しかし、それは阻まれた。
ビクリと手を引き¨阻まれた正体¨を見やる。
それは【携帯】
高らかに陽の大好きな曲が機嫌良く鳴っている。
:08/07/03 08:15 :D704i :☆☆☆
#734 [氷雨]
「……………っ!!びっくりしたぁ…」
少しの脱力感が漂い携帯をポケットから抜き出す。
どうせお母さんだろう。
そう思い携帯の画面を見ると、
──着信:葉山 美咲──
そう記してあった。
………………え?
:08/07/03 08:19 :D704i :☆☆☆
#735 [氷雨]
反射的にさっきまで見ていた部屋を見上げる。
そこには不思議顔の葉山さんがいた。
カーテンから可愛らしく俺を覗いて手を振っている。
手を振り返し携帯の通話ボタンを押した。
『陽?どうしたの?』
一言目は当然それ。
:08/07/03 08:26 :D704i :☆☆☆
#736 [氷雨]
葉山さんの声を聞き、緊張感は一気に静まった。
「葉山さん、俺、葉山さんに伝えないといけない事があるんです」
勇気も何も要らなく自然と出た言葉だった。
気持ちは穏やかで、そう言いにっこりと窓越しの葉山さんに笑いかけた。
けれど、『うん、分かった。じゃあ、下りるね』葉山さんの声は小さく暗かった。
:08/07/03 08:35 :D704i :☆☆☆
#737 [氷雨]
思わず頭にはハテナが浮かぶ。
なんで………?
その時は全く分からなく首を傾げるだけで葉山さんを待った。
暫くして葉山さんは玄関を元気よく開ける。
「おまたせっ、ごめんね」
:08/07/03 08:40 :D704i :☆☆☆
#738 [氷雨]
何故か凄く可愛くて、何処かに出掛けるのかおしゃれしていた。
「すみませんっ、何処か出掛けるんだったんですか?」
タイミング悪すぎだ………
申し訳ない気持ちになり、つい謝ってしまう。
けれど、俺とは反対に葉山さんは頬を赤らめている。
「…………っ、好きな人の前だから………」
:08/07/03 08:44 :D704i :☆☆☆
#739 [氷雨]
最後の言葉は小さくて上手く聞き取れなかったけれど、判断できた。
「……………っ!」
一気に顔だけでなく体まで赤くなったような感覚になる。
2人して、真っ赤になり下を向いて沈黙が流れた。
「あのっ…………」
:08/07/03 08:51 :D704i :☆☆☆
#740 [氷雨]
勇気を出し、顔を上げた。
俺の声を聞くと葉山さんも顔を上げて目が合う。
緊張が走る。
けれど、拳をギュッと握り締め決意を決めた。
「俺は…………っ」
「無理しなくていいよ」
:08/07/03 13:35 :D704i :☆☆☆
#741 [氷雨]
「……………えっ?」
意味が分からなかった。
葉山さんはにっこりと泣きそうな笑顔で笑っている。
突然の静止にどうしたら良いのかも分からずにポカンとしていた。
どういう意味?どうして泣いてるんですか?
:08/07/03 13:38 :D704i :☆☆☆
#742 [氷雨]
泣いてるのは心だけど、今にも涙が頬が伝いそうな、そんな淋しい笑顔。
「謝るだけなら、そんな優しさは要らないよ?」
……………………?
やっぱり葉山さんの言っている事が全くさっぱり分からない。
俺はいつまでも不思議顔のまま葉山さんを見つめる。
:08/07/03 13:42 :D704i :☆☆☆
#743 [氷雨]
「あの子と上手くいってるなら、私はそれで………」
─あの子…─
そう聞いて話はピースがはまったかのように理解できた。
「違うっ!!」
葉山さんの言葉を遮って叫んだ。
俺の大きな声に葉山さんはビクリと肩を震わす。
:08/07/03 13:46 :D704i :☆☆☆
#744 [しゅん]
あげ
:08/07/06 11:49 :P904i :☆☆☆
#745 [我輩は匿名である]
:08/07/06 12:10 :P902iS :☆☆☆
#746 [氷雨]
しゅんさん・我輩さん
有難う御座いますっ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「違いますっ……、俺は……」
気持ちを自分の心の中で叫ぶ。
《葉山さんが好きだ》
拳を握り締め、下を向いていた顔をあげて葉山さんの瞳を真っ直ぐに見る。
:08/07/07 22:18 :D704i :☆☆☆
#747 [氷雨]
もう覚悟は出来ている。
好きだ。と言われていても振られない可能性は0ではない。
気持ちを伝える事は大切だけれど、重い。
どれだけの勇気がいるか。
それは伝えた人物にしか分からない。
:08/07/07 22:23 :D704i :☆☆☆
#748 [我輩は匿名である]
あげます
:08/07/10 20:36 :P902iS :☆☆☆
#749 [さな]
あげx
:08/07/11 19:17 :W54T :☆☆☆
#750 [みL1]
:08/07/14 00:25 :D905i :☆☆☆
#751 [mst.・*]
>1-100
:08/07/14 17:08 :SH904i :☆☆☆
#752 [我輩は匿名である]
あ げ
:08/07/17 23:29 :P902iS :☆☆☆
#753 [我輩は匿名である]
あ
げ
ま
す
:08/07/20 09:15 :P902iS :☆☆☆
#754 [匿名]
上げ
:08/07/20 20:04 :F905i :☆☆☆
#755 [(´・ω・`)]
:08/07/24 02:10 :F703i :☆☆☆
#756 [けんじ]
あげます
:08/07/30 00:27 :SH903i :☆☆☆
#757 [しゅん]
上げます
:08/08/04 15:57 :P904i :☆☆☆
#758 [我輩は匿名である]
見てます
頑張って下さいっ
:08/08/04 16:06 :PC :☆☆☆
#759 [氷雨]
みなさんっ!
長らく留守にしてしまい…申し訳ありませんっ……
どの位更新できるかわかりませんが…
頑張っていきたいと思いますっ
すみませんっ!!
:08/08/06 07:16 :D704i :☆☆☆
#760 [氷雨]
「陽…………?」
葉山さんは首を傾げて俺を覗く。
それは何気ない仕草だけれど、なんだか可愛い。
こんな時にそんな事を思うなんて自分でもびっくりしたけど、いくらか緊張がほぐれた。
ふんわりとした穏やかな笑みで俺は葉山さんに微笑んだ。
葉山さんは目を見開いて突然の笑顔にびっくりしていたけれど優しい笑顔で返してくれた。
:08/08/06 07:23 :D704i :☆☆☆
#761 [氷雨]
「葉山さん、俺は…葉山さんが好きなんだ」
笑顔で告白できるだなんて思ってなかった。
多少緊張はしていて手は震えているけど、いつもの俺が出せたと思う。
返事は分からないけれど、振られるかもしれないけれど…
葉山さんに隠していた気持ちを伝えれた事にまた穏やかな笑みが零れる。
:08/08/06 08:41 :D704i :☆☆☆
#762 [氷雨]
ついこの前、初めて話をして、買い物をして、手を繋いで、キスをして、喧嘩して、すれ違って。
この間の短い期間の事なのに俺の人生はこの為にあったんじゃないかと思うくらいに大切な思い出。
振られたとしても色褪せる事無く、胸には深く残ると思う。
葉山さんはまたも俺の言葉に目を見開いて驚いていた。
:08/08/06 08:49 :D704i :☆☆☆
#763 [氷雨]
こんなに表情が豊かな人なのに、どうして俺は気付かなかったんだろう。
ねえ、葉山さん。
「俺はこれからも葉山さんと一緒に居たいんだ。初めはびっくりしたけどさ…、あの時は押し倒してくれてありがとう」
「なっ!あの…時…っは、接点作る……のに必死で………っ」
驚き過ぎて固まっている葉山さんに悪戯っぽく伝えると葉山さんは真っ赤になって頬を隠す。
:08/08/06 08:55 :D704i :☆☆☆
#764 [氷雨]
そう素直に自分の言葉を伝える事が出来る葉山さんが好きだ。
照れて真っ赤になるのを必死に隠す葉山さんが好きだ。
伝えた後は想いが溢れて止まる事を知らない。
「好きだ」
その想いは不思議なくらいに自然と言葉になっていた。
:08/08/06 09:00 :D704i :☆☆☆
#765 [氷雨]
瞬間、葉山さんの瞳から一粒の涙が零れた。
「え…………?どうしたんですか!?」
俺はあたふたとどうしたのかと顔を覗く。
瞳は涙で潤んでいて綺麗だった。
けれど、感動している場合では無く、やっぱりあたふたとしてしまう。
:08/08/06 09:12 :D704i :☆☆☆
#766 [氷雨]
「ね……、陽?」
葉山さんは涙いっぱいの瞳で俺を見上げる。
さらりと流れる髪は綺麗で愛しい。
「ん?何ですか?」
葉山さんは笑っていた。
涙をたくさん溜めて笑っていた。
「あのね、美咲って呼んで」
「……………え?」
:08/08/06 09:18 :D704i :☆☆☆
#767 [氷雨]
あたふたとしていた俺は葉山さんの言葉でどこかへ飛んでいき、代わりに思考がフル回転しだす。
突然のお願いに告白した時よりも緊張が走る。
いつの間にか考えるように上を向いていた瞳を意味が分かると参ったと云う風に手のひらで覆う。
照れて葉山さんを見れない。
:08/08/06 09:24 :D704i :☆☆☆
#768 [氷雨]
覚悟を決めているとクスクスと笑い声が耳に届く。
手を離し視線を葉山さんへ向ける。
「何、笑ってるんですか?」
何が可笑しかったのか皆目見当もつかなくて首を傾げる。
それでも笑い続ける葉山さん。
「いつもの陽だ」
:08/08/06 09:43 :D704i :☆☆☆
#769 [氷雨]
そう嬉しそうに笑い混じりで葉山さんは呟いた。
「いつもの俺……?」
その言葉にさらに首を傾げる。
俺はいつも、いつも通りだったはずなんだけどな。
そう心で呟いた。
すると……
:08/08/06 09:47 :D704i :☆☆☆
#770 [氷雨]
「さっきの陽は格好良すぎる……」
頬を隠しながら葉山さんは今までに無いくらい小さな声で呟いた。
けれど、奇跡的に聞き取ると一気に赤くなる感覚を覚えた。
端から見れば¨変な子たち¨に認定されるだろうと思うくらいに真っ赤な2人。
暫く真っ赤でいると同時に笑いが込み上げた。
:08/08/06 09:52 :D704i :☆☆☆
#771 [氷雨]
「変なの……っ」
「うん、なんだか変ですね」
笑顔で微笑み合った。
この時間が楽しくて久しぶりの心からの満面の笑みだった。
「陽?あのね……」
「うん」
やっぱり照れた様に下を向き顔を隠す仕草は凄く可愛くて愛しかった。
:08/08/06 12:17 :D704i :☆☆☆
#772 [氷雨]
護りたい。
つい最近までは自分に自信なんて皆無で下ばかり見ていた俺。
¨男らしく¨なんて言葉は到底似合わなくて、のび太だった俺。
まだ¨のび太¨からは脱出できていないかもしれないけれど、
『葉山さんを護りたい』
そう強く心に思う。
:08/08/06 12:21 :D704i :☆☆☆
#773 [氷雨]
穏やかな気持ちで葉山さんに視線を送る。
そして……
「陽が好き。大好きなの」
照れた頬は淡いピンクで葉山さんは隠す事なく、真っ直ぐに俺を見てくれた。
「え?陽!?どうしたの!?」
:08/08/08 09:33 :D704i :☆☆☆
#774 [氷雨]
葉山さんの驚いた声にハッとする。
頬に何かが流れた。
触ると涙だった。
「あ……っ、俺…嬉しくて…」
涙を拭いながら、慌てて言葉を繋げる。
葉山さんは俺の言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
「大好き」
:08/08/08 09:37 :D704i :☆☆☆
#775 [氷雨]
また葉山さんは言ってくれた。
カァァァと真っ赤になる。
「俺も好きだよ…」
照れて小さな声になってしまったけど、想いは伝わる。
にっこりと笑う葉山さんがその証拠。
「あ………、み……美咲、今からデートしませんか?」
:08/08/08 09:43 :D704i :☆☆☆
#776 [氷雨]
「…………っ!するっ!するよっ!!」
勇気を出して『美咲』と呼んだ。
それに涙を溜めて喜んでくれる美咲は可愛くて仕方ない。
俺達は手を繋いで思い出の場所をデートした。
「ねぇ、陽?」
:08/08/08 09:47 :D704i :☆☆☆
#777 [氷雨]
「ん?」
美咲は真剣な眼差しで俺を見上げる。
「敬語とれかけてる」
嬉しそうに美咲は笑った。
「嬉しいから、そのままね」
はにかんだ笑顔は少し照れていて、繋いだ手をギュッと握り締める。
:08/08/08 09:52 :D704i :☆☆☆
#778 [氷雨]
「うん」
こんなに幸せでいいのかな…?
直ぐ隣には大好きな人が居て、夢も見つかった。
「美咲、俺…本格的にモデルになるんだ。それで……」
「私が居るよ?陽が苦しくなったり、嬉しい事があったら私が一緒に居る」
:08/08/08 12:20 :D704i :☆☆☆
#779 [氷雨]
俺の言いたかった事が分かっていたのか俺の言葉を遮り美咲は真剣に言葉を繋げる。
「そりゃあ………、色々大変だろうけど、私が陽から離れないからっ」
そう言うと真っ赤な顔で悪戯っぽく笑うと下を向いてしまった。
少し小さく見えた美咲を思わず抱き締めた。
:08/08/08 12:24 :D704i :☆☆☆
#780 [氷雨]
「…………え?」
美咲は突然の俺の行動に付いていけなく小さく呟いた。
「美咲、凄く好きだ。幸せにするからっ」
俺の言葉に美咲は暫くの間、反応しなかった。
「陽……プロポーズみたい…」
やっと聞こえた声は涙で濡れて震えていた。
:08/08/08 12:28 :D704i :☆☆☆
#781 [氷雨]
「はは……、本当だ」
美咲を離し顔を覗くと瞳に涙を溜めていて満面の笑顔だった。
俺はこの人と生きていく。
生きていきたい。
本当のプロポーズはまだ先だけれど、俺はこの人の笑顔を護りたい。
いつか………
最高のプロポーズができるように。
いつか……
:08/08/08 12:36 :D704i :☆☆☆
#782 [氷雨]
世界で1番の幸せな花嫁になれるように。
いつも、いつも俺の隣で。
「俺は美咲が大好きだ」
言うと振り返り照れたようにはにかむ笑顔。
:08/08/08 12:43 :D704i :☆☆☆
#783 [氷雨]
護るよ。
もうプロポーズの言葉は決まっているんだ。
まだ内緒だけど。
いつか必ず言うから。
:08/08/08 12:52 :D704i :☆☆☆
#784 [氷雨]
「ずっと俺と一緒に居よう。愛してるよ」
──end──
:08/08/08 13:01 :D704i :☆☆☆
#785 [氷雨]
あ───……
微妙な終わりですみませんっ
陽らしいなと思って頂けたら幸いですっ
しかし…終わりましたっ
読んでくださった方、有難う御座います!
:08/08/08 13:03 :D704i :☆☆☆
#786 [Hiro]
おわっちまった!
楽しかったっす
:08/08/08 13:29 :P702i :☆☆☆
#787 [まなみ]
主さん(^O^)/
完結おめでとう
ございます
!
おもしろかったです
:08/08/08 22:44 :F905i :☆☆☆
#788 [我輩は匿名である]
お疲れ様でした(^^)
主さんの終わり方も
よかったのですが
最後に陽と美咲には
事故でも偶然でもない
ちゃんとしたキスとか
してほしかったです;
番外編や別の小説を
書く予定ありますか?
また応援させて
頂きますので
頑張ってください★
:08/08/08 23:04 :W53T :☆☆☆
#789 [蘭]
お疲れ様でした―
影ながら楽しく見ていました
とてもおもしろかったです
:08/08/09 00:02 :PC :☆☆☆
#790 [氷雨]
HIROさん
終わりましたっ!
読んでくださりありがとうございました
まなみさん
ありがとうございますっ
完結しましたぁ
長くかかってしまいましたが読んでくださってありがとうっ
:08/08/11 09:57 :D704i :☆☆☆
#791 [氷雨]
我輩さん
ありがとうございますっ
あ……本当ですね。
キスさせてあげたらよかった。なんだか陽もなにやら訴えかけてくるイメージが……(笑)
次ですか……んーー…
今、HPで小説を書いているんですが…スランプ中で(泣)
多分、そっちに集中したいので暫くは来れないと思うんです
凄く嬉しかったですっ!!
また来た時は宜しくお願いします!!
ありがとうございましたっ
:08/08/11 10:02 :D704i :☆☆☆
#792 [氷雨]
蘭さん
お疲れ様ですっ!!
ありがとうございますっ
面白かった……その言葉で私はやってこれました!!
本当にありがとうっ
:08/08/11 10:04 :D704i :☆☆☆
#793 [R]
ぉもしろかったです
HPでの小説も読んで
みたいのですが
URLを教えてくれませんか
:08/08/13 16:23 :SH902iS :☆☆☆
#794 [我輩は匿名である]
:08/08/13 17:41 :SH904i :☆☆☆
#795 [氷雨]
Rさん
遅い返信すみませんっ(泣)
HPの方はジャンルが180度違うので
ちょっと…難しいです
すみません…(泣)
:08/08/21 20:58 :D704i :☆☆☆
#796 [氷雨]
我輩さん
ァンカーありがとうございますっ!!
:08/08/21 20:59 :D704i :☆☆☆
#797 []
:09/11/30 22:07 :SH904i :☆☆☆
#798 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/26 21:26 :Android :☆☆☆
#799 [ん◇◇]
:22/10/26 21:42 :Android :☆☆☆
#800 [ん◇◇]
:22/10/26 21:55 :Android :☆☆☆
#801 [ん◇◇]
:22/10/26 21:55 :Android :☆☆☆
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