僕⇒俺
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#551 [氷雨]
またパニックに陥る。


「陽って本当に百面相だよなぁ…、美咲はすげぇな」


そう言って明後日の方を向いてしまった。


俺は質問したい事がいっぱいで…

口を開いた。

「えっと……、どうして雅さんが………?」

⏰:08/04/23 19:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#552 [氷雨]
やっぱり出た言葉はまだ理解しきれていないような質問だった。


「ん?俺がどうして知ってるかって…?」


そんな俺の質問に瞬時に理解して適切な返事をしてくれた。


雅さんは少し考えた後、俺に言った。


「俺、美咲の幼なじみだし」


にっこり満面の笑みで笑った。

⏰:08/04/25 21:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#553 [氷雨]
「へ〜〜……え?幼なじみ!?」


意外な言葉に驚きを隠せない。

俺の顔を見てプッと雅さんが噴き出す。


「どんだけ驚いてんのー、俺らよく恋について語るから」

ニッと悪戯っぽく笑った。

⏰:08/04/25 21:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#554 [氷雨]
ということは…


最初から…?


「最初から知って?俺の気持ちも……?」


俺は少し冷や汗を流す。

たぶん顔もひきつってるんじゃ?

⏰:08/04/25 21:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#555 [氷雨]
雅さんは当たり前のように言った。


「陽の気持ちはわからなかった、陽を知らなかったし。美咲は珍しく話しかけれないって言うしさ」


俺は納得。

つい最近まで雅さんを知らなかったんだもんな。

俺の気持ちもわかるはずないよな…


そう思っていたのに、

⏰:08/04/25 22:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#556 [たいせー]
面白うて一気読み!
してしまいした。

⏰:08/04/26 01:03 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#557 [氷雨]
たいせーさん

ありがとう!!
ほんとにそういうお言葉!涙が流れそうなクライに嬉しいですヾ(^▽^)ノ
もうそろそろ終盤の予定です。
遅くなるかもですが、見守ってくださると嬉しいです!

⏰:08/04/26 12:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#558 [我輩は匿名である]
>>299->>1000

⏰:08/04/26 18:38 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#559 [たいせー]
ガンバってください!
俺も一応ですけど、
ファンタジー書いてんですよ。

⏰:08/04/26 21:43 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#560 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう!

たいせーさん
そうなんですか!?C-BOXですか!!?

よかったら感想板で話しませんか?
また!来てみてください!!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/04/27 06:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#561 [氷雨]
「けど…彼氏彼女じゃないってわかってたのに、あのラブッぷりには驚いた」


雅さんは乾いた笑いをしてから俺の顔を見、ニッと笑った。


俺は雅さんの笑顔を見た瞬間、顔が火照っている事に気付いた。


『ラブッぷり』とはどんなものかもわからないけど、恥ずかしくて、

「どこがそんなに……?」

⏰:08/04/27 06:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#562 [氷雨]
俺はつい、質問してしまった。

質問してしまったイコールたぶんだが、

もっと照れる事を言われるに等しいのに。


雅さんは俺の質問を聞いて、考える事もなく、それをあっけなく言った。


「雰囲気!!」


しかも、力強く…。

⏰:08/04/27 06:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#563 [氷雨]
「へ…?雰囲気……?」


俺はピンとこなくて雅さんの言葉を繰り返した。


その言葉に雅さんは元気よく返事していた。

笑顔で雅さんは続ける。


「それにー…美咲は陽に本気で惚れてたから、そりゃ嬉しそうで嬉しそうで」


可愛い妹へ向けるような遠い目をしていた。

⏰:08/04/27 06:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#564 [氷雨]
「葉山さんが…?」


やっぱりこれにもピンとこない。


『葉山さんが俺を好き』


だってあの時、葉山さんは普通だった。

演じる時に近づくだけで、その他の時は少し距離があった。


次の日には手を繋いでいたけど……

⏰:08/04/27 06:31 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#565 [氷雨]
けど、告白は真剣だった。


葉山さんは俺のせいでたくさん泣いてる。


「陽……?」


俺は目を開けたまま寝ているような状況で、雅さんの心配している声が響いた。


「あ……、考え事……」

とっさに出たのはそのままの言葉だった。

⏰:08/04/27 06:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#566 [氷雨]
「陽は目、開けたまま寝れるんだなー」

雅さんは俺をからかうように言った。


顔を見上げると、いつもの意地悪っぽい笑顔。

俺はこの笑顔に何度、助けられたんだろう。


そう思うと、俺も自然と笑顔になっていた。

⏰:08/04/27 06:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#567 [氷雨]
久しぶりに自然と出た笑顔。


久しぶり……


俺は笑えていなかったんだ。

やっと気付いた。


北原さんといても俺は笑っていなかった?

笑っていたよな?

楽しかったよな?

自分に質問した。

⏰:08/04/27 06:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#568 [氷雨]
「陽?また考え事?」

雅さんは少しつまらなさそうに呟いた。

いつの間にか下がっていた顔を上げると拗ねている雅さんがいた。


少し可愛い。


そう思ってしまった。


「何かあるなら、俺にも相談しろよ?」

⏰:08/04/27 06:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#569 [氷雨]
次には大人の顔。


雅さんって幼かったり、大人だったりする。


思わずプッと笑いが込み上げた。


これに雅さんは素早く反応。

「なっ…何、笑ってんだー…よっ!!」


それと同時にチョップも俺の頭に直撃した。

⏰:08/04/27 06:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#570 [氷雨]
「ぃったぁあー………」


それは思いもよらない程、痛くて俺は半べそになっていた。


それを見て、雅さんは笑った。


そして、俺はだいぶ遅れて、ある矛盾に気が付いた。


あれ……?

葉山さんと雅さんの話し、少し違う。

⏰:08/04/27 09:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#571 [氷雨]
なんだか変だ……。


「はっるーー……!?またどっか行ってんぞー」


今度は俺の額にデコピンが炸裂した。


「ぃったぃですってば!!」

必死にデコピンされた場所をさする。

暴力反対!!

心の中で叫んだ。

⏰:08/04/27 09:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#572 [氷雨]
雅さんはなんだか機嫌よく笑っている。


俺の気付いた矛盾。


それを聞こうか迷った。









けど、覚悟を決める。

⏰:08/04/27 09:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#573 [氷雨]
「雅さん、雅さんは入学してから葉山さんが俺を好きだと言いましたよね?」


俺の真剣な口調に雅さんも真剣に考えた。


そして、1回頷くと言った。


「ああ…、入学してからだ」


どこか矛盾している。


葉山さんは……、

⏰:08/04/27 09:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#574 [氷雨]
「葉山さんはクラス替えがあって、3日後って言ってました」


そうこれが矛盾。


どうして恋の相談をしていた2人の話しが食い違うのか 。


俺は雅さんの瞳を見る。

雅さんは呻きながら考えていた。

眉を寄せて必死に思い出すように。

⏰:08/04/27 09:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#575 [カラス]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600

⏰:08/04/27 14:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#576 [氷雨]
カラスさん
アンカーありがとう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そして雅さんは言った。


「美咲が自覚してないだけでさ、好きだったと思うぞ?」


雅さんは、はっきりそう言った。

またうんうんと何度も自分で頷いていた。


俺はその様子を見て、また疑問が浮かぶ。

また質問した。

⏰:08/04/27 23:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#577 [氷雨]
「どうして雅さんにわかるんですか?」


俺は普通に聞いたつもりだったんだけど、


雅さんはにっこり笑って俺の背中を軽く叩いた。

「んな、トゲある言い方しなくてもいっじゃん!ヤキモチか?」

「なっ!!」

俺は体が熱くなったような感覚に襲われた。

⏰:08/04/27 23:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#578 [氷雨]
「はは、顔ー真っ赤だぞ!」


雅さんはおもいっきり楽しんでいた。

俺はこんなに悩んでいるのに!!

けど、雅さんを見てたら自然と笑いがこみ上げた。


俺と雅さんの笑い声がスタジオに響く。

時間を忘れて、話していたから、気づかなかった。


後ろの黒い影に…

⏰:08/04/27 23:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#579 [氷雨]
「お゛い…」

ドスの利いた低い声。

笑い声は消え、俺と雅さんは肩をビクリと揺らし、顔を見合わせた。


そして、雅さんは「ヤバ…」確かにそう言った。

また低い声が響く。

「2人共?俺様のスタジオで勝手に何をしてるんだ…?」

それはそれは魔王が降りてきたのかというくらいの支配感だった。

⏰:08/04/28 00:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#580 [たいせー]
うわぁ魔王降臨(笑)

⏰:08/04/28 00:13 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#581 [氷雨]
たいせーさん
魔王きました!
ぁと感想はこちらにお願いします。

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/04/28 00:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#582 [氷雨]
「よっ!孝裕!!」

雅さんは明るく元気よく話しかける。

けど、俺は……

「た…孝裕さん、こん…にちは」

雰囲気に呑み込まれて引きつりながら挨拶をする。


俺の挨拶を聞くと孝裕さんはにっこり笑った。

そして、いつの間にか扉の側へ忍び足で歩く雅さんを睨みつけた。

⏰:08/04/28 00:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#583 [氷雨]
「雅ぁぁあ!!」


突然、予想外に叫んだ孝裕さんに俺も雅さんも肩をすくめた。

雅さんはこちらを振り向くと笑う。

苦笑いで…


孝裕さんはただ雅さんを睨んでいて、それがただ怖かった。

こんなに鋭いガン飛ばしてる人、初めてみた。

⏰:08/04/28 00:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#584 [氷雨]
怖いといっても孝裕さんを知っているから、この程度の怖さなんだけど…


俺は孝裕さんと雅さんを交互に見る。


先に口を開いたのは雅さんだった。


「ごめんって!!もう仲間外れにしねえからぁ」


出たのはまたも予想していなかった言葉だった。

⏰:08/04/28 00:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#585 [氷雨]
「へ………?」


気が抜けてしまって、つい声が零れた。


雅さんは苦笑いで頭の上で両手を合わせて、ごめんのポーズ。

孝裕さんも孝裕さんで少しだけ満足したかのようにため息をついた。


俺は目の前で何が起きてんの?って感じで呆けていた。

⏰:08/04/28 19:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#586 [氷雨]
「孝裕はさ、心配してんの…、こんだけ魔の空気、漂わせてるけど」


雅さんの声は呆けていた俺の耳になんなく入ってきて、優しく語る。


孝裕さんは前みたいに怒ったりせずに頷いた。

すごくすごく、嬉しくて涙が瞳に溜まる。


「陽を俺に取られて、怒ってるんだ…」

けれど、次の言葉は明らかに笑みが含まれていた。

⏰:08/04/28 19:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#587 [氷雨]
「え………?」

反射的に聞き返す。

言われた本人は頷いくのを止めて、フリーズ中。


俺は我が友を思い出し、禁句の言葉を言ってしまった。


「孝裕さん、あっち系なんですか!?」

あえて問題の言葉は伏せれたけれど、

孝裕さんの肩が小刻みに震える。

⏰:08/04/28 19:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#588 [氷雨]
ヤバい!!

つい出してしまった言葉を取り戻したかった。


しかし、そう思っても、もう遅い。


「陽?」

魔王の囁きはすぐそこまで迫っていた。


孝裕さんの怖さはドスの利いた低い声、あと威圧感、迫力。


そして何よりも【俺様】

⏰:08/04/28 19:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#589 [我輩は匿名である]
あげる 頑張って

⏰:08/05/03 00:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#590 [x]
あげ

⏰:08/05/04 12:25 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#591 [氷雨]
長らくの放置すみません!
更新します。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「今のは俺に言ったのか?」


詰め寄られる事1メートル前。

ドスの利いた重低音は目の前で歩みを止めた。


そっと顔をあげると優しい笑顔の孝裕さん。

けれど…、笑っているけど笑ってない。

⏰:08/05/04 18:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#592 [氷雨]
ひくひくと口をひきつらせながら、の優しい笑顔。


それ程、恐ろしいものはなかった。


とっさに、

「すみません!!」

と、謝っていた。


それと同じ位の時、頭に手が置かれた。

驚きまたも俯いていた顔を上げると、軽く頭を叩かれた。

⏰:08/05/04 18:30 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#593 [氷雨]
「陽だから許してやるが…、もう二度と言うな…発するな」


怒りは収まる事なく現れていた。

俺の馬鹿っ!!

そう何度も俺は俺を責めた。


けれど、その後、雅さんに話した(相談)事を孝裕さんにも話すと、機嫌良さそうに助言してくれた。


そんなに仲間外れが嫌いなのか、と疑問を抱くくらいに。

⏰:08/05/04 22:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#594 [氷雨]
そして、突然の魔王の御言葉。

「陽、お前美咲に告れ」と…


確かにそう言った。



当然、俺はフリーズ。

なかなか帰って来れないくらいに衝撃力抜群の魔王の御言葉。

「気の毒に……」

隣に座る雅さんの声がどこか遠くに聞こえた。

⏰:08/05/04 22:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#595 [氷雨]
 
 
 
「やる気あるのか!!?」

孝裕さんの罵声が飛ぶ。

無理もない。

俺は撮影中にも関わらず、「陽、お前美咲に告れ」その言葉でパニック状態。


帰っては来れたが、撮影に集中できないでいる。

「孝裕……、お前が撮影前にあんな事言ったからだろ」

そう言って弁解してくれる。

⏰:08/05/05 07:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#596 [氷雨]
雅さんが天使に見える。


しかし、

「知るか!仕事と私事の区別くらいつけろ!」

罵声は止むことなく、しかも、正論なので雅さんも口を噤む。

「陽、今は忘れて頑張れ…」


後はそう言うしかなくなって、雅さんは苦笑いした。

⏰:08/05/05 07:41 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#597 [氷雨]
『今は忘れて……』


雅さんの言葉通り、考えない事にした陽は1度、目を瞑り、また開く。


陽の顔にはモデル《HARU》の顔が覗いた。


幼さの少し残った、けれど綺麗で儚く、時に妖艶、時に悪戯っ子。


陽は色んな顔で周りを魅了する。

⏰:08/05/05 07:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#598 [氷雨]
クルクルと変わる表情に周りは惹かれ、孝裕と雅以外のスタッフはボンヤリと陽もとい、HARUに見入っていた。


「はい、終了」

孝裕さんの声でスタッフはハッと意識を取り戻す。

周りを見渡し、はは、とみんなで苦笑いをした。


一方、撮影の終わったモデル側は……


「陽、やっぱお前はモデル向き」

⏰:08/05/05 07:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#599 [氷雨]
「へ………?」

雅さんの言葉にクエッションマークが飛ぶ。


そんな俺を尻目に孝裕さんも頷いた。

「俺、陽の事、知ってるような気がするんだ」


孝裕さんが意味のわからない言葉を発する。

雅さんんは怪訝そうな顔をして、

「新手のナンパ?」

⏰:08/05/05 08:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#600 [氷雨]
と、言った。

「なっ…!お前はいつもそんな事ばかり考えてるのかっ!?」

孝裕さんが焦りながら雅さんに怒鳴る。

雅さんはそんな孝裕さんを無視して尋ねた。

「陽と孝裕、知り合いだったの?」

やっぱり怪訝そうな顔で俺と孝裕さんを交互に見る。

「いや…、どこかで見た事があるんだ」

⏰:08/05/05 08:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#601 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600

⏰:08/05/05 12:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#602 [x]
この小説大好きです
更新頑張って
下さいx!!

⏰:08/05/05 17:32 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#603 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう!

 さん
大好きですか!?ぅわぁぁあ!すごぃ嬉しいです!
今日、更新予定です。暫しお待ちを!!

⏰:08/05/06 13:06 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#604 [氷雨]
孝裕さんは俺をジッと見る。

俺も暫くは見ていたんだけど、いたたまれなくなり視線を逸らした。


「あ…………」

孝裕さんは思い出したかのように声をあげる。

雅さんも当然のようにその言葉に食い付く。

「何なに!?思い出した!?」

⏰:08/05/06 16:10 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#605 [氷雨]
元気な子犬のように孝裕さんに飛び付く。

けれど、孝裕さんは考えるというように手を頭に置き、答えを探していた。


「なんだ、まだかよ…」

そんな姿に雅さんは面白くなさそうに孝裕さんから離れた。


けれど…

「雅…、お前もよく知っている御人を思い出さないか?」

⏰:08/05/06 16:15 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#606 [氷雨]
孝裕さんから出た【御人】と、いう言葉に雅さんの体がピクリと反応した。


「【御人】だ………?」

確かめるように繰り返した。


雅さんの言葉に孝裕さんは頷く。

次は雅さんからの視線攻撃。

またもいたたまれなくなって視線を逸らす。


「あ………っ!!え……?」

⏰:08/05/06 16:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#607 [氷雨]
雅さんも思い出したかのように声をあげて、「マジ……?」、そう呟いた。


孝裕さんが意を決したように俺に尋ねる。


「陽?もしかしたらな、お前の父親は彩史さんか?」


突然出た父親の名に瞳をパチクリさせる。

雅さんも孝裕さんも真剣そのもので…


「どうして、お父さんの名を知ってるんですか?」

⏰:08/05/06 16:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#608 [氷雨]
俺は驚きを隠せずに言った。

お父さんが関係あるの?


眉にしわが寄る。


「陽………、本当に。本当に彩史さんの息子なのか?」


孝裕さんは呟くように俺に尋ねる。

雅さんも俺をジッと見つめている。

「うん、俺のお父さんですけど…。お父さんを知っているんですか?」

⏰:08/05/06 19:38 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#609 [氷雨]
もう1度質問して、そこで俺はハッと気付いた。

お父さんはモデルをしていたんだ。


「俺の先輩。俺の憧れ…」


雅さんが呟いた。

俺は雅さんの顔を見上げた。

その顔は嬉しそうな、悲しそうな顔をしていた。

「雅…さん……?」

⏰:08/05/06 19:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#610 [氷雨]
「なぁ。…今日、陽ん家いってもい?」


雅さんは何かを我慢したように言う。

俺は直ぐ様返事をする。

「はいっ、大丈夫です」

そう言ってにっこり笑った。

「俺も行くから」

後ろから当然のように声が聞こえる。


「はいっ!」

孝裕さんにも笑顔を送った。

⏰:08/05/06 19:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#611 [氷雨]
 
 
 
 
「ただいまーー!」

俺は元気よく自宅の玄関を開けた。

リビングからいつものようにバタバタと足音が近づく。


「はーーるーーーーっ!」


「んぐっ…!」

いつものように我が父親は俺に抱き付き満面の笑みを向けた。
「おかえりっ!!」

⏰:08/05/06 19:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#612 [氷雨]
少し苦笑いをし、

「ただいま……」

と、我が父を自分から引き剥がした。


「あれ………?」

お父さんは俺の後ろに気づき、疑問を口にした。

「孝裕と雅じゃん!!」

俺の後ろの2人にも満面の笑みで笑った。

⏰:08/05/06 20:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#613 [氷雨]
後ろを振り向き、2人を見ると口をぱくぱくしていた。


「彩……史……さん……」

震える声で雅さんは呟いた。

あの俺様の孝裕さんでさえ、なんだか震えている。


「おう!元気そうだな!陽が世話になってるらしいな、ありがと」

お父さんは茶目っ気に言ってウインクした。

⏰:08/05/06 20:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#614 [氷雨]
「彩…史さん……、どこにいたん…ですか……?」


孝裕さんが独り言かと思うくらい小さな声で呟いた。

お父さんは孝裕さんの言葉を聞くと、少し考えていた。


そして、少しの沈黙の後、お父さんは言った。


「モデルは楽しかった。けど、俺、もう1つの夢を叶えなかったんだよな」

目を輝かせて。

⏰:08/05/07 22:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#615 [氷雨]
「だから、夢、叶えるためにモデル辞めたの」


少年のように言うお父さんに雅さんと孝裕さんは険しい顔をした。


「突然……、突然、何も言わずに俺らを置いて……?」

雅さんの声はやっぱり震えている。

「言ってくれたら……!!」

納得していない、という風に悔しそうに言葉を止める。

⏰:08/05/07 22:56 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#616 [心]
更新楽しみに
してますx
頑張って下さいy

⏰:08/05/10 11:06 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#617 [氷雨]
心さん
ありがとう!!今日、少し更新します!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「俺がお前らにどうして黙って行ったのか…わかる?」

お父さんは急に真剣な顔になり、雅さん、孝裕さんに問い掛けた。


「「………っ!」」

その言葉に2人は口を閉ざす。

《どうしてなのか》をわかっているから。

⏰:08/05/11 19:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#618 [氷雨]
「確かに……、辞めると言われたら断固反対してました…!」
孝裕さんは今にも泣きそうな切ない顔してお父さんに訴える。
「けど、突然…目標のなくなった俺らは、ただただ虚しかった」

少し言葉を開けて、思いを伝える。


お父さんはそれを瞳を閉じて、聞いていた。

雅さん、孝裕さんにとってお父さんは《目標》であったのだと、俺は蚊帳の外で聞き、ただ立ち尽くしていた。

⏰:08/05/11 19:54 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#619 [氷雨]
おはよございます!
そして、すみません(/_;)

たぶん…、1週間程ここにはこれなくなってしまいます。

更新が遅い上にこれなくなりますが…、見捨てないでやってくれたら嬉しいです。

またまたたぶん…ですが、土曜くらいに1度来れると思います!


それまでの留守、本当にすみません…°・(ノД`)・°・

⏰:08/05/12 06:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#620 [心]
土曜日まで
待ってますx
あげ続けます笑

⏰:08/05/12 18:32 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#621 []
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700

⏰:08/05/12 19:52 📱:D903iTV 🆔:☆☆☆


#622 [氷雨]
心さん
待っててもらぇたんですか!?もぅ!!すごぃ嬉しいデス°・(ノД`)
氷雨!頑張って更新しますね!本当に嬉しいですーーー!!


さん
アンカー!ありがとう♪!!

⏰:08/05/17 08:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#623 [はるか]
あたしも待ってまーす
v(* ̄U ̄*)

⏰:08/05/17 10:16 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#624 [氷雨]
はるかさん
はるかさんもですか!?氷雨!嬉しすぎて涙でそうです!ワラ
ありがとう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「あの……」

そして、俺はついに声にする。
「お父さんって何がしたかったの…?」


蚊帳の外にいたけれど、気になる事が1つ。

俺の声と共にハッとしたようにその場の空気がガラリと変わった。

⏰:08/05/17 20:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#625 [氷雨]
「ん……?俺の夢か……?」

お父さんもいつものおちゃらけた雰囲気に戻り、俺の質問の返事を考える。


「そういえば…、夢ってなんなんですか?」


雅さんが反復するように尋ねる。

それに孝裕さんも同意するかのようにお父さんの顔を覗く。


「俺はーー、翻訳家になりたいんだ」

⏰:08/05/17 20:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#626 [氷雨]
はい……………?


翻訳家…って……?

俺は真っ白な頭に言葉を写す。

「翻訳家ですか……?」

孝裕さんは呆れたというか予想外すぎる言葉に呆気にとられている。

雅さんも左に同じで…


「え?お父さんって今、何してるんだった……?」

⏰:08/05/17 20:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#627 [氷雨]
あまり、家に帰ってこないお父さんを俺は全く気にもせずに生活していたんだ。

と、今更気付く。


『彩史はお仕事!!』

と、言い張るお母さんに俺は安心しきっていて、お父さんが何をしているのかも知らなかった。


そして、リビングから突然…

「陽は本当に馬鹿ねー、彩史は留学してたのよ」

⏰:08/05/17 20:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#628 [氷雨]
明るく元気な声が響いた。


「へー……留学かぁーー……………………、って!えっ!?」

改めて聞かされた新事実に俺は驚愕する。

雅さん、孝裕さんは驚きのあまりあんぐりの口を開けていた。

「えー……陽、本当に知らなかったのか……?お馬鹿さんだなぁー」

⏰:08/05/17 20:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#629 [氷雨]
お母さんよりも明るくおちゃらけた声に力が抜ける。


「俺?優秀でさ、特待生限定留学の許可つうか資格?貰えて!行っちゃった!ドイツ!!」


それはそれは嬉しそうに語るお父さんに俺は送る言葉もなくて、ただハハハと笑った。


「という事は大学に通われているんですか?」

孝裕さんが尋ねる。

「おう!」

お父さんはまたも明るく返事した。

⏰:08/05/17 20:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#630 [氷雨]
「そう……だったんですか…」

納得(少しだけ)したように孝裕さんは呟いた。

雅さんはまだ納得していないというように、不機嫌な顔をしている。


ていうか……、お父さんが大学生っていうのに俺は驚いてるのに誰も何も言わないの?


そんな思いは俺の胸の中に留まったけれど、解決する事はなかった。

⏰:08/05/17 20:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#631 [氷雨]
「モデルの仕事は……」

雅さんが小さく小さく呟く。

それにお父さんはわかっていたかのように素早く答える。


「俺はモデルを辞めた。復帰するつもりもない」

そうキッパリと言い放つ。

それでも、やっぱり雅さんは気にくわないといった顔で不機嫌になる。

「はは、子供みたいな所は変わらないな、雅。陽が居るだろ?」

⏰:08/05/17 20:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#632 [氷雨]
「へ………?」


突然の自分の指名にマヌケな声が漏れる。


「陽なら俺以上のモデルになれる、小さな頃から陽はモデル向きのセンス持ってたからな」


お父さんに褒められる事は日常茶飯事だけど、こんな対等とした褒められ方は初めてだった。

「そうだったかな?」

身に覚えのない事にクエッションを表す。

⏰:08/05/17 20:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#633 [氷雨]
「おう!俺は陽に基礎から叩き込んだからな!子供の頃に覚えた事は忘れにくいんだぞ」

お父さんはニカッと笑って、俺の髪を撫でる。


「納得……」

雅さんが呟く。

「陽ってモデルになるために生まれたみたいにセンス良かった。まっ!服以外は…」

後で付け足された《服》。

俺は服のセンスがまるっきりない。

⏰:08/05/17 20:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#634 [氷雨]
「服かぁ……、俺、大学生だからそこまでは…」

お父さんも苦笑いする。

孝裕さんはただ黙って頷いていた。


俺は言いたい放題言う、お父さんと雅さんを睨みながらワナワナと拳を握り締めて耐えていた。





「彩史さん!また来ていいですか!?」

⏰:08/05/17 21:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#635 [氷雨]
元気に子犬のようにハシャぐ雅さん。

あの後、ご飯をなぜか家族プラス雅さん、孝裕さんと一緒に食べた。


食べた後も雑談をして、お父さんと雅さん達は仲直り。


丸く収まったんだけど……

「おう!いつでも来い!」

⏰:08/05/17 21:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#636 [氷雨]
「やった!!」

「俺も……来ていいですか?」

少し遠慮がちに孝裕さんも尋ねる。

「いいに決まってる!けど、来る時は電話しろよ!」


その言葉に孝裕さんはものすごく嬉しそうに笑って、「はい!」と叫んだ。


そして、最後に……

⏰:08/05/17 21:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#637 [氷雨]
「あ、陽?さっきの話、進めておく」


そう言って孝裕さんは乗って来た雅さんの車に乗り込み扉を閉めた。

クラクションを小さく鳴らして去って行く車を見送りながら、俺は瞳を瞑り、覚悟を決めた。




リビングには家族みんな集まっていて、楽しくテレビを見ている。

⏰:08/05/17 21:10 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#638 [氷雨]
「俺!!」

そんな楽しい雰囲気をぶち壊すように俺は大きく叫んだ。

家族3人は驚いて声の主、俺に視線を送る。

1番に口を開いたのはお母さんだった。


「どうしたの?急に……」

不意を付かれたからかいつもの元気よさは隠れていた。

⏰:08/05/17 21:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#639 [氷雨]
「あーー……俺さ、本格的にモデルする。だから迷惑とか掛けるかもだけど……よろしく」


そう少し照れながら言った。

顔を上げると家族全員が笑顔で、

「迷惑じゃないし、むしろ支えてやる!」

生意気な口を聞きながらも俺は三依に笑顔を送る。

「本当にお馬鹿さん、迷惑なんてかけまくって?迷惑じゃないんだから」

⏰:08/05/17 21:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#640 [氷雨]
お母さんの優しい矛盾にも笑顔で「ありがとう」と言った。


「俺はお前のお父さんで先輩で師匠!頼りまくりなさい!」


いつもの明るくおちゃらけた物言いにも安心感が湧き、自然と笑顔になる。


「俺、頑張るよ!」

俺の夢は《トップモデル》

お父さんみたいなモデルになる事だ。

⏰:08/05/17 21:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#641 [氷雨]
新しい夢。

けれど、まだ進めない。

俺はまだ逃げ続けているから。

大切な大切な人を傷付けて。


けれど、進むという事はまた傷付ける。

俺はまた1人の人を傷付ける。



「三依?ちょっと話があるんだ」

⏰:08/05/17 21:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#642 [氷雨]
「何……?」

三依は何もわかっていない笑顔で俺に笑いかける。


俺は最低だ。

深く深く心が痛むけれど、言わなければ始まらない。



「俺は北原さんを好きじゃないんだ……」

自分で言いながらズキズキと胸が痛み、顔を顰める。

⏰:08/05/17 21:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#643 [氷雨]
すみません!ちょっと眠さMAXなんで…

更新ストップです…

よかったら感想ください!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/05/17 23:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#644 [氷雨]
「……………………えっ?」

数秒してから三依はあやふやな言葉を呟く。

まだ俺の言葉を頭まで理解できていないのか、眉を寄せて考えている。


俺はただ次の三依の言葉を待つ。


暫くして……

「陽兄…?どういう事?」

睨みを利かせて俺に尋ねた。

⏰:08/05/19 20:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#645 [氷雨]
その瞳はギラギラと輝いて、俺の胸にチクチクと痛みが走る。

俺は重なくなった口を開く。


「『一緒に放課後、帰るだけでいい』って、北原さんが言って、俺はそれに逃げた」

三依の瞳を真っ直ぐに見て、逃げたい気持ちを抑えていた。

三依は明らかに《怒》の表情で俺の話を聞く。

「俺は葉山さんが好きなんだ。北原さんも知っているけど…、俺は葉山さんの気持ちが怖くて北原さんに逃げたんだ…」

⏰:08/05/19 20:30 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#646 [氷雨]
俺は言い訳をしている情けない男……


逃げた男。


けれど、俺は1歩を踏み出したい。

気持ちを伝えたい。


傷付ける事がわかっているのに、そう思ってしまう。

最低な男だ…。


何も喋らない三依を前に俺は自分を責め続けた。

⏰:08/05/19 20:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#647 [氷雨]
けれど……


「陽っ兄!!」

三依は明るく元気に俺に声を掛けた。


え…………?

その状況が掴めずに俺はいつの間にか下がっていた顔を上げ、三依を見る。


「知ってる……、全部知ってるよ」

⏰:08/05/19 20:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#648 [氷雨]
「な……にを…?」

小さく呟くと三依は苦笑いした。

俺は表情の意味が全くわからなくて、パニック寸前だった。

すると、三依は話し始める。


「愛美は全部お見通しだったよ。『陽君にはね!すっごく好きな人がいるんだ……、いつか別れる時が来ても、《ありがとう》って笑顔で見送るよ』って、言ってた……」


それは大きな瞳にたくさんの涙を溜めながらだったけれど、三依はそれを言う事をしなかった。

⏰:08/05/19 20:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#649 [774ch]
頑張れ-

⏰:08/05/20 23:14 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#650 [氷雨]
774chさん
ありがとう!風邪でダウンしてましたぁ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺は言葉を失う。


どうして?どうして、そんなに……

自分を犠牲にしてまで好きでいてくれるの?


俺の瞳には知らぬ間に涙が滲んでいた。

⏰:08/05/22 21:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#651 [亜美]
頑張って~
ずットみてますから_A

⏰:08/05/22 21:50 📱:W52CA 🆔:☆☆☆


#652 [氷雨]
「げっ!陽兄!?」

なんとも場違いな声に俺は少し苦笑いする。


「大丈夫だから…、三依、ありがとう」

男らしくなく瞳に涙を溜めて思いを口にする。

三依は安心したように、ホッとため息をついた。

「それでも、男か!!」

最後にはやっぱり生意気な台詞を吐いたけれど、俺はそれに対して優しく笑った。

⏰:08/05/22 21:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#653 [氷雨]
亜美さん
ありがとう!頑張ります!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


次の日、俺は北原さんを放課後学校まで迎えに行った。


「ごめん!待たせた!?」

息を切らせて尋ねると北原さんはクスクス笑って…

「全然だよ!私も今、校門に来た所」

そう言って微笑んだ。

⏰:08/05/22 21:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#654 [氷雨]
優しくてふんわりとした雰囲気。

大人しそうに見えるのに内には強さを隠してる。


そんな女の子。

「陽君、今日はどこに行く?」

そう言いながら、さり気なく手を繋ぐ。

小さくて壊れそうな、手をソッと握り返した。

⏰:08/05/22 22:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#655 [氷雨]
「あのね、今日…ちょっと話があるんだ」

俺は意を決して呟くように告げた。

北原さんは驚きもせずにコクンと首を縦に振る。

「うん!公園、行こっか」

俺は手を引っ張られて北原さんに着いていく。


公園には散歩をしている人やサッカーをしている子供達がたくさんいた。

⏰:08/05/22 22:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#656 [氷雨]
冬だというのに意外と人はたくさんいて俺は驚いた。

「驚いてる」

北原さんはまたクスクス笑って俺をベンチまで引っ張り、ベンチへ腰掛けると隣をパシパシ叩いた。


「ここ!」

俺は北原さんの隣に腰掛ける。

⏰:08/05/22 22:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#657 [氷雨]
「私ね!この公園、大好きなんだ。だから陽君と来たかったの」

北原さんは優しく微笑む。


俺は今から、最低な事をしようとしていれのに…

北原さんは優しい笑顔をくれる。


けれど……

俺は口を開く。

「北原さっ………………」

⏰:08/05/22 22:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#658 [氷雨]
 
 
「陽君!楽しい思い出をありがとう!私は大丈夫だよ?幸せになってね」


俺の言葉を遮り、北原さんは叫んだ。

そして、また優しく笑った。


俺は思いもよらない展開に呆然と口をパクパクさせる。

それを見て、北原さんはキャハキャハと笑う。

⏰:08/05/22 22:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#659 [氷雨]
「そんな陽君、初めて見たー……、陽君……別れても仲良くしてね?」

今にも泣きそうな震えた声。


俺がそうさせているんだ、と思うとズキリと胸が痛む。

けれど…、俺は……

1度、瞳を閉じ…開く。

「うん、当たり前だよ?俺こそ仲良くしてね?」

⏰:08/05/22 22:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#660 [氷雨]
その言葉を聞いて、また北原さんは笑い出した。

ぇぇえええっ?どうして…?

俺は意味がわからなくて、首を傾げる。

北原さんは一通り笑い終えると言った。


「陽君って面白い!!」

どして……?

やっぱり意味がわからない。
意味を聞いても、北原さんは笑って誤魔化した。

⏰:08/05/22 22:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#661 [氷雨]
 
 
そして、俺達は最後のデートとしてゲームセンターへ行った。

「あのぬいぐるみ、可愛い!」

北原さんが叫ぶ。

「あれ?俺、捕れるかも…」

そう言って、500円を投入して、操作する。

「わぁー!陽君すごいっ!」

ぬいぐるみは1回目で取れた。

⏰:08/05/22 22:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#662 [氷雨]
「はい!!あげる」

俺は取れた嬉しさ余って、極上の笑みを向けた。

「陽君はズルいよなぁ……」

北原さんがそう呟いた事にも気付かずに第2回目へ突入する。

「「あっ!」」

俺と北原さんは同時に声を上げた。

「惜しかったね……」

残念そうな声と表情。2回目は失敗してしまった。

⏰:08/05/22 22:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#663 [氷雨]
「次こそは!!」

俺は気合いを入れて、取りかかる。

500円で3回。

チャンスは後1回だけだ。

自分の世界に入ってしまって、真剣に取り組む。


そんな姿を見て、北原さんはまたもクスクスと笑っていた。

そして……

「ぁあっ!!…………」

⏰:08/05/22 22:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#664 [キリア]
あげ

⏰:08/05/28 10:05 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#665 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:08/05/30 00:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#666 [ヒステリッカー]
>>300->>600

⏰:08/05/30 08:54 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#667 [ヒステリッカー]
>>300ー>>500

⏰:08/05/30 08:56 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#668 [ヒステリッカー]
>>300-500

⏰:08/05/30 08:56 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#669 [ヒステリッカー]
何回もすいませんm(__)m

⏰:08/05/30 08:57 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#670 [氷雨]
キリアさん・我輩さん
アゲありがとう!

ヒステリッカーさん
大丈夫ですよ!!ありがとう! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ぬいぐるみはポスッと出口へ一直線。

「陽君、すごいねーー!!」

北原さんは大興奮して俺の腕にしがみつく。

そのまま、しゃがみ込みぬいぐるみを取り出して、北原さんへ渡した。

「はい!」

⏰:08/05/31 10:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#671 [氷雨]
そう言い、北原さんの胸へぬいぐるみを収めると、北原さんはぬいぐるみをギュッと抱き締める。

「陽君、私すごく嬉しい…、ありがとう!」

少し悲しい顔をしていたのに気付いたけれど、そんな顔をさせているのは俺。

声をかけるなんて出来ないから、俺はにっこり笑うしか出来なかった。




「陽君、今日はありがとう!また、良かったら友達として遊ぼうね」

⏰:08/05/31 10:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#672 [氷雨]
帰り際、北原さんは満面の笑みでそう言うと手を振り玄関の扉をパタリと閉めた。


「俺も!俺もすごく楽しかった!ありがとう」

閉まった扉へ叫んだけれど、絶対に北原さんは聞いてくれている。

そう思い、叫んだ。

その後は早足で帰宅し、明日の事を考える。

《伝えないと……》

そう決心すると拳をギュッと握り締めた。

⏰:08/05/31 10:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#673 [我輩は匿名である]
>>250-1000

⏰:08/05/31 12:20 📱:N902iX 🆔:☆☆☆


#674 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

けれど、小宮にはなんて言ったら?

問題は残っていた。


小宮は葉山さんが好き。そして…、俺も……。

気持ちを伝える。

それは、小宮を裏切る事になるんだ。

⏰:08/05/31 21:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#675 [氷雨]
《俺の気持ち……》

伝える前に小宮に話そう。

そう決めた。


明日……、…………?

「明日っ!!学校休みだ!!」

明日は土曜日。

思わず叫んでしまう。
それは完全な計画ミスだった。
けれど、タイミング良く携帯がなる。

⏰:08/05/31 22:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#676 [氷雨]
誰……?

少し遠くで鳴っている携帯を手を伸ばして取ると画面には《小宮》の名前が出ていた。


メールを開くと『明日遊ぼ』そう写し出されていて、メールからも無邪気さが醸し出されているような…

小宮らしさ満点のメールだった。

思わず、にっこりと笑ってしまう。

⏰:08/05/31 22:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#677 [氷雨]
そして、すぐに返事した。

『うん久しぶりだし楽しみだ

明日、遊ぶ時間と場所を決めると明日の為に早めに眠りについた。


1つ、決意をした。


《明日…話そう》と……、

⏰:08/05/31 22:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#678 []
あげあげあげ〜
頑張って下さい←‥
楽しみにしてます

⏰:08/06/01 07:59 📱:P903i 🆔:☆☆☆


#679 [氷雨]
さん
アゲありがとう!!嬉しいですっ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「陽ーー!!?」

小宮が俺を呼ぶ。

久しぶりに遊ぶのに、俺の意識は他へ行ってしまっていた。


「あ……、ごめん!!」

小宮の声で意識を取り戻す。

心配そうな顔で俺を覗き込む小宮にズキリと胸が何度も痛む。

⏰:08/06/02 13:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#680 [氷雨]
俺を心配してくれる小宮を俺は裏切るんだ。

俺は自分を責め続けていた。

「大丈夫か?体調悪い?」

本当に小宮はいい友達なんだ。

俺は伝えてもいいのか?

今になって、その疑問が頭をよぎる。

心配そうに見る小宮に、「大丈夫!ありがとう」と、言いにっこり笑った。

⏰:08/06/02 13:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#681 [我輩は匿名である]
>>300

スイマセン

⏰:08/06/02 16:57 📱:SH704i 🆔:☆☆☆


#682 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「そかぁ?無理すんなよ?」

優しすぎて、いい奴すぎて苦しい。

けれど、言わないと始まらない。

俺はそれからは、いつ言おうかと機会を伺いながらもおもいっきり遊んだ。


そして……

⏰:08/06/02 20:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#683 [氷雨]
「あのさ、俺…小宮に言わないといけない事があるんだ…」

それは少し遊び疲れて日陰のベンチで缶ジュースを飲んでいる時だった。


小宮は不思議そうに俺を見た。

「何なに?真剣な顔して?」

俺の雰囲気を読み取ったのか笑いながらも瞳は真剣に俺を見てくれている。

俺は緊張でゴクリと喉を鳴らした。

⏰:08/06/02 21:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#684 [氷雨]
「お…れ……、俺さ…」

声がかすれて上手く言えない。
けれど…

「小宮……、俺は葉山さんが好きなんだ」

言葉を繋げて話す。

小宮の瞳を見つめて、必死に伝えた。

瞳は一瞬、ぐらりと揺れた。

それがどういう意味なのかはわからなかったけれど、俺は心の中でビクリと震えた。

⏰:08/06/02 21:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#685 [氷雨]
小宮に嫌われてしまうんじゃないか。

親友が離れていくのは嫌だ。

けれど…

小宮は俺に話してくれた。

俺も話さないと。


けれど、そう思っても本当は怖い。

早く何かを言って欲しい。言って欲しくない。

⏰:08/06/02 21:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#686 [氷雨]
気持ちは2つに分かれて、小宮の言葉を待つ。


そして、小宮は俺の予想を裏切るように…、


にっこり笑った。

え…………っ?

驚きを隠せなくて、俺は目を見開いた。


「陽も葉山さんが好きなんだ!!一緒だな!あれ?けど、陽、彼女いたよね?」

⏰:08/06/02 21:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#687 [氷雨]
明るくいつもの元気な声で、なんだか嬉しそうに小宮は言った。


「…………へ…?」

小宮のまたも予想を裏切る言葉に俺は間抜けな声が出てしまった。


しばらく、呆然と小宮のニコニコ笑った顔をボーっと見ていた。


「陽?何か言えっての!」

そんな俺に小宮はいつものようにデコピンをくらわす。

⏰:08/06/02 22:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#688 [氷雨]
すみません!今日はここまでにします

よかったら感想お聞かせ下さい!!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/06/02 22:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#689 [氷雨]
「え…!?あ……北原さんは友達に………、え……?」


北原さんの事を説明しようと思うのに、小宮の言葉に動揺して言葉はまとまらない。


そんな俺を見て、小宮は笑ってる。


「小宮は…怒らないの……?」

俺はついそう、口にしていた。

俺は怒るだろうと覚悟していたのに…

⏰:08/06/03 13:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#690 [氷雨]
笑うのを止めて、小宮は首を傾げる。

そして、キョトンとした顔で言う。

「俺が?何に怒るの??」


本当にわからないといった表情で俺を覗く。

それに俺は気が抜けてしまった。


「俺が黙ってた事とか……」

緊張の糸は完全に切れていて、脱力しながらそう言った。

⏰:08/06/03 13:34 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#691 [氷雨]
「だって、それは俺が先に言っちゃったからだろ?なら、しょうがないじゃん!」


また小宮に笑顔が戻り、俺に笑いかける。

俺は情けない気持ちになってしまう。

「小宮はでっかいな……」


そう、小宮は大きい。

俺はなんて小さかったのだろう。

⏰:08/06/03 13:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#692 [氷雨]
小さな事でクヨクヨしてしまう。


「陽のが、背でっかいじゃん!嫌みか!?」

小宮は頬を膨らませてプンプンと怒っている。


思わず吹き出して笑ってしまった。

それに噛み付くようにまた小宮は怒るフリをしながら、笑っていた。

⏰:08/06/03 13:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#693 [氷雨]
一通り笑い終えると、小宮はにっこり笑って言う。

「葉山さんも陽が好きだから、幸せにな!」

俺は固まった。

「え………」

ただそう言うしかできなくて…

小宮は言葉を繋げる。

「俺さ、我慢できなくて告白したんだ!じゃあ、好きな人がいるってさ!」

なんだか小宮はニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべている。

⏰:08/06/03 13:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#694 [氷雨]
俺はなにがなんだか分からなくて、頭はハテナでいっぱいになる。


「俺さ、葉山さん見てて、分かっちゃったんだ!!」

何故か嬉しそうに子供のように小宮ははしゃいでいる。


小宮の言葉を聞いても、やっぱり分からなくて首を傾げる。


「もう!陽は鈍いなぁ!葉山さん、ずっと陽の事、見てんの!!俺、ビックリしちゃって」

⏰:08/06/05 08:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#695 [氷雨]
宝物を見つけ出したみたいに瞳はキラキラと輝いている。

「えっと………」

葉山さんが俺を見てる?

それは……、えーーと……


「絶対!好きだっ!!!」

小宮は大きく叫んだ。

そういうこと……

告白はされたけど、実感はなかった。

⏰:08/06/05 08:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#696 [Heart]

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/06/05 19:39 📱:N902iS 🆔:☆☆☆


#697 [氷雨]
Heartさん
アンカーありがとう!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

葉山さんはデートをしていても手を繋いでいても、そんな素振りを見せなかったから…


嬉しそうにしていたけれど、それが『好き』だなんて思わないくらいに葉山さんは自然だった…


それとも……、気付かなかった俺が悪いのかな?

⏰:08/06/08 01:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#698 [氷雨]
「俺……、告白するよ。でも…小宮はいいの?」

『好き』って気持ちはそう簡単に消えない。


苦しくて、けれど嬉しくて楽しくて。

小宮はそれでもいいの…?

俺が言う筋合いないのかもしれないけど………


けれど、そんな俺を尻目に小宮は満面の笑みで笑って。

⏰:08/06/08 01:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#699 [氷雨]
「へへ……、陽はいい奴だなぁ!!俺はもう大丈夫っ!俺って、立ち直り早いんだぞ!!」


そう言った。

そして、最後に……

「まぁ?陽が気にやむって言うなら【ジェラート】でも奢ってもらうさっ!!」


【ジェラート】…どこか外国のヨーロッパから来たと今、話題のアイスクリームだ。とにかく………

「げっ!?【ジェラート】!?高っいじゃん!!」

⏰:08/06/08 01:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#700 [氷雨]
そう恐ろしいくらいに高い。

けれど、それに見合うくらいに美味しい。………らしい。

「俺っ!食べてみたかったんだぁ!!」

ニンマリとわざとらしく笑うと小宮は俺が『YES』と言うまで、【ジェラート】について語らっていた。



場所は変わって【ジェラート】
今日も長蛇の列ができていて、殆どが女の人だと並んでから気付いた。

⏰:08/06/08 02:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#701 [氷雨]
「女の人はいいなぁ…」

小宮が呟いた。

それに俺も縦に首を振る。

女の人は甘い物、片手に持っていても全く違和感がない。

けれど男は、彼女が隣にいたら似合うけれど……

1人でなんか食べられない。(今日以外は…)


「陽も分かってくれると思ってたっ!!」

⏰:08/06/08 02:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#702 [氷雨]
感動したように瞳をキラキラさせて俺を見る。


俺はまた思わず吹き出し笑った。

そして、ついに俺らの番が来た。


「「うわぁ、種類ありすぎだろ……」」

全く同時に言う。けれど、悩んでいる暇はない。

長蛇の列が俺らの後ろにも出来ているから。

⏰:08/06/08 02:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#703 [氷雨]
「俺っ!カシス入ってるの!!」

小宮は叫んだ。

カシスは小宮の大好物だ。

「カシスでしたら、8種類取り入れてありますがどちらになさいますか?」

俺達はその多さに2人大きな声で驚いた。

「…………っ!!……んん!」

小宮は苦しそうな顔で苦渋の決断をしていた。

⏰:08/06/08 02:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#704 [氷雨]
そして……

「人気なのください!!」

と、言った。

店員は目を一瞬丸くしたけれど、ふんわり笑って…

「カシスで1番人気は《カシスホワイト》です。よろしいですか?」

小宮にそう尋ねた。それに小宮は元気に「はい!」と満面の笑みで答える。

「お連れ様はどうされますか?」

⏰:08/06/08 02:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#705 [氷雨]
「じゃあ、俺は2番人気のくださいっ!」


小宮も苦渋の決断してたし、俺のあげたら喜ぶだろなぁ。

そんな気持ちで頼んだ。

「はい、かしこまりました。2番人気は《カシスオレンジ》でございます。少々お待ち下さい」

店員はそう言うとアイスクリームをワッフルコーンの器に綺麗に盛っていく。

⏰:08/06/08 02:27 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#706 [氷雨]
アイスクリームの上にはカシスやカシスのソース、ハーブや生クリームが乗っていて甘党には堪らない品に仕上がっている。

「お待たせ致しました、こちらが《カシスホワイト》になります」

店員はにっこり笑い、小宮に渡す。

小宮ははちきれんばかりの笑顔で、それを受け取った。

「こちらが《カシスオレンジ》でございます」

⏰:08/06/08 02:32 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#707 [氷雨]
俺にもにっこりと笑い、アイスクリームを差し出す。

「ありがとう」

俺もにっこり笑い返し、アイスクリームを受け取る。

高かったけれど、やっぱりアイスクリームはそれに見合った物だ。

「うんまっ!!」

小宮はもう半分以上を食べ終えていた。

呆れながらも店を出る。

⏰:08/06/08 02:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#708 [氷雨]
最後に……

「HARUと一緒のください!」

そう聞こえたような気がしたけれど、勘違いだと誤魔化した。


小宮はものの数分でジェラートを完食。

今、現在……俺の《カシスオレンジ》を食い入るように見つめている。

「食べる……?」

⏰:08/06/08 02:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#709 [氷雨]
そう意地悪く尋ねた。

「いっ……いらないっ!!」

小宮は意地を張って食べようとしない。

「小宮の為に買ったのに…」

そう呟くと、ぷいっと反対を向いていた顔は俺を覗き込み…

「じゃあ、いるっ!」

嬉しそうに《カシスオレンジ》を食べた。

満足そうに食べているのを見たら、笑いがこみ上げてきた。

⏰:08/06/08 02:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#710 [氷雨]
「何、笑ってんの!?」

小宮は怒った風に言うけれど、アイスクリームを食べるたびに幸せそうに笑う。

「何もないよ」

にっこり笑い、誤魔化すと…小宮もアイスクリームを食べながらにっこり笑っていた。




そして、いつの間にか時間は10時を過ぎていて、帰ることになった。

⏰:08/06/08 02:53 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#711 [氷雨]
「それじゃ、小宮ありがとう!楽しかった!!」

俺は手を振りながら喋る。

「俺もっ!!つか、早く告白しろよっ、また月曜ーー!!」

小宮はポロッと肝心な事を叫び、走り去っていった。

ドクンと胸は跳ねたけれど、もう覚悟は決まっていた。

『有言実行』そう心に決め、帰路を早足で進んだ。

⏰:08/06/08 02:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#712 [氷雨]
俺は自分でも意外だったけれど、帰宅と同時にある事を思い付いた。

メールじゃなく明日、会いに行こう。と………


きちんと想いを瞳を真っ直ぐに見て。

出掛けていたら?なんて考えずに…何故か会えるような気がしていたから。


「明日だ……」

そう呟くと瞳を閉じた。

⏰:08/06/08 03:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#713 [きい]


>>1-100 
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/06/08 13:40 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#714 [ふう]
あげx

⏰:08/06/10 19:54 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#715 [は]
あげ

⏰:08/06/11 18:47 📱:D903iTV 🆔:☆☆☆


#716 [氷雨]
きいさん
アンカーありがとう!!

ふうさん・はさん
アゲありがとう!今から書きますね!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

自然と瞳は開き、遠足前のようにドキドキと胸が高鳴る。

起きた時刻はいつもは寝ているであろう、6時30分ちょうどだった。


上体をゆっくりと起こし、目をさする。

⏰:08/06/13 08:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#717 [氷雨]
やけに落ち着いていて俺自身もビックリした。

そして、いつもの流れ通りに洗面所へ向かい、鏡の正面にたった。


多少眠そうな顔をしているが、適度な緊張で引き締まっているように感じる。


「今日………か…」

そう呟き、水を掬いバシャバシャと勢いよく顔を洗う。

決意したものの、やはり戸惑う。

⏰:08/06/13 08:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#718 [氷雨]
「ご飯…食べよう……」

ドキドキと胸は高鳴るのに、テンションは反抗するように低かった。

台所へ行き、朝食を作る。

静かすぎる我が家の朝。

てか…、遅すぎっ!!


もう朝食もでき、7時を越そうかという時間になっても三依はまだしも、両親すら起きて来ない。

ドタバタと無理矢理に音を出して階段を駆け上がる。

⏰:08/06/13 14:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#719 [氷雨]
「お母さんっ!仕事は!?」

扉を開けた瞬間に叫ぶ。

そこには気持ちよさそうに肩を寄せ合い一緒に眠る両親がいた。


「んーー……陽、おはよ。今日は休みなのー」


寝ぼけ眼で答えるとまた眠りにつく。

お父さんは一応、学生だから休みは当然。

⏰:08/06/13 14:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#720 [氷雨]
大きく溜め息をつき、

「休みでも、起きておこうよ……」

その呟きはお母さんに聞こえるはずもなく、ただの独り言になってしまった。



現在、時刻は9時30分。

朝食も食べ終え、何もかもを済ませて俺は1人、時間を持て余していた。

けれど、ソファーから立ち上がる。

⏰:08/06/13 14:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#721 [氷雨]
靴を履き、「行ってきます」静かにそう口にすると、扉を開けた。


胸の鼓動は歩くたびに早くなり、目眩のしそうな程に緊張している。

少し遠い距離でもこういう時はすぐに目的地は見えてくる。


胸はより早さを増し、足は少しふらつく。

【告白】がこんなにも緊張してしまうなんて予想外だった。

⏰:08/06/13 14:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#722 [ゆりなエ]
あげイ

⏰:08/06/19 02:02 📱:W53T 🆔:☆☆☆


#723 [我輩は匿名である]
あげるよ

⏰:08/06/20 07:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#724 [TAJA]
頑張れ〜(^-^)/

⏰:08/06/22 00:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#725 [氷雨]
ゆりなさん・我輩さん・TAJAさん


アゲありがとうございます!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺は高鳴る鼓動が頭まで聞こえて来るのを感じながらも、確実に歩を進める。



冷たい風も感じなくなった感覚になる頃、見慣れたフェンスが目に入った。




それは目的地へ到着した事を自分に知らせていた。

⏰:08/06/23 00:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#726 [氷雨]
「着いた…………」


意外にも胸は早く鳴っているけれど、気持ちは落ち着いていた。


小さく呟いて息を静かにはく。


葉山さんの部屋であろう窓へ視線を向けると微かに動く影があった。



ドクンッと胸が跳ねた。

⏰:08/06/23 00:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#727 [我輩は匿名である]
めっちゃ気になる

⏰:08/06/27 10:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#728 [我輩は匿名である]
気になるからあげ

⏰:08/06/28 19:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#729 [ゆん☆]
あげエ

⏰:08/06/29 15:51 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#730 [ひろ]
あげあげ

⏰:08/06/29 23:27 📱:P906i 🆔:☆☆☆


#731 [我輩は匿名である]
続きめちゃ読みたいゆっくりでいいんで書いて下さい待ってます

⏰:08/07/02 17:52 📱:SH702iS 🆔:☆☆☆


#732 [氷雨]
すみません

忙しすぎて来れませんでしたっ
あげ、皆さん有難う御座いますっっ

今日から少しずつですが…更新していきます。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

胸を静まれと云う風に手で押さえてインターホンへもう片方の手を伸ばす。


胸は収まる事なく速く鼓動を打つ。

⏰:08/07/03 08:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#733 [氷雨]
インターホンまで、後1センチ。




しかし、それは阻まれた。

ビクリと手を引き¨阻まれた正体¨を見やる。





それは【携帯】


高らかに陽の大好きな曲が機嫌良く鳴っている。

⏰:08/07/03 08:15 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#734 [氷雨]
「……………っ!!びっくりしたぁ…」


少しの脱力感が漂い携帯をポケットから抜き出す。


どうせお母さんだろう。




そう思い携帯の画面を見ると、
──着信:葉山 美咲──


そう記してあった。


………………え?

⏰:08/07/03 08:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#735 [氷雨]
反射的にさっきまで見ていた部屋を見上げる。


そこには不思議顔の葉山さんがいた。


カーテンから可愛らしく俺を覗いて手を振っている。



手を振り返し携帯の通話ボタンを押した。



『陽?どうしたの?』

一言目は当然それ。

⏰:08/07/03 08:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#736 [氷雨]
葉山さんの声を聞き、緊張感は一気に静まった。


「葉山さん、俺、葉山さんに伝えないといけない事があるんです」



勇気も何も要らなく自然と出た言葉だった。

気持ちは穏やかで、そう言いにっこりと窓越しの葉山さんに笑いかけた。



けれど、『うん、分かった。じゃあ、下りるね』葉山さんの声は小さく暗かった。

⏰:08/07/03 08:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#737 [氷雨]
思わず頭にはハテナが浮かぶ。

なんで………?


その時は全く分からなく首を傾げるだけで葉山さんを待った。



暫くして葉山さんは玄関を元気よく開ける。


「おまたせっ、ごめんね」

⏰:08/07/03 08:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#738 [氷雨]
何故か凄く可愛くて、何処かに出掛けるのかおしゃれしていた。


「すみませんっ、何処か出掛けるんだったんですか?」


タイミング悪すぎだ………

申し訳ない気持ちになり、つい謝ってしまう。


けれど、俺とは反対に葉山さんは頬を赤らめている。


「…………っ、好きな人の前だから………」

⏰:08/07/03 08:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#739 [氷雨]
最後の言葉は小さくて上手く聞き取れなかったけれど、判断できた。


「……………っ!」



一気に顔だけでなく体まで赤くなったような感覚になる。


2人して、真っ赤になり下を向いて沈黙が流れた。


「あのっ…………」

⏰:08/07/03 08:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#740 [氷雨]
勇気を出し、顔を上げた。


俺の声を聞くと葉山さんも顔を上げて目が合う。



緊張が走る。


けれど、拳をギュッと握り締め決意を決めた。



「俺は…………っ」

「無理しなくていいよ」

⏰:08/07/03 13:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#741 [氷雨]
「……………えっ?」


意味が分からなかった。

葉山さんはにっこりと泣きそうな笑顔で笑っている。


突然の静止にどうしたら良いのかも分からずにポカンとしていた。



どういう意味?どうして泣いてるんですか?

⏰:08/07/03 13:38 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#742 [氷雨]
泣いてるのは心だけど、今にも涙が頬が伝いそうな、そんな淋しい笑顔。


「謝るだけなら、そんな優しさは要らないよ?」




……………………?


やっぱり葉山さんの言っている事が全くさっぱり分からない。

俺はいつまでも不思議顔のまま葉山さんを見つめる。

⏰:08/07/03 13:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#743 [氷雨]
「あの子と上手くいってるなら、私はそれで………」



─あの子…─

そう聞いて話はピースがはまったかのように理解できた。



「違うっ!!」


葉山さんの言葉を遮って叫んだ。

俺の大きな声に葉山さんはビクリと肩を震わす。

⏰:08/07/03 13:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#744 [しゅん]
あげ

⏰:08/07/06 11:49 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#745 [我輩は匿名である]
>>600-700

⏰:08/07/06 12:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#746 [氷雨]
しゅんさん・我輩さん

有難う御座いますっ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「違いますっ……、俺は……」

気持ちを自分の心の中で叫ぶ。


《葉山さんが好きだ》



拳を握り締め、下を向いていた顔をあげて葉山さんの瞳を真っ直ぐに見る。

⏰:08/07/07 22:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#747 [氷雨]
もう覚悟は出来ている。


好きだ。と言われていても振られない可能性は0ではない。



気持ちを伝える事は大切だけれど、重い。


どれだけの勇気がいるか。


それは伝えた人物にしか分からない。

⏰:08/07/07 22:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#748 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:08/07/10 20:36 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#749 [さな]
あげx

⏰:08/07/11 19:17 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#750 [みL1]


あげー(・∀・)

⏰:08/07/14 00:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#751 [mst.・*]
>1-100

⏰:08/07/14 17:08 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#752 [我輩は匿名である]
あ げ

⏰:08/07/17 23:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#753 [我輩は匿名である]



⏰:08/07/20 09:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#754 [匿名]
上げ

⏰:08/07/20 20:04 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#755 [(´・ω・`)]
>>300-550
>>551-800

⏰:08/07/24 02:10 📱:F703i 🆔:☆☆☆


#756 [けんじ]
あげます

⏰:08/07/30 00:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#757 [しゅん]
上げます

⏰:08/08/04 15:57 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#758 [我輩は匿名である]
見てます
頑張って下さいっ 

⏰:08/08/04 16:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#759 [氷雨]
みなさんっ!

長らく留守にしてしまい…申し訳ありませんっ……


どの位更新できるかわかりませんが…

頑張っていきたいと思いますっ


すみませんっ!!

⏰:08/08/06 07:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#760 [氷雨]
「陽…………?」


葉山さんは首を傾げて俺を覗く。

それは何気ない仕草だけれど、なんだか可愛い。



こんな時にそんな事を思うなんて自分でもびっくりしたけど、いくらか緊張がほぐれた。




ふんわりとした穏やかな笑みで俺は葉山さんに微笑んだ。


葉山さんは目を見開いて突然の笑顔にびっくりしていたけれど優しい笑顔で返してくれた。

⏰:08/08/06 07:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#761 [氷雨]
「葉山さん、俺は…葉山さんが好きなんだ」


笑顔で告白できるだなんて思ってなかった。


多少緊張はしていて手は震えているけど、いつもの俺が出せたと思う。



返事は分からないけれど、振られるかもしれないけれど…

葉山さんに隠していた気持ちを伝えれた事にまた穏やかな笑みが零れる。

⏰:08/08/06 08:41 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#762 [氷雨]
ついこの前、初めて話をして、買い物をして、手を繋いで、キスをして、喧嘩して、すれ違って。



この間の短い期間の事なのに俺の人生はこの為にあったんじゃないかと思うくらいに大切な思い出。



振られたとしても色褪せる事無く、胸には深く残ると思う。



葉山さんはまたも俺の言葉に目を見開いて驚いていた。

⏰:08/08/06 08:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#763 [氷雨]
こんなに表情が豊かな人なのに、どうして俺は気付かなかったんだろう。


ねえ、葉山さん。

「俺はこれからも葉山さんと一緒に居たいんだ。初めはびっくりしたけどさ…、あの時は押し倒してくれてありがとう」



「なっ!あの…時…っは、接点作る……のに必死で………っ」


驚き過ぎて固まっている葉山さんに悪戯っぽく伝えると葉山さんは真っ赤になって頬を隠す。

⏰:08/08/06 08:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#764 [氷雨]
そう素直に自分の言葉を伝える事が出来る葉山さんが好きだ。

照れて真っ赤になるのを必死に隠す葉山さんが好きだ。



伝えた後は想いが溢れて止まる事を知らない。




「好きだ」




その想いは不思議なくらいに自然と言葉になっていた。

⏰:08/08/06 09:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#765 [氷雨]
瞬間、葉山さんの瞳から一粒の涙が零れた。


「え…………?どうしたんですか!?」



俺はあたふたとどうしたのかと顔を覗く。


瞳は涙で潤んでいて綺麗だった。


けれど、感動している場合では無く、やっぱりあたふたとしてしまう。

⏰:08/08/06 09:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#766 [氷雨]
「ね……、陽?」

葉山さんは涙いっぱいの瞳で俺を見上げる。

さらりと流れる髪は綺麗で愛しい。


「ん?何ですか?」


葉山さんは笑っていた。
涙をたくさん溜めて笑っていた。


「あのね、美咲って呼んで」

「……………え?」

⏰:08/08/06 09:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#767 [氷雨]
あたふたとしていた俺は葉山さんの言葉でどこかへ飛んでいき、代わりに思考がフル回転しだす。


突然のお願いに告白した時よりも緊張が走る。


いつの間にか考えるように上を向いていた瞳を意味が分かると参ったと云う風に手のひらで覆う。


照れて葉山さんを見れない。

⏰:08/08/06 09:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#768 [氷雨]
覚悟を決めているとクスクスと笑い声が耳に届く。


手を離し視線を葉山さんへ向ける。


「何、笑ってるんですか?」


何が可笑しかったのか皆目見当もつかなくて首を傾げる。

それでも笑い続ける葉山さん。


「いつもの陽だ」

⏰:08/08/06 09:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#769 [氷雨]
そう嬉しそうに笑い混じりで葉山さんは呟いた。


「いつもの俺……?」


その言葉にさらに首を傾げる。

俺はいつも、いつも通りだったはずなんだけどな。



そう心で呟いた。


すると……

⏰:08/08/06 09:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#770 [氷雨]
「さっきの陽は格好良すぎる……」


頬を隠しながら葉山さんは今までに無いくらい小さな声で呟いた。


けれど、奇跡的に聞き取ると一気に赤くなる感覚を覚えた。



端から見れば¨変な子たち¨に認定されるだろうと思うくらいに真っ赤な2人。



暫く真っ赤でいると同時に笑いが込み上げた。

⏰:08/08/06 09:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#771 [氷雨]
「変なの……っ」

「うん、なんだか変ですね」



笑顔で微笑み合った。

この時間が楽しくて久しぶりの心からの満面の笑みだった。



「陽?あのね……」

「うん」


やっぱり照れた様に下を向き顔を隠す仕草は凄く可愛くて愛しかった。

⏰:08/08/06 12:17 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#772 [氷雨]
護りたい。


つい最近までは自分に自信なんて皆無で下ばかり見ていた俺。

¨男らしく¨なんて言葉は到底似合わなくて、のび太だった俺。


まだ¨のび太¨からは脱出できていないかもしれないけれど、
『葉山さんを護りたい』

そう強く心に思う。

⏰:08/08/06 12:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#773 [氷雨]
穏やかな気持ちで葉山さんに視線を送る。


そして……






「陽が好き。大好きなの」



照れた頬は淡いピンクで葉山さんは隠す事なく、真っ直ぐに俺を見てくれた。



「え?陽!?どうしたの!?」

⏰:08/08/08 09:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#774 [氷雨]
葉山さんの驚いた声にハッとする。


頬に何かが流れた。


触ると涙だった。


「あ……っ、俺…嬉しくて…」
涙を拭いながら、慌てて言葉を繋げる。

葉山さんは俺の言葉を聞いて嬉しそうに笑った。


「大好き」

⏰:08/08/08 09:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#775 [氷雨]
また葉山さんは言ってくれた。

カァァァと真っ赤になる。



「俺も好きだよ…」


照れて小さな声になってしまったけど、想いは伝わる。

にっこりと笑う葉山さんがその証拠。



「あ………、み……美咲、今からデートしませんか?」

⏰:08/08/08 09:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#776 [氷雨]
「…………っ!するっ!するよっ!!」



勇気を出して『美咲』と呼んだ。

それに涙を溜めて喜んでくれる美咲は可愛くて仕方ない。




俺達は手を繋いで思い出の場所をデートした。


「ねぇ、陽?」

⏰:08/08/08 09:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#777 [氷雨]
「ん?」

美咲は真剣な眼差しで俺を見上げる。


「敬語とれかけてる」


嬉しそうに美咲は笑った。


「嬉しいから、そのままね」


はにかんだ笑顔は少し照れていて、繋いだ手をギュッと握り締める。

⏰:08/08/08 09:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#778 [氷雨]
「うん」


こんなに幸せでいいのかな…?

直ぐ隣には大好きな人が居て、夢も見つかった。


「美咲、俺…本格的にモデルになるんだ。それで……」


「私が居るよ?陽が苦しくなったり、嬉しい事があったら私が一緒に居る」

⏰:08/08/08 12:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#779 [氷雨]
俺の言いたかった事が分かっていたのか俺の言葉を遮り美咲は真剣に言葉を繋げる。


「そりゃあ………、色々大変だろうけど、私が陽から離れないからっ」



そう言うと真っ赤な顔で悪戯っぽく笑うと下を向いてしまった。

少し小さく見えた美咲を思わず抱き締めた。

⏰:08/08/08 12:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#780 [氷雨]
「…………え?」


美咲は突然の俺の行動に付いていけなく小さく呟いた。


「美咲、凄く好きだ。幸せにするからっ」


俺の言葉に美咲は暫くの間、反応しなかった。


「陽……プロポーズみたい…」

やっと聞こえた声は涙で濡れて震えていた。

⏰:08/08/08 12:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#781 [氷雨]
「はは……、本当だ」


美咲を離し顔を覗くと瞳に涙を溜めていて満面の笑顔だった。


俺はこの人と生きていく。

生きていきたい。


本当のプロポーズはまだ先だけれど、俺はこの人の笑顔を護りたい。



いつか………


最高のプロポーズができるように。


いつか……

⏰:08/08/08 12:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#782 [氷雨]
 
世界で1番の幸せな花嫁になれるように。




いつも、いつも俺の隣で。




「俺は美咲が大好きだ」



言うと振り返り照れたようにはにかむ笑顔。

⏰:08/08/08 12:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#783 [氷雨]
 
 
 
護るよ。


もうプロポーズの言葉は決まっているんだ。



まだ内緒だけど。



いつか必ず言うから。

⏰:08/08/08 12:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#784 [氷雨]
 
 
 
 
 
 
 
 
「ずっと俺と一緒に居よう。愛してるよ」




        ──end──

⏰:08/08/08 13:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#785 [氷雨]
 
 
 
 
 
 
あ───……

微妙な終わりですみませんっ


陽らしいなと思って頂けたら幸いですっ

しかし…終わりましたっ


読んでくださった方、有難う御座います!

⏰:08/08/08 13:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#786 [Hiro]
おわっちまった!
楽しかったっす

⏰:08/08/08 13:29 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#787 [まなみ]
主さん(^O^)/
完結おめでとう
ございます
おもしろかったです

⏰:08/08/08 22:44 📱:F905i 🆔:☆☆☆


#788 [我輩は匿名である]
お疲れ様でした(^^)
主さんの終わり方も
よかったのですが
最後に陽と美咲には
事故でも偶然でもない
ちゃんとしたキスとか
してほしかったです;
番外編や別の小説を
書く予定ありますか?
また応援させて
頂きますので
頑張ってください★

⏰:08/08/08 23:04 📱:W53T 🆔:☆☆☆


#789 [蘭]
 お疲れ様でした―
 影ながら楽しく見ていました
 
 とてもおもしろかったです

⏰:08/08/09 00:02 📱:PC 🆔:☆☆☆


#790 [氷雨]
HIROさん

終わりましたっ!
読んでくださりありがとうございました




まなみさん

ありがとうございますっ
完結しましたぁ
長くかかってしまいましたが読んでくださってありがとうっ

⏰:08/08/11 09:57 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#791 [氷雨]
我輩さん

ありがとうございますっ
あ……本当ですね。
キスさせてあげたらよかった。なんだか陽もなにやら訴えかけてくるイメージが……(笑)

次ですか……んーー…
今、HPで小説を書いているんですが…スランプ中で(泣)
多分、そっちに集中したいので暫くは来れないと思うんです

凄く嬉しかったですっ!!
また来た時は宜しくお願いします!!

ありがとうございましたっ

⏰:08/08/11 10:02 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#792 [氷雨]
蘭さん

お疲れ様ですっ!!

ありがとうございますっ

面白かった……その言葉で私はやってこれました!!

本当にありがとうっ

⏰:08/08/11 10:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#793 [R]
ぉもしろかったです

HPでの小説も読んで
みたいのですが
URLを教えてくれませんか

⏰:08/08/13 16:23 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#794 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800

⏰:08/08/13 17:41 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#795 [氷雨]
Rさん


遅い返信すみませんっ(泣)

HPの方はジャンルが180度違うので

ちょっと…難しいです

すみません…(泣)

⏰:08/08/21 20:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#796 [氷雨]
我輩さん

ァンカーありがとうございますっ!!

⏰:08/08/21 20:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#797 []


アンカー
--------*

>>1-100
>>101-200
>>201-300
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>>701-800

⏰:09/11/30 22:07 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#798 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/26 21:26 📱:Android 🆔:☆☆☆


#799 [ん◇◇]
>>750-780

⏰:22/10/26 21:42 📱:Android 🆔:☆☆☆


#800 [ん◇◇]
>>1-40

⏰:22/10/26 21:55 📱:Android 🆔:☆☆☆


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