危ナイ兄弟愛ノカタチ:)BL
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#656 [東脂ヤ転
「あ、挨拶遅れました!
俺は明さんの高校の後輩で、三輪大和って言います。」
この微妙な空気を感じ取ったのか、大和はいつもの爽やかな笑顔で壱に軽く頭を下げた。
「あぁいや、俺も明さんの後輩で今はこの店のオーナーやってます、早乙女です。
まぁ俺はバイトの後輩ですけど。」
壱の方もいつもと変わらない爽やかな笑顔で大和に挨拶する。
[何だ・・・俺の勘違いか]
そう思って軽く胸を撫で下ろした瞬間、壱としっかり目が合ってしまった。
その目は、まるで「あとで話がある」と言わんばかりの鋭い目つきだ。
:08/07/14 21:50
:W52P
:☆☆☆
#657 [東脂ヤ転
ーピルルルル・・・ッ
「あ、ちょっとすみません・・・」
壱にカウンター席を案内されたのとほぼ同時に、大和との携帯が鳴り席を立つ。
「大和もコーヒーで良い?」
ドアに向かって歩き出した大和にそう訊くと、大和は笑顔で頷いた。
「良い後輩ですね〜」
大和が外に出たのを見届けてから、茶化すように壱は言った。
「・・・アイスコーヒー2つな」
俺は何となく気まずくて壱の言葉を聞き流す。
壱なら大和のことも気にしないだろうと思っていたんだけど・・・ どうやらそうもいかないらしい。
:08/07/15 11:11
:W52P
:☆☆☆
#658 [東脂ヤ転
「っていうか前に明さんが言ってた、"唯一俺に告白してきた変わり者"って・・・」
その言葉を聞いた瞬間、飲んでいた水を吹き出しそうになる。
俺の反応を見て壱は更に俺に近付く。
「やっぱり〜!あの子なんですね!?」
・・・何でこんなにコイツは鋭いんだろう・・・。
ムカつく程に!!
「あ"ー!!だから困ってんだよ!!」
俺は思わず声を張り上げてしまった。
さすがの壱も驚いて目を丸くしている。
:08/07/15 11:37
:W52P
:☆☆☆
#659 [東脂ヤ転
「・・・高校の時大和に告られて、俺は断ったんだよ。"他に好き奴が居るから"って」
外から大和の声が微かに聞こえる。
あんなに良い奴なのに今も昔も、俺は好きになれずにいた。
「そしたらその時大和がさ言ったんだよ」
『じゃあ・・・次に俺と会う時に紹介して下さいよ、明さんが好きなその人を。』
凄く真っ直ぐな瞳だった。何で俺はコイツを好きになれないんだろう、って自分にイラついた。
でも本当はもう遅かった。
その時既に俺は、圭吾と出逢ってしまっていたんだ。
:08/07/15 11:52
:W52P
:☆☆☆
#660 [東脂ヤ転
「じゃあ紹介すれば良いじゃないですか。圭ちゃんを。」
しゃあしゃあと言ってのける壱に、俺は思わず蹴りを入れたくなった。
「出来るワケねぇだろ!!
そんなことしたら圭吾に俺の気持ちがバレ・・・」
「バレたって良いじゃないですか」
その時突然、壱の声色が変わった。
普段は俺にたてついて来ない壱なだけに、壱の様子がいつもと違うことに気付く。
:08/07/15 11:59
:W52P
:☆☆☆
#661 [東脂ヤ転
「いつまで明さんはそうやって悩み続けるんですか?」
壱の黒い瞳から目が離せない。
「早くしないと圭吾さん捕られちゃいますよ?」
壱は静かにそう言った。俺はその言葉の意味が読み取れず、怪訝な表情をする。
「でもアイツは静が好きなんだよ!
そんな奴に、打ち明けたところで何も変わんねぇよ」
吐き捨てるようにそう言うと、自分の台詞に傷ついている自分が居た。
[俺って・・・マジで勝手だな]
また嫌な感情が湧き上がってくる。
:08/07/15 12:10
:W52P
:☆☆☆
#662 [東脂ヤ転
「圭ちゃんはもう静さんのこと好きちゃいますよ?」
俺が俯いたその時、壱は俺の前にアイスコーヒーを置きながら言った。
「・・・・・・はぁ!?何で!?」
俺は余りに突然のことに驚いて勢い良く顔を上げる。
そんな俺の様子を見て、壱は少し可笑しそうに笑った。
:08/07/15 21:50
:W52P
:☆☆☆
#663 [東脂ヤ転
「確か・・・静さんの今の恋人に全くかなう気がしないから、って言ってはりました」
大和の分のアイスコーヒーを作りながら、壱は微かに笑って言う。
「恋・・・人って・・・」
あの義弟のことか。
確かに、自分のことを"静兄"って呼ばせるくらいだ。
"紫穂"と同じか、それ以上に大事にしてるっていう証拠だよな。
[でもそれって・・・]
『フラれたぁ・・・』
突然、昨日の圭吾を思い出す。
:08/07/16 08:53
:W52P
:☆☆☆
#664 [我輩は匿名である]
:08/07/16 09:02
:F903i
:n4s5HYss
#665 [東脂ヤ転
リビングで大の字になって弱音を吐いていた圭吾。いつもに増して空元気だった圭吾。
アイツ・・・もしかして、
「圭ちゃん傷付いてるんちゃいます?」
その時また、俺の心を見透かすように壱が口を開いた。
そんな壱を俺は驚いたような表情(カオ)で見つめる。
「自分で静さんに対して"諦める"やなんて言葉を言った圭ちゃん、初めて見ましたもん」
壱の入れてくれたコーヒーの良い香りが店中に広がる。
それと同時に、俺の胸には違う感情が芽生える。
何で・・・気付いてやれなかったんだ・・・!
:08/07/16 12:06
:W52P
:☆☆☆
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