よすが
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#668 [○○&◆.x/9qDRof2]
『ねぇ、わたしを殺してみて』
その日。
ぼくは、彼女を殺した。
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『すき』
彼女のくちびるから零れ落ちる言葉は、いつだってぼくだけの鼓膜を揺らす。
『あなたが、すき。例えあなたの気持ちがわたしになくても』
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#669 [○○&◆.x/9qDRof2]
『目も、耳も、鼻も指も、ひとつ残らず愛おしい、』
『だけど、一番愛おしいのは、その、くちびる。わたしのそれと触れたとき、わたしはきっと死んでしまうでしょうね』
何故だい?薄く微笑み、彼女に問うた。
『幸福死。信じられないけれど、本当にあるみたいよ。夢のような、現実では有り得ないような、けれど、こころのどこかでそれを待ち望んでいる.......』
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#670 [○○&◆.x/9qDRof2]
彼女の瞳が、熱を持ち始める。
『そして。それが現実に起こったとき、わたしは死ぬの。そう例えば、あなたのくちびるの熱を、わたしのここで感じることができる、とかね』
そう言って彼女は微笑み、人差し指で自分のくちびるに触れた。
『ねぇ、わたしを殺してみて?』
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