春の希望と・・・【BL】
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#951 [コロ]
 
望が俯き、また涙で瞳が潤んだ時、石田は部屋の奥へ進み窓を開けた。

状況に反して、気持ち良いほど優しい風が吹いている。

ガチガチに固まっていた心が、少し解れた気がした。 

⏰:09/06/03 22:45 📱:SH700i 🆔:FrYDQD9.


#952 [コロ]
 
その日は、もう石田が手を出して来る事はなく、ベッドも別々で眠った。

きっと自分が繋がれているのが石田のベッドで、石田はルームメイトのベッドを使ったんだろう。

枕元の目覚まし時計が、なんだか石田に似合ってなかった。
 

⏰:09/06/03 22:52 📱:SH700i 🆔:FrYDQD9.


#953 [コロ]
 
――――
―――

――

翌日、蝉の鳴き声で目が覚めた。

寮のまわりは木が
たくさん生えているから
毎年、夏になるとものすごい大合唱で起こされる。
 

⏰:09/06/08 04:44 📱:SH700i 🆔:yCWG4aCE


#954 [コロ]
 
石田に監禁されたのは
夢でした・・・なんて落ちは無く、目覚めから気分が悪く感じた。

反対側の壁を見ると、石田はまだベッドの上で規則正しい寝息をたてている。

今日は自分の部屋に返してもらえるだろうか・・・
 

⏰:09/06/08 04:50 📱:SH700i 🆔:yCWG4aCE


#955 [コロ]
 
勇気がこの部屋の扉を開けて、助けに来てはくれないだろうか。

どうしてこんな時に
みんな実家に帰ってしまってるんだろ・・・

そんな事ばかり、頭の中でグルグル考えてしまう。
 

⏰:09/06/08 04:57 📱:SH700i 🆔:yCWG4aCE


#956 [コロ]
 
そもそも、自分の注意力が足りなかったから、こんな事になってしまったんだ

人に助けて貰う考えは間違ってるのかもしれない。

だけど・・・

この足の拘束は、自分じゃどうする事も出来ない。
 

⏰:09/06/09 03:17 📱:SH700i 🆔:bexQq21U


#957 [コロ]
 
ジッと足元を眺めながら、時々引っ張ったりしていると、石田が目を覚ました。

体に緊張が走る。

身構えていたけど、石田はこっちを一瞬だけ見て、風呂場の方へ行ってしまった。
 

⏰:09/06/09 03:23 📱:SH700i 🆔:bexQq21U


#958 [コロ]
 
―――・・・

髪を濡らした石田が戻って来たのは、10分後。

ズボンだけ履いて、上半身は首から引っ掛けたタオルだけだ。

水のペットボトルを持っている姿は、さながらミネラルウォーターのCMを見ている様・・・。

⏰:09/06/10 02:36 📱:SH700i 🆔:evKReffs


#959 [コロ]
 
誰も石田が監禁なんて
するような人物だと
思わないだろう。

テーブルの上にペットボトルを置いて、石田は望が居るベッドに腰掛けた。

髪から、少しだけ水滴が落ちている。
 

⏰:09/06/10 02:40 📱:SH700i 🆔:evKReffs


#960 [コロ]
 
一瞬、間があいたので
何もされないと思った。

望がホッと息を付いたのと、石田が望の足を引っ張ったのは同時。

いきなりの事で、望はバランスを崩し、ベッドに背中を付ける。
 

⏰:09/06/10 02:45 📱:SH700i 🆔:evKReffs


#961 [コロ]
 
望「ッ――いし・・だ・・・」

石「気ぃ緩んでるぞ
 何もしないと思った?」

望「ッ!?」

石田の目が、あの冷たい
色に変わる・・・。
 

⏰:09/06/10 02:49 📱:SH700i 🆔:evKReffs


#962 [コロ]
 
何も映して無い様な
なんの輝きも無い目。

望「嫌だッ ぅああッ!」

石「嫌なんだ? へぇ・・」

石田の手が体を這いまわり、ぞくりと悪寒が走る。

望「ぁ 嫌だッ やめてぇ」
 

⏰:09/06/10 02:54 📱:SH700i 🆔:evKReffs


#963 [コロ]
 
望は石田の手から逃れようと、必死に暴れ回った。

どんなに抵抗しようと
拘束が外れる事は無い。

だけど、少しでも石田に
「嫌なんだ」って事が
伝わってほしくて、暴れ続けた。
 

⏰:09/06/13 03:17 📱:SH700i 🆔:A44UUkVk


#964 [コロ]
 
すると・・・

突然、視界が揺らいだ。

一瞬遅れて左目の横が
ズキズキと痛み始める。

望「―――ッ・・ヒック」

 殴られた。
 
 

⏰:09/06/13 03:20 📱:SH700i 🆔:A44UUkVk


#965 [コロ]
 
続けて右の頬を平手で
叩かれ、望は抵抗していた体をピタリと止めた。

石「スク・・賢いね、北本。
 殴られたらちゃんと
 大人しくなるんだ?笑」

痛みが恐怖で、望は体が固まって言う事を聞かなくなってしまったのだ。
 

⏰:09/06/13 03:26 📱:SH700i 🆔:A44UUkVk


#966 [コロ]
 
石「このまま大人しく
 出来る?笑」

望「ヒック・・・ふぇッ・・」

石「約束、守れたら
 痛くしないでやるよ」

石田の最後の言葉が
まるで呪文のように
望の頭の中を支配した。
 

⏰:09/06/13 03:30 📱:SH700i 🆔:A44UUkVk


#967 [コロ]
 
大人しくしてたら、もう
痛くされない・・・


だから望は涙こそ、ずっと流していたが、暴れ回るような真似はしなかった。

だんだん石田に支配されていく・・・

そう思った。
 

⏰:09/06/13 03:33 📱:SH700i 🆔:A44UUkVk


#968 [コロ]
 
――――
――

・・・ズッ ズプッ

望「ぁ あぁッ・・ン」

石「ふッ・・・ッ」

僕の体は、一体・・・

望「ゃあッ うッ 」
 

⏰:09/06/16 00:20 📱:SH700i 🆔:aXumGAdE


#969 [コロ]
 


誰の物・・・――?


――――
―――

――
 

⏰:09/06/16 00:21 📱:SH700i 🆔:aXumGAdE


#970 [コロ]
 
―――・・・

古賀と食堂で話した時
石田は古賀から勇気に間する話しを聞いた。

「中西の奴、あのアイドルちゃんとデキてるらしいぜ・・・1週間ぐらい前から」

それが・・・何だよ。
 

⏰:09/06/17 03:50 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#971 [コロ]
 
北本と中西がデキていようが、いまいが 関係無い。

それに、北本は今
自分の手の中に居る。

中西がどんなに頑張っても助け出せないほど深い所までコイツは落ちた。

ほら、もう抵抗すらしない。
 

⏰:09/06/17 03:55 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#972 [コロ]
 
動かないからペットですらない。

涙を流す人形だ。

中西に向けられる笑顔も、言葉も、もう何もかも無い。

綺麗な体も、全て自分が奪ってやったから。
 

⏰:09/06/17 04:02 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#973 [コロ]
 
―――・・・

望「はッ ンあ ぁ・・ふぇッ」

ズプッ ズッ ズプッ

石「ッ――・・・」

石田の連動が速まり
体がガクガクと揺れた。
 

⏰:09/06/17 04:07 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#974 [コロ]
 
中が擦れる感覚に、吐き気が込み上げる。

内臓が引きずり出される様な感覚が襲った後、杭を打ち付ける様に下から突き上げられた。

瞬間、腹の中に熱い物が広がる・・・。
 

⏰:09/06/17 04:14 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#975 [コロ]
 
それは石田が腰を動かすたびに奥へ流れるものと、外へ溢れ出すものがあった。

望「ぁ ぁ ・・・ふッ ヒック」

石「・・・はぁ・・ッ――」

お腹の中に入ってく・・・

嫌だ。出てけッ出てけッ・・
 

⏰:09/06/17 04:21 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#976 [コロ]
 
望「嫌だぁぁッ!ぅああッ」

石「ッ・・・」

望「出てけッ!やめろッ
 ぅわぁぁぁんッ」

急に大声で暴れ出した
望に、石田は一瞬呆気に
取られてしまった。
 

⏰:09/06/17 04:28 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#977 [コロ]
 
しかし、すぐに頭を切り替え、望を押さえ付ける。

望「嫌ぁあッ ふぇぇッ」

なおも暴れようとする望に手を上げそうになった時、望の様子が変わった。

石「北本ッ・・・」
 

⏰:09/06/17 04:34 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#978 [コロ]
 
望「はッ・・ヒック・・・――ッ」

過呼吸の症状だ。

石「チッ・・・んだよッ!」

石田は声を荒げて怒鳴った後、何かを取りにテーブルの方へ向う。

望は意識が朦朧とする中
石田の怒鳴り声が、やけに耳に残っていた。

⏰:09/06/17 04:45 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#979 [コロ]
 
自分が知る限り石田と言う人間は、感情的になってる時も、どこか冷めてると言うか・・・

まるでつまらないテレビ番組を見てるかの様な節があるのに・・・

今の声は「素」の彼だったんじゃないかと思った。
 

⏰:09/06/17 04:52 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#980 [コロ]
 

テーブルの上から袋を持って、石田はベッドに戻って来た。

そして、それを投げつけるように渡される。

望はソロソロと手を動かし、袋を掴むと、口元を覆った。
 

⏰:09/06/17 04:59 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#981 [コロ]
 
何度か浅い呼吸を繰り返し、少し落ち着いて来た頃

気付くと石田はシャワー室の方へ行っていた。

いったい、こんな事が
いつまで続くのか・・・

先の見えない不安に
望は自分の呼吸がまた少し速まるのを感じた。
 

⏰:09/06/17 05:04 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#982 [コロ]
●きります●

石田との絡みばかりですいませんm(__)m
早く勇気を出したいのですが、焦って書いては良い作品にならないと思いますので、もうしばらく石田の変態さんにお付き合い下さいませ f^_^;

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2722/

⏰:09/06/17 05:16 📱:SH700i 🆔:YDyOxiFc


#983 [コロ]
 
―――
――

 ザァァ――

石「・・・はぁ・・」

シャワー室に入った石田は、何かを振り払う様に冷水を頭から被った。
 
 

⏰:09/06/22 21:58 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#984 [コロ]
 
北本の苦しげな表情を見ると、昔の自分と重なる。

そんなに辛いのなら
死ぬ気で抵抗すればいい

元々は中西のお気に入りだから手を出したんだ。

もう充分遊ばせてもらったから開放しても構わない。
 

⏰:09/06/22 22:08 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#985 [コロ]
 
そうしないのは、
鈴原大和が目を付け始めたからだ。

自分じゃない誰かが北本に手を出すのは腹が立つ。

何故だろう・・・恋人の中西にすら触らせたくない。

自分が北本を苦しめている状況もイラつく。
 

⏰:09/06/22 22:13 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#986 [コロ]
 
頭の中がパンクしそうだ


 ザァァ――・・

石「何だよッ・・・クソッ」

今 思い出せるのは
望の悲しみに染まった
表情、声、涙・・・。
 

⏰:09/06/22 22:18 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#987 [コロ]
 

『お母さん・・・お父さん』

あの時期の自分と同じ瞳をしていた。

全てが嫌になって・・・

何もかも信じる事が出来なくなった自分。
 

⏰:09/06/22 22:22 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#988 [コロ]
 
幼い頃の自分と、今の北本の瞳は同じだった。

何も映さない瞳の奥に
どれほどの悲しみがあるのか、自分は知っている。

だから、望をあのように変えてしまった事実が、余計に石田の心を掻き乱しているのだった・・・。
 
 

⏰:09/06/22 22:29 📱:SH700i 🆔:J8mnxT.E


#989 [ゆ]
失礼します

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/06/24 00:11 📱:SH02A 🆔:O1sHrbkw


#990 [コロ]
ゆ様

アンカーありがとうございますo(^-^)o

⏰:09/06/25 03:51 📱:SH700i 🆔:ogpaQz2Q


#991 [我輩は匿名である]
書かないんですか?

⏰:09/06/26 10:10 📱:SH02A 🆔:NgUPNsaw


#992 [コロ]
我輩様

バイトが忙しくなかなか
更新出来なくて申し訳ございませんm(__)m

今から少し更新致します
(^^)

⏰:09/06/28 01:24 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#993 [コロ]
>>988から

――――
――

石田がシャワーを浴びる音が聞こえてきて間もなく

望は泥のように重くなった体を休める様に眠りについた。
 
 

⏰:09/06/28 01:27 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#994 [コロ]
 
そんな中。シャワーの音と、望の静かな寝息しか存在しない室内に、軽く響いた扉のノック。

その音に気付く者も
扉が開く音に気付く者も
また、この部屋には存在しない。
 

⏰:09/06/28 01:37 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#995 [コロ]
 
「・・・・・・。」

侵入者は石田の同室者でも、同級生でもなかった。

石田が居るであろう
シャワールームに見向きもせず、目的のモノを目指す。

部屋の最奥。ベッドが置かれたその場所へ。
 

⏰:09/06/28 01:44 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#996 [コロ]
 
綺麗に整頓された部屋の
オフホワイトにグレーのラインが1本入った一番シンプルなベッド。

その上で無防備に横たわり、小さい寝息をたてている目的の人物。

『鈴原大和』は、ゆっくりと、ベッドで眠る望に近づいた。
 

⏰:09/06/28 01:58 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#997 [コロ]
 
望の顔を覗き込むと
鈴原は満足気に口角を吊り上げた。

鈴「へぇ、石田が自ら
 手を出したくなる訳か
 ・・・。笑」

これは上玉だな。笑
 
 

⏰:09/06/28 02:07 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#998 [コロ]
 
鈴原が望の額にかかる前髪を少し払うと、長い睫毛が少し涙で濡れているのがわかる。

頬は叩かれたのか、赤く熟れた林檎の様な色になっていた。

鈴「石田は俺より少しは
 優しいみたいだな。笑」
 

⏰:09/06/28 02:49 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#999 [コロ]
 
自分が手を上げれば、赤く腫れる程度じゃ済まない。

鈴原は望の頬を軽く
撫でてみた。

ほんの少し、望が眉を寄せて、呻く。

その姿は、鈴原をひどく
興奮させた・・・。
 

⏰:09/06/28 02:59 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


#1000 [コロ]
●お知らせ●

スレッドが1000になりましたので、新しくトピックを立てましたo(^-^)o
続きはそちらに書いて行きますので、どうぞお越しください☆☆

★春の希望と・・・Part2
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/10597/
 

⏰:09/06/28 03:00 📱:SH700i 🆔:oDZlgotk


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