WHITE★CANDY
最新 最初 全 
#360 [ぎぶそん]
>さやさん
返事遅くなりました。
コメント有り難うございます!
最後まで書き上げるので、良ろしければお付き合いよろしくお願いします(^-^)
:09/04/02 08:44
:SH705i
:K79dghiA
#361 [ぎぶそん]
三人で学校近くのコンビニでアイスを買い、店の前にあるベンチに座ってさっそく食べた。
「あっ、いっけなーい、おつかい頼まれてるんだった。」
エリがクレープのアイスを食べ終えてすぐ、たった今用事を思い出したように慌てた声を出した。
「じゃあ二人とも、また明日ね。」
ケラケラとした表情で私と村上さんにさよならを告げ、自宅の方向へと駆けて行く。
エリはいつもこうだ。
こちらが飽きることがない位、コロコロと行動パターンが変わる。
まあ、彼女のそんな所が好きなのだけど。
青いベンチに、一人分だけスペースが空く。
私と村上さんの、二人きりになった。
:09/04/02 09:03
:SH705i
:K79dghiA
#362 [ぎぶそん]
エリが去った後は、その場が一気に沈黙となった。
お互い、話題を積極的に出す性格ではなさそうだし。
こんな時、どうしたらいいのだろう。
こんな時は、エリや元基の性格が羨ましくなる。
「…さっき廊下で会った人、真希ちゃんのボーイフレンド?」
場のやり方について戸惑っていると、村上さんが口を開いた。
:09/04/02 12:34
:SH705i
:K79dghiA
#363 [ぎぶそん]
「えっ…違うよ。」
彼女の思わぬ質問に、とっさに否定をした。
それと同時に、さっそく"真希ちゃん"と呼んでくれたことが、くすぐったかった。
「そうなんだ。アタシにはお似合いに見えたのにな。」
「…正直言うと、私は彼のことが好きだよ。
でも、向こうはどうだか。」
私と優平の関係って、いうなれば友達以上恋人未満って奴かな?
手持ち無沙汰かのように、ぶら下がってる両足をパタパタさせた。
:09/04/02 13:03
:SH705i
:K79dghiA
#364 [ぎぶそん]
「…アタシ、この歳でまだ誰かに恋したことがないんだぁ。」
彼女がボソッと呟く。
俯いて両手でアイスの袋をいじっている。
「私も、人を好きになったのは優平が初めてだよ。
それも、つい最近。」
「…でもね、今まで結構な男の人と寝てきたの。
ふふふ、変な話でしょう?」
「えっ…。」
話を始めてまだ数分、彼女が唐突に"そういう話"を持ち掛けた。
口元は緩んでいたが、目は笑っていなかった。
清楚な見た目とは裏腹に、中身は大胆な子なのかも知れない。
:09/04/02 13:30
:SH705i
:K79dghiA
#365 [ぎぶそん]
「アタシ、望まれて生まれて来た訳じゃないらしいの。
ううん、どちらかと言うと、生まれて来て欲しくなかったみたい。
両親はすぐに離婚。
今はパパ一人でアタシを養ってる。
そんなアタシを男たちが求めてくるのが、滑稽に見えて仕方がないんだぁ。」
「…。」
突然の彼女の話に、言葉が出なかった。
余計なことを言って、傷つけるのも避けたかった。
「あ、こういう話、もしかして苦手だったかな?
大人しいフリしてんのが窮屈でさ、つい話しちゃった。」
先程の帰り際のエリのように、ケラケラと笑う彼女。
でもそれは明らかに、ダークな雰囲気に包まれていた。
:09/04/02 13:56
:SH705i
:K79dghiA
#366 [ぎぶそん]
「真希ちゃんには幸せになって欲しいなー。
真希ちゃんみたいに落ち着いてる子、アタシ好きなの。」
そう言い終えると、彼女はサッと足を組んだ。
その仕草だけで、不思議と一気に大人びた感じになった。
「そんな、私たち同い年じゃない。村…弥生ちゃんもまだまだこれからだよ。」
「アタシ、もう汚れてるし。」
ハァとため息をつきながら、頬杖をつく彼女。
その切なそうな表情を、夕焼けがオレンジに染める。
:09/04/02 18:11
:SH705i
:K79dghiA
#367 [ぎぶそん]
「…私のお母さん、小さい頃に死んじゃってさ、それからずっと父親と二人暮らししてた。
そんな環境を不幸とは思わないけど、生前のお母さんに会いたいと思うことは何度もあるよ。
うん、やっぱり寂しいよ。お母さんがいないのは。」
普段、誰にも告げない思い。
自然と拳に力が入る。
「ふふふ。別にいいよ、アタシのこと慰めなくても。」
「弥生ちゃんのお母さん、きっとどこかで毎日弥生ちゃんのこと想ってるよ。
どんな母親だって、腹を痛めて産んだ子はかけがえのない存在だよ。
私のお母さんも、空から毎日私のことを想ってくれている。」
お母さんの居る、空を仰いだ。
:09/04/02 18:23
:SH705i
:K79dghiA
#368 [ぎぶそん]
「それと今はね、大学生の居候がいるんだ。
賑やかでせわしない人だけど、本当のお兄ちゃんのように思ってる。」
東吾兄のくしゃっとした笑顔が浮かんだ。
今頃、家でTVゲームに熱中してるかな。
帰ったらまた、付き合わされるんだろうな。
『生きてると、楽しいことが沢山あるよ。』
現実に対して、少し悲観的な彼女に伝えたいこと。
でも、喉の辺りまで出てきた所で、飲み込んでしまった。
同級生に対してこんな台詞を言うのは、偉そうだと判断したから。
:09/04/02 18:36
:SH705i
:K79dghiA
#369 [ぎぶそん]
「マキロン、おかえり!
あっ、丁度良かった。レベル上げ付き合って〜。」
家に帰ると、想定内の光景が広がり、想定内の台詞を告げられた。
ソファーに寝転がりながら、TVゲームを堪能している東吾兄。
「もー、ちょっとは夕飯の準備手伝ってよ。
居候の分際で遠慮なさ過ぎ、くつろぎ過ぎ。」
スーパーの袋を、テーブルの上に音を立てて置く。
「アハハ。だって俺、不器用だし役不足だし。」
:09/04/02 18:49
:SH705i
:K79dghiA
#370 [我輩は匿名である]
:09/04/02 22:57
:W61SA
:5zPWjPPg
#371 [ぎぶそん]
>匿名さん
アンカー有り難うございます!(^^)
:09/04/03 13:09
:SH705i
:ByU6c7HI
#372 [ぎぶそん]
今日の夕飯は、カルボナーラを作ることにした。
東吾兄にも、パスタを茹でるという作業をしてもらった。
今日の夕飯は2人分だけ。
放課後父から、会社の人と飲んでくるという連絡があったから。
「今日うちのクラスに、転校生がやって来た。」
「へえー。そりゃ、大学にはない楽しみだなぁ。」
出来上がってすぐ、2人で夕飯の席を囲んだ。
湯気の立つパスタをフォークに巻き付ける。
:09/04/03 13:19
:SH705i
:ByU6c7HI
#373 [ぎぶそん]
「何か、陰のある子だった。悩みを抱えてるみたい。」
弥生の、切なさそうな横顔を思い出す。
「そりゃ人間誰だって、生きていれば困難にぶつかるだろうな。
今がその時期なんだろ。」
パスタを流すように、オレンジジュースをがぶがぶ飲む。
東吾兄は、水やお茶が苦手らしい。
「…ねぇ、東吾兄は両親が海外に住むって決めた時、寂しくなかったの?」
前から気になっていたことを聞いてみた。
:09/04/03 13:29
:SH705i
:ByU6c7HI
#374 [ぎぶそん]
「俺、もう大学生だしなぁ。最初はびっくりしたけど、今は寂しさを感じることはあまりないね!
大学もこの家で暮らすのもおもしれーからさ。」
「そっか。」
「親父もおふくろも、俺が大きくなって、やっとやりたいことがやれると思ったんだろ。
俺はそれを反対はしないよ。養ってもらった分、親の幸福を願うのが子供の務めさ。」
即答の中にも、しっかりとした自分の考えがあった。
東吾兄、もっとこういう面を出せば女の子にモテるだろうに。
そう言ったら、怒られるかな。
:09/04/03 13:43
:SH705i
:ByU6c7HI
#375 [ぎぶそん]
次の日の朝、下駄箱の所でエリと鉢合わせた。
「昨日はごめーん。
昨日は村上さんとどうだった!?」
両手を合わせ、詫びるエリ。
「うん、普通にいい子だったよ。」
脱いだ靴をしまいながら、昨日の弥生の言動を思い出す。
エリには彼女から訳ありな話をされたことは、告げないことにした。
多分、私だからこそ言えるものがあったのだろう。
自惚れかも知れないけれど、そんな気がする。
たった数時間の会話だけで、彼女の心の深い奥の底が見えた気がする。
:09/04/04 22:37
:SH705i
:zDcHJT92
#376 [我輩は匿名である]
:09/04/04 23:14
:D705i
:2MY1v5ZY
#377 [ぎぶそん]
朝自習が済んだ後、ますちゃんと英語係の役割をする。
本日クラスから収集したのはぺらぺらのプリント用紙だったが、ますちゃんと話すのが楽しいので、手ぶらで職員質まで付き添う。
こんなパターンは少なくない。
「…雨宮さん、最近桜井くんとはどう?」
階段を下りる途中、ますちゃんがさりげなく問い掛けてくる。
「うーん、今までどおりの友達のような、そうでないような…。」
ますちゃんには以前、優平のことが好きだということを話しておいた。
:09/04/04 23:18
:SH705i
:zDcHJT92
#378 [ぎぶそん]
「そろそろ告白しちゃえばいいのに。
あんまりのんびりし過ぎて、桜井くんが誰かに取られても知らないよー!?」
責め立てるように、ますちゃんが私の方に寄ってくる。
小さい身体ながら、彼は物事をきっぱりと言う所がある。
それも私を思ってのことだから、悪い気はしない。
クラスで人気者なのも、誰にでも思いやりを持って接しているから。
「う…。優平がいいって思う人であれば、その時は祝福するよ…。
それに私、決めたんだ。
本当に相手の存在が大切に思えた時、気持ちを伝えようって。」
そう、お父さんとお母さんが大恋愛をしたみたいに、私もこの恋を温めていきたいんだ―
:09/04/04 23:31
:SH705i
:zDcHJT92
#379 [ぎぶそん]
休み時間の間にトイレに向かうと、弥生が鏡の前で身なりを整えていた。
「おはよう。」
同じクラスだけど、今日初めて顔を合わせる。
正直、昨日の件もあり、自分からどう接すればいいのか分からなかった。
でも、不自然のないようにそこで挨拶をする。
「…真希ちゃん、昨日アタシが話したこと、エリちゃんには言わなかったんだね。」
「え?」
顔は鏡に向けたまま、話を持ち出す弥生。
:09/04/04 23:40
:SH705i
:zDcHJT92
#380 [ぎぶそん]
「…弥生ちゃんこそ、どうして私なんかに話してくれたの?」
ドクドクと鳴る心臓の音。
たった一言の台詞にも、彼女を傷つける要素がありそうで怖い。
「アタシね、トイレも一人で行けないような子、嫌いなの。
真希ちゃんって、自分をしっかり持ってそうで好感が持てるわ。」
そう一人でトイレに来た私に言うと、すれ違い様に"じゃあね"と囁き、彼女は立ち去った。
私はきっと、彼女にとって悪い印象は持たれていないようだ―
:09/04/04 23:52
:SH705i
:zDcHJT92
#381 [ぎぶそん]
次の授業の時、弥生が先生に当てられる場面があった。
難しい問題に対して、迷うことなくスラスラと答える彼女。
見事に正解すると、クラス内が少しざわめいた。
『大人しいフリしてんのが窮屈でさ』
思い出す、昨日の彼女の台詞。
彼女の周りの席の子たちが、"すごいねー"などと話し掛けている。
"そんなことないよ"と、謙虚に小さく照れる弥生。
今の姿は彼女にとって、仮の姿だと言うのだろうか?
私からして見れば、彼女は一人の小柄で愛らしい女子高生だ。
:09/04/05 00:04
:SH705i
:vgyn5LVM
#382 [ぎぶそん]
その晩、風呂上がりに和室を通り過ぎると、父が母の仏壇を磨き上げていた。
「…お父さんってさ、お母さんが悪い過去を持ってたとしても、お母さんのことを好きになってた?」
タオルで濡れた髪を乾かしながら、父の横に座り込む。
「ああ、もちろん!」
「どうして?マイナスに思ったりしない?」
にこやかに答える父に聞き返した。
:09/04/05 12:23
:SH705i
:vgyn5LVM
#383 [ぎぶそん]
「父さんは、今この瞬間の母さんを好きになったんだから。
おしとやかで、可憐で、あったかくて。
昔のことを聞いた位じゃ、その心は揺るがないさ。」
隅々まで行き渡るように、父はひたすら雑巾を持つ手を動かし続ける。
「お母さんって、それほどお父さんにとって素敵な人だったんだね。」
遺影に映る母の顔を見る。
まるでこの世にある全ての悪行を許すかのように、こちらに優しく微笑んでいた。
:09/04/05 12:26
:SH705i
:vgyn5LVM
#384 [ぎぶそん]
その後部屋にこもり、早めに読書を終えると、ランプを消す。
暗い部屋で、布団に潜り目をつむったまま考え込む。
自分の周りには、エリや元基のように、あっけらかんとしたタイプの人間が多かった。
その分弥生のようなタイプの人間が、気にかかってしまう。
彼女は自分から、少女としてのあどけなさややんわりとした雰囲気を、廃除しているように思える。
『生まれて来て欲しくなかった』とは、どういう意味なのだろうか?
そんな親、本当にいるのだろうか。
少なくとも、今の私には分からない。
:09/04/05 12:37
:SH705i
:vgyn5LVM
#385 [ぎぶそん]
弥生が私たちの学校に転校して来て、二週間が経った。
彼女もだいぶクラスに溶け込んできて、クラスの皆が彼女を特別視する回数も減ってきた。
「あれ、弥生ちゃんとD組の町田じゃない?」
昼休み、エリと外にある自販機に向かう途中、校庭で弥生と他のクラスの男子が話し込んでる姿が見えた。
町田は先生に盾突いたり、放課後はケンカ三昧の日々で、素行があまり良くないことで有名だ。
ガラの悪い男子と物静かな女子の組み合わせ。
その違和感から、遠くにいても目立つ。
:09/04/05 12:44
:SH705i
:vgyn5LVM
#386 [ぎぶそん]
「町田ったら、今度は弥生ちゃんに手出そうとしてんのかねー。
あいつが前付き合ってた子、清楚な感じだったし。」
「何か嫌な予感がする…。」
「そう?弥生ちゃんみたいな優等生は、あんな奴に引っ掛かったりしないでしょ。」
二人の姿を見続けていると、町田が一方的に言い寄ってる様子ではなさそうだ。
弥生の方も、相手の話に対して静かに頷いている。
この時心が覚えた小さな胸騒ぎを、私は逃さなかった。
:09/04/05 12:52
:SH705i
:vgyn5LVM
#387 [ぎぶそん]
放課後、元基から優平が図書室にいると聞き、さっそく行ってみることにした。
今日一日彼の姿を見ていない。
特別用事がある訳ではないが、無償に会わずにはいられなかった。
「優平…?」
図書室に入ると、勉強道具が散らばる机に、顔を伏せたまま優平が眠っていた。
彼の黒くて艶のある髪を、夕日が窓越しに照らす。
:09/04/05 17:59
:SH705i
:vgyn5LVM
#388 [ぎぶそん]
彼の近くの椅子に、腰を下ろしてみる。
死んだように眠る、優平の寝相にぴったりの表現だ。
その寝顔を、じっくりと観察する。
長い睫毛や筋の通った鼻に、思わず見入ってしまう。
疲れてるのかな?
きっと毎日、たくさん勉強してるんだろうな。
彼が起きないように、そっと頭を撫でてみた。
:09/04/05 18:01
:SH705i
:vgyn5LVM
#389 [ぎぶそん]
トクン、トクンと心臓の音が体内でこだまする。
その髪を繰り返し触ってみる。
彼に近付けば近付くほど、今度はその体に触れたいという気持ちになる。
今、どんな夢を見ているのだろう。
その中に、私は映っているのかな!?
優平がどんな過去を持っていたとしても、今この瞬間のときめきは色褪せないだろう。
:09/04/05 18:11
:SH705i
:vgyn5LVM
#390 [ぎぶそん]
「ん…。わ、真希っ!」
一時間後、眠りの王子が目を覚ました。
私の存在に気づくと、その場であわてふためく。
「あ、起きた?」
彼が寝ている間、読んでいた本を閉じる。
「ずっと居たの?起こしてくれて良かったのに。」
「気持ち良さそうに寝てたから。」
今日初めての、彼との会話。
彼と些細なやり取りが出来るだけで、今日一日があでやかなものになるよ。
それは、雨上がりの虹のように。
:09/04/05 18:15
:SH705i
:vgyn5LVM
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194