WHITE★CANDY
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#551 [ぎぶそん]
鈴川姉妹も負けじと再びブロックとなる。

しかし伸ばした手が数センチ届かず、ボールはそのまま後ろへ向かった。

相手チームのコート内で、ボールが勢いよくバウンドする。

そしてそのまま、息を静めたようにコート外へと転がった。

―ピッ。

30対32。

「キャアアアア〜!!」

私たちは我を忘れてコート内で叫んだ。
遂に、私たちは女子バレーで勝利を得たのだ。

⏰:09/08/22 19:37 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#552 [ぎぶそん]
「…ハァ。
総合1位は結局D組。私たちは3位。
コォラ増山に森川〜!!男子は何やってたのよー!」

放課後、怒りに暮れたエリが男子に罵声を浴びせる

「ちょっと、俺らだけのせいにしないでよ〜!
長谷部さんたちの努力を無駄にしたことは謝るけど。」

終わりの閉会式で告げられた結果発表の結果、私たちは総合優勝の座を手に入れることが出来なかった。

1位を獲得したのは女子バドミントンと女子バレーだけで、それ以外の種目はパッとしない成績だったそうな。

⏰:09/08/22 19:43 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#553 [ぎぶそん]
「まあまあ、そんなにムキにならないでよエリ。
私、大会までの間ずっと楽しかった。
それだけで満足だよ。」

毎日バレーばかりしてたから、体重も2キロ減った。エリ以外の女子とも親しくなれた。
また1つ、一生忘れることのない思い出が出来た。


それだけで十分だ。

⏰:09/08/22 19:47 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#554 [ぎぶそん]
その週の日曜日。
私は、優平とママさんバレーが行われている小学校の体育館に来ていた。

2人っきりの体育館で、バスケットボールを使って遊んでいた。

「それにしても…『ブレイブアターック』はないよなぁ〜。」

「ちょっと、馬鹿にしないでよ。
あの時は必死だったんだから。」

「でも、アタックしてる姿、本当にかっこよかったよ。
まるで全日本の試合を観てるようだった。」

⏰:09/08/22 19:55 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#555 [ぎぶそん]
「優平があの時、声援を送ってくれたおかげだよ。
あの声があったから、あの試合を諦めずに済んだんだよ。」

私が優平にそう伝え終えた時、バタバタと複数の駆け足の音が聞こえてきた。

「マキロン隊長〜!
いかがお過ごしでしょうか〜!」

栄基を中心とした子供たちが、私の元き走り寄って来た。
(本当にどこから沸いて来るのだろうか。)

「きゃあっ!」

栄基に背中を押された私は、躓くように前に倒れそうになった。

⏰:09/08/22 20:02 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#556 [ぎぶそん]
バランスを崩した私は、
そのまま目の前の優平の元へ飛び込んでしまった。

「うわっ。」

2人共、床へ倒れ込む。
私が、優平を押し倒した形になってしまった。
時間が止まる。

「…真希、よく頑張ったな。」

優平が、その両腕を私の腰に回し、きつく抱き寄せる。
体育館に、夕日の光が差し込む。

こうして、私の長かった秋が終わった。

Chapter06 END.―

⏰:09/08/22 20:09 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#557 [ぎぶそん]
Chapter07
「いざ、バイオハザードの世界へ!」

⏰:09/08/22 20:11 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#558 [ぎぶそん]
スポーツ大会の余韻がまだ残っている頃。

ある日、私・エリ・元基・優平の4人は高級ホテルの一室を借りて行われたパーティー会場に来ていた。

この度、優平の両親の会社と某有名ゲーム会社が提携して、近未来型ゲームとなるものを創ったそうな。

そして、優平と優平と親しい私たちは、本日行われるそのゲームの試供の第一人者として選ばれたのであった。

⏰:09/08/22 20:19 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#559 [ぎぶそん]
「真希、嬉しそうね。」

会場内でエリにそう言われた私は、食事も手につける余裕がない位、落ち着きがなくそわそわしている。

これから私たちが行うゲームは、バイオハザードに関する内容らしい。
かくいう私は、バイオハザード系の映画やゲームが大好きなのだ。

それの最新型が今から出来ると思うだけで、ワクワクする。

⏰:09/08/22 20:23 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#560 [ぎぶそん]
ゲーム会社の社長の講談などが終わり、いよいよゲームの試供の時となる。

ステージの幕が上げられた。
ステージには、マッサージチェアのようなイスが、人数分用意してあった。

「皆様、お好きな席に自由にお座り下さい。」

係の人の誘導で、私たちはそれぞれイスに座った。

次に、私たちは頭に機械のようなものを装置させられた。

⏰:09/08/22 20:33 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#561 [ぎぶそん]
「このゲームには、コントローラーなどの器具はありません。
皆さんには、脳でゲームを行ってもらいます。

これからあるスイッチを入れると、皆さんは昏睡状態に入ります。
皆さんはその昏睡状態の間、実際にゲームの世界に進出したような感覚を起こします。

すなわち、ゲームの世界そのものをリアリティに体感することができるのです。」

「へぇー!
何かよく分からないけど画期的ね〜!」

説明を受けたエリが、ますます楽しげにする。

つまり、次に目を覚ました時、現実世界のような仮想世界が待っているということかな。

⏰:09/08/22 20:49 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#562 [ぎぶそん]
「準備はよろしいですか?
それでは、スイッチを入れます。
1・2・3…!」

「…っ!」

係の人の合図と同時に、ビリビリと全身に電気が流れる。

身体に痛みは軽いが、脳味噌へ何か強い刺激が一気に送られる感じだ。

だんだんと意識が遠退く。

⏰:09/08/22 20:54 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#563 [ぎぶそん]
「…ここは、何処…!?」

再び目を開けた時、何もない、暗がりな世界にいた。

エリたちの名を呼んでみる。
返事がない。
どうやら私1人だけのようだ。

「初めまして。
ミス・マキ・アマミヤ。」

突然、モニター画面が映り、1人の少女が現れた。

⏰:09/08/22 21:02 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#564 [ぎぶそん]
「わたくし、このゲームの案内人役を務めさせて頂きます、アイリーンと申します。

ミス・エリたちも同様に、今それぞれ説明を受けていることでしょう。

先程説明を受けたことでしょうが、今あなた方は、ゲームの世界にいる夢を見ているのです。

しかしゲームの世界とはいっても、痛覚はありますし、物や人に直接触れることは出来ます。

つまり、あなた方にとっては、現実世界とは何ら変わりのない世界なのです。」

⏰:09/08/22 21:13 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#565 [ぎぶそん]
アイリーンは説明を続けた。

「さて、肝心のゲームの内容ですが…。

西暦20××年。
ダイヤモンドシティという街に、隕石が墜落しました。

隕石自体はそれほど大きなものではなかったのですが、
隕石が持ち込んだバイオウイルスによって空気感染が発生し、世界に混乱が巻き起こったのです。」

⏰:09/08/22 21:18 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#566 [ぎぶそん]
「隕石墜落から約2時間後、一度死んだかと思われた人間が再び目を覚まし、
突如近くにいた人々に襲い掛かりました。

そして、噛まれた者は死に、再び目を開けた時、最初に襲ってきた人間と同じように、生きている人間に噛みつく…。

そうして、新鮮な人肉だけを求めさ迷い歩くアンデッドが、地球上に大量発生したのです。」

⏰:09/08/22 21:31 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#567 [ぎぶそん]
「あなた方は政府によって急遽結成された、バイオハンターなる組織の一員です。

世界救出の鍵を握る3つのアイテムを手に入れ、オレンジハウスという施設にいる、
クレア博士と呼ばれる人の元へ無事に届けることが出来れば、ゲームクリアとなります。」

「条件はそれだけ?
他に注意する点は?」

アイリーンの説明が一くくり終わった時、私は彼女に質問した。

⏰:09/08/22 21:36 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#568 [ぎぶそん]
「流石はミス・マキ。
鋭いですね。

アンデッドに少しでも切り傷を負わされたり、噛まれた時点で感染者とみなし、ゲームオーバーとなります。

そして、全員がゲームオーバーとなり任務を遂行出来なかった場合は、それなりの代償を受けさせてもらいます。」

「代償…?」

私は聞き返した。

⏰:09/08/22 21:38 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#569 [ぎぶそん]
「それは後ほど説明しましょう、ふふふ。

何の目的もなくやるようではやる気を損ねそうなので、このようなシステムを設けさせて頂きました。

たかがゲーム、されどゲームですよ。

さあ、あちらに見えるゲートが実際のゲームの世界に繋がっています。
既に他の3人はくぐり抜けたようですよ。

では、わたくしはここであなた様の無事をお祈りしておきます、ミス・マキ。」

⏰:09/08/22 21:43 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#570 [ぎぶそん]
アイリーンの指す左方向に、ドアの形状をした白い光が差し込んでいた。

私は躊躇うことなく、その光の中へ入っていった。
あまりの光の強さに、両目を腕で覆い隠しながら突き進む。

「…うっ!」

途中で、私の動きが止まり、記憶も吹き飛ぶ。

⏰:09/08/22 21:51 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#571 [ぎぶそん]
「…。」

私は長い眠りから覚めたように、その場所で目を覚ました。

上体を起こした時、身体にはずっしりと重量感があった。
胴体や肘、膝の箇所に防具が装備されていた。

この世界では私はバイオハンターという役目なんだったっけ。

⏰:09/08/22 21:55 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#572 [ぎぶそん]
「真希、遅かったな。」

耳元で優平の声がした。
よく見ると、エリや元基たちも同じく薄暗いこの部屋にいた。

そして、皆も私と同じように防具や拳銃を装備されている。

「ここは…何処?」

「さっき、ポケットに入っていたマップで現在地を調べてみた。
…どうやら、港近くの廃墟ビルの一室みたいだ。」

優平が私の問いに答える。

⏰:09/08/22 22:00 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#573 [ぎぶそん]
「案内人役の少女は、3つのアイテムを手に入れろって言ってたよな。
もしかして、マップ上で星のように点滅してる奴かな?

ここから一番近いホワイト教会という所に、『聖なる反射鏡』というアイテムがあるみたいだ。
よし、まずはここを目指して進んでみよう。」

優平が頼もしく中心となり、皆を誘導する。

「ハァ…。ちょっとちょっと〜…代償って何なのよー?
ほんのお遊びのつもりが、とんでもないことになったみたいね。」

ゲームが始まって既に涙ぐむエリ。

⏰:09/08/22 22:09 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#574 [ぎぶそん]
私たちは廃墟ビルを出て、拳銃を構え街を警戒しながら歩いた。

街全体には靄がかかっていて、この世界の混沌とした様子が漂っていた。

「おい、あそこに誰かがいるみたいだぞ。
生存者かな?」

ビルを出てすぐ、元基が人の気配に気づいた。
建物にもたれ座り込んでるその人の近くに、彼が歩み寄る。

⏰:09/08/22 22:15 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#575 [ぎぶそん]
「おーい。大丈夫ですかぁ〜!?」

その人の肩を叩こうとする元基。

―ぎゃあおおうっ!

「うわあー!!」

元基の気配に気づき、その人が起き上がった。
それは生存者ではなく、見るからにアンデッドだった。

「危ないっ!」

―パンッ!

私はそのアンデッドの頭目掛けて、銃弾を一発放った。
見事命中し、アンデッドはそのまま地面に倒れ伏せた。

⏰:09/08/22 22:21 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#576 [ぎぶそん]
「真希、ありがとう。助かったよ。」

元基が冷や汗をかきながらこっちに戻ってくる。

「元基のアホ〜!!
この世界はもはやアンデッドがうじゃうじゃ生息してるの!
そうむやみやたらに人間に近づくんでない!!」

元基の胸倉を掴むエリ。

「皆、アンデッドは胴体を撃っただけじゃ死なないからね
狙うなら頭。覚えておいて。」

「…。」

冷静な私の台詞に、誰も口にする言葉がなかった。

⏰:09/08/22 22:27 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#577 [ぎぶそん]
パンッ、パンッ!―

霞んだ街に銃声が響き渡る。
ゾンビを見つければ撃ち、見つければは撃ちの繰り返しだ。

エリが弾を外せば、私が100%カバーする。

「それにしても、幾ら空想の世界の化け物とは言え、流石に撃ち殺すのは気が引けるわね。
真希はどうしてそんなに扱い慣れてるの?」

拳銃を持ち替えながら、エリが尋ねた。

⏰:09/08/24 21:01 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#578 [ぎぶそん]
「私は毎年父とハワイの実弾射撃ツアーに行ってるから。
保護者の許可と同伴があれば、子供でも撃たせてもらえるんだ。」

そう、私は幼い頃から拳銃マニアだったのだ。
収集したモデルガンは、部屋の棚に綺麗に並べている。

従って、一目見ただけで拳銃の種類が分かる。
因みに今所持してるのは、ベレッタM8000の9ミリ口径。
装弾数は15発。

⏰:09/08/24 21:06 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#579 [ぎぶそん]
それから1kmほど歩き、街の外れにあるホワイト教会という場所に辿り着いた。

優平が先頭になって、慎重に扉を開ける。
中はお化け屋敷のように、不気味な雰囲気が漂っていた。
怪しげな薄暗さと、霧がかかったような空気が、恐怖感を煽る。

「よし、手分けしてアイテムを探そう!
元基とエリは一先ずこの一室を見てくれないか。
俺と真希は奥の通路の様子を見てくる。」

優平の指示で、私たちは二手に別れることとなった。

⏰:09/08/24 21:23 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#580 [ぎぶそん]
優平と奥の通路へとゆっくりと進むと、左右1つずつ部屋があった。

「まずは左の部屋から見てみよう…。」

ドアを開け、2人掛かりで机の引き出し、棚の中、ソファーの下などを手分けして見る。
鏡らしきものはなかった。

続いて、その隣の部屋。
脚立やロープなど、何かの作業道具が乱雑に置かれていた。

「…ここもないわね。エリたちの方なのかしら?」

私たちは引き返すことにした。

⏰:09/08/26 23:09 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#581 [ぎぶそん]
「椅子の下とか、隅々まで見たけどこっちもなかったぜ。」

2人の所へ戻ると、第一声に元基がこう言った。

私たちが立ち尽くした感じでいると、エリが何かに気づいたように、後ろ歩きでドアの方へ近寄る。

「ねえっ!もしかして鏡ってあれじゃない?
絵の女の人が手に持ってる奴。」

目の前に飾られている、大きな絵画を指差すエリ。
彼女が言うように、シスターと思われる女性が鏡を両手で抱えていた。

一見絵に見えるその鏡は、光に反射して光っている。

⏰:09/08/26 23:17 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#582 [ぎぶそん]
「いやあぁぁああっ!!」

鏡に見とれていると、エリの大きな叫び声が後ろからした。
振り返ると、ドアから入って来たアンデッドがエリの腕を噛み付いていた。

パンパンパンッ!―

私は急いで銃を撃った。
血飛沫を浴びながら吹き飛ぶアンデッドの頭。

右腕を押さえながら、しゃがみ込むエリ。
彼女に近付くと、既に右腕を負傷していた。

―遅かったか…。

⏰:09/08/26 23:23 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#583 [ぎぶそん]
「私が鏡を取って来る。
元基と優平はエリを擁護して!」

私たちの匂いを嗅ぎ付け、ドアから次々と入って来るアンデッド。

私はさっき入った部屋で目にしたロープを取って来た。
そして先端に小さな輪を作り、絵画より数10センチ上にある突起に向かって投げる。
3回ほど投げた所で成功した。

引っ掛けたロープをしっかり持ち、壁をつたうようにしてよじ登る。

⏰:09/08/26 23:28 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#584 [ぎぶそん]
パンッ!―
パンパンッ―

男2人が放つ銃声の音を耳にしながら、一定のペースを保ちながらロープをつたう。
2メートルほど登った所で、私は絵画に取り付けられていた鏡を手にした。

「くそっ!撃っても撃ってもキリがねぇ!
真希!もうドアからは出られないぜ!」

元基が愚痴るように言う。

「任せて。」

私は左手をロープから離し、ゲーム開始当初から背負っていた(背負わされていた)ショットガンをその手に持った。
そして、左壁にある三色ガラスの窓を何発かで撃ち抜いた。

出口がないのなら、作ればいい。

⏰:09/08/26 23:38 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#585 [ぎぶそん]
そして力みをつけ、ターザンのように窓に向かってロープで地上を移動した。

外に身体が出ると、タイミングを計ってロープを持っていた手を放す。

身体が勢いよく地面に転がる。
痛い。流石に無傷では済まなかった。

「皆、私に続いて!」

私は教会の中にいる3人に聞こえるように叫んだ。

⏰:09/08/26 23:45 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#586 [ぎぶそん]
エリを背負っている元基、優平の順で窓から出て来た。

「これでも喰らいやがれっ!」

元基が予めポケットに入っていた手榴弾を窓に向かって投げた。
その数秒後、中から小さな爆発音がした。

「エリ、大丈夫?」

私はエリの元に寄る。
彼女の右腕からは、痛々しいほどの血が出ていた。

⏰:09/08/26 23:52 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#587 [ぎぶそん]
「うん。思ったほど痛みはないみたい…。
でっかい蚊にチクっと刺された感じ。」

「きっと痛みは軽減してくれてるのね。」

『0時間47分42秒。
ミス・エリ・ハセベ。
ゲームオーバーです。』

私たちが一先ず安心していると、アナウンスのように、何処からかアイリーンの声が聞こえてきた。

「皆、足手まといになってごめんなさい。
真希!後はよろしくね。」
今までの姿が幻かのように、エリが消えていった。

⏰:09/08/26 23:57 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#588 [ぎぶそん]
「くそっ!俺がもう少ししっかりしていれば…。
エリを守れなかった…。」
悔しがるように、座っていた元基が地面を一発叩く。

「気持ちは分かるが、ここでそううかうかしてられない。
急がないと、奴らが迫って来るぞ。」

元基の身体を起こす優平。

「これからどうすればいいの?のんびり街を歩いてても、あいつらの餌食になるわよ。」

「よし、あれに乗ろう。」

優平が道路にある、何かを指差した。

⏰:09/08/27 00:02 📱:SH705i 🆔:G7Sq6gHg


#589 [ぎぶそん]
「人生初めてのドライブが、まさか無免許運転になるとは思わなかったな。」

初めてとは思えないほど、優平が手慣れたようにハンドルを操作する。
私たちはあれから、優平が目にしたトラックに乗り込んでいた。

彼のドライブテクを見守るように、助手席に座る私。

「最近のお坊ちゃんは、見よう見真似で車の運転も出来るらしい。」

後部席に座っていた元基が、優平を茶化す。

私たちは2つめのアイテム・『古びたアルバム』があるクレア博士の自宅に向かっていた。

⏰:09/08/27 00:13 📱:SH705i 🆔:G7Sq6gHg


#590 [ぎぶそん]
『皆さん、まずは1つめのアイテムを手に入れたようですね。
おめでとうございます。』

車内の中で、再びアイリーンの声がした。

『さて…最初にお話した"代償"のことですが…。
まず、私たちは皆さん方の性格・記憶・嗜好・癖など、脳内にインプットされた情報を全て牛耳っています。』

⏰:09/08/30 17:29 📱:SH705i 🆔:ebOPHEFo


#591 [ぎぶそん]
『従って、誰一人としてゲームがクリア出来なかった場合は、
脳内でプログラミングされてる中で"一番大切なもの"を奪わせてもらいます。』

「一番大切なもの?」

私は彼女の言葉を復唱した。

『そうですね…、優れた身体能力の一部とか、忘れたくない思い出とか、好きな趣味とか、そんな所です。』

私の疑問に冷静に説明する彼女。

⏰:09/08/30 17:39 📱:SH705i 🆔:ebOPHEFo


#592 [ぎぶそん]
「じゃあ、例えば俺や優平とかだったら、サッカー出来る能力を失っちゃう訳?」

元基が身震いする。

『しかし、このままでは皆さん方にとってはあまりに不条理…。
わたくしたちもそこまで鬼ではありません。
見事ゲームクリア出来た方には、逆に脳にまつわる事なら何でも仰せのままに致しましょう。』

「どういう意味!?」

私は再び聞き返した。

⏰:09/08/30 17:46 📱:SH705i 🆔:ebOPHEFo


#593 [ぎぶそん]
『身体能力をもっと上げたいとか、嫌な癖を直したいとか…、プロレベルの芸術的才能を見につけることだって可能です。

そう、例えばミス・マキ…、あなたの場合は記憶の底にある、生前の母上との思い出を呼び起こすことも可能ですよ。』

「…お母さんの!?」

その一言で、私の心が揺らいだ。

『ふふふ。この条件、悪くないとは思いませんか?
では、わたくしからの説明は以上です。
既に脱落したミス・エリのためにも、しっかり頑張って下さいね…。』

アイリーンの声は消えていった。

⏰:09/08/30 17:55 📱:SH705i 🆔:ebOPHEFo


#594 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-100

⏰:09/09/01 04:34 📱:N904i 🆔:AnS9cKHk


#595 [ぎぶそん]
「畜生ー!
なめくさった真似しやがってー!
見てろよ!俺はこのゲームをクリアして、天才サッカー少年になってやるからな!」

後ろからする元基の金切り声が、耳をキンキンさせる。

「やったなぁ、真希。
お母さんのことを思い出せるチャンスだな。」

「うん…。」

私は気が落ち着かなくて、俯き加減で手の平を触ったりしていた。

⏰:09/09/03 14:53 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


#596 [ぎぶそん]
「地図によると、ここのようだ。」

優平がトラックを止める。
クレア博士の自宅らしき場所に到着した。

研究者として稼いでいるのか、いかにも物語に出て来そうな、お屋敷みたいな家だった。

3人で塀をよじ登って、家の門をくぐる。

アンデッドと化した使用人みたいな人たちが、のろのろと私たちの方に向かってくる。

⏰:09/09/03 15:01 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


#597 [ぎぶそん]
銃声と同時に、無数に転がる死体。
洋風の綺麗な庭に、アンデッドの血がどんどんと染められていく。

この世界にも慣れてきたのか、元基や優平も躊躇いなく奴らを撃っていた。

命中率もぐんと上がり、リロードにかかる時間もムダがなくなっていた。

家の中に入る。
目の前には螺旋階段が上の方に続いていた。

⏰:09/09/03 15:12 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


#598 [ぎぶそん]
「こんなに広い家だと、どこから手をつけていいのか迷うわね。」

「アルバム、ってくらいだから書斎か何かの棚にあるのだと思う。
…よし、最上階の部屋の奥だ。」

「場所が分かるの?」

はっきりと断言する優平に尋ねた。

「多分、この家は実際の俺ん家を参考にして造られた建物だと思う。
庭とか外壁とかがそっくりだったから。」

そういえば、ここに来た時から既視感がするなとは感じていた。

「ヒェー!軽く自慢かよ!」

⏰:09/09/03 15:23 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


#599 [ぎぶそん]
螺旋階段を駆け上がり、確かに優平が言うように、5階の左奥に書斎らしき部屋があった。

一面に本棚が置かれていて、その中にはびっしりと本が詰まっていた。
クリア博士が研究者として、常に努力を怠らなかったのが伺える。

「…あったぞ!」

元基が机の下に置かれていた段ボールの中から、アルバムを見つけた。

1つめのアイテムよりすんなりと手に入れることが出来た。

⏰:09/09/03 15:38 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


#600 [ぎぶそん]
「よし、アイテムも残すところ後1つだ。
次の場所はストロベリーマンション。ここから約300メートル先にある。

アイテムは『記憶と感情を失った少年クリス』か。
アイテムって言うより子供みたいだ。」

優平が地図を見ながらぼやく。

「なあ、俺全部の銃が弾切れだ。」

元基がトリガーを引き、カチッ、カチッと頼りない音をさせる。

「私も。もう予備の弾も残り少ないわ。」

へばるように、その場に座り込む私。

逆に2種類の銃だけでここまで来れたことに感心する。

⏰:09/09/03 15:48 📱:SH705i 🆔:XaOOTU7E


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