俺がホストじゃなかったら
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#326 [ゆう]
鍵でドアを開けた
その拍子に、ドアについてる郵便受けから金属が擦れる音がした
郵便受けを開けると、レナが持っていた合い鍵が入っていた
ポストの中の鍵が、二人の関係の『終わり』を俺に教えてくれた
部屋にはまだ微かに、レナの残り香があった
:07/08/23 18:21 :D902iS :☆☆☆
#327 [ゆう]
:07/08/23 18:22 :D902iS :☆☆☆
#328 [ゆう]
:07/08/23 21:19 :D902iS :☆☆☆
#329 [ゆう]
部屋に入ると、レナのものは全てなくなっていた
レナの化粧品、レナの服やバッグや靴、レナの歯ブラシ、コップ、雑誌
もとから荷物が少なかったから、ここで俺とレナが暮らしていたことを証明するものは、もう何ひとつ残っていなかった
:07/08/24 01:36 :D902iS :☆☆☆
#330 [ゆう]
レナに『今までありがとう』ってありきたりなメールを送ろうと思ったけど、もうアドレスは変えられていた
完全に終わった
俺の長かった恋
俺の初めての恋
俺を変えてくれた恋
たくさん裏切られたけど、それでも大好きだった
ほんと、バカだよね
:07/08/24 01:50 :D902iS :☆☆☆
#331 [ゆう]
それからの俺は最悪だった
仕事に身が入らない
指名も売り上げも数字は下がり、ナンバーも1から2に下がった
客に「最近元気ないね」って言われたくない一心で、わざと明るく振る舞ってみても裏目に出るばかりだった
:07/08/24 02:01 :D902iS :☆☆☆
#332 [ゆう]
女に振られたぐらいで仕事に支障が出るとかダサすぎる
楽しませなきゃと思って頑張る程、いつもの接客が出来なくなっていった
「ユウくん最近どうしたの?」
そう俺に話しかけてきたのはオーナーだった
:07/08/24 02:06 :D902iS :☆☆☆
#333 [ゆう]
「ナンバー、下がったみたいだけど。最近、調子悪そうだね」
「はい、すんません」
「ユウくんには新しい店任すことになってるんだから、ナンバー1でキープしといてもらわなきゃ」
そう言うとオーナーはスタッフルームを出て行った
俺は何かムシャクシャして近くにあったゴミ箱を思いっ切り蹴り飛ばした
:07/08/24 02:13 :D902iS :☆☆☆
#334 [ゆう]
「ユウさん、大丈夫ですか?」
俺が倒したゴミ箱を直してる時、ルイがスタッフルームに入ってきて俺にそう聞いた
「へーきだよー」
「ゴミ箱、蹴ったんすか?」
「でもちゃんと直したよ」
「‥ユウさん、何かダサくて可愛いっす」
「うっせ、きもちわりー」
俺は笑った
:07/08/25 12:36 :D902iS :☆☆☆
#335 [ゆう]
「笑ってくれましたね」
ルイがニコッと笑った
「え、俺いつも笑ってるし」
「いやいや、最近の顔、死んでますよ。調子も悪いじゃないですか。ホスラブとかでめっちゃ言われてるっすよ」
「出た。またホスラブかよ」
そう言いつつ俺は自分が何て叩かれてるのか気になってルイに見せてもらった
:07/08/25 12:45 :D902iS :☆☆☆
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