俺が一番と思った女★4★続
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#1 [しゅん]
@
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A
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B
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C
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感想
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アンカー
>>2

⏰:10/11/22 14:27 📱:PC 🆔:KaS3JiUQ


#2 [しゅん]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700
>>700-800
>>800-900
>>900-999

⏰:10/11/22 14:28 📱:PC 🆔:KaS3JiUQ


#3 [しゅん]
先生という職業に対し、一人前になりてぇ自分。
彼氏として未来を支えていきたい自分。

けど、実際は一つのことしか出来ず、未来にも寂しい思いをたくさんさせてしまっている。

それが、現実。

なりてぇ二つの自分を天秤にかけると、俺は前者だった。

浅田さんと話をしたことが、こえーぐらい現実になった瞬間。

⏰:10/11/22 14:32 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#4 [しゅん]
今度の週末、未来と話をしよう。

ちゃんと自分の気持ちを自分の言葉で言おう。
決して投げやりにならずに。

そう思った。

⏰:10/11/22 14:32 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#5 [しゅん]
その週末。

未来を家に迎えに行き、そのまま俺の家に連れてきた。
話の内容は何となく未来も悟っていたと思う。

「俺さ、色々考えたんちゃね。
これからのこと」

『うん』

「結論から言うけど、別れて欲しい。」

そう言うと未来の目には涙が薄っすら浮かんだ。

⏰:10/11/22 14:43 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#6 [しゅん]
『そっか。理由は?』

「俺さ、今、学校のことで頭がいっぱいでさ、お前のこと全然考えれん。
他の先生に早く追いつきてぇし、早く余裕が欲しい。
そんな欲求しかねぇんちゃね。
もちろんお前のことも大事やし、嫌いになったわけやねぇ。
けど、現実、学校生活が始まって半年経つけど、会ったのは片手もいかん。
その間、お前は頑張って飯作っとってくれたり、家事してくれたりさ。
めっちゃ助けられたと思う。
でもな、俺は何も返せん。
メールも返してないまま二、三日がたって、それを待つお前の姿が目に浮かぶと、申し訳ない気持ちしかわかんのちゃ。
はっきり言うけど、今はお前よりも断然学校のことの方が大事や。
俺のわがままと思う。
ごめんな。」

⏰:10/11/22 14:44 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#7 [しゅん]
『わかった。
ずっとなりたかった先生にやもんね。
それがあたしと一緒に歩く道やなかったとしても、しゅんがそう思ったなら、あたしはそれを応援したい。
しゅんが一番頑張れる環境を作りたいから。』


意外な未来の返しだった。

嫌と言って泣かれると思っていた。
そんな風に思っていた自分が情けねぇ。
未来の答えはこれ以上申し分のない言葉だった。

⏰:10/11/22 14:45 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#8 [しゅん]
「ほんとごめん…」

『ううん。
ちゃんと考えてくれたと思うし。
何となく覚悟しとったけ、大丈夫。
あたしも今のままの関係で行けるかなっち疑問はあったし、しゅんが言ってなかったらあたしがいつか言ってたと思う。
あたしがしゅんにすることが、負担になっとるかもなとか思いよったし…。』

「いや、負担とかそんなんやねぇよ。
めっちゃ助かっとったし、ほんとに感謝しとるけん。」

『そっか。
それならよかった。
あたしもね、したいことたくさんあるし、今はそれを頑張るね。
しゅんに負けたくないもん』

この一言に俺は救われた。

⏰:10/11/22 14:46 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#9 [しゅん]
『でも、一個だけ約束して欲しいことがある』

俺の目をしっかり見つめ、未来の表情は真剣。

「何?」

『またいつかどこかで会うことがあったら、その時はまたあたしのこと好きになってね。
そして、また同じ道を歩こうね。』

目にいっぱい溜めた涙は、こぼれ落ちる寸前だった。
精一杯の笑顔。

俺は頷くことしか出来なかった。

未来の気持ちは今でもまっすぐ俺にある。
そう思った。

⏰:10/11/22 14:48 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#10 [しゅん]
気持ちがあるからこそ、俺の決断を受け入れたのか。
そう考えると、居たたまれない気持ちが俺を締め付ける。

こうやって会えば、俺自身すげぇ気持ちがあるっち感じる。
会いてかったんやなとも思う。
でも、それは多分今だけや。
元の生活に戻れば仕事が頭から離れることはない。
こんな気持ちは都合よすぎやし、甘えとる。
そんなんで未来の気持ちを左右させるわけにはいかん。

絶対離さんっち約束したんに。
俺から離れるなっち自分で言ったんに。
結局俺は何一つ守れないまま、自ら未来を手放した。

⏰:10/11/22 14:48 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#11 [しゅん]
『いいよ。何?』

そう言った瞬間、未来を抱きしめた。

「ごめんな」

俺はずるい。
自分から別れるっち言ったくせに。
こんな気持ちが残っとるようなことしたら、未来は俺を忘れることなんか出来ん。
でも、止められなかった。
涙も止まらなかった。

未来も泣きよったんと思う。
小刻みに震えていた。

⏰:10/11/22 14:50 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#12 [しゅん]
『言っとくけど、ずっとあたしがしゅんのこと好きとか思わんでね。
あたしだっていい人が出来たら、そっち行くけん。
それで後悔しても、もう遅いんやけ』

強気な言葉だが、俺の肩に押し当てた口は震えていた。

「わかっとーちゃ。」

『早く一人前にならんと時間ないんやけ』

「わかっとる。」

『そんなん言って、しゅんに新しい人が出来たら、もう絶対絶交やけ』

「うん」

『絶対絶交するけ…』

⏰:10/11/22 14:51 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#13 [しゅん]
「仕事のことで頭がいっぱいなんに、他の女に目が行くわけねぇやん。
それやったら、今まで通りでいいやんけ。」

『わからんやん』

「ねぇけ」

『じゃあ、信じて待ってるね』

そんな会話をしたが、こんな約束あってないようなもの。
この先はどうなるかわからない。
お互い別の人を好きになって、会うこともねぇかもしれん。
でも、その選択をしたのは俺らであって、他の誰でもない。

⏰:10/11/22 14:51 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#14 [しゅん]
未来が言った

『しゅんが一番頑張れる環境をつくりたい。』

未来は常にそうだった。
誰よりも近くで一番応援してくれた。
俺と一緒に夢を見てきた。
未来と一緒やから頑張れた。
こんな追い詰められた状況までくると、やっぱ未来が必要なんやないかっち思うんに。
裏切ってしまった感覚が俺を追い詰める。
優しい未来の言葉に「後悔」の文字が一瞬浮かび、正直震えた。

⏰:10/11/22 14:52 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#15 [しゅん]
いち早く社会人になった未来は、こうやって環境が変わり、俺の気持ちが変わってしまうことを心のどこかで予想していたかもしれない。

そして実際に言われたこのとき、浅田さんのときのことを思い出していただろう。
そんときのことを知っとるはずなんに、俺は同じことを繰り返してしまった。

このままの関係を続けようと思えば行けたかもしれん。

でも、気持ちに嘘はつけなかった。

⏰:10/11/22 14:53 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#16 [しゅん]
思い出せばつれーし、居たたまれない気持ちでいっぱいになる。
最後の未来の顔が目に焼きついて離れん。

でも、もう後戻りは出来ない。
言ったからには死ぬ気で頑張らんないけん。

そんな過去をぐっと胸にしまって、俺は新たな再スタートをきった。

⏰:10/11/22 14:54 📱:PC 🆔:azIjcnXc


#17 [しゅん]
未来と別れてからの生活は、学校が始まった時とたいして変わらず。
変わったことと言えば、時々作ってくれていた飯がねぇぐらいか…。

もともとお袋が看護師で夜勤も多かったり、一人暮らしが長いこともあって、飯は普通に作れるし、むしろ得意な俺。
外食するよりも自炊派だった。
一人やし、食えたらそれでいいしね。

⏰:10/11/24 11:21 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#18 [しゅん]
夏の大会が開幕し、また自分のペースを崩される毎日。
でも、すげぇ充実していた。

久しぶりに取れた休みに、嵐と飲みに行くことになり、お互いの近況を話す時間ができた。
そーいや、未来と別れたことも言ってなかったし。
そのことも報告せないけんなーとか、いや…もう未来が報告しとるか!とか、
だけ、連絡してきたんか?とか色んなことを思いながら待ち合わせ場所まで行った。

⏰:10/11/24 11:23 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#19 [しゅん]
約8ヶ月ぶりに会う嵐。
偉く大人の男になっている。

「お前、老けたな」

《久しぶり会って言う言葉はそれかちゃ!》

「いや、老けとーもん」

俺よりも先に行っているように見えた嵐に妬いたのかもしれない。

《お前、若いエキス吸いよるけやね?
俺、周りが年上ばっかやし。》

確かにそうかも。
そう思いながら、居酒屋まで歩いた。

⏰:10/11/24 11:23 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#20 [しゅん]
「仕事どーなん?」

《めっちゃ楽しいばい!
俺が今まで生きてきた中で、一番充実しとるっち思えるし!
ほんとここに就職してよかったっち感じやな!
お前は?
お前も日々新しいことばっかで楽しいやろ!》

「やなー!!
まじ、お前が言いよることがすげぇわかる!!
日々いっぱいいっぱいやけど、それがめちゃめちゃ楽しいちゃね!
まぁー俺の場合は学生と接する仕事やけさ、何か自分が学生に戻った気分になるけ、その区切りは難しいけど。
時々、生徒の気分になっとったりしてやべ!っち時があったりする。」

⏰:10/11/24 11:24 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#21 [しゅん]
《そーよな。ほんの4年前はそこにおったんやしな。
それ、ある意味こえーね。》

「やろ!
まぁ、何とかやりよるけどね。
まじみんなガキやなーっち思うわ!
俺らもあんなんやったんやろーけど!」

《一日潜入してみてぇわ!
お前の先生っぷり見てみてぇし!》

「こっちこそ、お前のビジネスマン姿見せてもらいてぇし!」

⏰:10/11/24 11:25 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#22 [しゅん]
店に入り、一旦会話が止まる。
乾杯したと同時に嵐が言った。

《未来とは?ちゃんと連絡取りよん?
俺に泣きついてくることも全然ねぇけん、上手くいっとんやろーけど!》

この質問で、嵐は何も知らんことを知った。

「あいつ、お前に連絡してねぇんや。
俺ら別れたけ。
報告が遅くなってごめん」

《は??いつかちゃ!!》

「二ヶ月ぐらい前やね。」

《何で??どっちから???》

「俺から。
理由は色々あるけど、大きく言えば俺が構えんくなった。
気持ちはあるんやけど、行動が伴わんし、追いつかんかった」

⏰:10/11/24 11:25 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#23 [しゅん]
《何かそれ。》

「浅田さんと同じことしてしまっとんのは、すげぇ悔しかったけど。
でも、ほんと両立っち思った以上に難しいし、あいつに対して申し訳ない気持ちしかねぇでさ。
いっつも心の中でごめんっち思ってしまうん。」

《未来もその関係で納得しとったんやねん?
別に不満も言ってねかったんやろ?》

「んー。
不満っちゅーかそーとー寂しかったと思う。
そのまま行こうと思えば行けたかもしれんけど。
でたんきちかったと思うよ。
でも俺がいっぱいいっぱいなのは、未来が一番わかっとったやろうし。
俺が言ってなかったら、自分からこのままでいんか話すつもりやったっち言いよったけ、どっちにしろ結果長くはなかったやろ。」

⏰:10/11/24 11:26 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#24 [しゅん]
《未来も納得した上か?》

「ずっとなりたかった先生やから、それがあたしと一緒に歩く道やなかったとしても、しゅんがそう思ったなら、あたしはそれを応援したい。
しゅんが一番頑張れる環境を作りたいから。
っち言われた。
それ以上、何も言えんよな」

《まじで…》

「俺、最低やろ」

《お前。まじ罪な男やな。
仕方ねぇけど、まじ勿体ねぇ。
この先、こんなん言ってくれる女ぜってぇおらんぞ?
こんな簡単に手放していんか?》

⏰:10/11/24 11:26 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#25 [しゅん]
「わかっとーちゃ!
でも、今はほんと未来のことを考えとる余裕がねぇん。
俺だって、真剣に考えて出した答えなんやけ。
この出会いが運命なら、またどっかで重なるんやね?
先で俺はそーとー後悔しとーかもしれんけど、自分が決めたことやけ。
今は今っち気持ちのがつえーしね。」

《お前、どーした?
一皮むけたくね?
何か別人と話よるみてぇなんやけど!!》

「何かそれ!
まぁー言いよることも間違ってねぇけどねー。
でも、未来はお前に連絡しとるっち思ったけど、してねかったんやな」

⏰:10/11/24 11:27 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#26 [しゅん]
《アホ!
調子にのんなちゃ!
何も連絡ねぇし。
俺がお前らにどんだけ尽くしてきてやったと思っとるんかちゃ!!
事後報告っちどーいうことなん。》

「ごめんちゃ!
そんぐらい余裕がねかったん!
お前に連絡してねぇっちことは、あいつなりに色々考えたんやろーな。
何か切なくなってきたし。」

《そーやな。
話をされる前からその雰囲気は感じとっても、実際言われればそーとーショックやったやろ。
まぁこれが未来の答えでもあるんやね?
お前もちゃんと受け止めなな。
それぐらいはちゃんと考えてやれよ。
にしても、まじ可哀想やし。
もうこの際、俺が未来を頂こうかー》

⏰:10/11/24 11:27 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#27 [しゅん]
「アホか!!
お前は?まだ女おらんの?
会社のOLは?」

《全然やし。
何かご飯行ってくださいみたいなのは結構あるけど。
社内恋愛とか全く興味ねぇしさ。
俺、向いてねぇと思うし。
内緒にしたり、コソコソ社内メールしたりさ。
めんどくせぇ》

「はいはい!それは言い訳ちゃ!
めちゃめちゃ可愛い子で自分が好きになれば、自分からバンバンメールの嵐やろ!!
そーゆーのめっちゃ楽しそーやし!!!
ご飯行ってくださいっちどんぐらいあるん?」

⏰:10/11/24 11:28 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#28 [しゅん]
《んー月5、6回?》

「まじ???
それ、週1以上やんけ!!
全部違う女??」

《まぁな。
いや、全部が全部違う女やねぇよ。
一回言われた女からもまた言われたりするし。
取引先の人とかからもあるばい。
でも、実際めんでぇよ。
断る理由もなくなるし。》

「あー理由困るね。
大学んときも、二人で理由考えたりしよったよな。
途中でめんでくなって、ストレートに無理!っち言いよったもんな。
でも、可愛い子おるやろ!」

⏰:10/11/24 11:29 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#29 [しゅん]
《いや、可愛い子そーとーおるばい!
でも、社内っちだけで一気にテンション落ちるんちゃ。
あれ何なんやろ…。
自分でも女に興味なくなったんかっち不安にあるときがあるけね》

「お前、それ重症やろ!」

《まぁ、今は仕事にしか興味がねぇっちことにしとこ!
お前と一緒ちゃ!》

「上手くまとめたつもりかちゃ!!」

⏰:10/11/24 11:30 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#30 [しゅん]
環境が変わりお互い別々の道に進んでも、俺ら二人は何も変わらない。
一番素に戻れて、落ち着く場所がここ。

未来も同じような存在やけど、そこには常に恋愛という文字が付いてくる。
それはまたちょっと違った形であり、絶対揺るがないという保障はない。

嵐との間には形に出来ない何か、どんなに時間が経ってもいつでもそこに戻ってくることが出来る場所があった。

⏰:10/11/24 11:30 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#31 [しゅん]
充実した夜を過ごせたせいか、寝る前、自然と未来のことを考えていた。

あいつ、ちゃんと一人で頑張れよるやか…

いや、そんなん言いよる場合やない。
別れを切り出したのは俺だ!
そう言い聞かせて、眠りについた。

それから未来のことを考える日はなかった。

⏰:10/11/24 11:31 📱:PC 🆔:g4fng.Qw


#32 [しゅん]
そして、あっという間に二年が過ぎた。

まじでこの二年間は学校と家の往復か部活と家の往復。
ほんとに仕事だけをがむしゃらに頑張った。

思い出せる思い出がまじでねぇけね…

⏰:10/11/25 15:34 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#33 [しゅん]
嵐や野球部の奴らとは、時々会ったりしよったけど、みんな社会人としてそれぞれ忙しい毎日を送りよって、連絡もろくに取っていなかった。
何人か結婚したけど、式もあげてねぇし、みんなで集まることは全然ねかった。

⏰:10/11/25 15:35 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#34 [しゅん]
一方、学校ではこれまでは新入社員ならぬ新人教師だった俺だが、新しい後輩が入ってくるという。

野球をしていたとき、部活で後輩が入ってくるたびに、恐怖感に襲われていた。
同じポジションで俺より上手いあるいは打てる場合、自分のレギュラーの座が危ない。
特に入ってくる前から有名な奴やったり、監督やコーチの一押し選手だと、同じタイプの選手でないことを祈る。
いわば、下克上の世界だった。
幸い、俺の場合は俺の腕を越える奴は出てこんやったんやけど、その何ともいえない気持ちは選手なら誰でも経験することと思う。

⏰:10/11/25 15:38 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#35 [しゅん]
そんな癖がついている俺には、たとえ部活やねぇとこでも後輩というものに自然と恐怖感が出てくる。
嵐もそう言っていた。

俺は体育が受け持ちやけ、滅多に同い年ではかぶったりせんのやけど…
社会科の教師として一人後輩が入ってきた。
しかも、二年教員試験に落ちて、三度目を受験して受かったという諦めない同い年。
そんで、未来と同じ高校出身。
更に、野球部。
極めつけは、話したことはねぇけど顔見知り。
もうここまできたら、THE奇跡やろ。

ちゅーことは、野球部コーチが二人になるんか?
と思いながら、そいつの挨拶を聞いた。

⏰:10/11/25 15:39 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#36 [しゅん]
名前は
相澤啓示(アイザワケイジ)

これは俺の高校時代のデータ。
ポジションはレフト。
俺と一緒やないかー!
しかもピッチャーも出来る。
中、高とキャプテンで4番バッター。
身長は174cmと俺より小さいが、俊足。

未来からも啓示はめっちゃ野球が上手いと耳にタコが出来るぐらい聞いていた。

⏰:10/11/25 15:47 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#37 [しゅん]
その名前を聞いたとき、真っ先に思ったことは未来の知り合いか…っちこと。
俺のポジションを脅かすなんかどーでもよかった。
未来が野球が好きだったこともあり、啓示とは卒業してからも仲が良かったのも知っていた。

ちゅーことは、未来は啓示の教師になったことも赴任する学校も知っているはず。
そして啓示は、俺らが過去何があったかを知っている。
全部、知っとるんやな。こいつは。
正直そう思った。

隠しても仕方ねぇことやし、別に間違ったことしたわけやねぇし。
何故か焦っている自分の気持ちを抑えていた。

⏰:10/11/25 15:50 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#38 [しゅん]
早速、俺に付いて研修を受けなさいと言う指示が出た。

やっぱね。
予想通り。

啓示はどんな顔をして、俺のところに来るんやろう。

⏰:10/11/25 15:50 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#39 [しゅん]
[相澤啓示です!
宜しくお願いします!!]

「よろしく。
俺のこと知っとーよね?」

[はい!]

「敬語、いいよ。
教師になったのは俺が先やけど、同い年やし。」

[じゃあ…]

少し遠慮がちにタメ語で話す。
学校のことを説明しながらも、意外に世間話で盛り上がった。

⏰:10/11/25 15:51 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#40 [しゅん]
[俺も、体育教官目指しよったんやけどねー。
全然ダメやった。
すげぇね。
しかも一発っち]

「みんなそう言うけ、すげぇんかなっち気になるけど。
本気で勉強したし、大学ん時の俺は変に自信の塊やったけね。
ある意味それがよかったんかもしれん。
まぁ、自分もそうやけど周りの人に支えられた部分がでけぇよ。」

[そっか。
それでも、あの競争率やけね。
尊敬するわ!!]

「そりゃどーも。
何で社会科の試験受けたん?」

[なれそうなのがこれしかねかったけ。
どーしても先生なりてかって、でも理系は無理やし。
っちことで無難な教科!]

⏰:10/11/25 15:53 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#41 [しゅん]
「まぁ教師に違いはねぇけね」

[よな!
野球教えたいでさー。
まぁ、なったらなったで先に素晴らしいコーチがいましたけど]

「お前が相方になるんは、心強いわ!」

俺の予想通り、啓示もサブコーチとして野球部に迎えられ、厳格な監督のもと素晴らしいコーチ組が誕生した。

⏰:10/11/25 15:53 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#42 [しゅん]
啓示の弟はずば抜けて野球が上手く、野球留学していた。
ここでは名前が書けんけど、関西の有名な高校。
小学校のとき、全国ジュニアの大会でベストナインに選ばれたくらいやけね。
野球部の生徒はほぼ全員知っとーこと。
その兄貴が先生として入ってきたっちことで、部内もざわつく。

啓示自身も野球チームを持っている企業からのオファーはあったみたいやけど、俺と一緒で野球を極める道には進まなかった。

⏰:10/11/25 15:55 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#43 [しゅん]
歓迎会も終わり、啓示も学校のペースにやっと慣れた頃。
二人で飲みに行った。

そこで俺は人生のターニングポイントに遭遇する。

これから起きる事を、俺はこれっぽっちも想像していなかった。

⏰:10/11/25 15:56 📱:PC 🆔:9T6IILaI


#44 [しゅん]
お互い一回家に帰って再び集合し、電車で小倉まで出た。
適当に選んだ居酒屋に入ることになった。

二人とも酒はかなり強い。
めちゃめちゃ強い。
ビールから始まり焼酎、日本酒とまじで飲みまくった。

ある程度、酔ってきたかなーっちぐらいのとき。
急に啓示が切り出した。

⏰:10/11/26 16:05 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#45 [しゅん]
[今まで触れてねぇけど。
お前、未来と別れて彼女おるん?]

急に聞かれ、不意打ちをつかれる俺。

「は?急にどーしたんかちゃ!」

[いや、どーなんやろっち思って。]

「おるわけねぇやん。」

[全く?]

「全く。
女と連絡取ったことすらねぇよ。
全部未来から聞いとん?」

[別れたことはいっときしてから、祐子(ゆーちん)に聞いた。
あいつ、ほとんど誰にも言ってねぇみたいやけね。
自分から話したんは、祐子ぐらいなんやね?]

「そーなんや」

⏰:10/11/26 16:06 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#46 [しゅん]
[本人からは俺がここに配属なるっち話した後、全部聞いたけど。]

「そっか。」

[お前、もう未来のことどーでもいい感じなん?]

「いや、そんなことねぇよ。
俺の都合で別れたし、あいつにはほんとに申し訳ねぇっち思っとるし。」

[申し訳ねぇとかやねぇでさ、気持ち的にはどーなん?
もう丸二年経ったけど]

⏰:10/11/26 16:06 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#47 [しゅん]
「んー。
お前が入ってきたとき、久しぶりに未来のこと考えたけど。
考えたってどーなる話でもねぇし。
未来が一歩進んでくれとったらいいなとは思うけど。」

[一歩進んでっち、新しい恋を始めとったらっちこと?]

「恋っちだけやねぇで、仕事とかそんなんも全部含めてでも」

[それはお前に一切気持ちがねぇっちことなん?]

「んー。そーなんやね?」

⏰:10/11/26 16:07 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#48 [しゅん]
そう言葉では言いながらも、俺の心の中は迷っていた。

実際、どーなのか。
好きと言われれば好きなのか…。
自分の素直な気持ちを誤魔化し、そうじゃないと言い聞かせる自分。
そして、そう言い切れる自信もない自分。
そんな自分にさえ嫌気がさして、全否定する自分もいる。
今思えば、本心ははっきり未来が好きだと言えるだけの気持ちがあっただろう。
でも、そんな偉そうなことを言う権利も余裕も俺にはなかった。

俺の都合で別れて、また戻って欲しいというのは虫が良すぎる。
やし、自分から戻って欲しいと強く思ったわけでもない。
実際、あの未来でも今回は俺に嫌気が刺して、いい人を捕まえているだろうとも予測できた。
まぁー未来が新しい恋を始めていると聞けばショックはショックなんやろーけど。
離れた時間が長すぎて、そして仕事というものに集中しすぎて、未来の存在は心の隅に追いやられていた。
言うなら、今は啓示によってそれを蒸し返された状態。

そんな反応をした俺に啓示は、思わぬ言葉を俺に投げかけた。

⏰:10/11/26 16:10 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#49 [しゅん]
[そっか。
なら、あえて言うけど。
未来はお前を待っとるぞ。
二年経った今も。]

その言葉を聞いた瞬間、鳥肌が立った。

「は?ねぇねぇ」

動揺を隠す俺。

[そー思うかもしれんけど。
あいつは今も待っとる。
お前が一人前になって迎えに来てくれる日をずっと。]

「…」

⏰:10/11/26 16:45 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#50 [しゅん]
[まぁ本人が口にしたわけやねぇけどね。
お前と別れてから、あいつの浮いた話は聞いてねぇし、あんだけ可愛いけ紹介して欲しいっち言う話が山ほど出よることも知っとる。
でも、あいつはそれに一回も答えてねぇんやね?
俺が聞いてないだけかもしれんけど。]

「別にそれだけで待っとるっちことにはならんやろ。」

[まぁそうかもな。
俺もそう思いよったし。
でも、うちの試合は見に来れるときは見に行きよーよ。
お前に見つからんように。
しかも二ヶ月に一回、柳川かなんかにある神社に行って、お前の生徒が怪我しませんようにと甲子園に行けますようにと、しゅんがちゃんと先生を続けられますようにっちお参り行きよるらしいよ。
二年間ずっと。
これでもそう思うか?]

⏰:10/11/26 16:46 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#51 [しゅん]
「嘘やろ…」

[今嘘ついてどーするんかちゃ!
もう二年ばい?
お前がその気ねぇなら、それを教えて欲しい。
あいつがそういう行動を取りよるの聞くたびに、胸がいてぇんちゃ。
お前が迎えいくつもりでおるなら、まだいい。
でもそういうつもりがねぇなら、俺は次へ行けっち言える。
今、未来の話を聞いても否定も肯定も出来んのちゃ。
そういうのを感じ取ってか、俺と会うこともすげぇ気ー使っとんちゃ。]

⏰:10/11/26 16:47 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#52 [しゅん]
「そんなん、今すぐに決めれる話やねぇーやろ」

[お前にとって未来は何?
ただの過去の女?
今はっきりさせれんで、いつ答えが出るんかちゃ!]

「そんな簡単に考えれんちゃ!
二年前別れたときだって、真剣に考えて答えを出した。
それを未来は受け入れたんちゃ。
そして、お互いに別の道を今まで歩いてきたんちゃ。
なんに、今の未来の状況をお前から聞いて、すぐ答えを出せるか?
この二年はそんな簡単に過去に帰れる時間やねぇよ。
未来が戻って欲しいっち言ったわけやねぇ。
それで、俺の気持ちが一気に動いたりせんやろ。」

⏰:10/11/26 16:48 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#53 [しゅん]
[嘘つけちゃ!
戻りたいっち気持ちに動いたやろ?
俺は未来の気持ちがわかってほしいんちゃ。
色んな理由があって、別れることになったんもわかる。
それがお互いに辛い決断やったことも知っとる。
でも、そんな過去も今も全部受け止めて、一途にお前を思う未来の気持ちを考えてやってや。
お前がこうやって先生になれたことも、今に集中出来とることも、全部未来がおったからやろ?
未来がお前のことを一番に考えてくれとったけやろ?
背中を押してくれよるのは、いっつも未来やん。
お前はそれをわかっとるはずなんに、わからんふりをして今まで来たんやねんか?
もう充分過ぎる時間が経ったやろ。
このタイミングを逃す気かちゃ!
いいんか?それで。]

⏰:10/11/26 16:49 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#54 [しゅん]
俺は何も言えなかった。
啓示の言う通りだ。
「未来と戻る」ことが表に出てきたのは確か。
俺の身勝手で未来の気持ちを左右し、自分のしたいようにしてきた。
それでも未来は俺を応援してくれている。
それに目を閉ざしていたのは、他の誰でもなく俺だった。
でも、もうそれは気付いてないふりを出来る域を超えている。


未来のことを一切考えず、二年間突っ走ってきた俺。
それは心のどこかに

「未来は待ってくれる」

という気持ちがあったからかもしれない。


啓示から聞いたことを、まだ自分に受け入れられずにいた。

⏰:10/11/26 16:52 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#55 [しゅん]
[あいつさ、ネイルの学校に通いよったやん?
それはお前も知っとるやろ?
お前も頑張りよるけっちゅって、猛勉強しよってさ。
仕事しながらやしほんと大変やったと思うけど、そんな素振りは全然見せんやってさ。
まぁ自分がしたいことしよんやけ周りがどーのこーの言うことでもやねぇんやけど。
でも、この前一級受かったらしーよ。
別にネイリスト?になりたいわけやねぇんにさ。
だたお前が頑張りよるけ、負けたくないっち気持ちだけでやけね。
あいつまじすげぇちゃ]

⏰:10/11/26 16:53 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#56 [しゅん]
二年前、俺が別れると言った日。
未来は俺に負けたくないけ、自分も頑張ると言っていた。
今でもはっきり覚えている。

あの時はまだ、ネイルスクールに通いだしたばっかりだった。
二年経った今、これが結果だ。
資格を取り、しかも一級。
頑張ると言っていたことが形になっている。

俺は何か形に出来たのだろうか。

未来に胸を張って、これだといえるものがあるのか。

⏰:10/11/26 16:54 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#57 [しゅん]
答えは出なかった。

早く一人前になりたい。
そう思っていたことは、はっきりと形に出来るものではなかった。
試験があるわけやねぇし、昇進があるわけでもねぇ。
自分や周りのみんなが感じ取るものや。

そりゃ、先生としての自覚や責任感は年々増してくるし、やり甲斐もある。
でも…これだけじゃ…。

しかも、このまま進み続けて何か答えが見つかる気もしなかった。

んーーー。


啓示と別れてからも、俺の頭ん中は未来のことでいっぱいだった。

⏰:10/11/26 16:58 📱:PC 🆔:kkl3jxSQ


#58 [しゅん]
それから何日かして。
たまたま練習中に怪我をした生徒を送ったとき、未来の実家の近くを通った。
久しぶりに見る景色。
空き地だったところに家が建ち、公園は綺麗に整備されている。
二年来なかったうちにこんな変わったんやなっち切なくなりながらも、生徒と話していた。

⏰:10/11/29 14:04 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#59 [しゅん]
〈せんせー、せんせーが高校ん時っち、もう教師になるっち決めとったん?〉

「いや、高校ん時はまだ確定はしてねかったね。
プロっち道も頭にはあったな。」

〈何で行かんやったん?〉

「お前はプロ目指しとんやろ?」

〈うん〉

「じゃー言わん!」

〈はぁー?教えてよ!」

⏰:10/11/29 14:04 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#60 [しゅん]
「俺は、自信がねかったやろーね。
俺の兄貴はお前も知っとーやろ?
兄貴達の代がお前らがちょーど、憧れとる世代やったはずや。」

〈はい〉

「その兄貴から、ちょっとでも自信がねぇなら辞めとけっち言われたんちゃ。
兄貴は金が行き来するところで、野球はしたくねぇっち昔から言いよってさ。
それを直で聞きよったし。
その下で育ったけ、影響力は大きいよな。
まぁ野球選手はそれが職業やしプロとしての自覚があって夢を与える仕事でもあるけ、そんなん言ったってっち話でもあるんやけど。
お前もそれを夢見て野球始めたやろ!っち言われればそーやしね。
でも、兄貴の考え方はそうやったん。」

⏰:10/11/29 14:05 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#61 [しゅん]
〈挑戦してみたくなかったんですか??〉

「んー。挑戦はしてみたかったかもな!」

〈じゃあ何で?〉

「それだけやねぇ。
プロでダメになった奴は腐るほどおる。
選手生命を脅かす大怪我したら、打てんくなったらどーする?
あの世界は普通のサラリーよりも結果に厳しい。
結果が出らんと、捨てられる。
ファンからのプレッシャーもある。
連続でいいプレーして勝利に貢献しても、たった一回のミスをすればそれを叩かれる。
自分が思っとる以上に追い討ちをかけられる。
その中で輝けるんは、ほんの一握りなんちゃ。
高校で超高校級、大学でも絶対スターになるっち言われとった奴が、プロに入ってダメになった話なんか山ほどあるんちゃ。
俺はそんな世界で生きていけんっち思ったん。
まぁ、かっこいいこと言いよるみたいやけど、実際は目指すこともせんかった負け組みなんやけどな。」

⏰:10/11/29 14:06 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#62 [しゅん]
〈いや、そんなことねぇと思います。
先生になっとるし。〉

「まぁな。
それでも、違う人生があったかもしれんし。
お前もそんなんわかりきっとるやろ!
でも、それでもやってみたいっち思うなら、ほんまもんと思うよ!
ただ、野球だけやるな!
いっつも言いよるはず。
野球だけやってきた奴は上手いに決まっとる。
それも今はいいかもしれん。
でも将来はそうやない。
野球が出来んくなったとき、勉強しとけば次の道への選択肢が増えるんちゃ。
ちゃんと勉強もして、心と体と頭で野球をするんや。
それはぜってぇ忘れるなよ!」

〈はい!〉

⏰:10/11/29 14:08 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#63 [しゅん]
偉そうに言いよるけど、実際その世界に行ったわけでもねぇし。
ただ、兄貴の友達にも自分の先輩、後輩にも、プロで活躍できることを夢見てダメになった人間を身近で見てきた俺には、これから目指す生徒たちに最低限言わなければならない義務はあったと思う。

⏰:10/11/29 14:09 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#64 [しゅん]
〈せんせー噂の可愛い彼女は?〉

「別れたっち言いよーやんけ!」

〈何で?〉

「色々!」

〈やっぱ、社会人になったり環境が変わると難しくなるんかなー。〉

⏰:10/11/29 14:10 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#65 [しゅん]
「お前は?彼女おるんか?」

〈おるけど、野球が忙しいし、あんま相手してやれんし。
それでも頑張って!っち応援してくれて待ってくれるんちゃね。
めっちゃ嬉しいのに、罪悪感がすげぇある。
好きなのに別れる意味もわからんけど、でも今の状況が俺にはいっぱいいっぱい過ぎてさ。
俺、そんな器用やねぇし。
何回考えても今は野球を頑張りたいんちゃね。
それを伝える勇気もねぇし・・・
せんせー、俺どうしたらいいと思う?〉

二年前の俺と全く同じだった。
野球と恋愛。
高校生にとっては、どっちも大切だと思う。

⏰:10/11/29 14:20 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#66 [しゅん]
この時期の悩みの種は野球か恋愛のとちらかだ。


・彼女がいるから野球が頑張れる。
彼女のためにホームランを打つ等、応援してくれる彼女の存在によって頑張れるタイプ。


・野球に集中するため彼女を犠牲にする。
野球に集中したいが為、彼女と別れたり距離を置いたりするタイプ。
中には周りが別れたけ、とりあえず俺も…という奴もおる。


・それ以前に野球のことしか頭にない。
もともと彼女がおらん奴や、作らない奴、野球にしか興味がないタイプ。



俺が聞いた話や経験してきた中では、だいたいこの三つに該当する。

⏰:10/11/29 14:22 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#67 [しゅん]
この生徒は、今まさしく高校野球を目の前にし、悩んでいる最中だった。
高校生の時の俺は未来と別れとったし後者やったけど、周りはこんな状態やったな。と過去を思い出しながらも、俺に出来るアドバイスはした。
偉そうには言えんのやけどね。

でも、高校生でもこんな壁にぶち当たりながら成長している。
事は違っても、俺と同じ壁だ。
二年前の俺も同じような状況やったなと何か胸が締め付けらると同時に、少し今の俺の気持ちに変化があったような気がして落ち着かなかった。

⏰:10/11/29 14:24 📱:PC 🆔:S41m7Qs6


#68 [しゅん]
無事に生徒を家に送り、そのまま家に帰っていた時。

俺は小さな交差点の信号待ち中。
ふと、横断歩道を見ると一人の女と目が合った。

お互い、あ!っち感じになって俺は曲がった先で止まった。

⏰:10/12/02 16:49 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#69 [しゅん]
その女は黒谷十環。
良太の元彼女。

二人は一年前ぐらいに別れた。
それからは全く会う事もなく、このタイミングでの再会だった。
気まずい別れ方ではなかったらしく、良太からは今も遊んだりはする関係と聞いていた。

⏰:10/12/02 16:50 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#70 [しゅん]
「おう!久しぶり!」

少し気まずそうに俺の挨拶に答える。

(しゅんくん!!久しぶり!)

「どこ行きよん?」

(今から小倉行かないけんけ、バス停まで)

「家ここらへんっけ?ついでやけ、乗り!送っちゃーか?」

(え?いいよいいよ!)

「いや、どーせやけさ!乗り!」

(ほんとに?じゃあ…)

そう言って、俺の車に乗った。

⏰:10/12/02 16:50 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#71 [しゅん]
「元気そうやね!良太とは会いよん?
あいつ元気しとー?」

(うん!めっちゃ元気しとーよ!
しゅんくんと嵐くんの話ばっかしよるし!)

「きもちわりーし!」

そんなたわいもない会話から、十環の会社の話になった。
十環は図書館の管理会社に就職したと良太から聞いていた。

⏰:10/12/02 16:51 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#72 [しゅん]
「仕事どーなん?」

(んー…
ちゃんとしよるよ!)

「土日休みやねぇけ、きちーんやね?」

(・・・え?)

「ん?」

(良くんから聞いてない?)

「何を?」

(あたし、今○○で働きよるんやけど・・・)

「は????」

○○は、未来が働きよる会社や。
何で十環が同じ会社に勤めているのか。

⏰:10/12/02 16:51 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#73 [しゅん]
「いや、ちょっと待て。
何で十環が未来と同じ会社なん!
図書館は?」

(勤務帯とか、仕事の内容とか色々あって、図書館はやめたと。
中途採用で入ったんやけど…
良くんから聞いとると思ってた。)

「いつから?」

(もう一年以上なるかな…)

良太からは何も聞いてない。
未来と別れてから、何回か会った。
なんに俺には何も言ってこなかった。

⏰:10/12/02 16:52 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#74 [しゅん]
「そーやったんや!
良太も俺に気ー使っとったんやろーね。
何かわりーことしたな。」

(ううん…)

「未来、元気?」

(うん…)

「辞めよっか!未来の話は!
ごめんな!」

⏰:10/12/02 16:52 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#75 [しゅん]
(ううん!全然大丈夫!
未来ちゃん元気しとるよ!
今、同じ部署で働きよるん。
あたし四大卒やけ後輩やけど、タメやけめっちゃ仲良くさせてもらってる。
仕事もめっちゃ出来るしね!)

「そっか。」

笑顔で話しを聞いていたが、何となく胸が締め付けられ、苦しかった。

⏰:10/12/02 16:52 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#76 [しゅん]
(しゅんくん…)

十環がそう言ったとき、嫌な予感がした。
来るな。っち感覚。

(…未来ちゃんのこと、どう思ってるん?)

やっぱね。

「未来から話聞いとん?」

(うん。聞いてる)

「そっか。」

(うん・・・)

⏰:10/12/02 16:53 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#77 [しゅん]
「正直、未来のことは好きかもね。
気持ちはあると思う。
でもやっと仕事もいい感じになってきたし、今戻りたいとは思ってねぇ。」

(そっか…)

「でも、未来のことを考えることは多くなったね。」

(何かあったと?)

⏰:10/12/02 16:53 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#78 [しゅん]
「知っとるか知らんかわからんけど、未来の友達に啓示っちゅー友達がおってさ。
その啓示がたまたま後輩として学校に入ってきたんな。
そいつから、未来の話を色々聞いて。
未来の事を考える日が増えたのは確かやね。」

(手遅れになる前に、迎えに行かんと後悔するかもしれんよ?)

「ん?」

⏰:10/12/02 16:54 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#79 [しゅん]
(未来ちゃん、ずっと言い寄られてきてた年下の男の子がおって。
その子の押しが凄かったのもあるんやけど、それに負けて付き合ってた。
でも、理由ははっきり言わんけわからんけど、未来ちゃんから別れて。
多分、あたしが思うにしゅんくんと思うんよ。
でもまだその子から押されてて…
その子もめっちゃいい子やし、気持ちが全部いってしまう前に早く手を打った方がいいよ!!)

「そっか。
でも、いんやね?
その子がめっちゃいい奴なら尚更。
俺、未来を振り回し放題やったし、幸せつかむチャンスをわざわざ俺が奪うわけにはいかんやろ。」

⏰:10/12/02 16:54 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#80 [しゅん]
(何で?ずっと待っとるのはしゅんくんのことなのに?
自分から幸せにしてやる!っち気はないと?
おかしいよ!!
お互い好きなのに離れ離れになって、何で他の人と幸せになろうとせないけんの?)

この言葉にはっとした。

⏰:10/12/02 16:55 📱:PC 🆔:SRMqlhjA


#81 [ゆず]
1から4まで読みました何かイライラしたり…ドキドキしたり…ワクワクしながら読んでました。約一週間かかりました(笑)未来ちゃんを迎えに行って欲しいですね2人にゎ結ばれて欲しいまだまだ続きますよね楽しみに待ってます

⏰:10/12/03 11:07 📱:P03A 🆔:.KEnav7g


#82 [しゅん]
ゆずさん

一週間もかけて読んでくれて、まじありがとう!
これからどーなるか続き楽しみしとってな♪
一応、感想版あるけんそっちに書き込みして〜!!
返事バンバン書くけん^^
ごめんね!

⏰:10/12/06 16:53 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#83 [しゅん]
別れたあの日、最後に未来はこう言った。

『言っとくけど、ずっとあたしがしゅんのこと好きとか思わんでね。
あたしだっていい人が出来たら、そっち行くけん。
それで後悔しても、もう遅いんやけ』

それが、現実になりつつあるのか・・・。

⏰:10/12/06 16:54 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#84 [しゅん]
俺の返した言葉に未来は待っていると言っていたが、二年経過した今は状況も気持ちも変化しとーに決まっとる。

こればかりは最後のチャンスかもしれない。
そう思った。

⏰:10/12/06 16:56 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#85 [しゅん]
野球も先生になることも一番近くで応援してくれた。
自分より俺のことを最優先してくれていた。

仕事が終わり家に帰ると飯が出来とったり。
掃除や洗濯も終わっていた。

未来自身も忙しかったはずなんに。
別れる前は仕事が忙しそうで、帰るのも夜遅かった。
時期的なものもあるかもしれんけど。

それでも、あいつなりに気持ちを形に表してくれとったんや。

⏰:10/12/06 16:57 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#86 [しゅん]
今考えると、あの時未来には別れる予感がしていたのかもしれない。
浅田さんと同じ結末にならんよう、未来なりに頑張っていたのかもしれない。
やけ、無理に会いに来てくれたり、飯作ってくれたりしよったんかも。

そんなことにも気付かなかった俺は最悪最低や。

⏰:10/12/06 16:57 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#87 [しゅん]
その場その場は感謝しとったし、ありがとうの気持ちを忘れてはいなかった。
でも、その繰り返しで当たり前になっていたのだろう。


結局、俺は仕事と恋愛を天秤にかけ、仕事を選び、未来を捨てた。

それがただ一つ真実だ。

⏰:10/12/06 16:58 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#88 [しゅん]
俺が今すべき顔は未来の彼氏じゃねぇ。

そんなんどの面下げて言いよんかっち。
まじ勝手な言い分やな。

俺から離れるなっち言った俺が自ら手放し、未来はそれを受け入れた。

⏰:10/12/06 16:59 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#89 [しゅん]
未来が俺にしてきてくれたことの多さ。
そして残してくれていったものの大きさ。

俺はわかっているつもりにすぎなかった。

でも、また俺のわがままで戻るのか…。

俺を待っているとしても突き放して、未来は他の誰かと幸せになった方がいんやねぇか。
俺やねぇ方が幸せになれるんやねぇか。

その葛藤が俺の気持ちを支配していた。

⏰:10/12/06 16:59 📱:PC 🆔:kxmqXYZA


#90 [しゅん]
「何かさ、わからんのちゃね。
何回も俺のわがままでそんなんを繰り返してさ。
もういい加減してよっち言われるのもこえーんちゃ。」

(いいやん!それでダメやったとしてら、ダメでいいやん。
逃げとるのはしゅんくんやん。
もう一生、未来ちゃんに気持ちを伝えんっち思ってるなら、俺は戻る気なんかない!っちはっきり言って欲しい。
未来ちゃんが他の人に行かんのは、しゅんくんがおるからなんよ?
結局、キープ的な感じになっとるやん!!
他の人のとこに行っていいっち思ってるなら、もうお前はない!っちはっきり言ってよ!!)

⏰:10/12/10 13:59 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#91 [しゅん]
「キープとか思ってねぇし」

(周りから何と言われようと、ただあたしがただ好きなだけやけっち。
しゅんが別れるっち言葉を出したことは、凄い言いにくかったと思うん。
でも、ちゃんと今は考えれんっちはっきり言ってくれたん。
曖昧な言葉で濁すんやないで、ちゃんと伝えてくれた。
しゅんは悪くない。
ただ、あたしがその「今は…」っち言葉に期待して待っとるだけで、しゅんは関係ない。
別れることに納得したのも自分やし、今もしゅんが好きなのはあたし自身の問題やけ。
しゅんを悪く言うのは辞めてっち。
そう言うん…
いっつも元気なのに色々考えてるんやなっち思ったら、もうはっきりした方がいんやないかなっち。
凄く思う。)

⏰:10/12/10 14:00 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#92 [しゅん]
十環の言う通りで何も返す言葉がなかった。
ここまで未来が思っとるんや…
正直、かなりの衝撃だった。

(ごめんね…
あたし、そんなしゅんくんのことを知っとるわけやないのに、ズカズカ入ってしまった)

「いや、その通りやけん。
しっかり考えて答え出すな。
ありがとう。
一個だけ約束してもらっていい?」

(ん?)

「今話したことは、未来には話さんでほしい。
未来には俺なりに答えを出して、直接話しするけん」

(わかっとるよ。
そんなあたしが話しできるような、軽い話やなもん)

「ありがと」

⏰:10/12/10 14:00 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#93 [しゅん]
十環を送ってから家に帰ったが、何もやる気がおきなかった。
最低限しとかんないけんことを済ませ、風呂に入った。

いつもは全然考えずシャワーで済ませるが、湯を溜めて久しぶり浸かった。
未来が一緒のときは必ず湯を溜めて一緒に浸かるのが当たり前だった。
未来が買ってきた変わった入浴剤や、たまたま貰った高い入浴剤を入れ、二人で遊んだりもしていた。
子どもみたいにはしゃいでいた光景が目に浮かぶ。

すぐ隣りにいるような感覚だった。

⏰:10/12/10 14:01 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#94 [しゅん]
風呂から上がり、ソファーに横になる。
上を見上げると、そこにはシャンデリアがあった。
未来が作ってくれた照明。
横になっているソファーは未来と一緒に選んで買ってもらった。
引越しの手伝いをしてもらっていたとき、物を落としてへこんだ床もそのまま残っている。
冷蔵庫には作ってくれた夜食も冷凍されたままだ。
俺たちの時間をそこで止めているかのように、何も変わらない。

今もこの部屋には、未来との思い出がたくさん詰まっていた。
二年以上も前のことなんに、何一つ薄れていない。

⏰:10/12/10 14:02 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#95 [しゅん]
ただ一つ変わったことは、二歳年をとっただけだ。
二年間、自分が出来ることをがむしゃらに頑張った。

そんな自分を、未来はまた受け入れてくれるのだろうか。

色んな思いが交錯しながら、ただただ湧き出てくる未来に対する気持ちを抑え必死にこらえている自分がいた。

⏰:10/12/10 14:02 📱:PC 🆔:PmAwhBIk


#96 [しゅん]
そして、俺の気持ちの変化に関わらず忙しい毎日が過ぎていく。
十環と会って、二週間が経とうとしていた。

啓示ともあの日以来、未来の話はしていなかった。

そんな週末、啓示から未来の話を聞かされた。

⏰:10/12/20 14:35 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#97 [しゅん]
[あんさ、未来の話はしたくねぇけど。
お前がどー思うかは知らんし、未来の話するのはこれで最後と思う。
今朝、未来が男とマンションから出てくるの見た。
本人に確かめたわけやねぇし、その男が誰かもわからん。
ただ、あの状況はどーなんやろ?っち思って。
まぁ、単純に考えれば朝帰りっちなるんやろーけど。
もう手遅れかもしれんし?まだ間に合うかもしれん。
それだけ。
じゃあ、俺1限目授業あるけ]

⏰:10/12/20 14:36 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#98 [しゅん]
朝帰り?
未来が男と?
信じられなかった。
嫉妬や焦りというよりも、未来が言った言葉が現実になっていること自体が信じられなかった。

十環が言っていた男かなとも思った。

頭が真っ白になり、負の連鎖が始まる。
1限目が空きだった俺は、未来のこと意外考えられず、何も手につかない状態だった。

いつの間にか一日が終わり、家に帰る足取りも重い。

そのまま二、三日が経った。

⏰:10/12/20 14:36 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#99 [しゅん]
その日も部活で遅くなり、それから色々と作業をしていると学校をでるのは10時過ぎだった。
いつも通り家に帰る。
マンションに入るとき、入口で人が座っていた。
レンガの上にちょこっと座り、誰か人を待っているような感じだった。
何か不気味やなっち思いながらも、その前を素通りし車を停めた。
そして郵便受けを確認する為に正面玄関に回る。

すると、さっきの人と鉢合わせる形となった。
目が合った瞬間、俺は心臓が飛び出るかと思った。

⏰:10/12/20 14:37 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#100 [しゅん]
「お前…」

思わず出てしまった。

その人は誰でもなく未来。



お互い目を離せず、何十秒かそのまま。
未来は目に涙を溜め、今にもこぼれそうだ。

⏰:10/12/20 14:38 📱:PC 🆔:cGnirxVY


#101 [しゅん]
「どしたん?」

『来ちゃった』

ニコっと微笑んだ瞬間、溜めていた涙が一気に落ちた。

「どした?とりあえず、中入り。」

自分の中で落ち着け!と言い聞かせながら、未来を部屋まで連れて行った。

⏰:10/12/20 14:39 📱:PC 🆔:cGnirxVY


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